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開業弁護士・フリーランスの国民年金育児免除―対象月,届出と前納保険料の還付(AI作成)

第1 令和8年10月から利用できる育児免除

令和8年10月1日から,1歳になるまでの子を養育する国民年金第1号被保険者について,国民年金保険料の育児免除が始まった。
開業弁護士,フリーランス,自営業者,学生又は無職の者であっても,第1号被保険者として要件を満たす場合は対象となる。
本記事は令和8年10月3日現在の日本年金機構の手続案内を基に,対象月,届出要否,納付済み保険料及び終了時の確認を説明する。

この制度には所得要件及び仕事を休業する要件がない。
保険料が免除された期間も,保険料を納付した期間として老齢基礎年金額に反映されるため,所得を理由とする通常の免除又は納付猶予とは効果が異なる。

第2 対象となる親と子

1 第1号被保険者であること

対象は20歳以上60歳未満の第1号被保険者である実父母・養父母等であり,子との親子関係及び同一住所の要件を満たす必要がある。
父母の双方が第1号被保険者であって要件を満たすときは,双方が免除を受けられる。
配偶者の所得が高いこと又は仕事を継続していることだけで対象外になる制度ではない。

勤務弁護士など厚生年金に加入する第2号被保険者には,産前産後休業・育児休業等期間の別の保険料免除制度がある。
第3号被保険者及び任意加入被保険者は,この国民年金育児免除の対象ではない。
開業・就職・退職等で資格が変わった場合は,職業名だけで判断せず,免除を受けようとする各月の加入区分を年金記録で確認する必要がある。

2 養子,里親及び同一住所の確認

法律上の実子及び養子のほか,特別養子縁組の監護期間にある子,養子縁組里親に委託されている子等も,機構の案内に掲げられる範囲で対象となる。
里親であることだけで全ての養育が対象になるわけではないため,委託の種類及び証明書を確認する。

制度の実体要件は子と同一住所であることである。
後記の届出不要の取扱いでは,機構がマイナンバーによる情報連携で親子関係及び同一世帯を確認できることが必要であり,実体要件と自動確認の条件を分けて考える必要がある。

第3 免除される月を確認する

1 産前産後免除のある実母

産前産後免除期間を有する実母については,その期間に引き続く9か月間が育児免除期間となる。
ただし,この制度による免除は令和8年10月以後の月分に限られる。

日本年金機構は,出産予定日が令和9年5月1日の例について,育児免除を同年8月から令和10年4月までとしている。
実母の対象月を確認する際は,子の誕生日だけで機械的に12か月を数えず,産前産後免除の対象期間及び通知内容を確認する必要がある。

2 実父,養父母及び産前産後免除のない実母

実父,養父母及び産前産後免除期間を有しない実母については,子を養育することとなった月から,1歳の誕生日の前月までの最大12か月間が対象となる。
途中から養育を始めた場合は出生月から当然に免除されるのではなく,養育開始日を確認する。

日本年金機構は,出産日が令和9年5月1日の例について,同年5月から令和10年4月までとしている。
実母と実父では開始月が異なる場合があるため,夫婦の届出を一括して同じ期間と扱わないことが実務上重要である。

3 令和8年10月より前に生まれた子

制度開始前に出生した子であっても,対象要件を満たすときは,令和8年10月以後の残りの対象月について利用できる。
一方で,この新制度によって令和8年9月以前の保険料まで免除されるわけではない。

日本年金機構は,出産日が令和8年1月1日の例について,実母・実父等ともに同年10月から12月までの3か月間を示している。
子の生年月日,実母の産前産後免除及び養育開始日を資料で確認し,施行日との前後関係を整理する必要がある。

第4 届出が必要な場合と不要な場合

1 原則として該当後速やかに届け出る

育児免除の要件を満たした後は,速やかに届出を行う。
住民登録のある市区町村の国民年金担当窓口への提出又は郵送のほか,マイナポータルによる電子申請も利用できる。
様式は国民年金産前産後免除該当届/育児免除該当・終了届であり,産前産後免除と併せて届け出ることもできる。

実父・養父母及び産前産後免除の届出を済ませていない実母は,手続が必要である。
夫婦の一方が免除を受けたからといって,もう一方の届出が当然に完了するわけではない。

2 一部の実母は届出が不要である

産前産後免除期間が令和8年9月以後に終了した実母については,引き続き子を養育していることを機構が確認できる場合,育児免除の届出が不要となる。
具体的には,基礎年金番号とマイナンバーが紐付けられ,情報連携によって親子関係及び同一世帯であることを確認できる場合である。

対象者には産前産後免除期間終了後に「国民年金保険料育児免除該当通知書」が送られる。
これに対し,産前産後免除期間の終了を知らせる通知だけが届いた場合,育児免除に該当する者は届出を行う必要がある。
自動適用を期待して通知を放置せず,通知の名称と対象月を確認することが必要である。

3 確認資料と外国籍・養子関係の添付

基本的な確認事項は,①マイナンバー又は基礎年金番号,②親子関係,③子と同一住所であることである。
親子関係及び住所の書類は原則として添付不要とされているが,機構が確認できることを前提とするため,特殊な事情がある場合は提出先へ確認する。

親又は子が外国籍の場合には,日本の戸籍で確認できる書類又は外国の公的機関が発行した親子関係の証明書及び翻訳人を明記した和訳文等が必要となる。
特別養子縁組の監護期間については家庭裁判所の事件係属証明書,里親委託については児童相談所の措置決定通知書等,該当する類型の資料を準備する。
添付書類の一覧は機構の現行案内で確認し,別制度の書類をそのまま流用しないことが望ましい。

第5 納付済み保険料,通常免除及び基金との関係

1 前納又は納付済みでも届出の意味がある

既に保険料を納付している月であっても,対象月について届出をすることで育児免除期間として取り扱われ,納付済み保険料は充当又は還付される。
前納済みであることを理由に申請を諦めず,対象月と納付記録を照合する必要がある。

口座振替又はクレジットカードによる前納を行っている場合には,育児免除終了後の振替方法が変更されることがある。
還付・充当の通知及びその後の納付方法まで年金事務所で確認し,通知がないまま自己判断で振替を止めないようにする。

2 免除・猶予・学生納付特例の承認済み期間

法定免除,所得による保険料免除,納付猶予又は学生納付特例の対象月であっても,育児免除の届出をすることで育児免除期間として取り扱われる。
育児免除は老齢基礎年金額に納付済みとして反映されるため,従前の制度の承認がある者についても確認する意味がある。

通常の免除等の年金額への反映及び追納については,国民年金保険料の免除・納付猶予・追納-国民健康保険料の軽減・減免を参照されたい。
免除通知の対象月を確認せず,対象期間外まで追納不要と扱わないことが必要である。

3 付加保険料と国民年金基金

育児免除中も,付加保険料月額400円を納付することができる。
国民年金本体の保険料,付加保険料及び国民年金基金の掛金は,同じ納付義務ではない。

育児免除が適用されても,日本弁護士国民年金基金等の掛金まで当然に免除されるとは扱わない。
基金の掛金又は口数の変更を希望する場合は,加入先の規約及び手続を別途確認する必要がある。
弁護士会費の免除についても,出産・育児を理由とする弁護士会費の免除で説明する別制度である。

第6 途中終了と実務上の確認順序

子と同居しなくなるなど育児免除要件を満たさなくなった場合には,該当しなくなった日の翌日以後,速やかに終了の届出をする必要がある。
子が1歳に到達して期間が満了する場合には,そのことだけを理由とする終了届は不要である。

相談又は自分の届出を検討する際は,次の順序で資料を確認することが有用である。
① 各月の第1号被保険者資格及び子の生年月日
② 実母・実父・養父母等の別,産前産後免除期間及び養育開始日
③ 親子関係及び同一住所
④ 届出不要の条件と該当通知の有無
⑤ 納付済み・前納・通常免除等の対象月
⑥ 外国籍又は養子・里親関係の添付資料
⑦ 充当・還付,終了後の納付方法及び途中終了の届出

別居,海外住所又は出生・養育日の食い違いがある場合には,通常例の期間計算だけで結論を出さず,該当資料を示して年金事務所へ確認する必要がある。
本記事は制度及び届出の案内であり,こうした個別事情における免除に関する処分の適法性又は争訟上の結論を示すものではない。

第7 出典

① 国民年金法88条の2・88条の3等(e-Govの現行条文を確認)。
② 厚生労働省の国民年金法原文(88条の3の追加に係る改正履歴)。
③ 日本年金機構「国民年金保険料の育児免除制度」(令和8年10月1日更新。対象者,期間例,届出不要,添付資料,充当・還付及び終了手続)。
④ 日本年金機構「国民年金産前産後免除該当届/育児免除該当・終了届」。
⑤ 厚生労働省「国民年金第1号被保険者に対する育児期間に係る保険料免除措置」。

本記事の制度・手続の説明は,法令原文及び所管機関の一次的な行政案内に基づく。
育児免除に関する判決原文又は判例秘書の判決全文を根拠とする裁判例の説明は行っていない。