厚生労働省労働基準局の,文書送付嘱託に対する対応(要旨)


目次

第1 厚生労働省労働基準局の,文書送付嘱託に対する対応(要旨)
第2 関連記事

第1 厚生労働省労働基準局の,文書送付嘱託に対する対応(要旨)
・ 平成30年度全国労災補償課長会議資料のうち,資料Ⅵ-5 平成30年3月26日付け事務連絡「文書提出命令等に係る業務参考資料の送付について」に含まれる「厚生労働省労働基準局の,文書送付嘱託に対する対応(要旨)」によれば,以下のとおりです。

文書送付嘱託に対する対応(要旨)

文書送付の嘱託に対して労働基準行政機関が保有する各文書を裁判所に提出するに当たっては、①文書提出者等が当該文書の一部分について開示を望まない場合、当骸部分を黒塗りして提出すること、②同意の確認に関する経過について記録することに留意し、下記により対応。

1 関係者からの提出文書
◯ 文書送付の嘱託申立人(申立人)から提出された文書→写しを提出
◯ 申立人以外の者から提出された文書→同意が得られた場合にのみ、写しを提出
◯ 同意が得られなかった場合→文書の標題のみを回答
◯ 文書に申立人以外の者の情報が記載されている場合→当該部分を黒塗りして提出

2 関係者からの聴取書等
◯ 申立人の聴取書等→写しを提出
◯ 申立人以外の者の聴取書等→当該者の秘密に関する情報の保護に十分配意し、次の手順により処理
① 聴取した者に対し、文書送付の嘱託に応じてよいかどうかの同意確認を実施
② 同意が得られた場合→聴取書等の写しを裁判所に提出
③ 同意が得られない場合→その旨を次の例を参考に文書により裁判所に回答
「◯月◯日、文書送付の嘱託のあった件につき、◯◯ほか◯名の聴取書(写)を別添のとおり送付しますもなお、◯名については本人の同意が得られなかったため提出は差し控えます。』
同意の得られなかった者についてはその人数のみを回答
同意しない者が訴訟の相手方当事者であるときは、相手方当事者の氏名を回答

3 労働基準行政機関が発出した文書
◯ 労働基準行政機関が、申立人に発出した文書→写しを提出
◯ 当該文書に、申立人以外の者に係る情報が記載されている場合→当該部分を黒塗りして提出
◯ 申立人以外の者に発出した文書→上記2の手順に準じて処理。

4 医師の作成した文書等
◯ 医師の意見書等の文書→当該医師等に対し、同意確認を行った上で、同意が得られた場合にのみ、その写しを提出
◯ 同意が得られなかった場合→上記2の③の手順に準じて処理

5 他の官公署からの各種証明書等
◯ 基本的には他の官公署において提出を判断’
◯ 災害発生後相当期間経過し、当該証明書等を保有していないなど、当時の証明等を改めて当該官公署から求めることが困難な場合に限り、労働基準行政機関が文書提出に協力

6 労働基準行政機関の職員が作成した復命書等
◯ 労働基準行政機関の職員が作成した復命書等の文書に係る文書送付の嘱託がなされた場合、当該文書の記載内容に応じて個別に対応
◯ 文書提出の範囲→原則として、①調査担当官が職務上知ることができた事業場等にとっての私的な情報に関する部分とし、②行政内部の意思形成過程に関する情報の部分については、黒塗りして提出
◯ ①の情報に該当するもののうち、申立人に係る情報→該当部分について提出
◯ 申立人の相手方当事者に係る情報→同意確認を行い、同意が得られなかった部分については、公知の事実を除き、不提出
◯ 申立人及び申立人の相手方当事者以外の第三者を特定する情報→同意確認が困難であることから、黒塗りして提出
◯ 同意確認に際して、対象文書そのものの提示が困難である場合、提出対象とされる各情報の項目を列挙して提示をするなど、包括的な方法によらざるを得ないことから、同意の判断は、守秘義務の観点から慎重に実施
◯ 関係者から聴取した内容がそのまま記載又は引用されている部分、医師の作成した文書等からそのまま記載又は引用されている部分→上記1ないし4と同様

第2 関連記事その他

1 以下の資料を掲載しています。
・ 裁判所からの文書送付嘱託等に対する監督復命書の取扱いについて(平成19年2月15日付の厚生労働省労働基準局監督課の文書)
・ 裁判所からの文書送付嘱託等への対応に係る標準事務処理要領(平成27年5月・厚生労働省労働基準局安全衛生部)
・ 監督指導実務実習・演習(定期監督)(記載例)
→ 令和2年度新任労働基準監督官(後期)研修の資料です。
2 以下の記事も参照してください。
・ 労災保険に関する書類の開示請求方法
・ 刑事記録の入手方法等に関する記事の一覧
・ 弁護士会照会


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