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未成年後見とは―後見人になれる人・費用・申立てと18歳での終了(AI作成)

第1 未成年後見とは

未成年後見は,親権を行う者がいない場合などに,未成年者の生活と財産を法律上保護する制度である。
未成年後見人は,原則として親権者に代わって子の監護・教育や財産管理を担い,財産に関する契約などでは子を代表する。
単に子と同居して世話をすることと,法定代理人として権限を持つことは区別する必要がある(民法838条1号・857条・859条)。

本記事は,令和8年10月16日現在の民法・家事事件手続法,裁判所の手続案内及び大阪家庭裁判所の未成年後見人ハンドブックに基づき,日本法による未成年後見の基本を説明する。
大阪家裁独自の書式・報告方法は,全国共通の法律上のルールと分けて記載する。
外国籍の子については,本国法の調査が必要になるため,第11の関連記事も参照されたい。

確認すること基本的な取扱い
必要になる場合親権を行う者がいないとき,又は親権を行う者が管理権を有しないとき
申立先未成年者の住所地を管轄する家庭裁判所
選任申立ての手数料未成年者1人につき収入印紙800円。郵便料等は別途必要
選任までの期間裁判所の一般案内ではおおむね1~3か月。事案により異なる
継続期間原則として18歳に達するまで。養子縁組等により終了する場合もある

申立先・費用は裁判所「未成年後見人選任」(出典2),期間・継続は同「未成年後見制度の概要」(出典3)による。
申立てのきっかけとなった遺産分割や保険金の受取りが終わっただけでは,後見人の仕事は当然には終わらない。

第2 親が生きていても未成年後見は必要か

1 親の死亡だけが開始原因ではない

民法838条1号は,親権を行う者がいない場合と,親権を行う者が管理権を有しない場合を未成年後見の開始原因としている。
親権者の死亡のほか,親権喪失・親権停止,所在不明などによって親権を行う者がいない場合も問題となる。
親が生存していることだけで制度の対象外とはいえないが,親と連絡が取りにくい,親子の意見が合わないといった事情だけで開始すると考えてはならない。

離婚後の父母については,現在誰が親権者であり,誰が親権を行えるかを,戸籍や審判書などで確認する。
現行の民法819条は父母の双方又は一方を親権者とする仕組みを定めているため,「離婚しているから単独親権」と決め付けない。
親権者の一方が死亡したというだけで,常に未成年後見が必要になるわけではない。

2 財産管理だけを補う場合

親権を行う者が管理権だけを有しないために選任された未成年後見人は,財産に関する権限のみを有する(民法868条)。
全ての未成年後見人が,親権者に代わって生活・教育の判断を一括して行えるわけではない。
申立ての準備では,親権のどの権限が,どの事情で行使できないかを具体化することが必要である。

第3 未成年後見人には誰がなるのか

1 祖父母や親族も候補者になれるか

祖父母,おじ・おば,成年の兄弟姉妹なども候補者になり得る。
専門職の資格は必須ではないが,家庭裁判所は,子の年齢・心身の状態・生活・財産,候補者の職業・経歴・利害関係,子の意見などを考慮して選任する(民法840条3項)。
親族だから当然に選任されるわけではなく,申立書に記載した候補者とは別の専門職等が選任される場合もある。

民法847条は,未成年者,家庭裁判所で免ぜられた法定代理人等,破産者,被後見人に訴訟をし又はした者とその配偶者・直系血族,行方不明者を欠格者としている。
裁判所のQ&Aは,破産者について復権していない者と説明している。
候補者の資格に疑問があるときは,申立て前に確認する(出典4)。

2 遺言による指定と複数の後見人

未成年者に最後に親権を行う者は,管理権を有しない場合を除き,遺言で未成年後見人を指定できる(民法839条)。
生前に家族へ希望を伝えることと,法律上有効な遺言による指定は同じではない。
指定された人がいるかを確認した上で,家庭裁判所による選任の要否を判断する。

未成年後見人は複数又は法人となる場合もある。
複数の未成年後見人は原則として共同で権限を行使し,家庭裁判所は財産に関する権限について単独行使又は事務分掌等を定めることができる(民法840条2項・3項,857条の2)。
家族の話合いだけで法律上の権限を自由に分担できると考えず,審判の内容を確認する。

第4 申立先・必要書類・費用・期間

1 誰がどこへ申し立てるか

家庭裁判所による未成年後見人の選任は,未成年者本人,親族その他の利害関係人が申し立てることができる。
本人が申し立てるには意思能力が必要であり,「15歳にならなければ本人は申し立てられない」という説明は適切でない(民法840条1項,家事事件手続法177条,出典2)。

申立先は未成年者の住所地の家庭裁判所である(家事事件手続法176条)。
大阪家裁の案内は,住所を生活の本拠とし,住民票上の住所と異なる場合は実際の生活の本拠によって確認するよう求めている(出典5)。

2 必要書類を集める

全国共通の案内では,申立書,未成年者と候補者の戸籍謄本,親権を行う者がいないことを証する資料などが必要とされる。
事情により追加資料を求められるため,提出先家裁の最新案内を確認する。
大阪家裁では,第5のとおり,財産だけでなく子の生活状況を示す資料も準備する。

3 申立費用と後見人の報酬は別である

選任申立ての収入印紙は,未成年者1人につき800円である。
連絡用郵便料,戸籍・住民票等の取得費用は別に必要となり,郵便料は裁判所によって異なる。
弁護士に申立代理を依頼する場合の費用も,これらの実費とは別に確認する(出典2)。

後見人として働いたことに対する報酬は,民法862条に基づき家庭裁判所が判断するものであり,申立代理の費用とは異なる。
後見人が子の財産から自由に月額報酬を引き出せるわけではない。
親族が後見人になった場合も含め,報酬を希望するときは家庭裁判所に報酬付与を申し立てる。
未成年後見監督人の報酬も,民法852条による準用と裁判所の判断による。

4 選任までの期間と取下げ

裁判所の一般案内は,申立てから審判までおおむね1~3か月程度としている。
必要書類の不足や調査事項によっては長くなることがあるため,保険金や相続の手続に期限があるときは,その期限も伝えて準備する。
申立て後の取下げには家庭裁判所の許可が必要であり,希望した候補者が選ばれないことを理由に当然に取り下げられるものではない(出典3)。

第5 大阪家裁へ申し立てる前の準備

1 書類を四つに分けて確認する

大阪家裁の現行案内に沿って,次のように書類を整理すると準備しやすい。
最新の書式・必要部数は,出典5の公式ページと後見ポータルで確認する。

分類準備する主な書類・資料
申立書類申立書,申立事情説明書,親族関係図,候補者事情説明書,財産目録,相続財産目録,収支予定表
本人・候補者の身分未成年者・候補者の戸籍謄本,住所に関する資料。候補者が法人の場合の商業登記簿謄本等
開始原因親権者の死亡を示す戸籍,所在不明を示す資料等。申立ての原因に対応する資料を用意する
財産・生活・関係者預貯金,不動産,有価証券の資料,学校・保育所・母子手帳等の生活状況資料,同意書,申立人の親族関係・利害関係を示す資料等

大阪家裁の同意書は,同意する同居親族及び18歳以上の兄弟姉妹について案内されている。
これを「全親族の同意がそろわないと申立てができない」という意味に読み替えてはならない。
個人番号を記載した住民票等を提出しない点にも注意する。

2 候補者自身が生活と財産の見通しを説明できるようにする

大阪家裁の後見センターだより第24回は,書類が整っていても,候補者本人が子の財産や将来の生活を十分に把握していない場合があることを指摘している(本文4~5頁,PDF5~6枚目)。
申立てを手伝う人は,財産目録を作るだけでなく,保険金・相続財産・収入と今後の教育費を踏まえ,候補者と管理方針を確認することが有益である。
兄弟姉妹については,誰に帰属する財産かを分けて確認し,生存する親との関係や子の意見も整理する。

同号は2021年開示の資料であり,その当時の面接・照会等の説明を,現在の全事件で一律に行われる手順と断定してはならない。
現在の必要書類は公式案内で確認し,実際の調査は担当裁判所の指示に従う。

3 住所などを知られたくない場合

虐待等の事情で関係者に住所・居所その他の情報を知られたくない場合には,提出前に書類の記載内容を確認する。
大阪家裁は後見事件用の非開示の申出書を掲載しているので,保護が必要な情報と理由を具体的に整理する(出典5)。
非開示の申出をしただけで必ず閲覧等が制限されるとは限らず,家事事件手続法47条の記録閲覧等の判断とは区別する。

第6 就任後の仕事と財産管理

1 就任時の調査と報告

家庭裁判所による選任の場合,大阪家裁ハンドブックQ3は,審判書謄本を受け取った日から職務が始まると説明している。
同Q4は,その日から1か月以内に後見事務報告書,財産目録,収支予定表を作成し,裏付資料とともに提出するよう求めている(本文3~4頁,PDF7~8枚目)。
民法853条の財産調査・目録作成の期限にも注意し,間に合わない場合は早めに期間伸長等の手続を確認する。

2 子の財産を家計や兄弟姉妹の財産と混ぜない

後見人は子の財産を管理する立場であり,子の預金を自分のものとして扱うことはできない(民法859条,869条・644条)。
保険金や相続財産を受け取った場合は,権利者が誰かを確認し,本人に帰属する財産を本人のために管理する。
兄弟姉妹の後見人を兼ねる場合にも,各人の財産・収支が区別できる記録を残す。

生活費・教育費を支出する場合は,子本人のための費用であること,金額の相当性,支出の裏付けを説明できるようにする。
同居家族の生活費全部を子の財産から出したり,親族への貸付けや贈与を自由に行ったりすることはできない。
後見人自身の立替金を精算する場合も,支出の目的と金額を資料で確認する(ハンドブックQ5~7)。

3 定期報告と後見監督人

未成年後見人は家庭裁判所の監督を受ける。
大阪家裁の現行案内は,必要書類をそろえて裁判所が指定した月に毎年報告し,監督人が選任されている場合はその指示に従うよう求めている(出典5)。
報告期限を独自に決めたり,裁判所から催促がないことを報告不要の理由にしたりしてはならない。

未成年後見監督人は,後見事務の監督,後任選任の請求,急迫時の処分,利益相反行為での子の代表などを担う(民法851条)。
後見人の代わりに日常の仕事を全て引き受ける人ではない。
選任の必要性や報酬は個別に判断され,成年後見に関する財産額の目安をそのまま未成年後見へ当てはめない。

第7 遺産分割・不動産処分で注意すること

1 後見人自身も相続人である場合

後見人と子が同じ遺産分割の共同相続人となるときは,利益相反の問題が生じる。
後見監督人がいなければ特別代理人の選任を申し立て,後見監督人がいるときは監督人が子を代表する(民法851条4号・860条・826条)。
後見人が兄弟姉妹を複数代理する場合も,一人一人の利益を別に確認する必要がある。

大阪家裁ハンドブックQ9は,遺産分割協議書案ができた段階で連絡票により家庭裁判所へ連絡するよう求めている(本文11頁,PDF15枚目)。
家庭裁判所への連絡と,利益相反を解消するための代理人の選任は,役割の違う手続である。

2 居住用不動産の処分許可と監督人の同意

成年後見人について定めた民法859条の3の居住用不動産処分許可は,未成年後見には適用・準用されない。
したがって,同条の許可が常に必要であると説明するのは適切でない。
ただし,許可が不要であることは,子の不動産を自由に処分してよいことを意味しない。

売却等の必要性と子の利益を検討し,後見監督人がいる場合には民法864条等による同意の要否を確認する。
大阪家裁ハンドブックQ8・Q12は,大きな財産の処分等について監督人への相談や家庭裁判所への連絡を案内している(本文10・15頁,PDF14・19枚目)。
裁判所の許可,監督人の同意,裁判所への連絡を混同せず,必要な手続を分けて確認する。

第8 成年後見との違いと18歳前後の対応

未成年後見は親権を補う制度であり,成年後見は精神上の障害による判断能力の状態を要件とする制度である(民法7条・838条)。
成年後見の開始について民法7条は年齢を要件としていないため,「18歳未満なら成年後見は一切使えない」という説明も正確でない。
しかし,未成年者に成年後見人を付けることだけで,未成年後見における監護・教育の権限を全て代替できると考えてはならない。

未成年後見の対象者が18歳になった後も財産管理等の支援を必要とする場合は,成年後見等の要件と具体的な支援の必要性を別に検討する。
未成年後見人がそのまま当然に成年後見人へ移るわけではない。
成年到達前から,現在の権限,成年到達によって終わる事務,引継ぎ先及び必要な申立てを整理することが重要である。

第9 未成年後見はいつ終わるのか

1 18歳になったときと養子縁組等

日本法による未成年後見は,原則として本人が18歳に達すると終了する。
養子縁組等によって親権に服することとなる場合にも終了する(民法4条,出典3・5)。
保険金の受取りや遺産分割が終わっただけでは終了しないため,候補者は就任前に継続する仕事として理解しておく必要がある。

民法870条は,任務終了から2か月以内の管理の計算を定めている。
大阪家裁ハンドブックQ15は,成年到達等による終了から2か月以内の財産計算・本人等への引継ぎ,及び引継書・財産目録・報告書の提出を案内している(本文18頁,PDF22枚目)。
また,同Q15は終了から10日以内の市区町村への後見終了届も案内しているので,裁判所への報告と戸籍の届出を分けて準備する。

2 後見人の都合で辞めたい場合

後見人が高齢・病気等により仕事を続けられない場合は,正当な事由に基づく家庭裁判所の辞任許可が必要である(民法844条)。
家族間で後任を決めただけでは,法律上の後見人が交代するわけではない。
後見人が不在になる場合には後任選任も必要となるため,財産・記録の引継ぎを含めて準備する(ハンドブックQ11)。

第10 よくある質問

1 未成年後見人は祖父母でもよいか

祖父母も候補者になり得るが,必ず選任されるわけではない。
家庭裁判所は,子の利益を基準として,生活・財産の状況,候補者の適格性,子の意見等を考慮する。

2 費用は合計800円で済むか

800円は未成年者1人についての選任申立ての収入印紙額であり,総費用ではない。
郵便料・証明書取得費・依頼する場合の弁護士費用と,就任後の後見人等の報酬を分けて確認する。

3 未成年後見人になれば子の財産を家族のために使えるか

子の財産は,子の利益のために管理するものである。
家族の財産と混同せず,生活費等を支出する場合も,子本人の負担すべき額と根拠を説明できるようにする。

4 未成年後見と成年後見は年齢だけで分かれるか

年齢だけでは分かれない。
親権を補う必要性と判断能力の状態は別の問題であり,未成年者について成年後見等を検討する場合にも監護・教育の権限を含めて制度を比較する必要がある。

第11 関連記事と出典

1 関連記事

大阪家庭裁判所後見センターの利用案内―申立先・必要書類・報告書・窓口。窓口の確認と併せ,未成年後見の申立書・報告書は,本記事第5及び出典5の未成年後見専用の案内で確認する。

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2 法令と裁判所資料

出典1 民法:4条・7条・818条・819条・838条~840条・844条・847条・849条・851条~853条・857条・857条の2・859条・859条の3・860条・862条・864条・868条~871条。
https://laws.e-gov.go.jp/law/129AC0000000089

家事事件手続法:47条・176条~178条。
https://laws.e-gov.go.jp/law/423AC0000000052

出典2 裁判所「未成年後見人選任」:申立人,申立先,費用,標準的な添付書類。
https://www.courts.go.jp/saiban/syurui/syurui_kazi/kazi_06_12/index.html

出典3 裁判所「未成年後見制度の概要を知りたい方へ」:期間,取下げ,候補者の選任,報酬,手続の継続。
https://www.courts.go.jp/saiban/koukenp00/koukenp2/index.html

出典4 裁判所「裁判手続 家事事件Q&A」第4・3「未成年後見制度」。
https://www.courts.go.jp/saiban/qa/qa_kazi/index.html

出典5 大阪家庭裁判所「未成年後見制度」:申立書類,住所地,同意書,定期報告,非開示の申出書及び終了時の報告。
https://www.courts.go.jp/osaka/saiban/miseinenkouken/index.html

大阪家庭裁判所「未成年後見人ハンドブック」(令和7年2月,R070201):Q3~9,Q11~15。本文頁とPDFの枚数は4枚ずれている。
https://www.courts.go.jp/osaka/vc-files/osaka/2024nendo/kasai_kouken/10_R7_miseinen_handbook.pdf

3 過去の実務資料を読む場合の注意

大阪家裁後見センターだより第24回は,2021年に開示された資料である。
本記事では候補者への説明・助言等の参考としたが,成年年齢引下げ時の経過措置や当時の窓口を現在の案内として用いていない。
同資料に記載された旧法上の懲戒権についても,現在の権限として説明していない。

法務省「民法等の一部を改正する法律について」は,懲戒権に関する規定の削除等が令和4年12月16日に施行されたことを案内している。
https://www.moj.go.jp/MINJI/minji07_00315.html

大阪家裁後見センターだより第24回(本文1~8頁,PDF2~9枚目)。
https://yamanaka-bengoshi.jp/wp-content/uploads/2021/05/%E5%A4%A7%E9%98%AA%E5%AE%B6%E8%A3%81%E3%81%AE%E5%BE%8C%E8%A6%8B%E3%82%BB%E3%83%B3%E3%82%BF%E3%83%BC%E3%81%A0%E3%82%88%E3%82%8A%E7%AC%AC%EF%BC%92%EF%BC%94%E5%9B%9E%EF%BC%88%E6%9C%AA%E6%88%90%E5%B9%B4%E8%80%85%E3%81%AB%E3%81%A4%E3%81%84%E3%81%A6%EF%BC%8C%E6%9C%AA%E6%88%90%E5%B9%B4%E5%BE%8C%E8%A6%8B%E4%BA%BA%E9%81%B8%E4%BB%BB%E3%82%92%E7%94%B3%E3%81%97%E7%AB%8B%E3%81%A6%E3%82%8B%E5%A0%B4%E5%90%88%EF%BC%8C%E5%8F%8A%E3%81%B3%E6%88%90%E5%B9%B4%E5%BE%8C%E8%A6%8B%E7%AD%89%E9%96%8B%E5%A7%8B%E3%82%92%E7%94%B3%E3%81%97%E7%AB%8B%E3%81%A6%E3%82%8B%E5%A0%B4%E5%90%88%EF%BC%89.pdf