第1 学校全体の動きと着目点
東京大学法科大学院の2026年度入学者は202人であり,前年度は216人であった。
既修者が11人減り,未修者が3人減った結果,総数は14人減少した。
未修者だけでなく既修者側でも減少しており,学校全体の変化と各コースの変化を併せて見る必要がある。
本記事の年度間比較は,文部科学省が公表した令和8年4月1日現在の学校別集計による。
対象は入学者選抜と当年度入学者であり,全学年の在籍者数や司法試験の結果とは区別する。
第2 志願・合格・入学を分けて比べる
| 指標 | 2025年度 | 2026年度 | 増減 |
|---|---|---|---|
| 入学定員 | 230人 | 230人 | 0人 |
| 志願者数 | 1184人 | 1012人 | -172人 |
| 合格者数 | 304人 | 300人 | -4人 |
| 入学者数 | 216人 | 202人 | -14人 |
志願者数と合格者数は選抜の集計値であり,併願などにより個人を重複して数える場合がある。
これらをそのまま,法律家を志す人の実人数や個人の合格確率に読み替えることはできない。
第3 既修者と未修者の内訳
| 区分 | 2025年度 | 2026年度 | 増減 |
|---|---|---|---|
| 法学既修者 | 158人 | 147人 | -11人 |
| 法学未修者 | 58人 | 55人 | -3人 |
この表は特別選抜だけの人数ではなく,学校全体の入学者のコース別内訳である。
未修者・既修者の区分と,出身学部・社会人経験による区分は同じものではない。
第4 202人への減少を既修・未修から読む
前田健教授の委員会提出資料も,2026年度入学者を既修147人・未修55人と記載する。
入学時の受入れ規模と,入学後の進級・修了・司法試験の成果は別の集団・時点の指標である。
第5 比率から分かることと,別に確認すべきこと
公表合格者数に対する入学者数の割合は,2025年度が216÷304で約71.1%,2026年度が202÷300で約67.3%となる。
2026年度の入学定員に対する入学者数の割合は,202÷230で約87.8%である。
割合は公表人数から計算し,小数第2位を四捨五入して小数第1位まで示した。
合格者と入学者の差には個人の進学選択などが関係し得るが,この集計だけで具体的な進学先や選択理由は確定できない。
進学を検討する際は,自分が希望するコースの募集条件,学修支援,進級・修了の状況も別に確認する必要がある。
第6 関連記事
① 法科大学院等特別委員会とは-役割,構成及び令和8年の審議課題
② 法科大学院等特別委員会の議事録に表れた関係者の本音-予備試験,未修者教育,地方偏在,認証評価及び公的支援
第7 出典
① 文部科学省・資料1-4:各法科大学院の令和3年度~令和8年度入学者選抜実施状況等(PDF1頁,東京大学行,令和8年4月1日現在)。
② 文部科学省・資料1-5:各法科大学院の令和6年度~令和8年度入学者選抜のうち特別選抜の実施状況(PDF1頁,東京大学の学校全体の入学者数・既修/未修列)。
③ 前田委員提出資料(文部科学省掲載)(PDF3頁の入学者数)。