第1 この記事の対象と結論
本記事は,令和2年司法試験の経済法第2問について,法務省の出題の趣旨及び採点実感の対象箇所を照合し,模範解答と35の評価項目を示すものである。
協会の事業者団体性を確認した上で,団体行為を8条各号へ振り分け,競争阻害の程度と公益目的による正当化を検討する。
会員の高いシェアだけで1号を即断せず,登録更新に必要な提携と薬剤の調達経路が閉ざされる構造を説明することが重要となる。
本記事の項目・重み・答案はAIによる独自の整理であり,法務省の公式配点又は唯一の正解を示すものではない。
法的評価は令和2年試験時を基準とし,試験後の改正・判例を当時の答案要求へ遡及させていない。
第2 評価項目の示し方と重み付けの基準
評価単位は,答案に記載されていれば充足を判断できる内容ごとに抽出した。
「必須・高評価・負例・許容分岐」と重みは別の属性であり,重み5でも採用しない許容枝まで全答案へ要求する趣旨ではない。
公式が指摘する負例のうち肯定項目の裏返しである3単位は,公開番号2・8・12へ統合し,二重加算していない。
| 重み | 基準 |
|---|---|
| 5 | 採点実感が評価の分かれ目とした事項又は答案の骨格そのもの。 |
| 4 | 出題の趣旨が検討を求め,採点実感も取り上げた事項(高く評価した・多数の答案の不足を指摘した)。 |
| 3 | どちらか一方が明示する中核の理由付け。 |
| 2 | 一方が軽い表現で触れる補強又は典型的な誤り。 |
| 1 | 一方が控えめに触れるだけの事項。 |
重み別の件数は,1が0件,2が0件,3が7件,4が19件,5が9件である。
総項目数N=35,重みの合計W=3×7+4×19+5×9=142となる。
配分目標から件数を決めたものではなく,公式の明示内容を項目ごとに判断した結果である。
重み5は,番号2(主目的),9(シェアと料金下落),12(事業分野の意義),15(提携と登録更新),17(自由競争減殺),21(顧客争奪制限),25(5号の行為・効果要件),28(供給閉鎖の当てはめ),34(全行為の正当化)の9件である。
番号17は3号を採用する場合,番号25・28はメーカー要請を5号で検討する場合の要件と当てはめであり,重みだけを理由に別の許容構成を排斥しない。
第3 本問の概要
1 問題文と事実関係
A県の浄化槽協会には保守点検業者及び清掃業者等が所属する。
協会は環境保全・公衆衛生を目的とする一方,会員への優先紹介・大口取引の斡旋等を行い,県内保守点検役務の契約件数・売上高の約9割を会員が占める。
協会は既存顧客を奪わないよう除名を示唆して指導し,低料金者の加入を拒否する基準を定め,Bらの申込みを反復して拒否した。
さらに清掃会員と非会員の提携を原則禁止し,低料金で会員顧客を奪わない確約をした場合に有償提携を認めた。
清掃許可等のないBらの登録更新には提携が不可欠であり,薬剤メーカーへの非会員向け供給拒否要請によって代替調達も困難となる。
他方,一連の行為後も競争は激化し,料金は一貫して下落している。
2 設問が求めること
誰のどのような行為が独占禁止法に違反するかを,根拠とともに示すことが求められる。
中心は協会の各行為と8条各号である。
メーカーの取引拒絶を5号の前提として検討することと,メーカー自身の19条違反を独立に断定することは区別する。
団体の違反から全会員の3条・19条違反を当然に導かず,違反の有無という設問の到達点で閉じる。
第4 評価項目と重み
各表の番号は記事全体で連続している。
出典欄の頁はPDF実頁であり,「記載なし」は対象範囲を実読した上でその評価内容の直接記載を確認できなかったことを意味する。
出典の語句は位置を示す短い抜粋であり,評価項目の文章そのものは独自の要約である。
1 団体性・行為帰属
| 番号 | 評価項目 | 重み | 出題の趣旨 | 採点実感 |
|---|---|---|---|---|
| 1 | 二以上の事業者の結合体という団体要件を,会員構成へ当てはめる。(必須) | 4 | PDF実頁28「事業者団体」 | PDF実頁20「二以上の事業者の結合体」 |
| 2 | 共通の経済的利益の増進を主目的とする要件を,紹介・大口取引斡旋等から判断する。(必須) | 5 | PDF実頁28「定義に照らして」 | PDF実頁20「事業者としての共通の利益を増進することを主たる目的とする」 |
| 3 | 公益目的を掲げる一般社団法人であることだけで団体該当性を否定しない。(必須) | 4 | PDF実頁28「一般社団法人」 | PDF実頁20「事業者団体該当性を否定する答案」 |
| 4 | 機関決定又は構成事業者の認識等によって,団体の行為と評価する基準を示す。(必須) | 4 | PDF実頁29「構成事業者から事業者団体の行為と認識」 | PDF実頁21「事業者団体としての行為性」 |
| 5 | 社員総会による基準・提携禁止決定と,部会による拒否の団体への帰属を具体化する。(必須) | 4 | PDF実頁29「当該団体の意思決定機関による決定」 | PDF実頁21「社員総会において決定されたものである」 |
| 6 | 除名示唆を伴う継続的指導を,単なる私的な意見表明と区別して団体行為として評価する。(必須) | 4 | PDF実頁29「事業者団体の行為と評価できるか」 | PDF実頁21「競争回避の指導」 |
2 1号と3~5号
| 番号 | 評価項目 | 重み | 出題の趣旨 | 採点実感 |
|---|---|---|---|---|
| 7 | 8条1号の実質的制限を,市場支配力の形成・維持・強化の水準として説明する。(必須) | 4 | PDF実頁29「市場支配力の形成・」 | PDF実頁21「市場支配力の形成・維持・強化」 |
| 8 | 3~5号は1号の市場支配力に至らない程度・態様の競争阻害で足りると区別する。(必須) | 4 | PDF実頁29「それに至らない程度・態様」 | PDF実頁21「それに至らない程度・態」 |
| 9 | 約9割のシェアと行為後の競争激化・料金下落を併せ,1号該当性を検討する。(必須) | 5 | PDF実頁29「その料金は一貫して下落」 | PDF実頁21「前者の検討も行ってその該当性を否定」 |
| 10 | 一連の行為の影響を総合的に評価し,1号の成否を検討する。(高評価) | 3 | 関連許可範囲実読済み・この独立事項の直接記載なし | PDF実頁21「加点の対象とした」 |
| 11 | 市場開放性を妨げる力によって1号を認める別構成を採る場合,その構成と事実を一貫させる。(許容分岐) | 3 | PDF実頁29「市場の開放性を妨げる力の形成」 | 関連許可範囲実読済み・この独立事項の直接記載なし |
3 3号・加入拒否
| 番号 | 評価項目 | 重み | 出題の趣旨 | 採点実感 |
|---|---|---|---|---|
| 12 | 3号の「一定の事業分野」を説明し,「一定の取引分野」と区別する。(必須) | 5 | PDF実頁29「一定の取引分野」とは異なる」 | PDF実頁21「条文の文言の意味」 |
| 13 | 3号の事業分野を,本件のA県における浄化槽保守点検業へ具体化する。(必須) | 4 | PDF実頁29「設例の事実関係を当てはめて解答」 | PDF実頁21「現在又は将来の事業者の数の制限」 |
| 14 | 団体への不加入と事業活動の困難性との関係を,一般的な任意団体加入と区別する。(必須) | 4 | PDF実頁29「事業活動を行うことの困難性」 | PDF実頁21「入会拒否」 |
| 15 | 清掃許可・登録更新・会員全員性を結び,非会員に代替提携経路がないことを評価する。(必須) | 5 | PDF実頁29「A県で保守点検業者として登録を継続できない」 | PDF実頁21「提携禁止」 |
| 16 | 3号の現在又は将来の事業者数制限として,未だ退出していないBらの継続不能見込みを扱う。(必須) | 4 | PDF実頁29「どのような態様によるどの程度の」 | PDF実頁21「現在又は将来の事業者の数の制限」 |
| 17 | 3号について,1号より低い自由競争減殺の程度を示して具体的排除効果を評価する。(必須) | 5 | PDF実頁29「自由競争減殺が認められるか否か」 | PDF実頁21「同条第3号から同条第5号」 |
| 18 | 低料金者を排除する加入基準とBらへの反復加入拒否を3号へ当てはめる。(必須) | 4 | PDF実頁29「非会員の保守点検業者に対する入会拒否」 | PDF実頁21「入会拒否」 |
4 4号・顧客と提携
| 番号 | 評価項目 | 重み | 出題の趣旨 | 採点実感 |
|---|---|---|---|---|
| 19 | 4号の機能・活動の制限を,価格・顧客・取引先等の自主的な競争手段の制約として説明する。(必須) | 4 | PDF実頁29「基本的な競争手段を制限するもの」 | PDF実頁21「顧客争奪の制限」 |
| 20 | 4号の「不当に」を,正当な理由のない1号未満の競争阻害として説明する。(必須) | 4 | PDF実頁29「正当な理由なく市場支配力」 | PDF実頁21「条文の文言の意味」 |
| 21 | 除名示唆による既存顧客尊重指導を,顧客争奪の制限として4号で検討する。(必須) | 5 | PDF実頁29「会員の保守点検業者に対する競争回避の指導」 | PDF実頁21「①の行為を識別することができていない答案が多かった」 |
| 22 | 非会員との提携禁止と確約時の有償提携例外を,清掃会員の取引先制限として検討する。(必須) | 4 | PDF実頁30「有償で提携してよいとしたこと」 | PDF実頁21「一種の取引先制限」 |
| 23 | 加入拒否・提携禁止を一体として3号,又は提携禁止を5号で扱う場合,採用枝を要件から閉じる。(許容分岐) | 3 | PDF実頁29「個別に又は」 | PDF実頁21「これらを一体のものとして評価・検討」 |
5 5号・メーカー要請
| 番号 | 評価項目 | 重み | 出題の趣旨 | 採点実感 |
|---|---|---|---|---|
| 24 | 5号の「事業者」は構成事業者に限られず,外部メーカーも含むと説明する。(必須) | 3 | PDF実頁29「事業者団体の構成事業者に限らないこと」 | 関連許可範囲実読済み・この独立事項の直接記載なし |
| 25 | 5号の「不公正な取引方法に該当する行為」につき,行為要件のみか効果要件も必要かを示す。(必須) | 5 | PDF実頁29「行為要件のみを充足することで足りるか」 | PDF実頁21「条文の文言の意味」 |
| 26 | メーカーへの単独・直接の供給拒絶要請を,2条9項6号ニ・一般指定2項へ接続する。(必須) | 4 | PDF実頁30「どの類型に該当するか」 | PDF実頁21「一般指定第2項」 |
| 27 | 5号の「させるようにする」は,強制に限らず勧奨で足りることを説明する。(必須) | 3 | PDF実頁30「強制がなくとも勧奨で足りること」 | 関連許可範囲実読済み・この独立事項の直接記載なし |
| 28 | メーカーの個別同意・供給範囲・代替調達不能を,5号の要請と非会員排除の効果へ当てはめる。(必須) | 5 | PDF実頁30「事実関係を丁寧に当ては」 | PDF実頁21「メーカーに単独・直接の取引拒絶をさせる」 |
6 正当化
| 番号 | 評価項目 | 重み | 出題の趣旨 | 採点実感 |
|---|---|---|---|---|
| 29 | 「不当に」のない3号・5号でも正当化を検討し,4号との文言差を説明する。(必須) | 4 | PDF実頁30「文言がない第3号」 | PDF実頁21「文言のない同条第3号及び」 |
| 30 | 目的の正当性を独禁法1条の一般消費者の利益等の究極目的へ結び付ける。(必須) | 4 | PDF実頁30「独占禁止法第1条の究極」 | PDF実頁22「同法第1条の究極目的との関係」 |
| 31 | 河川汚濁という具体的背景から,生活環境保全・公衆衛生の目的を評価する。(必須) | 3 | PDF実頁30「水質が全国で最も汚濁」 | 関連許可範囲実読済み・この独立事項の直接記載なし |
| 32 | 低料金と点検不良の直接的な関連性を検討し,目的と競争制限手段を区別する。(必須) | 4 | PDF実頁30「目的と手段との直接」 | PDF実頁22「目的と手段との関連性」 |
| 33 | 法定検査・記録・行政監督とBらの不良歴の不在から,より競争制限的でない手段を検討する。(必須) | 4 | PDF実頁30「より競争制限的でない他の手段」 | PDF実頁22「より制限的でない他の手段の有無」 |
| 34 | 正当化を一部行為だけで終わらせず,4つの団体行為について回収する。(必須) | 5 | PDF実頁30「いずれも」 | PDF実頁22「一部の行為のみについて」 |
7 誤りの回避
| 番号 | 評価項目 | 重み | 出題の趣旨 | 採点実感 |
|---|---|---|---|---|
| 35 | 協会自身が事業を営む事情がないのに,3条・19条だけの検討に終始しない。(負例) | 3 | 関連許可範囲実読済み・この独立事項の直接記載なし | PDF実頁20「事業者に対する規制」 |
第5 模範解答
1 前提と表記
以下は約1900字の答案例である。
1号は価格等の支配力を基準とし,加入拒否と提携禁止を3号で一体評価した上で,清掃会員への取引先制限を4号でも扱う。
5号は行為要件に加えて公正競争阻害性も必要とする立場を採り,公益目的による正当化は各行為について検討する。
2 答案例
1 協会の地位と行為
協会には複数の浄化槽関連事業者が所属し,会員への優先紹介・大口取引の斡旋等を行っている。
公益目的を掲げる一般社団法人でも,実際の活動から共通の経済的利益の増進を主目的とする結合体と認められ,独占禁止法2条2項の事業者団体に当たる。
団体の意思決定機関による決定や,構成事業者が団体の行為と認識する行為は,8条の団体行為となる。
加入基準・提携禁止は社員総会の決定であり,部会の加入拒否も協会への加入可否を決する機関の行為である。
除名を示唆する継続的指導及びメーカーへの供給拒否要請も,その内容・作用から協会の行為と評価できる。
2 8条1号との関係
1号の競争の実質的制限には,価格等をある程度自由に左右する市場支配力の形成・維持・強化を要する。
県内保守点検役務の会員シェアは契約件数・売上高とも約9割だが,一連の行為後も競争が激化し料金は一貫して下落している。
行為を総合しても,この基準による1号該当性を認めるには足りない。
しかし,3~5号はそれに至らない程度・態様の競争阻害で足り,別途検討を要する。
3 加入拒否及び提携禁止
3号の「一定の事業分野」は,同種の事業に従事する事業者の活動分野をいうと解する。
市場支配力を判定する1号の取引分野と同義に扱わず,本件では県内の登録・提携制度の下で行う浄化槽保守点検業がこれに当たる。
「事業者の数」の制限には,新規参入の阻止だけでなく,既存業者の事業継続を困難にして退出させるものも含み,市場支配力に至らない自由競争減殺が必要である。
加入拒否が直ちに数の制限になるわけではない。
しかし,Bらは清掃許可等を持たず,新規許可の見込みも乏しいため,3年の登録期間満了後も事業を続けるには清掃業者との提携が不可欠である。
県内の清掃業者は全て会員で,協会が非会員との提携を原則禁止しているため,代替提携先もない。
薬剤の調達経路も閉ざされ,協会に加入しなければ事業継続が困難となる。
この状況で低料金者を排除する加入基準を設け,Bらの申込みを反復して拒否し,併せて清掃会員との提携を禁ずる一体の行為は,将来の事業者数を制限し,自由競争を減殺する。
現に料金が下落し,Bらがまだ退出していないことは,この判断を妨げない。
正当化が認められなければ,協会のこれらの行為は3号に違反する。
4 会員の機能・活動の制限
4号の機能・活動の制限とは,価格・顧客・取引先等の自主的な競争手段を制約することであり,「不当に」とは,正当な理由なく1号未満の程度・態様で競争を阻害することをいう。
既存顧客を奪わないようにする指導は,除名という不利益を示唆して顧客獲得・価格競争を制限する。
紹介・斡旋の利益もあるから,任意の助言にとどまらない。
清掃会員への非会員との提携禁止も,取引先の自主決定を制限する。
低料金による会員顧客の獲得をしないと確約すれば有償提携を認める例外も,競争抑制を条件としており,制限を解消しない。
したがって,協会の両行為は正当化されない限り4号に違反する。
5 メーカーへの供給拒否要請
5号の「事業者」は構成事業者に限られない。
「不公正な取引方法に該当する行為」は,適法な取引まで禁ずる必要がないことから,行為要件だけでなく公正競争阻害性も満たす必要があると解する。
「させるようにする」は,強制に限らず勧奨で足りる。
協会は,各メーカーに非会員への検査薬・消毒剤の供給拒絶を要請し,それぞれ同意させた。
これは単独・直接の取引拒絶(2条9項6号ニ・一般指定2項)をさせる働き掛けである。
対象メーカーは県内使用薬剤のほぼ全てを供給し,非会員には代替調達方法がなく,事業活動を困難にして廉価競争者を排除するおそれがある。
公正競争阻害性も認められ,協会の要請は正当化されない限り5号に違反する。
6 正当化と結論
「不当に」の文言のない3号・5号も,1条の究極目的に照らした目的の正当性と手段の相当性から正当化を検討する。
河川汚濁が深刻な県での環境保全・公衆衛生向上は,一般消費者の利益の確保にも通じ,目的は正当である。
しかし,低料金が不良点検へ直結するとはいえず,Bらには不良点検による行政指導・処分歴もない。
記録票,法定検査,行政の指導・改善命令等の,より競争制限的でない品質確保手段が存在する。
顧客争奪の抑止,加入拒否,提携禁止及び薬剤供給拒否要請のいずれも,品質と無関係に廉価競争者を排除するもので,手段として相当でない。
よって,協会の上記各行為について3号,4号又は5号の違反が認められる。
以上
3 評価項目と答案の対応
以下の対応は,答案の各部分に何を記載したかを示す。
不採用の許容分岐を欠落扱いにせず,別構成の説明と区別した。
| 番号 | 重み | 答案の対応箇所・不採用理由 |
|---|---|---|
| 1 | 4 | 完成答案第1「複数の浄化槽関連事業者が所属し」 |
| 2 | 5 | 完成答案第1「共通の経済的利益の増進を主目的とする結合体」 |
| 3 | 4 | 完成答案第1「公益目的を掲げる一般社団法人でも」 |
| 4 | 4 | 完成答案第1「団体の意思決定機関による決定」 |
| 5 | 4 | 完成答案第1「部会の加入拒否も協会への加入可否を決する機関」 |
| 6 | 4 | 完成答案第1「除名を示唆する継続的指導」 |
| 7 | 4 | 完成答案第2「市場支配力の形成・維持・強化」 |
| 8 | 4 | 完成答案第2「それに至らない程度・態様の競争阻害」 |
| 9 | 5 | 完成答案第2「料金は一貫して下落している」 |
| 10 | 3 | 完成答案第2「行為を総合しても」 |
| 11 | 3 | 枠外解説の許容分岐「本答案は価格等の支配力を基準とする構成を採用」 |
| 12 | 5 | 完成答案第3「一定の事業分野」 |
| 13 | 4 | 完成答案第3「県内の登録・提携制度の下で行う浄化槽保守点検業」 |
| 14 | 4 | 完成答案第3「加入しなければ事業継続が困難」 |
| 15 | 5 | 完成答案第3「3年の登録期間満了後」 |
| 16 | 4 | 完成答案第3「将来の事業者数を制限」 |
| 17 | 5 | 完成答案第3「自由競争を減殺する」 |
| 18 | 4 | 完成答案第3「Bらの申込みを反復して拒否し」 |
| 19 | 4 | 完成答案第4「価格・顧客・取引先等の自主的な競争手段」 |
| 20 | 4 | 完成答案第4「正当な理由なく1号未満の程度・態様」 |
| 21 | 5 | 完成答案第4「顧客獲得・価格競争を制限する」 |
| 22 | 4 | 完成答案第4「競争抑制を条件としており」 |
| 23 | 3 | 完成答案第3「併せて清掃会員との提携を禁ずる一体の行為」 |
| 24 | 3 | 完成答案第5「構成事業者に限られない」 |
| 25 | 5 | 完成答案第5「行為要件だけでなく公正競争阻害性も満たす必要」 |
| 26 | 4 | 完成答案第5「2条9項6号ニ・一般指定2項」 |
| 27 | 3 | 完成答案第5「強制に限らず勧奨で足りる」 |
| 28 | 5 | 完成答案第5「非会員には代替調達方法がなく」 |
| 29 | 4 | 完成答案第6「「不当に」の文言のない3号・5号も」 |
| 30 | 4 | 完成答案第6「一般消費者の利益の確保にも通じ」 |
| 31 | 3 | 完成答案第6「河川汚濁が深刻な県」 |
| 32 | 4 | 完成答案第6「低料金が不良点検へ直結するとはいえず」 |
| 33 | 4 | 完成答案第6「より競争制限的でない品質確保手段」 |
| 34 | 5 | 完成答案第6「いずれも,品質と無関係に廉価競争者を排除」 |
| 35 | 3 | 完成答案第1「独占禁止法2条2項の事業者団体に当たる」 |
4 構成の許容幅と注意点
1号については,価格等を左右する力を中心に捉える構成のほか,市場開放性を妨げる力を検討する構成も出題の趣旨が許容する。
番号11は後者を採る場合の条件付き項目であり,上の答案に累積して書くことを求めるものではない。
提携禁止は,加入拒否と一体で3号に位置付けるほか,清掃会員の取引先選択を制限する4号,採用する取引拒絶類型を特定した5号の構成も検討できる。
番号23は採用した枝の規範・事実・効果を一貫させるための項目である。
5号の「不公正な取引方法に該当する行為」の解釈は明示し,上の答案が採った立場だけを唯一の正解としない。
公益目的はそれだけで競争制限を許す根拠とならない。
河川汚濁の事情を目的の正当性へ結び付けた上で,低料金と点検不良の関係,法定検査・行政監督等の代替手段を検討し,各行為の手段相当性を回収する。
第6 関連記事
1 同年度の記事
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第7 出典及び確認状態
確認日:令和8年10月18日。
問題文・出題の趣旨・採点実感は法務省の一次資料を正本とし,以下の本問関連範囲を実読した。
法務省「令和2年司法試験・選択科目問題」PDF実頁14~15の経済法第2問(https://www.moj.go.jp/content/001326059.pdf)
法務省「令和2年司法試験論文式試験問題出題の趣旨」PDF実頁28後半~30の経済法第2問(https://www.moj.go.jp/content/001339369.pdf)
法務省「令和2年司法試験の採点実感(選択科目)」PDF実頁18の科目総論及び第2問概要,20後半~22の第2問,22~24冒頭の関連評価・共通記載(https://www.moj.go.jp/content/001344499.pdf)
公正取引委員会・平成28年公表の事業者団体指針参考資料(団体性・加入制限・取引拒絶の関連箇所)(https://www.jftc.go.jp/houdou/pressrelease/h28/dec/161221_files/161221_04sankou.pdf)
資料状態は,実読済み・未公表・未読又は閲覧禁止・取得不能又は一部未確認・掲載を確認できない場合を区別する。
本問の両公式資料は上記関連範囲を実読・照合済みであり,他問題の本文を本問の要求へ流用していない。
原判決全文と試験時点の法令の全改正沿革は一部未確認であり,公式解説を読んだことを判決原典の確認と扱っていない。
判例秘書の未検索を資料不存在の証拠とはせず,特定裁判例を原典確認済みとして引用していない。
本記事の結論・評価単位・重み付けには独自の解釈・推論を含む。
試験後の法改正・判例を用いた現在法の実務解説とは区別して参照されたい。