第1 身に覚えのない継続課金に気付いたとき
海外のサービスから毎月請求されていると気付いたときは,契約先と請求内容を確認し,今後の更新を止める手続と,既に支払った代金の返金申入れを分けて進める必要がある。
まず,利用したサイト,申込完了メール,アカウントの契約画面及びカード利用明細を保存し,契約先の解約窓口とカード会社に連絡する。
国民生活センターは,安価な試用だと思って申し込んだ後に月額料金が発生する海外サブスクリプションの相談事例を公表している。
少額の初回決済だけで契約内容を判断せず,自動更新の有無,次回請求日及び解約条件まで確かめることが出発点となる。
出典:国民生活センター・海外サブスクリプション契約の注意喚起
1 自分の申込みによる請求かを確認する
最初に,請求日,金額,通貨,明細上の事業者名及び利用したメールアドレスを照合する。
家族の利用,別のアカウント,アプリストア経由の契約も考えられるため,明細の表示だけで請求先を決めつけない。
申込み自体に心当たりがないときは,不正利用の疑いとしてカード会社にその旨を伝える。
2 サービスの利用停止と契約の解約を区別する
アプリを削除したこと,サイトにアクセスしなくなったこと及びカードを変更したことだけで,事業者との契約が解約されたとは判断できない。
契約画面や規約に従って自動更新の停止又は解約を申し入れ,処理完了画面と確認メールを保存する。
解約後も利用できる契約では,利用終了日と次回更新が停止したことをそれぞれ確認する。
第2 解約できないときに残す資料
解約ボタンが見つからない場合や,操作してもエラーになる場合は,その画面と日時を記録する。
問い合わせフォームを送信した場合も,送信内容,受付番号,自動返信及びその後の回答を一組で残す。
個人情報が写る画面は,第三者への相談時に必要な範囲で提示し,公開の掲示板等には載せない。
次の資料があれば,いつ,何を,どの条件で申し込んだのかを説明しやすい。
– 申込みに至った広告,サイトのURL及び価格表示
– 試用期間,自動更新,請求周期及び解約期限の表示
– 最終確認画面,申込完了メール及び当時の利用規約
– 各回の請求日・金額・通貨が分かる利用明細
– 解約操作の記録,連絡履歴及び解約完了の通知
契約時の表示は後から変わることがある。
現在の画面だけで当時の説明を再現しようとせず,保存済みのメールや画像を優先して整理する。
第3 事業者への申入れ方
1 今後の自動更新を止める申入れ
事業者には,契約を特定できるメールアドレスや注文番号を示して,自動更新の停止又は解約を求める。
その際,解約の効力が生じる日,最終請求の対象期間及び手続完了の確認方法を尋ねる。
解約窓口を確認できないときは,契約画面,申込メール及び規約に記載された連絡先を照合する。
2 既に支払った代金の返金を求める申入れ
返金については,対象となる請求日と金額を挙げ,理由を具体的に伝える。
例えば,継続契約の表示を確認できなかった,期限内に解約したのに請求された,又はサービスが提供されていない,という事情である。
単に「使っていない」とだけ伝えるより,表示や解約履歴との不一致を示す方が,争点を明確にできる。
解約が完了しても,過去の請求が当然に返金されるわけではない。
反対に,一部返金の回答があった場合も,今後の更新が止まっているかは別に確認する必要がある。
3 日本法による取消し等を一律に断定しない
消費者庁の特定商取引法ガイドは,通信販売の広告表示や申込段階の表示に関する規制を説明している。
通信販売には一般的なクーリング・オフ制度がなく,サービス契約について「8日以内なら理由を問わず全額返金される」とは扱えない。
海外事業者との取引では,日本法の適用範囲や契約の準拠法も確認する必要があるため,具体的な取消し・解除等の根拠は,表示内容と契約条件を示して相談するのが適切である。
出典:消費者庁・通信販売
第4 カード会社と消費生活相談窓口への相談
カード会社には,請求内容,事業者への解約・返金申入れ及びその回答を伝え,調査に必要な資料と申出期限を確認する。
不正利用の申出と,自分が申し込んだ契約の解約・返金の紛争は事情が異なるため,申込みの有無を正確に説明する。
支払いの取消しや返金の取扱いは事案と手続によるので,チャージバックが必ず利用できる,又は必ず認められると考えない。
国内の相談窓口は消費者ホットライン188,海外事業者との取引については国民生活センター越境消費者センター(CCJ)である。
相談時には,契約先の所在国が分かる資料,請求の一覧及び時系列を用意すると説明しやすい。
相談先への連絡後も,翌月以降の利用明細を確認し,継続請求が止まったかを確かめる。
出典:国民生活センター・海外サブスクリプション契約の注意喚起
第5 相談に持参する時系列メモ
相談用のメモは,「申込日・初回金額」「継続課金に気付いた日」「解約操作日」「返金申入れ日」「事業者の回答」「その後の請求」の順でまとめるとよい。
各出来事に対応するメールや画像のファイル名を添え,返金を求める請求と今後止めたい請求を区別する。
これは一般的な資料整理の方法であり,特定の返金請求が認められることを保証するものではない。