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Claudeへの暴言は規約違反か―2026年11月の利用ポリシーと法律実務(AI作成)

第1 改定の適用日と,確認する二つの問題

Anthropicは,2026年10月8日,利用ポリシーの更新を発表した。新しいポリシーの適用予定日は同年11月12日である。本記事は10月26日時点で公表された内容を扱う。

確認したいのは,AIに対する批判や修正要求がどこまで認められるかという問題と,法律相談・書面作成に利用する際の条件である。「Claudeに怒ると直ちに利用停止になる」「法律業務には使えない」という理解では,公式資料の条件を捉えられない。

以下では,利用ポリシー本文と,改定についての公式発表を分けて読む。利用ポリシーはサービスの利用条件であり,日本の法令又は裁判所の判断そのものではない。

第2 通常の不満や誤りの指摘まで禁止する趣旨ではない

1 ポリシー本文と公式発表の説明

ポリシー本文には,モデルに対する継続的で不必要な虐待的又は残酷な言動を禁止する項目がある。公式発表は,目的を見いだせない反復的な残酷行為という極端な場合を対象とし,通常の不満,反論,暗い題材の創作,テスト及び研究まで禁止する趣旨ではないと説明している。

この説明を踏まえると,「その判例は実在しない。原典を確認して訂正してほしい」と求めることまで,禁止された行為として扱う理由はない。一方,今回確認した公式資料には,どの言葉を何回使えば該当するという数値基準は示されていないため,独自の判定基準を作って断定することも避けたい。

2 会話終了とアカウントへの措置は同じではない

公式発表は,この項目について会話の終了を主な対応方法と説明している。他方,ポリシーの一般的な執行条項には,警告,利用や機能の制限,停止及び終了等が留保されている。「必ずアカウントが停止される」とも,「会話が終わるだけで他の措置は絶対にない」ともいえない。

また,ポリシー本文は,出力が遮断されたことだけで利用者の違反を意味するわけではないとしている。画面上の拒否や会話の終了だけから,規約違反の認定があったと推測しないことが大切である。

第3 法律相談・書面作成で確認する条件

1 具体的な助言や署名・提出用の法律文書

ポリシーの高リスク利用に関する項目では,個人の権利・義務・責任や具体的な法律問題についての助言,署名又は提出のための法律文書の準備などが対象として挙げられている。

対象となる利用では,その分野の出力を評価できる訓練又は経験を備えた人が,提供又は決定の実施前に内容を実質的に審査し,必要な変更を行えることが求められる。法律上資格が必要な場合はその資格も必要であり,審査者は正確性や適切性に責任を負う。対象となる人へのAI利用の明確な開示も条件である。開示に際し,Claude等の製品名まで示すことを同ポリシーが要求しているわけではない。

公式発表によれば,人による審査と開示は,今回初めて導入された条件ではない。今回の改定は適用範囲や条件を明確にするものと説明されている。

2 一般情報や内部作業にも除外の条件がある

ポリシーは,個人の事情に当てはめない一般情報や,最終的に提供される高リスクの推奨そのものではない内部の起案・調査・要約・分析等を除外する。この条件を落として,「要約なら全て対象外」「内部で作れば最終的な助言にも条件はない」と広げることはできない。

例えば,公開法令の見出しを整理する作業と,特定の依頼者が契約を解除できるかについて結論を出して伝える作業では,成果物の役割が異なる。作業名だけで区分せず,誰に何を提供するのかを先に決める方法が考えられる。

第4 法律事務所の手順へ落とし込む

1 修正要求を,検証できる指示にする

次は,本記事の運用提案であり,Anthropicが定めた必須の指示文ではない。

「間違いを直して」だけで終えず,問題のある記載,確認すべき原資料,修正できる範囲及び未確認の場合の扱いを指定する。例えば,「この判例引用について,裁判所,年月日,事件番号及び判決本文の該当箇所を確認する。本文が得られなければ引用を確定せず,未確認の理由を示す」と指示する。

文章が自然になったことと,法的根拠が確認できたことは分けて判断する。判例秘書等で検索できたことだけを,対象判決の本文まで照合したことに置き換えない。誤りの原因と修正後の確認方法を残すと,同じ誤りへの対処を手順書へ反映しやすい。

2 提供前の審査と,入力資料の取扱いを分ける

依頼者へ渡す助言又は提出用書面では,担当者,確認する資料,修正権限及び提供前の確認時点を決める。AIを用いたことの開示を誰がどの場面で行うかも,成果物の利用方法に合わせて整理する。

これは利用ポリシーへの対応を具体化する提案であり,AI利用の開示だけで,依頼者の秘密や有料文献を外部へ送信できるという意味ではない。入力資料を扱う権限・契約と,完成した助言や書面の審査は,別々に確かめる必要がある。

第5 関連記事と出典

– 弁護士のClaude Code Skills活用法―調査・書面作成・記事更新を手順書にする
– AIエージェントを使って裁判所提出書面を作成するときに行うべきハルシネーション防止方法
– 弁護士・税理士が有料の法律・税務資料を生成AIで分析するとき
– Anthropic Usage Policy:適用日,モデルへの不必要な虐待,高リスク利用の要件,対象・除外及び執行条項。
– Anthropicの2026年10月8日付け公式発表:改定の趣旨,通常の不満等との区別及び主な対応方法。

本記事の規約説明は上記の公式資料に基づく。特定の利用者について違反又は責任を認定した裁判例を紹介するものではなく,第4の手順例は執筆上の提案である。