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弁護士国保と協会けんぽの違い―加入条件,保険料,家族と休業時の給付を比較(AI作成)

第1 比較の前に加入できる制度を確認する

1 保険料だけで自由に選べるわけではない

弁護士国保と協会けんぽを比べるときは,まず本人の加入資格と法律事務所の適用関係を確認する必要がある。
弁護士法人又は強制適用となる個人経営の法律事務所に使用され,法定要件を満たす者は,原則として健康保険及び厚生年金保険の対象となる。
国民健康保険組合の加入資格を満たすことだけで,健康保険の加入義務を免れるわけではない。

健康保険の適用除外承認を受けられる場合には,弁護士国保と厚生年金保険の組合せが可能である。
個人開業弁護士の国保と国民年金の組合せとは年金の前提が異なるため,医療保険の比較に年金保険料の差を混ぜないことが大切である。
加入義務の全体像は弁護士の社会保険,承認手続は弁護士国保を続けるための健康保険適用除外承認を参照されたい。

2 本記事で扱う弁護士国保の範囲

本記事の弁護士国保とは,東京都弁護士国民健康保険組合を指す。
令和8年10月3日に確認した同組合,協会けんぽ及び日本年金機構の公式資料に基づく説明であり,別の国保組合又は健康保険組合の保険料・独自給付にそのまま当てはめることはできない。

第2 本人と家族の加入条件

1 所属弁護士会,住所及び現在の医療保険

組合の加入案内によれば,対象は東京三弁護士会,神奈川県・千葉県・埼玉県の各弁護士会に所属する弁護士・外国法事務弁護士及びその法律事務所等で勤務し業務に従事する者で,組合の地区内に住所を有する者である。
登録又は在職の証明に加え,現在の医療保険資格を確認する。
他の健康保険の被保険者又は被扶養者,後期高齢者医療の被保険者等は,原則として加入できない。

2 国保の家族と健康保険の被扶養者

弁護士国保では,家族も被保険者であり,年齢区分に応じて一人ずつ保険料を負担する。
同一世帯で市町村国保に加入する家族の一部だけを残して,組合員本人だけ弁護士国保へ移るという取扱いはできない。
一方,勤務先の健康保険に加入している家族等を重ねて加入させることもできない。

協会けんぽでは,家族が被扶養者の認定を受ければ,その家族について個別の健康保険料はかからない。
ただし,家族であることだけで認定されるわけではなく,続柄,生計維持,収入等の条件を確認する必要がある。
配偶者の年金第3号被保険者への該当は,医療保険の被扶養者認定と分けて確認する。

第3 保険料の比べ方

1 本人負担と事務所負担を分ける

協会けんぽの保険料は,標準報酬月額及び標準賞与額と適用される保険料率を基礎として計算し,原則として被保険者と事業主が折半する。
弁護士国保は年齢区分による定額であり,健康保険法上の労使折半の制度ではない。
事務所が国保の保険料相当額を補助する契約があれば,法定負担とは別に,その補助額及び給与・税務上の取扱いを確認する。

比較項目弁護士国保協会けんぽ
算定の基礎加入者ごとの年齢区分標準報酬月額・標準賞与額
家族被保険者ごとに定額被扶養者には個別保険料なし
事業主負担健康保険法上の折半なし原則として折半
介護分40歳から64歳の区分に含む対象者の介護保険料率を加える

2 令和8年度の定額保険料と家族の計算例

令和8年度の組合保険料は,18歳から39歳又は65歳から74歳の組合員が月3万2200円,40歳から64歳の組合員が月3万7900円である。
家族は,0歳から17歳が月1万3400円,18歳から39歳又は65歳から74歳が月1万4000円,40歳から64歳が月1万9700円である。
組合員の18歳未満の区分は月3万1600円とされている。

例えば,35歳の組合員,35歳の家族1人及び小学生の家族1人が加入する場合,通常の月額の合計は5万9600円である。
この例は3人とも加入資格を満たすという仮定の計算であり,年金保険料は含まない。
未就学児には年度末期分からの支援金控除等もあるため,単純な月額の12倍と実際の年間請求額が一致するかは,軽減の適用を確認する必要がある。

3 子ども・子育て支援金と賞与を忘れない

令和8年度の弁護士国保では,18歳以上の組合員及び家族について月600円の子ども・子育て支援分が上記定額に含まれる。
これを上記保険料にもう一度加算してはならない。
協会けんぽの令和8年度の支援金率は0.23%であり,標準報酬月額と標準賞与額を基礎として労使が折半する。

比較表を作る場合は,同じ年度について,協会けんぽの通常の健康保険分,該当する介護分,支援金分及び賞与分を年間で計算する。
勤務者の手取りを比較する表と,事務所が負担する総額を比較する表は分けると判断しやすい。
市町村国保も候補となる個人開業の場合は,住所地の条例,前年所得及び世帯構成に基づく見積りを別に取得する。

第4 休業時の給付と保険料軽減

1 傷病手当金と出産手当金

協会けんぽでは,業務外の病気・けがで働けず十分な報酬を受けられない被保険者に,待期等の要件を満たせば傷病手当金が支給される。
出産のために休業し報酬を受けられない場合には,別の要件により出産手当金の対象となる。
これらの手当は被扶養者の休業所得を補償する制度ではない。

弁護士国保の公式給付一覧には,一般の傷病手当金及び出産手当金は掲載されていない。
出産育児一時金や医療給付と,休業中の所得保障とは目的が異なる。
保険料の差だけでなく,休業中に事務所から報酬が続くか,生活費をどの期間まで賄えるかも比較の対象とする。
傷病手当金の計算や退職後の継続給付は,傷病手当金の支給要件,計算及び継続給付で説明している。

2 産前産後の軽減と国民年金の免除

弁護士国保の産前産後の保険料軽減は,出産する被保険者本人について,原則として出産予定月又は出産月の前月から4か月分,多胎妊娠では3か月前から6か月分を対象とする。
家族全員の保険料が自動的に免除される制度ではない。
協会けんぽの被保険者について行う産前産後休業等の保険料免除とは,対象と手続を区別する。

国民年金第1号被保険者に対する育児期間の免除は,医療保険の軽減と別に判断する。
令和8年10月からの制度は,開業弁護士・フリーランスの国民年金育児免除を参照されたい。
弁護士国保に加入していても厚生年金の被保険者であれば,国民年金第1号被保険者の制度をそのまま利用することはできない。

第5 切替え前に残す確認記録

1 資格,費用及び給付の三つの資料をそろえる

まず,事務所形態,使用関係,現在の資格及び適用除外該当事由を記録する。
次に,家族ごとの加入先と年齢,標準報酬月額,賞与,事務所の補助契約をそろえて,同年度の年間負担を計算する。
最後に,傷病・出産時の報酬と給付,軽減制度,年金の種別を確認する。

2 承認と資格日を確認してから切替える

「見積りでは安い」という理由だけで,先に既存の資格を喪失させてはならない。
承認の可否,加入日,家族の資格変更及び旧保険の脱退に必要な証明を,組合と年金事務所で確認する。
照会日,回答内容及び担当窓口を残し,保険料の二重請求や受診時の資格不一致があれば,各保険者へ同じ時系列を示す。

第6 出典・関連記事

法的な基礎は,健康保険法3条及び161条,国民健康保険法6条,13条及び19条である。
加入条件,保険料及び給付は,上記の各保険者の公式資料による。
本記事は特定の裁判例による資格認定を一般化したものではない。

社会保険の一般的な加入・資格取得喪失は,社会保険の加入・保険料・資格取得喪失と士業の適用を参照されたい。
基金資格の変更は,弁護士国民年金基金の資格喪失と再加入で別に説明している。