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令和8年度司法試験・国際関係法(私法系)第2問の模範解答と予想される評価項目――離婚の方式、嫡出否認、国際扶養(AI作成)

令和8年9月30日作成。

この記事の模範解答、評価項目、重みは、法務省の問題冊子と法令・資料を基に作成した独自の予想であり、法務省の答案、採点基準、配点ではない。令和8年度の本問について、出題の趣旨及び採点実感は作成時点で公表されていない。公開されている受験者の再現答案も参照したが、問題文・法令と照合して採否を決めた。

第1 対象、結論及び答案の前提

本記事は、令和8年度司法試験の選択科目「国際関係法(私法系)」第2問(配点50点、問題冊子の印字頁44~45頁)を扱う。公法系科目の問題でも、同じ選択科目の第1問でもない。問題は法務省の掲載ページから確認できる。

本記事の結論は、設問1の離婚届は受理されるべきであり、設問2ではDはABの嫡出子と推定される一方、Bによる嫡出否認の訴えは甲国法の90日の期間を過ぎていて不適法であり、設問3ではBのEに対する扶養義務が認められる、というものである。設問3は「未成年」の性質決定に異論があり、義務に至る準拠法の経路は一つに確定できない。

各設問は独立しており、問題文の指示どおり反致と国際裁判管轄権は検討しない。法務省の令和8年司法試験Q&AのQ29・30によれば、出題に係る法令の基準時は原則として令和8年1月1日である。したがって、同年4月1日施行の民法改正による新規定をこの答案へ持ち込まない。例えば、親の扶養責務に関する民法817条の12は答案の根拠としない。

第2 予想評価項目の作り方

設問の問い、明示された国籍・常居所・時点、架空甲国法P~U条、対応する日本の抵触規則・実質法から、一行につき一つの確認事項を抽出した。重みは学習上の優先度であり、50点の内訳や実際の採点表ではない。 重み5は結論を左右する準拠法選択と当てはめ、4は中心的な理由付け、3は重要事実、2は反対説や誤りの回避、1は答案の範囲管理に置いた。参考答案との一致そのものを重みの根拠にはしていない。

第3 事案の概要

A男は甲国籍、B女は甲国・日本の重国籍で、共に出生以来甲国に常居所を有していた。設問1では、婚姻から3年後に関係が破綻し、合意による別居判決が確定して8か月後、Bが転居先を探して日本に数日間滞在中に、日本法による協議離婚届を提出した。甲国法は、事実上の2年の別居に基づく裁判離婚とは別に、合意別居の確定判決から6か月後の合意離婚と身分登録役場への届出を定める。

設問2では、ABの裁判離婚から150日後にBがCとの子Dを出産し、Cと共に養育している。甲国法は婚姻解消後300日以内の子を旧夫の嫡出子と推定し、母又は推定上の父による嫡出否認の訴えを出生の翌日から90日以内に限る。BはDの出生から6か月後にAを相手方として調停を申し立て、調停不成立後に訴えを提起した。

設問3では、ABの子Eは甲国・日本の重国籍で、離婚後、Aが単独親権者として甲国でEを養育している。Bは甲国籍を選択して日本に常居所を移した。Eが16歳の頃、失職したAがBへEの扶養料を求める。甲国法は親の「未成年の子」に対する扶養義務と、16歳の成年年齢を定める。

第4 予想される評価項目(法務省の資料ではない)

1 設問1――離婚の準拠法と方式

番号評価項目重み問題文の手掛かり・根拠
1離婚の実質的成立要件と届出方式を区別する5Q条2項の二つの文、通則法27・34条
2通則法27条本文が25条を準用する順序を示す4同一本国法→同一常居所地法→最密接関係地法
3Bの重国籍について通則法38条1項ただし書を適用し、日本法をBの本国法とする5Bは甲国・日本の重国籍
4AとBに同一本国法はないと判定する4Aは甲国法、Bは日本法
5日本への転居予定と数日間の住居探しから、日本への常居所移転を認めない5設問1の滞在目的・期間
6日本の常居所を欠くため27条ただし書を適用しない5「日本に常居所を有する日本人」
7夫婦の同一常居所地法として甲国法を選ぶ5両者が甲国に継続居住
8P条1項の事実上の別居2年とP条2項の合意別居判決を区別する4P条の二つの制度
9確定後8か月と双方の離婚合意からQ条2項の実質要件を満たす56か月経過の要件
10身分登録役場への届出を方式と性質決定し、その理由を示す5Q条2項後段、通則法34条
11通則法34条2項の行為地法による方式を日本の協議離婚届に当てはめる5日本における届出、民法764・739条
12問題文にない署名欠缺を仮定せず、受理の結論を示す2双方の離婚合意と届出提出の明示

2 設問2――嫡出推定と嫡出否認

番号評価項目重み問題文の手掛かり・根拠
13通則法28条1項の夫婦一方の出生時本国法による選択的成立を示す5小問1の「嫡出子と推定」
14Aの甲国法と、Bの日本法を出生時の候補法として特定する5国籍、通則法38条1項ただし書
15甲国R条の婚姻解消後300日以内を150日に適用する4R条、離婚から出生までの日数
16日本民法772条1・2項の推定も示す4日本で有効な離婚、再婚なし
17Cとの血縁認識だけでAの嫡出推定が消えないことを説明する4BCの交際・養育と法律上の父の区別
18推定の及ばない子に当たる客観的な性交渉不能事情が示されないと検討する3破綻と別居だけでは足りない
19嫡出否認を推定と表裏の問題として28条の適用範囲に置く5小問2の訴え
20両法で成立する嫡出関係を覆すには両法の否認要件を満たすと論じる528条の成立促進の趣旨
21日本法上の母の否認権、相手方、3年の期間を確認する4民法774条3項、775条1項3号、777条1項3号
22甲国S条の90日を出生翌日から起算し、6か月後の申立てより前に満了したと示す5S条、時系列
23調停不成立やAの放置は期間満了を回復せず、訴えを不適法と結ぶ5甲国法の否認制限、設問の結論要求
24期間を単なる日本の訴訟手続とせず、否認の可否に係る要件として扱う228条の保護構造

3 設問3――Eに対する扶養義務

番号評価項目重み問題文の手掛かり・根拠
25Eの扶養をAB間の離婚後扶養、親権の準拠法と区別する5通則法43条1項、扶養法2・4条
26扶養法2条の第一順位としてEの常居所地法たる甲国法を指定する5Eは甲国に常居所
27甲国T条「未成年」の性質決定とU条の16歳を検討する5Eは16歳、T・U条
28T・U条を一体の甲国実質法とみる構成では第一順位で請求できないと示す5甲国法上の成年
29扶養法2条1項ただし書の共通本国法へ順に進む4扶養を受けられない場合の補正的連結
30Eの重国籍を扶養法上の共通甲国籍として捉え、通則法38条を機械的に移さない5Bは甲国籍のみ、Eは甲国・日本籍
31共通甲国法でも扶養を受けられないため2条2項の日本法へ進む5T・U条と2条2項
32日本民法4条・877条1項により、16歳のEへのBの扶養義務を認める5成年18歳、直系血族間の扶養
33「未成年」を独立の先決問題とする構成を示し、通則法4・38条から日本法を指定する4東京高決平成18年10月30日を紹介する文献
34その構成では甲国T条の段階でBの義務を認め、適用法の違いを明記する4同判例の考え方と本問の差異
35Aの監護・失職とBの負担、Eの需要を分け、具体額は未確定とする3民法879条、双方の資力資料なし
36Aの監護親としての申立てとEの権利の代理行使を区別し、扶養法6条・利益相反を検討する3Aによる家庭裁判所への申立て

4 答案全体

番号評価項目重み問題文の手掛かり・根拠
37各設問を独立に扱い、反致と国際裁判管轄権を論じない1問題文冒頭の指示

37項目の内訳は、重み5が21項目、4が10項目、3が3項目、2が2項目、1が1項目である。この分布も予想にすぎない。特に設問3の番号27~34は、同じ結論でも法的経路の説明に差があるため、機械的なチェック数だけで答案を評価できない。

第5 模範解答

以下は本記事独自の模範解答である。選択科目1問の上限を意識して、見出しを含めて1行30文字以内・92行に整えた。改行は答案の表示用であり、引用元の答案ではない。

第1 設問1
問題は、離婚の実質的成立要件と方式を分けて準拠法を決めること
である。外国の離婚法が協議離婚を許すか、別居判決をどの段階で
要求するかは離婚の可否・要件である。他方、合意をどの官署へ届
けるかは原則として意思表示の外形に関する方式である。離婚の実
質的成立要件には通則法27条が適用され、同条が準用する25条
により同一本国法、同一常居所地法、最密接関係地法の順に準拠法
を定める。ただし夫婦の一方が日本に常居所を有する日本人なら、
27条ただし書により日本法による。Aの本国法は甲国法である。
他方、Bは甲国と日本の重国籍者である。通則法38条1項ただし
書により本国法は日本法となる。同一本国法はない。Bは日本へ転
居予定で住まいを探すため数日間滞在したにすぎず、生活の本拠は
なお甲国にある。Bの日本国籍だけでは日本の常居所を認められ
ず、27条ただし書も働かない。夫婦の同一常居所地法である甲国
法が実質的成立要件を規律する。甲国法P条1項の事実上の別居
は、2年間の継続を要する。しかし本件ではP条2項の合意による
別居の確定判決があり、日本でも効力を有する。Q条2項はその確
定から6か月後の合意離婚を許す。8か月が経ち、AB双方が離婚
に合意したので、同項の実質的要件は満たされる。日本の協議離婚
を選んだとの表示だけで実質的準拠法が日本法になるわけではな
く、甲国法の要件充足が必要である。甲国の身分登録役場への届出
は、離婚の方式を定めたものと性質決定する。通則法34条1項に
よれば甲国法による方式が原則だが、同条2項は行為地法に適合す
る方式も有効とする。日本で行う協議離婚には行為地の日本法によ
る届出方式、すなわち民法764条、739条の市町村長への届出
を用いることができる。甲国の登録役場に届け出ていないだけで実
質的な離婚要件を欠くとはいえない。日本法所定の届書を提出した
本件届出は方式も満たし、受理されるべきである。Q条が夫又は妻
の届出を認める以上、Aが甲国に残ることも妨げにならない。甲国
で別途届出をしないことは、日本での離婚成立を妨げない。
第2 設問2
小問1について。嫡出親子関係の成立には出生時の夫婦の一方の本
国法で足りるという通則法28条1項を適用する。子の利益のた
め、成立を選択的に認める規定であり、母Bと元夫Aの本国法を調
べる。Aの本国法は甲国法、Bは出生時も日本国籍を有するから、
通則法38条1項ただし書により日本法となる。離婚判決は日本で
も効力を有し、Dは婚姻解消から150日後に出生した。甲国法R
条は300日以内の出生子を元夫の嫡出子と推定する。日本民法7
72条2項も離婚から300日以内の出生子を婚姻中に懐胎したも
のと推定し、同条1項により元夫Aの子と推定する。再婚の事情も
ない。夫婦関係の破綻やBとCの交際は認められるが、懐胎時にA
B間の性交渉が客観的に不可能だったといえる事情は示されない。
したがって推定の及ばない子ともいえない。DがCの実子と双方が
認識していても、直ちにこの法律上の推定は消滅しない。よってD
はABの嫡出子と推定される。小問2について。嫡出否認は推定と
表裏の関係にあり、28条1項の準拠法が否認権者と出訴期間も規
律する。双方の本国法で嫡出となる以上、一方の法の否認要件だけ
で父子関係を覆せば、他方の法による嫡出子保護が失われる。した
がって両法の否認要件を満たす必要がある。日本民法774条3項
により母Bにも否認権があり、775条1項3号によりAを被告と
する。777条1項3号の出生から3年以内という出訴期間も満た
す。また、実父Cと共に養育していることから、母の否認が子の利
益を害することが明らかとの事情もない。日本法だけなら提訴でき
る。調停を経て訴えを提起した点も妨げとならない。しかし甲国法
S条では、母にも否認権があるが、出生の翌日から90日以内に提
訴を要する。Bの調停申立ては出生から6か月後で、既に期間が過
ぎた。訴えに先立つ調停が不成立となったことも、既に経過した甲
国法上の期間を回復させない。その後の訴えも期間内とはいえな
い。Aが出生を知って放置したことやCが実父であることは、この
期間制限を変えない。期間制限を方式や単なる訴訟手続として日本
法だけで処理すれば、甲国法による嫡出子保護を失わせる。甲国法
上の嫡出推定を否認できないから、Bの嫡出否認の訴えは不適法で
ある。
第3 設問3
Eに対するBの扶養義務は親子間の法律関係だが、通則法43条1
項により同法32条等では決めない。離婚判決による親権者指定も
扶養義務の準拠法指定ではない。扶養義務の準拠法に関する法律(
以下、扶養法)2条を適用する。第一順位は扶養権利者Eの常居所
地法である。Eの常居所は甲国にあるから甲国法によるが、T条は
未成年子だけを対象とし、U条によれば16歳のEは成年である。
したがって同法では扶養を受けられず、扶養法2条1項ただし書に
進む。もっとも、「未成年」を独立の先決問題とみれば、通則法4
条・38条1項ただし書により日本法で判定し、Eは未成年とな
る。この構成では第一順位の甲国T条でBの義務が生じる。以下
は、T・U条を一体の実質法とみる構成による。同ただし書の当事
者の共通本国法を探す。Bは甲国籍を選択しており、Eは甲国籍と
日本国籍を有する。扶養義務には通則法38条1項の国籍一本化が
及ばないから、両者が共に国籍を有する甲国法が共通本国法であ
る。だが甲国法T・U条では扶養を受けられない。そこで扶養法2
条2項により日本法を適用する。日本法では成年は18歳であり、
16歳のEは未成年である。民法877条1項は直系血族の扶養義
務を定め、父母は離婚や親権の帰属にかかわらず、子を扶養する。
よってBにもEに対する扶養義務がある。甲国での成年年齢が日本
法による扶養請求を当然に消滅させるわけではない。Aは監護親と
してBにEの養育費分担を求められる。Eの権利の代理行使と構成
しても、扶養法6条により行使者の範囲を日本法で決める。Bへの
請求は外形上AとEの利益を対立させず、特別代理人を要しない。
請求対象はEの扶養料であり、A自身への離婚後扶養とは異なる。
Eの需要とAB双方の資力を考慮し、民法879条に従い具体的な
分担額を定めるべきである。Aは病気で失職し、Bの資力やEの費
用は不明である。したがって請求は認められるが、金額は提示され
た事情だけから確定できない。

第6 争点と参考答案の検討

1 設問1――転居予定と離婚届の方式

Bは日本に転居することとなったが、届出時点では住まい探しのため数日間滞在している。将来の転居意思と、現実の常居所移転を同一視しない。そのため、Bの本国法が日本法であっても、離婚の実質的準拠法は夫婦の同一常居所地法である甲国法となる。一方、甲国Q条2項後段の役場への届出は方式と捉えれば、通則法34条2項により日本の方式を選べる。甲国法上の合意別居判決と6か月経過を確認した上で、日本法による届出を受理する構成である。

Sasa氏の受験者再現答案は、数日間の滞在中に日本の常居所ができたとして27条ただし書を適用し、さらに日本の届出について双方の署名等を欠くとする。しかし、問題文に署名欠缺は書かれていない。常居所の時点評価も、出生以来の甲国居住と数日間の日本滞在を踏まえると採りにくい。taka肉氏の受験体験記は甲国法に到達し、実質要件を満たす方向を示すが、答案全文ではない。本記事は、これらを法的根拠ではなく比較対象とした。

2 設問2――血縁と法律上の父

DがCの生物学上の子だとABCが認識していても、法律上の嫡出推定を当然には覆せない。通則法28条1項と甲国R条・民法772条によれば、離婚から150日後の出生は双方の法で推定を受ける。日本の裁判所の嫡出否認調停の案内も、再婚していない母が離婚後300日以内に出産した場合の原則的な推定と、その否認手続を説明する。

嫡出否認を通則法28条の範囲に含め、両法の要件充足を要求する解釈は、国際私法.jpの講義資料でも説明される。ただし同資料の日本法上の出訴期間は改正前の記述である。本問は令和8年1月1日現在の母の否認権と3年の期間を用いる。甲国S条は出生翌日から90日であり、Bの6か月後の調停は既に遅い。Sasa氏の再現答案は期間徒過後に「公序発動」とだけ記すが、外国法の短い期間が本件で日本の公序に反する理由は示されていない。本記事は公序による期間の排除を認めない。

3 設問3――「未成年」をどう判定するか

本記事の主位構成は、甲国T・U条を一体の扶養実質法として適用するものである。甲国法上Eは16歳で成年となり、第一順位の常居所地法では扶養を受けられない。次の共通本国法も甲国法である。そこで扶養義務の準拠法に関する法律2条2項の日本法に進む。この三段階の連結と、扶養法に通則法38条1項に相当する国籍一本化規定がないことは、別年度の問題を扱う平成29年司法試験の公式出題の趣旨にも明記されている。同資料を令和8年度の出題の趣旨と取り違えない。

他方、「未成年か」を扶養義務に先立つ独立の問題とする立場もある。嶋拓哉「成年年齢の準拠法」が紹介する東京高決平成18年10月30日(判時1965号70頁)は、扶養の程度・内容を決める前提となる成年年齢について、行為能力の準拠法を独立に決めた。同決定の直接の事案は日本法を扶養準拠法とする中国籍の子の扶養料であり、本問の甲国T条の解釈を直接決めたものではない。独立連結を採るなら、Eは日本国籍を含む重国籍者だから通則法4条・38条1項ただし書により日本法で未成年となり、甲国T条の段階でBの義務が成立する。taka肉氏の受験体験記もこの経路を記している。

どちらの構成でもBの義務は肯定される。ただし、甲国法で義務が成立するのか、日本法まで補正的に連結するのかで適用法と扶養の内容は異なる。甲国法上の「未成年」が同法上の扶養制度固有の年齢要件か、独立した成年という法的地位かを理由付きで示す答案を評価するのが妥当と予想する。

Aは監護する親としてBにEの養育費の分担を求める構成を採れる。裁判所の養育費請求調停の案内も、監護親から他方の親への申立てを、子が未成年の場合に限定していない。Eの権利をAが代理行使すると構成する場合は、扶養法6条により請求権行使者の範囲を扶養準拠法で決める。親権者指定の外国判決が有効という設定は、Aの地位の検討に関わるが、扶養義務の準拠法そのものを決めるものではない。Aも扶養義務者であることだけで直ちにEとの利益相反は生じない。BへのEの扶養料請求という外形では、両者の利益は対立しない。A自身の生活費やAB間の離婚後扶養と混同せず、Eの必要費とABの資力から額を決めるが、資料が足りないので金額は確定できない。

第7 資料と確認範囲

1 問題・法令・裁判例

  1. 法務省「令和8年司法試験の問題」掲載ページ/選択科目問題冊子(本問44~45頁)。
  2. 法務省「令和8年司法試験に関するQ&A」Q29・30(法令基準時)。
  3. e-Gov「法の適用に関する通則法」4・25・27・28・34・38・43条、e-Gov「扶養義務の準拠法に関する法律」2・4・6条、e-Gov「民法」4・739・764・772・774・775・777・877・879条。民法は法令基準時に注意した。
  4. 裁判所「嫡出否認調停」、裁判所「扶養請求調停」、裁判所「養育費請求調停」、嶋拓哉「成年年齢の準拠法」(東京高決平成18年10月30日の判示紹介)。同決定の判決全文は確認できていないため、射程は同論文が紹介する範囲に限定した。裁判所の養育費案内は現行ページであり、令和8年1月1日以後の改正条項を本問に適用する根拠とはしていない。
  5. 平成29年司法試験・国際関係法(私法系)の出題の趣旨は扶養法の一般的な連結の参考とし、本問の公式解答とは扱っていない。

2 公開参考答案の調査

令和8年9月30日、検索語「令和8年 国際私法 第2問 答案」「令和8年 国際関係法(私法系) 再現答案」「離婚 別居判決 嫡出否認 扶養 令和8年」等と、note等の掲載先を指定した検索を行い、閲覧可能な本文を確認した。同じ年度・同じ司法試験の具体的な解答として確認できたのは、Sasa氏の再現答案とtaka肉氏の受験体験記中の答案要旨である。網羅的なインターネット上の不存在を意味しない。

「国際私法(中)」の令和8年第2問のページも確認したが、「答案(例)」欄は空欄だった。掲載された「出題の趣旨」「採点実感」のPDF番号は令和7年度の資料と同じであり、本問の令和8年度公式資料として採用していない。また、検索に現れた令和8年予備試験の国際私法答案は別問題なので対象から除いた。参考答案の記述は著作物であるため転載せず、法的構成と差異だけを要約した。

3 確認状態

確認できたのは、問題文、上記法令と公開資料、参照答案の閲覧可能な本文である。予想評価項目の重みと設問3の二構成の許容範囲は本記事の推論であり、令和8年度の公式出題趣旨・採点実感との一致は未確認である。