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量産終了後の補修部品はいつまで供給する必要があるか―供給期間・価格・金型の整理(AI作成)

第1 供給期間だけを決めても問題は残る

量産が終わった製品について,補修用の部品をいつまで供給するかが問題になることがある。完成品メーカーの補修対応と,部品メーカーが負う契約上の供給条件を分けて確認する必要がある。

「補修部品を必要な期間供給する」とだけ定めると,終期,数量,少量生産の単価,材料の入手難及び金型の保管費が曖昧になる。供給期間の長短だけでなく,供給できる体制と費用を対応させることが重要である。

第2 家電の補修用性能部品の保有期間との違い

1 表示規約に品目ごとの保有期間がある

全国家庭電気製品公正取引協議会が公表する製造業表示規約の別表3には,補修用性能部品の表示対象品目と保有期間が示されている。例えば,電気冷蔵庫は9年,電気洗濯機は6年,カラーテレビは8年であり,表示例は製造打切後の年数を基準としている。

資料の名称,対象品目及び起算点を確認することが必要であり,すべての製品について同じ年数が定められているわけではない。

2 部品供給契約の終期と同じとは限らない

この資料は家庭電気製品の表示に関する規約のものである。これだけを根拠に,あらゆる部品メーカーが,あらゆる製品について同じ年数だけ,従来の価格で部品を製造・供給する義務を負うとはいえない。

完成品側の保有・補修方針を踏まえつつ,部品供給契約では,対象品番,供給形態,数量及び終期を具体的に取り決める必要がある。製造を続ける方法と,必要数量を最終生産して在庫として保有する方法も区別して検討する。

第3 供給終了までの条件を具体化する

1 起算点と終期

量産終了日,完成品の製造打切日,最終納入日及び最終販売日は同じ日とは限らない。どの日を起算点にするか,誰が終了を通知するか,製造再開・追加販売で期間を延ばすのかを明記することが有用である。

例えば「2027年3月31日を量産終了日とし,2034年3月31日までの注文を対象とする」と合意する場合でも,最終注文品の納入日をいつまでとするかは別に定める必要がある。これは条件を具体化するための仮例であり,法定の供給期間を示すものではない。

2 数量と最終注文

年間の見込数量,最低発注数量,発注の予告期間,製造ロット及び最終注文日を確認する。数量の予測は確定注文と区別し,在庫を先に作る場合には,誰が発注し,売れ残りをどう処理するかを合意する。

最終注文の通知方法と回答期限を定め,回答がないことを直ちに在庫の全量購入への同意と扱わないようにすることも考えられる。余剰在庫・材料・仕掛品の引取りは,対象と金額を確認して合意する。

3 少量生産の価格

量産終了後も量産時の単価を維持できるかは,数量,段取り,検査,材料の最低購入単位,設備維持及び保管等の条件で変わる。

単価だけで処理せず,製品代,段取り費,保管費及び必要な更新費を分ける方法もある。価格の見直し時期,根拠資料,合意までの発注・供給の扱いを取り決めておけば,価格交渉と欠品への対応を整理しやすい。

第4 金型・治具の保管と処分を対応させる

部品を供給する義務を残したまま,その製造に必要な金型を直ちに返却・廃棄する合意になっていないかを確認する。反対に,供給終了後も処分の承認を得られず,保管だけが続く状態にも注意したい。

公正取引委員会の取適法Q&AのQ119は,長期間発注がない金型等の無償保管について説明している。保管料の請求をしていないことだけで問題がなくなるという扱いではなく,所有名義だけでなく実質的な管理・支配も確認する必要がある。

部品供給の期間があるから金型等の保管はすべて無償でよい,という理由にはならない。供給の必要性と,保管・維持の費用及び処分条件をそれぞれ検討する。

実務上は,部品ごとの一覧に,供給終期,最終注文日,最終納入日,在庫の引取日,金型の返却・廃棄承認日及び実施日を並べる方法が考えられる。異なる部署が管理している日付も照合しておくことが有用である。

第5 供給が困難になった場合と取引終了合意

材料の製造中止,設備の廃止,金型の劣化又は再委託先の廃業等に備え,早期の通知,代替材料・代替工法の承認,最終生産及び必要な費用を協議する手順を定めることが考えられる。

供給が難しいという事情だけで,契約上の義務や損害賠償の問題が当然になくなると決め付けるべきではない。契約内容,供給不能の原因及び代替手段を確認する必要がある。

取引終了の合意書では,基本契約を終了させる条項と,補修部品,金型,在庫,保証及び秘密保持等の残存事項を照合する。「従前どおり協力する」とだけ記載して,対象や費用を未確定のまま残さないことが重要である。

第6 根拠資料と関連記事

家庭電気製品の資料は,製造業表示規約及び別表3,金型等の保管は公正取引委員会の取適法Q&Aを参照されたい。

金型の費用・処分は,金型・治具の無償保管を解消する実務―保管料・返却・廃棄承認と図面の取扱い(AI作成),取引終了時の整理は,継続的取引を終了するときの確認事項―通知,既発注分の精算と終了合意(AI作成)を参照されたい。