2020年 の投稿一覧

東京修習の情報

目次
1 総論
2 東京三弁護士会の会派
3 東京弁護士会の会派内会派及び副会長の出身会派
4 東京三弁護士会の会報
5 東京地裁周辺の飲食店情報
6 東京高裁及び東京地裁の電子開廷表
7 東京の裁判所の沿革
8 東京23区の沿革
9 国法上,東京が我が国の首都として取り扱われることを前提として規定されていること
10 東京三弁護士会の設立時期等
11 昭和15年12月,第一東京弁護士会は他の弁護士会との合同を拒絶したこと
12 東弁リブラの「東京地裁書記官に訊く」等
13 関連記事その他

1 総論
(1) 人数の推移
 317人(新63期)→313人(新64期)→311人(新65期)→341人(66期)→332人(67期)→286人(68期)→292人(69期)→265人(70期)→234人(71期)→230人(72期)→232人(73期)
(2) 第1希望の倍率の推移
   1.46倍(新63期)→1.53倍(新64期)→1.53倍(新65期)→1.29倍(66期)→1.41倍(67期)→1.53倍(68期)→1.36倍(69期)
(3) 第2希望までの倍率の推移
2.27倍(新63期)→2.48倍(新64期)→2.41倍(新65期)→2.17倍(66期)→2.29倍(67期)→2.47倍(68期)→2.19倍(69期)
 (4) 69期の第2希望の選択
   リスクある選択は,立川修習,横浜修習,さいたま修習若しくは千葉修習(いずれもAランク)又は甲府修習(Bランク)であり,安全な選択は水戸修習又は新潟修習でした(いずれもCランク)。
(5) 司法修習生向けの情報
   東京弁護士会HPの「修習生の方へ」に掲載されています。

2 東京三弁護士会の会派
(1)   東京弁護士会には,法友会法曹親和会期成会及び水曜会という4つの会派があります(東弁リブラ2011年2月号「東弁における会派-その現状と未来-」参照)。
(2)   第一東京弁護士会には,全期会,新緑会,青風会及び第一倶楽部という4つの会派があります。
(3)   第二東京弁護士会には,紫水会,全友会,五月会,日比谷倶楽部,向陽会,新風会,清友会及び日本法曹倶楽部という8つの会派があります。


3 東京弁護士会の会派内会派及び副会長の出身会派
(1)   東京弁護士会法友会HPの「法友会の歴史・沿革」,及び東弁リブラ2011年2月号「東弁における会派-その現状と未来-」によれば,以下のとおりです(人数につき平成22年11月1日現在のものであり,東京弁護士会全体で6207人です。)。
① 東京弁護士会 法友会(2398人)の会派内会派
   第1部 易水会(233人),第2部 二六会(26人),第3部 縦横会(92人),第4部 緑新会(185人),第5部 公正会(304人),第6部 至誠会(196人),第7部 自由革新法曹会(3人),第8部 春秋会(496人),第10部 法曹緑会(149人),第11部 達成会(129人),第12部 法曹同志会(547人)のほか,弁護士登録15年以下の会員から構成される法友全期会があります。
② 東京弁護士会 法曹親和会(1497人)の会派内会派
   東京法曹会(649人),法曹大同会(436人),二一会(412人)のほか,弁護士登録15年以下の会員から構成される親和全期会があります。
③ 東京弁護士会 期成会(587人)
   弁護士登録10年以下の会員から構成される期成会若手の会があります。
④ 東京弁護士会 水曜会
   会員数を公表していません。
(2) 平成29年度東京弁護士会副会長は,法友会から3人,法曹親和会から2人,期成会から1人が出ています(澤藤統一郎の憲法日記ブログの「今年は平穏無事だー2017年東京弁護士会役員選挙事情」参照)。
(3)ア 平成30年度東京弁護士会会長選挙では,34期の安井規雄弁護士(法友会)が2408票を獲得し,34期の冨田秀実弁護士(法曹親和会)が2126票を獲得した結果,34期の安井規雄弁護士が平成30年度東京弁護士会会長に就任しました(東弁リブラ2018年3月号「2018年度東弁役員選挙 次期会長は安井規雄会員」のほか,ちきゅう座HP「目出度さも中くらいか ― 2018年弁護士会選挙結果報告」参照)。
イ 冨田秀実弁護士は令和2年度東京弁護士会会長に就任しました。

4 東京三弁護士会の会報
(1) 東京弁護士会の会報として「LIBRA」があり,第一東京弁護士会の会報として「ICHIBEN Bulletin」があり,第二東京弁護士会の会報として「二弁フロンティア」があります。
(2) 東弁LIBRA及び二弁フロンティアはそれぞれの弁護士会HPで公表されています。

5 東京地裁周辺の飲食店情報
(1) 東京高等・地方裁判所地下には,第一食堂レストランアターブル,すき家,ダーリントンホール及びファミマがあるみたいです(ダーヤス.comプレミアム「東京高等裁判所・地方裁判所地下食堂のおすすめランチメニューと価格」(平成29年11月7日付)参照)。
(2) メシ通HP「【さすが】農林水産省にある社食がクオリティ高すぎた(2017年9月19日付)」が載っています。
(3) 東弁LIBRA 2017年10月号「弁護士会館付近の飲食店①」が載っています。
   ただし,②以下がどこに載っているかはよく分かりません。
   
6 東京高裁及び東京地裁の電子開廷表
・ 東京高裁は,電子開廷表として使用するため,平成29年6月28日,ヤマダ電機からタブレット端末(アクセス2016を含む。)18台を174万9600円で購入しました(平成29年6月28日付の契約書(タブレット端末等の購入)参照)。
   ただし,平成29年10月4日付の司法行政文書不開示通知書によれば,東京高裁等の裁判所の電子開廷表に関する操作マニュアルは存在しません。

7 東京の裁判所の沿革
(1) 昭和10年5月1日,昭和10年4月4日法律第29号による改正後の裁判所構成法2条2項に基づき,東京地方裁判所は,東京民事地方裁判所及び東京刑事地方裁判所に分割されました。
(2) 昭和22年5月3日,下級裁判所の設立及び管轄区域に関する法律(昭和22年4月17日法律第63号)に基づき,東京地方裁判所が改めて設置されました。
(3) 平成6年9月1日,都内11簡裁(新宿簡裁,台東簡裁,墨田簡裁,大森簡裁,渋谷簡裁,中野簡裁,豊島簡裁,東京北簡裁,足立簡裁,葛飾簡裁及び江戸川簡裁)が東京簡裁に集約されました。
(4) 平成8年4月1日,町田簡裁が新設されました。
   

8 東京23区の沿革
(1) 文政元年(1818年)に作成された江戸朱引図を現在の鉄道路線図と重ね合わせたものがビバ!江戸HP「江戸の範囲」に載っています。
(2)   市制が施行された明治22年当時,東京市(15区制でした。)は全国1位の都市でした(Wikipediaの「1889年(明治22年)の都市人口」参照)。
(3) 昭和7年10月1日,東京市は近隣の5郡82町村を編入した結果,15区から35区となりました(東京都HPの「特別区の区域の沿革について (2)昭和7年の市域拡張」参照)。
(4) 昭和11年10月1日,北多摩郡砧村(きぬたむら)及び千歳村(ちとせむら)を世田谷区に編入した結果,現在の東京都区部の範囲が確定しました。
(5)   昭和18年7月1日,内務省の主導により東京府及び東京市が廃止されて東京都となり,東京市35区は東京都35区となりました。
(6) 昭和20年3月10日の東京大空襲により,大審院は外壁を残して焼失し,内部は瓦礫の山と化しました(鹿島HP「第30回 ふたつの最高裁判所庁舎」参照)。
(7)   昭和22年3月15日,東京都の35区は22区となり,同年8月1日,練馬区(司法研修所の敷地も含まれています。)が板橋区から分離した結果,現在の東京23区となりました。

9 国法上,東京が我が国の首都として取り扱われることを前提として規定されていること
・ 内閣法制局の関係主要用語集「首都」には以下の記載があります。
一 首都という用語は、一般には、中央政府(又は国の元首)の所在する都市を指す意味で用いられており、首都圏整備法等の現行法上の「首都」という用語も、明確な定義はないものの、このような通常の用例を踏まえて用いられているものと解される。
二 我が国の首都については、東京を我が国の首都とする直接の明文の規定は存しないが、例えば、①首都圏整備法第二条第一項は「この法律で「首都圏」とは、東京都の区域及び政令で定める園周辺の地域を一体とした広域をいう。」と規定しており、これは、同法の制定に伴い、同法に実質的に吸収されることとなった(旧)首都建設法第一条が「この法律は、東京都を新しく我が平和国家の首都として十分に」その政治、経済、文化等についての機能を発揮し得るよう計画し、建設することを目的とする。」と規定していたことを受けつつ、首都圏整備法施行後も、引き続き東京を我が国の首都とすることを当然の前提としていた趣旨と理解され、また、②首都圏の近郊整備地帯及び都市開発区域の整備に関する法律首都圏の既成市街地における工業等の制限に関する法律首都圏近郊緑地保全法等の首都圏関連法律における「首都圏」も、首都圏整備法上の首都圏を受けたものであって、これらの法律もまた、東京が首都であることを前提としていると考えられ、このほか、③首都高速道路公団法についても、その第一条で「首都高速道路公団法は、東京都の区の損する区域及びその周辺の地域において、…自動車専用道路の整備を促進して交通の円滑化を図り、もって首都の機能の維持及び増進に資することを目的とする。」との規定が置かれている。このように、首都という用語を法律上用いている現行の関係法律は、国法上、東京が我が国の首都として取り扱われることを前提とした規定されているものと解される。
10 東京三弁護士会の設立時期等
(1) 明治13年5月13日公布の改正代言人規則14条(リンク先の14頁)は,代言人組合の規則は必ず検事の「照閲」(認可と同じぐらいの意味と思います。)を経る必要があるとしていました。
(2)ア 東京弁護士会百年史61頁によれば,東京代言人組合の設立日は明治13年7月31日(検事の認可日),横浜代言人組合の設立日は明治13年6月27日(設立総会の開催日),大阪組合代言人会の設立日は明治13年9月30日となっています(検事の認可日)。
イ 第一東京弁護士会が作成した「われらの弁護士会史」400頁には「本会の原会であるところの東京弁護士会が創立されたのは明治26年」と書いてあります。
(3)ア 神奈川県弁護士会の創立年月日は明治13年6月27日とされています(神奈川県弁護士会HPの「神奈川県弁護士会の沿革」参照)ところ,横浜弁護士会史(上巻)33頁ないし36頁によれば,明治13年6月27日は横浜代言人組合が創立議会(設立総会)を開いた日です(参加した代言人は5人だけです。)。
    そして,横浜弁護士会史(上巻)を見ても,検事の規則認可日が分かりませんから,神奈川県弁護士会の設立日を東京弁護士会及び大阪弁護士会と同じように比べることはできないと思います。
イ 東京代言人組合の設立総会は明治13年6月29日に開催されました(東京弁護士会百年史61頁)。
(4)ア 当時の弁護士法(明治26年3月4日公布の法律第7号)18条2項として「ーノ弁護士会二属スル弁護士三百名以上ニシテ内百名以上ノ同意アルトキハ司法大臣ノ認可ヲ受ヶ別二弁護士会ヲ設立スルコトヲ得」という条文を追加した弁護士法中改正法律(大正13年4月18日公布の法律第51号)は,大正13年3月8日に衆議院を通過し,同月15日に貴族院を通過し,同年4月17日に摂政宮(その後の昭和天皇)が裁可しました。
イ 第一東京弁護士会は,大正13年5月8日に設立認可の申請をして,即日,司法大臣の認可が下りました(第一東京弁護士会が作成した「われらの弁護士会史」90頁)。
ウ 第二東京弁護士会は,大正15年3月3日に設立認可の申請をして,同月29日に司法大臣の認可が下りました(第二東京弁護士会史94頁)。


11 昭和15年12月,第一東京弁護士会は他の弁護士会との合同を拒絶したこと
(1) 東京弁護士会百年史304頁の「三会合同の呼びかけ」には以下の記載があります。
    三会の合同を呼びかけられた第一東京弁護士会は、司法制度弁護士制度新体制研究委員会の決議でこれに反対した。理由は、三会の合同を説く意見は新体制の本義と弁護士会分立の事情を考えずにいたずらに統一の美名に眩惑された結果であり、現在三弁護士会は各自特徴を発揮している。各弁護士会が内容を充実し、統制を強化し、自粛して弁護士本来の使命を達成することは即ち司法権の運用に寄与する所以であって、いたずらに形式的合同を策し、会員数を増大して却って統制をみだすが如きは、新体制の本義に反する、というものであった。
(2) 第一東京弁護士会が作成した「われらの弁護士会史」304頁には以下の記載があります。
    昭和15年9月の新体制全国弁護士連盟の呼びかけと符節を合わすように、このとき本会のなかにも、一部に合同を正当とする意見が出てきた。これまで本会では「共同して処理する問題があるときば、その都度各弁護士会が協議すればよく、強いて合同する必要はない」との態度を持してきたが、こんどは会の内部からも合同論が出てきたので、突っぱねるわけにもいかなかった。
    第一東京弁護士会では、この問題に関する研究委員会を設置し、10月から12月にかげてしばしば会合を開いて意見を出しあった。その結果、やはり「合同は無益なり」との結論に達し、12月17日付でつぎのような決議をした。
決議
第一東京弁護士会ト他ノ弁護士会トノ合同ハ不可ナリ
理由
(省略)

(3) 昭和11年から昭和16年頃にかけて一県一行主義に基づく銀行の統廃合が行われたり,昭和13年から昭和17年にかけて一県一紙主義の新聞統制に基づき新聞社の統廃合が行われたり,昭和13年制定の陸上交通事業調整法及び昭和15年制定の陸運統制令に基づき鉄道・バス会社の統廃合が行われたりしました。


12 東弁リブラの「東京地裁書記官に訊く」等
    東弁リブラには以下のとおり「東京地裁書記官に訊く」等が載っています。
・ 東弁リブラ2009年 1月号「東京地裁書記官に訊く(上)-保全・執行・刑事編-」
・ 東弁リブラ2009年 3月号「東京地裁書記官に訊く(下)-民事訴訟手続・破産編-」
・ 東弁リブラ2009年 7月号「東京家裁書記官に訊く-家事部編-」
・ 東弁リブラ2010年11月号「東京地裁書記官に訊く-建築関係訴訟・借地非訟編-」
・ 東弁リブラ2011年12月号「東京家裁書記官・調査官に訊く-少年部編-」
・   東弁リブラ2012年11月号「東京地裁書記官に訊く-労働部編-」
・ 東弁リブラ2013年 8月号「東京地裁書記官に訊く-交通部編-」
・ 東弁リブラ2014年11月号「東京地裁書記官に訊く-商事部編-」
・ 東弁リブラ2015年 5月号「東京高裁書記官に訊く-民事部・刑事部編-」
・ 東弁リブラ2021年10月号「東京簡裁書記官に訊く-民事訴訟手続を中心に-」
・ 東弁リブラ2021年11月号「東京地裁書記官に訊く-交通部編(2021年版)-」
・ 東弁リブラ2022年 9月号「東京地裁書記官に訊く-建築関係訴訟・借地非訟編-」


13 関連記事その他
(1)ア 東京家裁HPに「庁舎総合窓口案内」が載っています。
イ 東弁HPに「新入会員チラシ 東京弁護士会で伸ばす!」が載っています。
(2)ア 住友不動産販売HPの「通勤時間から考える物件探し(首都圏版)」を見れば,東京駅等を起点とした,通勤15分圏内及び通勤30分圏内が分かります。
イ 皇居ランスタイルHP「皇居ランニングは一周約5キロの周回コース」が載っています。
(3) 平成30年6月12日付の東京高裁の司法行政文書不開示通知書によれば,「東京高裁が,平成30年1月10日にエレベーターの使用中止を決定した際に作成した文書(決裁文書及び裁判所内の回覧文書を含む。)」は,平成30年1月15日までに廃棄されました。
    ただし,平成30年7月12日付の理由説明書によれば,管理職員から職員へ口頭で周知するために,その内容を記載した文書が作成されただけみたいです。
(4) 東京都議会の議員定数配分規定等は憲法14条1項等に違反しません(最高裁令和4年10月31日判決)。
(5)ア 以下の資料を掲載しています。
・ 東京地裁配属の,刑事裁判修習中の73期司法修習生に対する,第1クールの修習初日の開始式,オリエンテーション等で使用し,又は配布した文書
イ 以下の記事も参照してください。
・ 第2希望の実務修習地の選び方
・ 実務修習地の決定方法等に関する国会答弁
・ 立川修習の情報
・ 横浜修習の情報
・ 大阪修習の情報
・ 弁護士会館
→ 弁護士会館は,東京メトロの霞が関駅B1b出口に直結しています。
・ 弁護士会の会派
 地方裁判所の専門部及び集中部
・ 東京地裁民事第27部(交通部)
・ 東京地裁裁判官会議の概況説明資料
・ 法務省の定員に関する訓令及び通達

司法修習生考試の会場借用等業務に関する賃貸借契約書(新梅田研修センター)

目次
第1 司法修習生考試の会場借用等業務に関する賃貸借契約書(新梅田研修センター)
第2 関連記事

第1 司法修習生考試の会場借用等業務に関する賃貸借契約書(新梅田研修センター)
・ 司法修習生考試(いわゆる「二回試験」です。)の会場借用等業務に関する賃貸借契約書を以下のとおり掲載しています。
・ 令和 6年 7月23日付(77期二回試験に関するもの)
・ 令和 5年 4月 3日付(76期二回試験に関するもの)
・ 令和 4年 4月 1日付(75期二回試験に関するもの)
・ 令和 3年10月19日付(74期二回試験に関するもの)
・ 令和 2年 7月 9日付(73期二回試験に関するもの)
・ 令和 元年 6月14日付(72期二回試験に関するもの)
・ 平成30年 8月 2日付(71期二回試験に関するもの)
・ 平成29年 9月26日付(70期二回試験に関するもの)
・ 平成28年11月 2日付(69期二回試験に関するもの)
・ 平成27年11月11日付(68期二回試験に関するもの)
・ 平成26年10月27日付(67期二回試験に関するもの)

2 関連記事
 司法修習生考試応試心得(65期以降)
・ 65期二回試験以降の事務委託に関する契約書,及び67期二回試験の不祥事
・ 64期以降の二回試験に関する,合格者及び不合格者の決定に関する議事録
・ 二回試験に関する記事の一覧

72期司法修習の終了者名簿

   72期司法修習の終了者名簿(事実上,72期二回試験の合格者名簿と同じです。)として,令和2年1月14日付の官報本紙の「司法修習生の修習を終えた者」(「官庁報告」の「法務」に載っているもの。)を,以下のとおり貼り付けています。

司法修習生の修習を終えた者
 次の者は、令和元年12月11日をもって裁判所法第67条第1項による司法修習生の修習を終えた。
 令和2年1月 14 日     最高裁判所
   アイヴァソンマグナス一樹  鮎澤季詩子
   相澤 澪亜  相原 勇太  青井 大樹
   青木千恵子  青木 智紀  青木 将信
   青谷 昭英  青野美沙希  赤崎 裕一
   明石祐一郎  赤松 和佳  秋田 拓真
   秋月 亮平  秋本英利奈  秋山  周
   秋山 朋毅  秋山 正裕  秋山  円
   麻 景二朗  浅井  健  浅井 耀介
   浅川 敬太  淺草 有希  朝倉 健太
   淺田 祐実  浅谷 朱音  安里 祐介
   浅野  颯  浅野 博司  朝村 太一
   芦澤  亮  足高登茂子  東  成利
   麻生 尚己  足立 貴弘  足立 隼大
   厚ケ瀬宏樹  東  史織  阿野 洋志
   安孫子哲教  阿部 航太  安倍 悠輔
   安部 雄飛  阿部  譲  天野 克則
   新井  翼  荒井  徹  荒川 真里
   新城 安太  荒永 知大  荒巻 秀城
   有園 洋一  蟻塚  真  有村 章宏
   有村さやか  有吉孝太郎  粟野 和之
   安西 一途  安西信之助  安西みなみ
   安齋 由紀  李  元智  飯田 真弥
   飯田 悠斗  井垣 龍太  五十嵐幸輝
   五十嵐丈明  壹岐 祐哉  井口奈緒子
   池内 祐太  池田 浩平  池田  駿
   池田 翔平  池田 貴之  池田 昌弘
   池田美芙唯  池田 有輝  池田 悠二
   池谷  仁  池味エリカ  池宮 昌也
   池本 和隆  池谷 直起  石井健一郎
   石井健太郎  石井 純一  石井 貴大
   石井 貴博  石井 智裕  石井 康弘
   石尾 理恵  石川 賢樹  石河 広輔
   石川 貴之  石川 颯人  石川 由衣
   石木 貴治  石倉 和季  石黒 智子
   石崎 海詩  石崎 庄介  石田 香菜
   石田 太郎  石田 真章  石津 裕也
   石原 亜弥  石原  顕  石原  智
   石原 嵩久  石原 宏一  伊勢谷勇人
   磯田 直也  礒野 史大  板井 遼平
   板垣勇太朗  板原  愛  一圓 健太
   市川 一樹  一瀬 智弘  市橋 雅晴
   市原隆一郎  一色 裕太  出海 孝俊
   伊藤 翔太  伊藤 貴哉  伊藤 琢斗
   伊藤 拓也  伊藤  翼  伊藤 朋之
   伊東 夏帆  伊藤 那美  伊藤 雅史
   伊藤麻里花  伊藤未知人  伊藤 力也
   伊奈 俊英  稲井 俊介  稲田 拓真
   稲津 康太  稲葉進太郎  乾  哲哉
   犬飼 貴之  井上  界  井上 志穂
   井上 翔太  井上 鉄平  井上 智貴
   井上  瞳  井之上裕祐  濱手 琳奈
   井橋  毅  茨城 雄志  今井 啓貴
   今井 愛美  今西 恵梨  以元 洋輔
   入山 稜平  岩倉 隼哉  岩崎 啓太
   岩崎 翔太  岩崎 静寿  岩瀬 達郎
   岩瀬 由衣  岩田 和恵  岩田憲二郎
   岩永  航  岩波 耕平  岩堀  裕
   岩間 達也  岩間龍之介  岩本 尚光
   任  太赫  印南 達雄  植草  貢
   上新 優斗  上田 篤史  上田 陽太
   植西 剛大  上野 敦史  上野 慎介
   上野 孝治  上野 祐右  上原 伊織
   上村  彩  上村 健太  上村  慧
   上村 尚輝  牛浜優花里  薄井 健太
   歌代 彩花  内田 孝成  内田紗矢香
   内田 貴丈  内田 真央  内山健太郎
   内山悠太郎  梅川 颯太  梅澤 周平
   梅原  悠  梅原 嘉成  梅村 直也
   梅村 仁美  浦 駿太郎  浦川 祐輔
   浦田 まり  辻裏 光希  浦野 政成
   卜部 尊文  卜部有加子  江川 孝明
   江口 雄一  江口 洋介  江田 直人
   江頭 啓介  榎又 文人  榎本真理絵
   惠良 健史  遠田 智也  遠藤 大介
   遠藤 弘士  遠藤 真紀  遠藤 政佑
   遠藤 正大  及川 泰輔  生沼 和史
   大井 友貴  大泉 光央  大出 竜也
   大岩 正人  大江 夏海  大澤  涼
   大重 智洋  大島 茅乃  大嶋 拓実
   大島 稔也  大島 直也  大島 眞美
   大嶋 雄吾  大砂幸一朗  太田 尭冶
   大谷 秀美  大谷  悠  大津 秀英
   佐藤 彩花  大塚 啓寛  大塚  仁
   大塚 啓嵩  大塚 理央  大戸 一英
   大西 晶子  大西 敦哉  大西 恭寛
   大仁田純一  大野 和之  大野 紗智
   大野 雅彦  大野 志明  大野 理穂
   大橋  翼  大林  聖  大平 有紀
   大森  新  大森 隆司  大森 里紗
   大矢 恵理  大八木雄也  大和田華子
   岡  郁磨  岡  直人  岡  理惠
   岡  亮介  岡崎  巧  岡崎 真実
   岡田 一輝  岡田 忠智  岡田 倫実
   岡田 博史  小方 もも  岡田 悠志
   岡野 翔太  岡野 哲郎  岡野 椋介
   岡松 勇希  岡村 憲道  岡本健太郎
   岡本 敏徳  岡安 倫矢  岡山和佳奈
   小河 貴恵  小川  慶  小川  豊
   荻野 哲也  荻野  啓  小草 啓紀
   奥苑 直飛  奥田 敦貴  奥田 崇仁
   奥田真理子  小口正太郎  奥野 佑麻
   奥村 祐基  奥村 裕子  奥村 侑亮
   小倉広太郎  小倉 沙織  小澤 信也
   押田 育美  小島健太郎  小關 敏郎
   小田 裕介  越智 大輔  越智 良馬
   落合 沙紀  小野紗絵子  小野 大輝
   小野 貴久  小原 丈佳  小原 直人
   小俣 拓実  小村 麻子  小山田友希
   海住 舞子  皆藤  希  垣下 沙織
   角川 正憲  角田  惇  籠橋 美樹
   笠井 佳樹  風見 美瑠  梶  洋介
   梶井 規貴  梶ヶ谷 静  梶間 智彦
   柏木 桃子  柏田 笙磨  片尾すみれ
   片亀 球王  片木 浩介  片倉 弘樹
   片平 裕三  片山  直  勝浦 貴大
   勝又 惇哉  加藤 晃敏  加藤謙二朗
   加藤 将平  加藤 隆弘  加藤 英恵
   加藤 久貴  加藤 悠斗  加藤 頼嵩
   門田 航希  金井 哲志  金井 千夏
   金井 優典  金井 悠太  金川 文恵
   金澤 直人  金城 裕樹  金江 聡美
   鐘ヶ江仁志  金子 恵理  金子 周悟
   金子  翔  金子  大  金子 隼人
   金子 美晴  金子 慶史  金子 昌晴
   金重 浩子  兼島  俊  金光 政法
   加納健二郎  加納慎一朗  加納 俊幸
   上塩入大樹  上村 祐聖  神谷紀来里
   上山 紗穂  亀井 奨之  亀井 直也
   唐澤 開維  河合 孝行  河合 美佐
   河合 美月  河合  優  川合 佑典
   河上 悠里  川岸 司佳  川口 章太
   川崎 貴晴  川崎 貴浩  川島 孝紀
   川島 寛明  川瀬 茂裕  川瀬  結
   河田 崇大  河田 布香  川名 正展
   河西 龍介  河野 智裕  川畑 百代
   川渕 春花  河邉 将之  河村 和貴
   川村 紗恵  川村 遼平  河原林 和
   川和田昌子  神崎 華絵  菅野 育子
   木内  遼  菊岡 隼生  菊池 英明
   菊池 雅俊  如月 千晴  岸  祥平
   岸田 美咲  岸本 千尋  木曽 賢也
   貴田  徹  北浦 結花  北折 俊英
   北川 祥子  北川 将弘  北川 大裕
   北野 隆浩  北村 規哲  吉川  孝
   城所 晋作  木南 公成  絹川 宥樹
   紀野 祥之  木下 浩治  木下 春喜
   木野本瑛利子        宜保茉利子
   金  哲広  金  良寛  木村 綾菜
   木村俊一朗  木村 栄宏  木村 高康
   木村 空人  木村 洋文  木村 大慶
   木村 洋平  喜友名朝之  清野 美衣
   桐山 圭悟  郭  勇祐  久下 雅也
   日下 貴弘  草野 浩介  櫛田  翔
   櫛田 悠介  楠井慶一郎  楠浦 貴人
   楠木 崇久  久野 雅貴  久保 篤史
   久保 貴史  久保 武士  久保川 真
   久保田景子  久保田直明  熊谷  豪
   熊谷 仁孝  熊川 新梧  熊澤 明彦
   熊本謙太郎  久米 浩文  倉内  怜
   倉地 祐輔  倉橋香緒莉  倉松 忠興
   栗原 悠輔  栗山 明久  黒川 一磨
   黒見  恵  桑島 有子  桑原広太郎
   桑原進之輔  桑原 大河  郡司 幸祐
   小穴 行人  小池 史織  小池 将太
   小池 大生  小出 章広  小出健太郎
   高  芝元  匂坂 拡樹  河野真一郎
   河野 太郎  河野 正嗣  小賀坂俊平
   小久保真夕  小坂 翔子  小阪 将平
   越田 雄樹  小嶋 高志  小関 亜耶
   小平 達也  小谷 俊之  兒玉 竜幸
   小玉 留衣  稲田  彩  後藤 茂典
   後藤 大智  後藤 智子  後藤 柾哉
   後藤 泰徳  小西 章太  古波藏 惇
   小早川達彦  小林 一樹  小林 花梨
   小林 恭平  小林  嵩  小林 貴樹
   小林 尚通  小林 博陽  小林 弘明
   小林 正人  小林 稜汰  小林 良也
   小林 怜藍  小牧  俊  小松  光
   小松 侑司  小柳  洋  小谷野将行
   強瀬 賢一  今  裕貴  近谷 逸郎
   近藤 賢介  権藤倖一郎  近藤 都史
   財 美奈子  才木 晴幹  齋木 美帆
   最首 克也  齊田 貴士  齋藤 愛実
   斉藤あゆみ  齊藤 詩織  齋藤  俊
   齋藤 拓麿  齋藤 浩暉  坂  典子
   佐賀 優季  坂井 研太  坂井 清隼
   酒井 貴弘  坂井 夏生  酒井祐太郎
   堺 有光子  阪井 遼子  境野 秀昭
   榊原  武  坂口 将悟  坂口宗一郎
   坂口 泰裕  坂庭 美香  阪本 文子
   坂本 玲央  相良 英峻  作山 直輝
   櫻井 涼太  佐護絵莉子  佐古井啓太
   笹井 隆成  佐々木佳奈依
   佐々木 滉  佐々木幸駿  佐々木喬弘
   佐々木秀綱  佐々木啓人  佐々木 誠
   笹木 基秀  佐々木嘉郎  佐々木 麗
   佐々倉 慧  笹島 隆史  笹田 典宏
   笹沼 永浩  佐々部めぐみ
   笹本 花生  笹山 脩平  佐藤 香織
   佐藤 一三  佐藤 勝紀  佐藤久美子
   佐藤 圭太  佐藤 弘健  佐藤  栞
   佐藤  潤  佐藤信一郎  佐藤 生空
   佐藤 大智  佐藤 孝成  佐藤 拓海
   佐藤 七海  佐藤  久  佐藤 浩庸
   佐藤 文香  佐藤 正晴  佐藤  佑
   佐藤雄一郎  佐藤 雄貴  佐藤 雄紀
   佐藤 有紀  眞田 昌実  實延 俊宏
   佐野憲太郎  佐野 剛史  佐野 大和
   更谷 光政  澤中きらら  澤村 明宏
   殘華 義仁  三宮 義博  三本竹 寛
   椎名 大介  椎葉 秀剛  塩崎 耕平
   紫垣 遼介  志澤 政彦  設樂 承平
   志智  哲  志塚  永  柴崎 美緒
   柴田 彩子  柴田 一輝  柴田香菜美
   柴田晋太朗  柴田令央奈  柴本 啓志
   島  盛仁  島井 伸仁  島内 洋人
   嶋崎 禎紀  嶋本有里子  清水 秋帆
   清水 絢理  清水 信輔  清水 大輔
   清水 裕貴  清水 正憲  清水 勇作
   清水 洋佑  清水  亮  清水 雷王
   下岸 弘典  下迫田啓太  下地 謙史
   下村 悠介  捨田利拓実
   シュウギョウセイ      蕭  以亮
   庄司 祐希  庄田  優  白井陽一郎
   白石 大樹  白石 裕俊  白岩 公司
   白川 太一  白川 雄基  白土  遼
   新  和章  進 華菜子  新  康平
   新宮  愛  神童 彩佳  進藤 一樹
   神納 侑典  菅沼  大  須賀原 匠
   菅原 隆介  杉浦  悠  杉岡 弘章
   鋤崎 有里  杉野 仁美  杉野 正明
   杉原 拓海  杉本 季帆  杉本 真樹
   杉本  勝  杉本 桃子  杉本 理紗
   杉山 清隆  杉山 大介  図師 康之
   鈴川 大路  鈴木  陽  鈴木 和貴
   鈴木可南子  鈴木 健太  鈴木 駿弥
   鈴木 創大  鈴木 大資  鈴木 孝規
   鈴木 拓夢  鈴木 裕之  鈴木 理司
   鈴木 正之  鈴木 雄貴  鈴木 悠介
   鈴木 悠太  鈴木  遼  鈴村 悠恭
   スチュワート萌       首藤 邦彦
   砂川 高道  砂原  薫  澄川ほなみ
   角谷 昌彦  住吉 惠介  住吉 祐樹
   清家ひろみ  精山 明恵  瀬河 良太
   瀬戸幸之助  仙石 博人  徐   由
   相馬 侑太  添田 雅人  曽我  大
   曽我 祐介  園田 琴子  祖父江佑斗
   曽羽 達貴  田内 愛花  田椽 史也
   高木 翔太  高木 拓実  高崎慎太郎
   高崎 由士  高嶋 浩平  高島 星矢
   高嶋 未生  田頭 拓也  高田 未里
   高田 芳徳  高野 鉄平  高橋  新
   高橋ありさ  高橋  圭  高橋 彩香
   高橋  駿  高橋  純  高橋 翔志
   高橋  徹  高橋 宏文  山本 真歩
   高橋 宙子  高橋 美伶  高橋 友佑
   高橋  良  高橋 良太  高畑  輝
   高松 佑維  高見 恭一  高安 奎吾
   瀧川 亮祐  滝口 浩平  瀧田 航平
   瀧野 達郎  武井 英輔  竹井  駿
   竹内 和生  竹内  峻  武内 俊輔
   竹内 星七  竹内 康真  竹内 雄志
   武尾あづみ  竹口 英伸  竹口 文博
   竹下 順子  竹田 美波  竹田 萌子
   竹原 鈴花  田代梨沙子  立川 裕基
   辰己 健心  伊達 洵二  立松 稜惟
   立元 寛人  田中 一生  田中 秀作
   田中 將太  田中 大地  田中 知里
   田中 宏明  田中 宏樹  田中 宏樹
   田中 宏実  田中まい花  田中裕一郎
   田中 佑樹  田中 佑佳  田中 由美
   田中 義教  田中 遼平  田邊 将高
   谷  崇彦  谷内  誠  谷内麻里亜
   谷岡 親秀  谷中  晃  谷道 一貴
   谷村 巴菜  谷本 飛鳥  田上  薫
   田野口 瑛  田野崎太郎  玉井 伸弥
   玉木 咲良  田丸 啓志  田村 海人
   田村 里佳  反田 貴博  近岡 裕輔
   千田 裕哉  千原 朋江  鄭  寿紀
   津江 紘輝  塚田 雅彦  塚本  恒
   塚本 智也  津久井啓貴  佃  浩介
   佃  七映  辻 安希子  辻 功太郎
   辻野 沙織  津田里紗子  土田 岳永
   土田 元哉  土本 耀介  土屋  峻
   土屋 拓也  土屋 秀晃  土屋 裕司
   堤  大地  葛貫  仁  常冨 智紀
   椿  武瑠  坪井 僚哉  坪田  優
   坪根 秀典  坪野谷修平  露木 徳行
   出口 泰我  手嶋 悠生  手塚沙英子
   寺井 敬治  寺沢 駿平  寺田 則久
   寺田  塁  寺西 康一  寺西 宏一
   寺本 裕二  土肥 俊樹  道徳栄理香
   東間 和哉  遠嶋  遥  遠山 雄大
   砥上 幸裕  徳稲 康幸  徳永 亜希
   徳永翔太朗  徳野 孝鎮  戸澤真偉斗
   利川 拓也  戸島真梨子  戸田 隆寛
   外塚  蘭  刀祢館菜摘  土橋 泰成
   富永 悠太  豊島 健司  豊田 崇裕
   内貴梨咲子  内藤 祐貴  内藤 裕基
   内藤 至堂  中  誠司  永井 美佳
   中飯 裕大  中江 友紀  中尾 峻也
   中尾 拓弥  永尾 俊貴  中尾 光城
   中尾 基哉  長尾 勇志  長岡 甲樹
   中岡さつき  永岡 孝裕  長岡 洋人
   中川宗一郎  中川  昂  中川 雅貴
   中川 善弘  永木 琢也  長倉 昇矢
   仲座 利哉  中里  彰  中里 幸子
   中澤 克彦  中澤  慧  中澤 直樹
   中島 克也  中島 悠佑  中瀬  敬
   中田 和暉  中田祥二郎  永田 成眞
   中田マリコ  永田 基樹  中谷 仁美
   中津 信顕  中津川 望  中藤 匡俊
   永戸  考  中鳥 勇紀  中西  中
   中西 教子  中西翔太郎  中野 彩華
   中野 和馬  中野 佳奈  中野 皓介
   長野 宰士  永野  聖  中野 雅之
   中野 雄高  中野 陽介  中ノ瀬 遥
   中濱 裕貴  中原 玄幾  長光  哲
   永棟 琢也  中村勘太郎  中村  佳
   中村 景子  中村 洸介  中村 伸二
   中村 誠志  中村 拓馬  中村 壮志
   中村 騎士  中村 元起  中村日菜美
   中村  展  中村 啓乃  中村 勇哉
   中村 莉綾  仲村 ロミ  中森  伸
   中谷百合子  長山  萌  中山 雄太
   長和 竜平  奈倉  順  何松  綾
   並木 三恵  奈良亜希乃  奈良 誠悟
   成田 昌平  鳴尾 光記  成岡 勇哉
   南波 沙織  二井 柳至  新實 研人
   西尾 卓也  西岡 宏晃  西貝 康太
   西蔭慎一郎  西川 大貴  西川 智保
   西川 華代  西口加史仁  西澤瑠々子
   西島 弘起  西條  景  西田 篤史
   西田 隆昭  西村 綾菜  西村 和之
   西村 智嗣  西村順一郎  西村 智宏
   西村 菜摘  西村 正義  西村 陽佑
   西村早紀子  西脇  巧  二里木弓子
   根岸 美香  能美 吉貴  野口  大
   野口 大資  野口 智恵  野口悠紀音
   野崎 智裕  野嵜  努  野澤 航介
   野澤 孝有  野澤  崚  野角  謙
   野中 大輝  野々部一伸  野間 啓佑
   野村 拓也  則武 洸司  河  潤美
   萩野 実央  萩原  任  萩原 亮太
   橋  優介  橋爪  航  橋ノ本八洋
   橋本 大輔  橋本 吹雪  橋本  誠
   橋本 祐太  橋本 裕里  長谷川 豪
   長谷川 潤  長谷川貴之  長谷川文哉
   長谷川未織  長谷川裕子  畑  友広
   秦  直哉  畑  雄気  畠山 賢次
   畠山 成美  畠山 瑠璃  波多野昂也
   畑山 元樹  八谷 亮太  服部 真智
   服部 友哉  花崎めぐみ  花田 咲季
   花田 弘美  花光 勇亮  華山 仁成
   羽田 貴博  浜島 裕敏  浜田 卓海
   濱田 知明  濱本 凌汰  早川 晃秀
   林  浩平  林  俊吾  林  拓也
   林  拓哉  林  秀暁  林  美桜
   林  優樹  林  柚希  林  征成
   林  亮介  速水  悠  原  聡子
   原 慎一郎  原 央呂子  原  愛実
   原  佑太  原  吉孝  原口  恵
   原田 則匡  春木 直也  春山 堅汰
   稗田 崇宏  比嘉 佑哉  檜垣 建太
   東  紀帆  東  直希  引野  力
   樋口 朝子  久田 有友  久本 裕之
   日高 稔基  人見 彩香  日野 大我
   檜上 芙雪  日向 美月  平井 祥太
   平岩 諒介  平田  良  平田 雅之
   平田 美月  平田実穂子  平塚 絢那
   平野 敬祐  平山 直樹  平山 直樹
   廣岡 照二  廣利 陽次  広嶋 玲哉
   広瀬 明博  広瀬 宗耕  廣田 景祐
   広畑 裕弥  広松 大輝  深井 辰也
   深江 元哉  深沢 有也  深田 浩二
   深山 千恵  福井  海  福井 雅俊
   福岡 直也  福島 惇央  福島 正浩
   福島 亮仁  福住  涼  福田 清香
   福田 太一  福田 尚史  福田 竜也
   福田  航  福地 浩貴  福塚 侑也
   福富 裕明  福永 敬亮  福永 将大
   福本 雄伍  福本龍之介  藤井 啓輔
   藤井 啓太  藤井  峻  藤井  格
   藤江 正礎  藤尾 将之  藤岡 天斗
   藤崎 大輔  藤田 琴花  藤田 朋香
   藤沼香桜里  藤野 琢也  藤村 揚洋
   藤村 和正  藤本信之介  藤本知英美
   藤本 雄也  藤本  峻  藤森 翔太
   藤森 裕介  藤原 尚季  船木 彬香
   プリティ梨佐クリスティーン
   古川 昭仁  古川ケニース
   古田 龍朗  古屋  亨  ペエ ユウ
   ベロスルドヴァオリガ    逸見 優香
   星  成葉  星屋鮎太郎  細江 駿介
   細沼 萌葉  細谷 周平  堀田 和希
   堀田 朋宏  堀内 平良  堀ノ内佳奈
   本郷あずさ  本澤 樹里  本田 輝人
   本多 一貴  本間 耕三  本間  洵
   前里 康平  前島賢士朗  前嶋 智裕
   前田  歩  前田圭一朗  前田 光貴
   前田 真吾  前田 隆志  前田 訓子
   前田有佳里  前原  潤  牧野 芙美
   槇峯未香子  馬込  彩  馬込 竜彦
   正木 達也  桝井  楓  増岡 織理
   増田 啓佑  桝田 甲佑  益田  響
   増田 雄太  町田  翼  松井 大幸
   松江  唯  松尾香菜子  松尾 博美
   松尾 美紗  松岡 信也  松岡 大志
   松岡 悠也  松川 友美  松木  慧
   松阪絵里佳  松崎 大樹  松崎 竜一
   松下 敬志  松島 史隼  松嶋 佳史
   松田 一星  松田 和真  松田 大輝
   松田 直行  松田 祐紀  松溪  康
   松永 拓也  松原 志乃  松原 嵩晃
   松宮  愛  松村 大介  松村 拓洋
   松本ありや  松元 敬一  松本 尊義
   松本 拓馬  松本 唯史  松本 知生
   松本  晃  松本 尋規  松本 倫明
   松本 倫成  松山 光樹  眞野 竜伸
   馬淵 未来  間山 俊哉  丸岡 脩平
   丸岡 雅俊  丸田 颯人  丸山 和彦
   丸山 紀人  丸山 悠介  三浦 一希
   三浦 寛海  三木 哲平  右田 圭吾
   三島 昇悟  水谷  寛  水谷 昌義
   水野 俊裕  水野 雄二  水間 洋文
   三角真理子  三隅  諒  溝口  矢
   溝田 紘子  溝端 俊介  道上友紀子
   道原 隆史  満木 瑛子  三塚 大輔
   満村 和樹  緑川 大介  南  周史
   南  七重  峯林 直樹  三原  桃
   美村 貞敬  宮川 利彰  宮川  麗
   宮口  諭  三宅めぐみ  宮崎信二郎
   宮崎 正博  宮里 静香  宮澤宏太郎
   宮島 宏和  宮田 智昭  宮田 尚典
   宮田 梨彩  宮原 翔子  宮本 和弥
   宮本 真衣  宮本 雄太  三輪 瑞希
   三輪  渉  椋木エラン  武藤 史子
   武藤 有理  村井 太一  村井 隆仁
   村上 真悟  村上 樹生  村上ゆりあ
   村上 亮太  村田 航椰  村田 大樹
   村田 光彦  水谷 恵千  村田  涼
   村中  昇  村林  翔  村本  静
   村山 顕人  村山 泰士  目瀬 健太
   銘里 拓士  毛利 拓哉  茂木  明
   目代 美緒  望月 智香  望月 亮佑
   茂木  翔  本嶋孔太郎  元島 望美
   本村 美穂  元由  亮  森  太亮
   森  拓也  森  剛士  森江 悠斗
   森  孝史  森下 修匡  森下  裕
   森田 一成  森田 正紀  盛田真智子
   森田 麻美  森塚 雅斗  森藤 暢子
   森中 晃一  守屋  典  森山 孝彰
   森山遼太郎  諸岡 将治  谷貝 弓子
   八木 麻実  八木  翼  八木 智子
   八木 盛容  八木 康友  八木 雄史
   矢口  繁  八子 裕介  矢古宇 匠
   矢澤 洋紀  安井  孟  安河内 亮
   安河内涼介  安田 健朗  保田  響
   安原 彰宏  安原 千尋  安松 睦郎
   安本 侑生  谷津 瑞季  柳川 剣斗
   梁川 将成  柳川美紗樹  柳川由希乃
   柳川  豊  柳  秀哲  柳澤 憲吾
   柳原 佑多  矢野 将吾  藪内 博之
   藪田 弥歩  山内 涼太  山岡 知葉
   山垣 純子  山形 一成  山上 大貴
   山岸 敦志  山口 愛子  竹内久美子
   山口 源樹  山口 聡子  山口翔太郎
   山口 大輔  山口 直也  山口 毬乃
   山口 亮輔  山崎 一穂  山崎 建吾
   山崎 昂志  山崎 竜介  山下 真幸
   山田 覚己  山田 康太  山田 達郎
   山田 真弓  山田 美香  山田雄一郎
   山田  瑶  山田 莉可  山中 敦太
   山中 秀斗  山根  愛  山野 克哉
   山野 正樹  山井 俊吾  山之内 明
   山村謙太朗  山本 健太  山本 淳也
   山本 毅人  山本  翼  山本 真輝
   山本 将貴  山本 学人  山元 美佳
   山本 弥恵  山本 雄大  山本 有紀
   山本 ゆり  山本 芳江  山森 涼平
   湯浅 彩香  兪  尚樹  弓削 雄翼
   柚木 良太  横森 真夏  横森 水音
   横山 愛聖  吉岡 沙映  吉川 悠紀
   吉崎 佑紀  吉沢 洋介  吉澤 竜平
   吉田 紀衣  吉田 幸祐  吉田  新
   吉田 壮一  吉田 達彦  吉田 奉裕
   吉田 夏子  吉田 晴香  吉田万里菜
   野中 佑介  吉田 燎平  吉田 龍馬
   芳野 晶拡  吉野恵理香  芳林 貴裕
   吉見 洋人  芳村 香菜  吉村津久紫
   吉村  航  吉本  郷  吉本 孝司
   依田  知  四元 総司  米山 隆太
   李  章鉉  力武 詩織  若狹 慶太
   若松 達郎  鷲塚 建弥  和田壮一郎
   渡辺 敦史  渡辺 敦史  渡邊 悦子
   渡辺  慧  渡辺 浩平  渡邉 崇彦
   渡邊 敬紘  渡邉 結有  渡邉 裕介
   渡辺 悠介  渡辺 梨咲  渡辺 龍太
   綿谷 勇人  和智 章一  和知 伸明

2020年の日弁連会長選挙の立候補者の政策の骨子

目次
第1 2020年の日弁連会長選挙の立候補者
第2 選挙運動用ウェブサイトに掲載されている,立候補者の政策の骨子
1 武内更一の政策要綱の骨子
2 及川智志の重点政策「概要」の骨子
3 荒中の「政策要綱」の骨子
4 山岸良太の「政策要綱」の骨子
5 川上明彦の「政策紹介」の骨子
第3 弁護士職務基本規程の改正案に対する立候補者の立場の骨子
第4 司法試験合格者数及び法曹養成制度に関する立候補者の立場の骨子
第5 関連記事等

第1 2020年の日弁連会長選挙の立候補者
1(1) 立候補者の修習期及び所属弁護士会並びに選挙運動用ウェブサイト(氏名にリンクを張っています。)は届出順に,以下のとおりです(日弁連HPの「令和2年度同3年度日弁連会長選挙 選挙公報」参照)。
① 武内更一(38期・東京弁護士会)
② 及川智志(51期・千葉県弁護士会)
③ 荒  中(34期・仙台弁護士会)
④ 山岸良太(32期・第二東京弁護士会)
⑤ 川上明彦(34期・愛知県弁護士会)
(2) 荒候補及び山岸候補の間で,令和2年3月11日(水)に再投票が実施された結果,荒候補が当選しました。
2 過去最高立候補者数であった1986年及び2012年の日弁連会長選挙の立候補者数は4人でしたが,2020年の日弁連会長選挙の立候補者数は5人になりました。
3 「2020年の日弁連会長選挙の立候補者」も参照してください。

 

第2 選挙運動用ウェブサイトに掲載されている,立候補者の政策の骨子
1 武内更一の政策要綱の骨子
・ 貸与金返還請求を撤回させ、給費制を完全復活・遡及適用させよう
・ 弁護士激増政策と法科大学院制度を終わらせよう
・ 法テラスから扶助・国選の運営を取り戻せ
・ 弁護士活動をしばる「職務基本規程」改悪に反対
・ 弁護士自治と強制加入制を堅持しよう
・ 刑事司法大改悪への翼賛を止めよう
・ 憲法9条の破壊と緊急事態条項の新設を阻もう
2 及川智志の重点政策「概要」の骨子
(1) 及川智志でなければできない6つの政策(概要)
① 司法試験の年間合格者は1000人以下
② 誰でも受験できる司法試験にする(法科大学院を要件としない制度に)
③ 給費制の完全復活と「谷間世代」の不公正の是正
④ 立憲主義・恒久平和主義に反する憲法「改正」に反対する
⑤ 日本司法支援センターの報酬見直しと法律援助事業の国費化
⑥ 1人1人の会員が信頼を寄せることができる会務運営
(2) 及川智志の重点政策(概要)
① 弁護士の労働環境の改善
② 男女共同参画の推進
③ 若手弁護士の業務対策の推進
④ 非弁対策の強化
⑤ 憲法違反の悪法廃止、改悪法阻止
⑥ 国選弁護制度のさらなる拡充
⑦ 国選弁護報酬大幅引き上げ
⑧ 貧困問題対策のさらなる拡充
⑨ 消費者問題対策のさらなる発展
⑩ 災害対策・被災者支援活動のさらなる充実
⑪ カジノ解禁反対
⑫ 福島第一原発事故に基づく損害の完全賠償請求
⑬ 原子力発電所の廃止
⑭ 会費減額の検討
⑮ 弁護士偏在対応政策の見直し
⑯ 小規模単位会への補助の拡充
⑰ 地方単位会に過度な負担をかける会務の見直し
⑱ 再審法改正の実現を目指す
3 荒中の「政策要綱」の骨子
(1) 7つの重点政策
① 人権擁護活動をより一層充実させます。
② 国・自治体・法テラス等との連携により、権利擁護活動を持続可能な業務にするための取り組みを強化します。
③ 法の支配を全国津々浦々に行き渡らせるため、司法過疎対策に力を注ぎます。
④ 若手会員の活動を支援します。
⑤ 弁護士自治の堅持と単位会への支援に取り組みます。
⑥ 法曹養成制度改革と法曹人口問題に取り組みます。
⑦ 予算執行が適正であるかを常に見直し、会費の減額も含めて、あり方を検討します。
(2) 政策実現へ向けたアクションプラン
ア 人権擁護活動
① 高齢者・障がい者の権利の拡充
② 災害被災者の権利の確立
③ 被疑者・被告人と弁護人の権利の確立を中心とした刑事司法制度の改革
④ 子どもの権利の拡充
⑤ 犯罪被害者の権利の拡充
⑥ 犯罪加害者家族の権利の確立
⑦ 消費者の権利の拡充
⑧ 労働者・生活困窮者の権利の拡充
⑨ 男女共同参画への対応・性の多様性と平等の保障
⑩ 外国人の権利の拡充
⑪ 患者の権利の確立
⑫ 事業者による法令等の遵守の徹底による権利の実現
⑬ 法教育活動の一層の充実
⑭ 死刑制度廃止に向けて
⑮ 国際水準の人権保障を日本にも
イ 国・自治体等との連携
① 高齢者・障がい者の支援事業との連携等自治体の弱者支援業務との連携の強化
② 大規模災害対応での自治体との連携の強化
③ 児童相談所、学校等との連携の強化
④ DV被害支援事業との連携の強化
⑤ 再犯防止のための地方自治体との連携の強化
⑥ 権利擁護等の活動を支援するための財政的基盤整備
ウ 立憲主義と憲法の基本原理の堅持
エ 司法発展と弁護士業務拡充の取り組み
① 新規の業務、対応不十分な業務への取り組みの強化
② 弁護士費用保険のさらなる充実と適切な運営に向けて
③ 隣接士業との職域明確化等への取り組み
④ 事業者への良質かつ適切なリーガルサービスの提供
⑤ 市民が利用しやすい民事司法の実現
オ 弁護士・弁護士会への信頼を守るための取り組み


4 山岸良太の「政策要綱」の骨子
(1) 立候補にあたり-頼りがいのある司法を築く
・ 憲法・人権・平和で頼りがいのある司法を築く
・ 業務基盤を確立し頼りがいのある司法を築く
(2) 7つの重点政策
① 立憲主義・恒久平和主義を堅持し、弁護士の活動の基盤をゆるぎないものにします
② 弁護士の独立・自治、法律事務の独占を堅持します
③ 弁護士過疎・偏在対策及び中・小規模弁護士会への実効的な支援を実行します
④ 若手弁護士への支援を具体化します
⑤ 弁護士の活動領域と新たな業務の拡大を目指します
⑥ 男女共同参画の更なる推進を~日弁連、弁護士会、弁護士のあらゆる活動場面に男女共同参画の視点を取り込みます
⑦ 法曹養成・法曹人口問題に取り組みます
(3) 持続性をもって発展させる重要政策
① 人権擁護活動をさらに推進します
② 刑事司法改革に強力に取り組みます
③の1  市民のための司法サービスとしての頼りがいのある司法を築く-弁護士の活動領域を拡大します
③の2 頼りがいのある民事司法を築く-民事司法改革への取組みを更に強化します
④ 日弁連・弁護士会から社会に情報を発信し、広報の拡充に努めます
⑤ 弁護士の活動環境(保険・年金)を整備します
 川上明彦の「政策紹介」の骨子
(1) 3×3の重点政策 全体像
・ 合格者数1000人
・ 会員ページの刷新
・ 財政の見直しと10%会費減額
・ 若手活躍のための支援・業務拡大
・ 若手のための広報戦略
・ 法テラス報酬の適正化運動
・ 地方と司法
・ 日弁連行事のICTによる活性化
・ 谷間世代の救済運動の継続
(2) 新しい基礎政策への取り組み
・ 対談 近未来の日弁連と憲法・人権問題を考える
・ 刑事司法を変革する3つの運動
・ 真の男女共同参画を目指して

第3 弁護士職務基本規程の改正案に対する立候補者の立場の骨子
1 オギ法律事務所HP「弁護士職務基本規定改正に関する日本弁護士連合会 会長候補者への公開質問状に対する回答内容」の「問1 職務基本規程改正案の意義と課題について」によれば,以下のとおりです(令和2年1月23日更新)。
① 武内更一候補
・ 法令上の根拠のない義務を新たに弁護士に課すものであり、立法事実もないため、反対。

② 及川智志候補
・ 改正の具体的立法事実が存在しない一方、重大な弊害が想定されるので、反対。
③ 荒中候補
・ 現行職務基本規程が制定されて15年が経過し、弁護士を取り巻く環境は大きく変化して いる。時代に合わせた規程へと改正するという目的は理解できる。ただし、人権擁護活動 に支障を来しかねないので、単位会や会員との意見交換をしながら、十分な検討が必要。
④ 山岸良太候補
・ 改正については、慎重に検討すべき。
⑤ 川上明彦候補
・ 改正に必要な立法事実などが明らかにされた上で、会員の納得の得られる改正案が提示されるべき。
・ 23条2項(依頼者以外の名誉等への配慮規定)の新設は反対。
・ 23条の2(依頼者の秘密の利用)については、現行規程とどの程度違いが出るのか不明であるため、過去の事例などについて一般会員に蓄積内容を説明した上で、意見を聴取すべき。
2 オギ法律事務所HP「弁護士職務基本規程改正に関するQ&A(7月12日現在)」には,2019年7月12日当時の改正案に関するQ&Aが載っています。
3 あらし会HP(代表弁護士は荒中候補)の「【お知らせ】 職務基本規程の改正問題に対するあらし会の考え方について」には以下の記載があります。
 職務基本規程の改正問題、とりわけ守秘義務に関する規定の改正案について、ご質問をいただく機会がありますので、あらし会としての考え方をお知らせします。
 守秘義務に関する規定の改正案については、明確に反対の立場です。
 職務基本規程の改正によって、弁護士の日々の業務や人権擁護活動が制約され、自ら萎縮してしまうようなことがあってはならないと考えておりますし、懲戒請求の濫用についても、現在既に生じている喫緊の課題として、直ちに対策を講じるべきと考えます。

第4 司法試験合格者数及び法曹養成制度に関する立候補者の立場の骨子
1 54期の藤本一郎弁護士が運営している藤本大学HP「2020日弁連会長選挙 公開質問状と回答」には,以下の記載があります(改行を追加しています。)。
① 司法試験合格者数について
・ 適切なまとめになるかどうか分かりませんが、五候補とも、年間合格者数を現状の1500名から増やすべきとのお考えはないように感じました。
   その上で、武内候補、及川候補及び川上候補は、直ちに特定の目標を掲げて減らすとの意図があり(具体的な減員数は、候補により違います。)、山岸候補及び荒候補は、もう少し議論して「検証」してから次の人数目標を決めるべきとの意図があるように感じます(但し、両候補のニュアンスには、減員を感じさせるものがあるようにも感じます。明確には判断できませんでしたが、敢えて山岸候補と荒候補の相違を考えるとすれば、「人口減少を考慮」と「社会の需要等を考慮」だとすれば、前者は、減少しかないのに対し、後者は増加があり得るとすると、山岸候補の方が、より司法試験合格者数の維持に消極的と言うことができるかもしれません。)。
② 法曹養成制度について
・ 適切なまとめになるかどうか分かりませんが、全体的に、武内候補、及川候補及び川上候補は、今回の法科大学院制度改革を否定的に捉え(但し、3人の中でニュアンスが少しずつ異なります。)、法科大学院のプレゼンスを弱める方向に、荒候補及び山岸候補は、今回の法科大学院制度改革を積極的に捉え、ただ、その悪影響を緩和する方向に政策を考えているとまとめることはできるかもしれません。
   この点についての荒候補と山岸候補の相違は、判然としませんでした。
2 藤本大学HP「2020日弁連会長選挙 公開質問状と回答」には,候補者の回答全文が載っています。

第5 関連記事等
1 以下の記事も参照してください。
① 日弁連会長選挙
② 過去の日弁連会長選挙の結果(平成20年度以降)
③ 日弁連設立時から平成18年度までの日弁連会長選挙の結果
④ 日弁連会長選挙の前年に活動していた政策提言団体(2007年以降の分)
⑤ 2019年に設立された政策提言団体の代表者の意見交換会等への出席状況
⑥ 2020年の日弁連会長選挙の立候補者
⑦ 日弁連会長選挙の選挙運動に対する規制
⑧ 日弁連役員に関する記事の一覧
⑨ 日本弁護士国民年金基金
⑩ 日本弁護士国民年金基金の年金月額を3万円とするための掛金額の推移
2 32期の山岸良太弁護士は,平成18年度から平成23年度までの間,日本弁護士国民年金基金の資産運用委員長をしていました。


日本弁護士国民年金基金の総括表(平成31年3月22日の第6回財政再計算報告書からの抜粋)

2020年の日弁連会長選挙の立候補者

目次
第1 2020年の日弁連会長選挙の立候補者
第2 2020年の日弁連会長選挙の立候補者の概要
1 武内更一のプロフィール
2 及川智志のプロフィール
3 荒中の経歴
4 山岸良太の経歴・著作のうち,経歴
5 川上明彦プロフィール
第3 関連記事等

第1 2020年の日弁連会長選挙の立候補者
1(1) 立候補者の修習期及び所属弁護士会並びに選挙運動用ウェブサイト(氏名にリンクを張っています。)は届出順に,以下のとおりです(日弁連HPの「令和2年度同3年度日弁連会長選挙 選挙公報」参照)。
① 武内更一(38期・東京弁護士会)
② 及川智志(51期・千葉県弁護士会)
③ 荒  中(34期・仙台弁護士会)
④ 山岸良太(32期・第二東京弁護士会)
⑤ 川上明彦(34期・愛知県弁護士会)
(2) 荒候補及び山岸候補の間で,令和2年3月11日(水)に再投票が実施された結果,荒候補が当選しました。

2 過去最高立候補者数であった1986年及び2012年の日弁連会長選挙の立候補者数は4人でしたが,2020年の日弁連会長選挙の立候補者数は5人になりました。
3 「2020年の日弁連会長選挙の立候補者の政策の骨子」も参照してください。

第2 2020年の日弁連会長選挙の立候補者の概要
   元号か西暦かについては,立候補者の選挙運動用ウェブサイトの記載にあわせています。
1 武内更一のプロフィール
(1) 略歴
1958年 東京生まれ
1981年 早稲田大学法学部卒業
1983年 司法試験合格
1986年 司法修習修了(第38期)・東京弁護士会登録
(2) 主な会務歴
① 日弁連関係
司法基盤整備・法曹人口問題基本計画等策定協議会幹事
司法試験・司法修習制度等検討協議会幹事
新会館建設実行本部事務局員
会館運営委員会委員長
② 東弁関係
常議員
憲法問題対策センター委員
会館委員会委員長
2 及川智志のプロフィール
(1) 略歴
1965年5月26日、宮城県石巻市生まれ。小学生のときに父が経営していた水産加工会社が倒産して夜逃げ、東京、静岡と引っ越しを繰り返しました。静岡県清水市(当時)の清水東高校を1984年に卒業。早稲田大学法学部を1988年に卒業後、丸井に就職し、紳士服売り場を担当しました。その後転職し業界紙(化学)の記者を経験。言いたいことが言える仕事に就きたいと考え司法試験にチャレンジ、1996年に合格、1999年弁護士登録(51期、千葉県弁護士会)。
(2) 主な会務歴
2017年度千葉県弁護士会会長
3 荒中の経歴
(1) 略歴
1954年4月 福島県相馬市生まれ
1973年3月 福島県立相馬高校卒業
1979年3月 東北大学法学部卒業
1982年4月 仙台弁護士会登録(34期)
(2) 主な会務歴
① 日弁連関係
2009年度 副会長
2012 / 2013年度 事務総長
高齢者障害者の権利に関する委員会事務局長
消費者問題対策特別委員会副委員長
刑事拘禁制度改革実現本部副本部長
国選弁護対応態勢確立推進本部副本部長
日本司法支援センター推進本部副本部長/同事務局長
法曹養成制度等改革実現本部本部長代行
② 仙台弁護士会関係
2008年度 会長
消費者問題対策特別委員会委員長
高齢者/障害者の権利に関する委員会委員長
③ その他
社会福祉法人なのはな会 理事
宮城オンブズネット「エール」代表

4 山岸良太の経歴・著作のうち,経歴
(学  歴)
昭和46年3月
都立豊多摩高等学校卒業
昭和53年3月
東京大学法学部卒業
(職  歴)
昭和55年
弁護士登録・第二東京弁護士会入会(32期、登録番号16988) 森・濱田松本法律事務所(元・森綜合法律事務所)所属
(弁護士会関係等主要経歴)
平成11年4月1日~12年3月31日
第二東京弁護士会副会長
平成12年5月1日~13年4月1日
第一火災海上保険相互会社保険管理人
平成13年1月1日~14年3月31日
第二東京弁護士会司法修習委員会委員長
平成14年4月1日~15年3月31日
日本弁護士連合会常務理事
平成14年5月9日~15年3月31日
日本弁護士連合会有事法制問題対策本部委員
平成14年5月13日~15年4月30日
日本弁護士連合会司法修習委員会副委員長
平成15年4月1日~18年3月31日
日本弁護士国民年金基金常務理事
平成17年4月1日~17年3月31日
第二東京弁護士会常議員(3回目)
平成18年1月1日~18年12月31日
第二東京弁護士会互助会委員会委員長
平成18年4月1日~24年3月31日
日本弁護士国民年金基金代議員
平成19年4月1日~21年3月31日
第二東京弁護士会憲法問題検討委員会委員長
平成20年6月1日~22年5月31日
日本弁護士連合会憲法委員会委員
平成21年4月1日~25年3月31日
第二東京弁護士会公設事務所運営支援等委員会委員長
平成21年5月19日~24年5月18日
下級裁判所裁判官指名諮問委員会東京地域委員会委員
平成21年11月18日~26年3月31日
日本弁護士連合会中小企業法律支援センター副本部長
平成22年6月20日~25年3月31日
日本弁護士連合会司法制度調査会委員
平成23年4月1日~24年3月31日
第二東京弁護士会弁護士業務センター委員長
平成24年10月~25年3月31日
日本弁護士連合会司法制度調査会社外取締役ガイドライン検討チーム座長
平成25年4月1日~26年3月31日
日本弁護士連合会副会長、第二東京弁護士会会長
平成25年4月1日~26年3月31日
日本弁護士連合会外国法事務弁護士登録審査会会長
平成25年4月1日~26年3月31日
日本弁護士連合会刑事拘禁制度改革実現本部副本部長
平成25年4月1日~26年3月31日
日本弁護士連合会国選弁護本部副本部長
平成25年4月1日~26年3月31日
日本弁護士連合会最高裁判所裁判官推薦諮問委員会委員
平成25年4月1日~26年3月31日
日本弁護士連合会法曹養成制度改革実現本部副本部長
平成25年8月1日~28年8月5日
日本公認会計士協会品質管理審議会委員
平成26年2月13日~
銀行等保有株式取得機構運営委員会委員(現任)
平成26年2月20日~
日本弁護士連合会憲法問題対策本部委員(現任)
平成26年2月20日~
日本弁護士連合会法律サービス展開本部委員(現任)
平成26年4月1日~
日本弁護士連合会法律サービス展開本部副本部長(現任)
平成26年4月1日~令和元年6月
日本弁護士連合会法律サービス展開本部ひまわりキャリアサポートセンターセンター長
平成26年5月27日~
日本弁護士連合会司法制度調査会特別委嘱委員(現任)
平成26年6月25日~令和元年6月
日本弁護士連合会憲法問題対策本部本部長代行
平成27年5月~
日本弁護士政治連盟副理事長(現任)
平成30年6月~
日本弁護士連合会法務研究財団理事(現任)

5 川上明彦プロフィール
(1) 略歴
昭和29年5月 愛知県西尾市生まれ
昭和48年3月 愛知県立岡崎高等学校卒業
昭和54年10月 司法試験合格(34期)
昭和55年3月 京都大学法学部卒業
昭和57年4月 名古屋弁護士会入会
(現・愛知県弁護士会)
(2) 主な会務歴
① 日本弁護士連合会
弁護士報酬規程検討小委員会副委員長(平成5年~7年)
弁護士制度改革推進本部第3部会(弁護士報酬問題検討部会)事務局長(平成12年~20年)
日弁連司法修習委員会副委員長(平成20年10月~)
日弁連司法修習費用給費制維持緊急対策本部本部長代行(平成22年~24年)
日弁連副会長(平成27年度)
日弁連理事(平成25年度)、常務理事(平成28年度)
研修委員会委員長(平成28年~現在)
② 中部弁護士会連合会
中弁連理事(平成9年、11年、24年~26年)、常務理事(平成27年、28年)
中弁連定期大会シンポジウム(子どもが学ぶ法の精神)実行委員会委員長(平成15年10月)
中弁連司法修習委員会委員長(平成20年~22年)
中弁連広報検討協議会座長(平成26年)
③ 愛知県弁護士会
名古屋弁護士会(当時)副会長(平成11年度)
愛知県弁護士会会長(平成27年度)
法教育委員会、司法修習委員会、広報委員会、職員人事委員会各委員長
(3) その他の活動
子どもサポート弁護団事務局長(平成10年~20年)
被害者サポートセンターあいち理事(平成13年~26年)

第3 関連記事等
1   以下の記事も参照してください。
① 日弁連会長選挙
② 過去の日弁連会長選挙の結果(平成20年度以降)
③ 日弁連設立時から平成18年度までの日弁連会長選挙の結果
④ 日弁連会長選挙の前年に活動していた政策提言団体(2007年以降の分)
⑤ 2019年に設立された政策提言団体の代表者の意見交換会等への出席状況
⑥ 2020年の日弁連会長選挙の立候補者の政策の骨子
⑦ 日弁連役員に関する記事の一覧
⑧ 日本弁護士国民年金基金
⑨ 日本弁護士国民年金基金の年金月額を3万円とするための掛金額の推移
2(1) 32期の山岸良太弁護士は,平成18年度から平成23年度までの間,日本弁護士国民年金基金の資産運用委員長をしていました。
(2) 東京弁護士会の会派である法友会は,令和元年12月6日,「頼りがいのある司法を築く日弁連の会」を支持するとの決議を総会で行いました。
3 弁護士自治を考える会ブログ「2020年21年日弁連会長 立候補者5名 選挙ポスター」が載っています。


日本弁護士国民年金基金の総括表(平成31年3月22日の第6回財政再計算報告書からの抜粋)

外国送達

目次
1 総論
2 領事送達,中央当局送達,指定当局送達,管轄裁判所送達及び公示送達
3 個別の国ごとの所要期間等
4 国際裁判管轄に関するメモ書き
5 執行判決に関するメモ書き
6 関連記事その他

1 総論
(1) 外国在住者に対する訴状等の送達方法については,最高裁判所作成の資料である「送達嘱託手続に関する関係書類の送付経路図」で始まる資料を参照してください。
   民訴条約は,1954年3月1日に作成された,民事訴訟手続に関する条約(昭和45年6月5日条約第6号)のことであり,送達条約は,1965年11月15日にハーグで作成された,民事又は商事に関する裁判上及び裁判外の文書の外国における送達及び告知に関する条約(昭和45年6月5日条約第7号)のことです。
(2) 最高裁判所作成の資料である「アメリカ合衆国・大韓民国・ブラジル連邦共和国・シンガポール共和国への送達嘱託フローチャート」を見れば,送達嘱託の流れがわかります。
(3) 外国在住者に対して強制執行をしたい場合,少なくとも,訴状等の送達,判決書の送達及び差押命令の送達が必要となりますから,3回は送達する必要がある気がします。
   そのため,民事訴訟法3条の3に基づき,日本に国際裁判管轄がある場合であっても,送達にかかる時間を考えた場合,差押財産が存在する海外の裁判所に直接,訴訟提起した方がいいのかもしれません。
(4) 最高裁判所作成の資料である,「送達嘱託記載例」を掲載しています。
(5) 国名呼称につき,日経スタイルHPの「グルジアはジョージアが正しい?国名呼称の不思議」が参考になります。
(6) 法務省IT化に伴う国際送達及び国際証拠調べ検討会「IT化に伴う国際送達及び国際証拠調べ検討会に関する取りまとめ」(令和3年4月)12頁には以下の記載があります。
    送達は,裁判上の書類のうち,名宛人への到達によって訴
訟上重要な効果が生ずる書類について採られる送付方式であるため,これが国家管轄権の行使としての性質を有する行為であることは否定することができないものと思われる(システム送達による国際送達が外国における執行管轄権の行使に当たらないとする考え方も,送達行為自体が,我が国内にお
ける執行管轄権の行使を含め,一定の国家管轄権の行使に当たることは前提としている。)。
(7) 私は,外国送達に関する業務は一切取り扱っていませんから,この記事に関するご相談には一切お答えできない。


2 領事送達,中央当局送達,指定当局送達,管轄裁判所送達及び公示送達
(1) 領事送達
ア 領事送達の根拠は以下の3種類です。
① 領事条約
   日本は,アメリカ合衆国及び英国と領事条約を締結していますところ,領事条約では,領事官は,派遣国の裁判所のために,裁判上の文書を送達することができる旨が定められています(日米領事条約17条1項(e)号(i),日英領事条約25条)。
   そのため,アメリカ合衆国又は英国に在住する者に対しては,日本人であると外国人であるとを問わず,また,送達すべき文書が民事又は商事に関する文書であるか否かを問わず,当該国に駐在する日本の領事館に嘱託して送達をすることができます。
② 民訴条約及び送達条約
・   民訴条約及び送達条約では,各締約国は外国にいる者に対する直接の送達を自国の外交官又は領事官(以下「在外領事等」といいます。)に行わせる権能を有する旨を定めています(民訴条約6条1項3号,送達条約8条1項)。
   そのため,これらの条約の締結国に在住する者に対しては,当該国に駐在する日本の在外領事等に嘱託して送達をすることができます。
   ただし,その国が,嘱託国の国民以外の者に対する領事送達を拒否しているときは,日本人に対してだけ領事送達をすることができます(民訴条約6条2項,送達条約8条2項)。
・ 民訴条約又は送達条約に基づき送達することができる文書は,民事又は商事に関する文書に限られています(民訴条約1条1項,送達条約1条1項)。
③ 個別の応諾
・   国家間において条約等の合意がなくても,相手国が,我が国の在外領事等によるその国に在住する者に対する送達を応諾する場合には,当該国に在住する者に対し,当該国に駐在する我が国の在外領事等に嘱託して送達をすることができます。
   この場合,受送達者は日本人に限られることが多いです。
・ 領事送達は,強制によらないものに限られます(送達条約8条1項ただし書)から,受領拒否のおそれがある場合は利用できません。
(2) 中央当局送達
ア   中央当局送達は,送達条約により認められた送達方法であり,受送達者が在住する国が送達条約の締約国である場合に行うことができます。
   中央当局は,送達の要請を受理し,かつ,処理する責任を負う当局のことであり,各締約国によって指定されています。
イ 送達することができる文書は民事又は商事に関する文書に限られます(送達条約1条1項)。
ウ ルートの選択の目安につき,中央当局送達は,受送達者が日本人であると外国人であるとを問わず実施することができ,また,任意交付の方法による場合を除き,受送達者が受領を拒んでも送達の効力が認められる場合があります。
   しかし,領事送達に比べ時間がかかることも多く,また,送達方法として任意交付以外の方法を希望した場合には受送達者が日本語を解するときでも一般に訳文の添付が求められます。
   そのため,中央当局送達は,外国人に対し領事送達の方法によることができない場合,または受送達者が受領を拒む恐れがある場合に利用することが考えられます。
(3) 指定当局送達
ア 指定当局送達は,民訴条約による送達の原則的形態でありますものの,民訴条約及び送達条約の両条約締約国については送達条約が優先し,中央当局送達によることができません(送達条約22条)。
   そのため,指定当局送達は,送達条約に加入していない国に在住する受送達者に対して行うこととなります。
イ 送達することができる文書は民事又は商事に関する文書に限られます(民訴条約1条1項)。
ウ ルートの選択の目安については,中央当局送達と同じです。
(4) 管轄裁判所送達
ア 管轄裁判所送達の根拠は以下の2種類です。
① 二国間共助取決め
   日本が受送達者の在住する国との間で司法共助の取決めを締結している場合,その取決めに基づき当該国の裁判所に嘱託して送達することができます。
② 個別の応諾
   二国間共助取決めがなくても,受送達者が在住する国が応諾する場合,当該国の裁判所に嘱託して送達することができます。
イ ブラジルは,領事送達を拒否しているうえ,民訴条約や送達条約にも加入っしていないので,ブラジルに在住する者に対して送達を行う方法は,二国間共助の取決め等に本地て,管轄裁判所送達を行うこととなります。
(5) 公示送達
ア 民事訴訟法110条は,一定の要件の下に,外国に在住する者に対して公示送達を行うことを認めています。
イ   受訴裁判所において,民事訴訟法110条1項4号の「外国の管轄官庁に嘱託を発した日」を確認したい場合の取扱いは以下のとおりです。
・ 外国の管轄官庁に嘱託を発した日について,最高裁判所民事局長等が外務省等に送達嘱託の手続をした日と解する場合,最高裁判所の国際司法共助事務の担当係に電話をして,最高裁判所が外務省等に発出した日付を確認し,確認した結果について,電話聴取書に残す等の方法が考えられます。
・ 外務省→在外日本国大使館→外国の外務省へと送付される場合(管轄裁判所送達の場合等)について,外国の管轄官庁に嘱託を発した日を,実際に在外日本国大使館から外国の外務省(管轄官庁)に送付した日と解する場合,外務省にその日付を確認するため,最高裁判所の国際司法共助事務の担当係に連絡します。
   外務省から問い合わせ等があるので,公示送達を実施した場合,最高裁判所の国際司法共助事務の担当係あてに電話等で連絡しておきます。
・ ブラジル連邦共和国のように送達実施までの通常の方法で約14か月かかる国に対しては,その点の配慮を行う必要があります。
ウ 民事訴訟手続に関する条約等の実施に伴う民事訴訟手続の特例等に関する法律(昭和45年6月5日法律第115号)28条は,「外国においてすべき送達条約第十五条第一項の文書の送達については、同条第二項(a)、(b)及び(c)に掲げる要件が満たされたときに限り、民事訴訟法第百十条の規定により公示送達をすることができる。」と定めています。
エ 台湾や北朝鮮等国交のない国に在住する者に対して文書を送達する場合,公示送達によらざるを得ません。
   なお,外国に在住する者に対して公示送達を行った場合,民事訴訟規則46条2項後段により,公示送達があったことを受送達者に通知することができます(通知は,日本語による文書を普通郵便で送付することなどが考えられます。)。
オ 外国においてすべき送達についてした公示送達は,掲示を始めた日から6週間を経過することによって,その効力を生じます(民事訴訟法112条2項)。
カ 民事訴訟法118条2号は,敗訴の被告が公示送達その他これに類する送達を受けただけの場合,外国裁判所の確定判決の効力を否定しています。

3 個別の国ごとの所要期間等
(1)   最高裁判所作成の以下の資料を見れば,それぞれの国における送達方法がわかります。領事送達,中央当局送達及び管轄裁判所送達の3種類になっています。
① アメリカ合衆国
→ 領事送達の期間は3か月,中央当局送達の期間は5か月,管轄裁判所送達は先例なし。
② 英国
→ 領事送達の期間は3か月,中央当局送達の期間は4か月,管轄裁判所送達は先例なし。
③ オーストラリア連邦
→ 領事送達の期間は4か月,中央当局送達は先例なし,管轄裁判所送達は9か月
④ カナダ
→ 領事送達は4か月,中央当局送達は5か月,管轄裁判所送達は7か月
⑤ シンガポール共和国
→ 領事送達は4か月,管轄裁判所送達は4か月
⑥ 大韓民国
→ 領事送達は4か月,中央当局送達は4か月,管轄裁判所送達は6か月
⑦ 中華人民共和国(香港,マカオを含む。)
→ 中国(香港,マカオを除く)の場合,領事送達は4か月,中央当局送達は6か月,管轄裁判所送達は4か月
香港の場合,領事送達は4か月,中央当局送達は5か月,管轄裁判所送達は先例なし。
   マカオの場合,領事送達は3か月,中央当局送達及び管轄裁判所送達は先例なし。
⑧ ドイツ連邦共和国
→ 領事送達は4か月,中央当局送達は4か月,管轄裁判所送達は8か月
⑨ ニュージーランド
→ 領事送達は4か月,管轄裁判所送達は9か月
⑩ フィリピン共和国
→ 領事送達は3か月,管轄裁判所送達は7か月
⑪ ブラジル連邦共和国
→ 管轄裁判所送達は14か月
⑫ フランス共和国
→ 領事送達は4か月,中央当局送達は7か月,管轄裁判所相殺は6か月
⑬ ロシア連邦
→ 領事送達は5か月,中央当局送達は13か月,管轄裁判所送達は先例なし。
(2) 期間については,過去の例において最高裁判所が外務省に通知した日から最高裁判所が嘱託庁に送達結果を通知するまでの平均所要期間が記載されているものの,同一国に対し,同一ルートで嘱託しても期間にかなりの差が出ることがあるそうです。
   また,嘱託庁(多分,受訴裁判所のことと思います。)と最高裁判所との間のやり取りでも時間がかかる気がします。

4 国際裁判管轄に関するメモ書き
(1) 民事訴訟の国際裁判管轄
ア 民事訴訟の国際裁判管轄に関する民事訴訟法の改正法は平成24年4月1日に施行されましたところ,首相官邸HPの「我が国における国際裁判管轄及び準拠法に関する一般的な規律について」には以下の記載があります。
    国際的な要素を有する民事裁判事件について,どのような場合に日本の裁判所が管轄権を有するかという問題が,国際裁判管轄の有無の問題である。
    国際裁判管轄に関する民事訴訟法の主な規律の概要は次のとおり。
(1) 民事訴訟法第3条の2によれば,日本の裁判所は,被告の住所が日本国内にあるときは,管轄権を有するとされている。
(2) 民事訴訟法第3条の3第8号によれば,不法行為に関する訴えは,不法行為があった地が日本国内にあるときは,(被告の住所が日本国内になくても),原則として,日本の裁判所に提起することができるとされている。
イ 最高裁平成9年11月11日判決は「日本法人がドイツに居住する日本人に対して契約上の金銭債務の履行を求める訴訟につき日本の国際裁判管轄が否定された事例」でありますところ,一般論として以下の判示をしています。
    どのような場合に我が国の国際裁判管轄を肯定すべきかについては、国際的に承認された一般的な準則が存在せず、国際的慣習法の成熟も十分ではないため、当事者間の公平や裁判の適正・迅速の理念により条理に従って決定するのが相当である(最高裁昭和五五年(オ)第一三〇号同五六年一〇月一六日第二小法廷判決・民集三五巻七号一二二四頁最高裁平成五年(オ)第七六四号同八年六月二四日第二小法廷判決・民集五〇巻七号一四五一頁参照)。そして、我が国の民訴法の規定する裁判籍のいずれかが我が国内にあるときは、原則として、我が国の裁判所に提起された訴訟事件につき、被告を我が国の裁判権に服させるのが相当であるが、我が国で裁判を行うことが当事者間の公平、裁判の適正・迅速を期するという理念に反する特段の事情があると認められる場合には、我が国の国際裁判管轄を否定すべきである。
ウ 最高裁平成28年3月10日判決は,米国法人がウェブサイトに掲載した記事による名誉等の毀損を理由とする不法行為に基づく損害賠償請求訴訟について,民訴法3条の9にいう「特別の事情」があるとされた事例です。
(2) 人事訴訟事件及び家事事件の国際裁判管轄
ア 人事訴訟事件の国際裁判管轄に関する人事訴訟法の改正法,及び家事事件の国際裁判管轄に関する家事事件手続法の改正法は平成31年4月1日から施行されています。
イ 馬場・澤田法律事務所HPの「人事訴訟事件及び家事事件の国際裁判管轄」が非常に参考になります。
(3) 国際的訴訟競合
ア 「一問一答 平成23年民事訴訟法改正-国際裁判管轄法制の整備」177頁には以下の記載があります。
    同部会(山中注:法制審議会国際裁判管轄法制部会)における審議の結果、最終的には、①判決の矛盾抵触を避けるため、外国の裁判所の審理状況を見守るのが適切な場合には、期日の間隔を調整するなどして柔軟に対応すれば足りるのではないか、②中止の要件の判断基準があいまいになり得る上、不服申立手段を設けないのであれば、現在の実務の運用と変わりがなく、あえて規定を設ける必要がないのではないかなどの点が考慮され、特段の規定は設けないこととされ、改正法においても国際的訴訟競合についての規定は設けられませんでした。
イ 38期の小野瀬厚法務省民事局長は,平成30年4月6日の衆議院法務委員会において以下の答弁をしています。
    委員御指摘のとおり、ある財産権上の訴えが外国の裁判所にも提起され、また日本の裁判所にも提起されまして、それぞれの裁判所が独立に審理、判決するということになりますと、外国の裁判所と日本の裁判所で内容が矛盾する判決がされるおそれがあるなどの問題が生じます。
    これを避けるために、一定の場合に、後から訴えが提起された日本の裁判所の訴訟手続を中止するなどの、こういった規律を設けるべきか否かが問題となり得ますが、我が国の民事訴訟法にはこういった国際的訴訟競合に関する明文の規定はございません。
    このため、同一の事項に関する訴訟が日本の裁判所と外国の裁判所に二重に提起された場合には、日本の裁判所がその事件の審理を進めるか、外国の裁判所の審理状況を見守るかといった点について、現状では、個別具体的な事案において、裁判所の訴訟指揮に委ねられているという状況でございます。
(4) 外国等に対する我が国の民事裁判権
ア 外国国家は,主権的行為以外の私法的ないし業務管理的な行為については,我が国による民事裁判権の行使が当該外国国家の主権を侵害するおそれがあるなど特段の事情がない限り,我が国の民事裁判権に服することを免除されません(最高裁平成18年7月21日判決)。
イ 平成22年4月1日,外国等に対する我が国の民事裁判権に関する法律が施行されました。
ウ 参議院HPに「主権免除についての国内法の整備~外国等に対する我が国の民事裁判権に関する法律案~」が載っています。
(5) その他

ア 法務省HPに「国際裁判管轄に関する調査・研究報告書」(平成20年4月の社団法人商事法務研究会の文書)が載っています。
イ 経済産業省HPに「国境を越える電子商取引の法的問題に関する検討会報告書」(平成22年9月)が載っています。
ウ 法務省HPに「人事訴訟事件等についての国際裁判管轄に関する外国法制等の調査研究報告書」(平成24年1月の株式会社商事法務の文書)が載っていて,商事法務研究会HPに「人事訴訟事件等についての国際裁判管轄法制研究会報告書」(平成26年3月の公益社団法人商事法務研究会の文書)が載っています。

5 執行判決に関するメモ書き
(1) 民事訴訟法118条1号(法令又は条約により外国裁判所の裁判権が認められること。)に関する最高裁判例
・ 最高裁平成26年4月24日判決の判示内容
     執行判決を得るためには,民訴法118条各号に掲げる要件を具備する必要があるところ,同条1号所定の「法令又は条約により外国裁判所の裁判権が認められること」とは,我が国の国際民訴法の原則からみて,当該外国裁判所の属する国(以下「判決国」という。)がその事件について国際裁判管轄を有すると積極的に認められることをいう(以下,この場合における国際裁判管轄を「間接管轄」という。)。
(中略)
     人事に関する訴え以外の訴えにおける間接管轄の有無については,基本的に我が国の民訴法の定める国際裁判管轄に関する規定に準拠しつつ,個々の事案における具体的事情に即して,外国裁判所の判決を我が国が承認するのが適当か否かという観点から,条理に照らして判断すべきものと解するのが相当である。
(2) 民事訴訟法118条3号(判決の内容及び訴訟手続が日本における公の秩序又は善良の風俗に反しないこと。)に関する最高裁判例
ア 最高裁平成10年4月28日判決の判示内容
     訴訟費用の負担についてどのように定めるかは、各国の法制度の問題であって、実際に生じた費用の範囲内でその負担を定めるのであれば、弁護士費用を含めてその全額をいずれか一方の当事者に負担させることとしても、民訴法一一八条三号所定の「公の秩序」に反するものではないというべきである。
イ 最高裁平成31年1月18日判決の判示内容
     外国裁判所の判決(以下「外国判決」という。)が民訴法118条により我が国においてその効力を認められるためには,判決の内容及び訴訟手続が日本における公の秩序又は善良の風俗に反しないことが要件とされているところ,外国判決に係る訴訟手続が我が国の採用していない制度に基づくものを含むからといって,その一事をもって直ちに上記要件を満たさないということはできないが,それが我が国の法秩序の基本原則ないし基本理念と相いれないものと認められる場合には,その外国判決に係る訴訟手続は,同条3号にいう公の秩序に反するというべきである(最高裁平成5年(オ)第1762号同9年7月11日第二小法廷判決・民集51巻6号2573頁参照)。
ウ 最高裁令和3年5月25日判決の判示内容
    民訴法118条3号の要件を具備しない懲罰的損害賠償としての金員の支払を命じた部分(以下「懲罰的損害賠償部分」という。)が含まれる外国裁判所の判決に係る債権について弁済がされた場合,その弁済が上記外国裁判所の強制執行手続においてされたものであっても,これが懲罰的損害賠償部分に係る債権に充当されたものとして上記判決についての執行判決をすることはできないというべきである。
(3) 養育費関係
ア 法務省HPの「養育費の算定方法・算定基準に関する諸外国の例」には,日本,米国(ニューヨーク州),英国(イングランド及びウェールズ),ドイツ,フランス及び韓国の事例が載っていますし,法務省HPの「父母の離婚後の子の養育に関する海外法制について」にはG20を含む海外24か国の法制度や運用状況が書いてあります。
イ 2018年発行の国際私法年報20号には「特集 国際扶養に関する諸問題」として以下の論文が載っています。
・ 扶養義務の準拠法に関する法律再考
・ 扶養義務に関する審判事件の国際裁判管轄
・ 外国扶養裁判承認執行制度の現状と課題
・ 国際扶養をめぐる実務的諸問題
ウ 東京高裁平成27年5月20日判決(判例秘書掲載)は,日本人男女間の子の養育費についてアメリカ合衆国カリフォルニア州の裁判所が言い渡した判決について日本における公の秩序又は善良の風俗に反しないとして執行判決が認められた事例であって,被告は1500万円近くの収入を継続的に得ている以上,月額3416米ドル(1ドル120円の場合,円ベースの年額は491万9040円)の養育費は我が国における公の秩序又は善良の風俗(民事執行法24条5項・民事訴訟法118条3号)に反しないと判断しました。
(4) その他
・ 家事事件手続法79条の2(外国裁判所の家事事件についての確定した裁判の効力)は,「外国裁判所の家事事件についての確定した裁判(これに準ずる公的機関の判断を含む。)については、その性質に反しない限り、民事訴訟法第百十八条の規定を準用する。」と定めています。
・ 国際法学会HPの「エキスパート・コメント」「外国判決の承認執行制度」及び「人事訴訟法等の改正による国際裁判管轄規定等の新設について」が載っています。

6 関連記事その他
(1) 民事訴訟関係書類の送達事務は,受訴裁判所の裁判所書記官の固有の職務権限に属し,裁判所書記官は,原則として,その担当事件における送達事務を民訴法の規定に従い独立して行う権限を有します(最高裁平成10年9月10日判決)。
(2)ア 外務省HPに「外国の裁判所が日本に裁判文書の送達及び証拠調べを要請する方法」が載っています。
イ 自由と正義2016年5月号13頁以下に「当事者や証拠が外国に存在する場合の送達及び証拠調べ」が載っています。
ウ リーガルモールビズ「日本政府、ハーグ送達条約による郵送送達に拒否宣言―日本企業が注意する必要のある点」(2019年8月8日付)が載っています。
エ 判例タイムズ1514号(2024年1月号)に「外国仲裁判断の承認及び執行に関する条約(ニューヨーク条約)裁判官向けガイドについて」が載っています。
(3) 相続放棄をしていない相続人の住所が韓国にあることが判明するとともに,EMS(国際スピード郵便)による手紙が届く状態である点で公示送達を利用できない場合,担保不動産競売開始決定等について外国送達が必要になるかもしれない(弁護士ドットコムの「公示送達について教えてください」のベストアンサー参照)ものの,日本の弁護士を代理人に選任してもらえれば,その弁護士に送達できることになりますし,送達場所を届け出ればそこに送達してもらえます(送達の特例に関する民事執行法16条参照)。
(4) 国立国会図書館HPの「調査と情報」「英独仏の離婚制度」(2022年3月28日付の調査と情報1186号)が載っています。
(5)ア 以下の資料を掲載しています。
・ 民事事件に関する国際司法共助手続マニュアル(令和2年6月に開示された,最高裁判所民事局作成の文書)
・ 民事訴訟手続に関する条約等による文書の送達,証拠調べ等及び執行認許の請求の嘱託並びに訴訟上の救助請求書の送付について(平成3年4月10日付)
・ 在外公館の証明事務のマニュアル
イ 以下の記事も参照してください
・ 送達に関するメモ書き
・ 諸外国の司法制度
・ 在日韓国・朝鮮人の相続人調査
・ 判事補の海外留学状況

弁護士会照会

目次
1 総論
2 弁護士会照会を受けた団体等の回答義務
3 日本郵便に対する弁護士会照会に関する判例
4 弁護士会照会で債務者の財産を調査する方法
5 損害保険料率算出機構に対する弁護士会照会
6 自由と正義の特集
7 関連記事その他

1 総論
(1) 弁護士会照会の流れは以下のとおりです(6訂 民事弁護における立証活動52頁参照)。
① 受任事件について,弁護士が所属弁護士会に対し,弁護士会から特定の公務所又は公私の団体(以下「公務所等」といいます。)に対して必要な事項の報告を求める照会を発すべきことを求める照会申出を行う。
② この照会申出を受けた弁護士会がその適否を判断する審査を行う。
③ 審査の結果,照会申出を適切と判断した弁護士会が特定の公務所等に対して報告を求める照会を行う。
④ 照会を受けた公務所等が弁護士会に対して所要の事項の報告を行う。
⑤ 弁護士会が公務所等からの報告事項を照会申出人である弁護士に通知する。
(2) 弁護士法23条の2に基づくことから,23条照会ともいいます。

2 弁護士会照会を受けた団体等の回答義務
(1) 弁護士会照会を受けた公務所又は公私の団体は,正当な理由がない限り,照会された事項について報告をすべきものと解されています(最高裁平成28年10月18日判決。なお,「弁護士会照会報告拒絶に対する損害賠償請求訴訟の最高裁判決に関する会長談話」(平成28年10月18日付の愛知県弁護士会会長談話)参照)。
(2) 弁護士会照会に対して自治体が前科及び犯罪経歴を回答した場合,国家賠償責任の問題となることがあります(最高裁昭和56年4月14日判決参照)。


3 日本郵便に対する弁護士会照会に関する判例
(1) 郵便法上の守秘義務を負う日本郵便が,弁護士法23条の2第2項に基づき照会された事項の報告を拒絶する正当な理由があるか否かは,照会事項ごとに,報告することによって生ずる不利益と報告を拒絶することによって犠牲となる利益を比較衡量することにより決せられるべきであるとし,照会事項のうち,①郵便物についての転居届の提出の有無,②転居届の届出年月日及び③転居届記載の新住所(居所)については,報告を拒絶する正当な理由がないが,転居届に記載された電話番号については正当な理由があるとされました(最高裁平成28年10月18日判決の差戻控訴審である名古屋高裁平成29年6月30日判決)。
    ただし,名古屋高裁平成29年6月30日判決の上告審判決である最高裁平成30年12月21日判決は,23条照会をした弁護士会が,その相手方に対し,当該照会に対する報告をする義務があることの確認を求める訴えは,確認の利益を欠くものとして不適法であると判示しました。
(2) 最高裁平成28年10月18日判決及び最高裁平成30年12月21日判決には「弁護士法23条の2第2項に基づく照会(以下「23条照会」という。)」と書いてあります。


4 弁護士会照会で債務者の財産を調査する方法
(1) 弁護士会照会で債務者の財産を調査する方法としては以下のものがあります(二弁フロンティア2021年11月号「弁護士会照会ってどんな場面で使えるの?」参照)。
① 金融機関に対する全店照会
② 通信会社に対する引落し口座照会
③ クレジットカード会社に対する引落し口座情報照会
④ 運輸支局等に対する車両の所有者等情報の照会
⑤ 生命保険会社等に対する解約返戻金予定額等の照会
(2) 一般社団法人生命保険協会は弁護士会照会の取次を終了したものの,一般社団法人日本損害保険協会.一般社団法人外国損害保険協会.一般社団法人日本少額短期保険協会及び一般社団法人日本共済協会は弁護士会照会の取次を継続しています(「弁護士会照会ハンドブック」(2018年7月2日付)104頁)。


5 損害保険料率算出機構に対する弁護士会照会
(1) 相手方の自賠責保険金の請求歴に関して損害保険料率算出機構に対する弁護士会照会をした場合,平成30年4月当時,以下の事項の回答だけがありました。
自賠責保険会社の名前,自賠責証明書番号
事故発生日時,事故発生場所,事故態様,相手方の傷病名,後遺障害認定の有無,認定時の等級
損害調査認定額(傷害による損害及び後遺障害による損害)
(2) 弁護士会照会に対する回答文として,以下の決まり文句がありました。
    今般、弁護士法第23条の2に基づく照会がなされましたが、弊機構では自賠責保険会社からの依頼に基づき自賠責保険の損害調査を行っており、調査が終了した後には、調査結果と共に、請求書類を自賠責保険会社に返却しています。そのため弊機構にはご希望の調査を満足する資料は保管されていません。また、弊機構は調査機関に過ぎず、自賠責保険に対する請求に応じるか否か等の最終決定権及び具体的な支払いをする権限は自賠責保険会社にあり、自賠責保険金支払いの有無については回答することが困難です。したがって、弊機構にて保有するデータから判明する範囲で回答させていただきますので、詳細につきましては、各保険会社にお問い合わせいただきますようお願いいたします。
    なお、以下の回答内容は、被害者名:「◯◯◯◯」,生年月日:「平成◯年◯月◯日」により検索した結果を示したものであり、今回ご照会頂いている◯◯◯◯様と同一人物であるか否かについてはわかりかねます。
(3) 中村真弁護士ブログに「【役立つ!】保険金取得歴の調査」が載っています。


6 自由と正義の特集
(1) 自由と正義2015年1月号の「特集1 弁護士会照会の今後」として以下の記事が載っています。
① 金融機関に対する照会について
② 弁護士会照会に対する報告拒否と不法行為責任
③ 弁護士会照会の審査体制,審査基準,審査の際の留意点
④ 制度を維持するために注意すべき点
⑤ 弁護士法第23条の2の改正について-弁護士法第23条の2の照会制度の実効性確保に向けて-
(2) 自由と正義2019年11月号の「特集 弁護士会照会に関する最高裁判決と今後の対応について」として以下の記事が載っています。
① 愛知県弁護士会と日本郵便との訴訟の経緯と意義
② 弁護士会照会最高裁判決と「それではどうしたらよいか」問題
③ 金融機関に対する全店照会の現状と最高裁判決が与える影響
④ 弁護士会照会制度の今後の改正に向けて


7 関連記事その他
(1) 弁護士会照会の回答書のコピーをシンポジウム参加者に配布して戒告の懲戒処分を受けた事例があります(自由と正義2009年6月号210頁)。
(2) 東弁リブラ2011年5月号に「第2回  通信会社に対する弁護士会照会の留意点」が載っていて,総務省HPに「電気通信番号指定状況 (電気通信番号計画(令和元年総務省告示第6号)第1第4項による公表)」が載っています。
(3) 大阪高裁平成30年9月6日判決(私が訴訟代理人として取得したものです。)は「訴訟係属中の23条照会と調査嘱託及び文書送付嘱託との間に法律上の優劣関係の定めはなく,またそのように解釈すべき理由もない」と判示しています。
(4) 企業法務のための民事訴訟の実務解説(第2版)182頁には,民事訴訟法186条に基づく調査嘱託に関して以下の記載があります。
    法文上、嘱託先は「団体」 とされており、個人に対する調査嘱託はできませんが、実務上、裁判所の判断によって、例えば、個人開業の医師や弁護士に対しても病院・医院宛や法律事務所宛として調査嘱託を行うこともありますので、裁判所と相談すると良いでしょう。
(5)ア 二弁フロンティア2022年12月号「弁護士会照会ってどんな場面で使えるの?離婚事件における弁護士会照会事例」によれば,離婚事件における照会事例として以下のものが紹介されています。
① 財産分与の対象となる対象財産等の調査
・ 預貯金・株式等
・ 給与・退職金
・ 保険
② 不貞行為の調査
・ 不貞行為の相手方の特定
→ 携帯電話番号やメールアドレスの情報から,当該通信会社に対する照会により,不貞行為の相手方の契約者氏名や住所を特定することが可能とのことです。
・ 車両
・ ホテル宿泊の有無
・ ETC記録や交通系ICカード乗車券の利用履歴
イ 二弁フロンティア2024年8月・9月合併号「弁護士会照会の活用法 金融機関に対する全店照会」が載っています。
(6)ア 以下の資料を掲載しています。
・ 外国人登録法の廃止に伴い回収された外国人登録原票に係る開示請求手続について(平成23年12月13日付の法務省入国管理局登録管理官の事務連絡)
・ 外国人登録法の廃止に伴い回収された外国人登録原票に係る開示請求手続について(平成24年3月21日付の日弁連事務総長の依頼)
・ 弁護士法23条の2の規定に基づく外国人登録原票の照会への対応について(平成24年7月30日付の法務省入国管理局出入国管理情報官付補佐官の事務連絡)
イ 以下の記事も参照して下さい。
・ 検番等の入手方法等
・ 厚生労働省労働基準局の,文書送付嘱託に対する対応(要旨)
・ 刑事記録の入手方法等に関する記事の一覧

職務代行裁判官

目次
1 最高裁判所が命ずる職務代行裁判官
2 高等裁判所が命ずる職務代行裁判官
3 地方裁判所が命ずる職務代行裁判官
4 必要性の程度から区別した職務代行裁判官の種類
5 関連条文
6 関連記事その他

1 最高裁判所が命ずる職務代行裁判官
(1) 最高裁判所が命ずる職務代行判事
ア 法律の定め
・ 最高裁判所は,高裁レベルでの職務代行裁判官の発令だけでは差し迫った必要を満たすことができない特別の事情がある場合,他の高裁判事に対し,高裁判事の職務代行を命ずることができます(裁判所法19条2項)。
・ 最高裁判所は,高裁レベルでの職務代行裁判官の発令だけでは差し迫った必要を満たすことができない特別の事情がある場合,他の高裁管内の地家裁判事に対し,高裁判事の職務代行を命ずることができます(裁判所法28条2項並びに31条の5)。
イ 運用の細則
・ 最高裁判所が命ずる職務代行判事の詳細については,最高裁判所の命ずる裁判官の職務代行について(昭和25年12月28日付の最高裁判所事務総長依命通達)に書いてあります。
(2) 最高裁判所が命ずる職務代行判事補
ア 法律の定め
・ 最高裁判所は,当分の間,高等裁判所の裁判事務の取扱い上特に必要があるときは,その高裁管内の特例判事補に対し,その高裁判事の職務を代行させることができます(判事補の職権の特例等に関する法律1条の2第1項)。
イ 最近の実例
・ 平成30年10月1日に弁護士任官した新61期の木上寛子判事補は平成31年1月16日に判事になるまでの間,高裁判事の職務を代行する特例判事補をしていました。
・ 令和2年4月1日に弁護士任官した新63期の河野申二郎判事補及び新63期の豊平(塩谷)真理絵判事補は令和3年1月16日に判事になるまでの間,高裁判事の職務を代行する特例判事補をしていました。
(3) 最高裁判所十年の回顧の記載等
ア 最高裁判所十年の回顧(三)には以下の記載がありますし(昭和32年12月発行の法曹時報9巻12号38頁),立法趣旨に関しては,昭和32年4月5日の衆議院法務委員会における位野木益雄(いのきますお)法務大臣官房調査課長の答弁も同趣旨のものとなっています。
     一方、立法の面における第一審強化方策として、第二十六国会を通過した「判事補の職権の特例等に関する法律の一部を改正する法律」がある。この法律は本年五月一日から施行されているが、その趣旨とするところは、第一審の充実強化を円滑に行うため、当分の間の措置として、いわゆる職権特例判事補に高等裁判所の判事の職務を行わせることができるようになったことである。現在地方裁判所で単独事件を処理している職権特例判事補は二百名以上にも達しているが、これをできる限り判事と交替させることが望ましい。この判事の供給源は、さしあたりこれを高等裁判所に求めなければならない。そこで高等裁判所判事を地方裁判所に配置換えし、その後を職権特例の判事補でおぎない、高等裁判所の合議体の一員に加えようとするものである。これによって第一審の充実強化をはかるとともに、一面、高等裁判所にも清新の気を送り、あわせて人事の交流をはかろうとするものである。
    この法律の施行にともなって、最高裁判所は、裁判官の配置換えを行っているが、本年十一月二十日までに、すでに判事補八名が高等裁判所に送りこまれている。
イ 制定経緯からすれば,「高等裁判所の裁判事務の取扱上特に必要があるとき」というのは,「第一審強化のために地裁に配置換えされた高裁判事の欠員を埋めるために特に必要があるとき」といった意味合いになります。


2 高等裁判所が命ずる職務代行判事
(1) 法律の定め

ア 高等裁判所は,裁判事務の取扱上差し迫った必要があるときは,管内の地家裁判事に対し,高裁判事の職務代行を命じたり(裁判所法19条1項),他の地家裁判事の職務代行を命じたりできます(裁判所法28条1項・31条の5)。
イ 高等裁判所は,地裁レベルでの職務代行裁判官の発令では差し迫った必要を満たすことができない特別の事情がある場合,他の地裁又はその管轄区域内の簡裁の判事に対し,簡裁判事の職務代行を命じることができます(裁判所法36条2項)。
(2) 運用の細則
・ 高等裁判所が裁判官の職務代行を命じたり,免じたりしたときは,その旨を最高裁判所に報告する必要があります(「高等裁判所が命ずる裁判官の職務代行の報告について」(昭和60年11月27日付の最高裁判所人事局長の通達)参照)。
(3) 現実の運用
ア ①小さな高等裁判所の判事不足を補ったり,②ある程度の期間,病欠している高等裁判所判事のピンチヒッターとしたりするために,高等裁判所が命ずる職務代行判事が利用されているみたいです(西野法律事務所ブログの「特例判事補」参照)。
イ   実例として,35期の樋口英明名古屋家庭裁判所部総括裁判官は,平成27年4月1日,名古屋高等裁判所から福井地方裁判所判事職務代行を命ぜられた上で,同月14日,高浜原発再稼働差し止めの仮処分決定を出しました。

3 地方裁判所が命ずる職務代行裁判官
(1) 地方裁判所は,簡易裁判所における裁判事務の取扱上差し迫った必要があるときは,地家裁判事又は管内の簡裁判事に対し,当該簡裁の裁判官の職務代行を命じることができます(裁判所法36条1項)。
(2) 裁判所法36条1項に基づく職務代行については,管内の住民に周知する手続を取る必要はないです(最高裁昭和30年12月14日決定)。

4 必要性の程度から区別した職務代行裁判官の種類
(1) 裁判事務の取扱い上特に必要があるときに命ぜられる職務代行裁判官
・ 最高裁判所が命ずる高裁の職務代行判事判事補の職権の特例等に関する法律(昭和23年7月12日法律第146号)1条の2第1項)
(2) 管内の裁判官の職務代行の発令では差し迫った必要を満たすことができない特別の事情があるときに命ぜられる職務代行裁判官
・ 最高裁判所が命ずる高裁の職務代行判事(裁判所法19条2項)
・ 最高裁判所が命ずる地家裁の職務代行判事(裁判所法28条2項・31条の5)
・ 高等裁判所が命ずる簡裁の職務代行判事(裁判所法36条2項)
(3) 裁判事務の取扱い上差し迫った必要があるときに命ぜられる職務代行裁判
・ 高等裁判所が命ずる高裁の職務代行判事(裁判所法19条1項)
・ 高等裁判所が命ずる地家裁の職務代行判事(裁判所法28条1項・31条の5)
・ 地方裁判所が命ずる簡裁の職務代行判事(裁判所法36条1項)

5 関連条文
(1) 裁判所法(昭和22年4月16日法律第59号)
(裁判官の職務の代行)
第十九条 高等裁判所は、裁判事務の取扱上さし迫つた必要があるときは、その管轄区域内の地方裁判所又は家庭裁判所の判事にその高等裁判所の判事の職務を行わせることができる。
② 前項の規定により当該高等裁判所のさし迫つた必要をみたすことができない特別の事情があるときは、最高裁判所は、他の高等裁判所又はその管轄区域内の地方裁判所若しくは家庭裁判所の判事に当該高等裁判所の判事の職務を行わせることができる。
(裁判官の職務の代行)
第二十八条 地方裁判所において裁判事務の取扱上さし迫つた必要があるときは、その所在地を管轄する高等裁判所は、その管轄区域内の他の地方裁判所、家庭裁判所又はその高等裁判所の裁判官に当該地方裁判所の裁判官の職務を行わせることができる。
② 前項の規定により当該地方裁判所のさし迫つた必要をみたすことができない特別の事情があるときは、最高裁判所は、その地方裁判所の所在地を管轄する高等裁判所以外の高等裁判所の管轄区域内の地方裁判所、家庭裁判所又はその高等裁判所の裁判官に当該地方裁判所の裁判官の職務を行わせることができる。
(地方裁判所の規定の準用)
第三十一条の五 第二十七条乃至第三十一条の規定は、家庭裁判所にこれを準用する。
(裁判官の職務の代行)
第三十六条 簡易裁判所において裁判事務の取扱上さし迫つた必要があるときは、その所在地を管轄する地方裁判所は、その管轄区域内の他の簡易裁判所の裁判官又はその地方裁判所の判事に当該簡易裁判所の裁判官の職務を行わせることができる。
② 前項の規定により当該簡易裁判所のさし迫つた必要をみたすことができない特別の事情があるときは、その簡易裁判所の所在地を管轄する高等裁判所は、同項に定める裁判官以外のその管轄区域内の簡易裁判所の裁判官又は地方裁判所の判事に当該簡易裁判所の裁判官の職務を行わせることができる。
(2) 判事補の職権の特例等に関する法律(昭和23年7月12日法律第146号)
第一条の二 最高裁判所は、当分の間、高等裁判所の裁判事務の取扱上特に必要があるときは、その高等裁判所の管轄区域内の地方裁判所又は家庭裁判所の判事補で前条第一項の規定による指名を受けた者にその高等裁判所の判事の職務を行わせることができる。
② 前項の規定により判事補が高等裁判所の判事の職務を行う場合においては、判事補は、同時に二人以上合議体に加わり、又は裁判長となることができない。

6 関連記事その他
(1)ア 填補裁判官の場合,本庁の裁判官が支部の裁判官の職務をするような場合に用いられるのに対し,職務代行裁判官の場合,地家裁の裁判官が高裁の裁判官の職務をしたり,高裁の裁判官が地家裁の裁判官の職務をしたりするような場合に用いられると思います。
イ 本庁の裁判官が常に特定の支部の裁判官の職務をする場合,「常填補」といわれると思います。
(2) 令和7年度(情)答申第101号(令和8年1月26日答申)には以下の記載があります。
     当委員会庶務を通じて確認した結果,裁判所においては、本務庁と異なる裁判所(常てん補先)において常に勤務を行っている場合のことを慣例として常てん補ということ、常てん補の場合、常てん補先において常に職務を行っていることから、執務状況等については常てん補先において把握することで足り、本務庁において常てん補先が分かる文書を保有しておく必要はないことが認められた。
(3)ア 民事訴訟法312条2項1号は「法律に従って判決裁判所を構成しなかったこと。」を絶対的上告理由としていますところ,判事補の職権の特例等に関する法律に違反することは同号に該当すると思います。
イ 判事補の職権の特例等に関する法律1条の2第1項に基づいて最高裁判所から高等裁判所判事の職務を代行させる旨の人事措置が発令されていない判事補が構成に加わった高等裁判所により宣告された原判決は,その宣告手続に法律に従って判決裁判所を構成しなかった違法があり,刑訴法411条1号により破棄されます(最高裁平成19年7月10日判決)。
(4) 「裁判所からみた弁護士任官制度」(筆者は45期の氏本厚司最高裁判所総務局第一課長)には以下の記載があります(自由と正義2010年8月号24頁)。
    優れた弁護士に多数任官してもらうためには、任官しやすい環境を整備していくことが必要である。裁判所においては、裁判官の職務への円滑な導入を図るため、任官者を対象とする特別の研修を実施するほか、配置についても、まずは高等裁判所等で合議体の一員として裁判官の職務を開始し、徐々に慣れてもらうような配慮をしている。
(5) 以下の記事も参照してください。
・ 裁判官の種類
・ 特例判事補
・ 裁判官の号別在職状況
 下級裁判所の裁判官の定員配置

裁判官人事の辞令書

目次
1 総論
2 裁判所公文方式規則5条の条文
3 関連記事その他

1 総論
(1) 以下の辞令書には,年月日が記入され,最高裁判所と記載されます(裁判所公文方式規則(昭和22年9月19日最高裁判所規則第1号)5条)。
① 下級裁判所の裁判官の補職
② 支部に勤務する裁判官の指名
③ 簡易裁判所の司法行政事務を掌理する裁判官の指名
④ 特例判事補の指名
⑤ 部総括裁判官の指名
⑥ 下級裁判所の裁判官の報酬
(2) 裁判官人事の辞令書の例として,平成28年3月18日付の辞令書(大阪地裁所長等の玉突き人事)を掲載しています。

2 裁判所公文方式規則5条の条文
・ 裁判所公文方式規則(昭和22年9月19日最高裁判所規則第1号)5条は以下のとおりです。
   下級裁判所の裁判官の補職、支部に勤務する裁判官の指名、簡易裁判所の司法行政事務を掌理する裁判官の指名、判事補の職権の特例等に関する法律(昭和二十三年法律第百四十六号)第一條の規定による判事の職務を行う判事補の指名、下級裁判所事務処理規則(昭和二十三年最高裁判所規則第十六号)第四條第五項の規定による部の事務を総括する裁判官の指名及び下級裁判所の裁判官の報酬の辞令書には、年月日を記入し、最高裁判所と記載する。

3 関連記事その他
(1) 裁判所における人事の辞令には,「任命する」,「補する」,「充てる」,「命ずる」といった言葉が使用されています。
   しかし,「任命する」,「補する」,「充てる」,「命ずる」の違いが分かる文書は,最高裁判所には存在しません(平成28年度(最情)答申第17号(平成28年6月28日答申))。
(2) 以下の記事も参照してください。
・ 毎年4月1日付の人事異動等に関する最高裁判所裁判官会議
・ 部の事務を総括する裁判官の名簿(昭和37年度以降)
・ 裁判官の転勤の内示時期


裁判官の種類

目次
1 裁判官の種類
2 判事新任のタイミング
3 特例判事補
4 関連記事その他
   
1 裁判官の種類
   裁判官の種類は以下のとおりです(裁判所法5条)。
①   最高裁判所長官(1人)
・   内閣の指名に基づき,天皇が任命します(憲法6条2項,裁判所法39条1項)。
②   最高裁判所判事(14人)
・   内閣が任命し,天皇が認証します(憲法79条1項,裁判所法39条2項及び3項)。
③   高等裁判所長官(8人)
・   最高裁判所の指名した者の名簿によって,内閣が任命し,天皇が認証します(憲法80条1項本文前段,裁判所法40条1項及び2項)。
④   判事
・   最高裁判所の指名した者の名簿によって,内閣が任命します(憲法80条1項本文前段,裁判所法40条1項)。
   通常は,判事補を10年経験した者の中から任命されます(裁判所法42条1項1号参照)。
⑤   判事補
・   最高裁判所の指名した者の名簿によって,内閣が任命しますところ(憲法80条1項本文前段,裁判所法40条1項),司法修習生の修習を終えた者の中から任命されます(裁判所法43条)。
・ 判事補新任日から5年が経過した時点で,判事補としての職権の制限を受けない特例判事補に指名されます判事補の職権の特例等に関する法律1条)。
・ 特例判事補は,当分の間,高等裁判所の裁判事務の取扱上特に必要があるときは,その高等裁判所の判事の職務を代行することがあります(判事補の職権の特例等に関する法律1条の2第1項)。
⑥   簡易裁判所判事
・   最高裁判所の指名した者の名簿によって,内閣が任命します(憲法80条1項本文前段,裁判所法40条1項)。
・ 通常は,(a)判事補を3年経験した者,及び(b)簡易裁判所判事選考委員会の選考を経た裁判所書記官(裁判所法45条,簡易裁判所判事選考規則(昭和22年9月19日最高裁判所規則第2号)参照)が任命されます(「簡易裁判所判事の採用選考に関する国会答弁」参照)。
   
2 判事新任のタイミング
(1) 行政機関等への出向経験者の場合
ア 任官時からずっと判事補のままだった裁判官の場合,判事補新任日から10年で任期が満了します。
   これに対して,行政機関等に出向したり(身分上は検事です。),弁護士職務経験をしたり(身分上は弁護士です。)した後に判事補に復帰した裁判官の場合,復帰したときから10年間が判事補の任期になりますから,判事補新任日から10年で任期が満了するわけではないです。
   しかし,判事補,検事及び弁護士の経験期間の合計が10年であっても判事就任資格があります(裁判所法42条2項)。
   そのため,判事になるタイミングは同じになります。
イ 衆議院法制局参事をしていた人の場合,同期と同じタイミングで判事になります(判事補の職権の特例等に関する法律3条の3・裁判所法42条2項)。
ウ 判事の任命資格について定める裁判所法42条2項は,「前項の規定の適用については、三年以上同項各号に掲げる職の一又は二以上に在つた者が裁判所事務官、法務事務官又は法務教官の職に在つたときは、その在職は、これを同項各号に掲げる職の在職とみなす。」と定めています。
(2) 在外公館又は預金保険機構への出向経験者の場合
ア 在外公館又は預金保険機構に出向している場合,検事の身分すらありません(在外公館への出向の場合,35期の今崎幸彦裁判官のように例外的に検事の身分を有することがあります。)から,出向期間の分だけ判事就任資格の獲得が遅れます。
    この場合,判事補任官から10年が経過した時点で,判事補1号よりも報酬が高い簡裁判事5号(裁判官・検察官の給与月額表(令和5年1月1日現在)参照)が適用されているのかもしれません。
イ 裁判官が外務省に出向する際,どのような場合に検事兼外務事務官の身分を取得した上での出向扱いとなり,どのような場合に裁判官を依願退官して外務事務官の身分を取得した上での出向扱いとなるかが分かる文書は,外務省には存在しません(平成27年度(行情)答申第62号(平成27年5月21日答申))。
ウ 東北大学HPの「裁判官の学びと職務」(令和5年11月22日に東北大学法科大学院で行われた、法科大学院学生を対象とした47期の井上泰士の講演原稿に大幅に加筆したもの)には以下の記載があります。
在オランダ日本国大使館に3年強勤務した私(山中注:47期の井上泰士裁判官)は、判事任官資格である10年以上の法曹経験(裁判所法42条1項)を欠いておりました。同期の裁判官は前年に判事に再任されているのに、私だけはまだ暫くの間、判事補のままです。ただ、それでは同期の裁判官との間で給与格差が生じてしまうので、彼らと同等の給与を貰える簡易裁判所判事として任命され、併せて特例判事補の資格で地方裁判所や家庭裁判所に勤務するという便法が採られます。
(3) 明治憲法時代の取扱い
・ 明治憲法時代,10年以上裁判官の経験があれば大審院判事の任命資格を取得しましたし(裁判所構成法70条),5年以上裁判官の経験があれば控訴院判事の任命資格を取得しました(裁判所構成法69条)。
     
3 特例判事補
(1) 地家裁における特例判事補
・ 「判事補は、他の法律に特別の定のある場合を除いて、一人で裁判をすることができない。」と定める裁判所法27条1項の例外としての,判事補の職権の特例等に関する法律(昭和23年法律7月12日第146号)1条は以下のとおりです。
① 判事補で裁判所法(昭和二十二年法律第五十九号)第四十二条第一項各号に掲げる職の一又は二以上にあつてその年数を通算して五年以上になる者のうち、最高裁判所の指名する者は、当分の間、判事補としての職権の制限を受けないものとし、同法第二十九条第三項(同法第三十一条の五で準用する場合を含む。)及び第三十六条の規定の適用については、その属する地方裁判所又は家庭裁判所の判事の権限を有するものとする。
② 裁判所法第四十二条第二項から第四項までの規定は、前項の年数の計算に、これを準用する。
(2) 高等裁判所判事職務代行としての特例判事補(判事補の職権の特例等に関する法律1条の2)
・ 「各高等裁判所は、高等裁判所長官及び相応な員数の判事でこれを構成する。」と定める裁判所法15条の例外としての,判事補の職権の特例等に関する法律(昭和23年法律7月12日第146号)1条の2(昭和32年5月1日法律第92号によって追加された条文です。)は以下のとおりです。
① 最高裁判所は、当分の間、高等裁判所の裁判事務の取扱上特に必要があるときは、その高等裁判所の管轄区域内の地方裁判所又は家庭裁判所の判事補で前条第一項の規定による指名を受けた者にその高等裁判所の判事の職務を行わせることができる。
② 前項の規定により判事補が高等裁判所の判事の職務を行う場合においては、判事補は、同時に二人以上合議体に加わり、又は裁判長となることができない。

4 関連記事その他
(1) 裁判官の具体的な配属先は,最高裁判所によって定められ(裁判所法47条参照),これを「補職」といいます。
(2) 日弁連HPの「自由権規約 条約機関の一般的意見」「一般的意見32 14条・裁判所の前の平等と公正な裁判を受ける権利」(2007年採択)が載っています。
(3) 預金保険機構に出向した場合,預金保険機構の職員をしていた期間も含めて退職手当が計算されます(国家公務員退職手当法7条の2・国家公務員退職手当法施行令9条の2・85号)。
(4) 以下の記事も参照してください。
・ 特例判事補
・ 職務代行裁判官
・ 裁判官の号別在職状況
・ 下級裁判所の裁判官の定員配置
・ 判事補の採用に関する国会答弁
・ 判事補の外部経験の概要
・ 判事補採用願等の書類,並びに採用面接及び採用内定通知の日程
・ 裁判官の報酬等に関する法律の一部を改正する法律に関する国会答弁資料等
・ 裁判所職員定員法の一部を改正する法律に関する国会答弁資料等

下級裁判所裁判官指名諮問委員会で再任不適当とされた裁判官の数の推移

目次
1 総論
2 裁判官の再任等に関する運用通達
3 下級裁判所裁判官指名諮問委員会で再任不適当とされた裁判官の数の推移
4 関連記事その他

1 総論
(1)  下級裁判所裁判官指名諮問委員会は,平成15年5月1日施行の下級裁判所裁判官指名諮問委員会規則に基づき,最高裁判所に設置されている委員会であり,再任を希望する裁判官の再任が適当かどうか等について,最高裁判所に対して答申をしています。
(2) 日弁連HPの「裁判官制度改革」に,下級裁判所裁判官指名諮問委員会のことが書いてあります。

2 裁判官の再任等に関する運用通達
(1) 最高裁判所勤務の裁判官の再任等については,「裁判官の再任等に関する事務について」(平成16年6月17日付の最高裁判所事務総局人事局長の通達)に基づいて運用されています。
(2) 下級裁判所勤務の裁判官の再任等については,「裁判官の再任等に関する事務について」(平成16年6月17日付の最高裁判所事務総局人事局長の通達)に基づいて運用されています。

3 下級裁判所裁判官指名諮問委員会で再任不適当とされた裁判官の数の推移
・ 下級裁判所裁判官指名諮問委員会で再任不適当とされた裁判官は,再任願いを取り下げたか,又は最高裁判所による再任拒否の対象になったと思われます。
(1) 毎年1月及び4月の再任
・ 平成16年4月における16期,26期及び36期の再任及び46期の新任を含む181人中 6人が不適当(平成15年12月2日の議事要旨3頁)
・ 平成17年4月における17期,27期及び37期の再任及び47期の新任を含む179人中 4人が不適当(平成16年12月3日の議事要旨3頁)
・ 平成18年4月における18期,28期及び38期の再任及び48期の新任を含む189人中 4人が不適当(平成17年12月9日の議事要旨3頁及び4頁)
→ このとき,48期の井上薫横浜地裁判事が再任拒否されました(外部ブログの「裁判官4人再任拒否」参照)。
・ 平成19年4月における19期,29期及び39期の再任及び49期の新任を含む193人中 4人が不適当(平成18年12月8日の議事要旨4頁)
・ 平成20年4月における20期,30期及び40期の再任及び50期の新任を含む205人中 3人が不適当(平成19年12月7日の議事要旨3頁)
・ 平成21年4月における21期,31期及び41期の再任及び51期の新任を含む166人中 4人が不適当(平成20年12月5日の議事要旨2頁及び3頁)
・ 平成22年4月における22期,32期及び42期の再任及び52期の新任を含む189人中 3人が不適当(平成21年12月1日の議事要旨3頁)
・ 平成23年4月における23期,33期及び43期の再任を含む116人中 3人が不適当(平成22年12月3日の議事要旨3頁)
・ 平成24年4月における24期,34期及び44期の再任を含む101人中 2人が不適当(平成23年12月2日の議事要旨3頁)
・ 平成25年4月における25期,35期及び45期の再任を含む117人中 4人が不適当(平成24年12月10日の議事要旨3頁)
・ 平成26年4月における26期,36期及び46期の再任を含む122人中 2人が不適当(平成25年12月9日の議事要旨2頁及び3頁)
・ 平成27年4月における27期,37期及び47期の再任を含む120人中 2人が不適当(平成26年12月5日の議事要旨3頁)
・ 平成28年4月における28期,38期及び48期の再任を含む121人中 2人が不適当(平成27年12月4日の議事要旨3頁)
・ 平成29年4月における29期,39期及び49期の再任を含む184人中 2人が不適当(平成28年12月2日の議事要旨3頁)
・ 平成30年1月及び4月における30期,40期及び50期の再任並びに新60期の新任を含む154人中 1人が不適当(平成29年12月1日の議事要旨2頁)
・ 平成31年1月及び4月における31期,41期及び51期の再任並びに新61期の新任を含む126人中 1人が不適当(平成30年12月7日の議事要旨2頁)
・ 令和 2年1月及び4月における32期,42期及び52期の再任並びに新62期の新任を含む137人中 4人が不適当(令和元年12月6日の議事要旨2頁)
・ 令和 3年1月及び4月における33期及び43期の再任並びに新63期の新任を含む87人中 2人が不適当(令和2年12月4日の議事要旨3頁)
・ 令和 4年1月及び4月における34期及び44期の再任並びに新64期の新任を含む62人中 0人が不適当(令和3年12月3日の議事要旨2頁)
・ 令和 5年1月及び4月における35期及び45期の再任並びに 65期の新任を含む82人中 1人が不適当(令和4年12月2日の議事要旨2頁)
・ 令和 6年1月及び4月における36期及び46期の再任並びに 66期の新任を含む79人中 0人が不適当(令和5年12月4日の議事要旨3頁)
・ 令和 7年1月及び4月における37期及び47期の再任並びに 67期の新任を含む83人中 2人が不適当(令和6年12月6日の議事要旨2頁)

(2) 毎年9月及び10月の再任
・ 平成22年10月における53期の新任 75人中 0人が不適当(平成22年7月2日の議事要旨3頁)
・ 平成23年10月における54期の新任 97人中 2人が不適当(平成23年7月8日の議事要旨3頁)
・ 平成24年10月における55期の新任 90人中 2人が不適当(平成24年7月5日の議事要旨3頁)
・ 平成25年10月における56期の新任 94人中 1人が不適当(平成25年7月8日の議事要旨3頁)
・ 平成26年10月における57期の新任102人中 1人が不適当(平成26年6月27日の議事要旨3頁)
・ 平成27年10月における58期の新任107人中 0人が不適当(平成27年7月3日の議事要旨3頁)
・ 平成28年10月における59期の新任104人中 0人が不適当(平成28年7月6日の議事要旨3頁)
・ 平成29年  9月における現行60期(任官時52人)を含む69人中 0人が不適当(平成29年7月7日の議事要旨3頁)
・ 平成30年  9月における現行61期(任官時24人)を含む71人中 0人が不適当(平成30年7月6日の議事要旨3頁)
・ 令和元年9月における現行62期(任官時7人)を含む88人中  0人が不適当(令和元年7月5日の議事要旨3頁)
・ 令和2年9月及び10月における53期の再任及び現行63期(任官時4人)を含む149人中 0人が不適当(令和2年7月3日の議事要旨3頁)
・ 令和3年9月及び10月における54期の再任を含む172人中 0人が不適当(令和3年7月2日の議事要旨3頁)
・ 令和4年9月及び10月における55期の再任を含む151人中 0人が不適当(令和4年7月4日の議事要旨3頁)
・ 令和5年9月及び10月における56期の再任を含む156人中 0人が不適当(令和5年7月7日の議事要旨2頁)
・ 令和6年9月及び10月における57期の再任を含む159人中 1人が不適当(令和6年7月5日の議事要旨3頁)
・ 令和7年9月及び10月における58期の再任を含む156人中 1人が不適当(令和7年7月11日の議事要旨2頁)


4 関連記事その他
(1) 平成29年度(最情)答申第48号(平成29年12月1日答申)には以下の記載があります。
    下級裁判所裁判官に任命されるべき者として最高裁判所が指名すべき人数については,法令上,特段の定めはない。また,最高裁判所の職員の口頭説明によれば,以前は任命されるべき人数より1名多く指名するのが通例であったが,下級裁判所裁判官指名諮問委員会が設置された現在では任命されるべき人数と等しい人数を指名しており,これらの事務は慣例によって運用しているものであるから,文書を作成する必要はないとのことである。このような説明の内容は,不合理とはいえない。
(2) 38期の井上薫裁判官は,「諸君!」2006年1月号の80頁ないし88頁に,「あの「靖国傍論」判決批判の裁判官がクビ?我、「裁判干渉」を甘受せず」と題する記事を寄稿していますところ,82頁には以下の記載があります。
     平成一六年一一月のある日、私は、横浜地裁の浅生重機所長から、「判決の理由が短いので改善せよ」と言われた。執務時間中所長室で二人きりの時のことである。
     平成一七年七月一四日、所長面談の時、私は所長から「判決の理由を改善するように言ったのに改善しないので、来年の判事再任は無理である。第二の人生を考えておくように」と言われた。所長面談というのは、所長が裁判官の人事評価をするに先立ち、その裁判官としなければならないものとして制度化された面談であり、公式行事である。余人は立ち会わない。
(3) 以下の記事も参照してください。
・ 下級裁判所裁判官指名諮問委員会委員名簿
・ 平成20年度以降,任期終了により退官した裁判官の一覧
・ 裁判官の再任の予定年月日,及び一斉採用年月日
・ 裁判官の退官情報
・ 裁判官の職務に対する苦情申告方法

転勤した際,裁判所共済組合に提出する書類等

目次
1 転勤した際,裁判所共済組合に提出する書類等
2 関連記事その他

1 転勤した際,裁判所共済組合に提出する書類等
・ 平成29年4月3日付の裁判所共済組合最高裁判所支部のお知らせによれば,転入者及び新採用者は,裁判所共済組合に対し,以下の書類のうちの該当書類を提出する必要があります。
① 被扶養者申告書
② 被扶養者申告書(取消)
③ 長期組合員資格取得届
④ 長期組合員資格変更届
⑤ 国民年金第3号被保険者住所変更届
⑥ 児童手当・特例給付認定請求書
⑦ 財形貯蓄変更申込書(「年金」・「住宅」)
⑧ 財形貯蓄変更申込書(「一般」)
⑨ 旧組合員証・旧組合員被扶養者証・旧限度額適用認定証・旧高齢者受給者証
⑩ (確定拠出年金)第2号加入者に係る事業主の証明申請書

2 関連記事その他
(1) 平成29年8月22日付の司法行政文書不開示通知書によれば,裁判所の新規採用職員が裁判所の共済組合に加入する際,どのような書類を裁判所が作成することになっているかが分かる文書は存在しません。
(2) 以下の記事も参照してください。
・ 毎年4月1日付の人事異動等に関する最高裁判所裁判官会議
・ 裁判官人事の辞令書
・ 裁判官の転勤の内示時期


最高裁判所事務総局の組織に関する法令・通達

目次
1 最高裁判所事務総局の組織に関する法令・通達
2 最高裁判所事務総局の職員は本来,裁判所事務官又は裁判所技官であること
3 司法行政上の事務を掌る職に判事又は判事補を充てる運用を行っていること等
4 最高裁判所規則,最高裁判所規程及び通達の違い
5 関連記事その他

1 最高裁判所事務総局の組織に関する法令・通達
・ 最高裁判所事務総局規則(昭和22年12月1日最高裁判所規則第10号)
・ 最高裁判所事務総局分課規程(昭和22年12月1日最高裁判所規程第5号)
・ 最高裁判所事務総局等の組織について(平成元年3月22日付の最高裁判所事務総長通達)
・ 最高裁判所事務総局等職制規程(昭和43年4月20日最高裁判所規程第2号)
・ 職制の実施について(平成4年7月20日付の最高裁判所事務総長通達)
・ 裁判官及び裁判官の秘書官以外の裁判所職員の標準的な官職を定める規則(平成21年3月31日最高裁判所規則第6号)
・ 裁判官及び裁判官の秘書官以外の裁判所職員の官職の属する職制上の段階等について(平成21年3月31日付の最高裁判所事務総長依命通達)
・ 裁判官以外の裁判所職員の任免等に関する規則(昭和25年1月20日最高裁判所規則第4号)

裁判官及び裁判官の秘書官以外の裁判所職員の官職の属する職制上の段階等について(平成21年3月31日付の最高裁判所事務総長依命通達)別表です。

2 最高裁判所事務総局の職員は本来,裁判所事務官又は裁判所技官であること
(1) 最高裁判所事務総局の職員(裁判所法53条2項)としての事務次長,審議官,家庭審議官,局長,課長,参事官,局付及び課付は本来,裁判所事務官又は裁判所技官を以て充てることになっています(最高裁判所事務総局規則(昭和22年12月1日最高裁判所規則第10号)3条1項,3条の2第1項,3条の3第1項,4条1項,5条1項,6条の2第2項,7条2項)。
(2) 運用上,司法行政上の職務に関する規則(昭和25年1月17日最高裁判所規則第3号)1項に基づき局長ポストの全部及び課長ポストの相当部分が判事を以て充てられています。
   ただし,2人の審議官のうちの1人は裁判所事務官出身者であり,家庭審議官は家庭裁判所調査官出身者を以て充てられています。
(3) 最高裁判所事務総長(裁判所法53条1項)は常に裁判所事務官です(平成30年度(最情)答申第83号(平成31年3月15日答申))。

3 司法行政上の事務を掌る職に判事又は判事補を充てる運用を行っていること等
(1)ア 「最高裁判所とともに」(著者は高輪1期の矢口洪一 元最高裁判所長官)180頁及び181頁には以下の記載があります。
   たとえば裁判所の中でも、司法行政に従事する有資格事務官と判事、判事補の格差の問題があったのです。裁判をするかどうか、で形式的に区分することとして発足したのですが、事務総局等司法行政事務部門で有資格者が不可欠である以上、事務官への任命により昨日までの判事の待遇を下回る給与とすることは実務上不可能で、昭和二四年六月には、最高裁判所調査官、研修所教官や司法行政上の職に、判事、判事補を、そのままの身分で充てることができるようにされています。
イ 昭和24年6月1日法律第177号は,「最高裁判所は、当分の間、特に必要があるときは、裁判官又は検察官を以て、司法研修所教官に、裁判官を以て、裁判所調査官に充てることができる。」と定める裁判所法附則3項を追加しましたところ,「司法行政上の職に、判事、判事補を、そのままの身分で充てる」根拠は,司法行政上の職務に関する規則(昭和25年1月17日最高裁判所規則第3号)1項であると思います。
(2) 裁判所法逐条解説上巻111頁には以下の記載があります。
   司法行政に関する事項の審議立案その他司法行政上の事務を掌る職のうち、最高裁判所において指定するものは、判事または判事補をもってあてることができるものとされており(司法行政上の職務に関する規則)、事務次長、事務総局の各局長その他の職がこれに指定され、東京高等裁判所,東京地方裁判所または東京家庭裁判所の判事または判事補の相当数が、これらの職にあてられている。
(3) 平成30年度(最情)答申第82号(平成31年3月15日答申)には以下の記載があります。
   司法行政上の職務に関する規則1項は,「司法行政に関する事項の審議立案その他司法行政上の事務を掌る職のうち,最高裁判所において指定するものは,判事又は判事補をもってあてる」と定めるところ,最高裁判所事務総長の上記説明によれば,最高裁判所裁判官会議において個別の裁判官の転補等に係る議決をすることをもって,司法行政上の事務を掌る職に判事又は判事補を充てる運用を行っているため,当該議決とは別に該当する職の指定についての文書や該当する職を一覧的に記載した文書を作成してはいないとのことであり,このような説明の内容が不合理とはいえない。

 最高裁判所規則,最高裁判所規程及び通達の違い
    最高裁判所規則,最高裁判所規程及び通達の違いは以下のとおりです(文書事務における知識付与を行うためのツールの改訂版(平成31年3月7日付の配布文書)参照)。
・ 最高裁判所規則とは,主に訴訟当事者その他一般国民に関係のある事項又は重要な事項について定めるものであって,公布を要するものをいいます。
・ 最高裁判所規程とは,主に裁判所の内部規律等について定めるものであって,公布を要しないものをいいます。
・ 通達とは,上級庁が下級庁に対し,又は上級の職員が下級の職員に対し,職務運営上の細目的事項,法令の解釈,行政運営の方針等を指示し,その他一定の行為を命ずるものをいいます(裁判所法80条参照)。

文書事務における知識付与を行うためのツールの改訂版(平成31年3月7日付の配布文書)からの抜粋です。

5 関連記事その他
(1)ア 令和4年7月4日,最高裁判所HPの「最高裁判所の主な規程・通達等」に,①規程,及び②通達・通知・事務連絡等(司法組織法廷訟廷事務民事事件刑事事件家事事件少年事件及びその他)が掲載されるようになりました。
イ 最高裁判所規則は,官報により公布されることによって広く周
知が図られている上,その条文については,不特定多数の者に販売することを目的として発行されている法令集などにより容易に入手可能であることから,司法行政文書開示手続の対象になっていません(平成28年度(最情)答申第39号(平成28年12月2日答申)参照)。
(2) 最高裁判所の訟廷事務につき,昭和38年4月30日までは最高裁判所事務総局訟廷部で取り扱っていたものの,同年5月1日以降,最高裁判所大法廷首席書記官の掌るところとなり(大法廷首席書記官等に関する規則1条3項),最高裁判所事務総局の所掌事務から外れました(裁判所法逐条解説・上巻111頁)。
(3)ア 以下の資料を掲載しています。
・ 一元的な文書管理システム教材の改訂版(令和2年3月24日付の配布文書)
・ 文書事務における知識付与を行うためのツールの改訂版(平成31年3月7日付の配布文書)
イ 以下の記事も参照してください。
・ 最高裁判所の職員配置図(平成25年度以降)
・ 
最高裁判所が作成している,最高裁判所判事・事務総局局長・課長等名簿
・ 最高裁判所事務総局の各係の事務分掌(平成31年4月1日現在)
 裁判所の指定職職員
 裁判所の指定職職員の名簿(一般職)

最高裁判所事務総局情報政策課

目次
1 情報政策課の設立
2 情報政策課の構成
3 CIO補佐官
4 関連記事その他

1 情報政策課の設立
(1) 最高裁では,司法制度改革審議会意見書(平成13年6月),司法制度改革推進計画要綱(平成14年3月)及び裁判事務処理システムの全国展開の中止(平成16年5月)を踏まえて,裁判所の情報化の在り方や中長期的なIT戦略に基づく有効なシステム開発を検討するための態勢を整備する必要性が認識されていました。
   そこで,局課横断的に裁判所全体の観点から,その情報化を計画的に進展させ,多様なシステム相互の最適化を図りつつ,必要なインフラを整備し,システム開発を推進,調整していくため,平成17年1月1日をもって,総務局制度調査室及び統計課が廃止され,新たに,どこの局にも属さない事務総長直属の課として,情報政策課が設立されました(会報書記官(平成18年7月発行)第8号29頁等参照)。
(2) 平成17年12月,情報化戦略計画が策定されました。

2 情報政策課の構成
(1) 情報政策課の職員
ア 平成28年4月1日現在,情報政策課の職員が59人です。
   内訳は,裁判官2人,一般職55人及び民間人2人(CIO補佐官及びCIO補佐官補助者)です。
イ   CIO(Chief Information Officerの略称)は,組織内の情報システムや情報の流通を統轄し,組織の情報戦略を総括する担当責任者です。
   裁判所では,情報政策課長がCIOです。
(2) 情報政策課長以下のポスト
① 参事官(裁判官1人,一般職1人)
→ 参事官ポストの裁判官は平成29年4月1日,情報セキュリティ室長となりました。
② 審査官(庶務主任),課長補佐3人,専門官5人
③ 庶務係,情報企画第一係,情報企画第二係,情報基盤管理係,情報セキュリティ係,情報処理第一係,情報処理第二係,統計情報係及び統計システム係


3 CIO補佐官
・ 最高裁判所の令和4年度概算要求書(説明資料)75頁には,「CIO補佐官【要望】」として以下の記載があります。
<要求要旨>
     政府全体として情報化推進体制を確立し,行政の情報化等を一層推進することにより国民の利便性の向上を図るとともに行政運営の簡素化,効率化,信頼性及び透明性の向上に資することを目的として電子政府の構築が進められており,電子政府の取組を推進し,かつ,府省内の情報化戦略の策定等を行うために各府省に情報化統括責任者(CIO)が置かれているところ,「各府省情報化統括責任者(CIO)連絡会議」において,CIO等に対する支援・助言等を行う者としてCIO補佐官を配置することが決定された。
     CIO補佐官には,業務分析手法,情報システム技術及び情報セキュリティに関する専門的な知識・経験を有する外部専門家を充てることとされており,裁判所においても平成16年度にCIO補佐官の配置経費が,平成17年度にCIO補佐官の補助要員の配置経費が認められた。
     令和3年9月のデジタル庁設置に伴い,同庁が各府省のシステム等を統括することとなるが,裁判所はその対象外であるため,依然,CIO補佐官及び同補助者の支援・助言等が必要である。
     CIO補佐官の業務内容は,①情報化戦略計画に基づき,かつ,政府・民間の動向を踏まえた情報化及び全体最適化の推進に係る指導・支援・助言,②情報セキュリティポリシー,その他個人情報保護の観点を踏まえた情報セキュリティ対策の充実(情報セキュリティポリシーの実効性の向上,情報システム及び最高裁判所データセンタ等の情報化基盤(以下「情報システム等」という。)のセキュリティの向上等)に係る指導・支援・助言,③情報システム等の企画・開発・改修・運用保守等の各段階における作業(仕様書の作成,見積書の取得,提案書の評価,関係事業者との対応等)に係る指導・支援・助言,④情報化関連予算の効果的な作成及び効率的な執行に係る指導・支援・助言,⑤情報システム等の調達に係る指導・支援・助言,⑥情報化を担う職員の育成に係る指導・支援・助言,⑦ITに関する各府省共通の課題等の分析・解決方法の検討に係る指導・支援・助言,⑧その他,最高情報セキュリティアドバイザー等連絡会議等(午後5時以降に開催されることのあるフォーラム等を含む。)への出席,関係資料の作成等,多岐にわたる。
     そこで,令和4年度も,引き続きCIO補佐官及び同補助者を配置するための経費を要求する。


4 関連記事その他
(1)  令和元年6月13日付の理由説明書には以下の記載があります。
     最高裁判所は,我が国唯一の最上級裁判所として裁判手続及び司法行政を行う機関であり,最高裁判所判事や事務総局の各局課館長は,裁判所の重大な職務を担う要人として,襲撃の対象となるおそれが高く,その重大な職務が全うされるように,最高裁判所の庁舎全体に極めて高度なセキュリティを確保する必要がある。
(2) デジタル庁HP「デジタル社会の実現に向けた重点計画」が載っています。
(3)ア 以下の文書を掲載しています。
・ 最高裁判所事務総局情報政策課事務分掌(平成31年4月1日現在)
・ 裁判統計における参考資料(月報・年表・事件票)→令和元年12月の最高裁判所情報政策課の文書
・ 裁判所の情報化と情報セキュリティについて(平成29年2月16日)
・ 裁判所の現状と課題~情報政策の観点から~(平成29年4月18日)
・ 裁判官用のセキュリティ機能付きUSBメモリの運用要領について(平成31年4月12日付の最高裁判所情報政策課の事務連絡)2通
・ 情報セキュリティポリシーに関するFAQ(令和3年7月1日最終更新の,最高裁判所情報政策課情報セキュリティ室情報セキュリティ係の文書)
イ 以下の記事も参照してください。
・ 歴代の最高裁判所情報政策課長
・ 裁判所における主なシステム
・ 裁判所の情報化の流れ
 最高裁判所裁判官及び事務総局の各局課長は襲撃の対象となるおそれが高いこと等
 最高裁判所事務総局の各係の事務分掌(平成31年4月1日現在)
・ 最高裁判所の職員配置図(平成25年度以降)
・ 裁判統計報告

黒野功久裁判官(40期)の経歴

生年月日 S38.1.6
出身大学 関西大
定年退官発令予定日 R10.1.6
R7.2.27 ~ 大阪地裁所長
R5.5.25 ~ R7.2.26 大阪高裁13民部総括
R2.12.15 ~ R5.5.24 高松地裁所長
R2.1.3 ~ R2.12.14 高知地家裁所長
R1.5.13 ~ R2.1.2 神戸地裁3民部総括(破産再生執行保全部)
H29.4.1 ~ R1.5.12 大阪高裁5民判事
H27.4.1 ~ H29.3.31 大阪国税不服審判所長
H23.4.1 ~ H27.3.31 大阪地裁14民部総括(執行部)
H22.4.1 ~ H23.3.31 大阪地裁17民判事
H19.4.1 ~ H22.3.31 徳島地裁民事部部総括
H16.4.1 ~ H19.3.31 京都地裁判事
H14.4.1 ~ H16.3.31 大阪地裁判事
H11.3.25 ~ H14.3.31 書研教官
H10.4.12 ~ H11.3.24 大阪地裁判事
H8.4.1 ~ H10.4.11 大阪地裁判事補
H5.4.1 ~ H8.3.31 宮崎地家裁判事補
H2.4.1 ~ H5.3.31 千葉地家裁松戸支部判事補
S63.4.12 ~ H2.3.31 大阪地裁判事補

*1 以下の記事も参照してください。
・ 歴代の大阪地裁所長
・ 毎年6月開催の長官所長会同
・ 新任の地家裁所長等を対象とした実務協議会の資料
・ 判事補の外部経験の概要
・ 行政機関等への出向裁判官
・ 部の事務を総括する裁判官の名簿(昭和37年度以降)
・ 地方裁判所の専門部及び集中部
・ 裁判所職員総合研修所の研修実施計画
・ 地方裁判所支部及び家庭裁判所支部
・ パワハラの有無等が争われた大阪高裁令和7年3月14日判決(AI作成の判例評釈)