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検察審査会の議決要旨のウェブ掲載―法改正と令和8年の機能改修契約(AI作成)

第1 議決要旨をウェブサイトに掲載するための改修契約

検察審査会の議決の要旨を,裁判所ウェブサイトに掲載するための機能改修が契約されている。
最高裁判所とキャップジェミニ株式会社との令和8年6月30日付契約に添付された仕様書は,議決要旨の掲載機能を追加することを業務の目的の一つに挙げている。
これにより,掲載機能の整備が具体的な調達の対象になったことが分かる。

ただし,機能の整備を発注したことと,実際に公開を開始したことは別である。
契約書から分かる内容と,法律が定める公表の仕組みを分けて整理する。

第2 605万円の契約に含まれる2つの改修

契約金額は消費税を含めて605万円である。
契約書PDFの9頁にある仕様書は,検察審査会の議決要旨の掲載機能と,判例集・裁判集のデジタル化に対応する裁判例検索の機能改修を,同じ業務の対象としている。
したがって,605万円を議決要旨の掲載だけの費用と説明することはできない。

仕様書が定める作業期間の終期は,令和8年10月30日である。
別紙には要件定義,設計・開発,結合テスト,操作マニュアルの作成,リリース作業等に関する記載があるが,黒塗りされた部分もあり,利用者向け画面の詳細までは読み取れない。
この期限だけから,機能の公開日や検収完了日を特定することもできない。
以上の契約内容は,令和8年6月30日付契約書の2頁,9頁及び15頁~20頁による。

第3 検察審査会法40条の改正との関係

令和7年法律第39号による検察審査会法40条の改正は,議決要旨の公表方法に関係している。
改正規定は,7日間,法務省令で定める方法により,不特定多数の者が議決の要旨を閲覧できる状態に置くことを定める。
これとともに,事務局での書面の掲示又は事務局に設置した電子計算機の画面による閲覧の仕組みも定めている。

この条文は,単に事務局の掲示を電子画面へ置き換える部分と,不特定多数の者が閲覧できる状態に置く部分とを分けて読む必要がある。
今回の契約では,裁判所ウェブサイトへの掲載機能が整備対象になっている。
もっとも,法律の条文自体は具体的な方法を法務省令に委ねており,契約書だけで法令の施行日や適用対象が決まるわけではない。

同法の施行日は,令和9年3月31日までの間において政令で定める日とされている(附則1条本文)。
e-Gov法令検索では,令和8年11月4日時点で,改正後の40条は未施行の規定として掲載されている。

改正法附則9条2項は,改正後の40条を施行日以後にされた議決に適用し,施行日前にされた議決については従前の例によるとしている。
そのため,新しい仕組みが整備されることから,過去の議決要旨がすべて遡ってウェブ公開されると考えることはできない。
条文と経過措置は,情報通信技術の進展等に対応するための刑事訴訟法等の一部を改正する法律の第4条並びに附則1条及び9条2項を参照されたい。

第4 議決要旨と議決書全文・事件記録は区別する

掲載機能の対象として仕様書に書かれているのは,議決の要旨である。
要旨の掲載機能が設けられることは,議決書全文,会議録,審査事件の記録が一括して公開されることを意味しない。
何を探しているのかによって,公開された要旨の閲覧と,別の資料の取得の問題を分ける必要がある。

また,議決要旨の公表方法と,検察審査会行政文書の開示の可否は同じ問題ではない。
情報公開の取扱い,苦情の申出,審査委員会の答申については,検察審査会の情報公開にまとめている。
検察審査会の役割,審査の申立て及び議決後の流れについては,検察審査会とは―役割,裁判員との違い,申立てと強制起訴の流れを参照されたい。

第5 掲載情報を調べる際の注意点と関連資料

議決要旨を調べる際は,対象の検察審査会,議決の時期,掲載期間を区別することが大切である。
法律の7日間という公表期間から,ウェブ上に永久保存されることを導くことはできない。
現在の案内や公表方法は,裁判所の検察審査会案内などで確認する必要がある。

裁判所ウェブサイトの構築・運用保守契約の変遷は,リニューアル・運用保守契約の変遷を参照されたい。
契約金額,契約上の作業期限,実際のサービス提供状況を分けることで,公開資料から分かる範囲を正確に理解できる。

第6 出典

① 裁判所ウェブサイトの一部機能改修業務に関する最高裁とキャップジェミニ株式会社との契約書(令和8年6月30日付):2頁の契約条項,9頁の仕様書の目的・作業期間,15頁~20頁の別紙及び別表(PDFの頁はファイルの先頭から数えた頁)。
② 情報通信技術の進展等に対応するための刑事訴訟法等の一部を改正する法律(令和7年法律第39号):第4条,附則1条及び9条2項(衆議院ウェブサイト)。
③ 検察審査会法(昭和23年法律第147号):40条(e-Gov法令検索)。
④ 裁判所「検察審査会」