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難民条約上の難民とは|迫害・政治的意見・国家による保護の欠如(AI作成)

第1 難民条約上の難民の定義

難民の地位に関する条約1条A(2)と1967年議定書によれば,難民とは,迫害を受ける十分に理由のある恐怖を有するため,国籍国の外におり,国籍国の保護を受けることができない,又はその恐怖のため保護を受けることを望まない者をいう。迫害の理由は,人種,宗教,国籍,特定の社会的集団の構成員であること又は政治的意見のいずれかでなければならない。

1967年議定書は,1951年条約の時間的制約を取り除いた。具体的事例では,次の各要素を分けて検討する。

第2 国籍国の外にいること

申請者は,国籍国の領域外にいなければならない。国内で避難しているだけでは,条約上の難民の定義を満たさない。

国籍国から隣国へ入国し,そこで難民申請をしようとしている者は,この国外性の要件を満たす。

第3 迫害を受ける十分に理由のある恐怖

「恐怖」には申請者の主観的な不安だけでなく,帰国した場合に重大な害を受ける合理的可能性という客観的基礎が必要である。過去の迫害は,将来の危険を示す重要な事情となる。

身体の自由又は生命・身体に対する重大な侵害は迫害となり得る。一度の軽微な嫌がらせだけでなく,行為の重大性,反復性,累積的効果及び加害主体を総合する。

第4 五つの条約上の理由との結び付き

迫害の危険は,人種,宗教,国籍,特定の社会的集団又は政治的意見の少なくとも一つを理由とする必要がある。単に治安が悪い,又は一般的な経済困窮があるというだけでは足りない。

政府に反対する政党の党員で,人権保障と民主制を訴える活動に参加し,与党への転向を拒否したため官憲から暴行を受けた場合,迫害と政治的意見との結び付きは強い。

第5 国籍国の保護を受けられない又は望まないこと

加害者が国の官憲自身である場合,通常は,同じ国家の保護を期待できない事情が強い。私人による迫害の場合には,国家がその危険から実効的に保護する意思と能力を持つかを検討する。

申請者が保護を望まない場合も,単なる主観的な拒否ではなく,迫害の恐怖に基づくものであることが必要である。

第6 国内避難可能性と全国的な迫害

条約本文は「国内避難可能性」を独立の文言として掲げていないが,国籍国内の安全な地域へ合理的に移動できるかは,迫害の十分な可能性や国家保護の有無を判断する際に問題となる。

迫害が国の一地域だけでなく全国で行われ,中央政府の政策として官憲が実行しているなら,国内の別地域へ移ることで危険を避けられるとは評価しにくい。

第7 除外条項

難民条約1条Fは,平和に対する犯罪,戦争犯罪,人道に対する犯罪,避難国へ入国する前に国外で行った重大な非政治犯罪,国連の目的・原則に反する行為について重大な理由がある者を除外する。

反政府政党の構成員であることだけから除外条項を適用することはできない。本人が武装組織の犯罪に関与したなどの事実があるかを個別に確認する。

第8 政治的意見を理由とする国家迫害への当てはめ

反政府政党の党員が,民主制を訴えるデモへの参加と与党への転向拒否を理由に,官憲から意識を失うほどの暴行を繰り返し受け,その弾圧が全国で行われている事例では,次のように整理できる。

  1. 隣国に入国しているため,国籍国の外にいる。
  2. 反復する重大な身体暴行は迫害に当たる。
  3. 過去の被害と全国的な弾圧から,将来の迫害について十分に理由のある恐怖がある。
  4. 迫害は本人の政治的意見及び反政府政党への所属に結び付いている。
  5. 加害主体が官憲であるため,国籍国の保護を受けられず,国内避難による解決も期待できない。
  6. 除外条項に該当する本人の行為が示されていなければ,難民該当性を肯定する。

第9 出典

① Convention and Protocol relating to the Status of Refugees(条約1条A(2),1条F,議定書1条)。
② UNHCR, Handbook on Procedures and Criteria for Determining Refugee Status。
③ UNHCR, Refugee definition。