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米国中間選挙後6か月の株価―戦後20回のダウ・S&P 500・NASDAQ総合を比較(AI作成)

第1 中間選挙後は上昇例が多いが,全回ではない

第二次世界大戦後の米国中間選挙について,選挙日を基準に6か月後までのダウ平均,S&P500,NASDAQ総合の値動きを比較すると,上昇した例が多い。
本稿の参考集計では,ダウ平均は20回中18回,S&P500は20回中19回,NASDAQ総合は算出可能な13回すべてで上昇している。
一方,1946年のダウ平均・S&P500と,2002年のダウ平均は下落しており,「中間選挙後なら必ず上がる」という結果ではない。

以下では,半年後までの実績を比較できる2022年から1946年までを新しい順に掲げる。
2026年選挙後の半年間は,2026年11月3日の基準日には経過していないため,実績表には含めない。
ここでいう「半年」は6暦月であり,配当・為替を含まない米ドル建て価格指数の変化である。

表の数値は小数第1位に丸めた目安である。
古い期間には研究者編成データ・第三者転載データを用いており,全期間の指数作成主体の原表を独立照合した確定統計ではない。
また,「選挙後に株価が変わった」という前後比較と,「選挙結果が株価を変えた」という因果関係は区別する必要がある。

第2 戦後20回の比較表――新しい順

「大統領党」は中間選挙時の大統領の所属党,「次期下院/上院」は選挙結果を踏まえた次期議会の支配党を示す。
上院については,無所属議員がどの会派に参加するかなども踏まえた組織上の支配を用いる。
この分類は米下院の党派別政府構成の公式歴史表に基づくもので,表の党名が投票日当日の終値時点で判明していたことを意味しない。

選挙年大統領党次期下院/上院ダウ平均S&P500NASDAQ総合
2022民主共和/民主+1.4%+8.1%+15.5%
2018共和民主/共和+3.1%+6.4%+10.1%
2014民主共和/共和+3.9%+5.1%+8.5%
2010民主共和/民主+14.5%+14.0%+13.0%
2006共和民主/民主+9.5%+9.2%+8.2%
2002共和共和/共和-1.7%+1.2%+7.2%
1998民主共和/共和+26.5%+21.9%+41.8%
1994民主共和/共和+14.4%+12.5%+10.7%
1990共和民主/民主+18.4%+22.0%+44.3%
1986共和民主/民主+20.8%+17.5%+15.6%
1982共和民主/共和+17.8%+17.9%+33.5%
1978民主民主/民主+4.2%+5.5%+15.7%
1974共和民主/民主+26.8%+19.9%+23.0%
1970共和民主/民主+21.4%+22.6%―
1966民主民主/民主+13.4%+17.2%―
1962民主民主/民主+16.9%+19.2%―
1958共和民主/民主+14.7%+11.8%―
1954共和民主/民主+20.4%+19.7%―
1950民主民主/民主+17.4%+16.9%―
1946民主共和/共和-0.1%-3.1%―

表注 騰落率はすべて6暦月の価格変化の目安である。
1946~2014年のダウ平均はMeasuringWorthの編成値,同期間のS&P500はMacroTrends由来と表示された公開転載CSVを用いた参考計算である。
2018・2022年のダウ平均・S&P500と,1974年以降のNASDAQ総合は,FREDで取得した指数提供元の系列を用いた。
個々の出典は第7の一覧を参照されたい。

「―」はNASDAQ総合の開始前で該当しないことを示し,騰落率0%という意味ではない。
1957年以前のS&P500欄には前身・遡及系列を含むため,当時すでに500銘柄形式の指数が運用されていたと読むことはできない。
小数第1位への丸めは表示上の処理であり,元データの誤差が一定の範囲内に収まると保証するものでもない。

1 平均だけでなく中央値と下落例も見る

対象期間全体の集計は次のとおりである。
「平均」は各選挙後の6か月騰落率の単純平均であり,長期投資の年率複利リターンではない。
NASDAQ総合は開始時期が異なるため,ダウ平均・S&P500の20回とNASDAQ総合の13回を同じ標本と扱わない。

指数対象回数・上昇回数平均中央値最小~最大
ダウ平均20回中18回+13.2%+14.6%-1.7%~+26.8%
S&P50020回中19回+13.3%+15.5%-3.1%~+22.6%
NASDAQ総合13回中13回+19.0%+15.5%+7.2%~+44.3%

2 同じ13回にそろえた比較

3指数を同じ期間で比較するため,1974~2022年の13回に限定すると次のようになる。
この期間でも,NASDAQ総合の平均は他の2指数より大きいが,1998年と1990年のような大きな上昇例が平均に影響している。
平均の差だけで,将来も同じ差が続くことや,リスクに見合う優位性があることまでは分からない。

指数上昇回数平均中央値
ダウ平均13回中12回+12.3%+14.4%
S&P50013回中13回+12.4%+12.5%
NASDAQ総合13回中13回+19.0%+15.5%

第3 選挙結果の違いによる比較

1 大統領党の勝敗と議会支配を分ける

米下院の公式歴史表は,大統領の所属党が上下両院の多数派を占める場合を統一政府,それ以外を分割政府として整理している。
本稿では,この区別を使い,選挙前から次期議会への変化を4種類に分類した。
上院だけの支配交代と,大統領党による両院支配の喪失は,常に同じ出来事になるわけではない。

例えば2014年は,民主党のオバマ大統領の下で,下院の共和党支配が続き,上院も民主党から共和党へ移った。
上院支配は変わったものの,選挙前後とも大統領党と議会支配が一致しない分割政府である。
2002年は,上院支配が第107議会の途中で変動しているため,選挙直前の民主党支配と次期第108議会の共和党支配を比較している。

議会の権限そのものについては,米国中間選挙で何が変わるか―上下両院の権限と大統領への影響を参照されたい。

2 共通13回の分類別平均

次の表は,3指数とも値のある1974~2022年の13回について,同じ選挙群にそろえた6か月騰落率の単純平均である。
分類は,それぞれの群に属する最新の選挙年が新しい順に並べている。

選挙前後の変化回数ダウ平均S&P500NASDAQ総合
大統領党の統一支配を喪失5+8.6%+10.0%+11.5%
分割政府が継続6+19.0%+17.4%+27.8%
大統領党が統一支配を獲得1-1.7%+1.2%+7.2%
大統領党の統一支配が継続1+4.2%+5.5%+15.7%

統一支配を失った群は2022年,2018年,2010年,2006年,1994年の5回,分割政府が継続した群は2014年,1998年,1990年,1986年,1982年,1974年の6回である。
統一支配を獲得した群は2002年,統一支配が継続した群は1978年の各1回にすぎない。
各1回の群では,表の「平均」はその年の実績そのものであり,一般的な傾向を推定できる標本数ではない。

この表から,「大統領党が議会を失う方が株価に有利」といった因果的な結論を導くことはできない。
各群の景気・金利環境や選挙前の株価水準は同一ではなく,本稿はそれらの条件をそろえた比較ではないからである。

3 トリプルレッド・トリプルブルーと分割政府の比較

トリプルレッドとは大統領・上院・下院を共和党が支配する状態,トリプルブルーとはその3つを民主党が支配する状態をいう。
ここでは,上記の「選挙前後の支配の変化」と区別し,選挙後の次期議会における組織上の支配状態で分類し直す。

1946~2022年の中間選挙20回を分類すると,選挙後6か月のダウ平均とS&P500の平均騰落率は次のとおりである。
各年の騰落率は既存の年別表と同じ条件による目安値であり,表の数値はその単純平均を小数第1位に丸めたものである。

選挙後の支配状態回数ダウ平均S&P500
トリプルレッド(共和党)1-1.7%+1.2%
トリプルブルー(民主党)4+13.0%+14.7%
それ以外(分割政府)15+14.2%+13.7%

トリプルレッドに該当するのは2002年の1回だけであり,トリプルブルーは1978年,1966年,1962年,1950年の4回である。
トリプルブルーのS&P500の平均は分割政府を少し上回るが,ダウ平均では下回る。
この標本では,統一支配の方がすべての指数で一貫して有利という関係は確認できない。

NASDAQ総合を含めて同じ期間で比較できる1974~2022年の13回に絞ると,次のとおりとなる。

選挙後の支配状態回数ダウ平均S&P500NASDAQ総合
トリプルレッド・ブルー合計2+1.2%+3.4%+11.5%
分割政府11+14.3%+14.1%+20.4%

この共通期間の統一支配は2002年と1978年の2回だけであり,分割政府は11回である。
3指数とも分割政府の平均が高いが,統一支配側の標本数が極めて少なく,その一般的な優劣を決める資料にはできない。

いずれの表も6暦月の米ドル建て価格指数の騰落率であり,配当再投資,為替,費用,税を含まない。
1957年以前のS&Pは前身・遡及系列を含む参考値であり,当時の500銘柄形式の実績と同一視しない。
NASDAQ総合の開始前を0%で補ったり,20回の平均へ混ぜたりしていない。

これらは平均騰落率の比較であり,上昇確率や統一支配の因果効果を推定したものではない。
差の統計的有意性の検定も行っていない。
景気・金利・選挙前の株価水準などの条件が異なるため,「統一支配には株価上昇の効果がない」又は「分割政府の方が株価を上げる」と断定することはできない。
対象は中間選挙後6か月に限られ,大統領選挙後や大統領任期全体におけるトリプルレッド・ブルーの効果を示すものでもない。

第4 最近から見る,結果の読み違いを避ける4例

1 2022年――3指数の上昇幅は同じではない

2022年11月8日から2023年5月8日までの価格変化は,ダウ平均が約1.4%,S&P500が約8.1%,NASDAQ総合が約15.5%の上昇であった。
同じ選挙,同じ起終点でも,上昇幅には大きな差がある。
「米国株が上がった」とひとまとめにせず,どの指数を使っているのかを確かめる必要がある。

2 2018年――半年後の上昇と途中の下落は両立する

2018年11月6日から2019年5月6日まででは,3指数とも上昇した。
しかし,NASDAQ総合は途中の2018年12月24日に,起点の終値に比べ約16.0%低い終値を付けている。
同じ対象期間の終値ベースの最大下落率を,期間内のそれまでの高値から測ると約18.2%である。

起点から最安値までの下落率と,途中の高値から安値までの最大下落率は,定義が異なる。
いずれにせよ,半年後にプラスだったことは,その半年間に損失を抱えずに済んだことを意味しない。

3 2002年――ダウと他の指数で符号が分かれる

2002年11月5日から2003年5月5日までの参考値では,ダウ平均は約1.7%下落した一方,S&P500は約1.2%,NASDAQ総合は約7.2%上昇した。
大統領党が両院支配をそろえた年でも,すべての指数が同じ方向に動いたわけではない。
指数の違いを確認することが,「中間選挙後の株価」という説明を読む際の前提となる。

4 1946年――戦後全体を「全勝」と扱うことはできない

1946年については,採用した起点が11月4日,終点が1947年5月5日である。
参考計算ではダウ平均が約0.1%,S&Pの前身・遡及系列が約3.1%の下落となる。
対象を近年だけにするか,戦後最初の中間選挙まで広げるかによって,上昇回数や平均は変わり得る。

ただし,ダウの約0.1%という小さな差は,起算日や期間の取り方にも注意して読むべき数値である。
異なる期間で作られた別の統計表と,符号や回数だけを比べることは適切ではない。

中間選挙による政治上の変化の歴史については,米国中間選挙で実際に何が変わったか―1866年から2022年までの14回の実例を参照されたい。

第5 「半年」と指数系列をそろえる

1 6暦月,126取引日,11月から4月末は別の期間である

本稿の騰落率は,「終点の価格÷起点の価格-1」に100を掛けて求めた。
起点は全国一般選挙日を基準とする終値,終点はその6暦月後の同日を基準とする終値であり,価格がなければそれぞれ直前の観測取引日を採る。
実際に採った日付は第8の一覧に示す。

例えば2022年なら11月8日から翌年5月8日までであり,11月初めから翌年4月末までの集計とは一致しない。
また,126取引日を半年とみなす方法も,6暦月の同日までという本稿の方法とは異なる。
違う統計表を比べる際は,数値の大小より先に起終点を確認する必要がある。

米国の連邦下院選挙日の規定(2 U.S.C. §7)は,偶数年11月の第1月曜日の翌火曜日を原則としている。
ただし,この日付の規定は,開票結果の判明日や州の認証日と同じものではない。
投票日の終値を使う本稿の表は,結果が判明した瞬間からの株価反応を測るイベント分析ではない。
その区別については,米国中間選挙2026の結果はいつ確定するか―開票速報・再集計・認証も参照されたい。

2 価格指数と配当込み指数を区別する

本稿は価格指数の変化を計算しており,配当の再投資を含む総収益の計算ではない。
配当込みの他社統計と同じ数字になることを前提にしてはならない。
日本円で購入する投資信託等の成績とも,為替,費用,税の扱いが異なる。

ダウ平均とS&P500は採用銘柄や重み付けが異なる。
S&P DJIの指数解説も,ダウの株価加重とS&P500の浮動株調整時価総額加重を区別している。
NASDAQ総合も別の指数であり,NASDAQ100への読み替えはできない。

3 1957年以前のS&PとNASDAQ開始前をどう扱うか

S&P500の500銘柄形式の開始日は1957年3月4日である。
S&P U.S. Indices Methodologyは,公表開始日と最初の履歴日を分け,S&P500の最初の値の日を1928年1月3日としている。
同方法書は,開始前の指数履歴を遡及計算として区別する。

また,歴史的なS&P資料では,旧90銘柄の日次系列と,より広い銘柄を対象とする週次系列やその月平均を区別する必要がある。
そのため,本稿の1946年,1950年,1954年のS&P欄は,前身・遡及系列を含む参考値として読むべきであり,当時の500銘柄形式の実績と表示していない。
本稿が使った公開転載CSVの古い接続仕様は,指数作成主体の原表と全件照合できていない。

NASDAQ総合は,Nasdaqの沿革説明によれば1971年2月5日に始まった。
したがって,1970年以前の中間選挙について,選挙日から6か月のNASDAQ総合の騰落率を同じ方法で求めることはできない。
開始前の空欄を0%で補って平均へ入れることもしていない。

第6 この比較から分かることと分からないこと

本稿の条件では,中間選挙後の半年間に株価が上がった例は多く,その傾向は3指数の年別表で確認できる。
一方,指数ごとの例外,起終点の定義,途中下落,標本期間の違いを取り除いて説明することはできない。

特に,中間選挙年は同じ季節を観察するため,11月から翌年5月にかけての季節性や,それぞれの時期の景気・金融政策を区別する必要がある。
本稿は,通常年の同じ季節との比較や,金利・景気条件をそろえる統計調整によって,選挙だけの効果を取り出した研究ではない。
したがって,表の平均を「選挙が生んだ上乗せ分」や,将来の期待収益率として使うことはできない。

政党別の差にも同じ問題がある。
ある党が勝った年に株価が上がっていても,その党の勝利が上昇の原因だとは,この表だけでは判定できない。
歴史的な参考値としては,まず期間と系列をそろえ,実際の上昇・下落と政治結果を区別して読むことが適切である。

第7 主な出典とデータの位置付け

1 株価データ

FREDのNASDAQ Composite,S&P 500,Dow Jones Industrial Averageを使用した。
NASDAQは1974年以降の全13回,ダウとS&Pは2018・2022年の2回に用いている。
FREDで取得できた古いダウ・S&Pの日次範囲には限りがあるため,次の資料を併用した。

古いダウ平均には,Samuel H. WilliamsonによるMeasuringWorthの日次編成データを使用した。
同サイトの出典注記は,Dow Jonesの出版物とデータ提供者を挙げているが,本稿はその引用元原表を全期間にわたり独立照合したものではない。

古いS&Pには,MacroTrendsのダウンロードデータである旨をヘッダに表示する第三者公開CSVを使用した。
これはS&P DJIから直接取得した原表ではない。
取得済みFRED系列との重複1,638日では価格が一致したが,その一致が古い期間の価格や接続仕様まで検証した証明になるわけではない。

2 政治結果・指数の沿革

政治結果の分類には米下院のParty Government Since 1857の表と脚注を用いた。
議席数そのものと組織上の支配,期中の会派変更や欠員,次期議会の分類を区別している。

S&Pの沿革・開始前履歴は,S&P DJIの歴史説明,現行方法書,NBERの歴史的系列説明の該当箇所を参照した。
NASDAQ総合の開始日は,Nasdaqの50周年資料による。
資料の確認・集計基準日は2026年11月3日である。

第8 計算に用いた起点と終点――新しい順

次の表の起点・終点の価格について,「終点÷起点-1」を百分率にしたものが第2の騰落率である。
全国一般選挙日に価格行がない場合は,それ以前の直近の観測取引日を採用している。
終点の目標日は一般選挙日の6暦月後の同日とし,そこに価格がない場合も同様に直前の観測取引日を用いる。

選挙年全国一般選挙日採用した起点採用した終点
20222022-11-082022-11-082023-05-08
20182018-11-062018-11-062019-05-06
20142014-11-042014-11-042015-05-04
20102010-11-022010-11-022011-05-02
20062006-11-072006-11-072007-05-07
20022002-11-052002-11-052003-05-05
19981998-11-031998-11-031999-05-03
19941994-11-081994-11-081995-05-08
19901990-11-061990-11-061991-05-06
19861986-11-041986-11-041987-05-04
19821982-11-021982-11-021983-05-02
19781978-11-071978-11-071979-05-07
19741974-11-051974-11-051975-05-05
19701970-11-031970-11-031971-05-03
19661966-11-081966-11-071967-05-08
19621962-11-061962-11-051963-05-06
19581958-11-041958-11-031959-05-04
19541954-11-021954-11-011955-05-02
19501950-11-071950-11-061951-05-07
19461946-11-051946-11-041947-05-05