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日弁連の嘱託弁護士とは―仕事内容,委嘱・任期と事務局職員との違い(AI作成)

第1 日弁連の嘱託弁護士とは

1 専門的な調査や会務を支える弁護士

日弁連の嘱託弁護士とは,日弁連から委嘱を受け,担当する室や委員会等で専門的な調査,資料作成その他の会務を担う弁護士である。
例えば,調査室の司法に関する調査研究,刑事調査室の刑事司法に関する調査・情報整理,綱紀委員会調査員による記録の精査等がある。
仕事内容と委嘱の根拠は担当先ごとに確認する必要があり,「嘱託」という名称だけで,全員の任期,勤務日数又は契約条件が同じであると理解することはできない。

本記事は,令和8年10月18日に日弁連の公開サイトで確認した規程と,令和6年公表の就任者インタビューを基に,制度と具体的な業務例を整理したものである。
平成24年刊行の『弁護士業務ハンドブック』は当時の組織を説明する資料として参照し,当時の室名や人数を現在値として用いない。

2 事務総長・事務次長や事務局職員との違い

事務総長及び事務次長は,日弁連会則82条の2に置かれた役職である。
事務総長は会長の命を受けて日弁連の事務を掌理し,事務局職員を指揮監督し,事務次長は事務総長を補佐する。
これに対し,本記事で取り上げる各室の嘱託は,それぞれの規程に基づき,専門分野の調査等を担当する。

事務局職員の任免は,事務局職制4条により会長が行う。
一方,調査室規程4条,刑事調査室規則3条3項及び研修・業務支援室規則3条3項は,嘱託について,事務総長の推薦に基づき会長が委嘱すると定めている。
職員の採用・任免と,これらの規程に基づく嘱託の委嘱は,分けて読む必要がある。

第2 どのような仕事をするのか

1 調査室

調査室規程1条は,調査室の職務を司法に関する調査研究と定めている。
同規程2条は室長及び嘱託若干名を置くものとし,3条は嘱託の中から会長が室長を指名すると定めている。
また,6条は,会長の求めにより,嘱託が日弁連の会議に出席して意見を述べることができるとしている。

『弁護士業務ハンドブック』(平成24年)20頁は,当時の調査室について,司法に関する調査研究のほか,単位会の会則・会規等の審査,会長及び事務総長の諮問への回答,関連する委員会の支援等を紹介している。
これは調査業務の具体像を知る資料になるが,同書に記載された人員構成を現在の体制とみなすことはできない。

2 刑事調査室

刑事調査室規則2条は,刑事司法制度及び刑事司法に係る立法課題に関する調査・研究・資料作成と,刑事司法関係の会務に関する情報の収集・分析・保存・管理・提供を掲げている。
同規則3条は室長及び嘱託を置くものとし,副室長を置くことも認めている。

令和6年10月28日公表の法友会のインタビューで,大橋君平弁護士は,刑事司法の制度・運用の調査,会内外への情報発信,法制審議会等の日弁連推薦委員の支援,各種委員会や国際機関・大使館からの照会への対応を説明している。
これは本人が述べる当時の実務例であり,現在の全嘱託が同一の担当範囲を持つという意味ではない。

3 研修・業務支援室

研修・業務支援室規則2条は,弁護士の研修方法・研修制度の調査研究,業務や倫理に関する研修の企画立案,業務分野の調査研究,弁護士及び弁護士業務の情報提供,弁護士の地域的・分野的偏在や法人問題等に関する調査研究を掲げている。
同規則3条は,室長及び嘱託若干名を置くものとしている。

嘱託弁護士の仕事は,個別事件の受任に限られない。
弁護士全体の研修や業務の基盤を整える調査・企画も,規則に位置付けられた職務である。

4 綱紀委員会調査員の業務例

法友会が令和6年10月28日に公表した吉直達法弁護士のインタビューは,日弁連嘱託である綱紀委員会調査員の仕事を紹介している。
原審の弁護士会の議決書及び記録を精査し,議決書の誤り等を点検するとともに,綱紀委員会の議決に供する調査メモや議決例集の要旨を作成するというものである。

この説明では,調査員が資料を精査してメモを作成することと,綱紀委員会が議決することとは区別されている。
調査員の職務を紹介する際に,調査員自身が委員会の議決を行うと読み替えることは適切でない。

第3 誰が委嘱し,任期は何年か

1 事務総長の推薦と会長の委嘱

調査室規程4条,刑事調査室規則3条3項及び研修・業務支援室規則3条3項は,いずれも,事務総長の推薦に基づいて会長が嘱託を委嘱すると定めている。
これは3つの室について確認できる正式な手続であり,日弁連の全ての嘱託ポストに,そのまま同じ規定が適用されるという説明ではない。

大橋君平弁護士の前記インタビューには,前任者の国際刑事裁判所への赴任に伴い,国際関係業務の後任として打診を受けたという就任経緯も記されている。
このような個別の打診例と,規程に定められた推薦・委嘱の手続は別の側面であり,常に同じ方法で候補者が募集されるとまではいえない。

2 任期は担当する室の規程で異なる

調査室規程5条は,嘱託の任期を,1年を超えない範囲で委嘱の際に事務総長が定める期間とし,再任を認めている。
一方,刑事調査室規則3条7項及び研修・業務支援室規則3条4項は,2年を超えない範囲で委嘱の際に事務総長が定める期間とし,再任を認めている。

したがって,「日弁連の嘱託弁護士の任期は一律2年」とする説明は正確でない。
1回の委嘱に係る任期の上限と,再任を重ねた実際の在任期間も区別する必要がある。
前記の綱紀委員会調査員のインタビューにある長期在任の話も,そのまま全嘱託に共通する法定の任期を示すものではない。

第4 報酬,勤務条件及び通常業務との関係

1 職員の募集要項を嘱託の条件と混同しない

日弁連の職員採用ページには,総合職の正職員に関する給与,勤務時間,休日等が掲載されている。
これらは同ページが対象とする職員の条件であり,嘱託弁護士の報酬や勤務時間を示す資料として転用することはできない。

報酬や勤務日数等を調べる際には,対象ポストを特定し,その募集要項,委嘱条件その他の資料を確認する必要がある。
本記事で参照した3つの室の規程は,嘱託の任期や委嘱手続を定めているが,嘱託弁護士の一律の年収額を示すものではない。

2 通常の弁護士業務との両立

大橋君平弁護士の前記インタビューには,個別事件の経験の重要性を述べる一方,嘱託業務との関係で個別事件に取り組む機会を減らしているとの説明がある。
嘱託業務と通常の弁護士業務を両立する具体例として参考になるが,これだけから全嘱託の勤務日数や兼業条件を一律に説明することはできない。

就任を検討する場合には,担当する業務の範囲,会議への出席,資料の作成期限,通常業務との調整等を,対象ポストに即して確認することになる。
「非常勤」「嘱託」という呼称だけから,具体的な拘束時間又は契約上の地位を決め付けないことが重要である。

第5 よくある質問

1 日弁連の嘱託弁護士は何をするのか

担当先に応じて,司法制度・刑事司法等の調査研究,資料作成,委員会等の支援,研修の企画,綱紀事件の記録精査等を行う。
正式な職務は各規程で確認し,インタビューはその公表時点の具体的な実務例として読むのが適切である。

2 嘱託弁護士の任期は2年か

一律に2年ではない。
調査室は1年以内,刑事調査室と研修・業務支援室は2年以内で,委嘱の際に事務総長が期間を定める仕組みであり,いずれも再任できる。
これは本記事で確認した3つの室の規程についての説明である。

3 日弁連職員の初任給が嘱託弁護士の報酬になるのか

職員の採用ページにある初任給は,同ページが対象とする正職員の条件である。
嘱託弁護士の報酬を調べるには,その嘱託ポストの委嘱条件等を別に確認する必要がある。

4 嘱託弁護士と事務次長は同じ役職か

同じ役職ではない。
事務次長は会則に基づき事務総長を補佐する役職であり,各室の嘱託は担当規程に基づく調査等の業務を担う。
詳しくは,日弁連の事務総長及び事務次長を参照されたい。

第6 関連記事

日弁連の組織

日弁連事務局

日弁連の事務総長及び事務次長

第7 出典・参考資料

① 日本弁護士連合会「調査室規程」1条~6条

② 日本弁護士連合会「刑事調査室規則」2条及び3条

③ 日本弁護士連合会「研修・業務支援室規則」2条及び3条

④ 日本弁護士連合会「会則」82条の2・82条の3及び「事務局職制」2条・4条

⑤ 法友会「日本弁護士連合会 嘱託(刑事調査室) 大橋君平先生」(令和6年10月28日)質問1~4

⑥ 法友会「日本弁護士連合会 嘱託(綱紀委員会調査員) 吉直達法先生」(令和6年10月28日)質問1~5

⑦ 日本弁護士連合会「日弁連職員の採用情報」(令和8年10月18日確認)

⑧ 日本弁護士連合会調査室編『弁護士業務ハンドブック』(日本加除出版,平成24年)20頁~22頁(PDF実頁30頁~32頁)