メインコンテンツへスキップ
       

mints準備の手引の令和8年10月2日改訂―法律事務所が見直す7つの運用(AI作成)

第1 今回の改訂で確認すること

1 対象と基準日

裁判所は,令和8年10月2日,「民事訴訟フェーズ3に向けた準備の手引」を更新し,変更箇所を7項目に分けて公表した。
本記事は,令和8年10月3日に確認した裁判所の参考資料索引及び準備の手引に基づき,mintsを利用する法律事務所が確認すべき事項を整理する。
以下の頁数は,この更新版の手引の頁数である。

今回の更新には,補助者を親アカウントへ紐付ける前の申立て,招待キーの入力者,納付通知の宛先及び執行申立てに用いる「符号」など,担当者の思い違いが手続の誤りにつながり得る事項が含まれる。
新しい法改正が7件施行されたという意味ではなく,裁判所が手引の説明を追加又は修正したものである。
裁判所の説明と,本記事が提案する事務所内の確認方法を区別して読む必要がある。

2 変更箇所の一覧

手引の頁更新された説明事務所で確認すること
3頁事件関連付け後の速やかなデータ提出裁判所の追加連絡を待たず,記録一覧から証拠を提出する担当を決める。
8頁アカウント登録の申出・登録ガイド士業者・補助者用の届出経路と,審査完了を確認する。
9頁補助者アカウントの注意親アカウントとの紐付けが済む前に電子申立て等をしない。
12頁法人番号・外国籍当事者・添付PDF13桁法人番号,氏名の表記及びPDFのテキスト保持を確認する。
16頁納付通知の宛先納付義務者として選択された者と,実際の納付担当を確認する。
20頁招待キーの入力者補助者に任せず,被告代理人自身が入力する。
38頁事件特定情報の「符号」判決書最終頁上部の数字を転記せず,対象ファイルを特定する情報を提供する。

第2 事件関連付け後は裁判所の連絡を待たず証拠を提出する

1 新規申立てと証拠提出の段階を分ける

手引3頁及び12頁は,裁判所が事件情報を作成し,原告代理人がその事件情報に関連付けられた後,記録一覧から証拠説明書,書証の画像情報等をアップロードする流れを示している。
12頁には,裁判所からの連絡がなくても速やかにアップロードする必要がある旨が明記された。
訴状を提出しただけで本案の証拠まで提出済みになったと扱わず,事件一覧に関連付けられた事件が表示されたかを確認する必要がある。

2 送達用出力書面の提出とは区別する

法律事務所では,申立て後に事件への関連付けを確認する担当者と,証拠を記録一覧へ提出する担当者を決め,提出したファイルの反映を確認しておくとよい。
これは,手引17頁が説明する,被告への送達のために裁判所から出力書面の提出を求められる場面とは異なる。
証拠の電子提出を,出力書面に関する裁判所の連絡まで待つ運用にしないことが重要である。
詳しい流れは,mintsで訴訟を提起する方法を参照されたい。

第3 士業者・補助者用の登録経路と審査完了を確認する

1 一般個人等用のフォームを使わない

手引8頁は,士業者及びその補助者が,士業者編の登録ガイドに記載された各士業者用フォームから届け出る必要があるとし,ウェブサイト上の一般個人等用登録届出フォームを使用しないよう注意している。
士業者の登録では,招待メールに沿った利用者登録と,本人確認資料の審査完了を分けて確認する。
利用者登録の入力が済んだ段階では,新規申立て等をすることはできない。

2 期限直前の登録を避ける

手引8頁は,士業者登録番号のある身分証明書等を本人確認資料として挙げ,マイナンバーカードをアップロードしないよう注意している。
これは士業者の確認資料についての説明であり,補助者の本人確認資料を新たに要求する趣旨ではない。
補助者には9頁の特別な登録ルールがある。

事務所内では,届出,招待メール,サインアップ,士業者の審査完了,補助者の親アカウントへの紐付けを別の欄で管理するとよい。
期限直前に登録を開始せず,現在の登録状態を確認する。
詳細は,mintsの補助者アカウントを参照されたい。

第4 補助者は親アカウントへの紐付け前に申立てをしない

1 登録完了と紐付け完了は別である

手引9頁は,士業者が自己のmintsアカウント設定画面に補助者のmints IDを入力し,補助者アカウントを紐付ける必要があると説明する。
補助者のアカウントが登録されたことだけでは,親アカウントとの紐付けが完了したことにはならない。
同頁は,紐付け前に補助者アカウントで電子申立て等をしないよう明示している。

2 操作前に対応する弁護士を確認する

事務所では,親側の設定画面と補助者側の利用状態を確認し,操作する補助者アカウントがどの弁護士に対応するかを確かめてから提出作業へ進むとよい。
一人の職員が複数の弁護士を補助する場合には,職員名だけでなく,アカウントごとの対応関係を確認する。
手引9頁は,紐付け後の補助者が送達対象を閲覧又はダウンロードすると,その時点で送達の効力が生じる旨も説明しているため,補助者の操作は期限管理と併せて管理する必要がある。

第5 法人番号・外国籍当事者・添付PDFを点検する

1 法人番号は13桁である

手引12頁が説明するmintsの「法人番号」は,国税庁のウェブサイトで検索できる13桁の番号である。
商業登記簿の12桁の会社法人等番号とは異なる。
資格証明資料を読む担当者とフォームへ転記する担当者が違う場合にも,番号の名称と桁数を確認する。

2 外国籍当事者の氏名表記

手引12頁は,外国籍当事者について,「氏名又は名称」欄に片仮名のフリガナを入力し,括弧書きでアルファベット表記を併記することが考えられると説明している。
これは裁判所が示す入力上の提案である。
旅券その他の資料にある表記と事件書類の表記を確認し,氏名の同一性が分かるようにすることが実務上重要であるが,手引の提案を一律の法定義務として説明しない。

3 趣旨・理由のPDFはテキストデータを保持する

手引12頁は,申立ての趣旨・理由をフォーム入力しない場合,テキストデータが保持されたPDFをアップロードすると説明している。
Word等からPDFへ出力し,保存後のPDFで文字を選択・検索できるか,内容が原稿と一致するかを確認するとよい。
スキャン画像にOCRを付けた場合には,テキスト層があることだけで正確と扱わず,氏名,金額その他の重要部分を画像と照合する。
これらの点検方法は,本記事による実務上の提案である。

4 多数当事者の人数境界には記載の食い違いがある

10名以内はフォーム入力,10名を超え200名以内は当事者情報CSVを用いるという説明は,手引12頁・13頁にある。
ただし,PDFの当事者目録を用いる人数について,12頁は「201名を超える場合」,13頁は「200名を超える場合」と記載している。
本記事の確認では,201名ちょうどの扱いを確定できない。
当事者・代理人の合計がこの境界に当たる場合は,提出先裁判所に提出方法を確認する必要がある。
mintsの制限値まとめも参照されたい。

第6 納付通知は選択された納付義務者へ届く

1 共同受任者全員への通知を前提にしない

手引16頁は,裁判所が納付情報を登録すると,納付義務者として選択された者及びその補助者のメールアドレスへ通知を発出すると説明している。
申立てを操作した者又は共同受任する代理人全員に届くと決めつけず,誰が納付義務者として選択されているかを確認する。

2 通知担当と納付担当を結び付ける

通知を受ける者と実際に納付する者が異なる場合は,対象事件,手数料,納付期限,納付番号等を対応させて引き継ぐ。
納付後は,支払操作をしたことだけで終えず,手数料納付情報一覧への「納付日」の反映を確認する。
この確認は手引16頁の流れに含まれる。
具体的な手順は,mintsの手数料をPay-easyで納付する方法を参照されたい。

第7 被告代理人の招待キーは弁護士本人が入力する

1 補助者が入力した場合の注意

手引20頁は,招待キーの入力を補助者ではなく被告代理人自身が行う必要があるとし,補助者が入力した場合には補助者が事件情報に関連付けられると説明している。
したがって,事務所の手順書には「補助者は入力操作をできない」とだけ書くのではなく,誰が入力し,誤って入力した場合に何が起こり得るかを記載する必要がある。
本記事は,実機で補助者による誤入力を試した結果を報告するものではない。

2 入力後に本人アカウントの事件関連付けを確認する

被告代理人は,自分の士業用アカウントへサインインして招待キーを入力し,事件番号と代理する当事者を確認する。
手引20頁は,関連付け後,答弁書,証拠,委任状及びシステム送達の届出を速やかにアップロードする流れを示している。
補助者の誤入力等に気付いた場合は,自己判断で操作を重ねず,入力したアカウントと事件を特定して担当書記官へ確認することが考えられる。
詳細は,mintsで被告訴訟代理人が招待キーを使う方法を参照されたい。

第8 執行申立ての「符号」を数字の転記で済ませない

1 対象ファイルを特定する情報が必要である

手引38頁は,事件特定情報を,事件が係属していた裁判所の名称,事件番号及び個々の裁判等を識別するために裁判所が付した符号と説明している。
「符号」には,例えば判決等の表題,年月日,当事者名が当たり,執行機関が確認するファイルの特定に足りる情報を提供する必要がある。
同頁には,判決書データの最終頁上部に付された数字を「符号」として提供することは想定していない旨が追加された。

2 判決・執行文・更正決定を各別に確認する

手引38頁は,債務名義,執行文,更正決定の事件特定情報がそれぞれ異なるため,必要な対象ごとに提供する旨を説明している。
一つの事件番号又は数字を転記すれば全てを特定できると扱わず,裁判所の現行の債権執行申立書式に沿って確認する。
制度の詳細は,電子化された債務名義と強制執行及び事件特定情報提供書面と記録事項証明の違いを参照されたい。

第9 事務所の手順書を更新するときの確認

1 担当者と確認時点を決める

法律事務所では,①登録・審査・補助者の紐付けを操作前に確認する者,②事件関連付け後に証拠を提出する者,③PDFとフォームの一致を提出前に確認する者,④納付通知を引き継ぎ,納付日を確認する者,⑤招待キーを入力する被告代理人,⑥執行申立ての対象情報を確認する者を決めるとよい。
既存事件についても,未提出証拠,未納付情報又は未完了の関連付けがないかを,事件ごとに確認する。
この担当分担及び確認方法は事務所運用の提案であり,裁判所が一律の台帳様式を義務付けたものではない。

2 改訂日を記録し,未確認事項を残す

資料のURLが同じでも,内容が差し替えられることがある。
事務所の手順書には参照資料の改訂日と確認日を記録し,古い説明を残したまま新しい説明だけを追加して矛盾させない。
人数の境界など公式資料内で説明が食い違う事項は,未確認のまま明示し,確認した裁判所の回答と対象事件を記録しておくとよい。
日常の点検は,mintsを安全に使うための事務所内チェックリストと併せて行う。

第10 出典と確認範囲

1 一次資料

①裁判所「改正民訴法等に関する参考資料」の令和8年10月2日更新事項
②最高裁判所事務総局民事局「民事訴訟フェーズ3に向けた準備の手引」令和8年10月2日更新版3頁,8頁,9頁,12頁,13頁,16頁,17頁,20頁,38頁
③裁判所「債権執行の申立てに必要な書類」

2 判例及び実機確認の限界

本記事は,裁判所が公表した運用説明と,これを踏まえた事務所内の確認方法を扱う。
判例秘書の個別判決本文を本記事のために検索・照合しておらず,各注意事項を判例が直接判断した命題として述べていない。
アカウントを誤って関連付ける操作や本番での提出操作を試験したものでもない。
TreeeSの将来の本番仕様へ,mintsの今回の説明をそのまま当てはめない。