第1 既修・未修と選抜の区分
一橋大学法科大学院への進学を検討するときは,学校全体の定員と,自分が出願する選抜の募集人員を分けて確認したい。
本記事は2026年11月2日を確認日とし,2027年度の一般選抜募集要項を中心に入試と学費を整理する。
同年度の一般選抜の出願受付は,確認時点では終了している。
大学が公表する入学定員は未修20人・既修65人の計85人である。
これに対し,2027年度の一般選抜の募集人員は未修者20人程度,既修者45人程度であり,5年一貫型教育選抜は別の募集要項で案内されている。
定員の65人を,そのまま一般選抜の既修者募集人員と読むことはできない。
一般選抜の募集要項は,未修者を3年修了予定,既修者を2年修了予定とし,どちらを選ぶかは志願者による一方,両方の併願は認めていない。
出身学部だけで判断せず,選抜区分,求められる学修の前提及び修了までの年数を併せて考えたい。
出典:一橋大学「法科大学院について」,2027年度の募集要項掲載ページ(一般選抜募集要項4頁)。
第2 2027年度一般選抜の日程
2027年度入学のための一般選抜は,2026年に実施される。
出願書類の受付は10月8日から10月21日17時必着で,期間後に到着した場合には10月19日以前の消印に関する取扱いがある。
これは既に終了した受付期間の説明であり,これから出願できるという案内ではない。
第2次選抜試験は11月14日,第3次選抜の面接は未修者が12月12日,既修者が12月13日であり,第3次選抜合格者の発表は12月22日とされている。
未修者と既修者では面接日が異なるため,試験区分と日付を一組にして確認する必要がある。
第1次選抜の合格者発表は11月9日,第2次選抜の合格者発表は12月10日とされている。
試験室及び受験上の注意は,大学の最新の案内を確認されたい。
出典:募集要項・一般選抜の日程表(募集要項10~13頁)。
第3 TOEICを原則とする英語スコア
大学は,2027年度入試以降の一般選抜について,英語スコアを原則としてTOEICで扱う変更を公表している。
同年度の募集要項では,日本国内で受験した第384回公開テスト(2025年3月16日実施)以降のTOEIC Listening & Readingのスコアを対象としている。
IPテストや,TOEIC Bridge,Speaking & Writingなどは,この出願書類の要件を満たさない。
TOEFL iBTが一切使えないと理解するのも正確ではない。
日本国外在住者でTOEICスコアを提出できない場合に限り,所定の事前申請により,TOEFL iBTによる出願が認められる場合がある。
その際の換算基準は公表されず,TOEFL ITP及びHome Editionは認められていない。
本人の判断でTOEICとTOEFLを自由に選べる制度ではなく,2027年度の申請期間は2026年10月7日で終了している。
受験する年度の募集要項にある条件と申請期限の確認が必要である。
出典:一般選抜募集要項(7~8頁),一般選抜実施方法の変更を含む入試情報。
第4 学費と費用計画
大学の2026年度学費案内では,法科大学院の入学料は28万2000円,授業料は年額80万4000円である。
2027年度一般選抜募集要項にも同額が示されているが,学生納付金が改定される場合がある旨の注意がある。
金額が変わらず,標準修業年限で修了し,免除を受けないと仮定すれば,入学料と授業料の合計は,2年間で189万円,3年間で269万4000円となる。
これは入学料に年額授業料を2年分又は3年分加えた計算であり,検定料,教材費,住居費,通学費などは含まない。
免除・猶予や奨学金を検討する場合も,申請すれば必ず認められるとは限らないため,適用条件と申請時期を大学の案内で確認したい。
2027年度入学者からは,入学料の免除の対象は日本人学生(永住者等の在留資格を有する者を含む。)に限られる。
出典:一橋大学「授業料について」,一般選抜募集要項(14頁)。
第5 よくある質問
1 TOEICの点数だけで合否が決まるのか
スコアだけで最終合格を判断することはできない。
ただし,志願者数が募集定員の5倍を超えた場合には,TOEIC等の成績に基づく第1次選抜が行われることがある。
一般選抜募集要項では,英語の成績だけでなく,未修者は小論文,既修者は法学論文,学業成績,自己推薦書,面接などを用いる選考方法が定められている。
過去の合格者の平均点が分かっても,それを翌年度の合格保証点や最低点に読み替えることはできない。
2 既修者と未修者の両方に出願できるのか
2027年度一般選抜募集要項では,法学既修者と法学未修者の併願は認められていない。
どちらの課程と試験に向けて準備するかを決めてから,出願資格と提出書類を確認する必要がある。
3 社会人向けのビジネスロー専攻と同じ課程なのか
一橋大学の法学研究科には,法科大学院に当たる法務専攻のほか,ビジネスロー専攻などがある。
大学が夜間開講と案内するビジネスロー専攻の情報を,法務専攻の授業時間や出願条件へそのまま当てはめてはいけない。
社会人として進学を検討する場合は,法務専攻のカリキュラムと時間割を確認し,仕事との両立可能性を個別に検討されたい。
出典:一般選抜募集要項(4・10~12頁),大学院法学研究科の専攻案内。
第6 入学実績・司法試験の結果と出典
入学者の既修・未修や社会人の構成については,一橋大学法科大学院の2026年度入学動向で整理している。
司法試験の結果を他校と比較する場合は,法科大学院別の司法試験合格率を参照されたい。
入試の出願条件,入学した学生の構成及び司法試験の結果は,対象と時点が異なる情報である。
最新の募集条件は,一橋大学法科大学院の募集要項及び入試情報を確認されたい。