その他裁判所関係

裁判所職員用ポータルサイトシステム(J・NETポータル)の主な掲載コンテンツ(平成30年度)

目次
1 J・NETポータルの主な掲載コンテンツ
2 関連記事その他

1 J・NETポータルの主な掲載コンテンツ
裁判所の情報化と情報セキュリティについて(平成30年4月の弁護士任官者実務研究会の配布資料)によれば,裁判所職員用ポータルサイトシステム(J・NETポータル)の主な掲載コンテンツは以下のとおりです。

① 最高裁各局課等からのお知らせ
法律・政令・規則等の制定や改正等の情報,情報セキュリティに関する最新の情報・注意喚起など,広く職員が共有する必要のある記事が掲載されている。記事に付されたID番号のほか,記事掲載部署やフリーワードによる記事検索もできる。
② 高地家簡裁掲示板
全国の高地家裁本庁ごとの情報共有のために用意されている掲示板であり,本庁及び管内の支部・簡裁単位で掲載記事の閲覧等ができるほか,本庁支部間等の情報共有に使用されている。
③ 裁判集等データベースⅡ
最近の主な最高裁判所の判決等や,最高裁判所判例集,最高裁判所裁判集及び高等裁判所判例集に登載された判決等を事件番号や裁判年月日等で検索できるデータベース
④ 規則集等データベースⅡ
最高裁判所の規則,規程,通達,通知等を検索できるデータベース
⑤ 事件情報データベース
事件処理をする上で有益な情報を検索・閲覧することができる各種データベースコンテンツ
・ 民事情報データベース(ミンフォ)
・ 刑事情報データベース(ケイフォ)
・ 行政・労働・知財情報データベース(G-desk)
・ 家事・少年情報データベース(Famil*in)
⑥ 司法研修所情報データベース(ケンサン)
裁判官研修の予定と概要,研修の講演録や参考資料,CD・DVD教材や司法研究報告書のリスト等, 自己研さんに資する情報が多数掲載されている。

2 関連記事その他
(1) 令和5年10月,J・NETポータルはCourtsポータルに移行しました。
(2) 以下の記事も参照してください。
・ 裁判官研修実施計画

・ 裁判官の合同研修に関する説明文書
・ 裁判所職員総合研修所の研修実施計画
→ ①裁判所職員総合研修所の研修計画協議会説明要旨,及び②裁判所職員(裁判官以外)研修の実施に関する重要な事項(案)も掲載しています。

性犯罪を犯した裁判官の一覧

目次
1 性犯罪を犯した裁判官の一覧
2 性犯罪を犯したものの,起訴猶予処分となった裁判官
3 身体拘束中の裁判官であっても報酬を受領できること
4 裁判官が在任中に任命欠格事由に該当するに至った場合といえども、その身分を当然には失わないこと
5 関連記事その他

1 性犯罪を犯した裁判官の一覧
(1) 新しい順に並べると以下のとおりです。
⑥ 駅ホームの階段で女性のスカート内の盗撮をした59期の飯島暁法務総合研究所教官
・ 平成28年8月26日に盗撮し,その後に逮捕(東京都迷惑防止条例違反)

・ 平成28年9月15日に罰金50万円の有罪判決(東京都迷惑防止条例違反)
・ 同日に停職3ヶ月の懲戒処分を受けて辞職
・ 復権令(令和元年10月22日政令第131号)に基づき,令和元年10月22日に復権したのかもしれません。

⑤ 法務省の女子トイレ内で盗撮をした46期の近藤裕之法務省大臣官房財産訟務管理官
・ 平成26年3月14日に盗撮(逮捕されず。)

・ 平成26年5月1日に罰金50万円の有罪判決(東京都迷惑防止条例違反)
・ 同日に懲戒免職


④ 電車内で女性のスカート内の盗撮をした新63期の華井俊樹大阪地裁判事補
・ 平成24年8月29日に現行犯逮捕(大阪府迷惑防止条例違反)

・ 平成24年9月10日に罰金50万円の有罪判決(大阪府迷惑防止条例違反)
・ 平成25年4月10日に罷免判決
→ 平成24年11月16日に衆議院が解散され,同年12月16日に第46回衆議院議員総選挙があったため,弾劾裁判の日程が遅れました。

③ 高速バスの車内で痴漢行為をした41期の一木泰造福岡高裁宮崎支部判事
・ 平成21年2月8日に現行犯逮捕(準強制わいせつ罪)

・ 平成21年4月11日に任期終了退官
・ 平成21年7月7日に懲役2年・執行猶予5年の有罪判決(準強制わいせつ罪)

② ストーカー行為をした36期の下山芳晴甲府地家裁都留支部長
・ 平成20年5月21日に逮捕(ストーカー規制法違反)

・ 平成20年8月8日に懲役6月・執行猶予2年の有罪判決(ストーカー規制法違反)
・ 平成20年12月24日に罷免判決
・ 平成28年5月17日に資格回復の裁判(裁判官弾劾法38条1項1号)

① 児童買春をした38期の村木保裕東京高裁刑事部職務代行
・ 平成13年5月19日に緊急逮捕(児童買春・児童ポルノ禁止法違反)

・   平成13年8月27日に懲役2年・執行猶予5年の有罪判決(児童買春・児童ポルノ禁止法違反)
・   平成13年11月28日に罷免判決
(2) 裁判官弾劾裁判所HP「過去の事件と判例」に罷免訴追事件9件及び資格回復裁判請求事件7件が掲載されていますところ,平成時代の裁判官の弾劾裁判3件,及び検事在職中の懲戒免職1件は全部,性犯罪によるものでした


2 性犯罪を犯したものの,起訴猶予処分となった裁判官
 20期の田中正人裁判官は,神戸地裁所長をしていた平成13年8月30日の晩,阪急神戸線の梅田発三宮行き急行電車の車内で,2人がけ座席の右隣に座った同県西宮市の女性の腕や足に自分の腕や足をこすりつけた疑いにより,兵庫県迷惑防止条例違反の疑いで書類送検され,同年9月21日,神戸地検により起訴猶予処分となりました(人民日報 日本版HP「痴漢事件の前神戸地裁所長を起訴猶予「社会的制裁を受けた」」(平成13年9月21日付の記事))。
 その後,最高裁大法廷平成13年10月10日決定により戒告され,平成13年10月24日,裁判官訴追委員会が訴追しないことを決定し,同月26日に依願退官しました。

3 身体拘束中の裁判官であっても報酬を受領できること
・ 参議院議員前川清成君提出弾劾手続き中の裁判官に対する給与支払いに関する質問に対する答弁書(平成21年4月10日付)の本文は以下のとおりです。

一について
  憲法第八十条第二項においては、下級裁判所の裁判官の報酬は、在任中、これを減額することができない旨規定されており、下級裁判所の裁判官の報酬については、当該裁判官が逮捕又は勾留されたことを理由として減額することはできないと解される。
二から五までについて
  現行法上、「裁判官が逮捕、勾留された時点で、当該裁判官の職務を自動的に停止し、それ以降の給与、賞与の支払いも停止する」こと及び「裁判官弾劾裁判所による職務停止決定の後は、当該裁判官に対して給与、賞与の支払いも停止する」ことを定めた規定はない。また、現時点において、右の各点について、裁判官弾劾法(昭和二十二年法律第百三十七号)又は裁判官の報酬等に関する法律(昭和二十三年法律第七十五号)の改正を検討する予定はない。

4 裁判官が在任中に任命欠格事由に該当するに至った場合といえども、その身分を当然には失わないこと
・ 裁判官弾劾裁判所の平成20年12月24日判決は,「在任中任命欠格事由に該当するに至った裁判官の身分」について以下の判示をしています。
関係各証拠によれば、被訴追者は、当裁判所が前記第1の2で認定した事実とほぼ同一の事実につき、平成20年8月8日、甲府地方裁判所において、いわゆるストーカー規制法遠反の罪により、懲役6月、執行猶予2年の有罪判決を宣告され、同判決は同月12日に確定したことが明らかである。
 ところで、裁判所法第46条は、「禁錮以上の刑に処せられた者」は裁判官に任命することができない旨規定しており、被訴追者は、これに該当するに至っている。このように、裁判官が在任中に任命欠格事由に該当するに至った場合、その身分を当然に失うとする見解もある。
 しかし、日本国憲法第78条は、「裁判官は、裁判により、心身の故障のために職務を執ることができないと決定された場合を除いては、公の弾劾によらなければ罷免されない」旨規定し、司法権の独立を保障するため、その担い手である裁判官の身分を厚く保障している。そして、国家公務員法第76条には、国家公務員一般職が在職中に任命欠格事由に該当するに至ったときは当然失職する旨の規定があるが、同特別職である裁判官には同条の適用はなく、裁判所法等にも、これに相当する規定はない。また、裁判官弾劾法第12条は、刑事事件の判決が確定した後でも弾劾裁判を行い得る旨規定している。

 これらによれば、この点に関する当裁判所平成13年(訴)第1号罷免訴追事件同年11月28日判決が説示するとおり、裁判官が在任中に任命欠格事由に該当するに至った場合といえども、その身分を当然には失わないものと解するのが相当である。

5 関連記事その他
(1) 汚れた法衣-ドキュメント司法記者88頁には以下の記載があります。
 私は現役の記者時代に幾度か新聞が裁判所に頼まれて報道を取りやめ、汚職、非行を働いた”大魚”が辞職により法網を切って追求をのがれ、弾劾にかけられるのは”雑魚”ばかりなのを実際に体験した。そこでその度に、確証があっても活字にできない自分の非力に、歯ぎしりをする思いだった。
(2) security-joho.com「気のついた事件-2002年3月」に以下の記載があります。
2002/03/28  - 最高裁事務官、スカートの中をデジカメ盗撮。
最高裁総務局の主任事務官の男性が都迷惑防止条例違反の現行犯で逮捕された。 主任事務官は中野区のゲームセンターで女子中学生のスカートの中を ショルダーバッグに入れたデジタルカメラで撮影したところを見つかり取り押さえられた。
-読売新聞
(3)  おもしろニュース拾遺「仕事中にせっせと猥褻メール:熊本判事」(2005年11月21日付)に以下の記載があります。
    熊本地裁(大坪丘所長)は二十一日、同地・家裁人吉支部長の男性判事(42)が勤務中、出会い系サイトで知り合った女性にみだらな内容の携帯電話メールを送信したことなどを理由に辞表を提出していたことを明らかにした。判事は昨年十一月から先月まで勤務中、出会い系サイトで知り合った女性とメールを交換。みだらな内容の文章のほか、下着姿や法服姿の写真を送信した。同判事は平日のほぼ毎日、執務室で一日一~十回メールをやりとりしていた。
(4) 「インターネット削除請求・発信者情報開示請求の実務と書式」78頁及び79頁には,検索結果(起訴猶予・略式請求)の削除請求に関して以下の記載があります。
    最終的に起訴猶予・略式手続となった事件では,事件から15年以上経過していても,前掲最三小決(山中注:最高裁平成29年1月31日決定のこと。)以降,裁判所は検索結果の削除決定を発令しなくなりました。判断内容はほぼ最三小決と同じで,「今なお公共の利害に関する事項である」としている印象です。
(5) 以下の記事も参照してください。
・ 法務省出向中の裁判官に不祥事があった場合の取扱い
・ 昭和27年4月発覚の刑事裁判官の収賄事件(弾劾裁判は実施されず,在宅事件として執行猶予付きの判決が下り,元裁判官は執行猶予期間満了直後に弁護士登録をした。)
・ 報道されずに幕引きされた高松高裁長官(昭和42年4月28日依願退官,昭和46年9月5日勲二等旭日重光章)の,暴力金融業者からの金品受領
・ 新63期の華井俊樹裁判官に対する平成25年4月10日付の罷免判決
・ 42期の山崎秀尚岐阜地家裁判事に対する懲戒処分(戒告)

大阪地裁の所長代行者,上席裁判官等

目次
1 大阪地裁の幹部裁判官の序列
2 大阪地裁の所長代行者又は上席裁判官の転出と玉突き人事の発生
3 裁判官の人事評価における所長代行者の役割
4 関連記事その他

1 大阪地裁の幹部裁判官の序列
(1) 大阪地裁で2番目に偉い大阪地裁所長代行者(大阪地裁司法行政事務処理規程4条1項2号及び21条1項)は色々な部の部総括判事を兼任していますが,どこの部の部総括判事であるかは特に決まっていません。
(2) 大阪地裁所長代行者は,保全部である1民の部総括判事,つまり,民事上席裁判官を経験した直後に就任するのが通例になっています。
  そのため,1民の部総括判事が大阪地裁で3番目に偉い裁判官となります。
(3) 大阪地裁で4番目に偉い裁判官は,令状部である10刑の部総括判事,つまり,刑事上席裁判官となります。
(4) 以上より,大阪地裁の裁判官の序列は,1番目が所長,2番目が所長代行者,3番目が1民部総括判事,4番目が10刑部総括判事となります。
   この順番は,大阪地裁の事務分配54条に書いてある順番です。

2 大阪地裁の所長代行者又は上席裁判官の転出と玉突き人事の発生
(1) 大阪地裁の所長代行者が他の地家裁の所長に転出した場合,上席裁判官である1民部総括が所長代行者となるなど,部総括判事レベルでの玉突き人事が発生します。
(2)   同様に,大阪地裁刑事部の上席裁判官が他の地家裁の所長に転出した場合,12刑部総括が10刑部総括となるなど,部総括判事レベルでの玉突き人事が発生します。

3 裁判官の人事評価における所長代行者の役割
   裁判所HPの「第2 裁判官の人事評価の現状と関連する裁判官人事の概況」には以下の記載があります。
高等裁判所長官や地方裁判所長・家庭裁判所長が,どのような調査や資料に基づいて,報告書を作成するかという点であるが,多くの裁判所においては,所属する裁判官はそれほどの数ではないので,長官,所長は各裁判官と接触する機会が相当程度あり,裁判官の仕事振り,力量,人物,健康状態等について,直接知る機会がある(大規模な裁判所においては,所長代行が所長を補佐している)。その他に,陪席裁判官については,部総括から話を聞くことが多いであろう。逆に,部総括に関する話を同じ部の陪席裁判官や職員から聞くということもあろう。裁判官の力量や適性は,同じ事件を担当したり,一緒に仕事をしてみると,よくわかるという面がある。その点では,次に述べる上級審裁判官も同様である。こうした形で仕事を通じて本人の力量等を知る裁判官の数は,長い間には相当の数に上る。その評価の集積により,その裁判官の評価が固まってくるのであって,この評価には相当の信頼性があると考えられる。高等裁判所長官,地方裁判所長・家庭裁判所長の評価も,こうした裁判官の中での評価を踏まえている。

4 関連記事その他
(1)ア 租税部の部総括である大阪地裁12刑部総括判事は,次の大阪地裁10刑部総括判事となるのが通例です。
イ 「刑事租税事件の審理上の留意点」には,「大阪地裁第12刑事部では,租税事件の否認事件については,よほど単純な事件を除いては,公判前整理手続又は期日間整理手続に付しているし,裁定合議にしているのが実情である。」と書いてあります(判例タイムズ1477号(2020年12月号)12頁)。
(2) 大阪地裁で3番目に偉い裁判官は,大阪簡裁司法行政事務掌理裁判官を兼任しています(大阪地裁司法行政事務処理規程21条3項2号)から,そういう目で官報を見れば分かります。
(3) 大阪地裁HPの担当裁判官一覧を見れば,大阪地裁の民事上席裁判官及び刑事上席裁判官が誰であるかは分かります。
(4) 以下の記事も参照してください。
・ 歴代の大阪地裁所長
・ 東京地裁の所長代行者
・ 東京家裁の歴代の家事部所長代行者
・ 大阪地裁の歴代の所長代行者,上席裁判官,大阪簡裁司掌裁判官等
・ 下級裁判所の裁判官会議から権限を委任された機関
・ 下級裁判所の裁判官会議に属するとされる司法行政事務

東京地裁の所長代行者

目次
1 東京地裁の民事部所長代行者2人及び刑事部所長代行者2人
2 合計9人の東京地裁所長代行者
3 東京地裁の常置委員及び所長代行者の選挙関係文書
4 裁判官の人事評価における所長代行者の役割
5 関連記事その他

1 東京地裁の民事部所長代行者2人及び刑事部所長代行者2人
(1)ア 東京地裁民事部所長代行者につき,1位の人は,どこの部の部総括判事であるかは特に決まっていませんが,2位の人は保全部である9民の部総括判事です。
イ 東京地裁刑事部所長代行者につき,1位の人は,どこの部の部総括判事であるかは特に決まっていませんが,2位の人は令状部である14刑の部総括判事です。
(2) 東京地裁の民事部又は刑事部の所長代行者1位が他の地家裁の所長に転出した場合,部総括判事レベルでの玉突き人事が発生します。

2 合計9人の東京地裁所長代行者
(1)ア 東京地裁の場合,①民事部第一所長代行,②民事部第二所長代行,③刑事部第一所長代行,④刑事部第二所長代行,⑤執行部である21民を担当する所長代行,⑥知財部,商事部及び破産再生部を担当する所長代行,⑦労働部,行政部及び医事部を担当する所長代行,⑧東京簡裁司法行政事務掌理裁判官並びに⑨東京地裁立川支部長の合計9人が,所長代行者になっています。
イ 東京地裁司法行政事務処理規程24条が所長代行者について定めていますところ,①ないし④及び⑨の根拠は4項であり,⑧の根拠は6項であり,⑤ないし⑦の根拠は7項及び8項です。
(2) ①知財部,商事部及び破産再生部を担当する所長代行,並びに②労働部,行政部及び医事部を担当する所長代行は,平成29年6月29日に設置されました(東京地方裁判所司法行政事務処理規程(平成29年6月29日東京地方裁判所裁判官会議議決による改正後のもの)24条7項参照)。
(3)   東京地家裁立川支部長は,中小の地家裁所長を経験した後に就任するポストですが,その他の支部長は,中小の地家裁所長を経験する前に就任するポストです。
(4) 東京地裁の民事部第一所長代行及び刑事部第一所長代行は東京地裁の裁判所委員会委員となっています(裁判所HPの「東京地方裁判所委員会委員」参照)。
(5) 関東弁護士会連合会主催の法曹連絡協議会において,東京地裁所長代行という肩書で出席しているのは,東京簡裁司法行政事務掌理裁判官のことです。
(6)   東京簡裁司法行政事務掌理裁判官は,東京地裁部総括判事を兼任していませんから,新日本法規出版株式会社裁判官検索を見る限り,単なる東京地裁判事・東京簡裁判事としか表示されません。
(7) 東京地裁HPの担当裁判官一覧を見ても,東京地裁の所長代行者が誰であるかは分かりません。


3 東京地裁の常置委員及び所長代行者の選挙関係文書
(1) 東京地裁の常置委員及び所長代行者の選挙関係文書を以下のとおり掲載しています。
(令和時代)
令和 2年度令和3年度令和4年度令和5年度
(平成時代)
平成29年度平成30年度平成31年度
* 「令和5年度東京地裁の常置委員及び所長代行者の選挙関係文書」といったファイル名です。
(2) 令和2年度以降については,「法令の規定により又は慣行として公にされ,又は公にすることが予定されている情報」には当たらないという理由により当選者及び落選者の得票状況が消されるようになりました(令和2年度(情)答申第31号(令和3年1月25日答申))。
(3) 31期の瀬木比呂志裁判官が著した絶望の裁判所25頁及び26頁には以下の記載があります。
   首をかしげるような裁判所組織のあり方を示すものとして、東京地裁で行われている所長代行判事等の奇妙な選挙についても書いておこう。
   東京地裁の所長代行判事は、前記のとおり、民事、刑事にそれぞれ二名ずつ置かれていて、各第一代行については司法行政だけに専念するという点が、通常の地裁の場合とは異なる。その選挙とともに、常置委員(裁判官の中から選ばれる、司法行政に関わる常置委員会の構成員。民事、刑事各五、六名程度)の選挙も行われている。
(中略)
   前記の選挙は、選挙といいながら、所長代行についても常置委員についてもあらかじめ決まっていて、各裁判官に対し、各期(司法研修所修了の「期」をいう)の一人を通じて、代行については誰と誰に、常置委員については誰と誰に投票するかが指示されるのである。常置委員については、指定された期のメンバーの間で互選しておく(やりたい人はあまりいないので、よく押し付け合いになる)のだが、所長代行については「上」から指定が来る。そして、判事補たちは、この指定のことを、しばしば、「天の声」と呼んでいた。


4 裁判官の人事評価における所長代行者の役割
(1) 裁判所HPの「第2 裁判官の人事評価の現状と関連する裁判官人事の概況」には以下の記載があります。
   高等裁判所長官や地方裁判所長・家庭裁判所長が,どのような調査や資料に基づいて,報告書を作成するかという点であるが,多くの裁判所においては,所属する裁判官はそれほどの数ではないので,長官,所長は各裁判官と接触する機会が相当程度あり,裁判官の仕事振り,力量,人物,健康状態等について,直接知る機会がある(大規模な裁判所においては,所長代行が所長を補佐している)。その他に,陪席裁判官については,部総括から話を聞くことが多いであろう。逆に,部総括に関する話を同じ部の陪席裁判官や職員から聞くということもあろう。裁判官の力量や適性は,同じ事件を担当したり,一緒に仕事をしてみると,よくわかるという面がある。その点では,次に述べる上級審裁判官も同様である。こうした形で仕事を通じて本人の力量等を知る裁判官の数は,長い間には相当の数に上る。その評価の集積により,その裁判官の評価が固まってくるのであって,この評価には相当の信頼性があると考えられる。高等裁判所長官,地方裁判所長・家庭裁判所長の評価も,こうした裁判官の中での評価を踏まえている。
(2) 裁判所HPの「最高裁判所事務総局に直接寄せられた裁判官の意見」に載ってある「人事評価の在り方に関する研究会に対する意見の送付について 東京地方裁判所刑事部人事評価関係検討チーム」には,「o 地裁においては,所長あるいは所長代行者を評価権者とするのが相当と考えられる」と書いてあります。


5 関連記事その他
(1) 以下の資料を掲載しています。
・ 東京地方裁判所司法行政事務処理規程(平成31年4月1日からの適用分)

・ 常置委員及び所長代行者の選出方法及び任期に関する規程(平成30年6月28日からの適用分)
(2) 以下の記事も参照してください。

・ 歴代の東京地裁所長
・ 東京地裁の歴代の第一所長代行者
・ 東京家裁の歴代の家事部所長代行者
・ 大阪地裁の所長代行者,上席裁判官等
・ 下級裁判所の裁判官会議から権限を委任された機関
・ 下級裁判所の裁判官会議に属するとされる司法行政事務

高裁の部総括判事の位置付け

目次
1 総論
2 それぞれの高裁部総括判事の位置付け
3 裁判所HPの説明
4 部総括判事は「部長」といわれていること
5 関連記事その他

1 総論
(1) 部総括判事(下級裁判所事務処理規則4条4項)は,合議体における裁判長となります(下級裁判所事務処理規則5条2項本文)。
(2) 下級裁判所事務処理規則の運用について(平成6年7月22日付の最高裁判所事務総長依命通達)記第1の2の定めを受けた,部の事務を総括する裁判官の指名上申について(平成6年12月9日付の最高裁判所人事局長の通達)を掲載しています。

2 それぞれの高裁部総括判事の位置付け
(1) 東京高裁部総括判事の場合
ア 地家裁所長を1つか2つ経験してから就任するのが通例です。
イ 東京高裁長官のすぐ下に民事部代表常置委員及び刑事部代表常置委員がいて,一般的には東京高裁長官代行といわれますが,ほぼ上がりポストですし,司法行政文書開示請求をしないと分かりませんから,幹部裁判官の経歴には記載していません。
    なお,これらの肩書は,例えば,関東弁護士会連合会主催の法曹連絡協議会の出席者名簿で出てきます(「関東弁護士会連合会主催の,平成26年度法曹連絡協議会(平成26年12月1日開催)」参照)。
(2) 大阪高裁部総括判事及び名古屋高裁部総括判事の場合
ア 東京高裁部総括判事ほどではありませんが,地家裁所長を1つか2つ経験してから就任するのが通例です。
イ 大阪高裁長官のすぐ下に民事上席裁判官及び刑事上席裁判官がいて,一般的には大阪高裁長官代行といわれますが,ほぼ上がりポストですし,司法行政文書開示請求をしないと分かりませんから,幹部裁判官の経歴には記載していません。
    なお,これらの肩書は,例えば,近畿弁護士会連合会の司法事務協議会の出席者名簿で出てきます。
(3) 広島高裁部総括判事及び福岡高裁部総括判事の場合
    地家裁所長経験のない人もいます。
(4) 仙台高裁部総括判事の場合
    地家裁所長経験がある人とない人が半々ぐらいです。
(5) 札幌高裁部総括判事及び高松高裁部総括判事の場合
    地家裁所長経験がないのが通常です。
(6) 叙勲の相場
    高裁本庁の部総括判事経験者に対しては原則として瑞宝重光章が授与され,高裁支部の部総括判事経験者に対しては瑞宝中綬章が授与されます。


3 裁判所HPの説明
    裁判所HPの「第2 裁判官の人事評価の現状と関連する裁判官人事の概況」には以下の記載があります。
    地方裁判所・家庭裁判所の部総括(司法行政上は部の事務の取りまとめに当たり,裁判においては合議体の裁判長となる。その数は300余り。)に指名されるのが,大体,判事任命後10年目前後くらいから(東京地方裁判所では,現在,最も若い部総括が判事任命後12年目。地方ではこ れより早く部総括になる例もある。),所長への任命は,判事任命後20年経過後くらいから,高等裁判所部総括も経験年数はほぼ所長に準じるが,所長を経て任命される例が多い。

4 部総括判事は「部長」といわれていること
    日本の裁判所-司法行政の歴史的研究-106頁には以下の記載があります(注番号等は省略しました。)。
    戦後の裁判所法のもとでは,裁判官の種類は,最高裁判所の裁判官としては最高裁判所長官と最高裁判所判事であり(裁判所法5条1項),高等裁判所以下の下級裁判所の裁判官としては高等裁判所長官,判事,判事補,簡易裁判所判事であって(同条2項),裁判所構成法の時代の「部長」は存在しない。しかし,総括裁判官は,高等裁判所長官,地方裁判所・家庭裁判所長との間で,人事に関する情報などについてひんぱんに連絡をとることによって,自分の「部」に所属する裁判官や裁判所書記官などを事実上監督する中間管理職的な立場となっており,総括裁判官のこのような立場を反映してか,裁判所内においては,総括裁判官を「部長」と呼ぶのが一般的である。さらに,1972年から導入された新任判事補を対象とした研修制度(新任判事補研さん制度)においては,新任判事補は,総括裁判官のもとで,裁判実務の研修の指導をあおぐ立場に置かれることになった。このように,裁判官会議の権限が移譲されることによって,高等裁判所長官,地方裁判所・家庭裁判所長の地位が相対的に高まっただけでなく,総括裁判官が,合議体で裁判長をつとめるだけでなく,中間管理職,さらには新任判事補研さん制度導入後は判事補の指導役として,裁判所内で司法行政上の一定の地位をもつことになったということができるであろう。
   


 関連記事その他
(1) 慶應義塾大学学術情報リポジトリ(KOARA)「高等裁判所部総括判事の人事をめぐる一考察 」が載っています。
(2) 現代新書HPの「『絶望の裁判所』著:瀬木比呂志—『絶望の裁判所』の裏側」(2014年3月9日付)には以下の記載があります。
    そういう人物(山中注:最高裁判所事務総局系の司法行政エリートと呼ばれる人々のこと。)が裁判長を務める裁判部における日常的な話題の最たるものは人事であり、「自分の人事ならいざ知らず、明けても暮れても、よくも飽きないで、裁判所トップを始めとする他人の人事について、うわさ話や予想ばかりしていられるものだ」と、そうした空気になじめない陪席裁判官から愚痴を聞いた経験は何回もある。『司法大観』という名称の、七、八年に一度くらい出る、裁判官や検察官の写真に添えて正確かつ詳細なその職歴を記した書物が彼らのバイブルであり、私は、それを眺めるのが何よりの趣味だという裁判官にさえ会ったことがある。

(3)ア 弁護士森脇淳一HP「退官後1年」には以下の記載があります(35期の森脇淳一裁判官が筆者です。)。
(山中注:裁判官の)悪い点は、意見の合わない裁判長の陪席裁判官(裁判長の脇に座っている裁判官をこう言う)の仕事をしなければならないことである。裁判長が手を入れた(削った)起案に自分が手を入れることはできないから、意に染まない判決にも署名押印しなければならない。裁判長によっては、まともに記録も読まず、合議で議論に負けても、『それなら判決できない』とか、『判決(言渡期日)を伸ばす』とか、『とにかく、自分は嫌だ』などと言うので、結局、裁判長の意見に従わざるを得なかった」などと述べた。

イ 早稲田大学HPに載ってある「河合健司元仙台高裁長官講演会講演録 裁判官の実像」には「高裁の陪席は,ひたすら記録を読み判決を書くのが仕事です。」と書いてあります(リンク先のPDF3頁)。
(4) 「大阪高等裁判所第7民事部における上告事件の処理の実情」(寄稿者は45期の島岡大雄裁判官)には以下の記載があります(判例タイムズ1409号(2015年4月1日号)42頁)。
    裁判所書記官による記録調査の終了後,概ね1ヶ月先を合議日に指定する扱いは,上告事件においては,原判決を破棄する場合を除き,判決をするに当たって口頭弁論を開く必要がなく(民訴法319条),口頭弁論期日が指定されないことから,口頭弁論期日が指定されている控訴事件の処理を優先してしまい,上告事件の処理が後手になるおそれがないではなく,上告事件の適正な進行管理を図る観点からは,あらかじめ合議日を指定した上,それまでに主任裁判官が訴訟記録を調査検討して合議メモを作成し,合議メモに基づいて充実した合議を行うことが相当であるとの考えによるものである。
(5)ア 以下の名簿を掲載しています。
 平成14年度から平成28年度までの部総括裁判官の名簿
・ 昭和62年度から平成13年度までの部総括裁判官の名簿
・ 昭和48年度から昭和61年度までの部総括裁判官の名簿 
イ 以下の記事も参照してください。
・ 控訴審に関するメモ書き
・ 幹部裁判官の定年予定日
・ 高等裁判所の集中部
・ 部の事務を総括する裁判官の名簿(昭和37年度以降)

・ 東京高裁の歴代の代表常置委員
・ 大阪高裁の歴代の上席裁判官
・ 東京地裁の歴代の第一所長代行
・ 大阪地裁の歴代の所長代行者,上席裁判官,大阪簡裁司掌裁判官等
・ 最高裁の破棄判決等一覧表(平成25年4月以降の分),及び最高裁民事破棄判決等の実情
・ 最高裁判所に係属した許可抗告事件一覧表(平成25年分以降),及び許可抗告事件の実情
・ 新様式判決
・ 裁判所関係者及び弁護士に対する叙勲の相場


判事補の採用に関する国会答弁

目次
第1 最高裁判所の国会答弁
1 平成26年 3月27日の国会答弁
2 平成29年12月 5日の国会答弁
3 平成30年 3月30日の国会答弁
4 令和 4年 3月 4日の国会答弁
第2 財務省の国会答弁
1 平成31年 3月22日の国会答弁
第3 判事補の任官者の減少が止まらない理由に関する質疑応答
第4 関連記事その他

* 「判事補時代に退官した元裁判官の名簿(令和時代)」及び「最高裁判所庁舎の冷房運転等に関する文書」も参照してください。

第1 最高裁判所の国会答弁
1 平成26年3月27日の国会答弁
(1) 35期の安浪亮介最高裁判所人事局長は,平成26年3月27日の参議院法務委員会において以下の答弁をしています。
① 私どもといたしましても、修習生の中で裁判官としてふさわしい者につきましてはできる限り多数任官してもらいたいと考えております。その考えというのはこの間一貫しておるところでございます。ただ、裁判官にふさわしい資質、能力を備えてもらっていることがまず重要でありますし、他方で、修習生の側にも弁護士として活躍したいという希望を持つ者もおりまして、そこの関係で、結果として現在の数字になっておるところでございます。
   法科大学院との関係でお尋ねがございました。法科大学院へは、御承知のとおり、法科大学院への裁判官及び検察官その他の一般職の国家公務員の派遣に関する法律に基づきまして、実務家教員として多数の現職の裁判官が法科大学院に派遣され、主に実務科目の講義を担当しておるところでございます。

   この講義、それから講義終了後のいろんなやり取りの中で、裁判官の裁判に対する考え方や人柄に触れながら裁判官の仕事にやりがいや魅力を感じる学生も多いというふうに聞いておるところでございます。また、そうした講義などを通じまして、裁判官の職務に関心を持った法科大学院生が実際に裁判の傍聴にやってくるということも少なくないと聞いております。
   いずれにいたしましても、裁判官としてふさわしい者につきましては数多く採用してまいりたいと考えておるところでございます。
② 今年一月に六十六期修習生から裁判官に任官した女性の割合に関する数字は、委員が今おっしゃられたとおりでございます。
 私どもといたしまして、新任判事補の採用に当たりまして男女別で何か基準を設けることはしておりませんが、裁判官としてふさわしい人につきましては、男女を問わずできる限り任官してもらいたいと考えているところでございます。
 今年一月に女性の新任判事補が多かったことの原因ということのお尋ねでございますけれども、私どもの方で思いますのは、多くの女性修習生が実務修習等を通ずる中で、あるいは、先ほども御答弁させていただきましたが、法科大学院に派遣しております裁判官教員に触れる中で、裁判官の職務をやりがいのあるものとして希望してくれた結果ではないかと見ておるところでございます。
(2) 40期の中村慎最高裁判所総務局長は,平成26年3月27日の参議院法務委員会において以下の答弁をしています。
① 弁護士の数につきましては、委員御指摘のとおり、平成十二年から平成二十五年で約二倍ということになっております。他方、民事訴訟事件数ということでいいますと、それほど大きな差がないというのが実態でございます。ただ、弁護士数の増加につきましては、長期的に見ますと事件数の増加要因になるというふうに考えておりますし、また審理の在り方にも影響を及ぼしていくのではないかというふうに考えております。
 裁判官の増員につきましては、実際に提起される事件動向を踏まえる必要がございますし、司法制度改革で目標としていました審理期間の短縮、複雑困難な事件に対応するための合議率の向上といった将来の事件動向を踏まえた種々の要素ということを総合的に考慮して、全体としてどの程度の人数の裁判官が必要かということを考えていかなければならないというふうに考えています。その観点で申し上げますと、弁護士の増加比率に応じて裁判官が増員すべきという関係にはないというふうに考えているところでございます。
 また、裁判官への増員ということになりますと、裁判官の給源が限られているということ、その資質、能力が一定必要だということがありますので、やはり計画性を持った増員をしていく必要があるというふうに考えているところでございます。
 そういう観点から、なかなか現時点で明確な数字で増員目標ということを申し上げるのは困難なところではございますが、今後ともより一層適切かつ迅速な裁判の実現ということを図っていくために、事件動向を見守りつつ、計画性を持った人的体制の整備に努めてまいりたいと考えているところでございます。
② 複雑困難な事件に対して対応するためには、裁判官という観点でいいますと、やはり合議による審理の活用というのが重要であろうかと思っております。
 このような観点で、合議率を一〇%に上げたいということの目標を申し上げて計画的な増員を図ってきたところでございます。事件数の急増もございまして、平成二十五年度、事件数全体での合議率はまだ四・一%ということで、まだ目標には達成していないところでございますが、判決で終局した事件の合議率については徐々に上がってきているというふうに考えておりまして、計画的な増員の効果は出てきているように感じております。
 また、専門的知見を要する訴訟について、先ほど申し上げましたけれども、専門集中的に処理する部の体制整備、あるいは鑑定人、専門委員といった知見を円滑に利用する手段ということも整備してまいったところでございます。
 今後、裁判の適正を維持しつつ審理期間の短縮を図るために、訴訟関係人の理解と協力を得ながら審理の充実と運営改善に努めてまいりたいと考えているところでございます。


2 平成29年12月 5日の国会答弁
   40期の中村慎最高裁判所総務局長は,平成29年12月5日の衆議院法務委員会において以下の答弁をしています。

① 裁判官の定員は裁判所職員定員法で定められているところでございますが、民事訴訟が複雑困難化し、家庭事件が増加している中で、適正迅速な裁判を実現するために、裁判所は、事件動向等を踏まえ、毎年定員法の改正をお願いして裁判官の増員を行ってきているところでございます。
 平成三十年度予算の概算要求でも判事五十人の増員をお願いしているところでございますが、今後とも、事件動向や事件の質の変化、法曹人口等の動向、適正迅速な裁判のために望ましい審理形態のあり方等を総合的に考慮しつつ、裁判所に与えられた機能を十分に果たし、国民の期待に応えることができるよう、引き続き、事件処理にたけた判事を増員するなどして人的体制の整備に努めてまいりたいというふうに考えているところでございます。
 また、定員の充足の関係の御質問もございました。あわせてお答えいたしますが、判事については、判事補から判事に任官する者、弁護士任官等により適切に充員ができるものというふうに見込んでおりまして、判事補についても、司法修習生からの採用などによって充員に努めているところでございます。
②  司法修習生の人数が減少しているものの、裁判所としては、できる限り判事補の充員に努めているところでございます。しかし、裁判官にふさわしい資質、能力を備えていることが必須であるだけではなく、司法修習生の側におきましても、弁護士として活躍する分野の広がりといった事情もあり、裁判官としてふさわしい人材であっても、なかなか裁判官の任官を希望しているという状況であるわけではないということから、結果として、現在の採用数で推移しているところでございます。
 今後とも、司法における需要を勘案しつつ、裁判官にふさわしい人を採用して、裁判の運営に必要な体制を確保するよう努力してまいりたいと考えているところでございます。


3 平成30年3月30日の国会答弁
   41期の堀田眞哉最高裁判所人事局長は,平成30年3月30日の衆議院法務委員会において以下の答弁をしています。
① 裁判所といたしましては、できる限りの充員に努めているところではございますが、判事補の給源となります司法修習終了者の人数が減少しておりますことに加えまして、弁護士として活躍する分野が広がっているだけではなく、渉外事務所等を中心といたします法律事務所の大規模化、それに伴う弁護士の採用増といったことに伴いまして、採用における競合が激化しているところでございます。
 また、裁判官の場合、全国に均質な司法サービスを提供するなどのため全国的な異動が避けられないところでございますけれども、大都市志向の強まりですとか、配偶者が有職であるということが一般化してきている、そういったことに伴いまして転勤への不安を持つ司法修習生がふえているということにつきましても、判事補の任官につながらない理由となっているものというふうに考えております。
 こういった原因に対してはさまざまな対策をとって、今後とも、裁判官にふさわしい人を採用し、裁判の運営に必要な体制を確保できるように努力してまいりたいと考えているところでございます。
② 判事補の任官者が減少しております原因につきましては、先ほど御説明申し上げたとおりというふうに考えておりまして、司法修習終了段階における司法修習生の質が低下しているといったことが原因というふうには考えておらないところでございます。
③ 以前の修習生の少なかった時期と比べても任官者がなかなか少なくなっているという点も含めまして、判事補の任官者の減少している原因については、先ほど申し上げたように考えているところでございます。
 司法修習生の質が変化しているのかどうかということを比較するのは難しい面があるわけでございますけれども、例えば、法曹に必要な資質、能力を備えているかどうかを判定する目的で行われております二回試験の不合格者数を見ましても、近年、大きく増加するような状況にはないといったことからいたしますと、司法修習生の質が低下しているというふうに見られる事情はなかなか見当たらないというふうに思っております。
④ 今後、平成三十一年一月までの判事への任官見込み数は百人程度でございまして、次回の新任判事補の採用数を加えなければ欠員数は二百三十人程度ということになります。その欠員数を三十三人程度とするためには、概算でございますが、二百人程度の判事補を採用する必要があるということになります。
⑤ 判事補の採用人数が伸び悩んでおりますことにつきましては遺憾であると考えているところでございますが、その理由といたしましては、判事補の給源となる司法修習終了者の人数が減少しておりますことに加えまして、大規模法律事務所との競合が激化していることがあるというふうに考えているところでございます。また、大都市志向の強まり、あるいは配偶者が有職であるということが一般化しているということに伴いまして、転勤への不安がふえているものと考えております。


4 令和4年3月4日の国会答弁
・ 47期の小野寺真也最高裁判所総務局長は,令和4年3月4日の衆議院法務委員会において以下の答弁をしています。
 各年の十二月一日現在の判事補の現在員数でございますが、平成三十年は七百七十九人、令和元年は七百七十九人、令和二年は七百四十七人、令和三年は七百十五人でございます。それぞれ定員に対する充員割合でございますが、平成三十年は八一・八%、平成元年は八四・〇%、令和二年は八三・三%、令和三年は七九・七%であります。
 裁判所といたしましては、できる限り判事補の充員に努めているところではございますが、判事補に採用するためには裁判官にふさわしい資質、能力を備えていることが必須であるところ、判事補の給源となる司法修習終了者の人数が減少していることに加え、渉外事務所等の法律事務所と競合するといった事情もあることから、裁判官としてふさわしい資質、能力を備えた人で裁判官への任官を希望する者の人数が伸び悩むこともある状況となっております。
 こうした事情も相まって、結果として、この数年の採用数が六十五人ないし八十二人ということとなっておると考えておりますが、今後とも、裁判官にふさわしい人を確実に採用して、裁判の運営に必要な体制を確保していくよう努力してまいると考えております。


第2 財務省の国会答弁
1 平成31年3月22日の国会答弁
    神田眞人 財務省主計局次長は,平成31年3月22日の衆議院法務委員会において以下の答弁をしています。

 裁判所の判事補、先ほど数字がございましたように、欠員が三十一年一月現在で百五十七人、これは欠員率にいたしますと一六・五%になります。
 先ほど、先生が他省庁と比べてとおっしゃいました。国の行政機関全体を見ますと、二十九年度末定員は二十九万七千三十人、これに対し欠員は一万一千六百七十一人でございますので、全体の欠員率は三・九%。したがって、階委員御指摘のとおり、相対的に高い欠員率となってございます。
 この要因につきましては、裁判所において審理の促進あるいは家事事件処理の充実強化などに対応するために、判事の不足が想定される中、将来判事となり得る判事補を多く任官すべく定員を確保したいものの、他方、判事補の供給源となる司法修習終了者の人数が減少していることや、法律事務所が大規模化して採用における競合が激しくなっているといった理由から採用が困難になっているのも事実でございまして、こういった採用に当たっての裁判所特有の構造、こういったこともありますので、国の行政機関と一概に比較できるものではないと考えられます。
 なお、裁判所におきましては、二十九年度の裁判所定員法の改正に際しての附帯決議等も踏まえまして、その定員充足に努めつつ、段階的な減員等による欠員の是正、あるいは司法研修所教官等を通じ裁判所勤務の魅力等を伝えてもらうなどの取組を講じているものと承知しておりまして、私ども財務省といたしましても、裁判所と調整しつつ、適正な定員管理がなされるよう努めてまいりたいと存じます。


第3 判事補の任官者の減少が止まらない理由に関する質疑応答
・ 令和3年3月12日の衆議院法務委員会において,47期の徳岡治最高裁判所人事局長と56期の階猛衆議院議員との間で以下の質疑応答がありました。
○階委員 それでは、問題になります判事補、新しく裁判官になる方の方を取り上げたいと思います。
 附帯決議の三番ですね。これは、過去の当委員会の附帯決議を踏まえ、「最高裁判所において、引き続き、判事補の定員の充足に努めるとともに、判事補の定員の在り方について、更なる削減等も含め検討していくこと。」ということになっています。
 ところで、また四ページ目の先ほどの表を見ていただきたいんですが、判事補の任官者、直近では六十六人ということになっています。以前は、司法試験の合格者が五百人ぐらいの時代もありました。五百人の時代、例えば平成四年は、司法試験合格者が五百人ぐらいしかいない中で、判事補に六十五人ぐらいなっていたわけですね。合格者三倍になっているのに、全く任官者は増えていないというのもいかがなものか。また、それが近年どんどん減ってきていますよね。
 こうした判事補の任官者の減少が止まらない理由は何かということをお尋ねしたいと思います。
○徳岡最高裁判所長官代理者 お答え申し上げます。
 裁判所としては、できる限りの充員に努めているところではございますが、新任判事補の採用数が伸び悩んでいる理由といたしましては、判事補の給源となる司法修習終了者の人数が減少していることに加えまして、弁護士として活躍する分野が広がっているだけでなく、大規模法律事務所等との競合が激化していること、大都市志向の強まりや、配偶者が有職であることの一般化に伴って、異動、転勤でございますが、これへの不安を持つ司法修習生が増えていることなどが理由になっていると考えているところでございます。
○階委員 その理由も、毎回同じようなことを言っているんですけれども、毎回論破しているんです、私は。
 まず、終了者の減少というのは、さっき言ったとおり、過去は合格者五百人ですよ、今は減ったとはいえ、千五百人じゃないですか。合格者三倍になっているのに任官者は同じって、これはあり得ないじゃないですか。終了者減少は理由にならない。
 それから、大規模弁護士事務所が人を集めているからと言いますけれども、あるいは、大都市志向の強まりとか、共働きとかという話も聞きますけれども、同じ理由は検察官にも当てはまるんですね。ところが、検察官の方は、別に採用は減っていないですよ。
何で裁判官だけこれだけ減るのか、今の説明では理由になっていません。もう一回ちゃんと答えてください。
○徳岡最高裁判所長官代理者 お答え申し上げます。
 判事補の充員につきましては、御指摘のとおり、一層の努力が必要であるというふうに考えております。
 もっとも、主として刑事事件を担当する検事に比べて、裁判官については、民事事件を担当する割合が高いこともありまして、大規模法律事務所等との競合が生じやすいという面は御理解いただければというふうに思います。
 裁判所といたしましては、判事補の志望者の増加に向けた取組をより一層進めていくことによりまして、裁判官にふさわしい資質、能力を備えている人を採用し、判事補の充員ができるように引き続き努めてまいりたいというふうに思います。
○階委員 民事の志向の人は大規模事務所と競合すると言うんだけれども、検察官なんてそもそも刑事しかやらないわけですね、基本的に。訟務検事とかはあるかもしれないけれども。検事しかやらないということは、千五百人の中でも、刑事しかやらない仕事に就きたいという人は物すごく少ないと思うんですね、普通に考えて。にもかかわらず、減らしていないわけですよ。
 裁判官は民事も刑事もできるわけじゃないですか。民事の方だけ取り上げて、大規模事務所と競合しているから。だったら、検察官なんて最初から刑事しかやらないんだから、民事をやる人ははなから母集団にも入っていないわけで、それも理由になりません。
 そう思いませんか。自分の言っていることがおかしいと思いませんか。もう一回、答弁。
○徳岡最高裁判所長官代理者 お答え申し上げます。
 判事補への任官希望の点につきまして、どの点が影響しているのかというのは、様々な事情がありまして、これだけということはなかなか申し上げにくいところでございますが、繰り返しになりますけれども、今後とも、判事補志望者の増加に向けた取組に努めてまいりたいというふうに存じております。(発言する者あり)
○階委員 今、アンケートを取ったらいいんじゃないかという元法務省の政務官の大事な御意見もありましたけれども。
 結局、様々な事情がありましてって何ですか。では、今までの言っていたことは何ですか。今まで言っていたことは結局理由になっていないということを自白したんですか。私がちゃんと反論したら、それ以上答えられないじゃないですか。皆さんが言っていた理由は、理由にはならないということですよね。
 もっと正直に言ったらどうですか。要は、司法試験の合格者も減り、志願者も減り、そして優秀な人材が受からなくなってきている、この世界に入らなくなってきている、そのことによって、裁判官を採用しにくくなっている。これでしょう、実態は。正直に言ってくださいよ。今までの理由では納得できません。ほかに理由はありますか。ちゃんと言ってください。
○徳岡最高裁判所長官代理者 お答え申し上げます。
 これも繰り返しになりますけれども、様々な事情、先ほど御指摘ありましたけれども、申し上げたとおりでございまして、弁護士として活躍する分野が広がっているとか、あるいは大規模法律事務所等の競合があるとか、配偶者が有職であるとか、いろいろ申し上げましたけれども、こういうことなどが理由になっているだろうとこちらとしては考えているところでございます。
○階委員 皆さん、裁判官でしょう。そんなことを代理人が主張してきて、却下ですよ。何言っているんですか。証拠裁判主義でしょう、全然証拠になっていないんですよ、皆さんの言っていることは。証拠にも、ロジックもめちゃくちゃですよ。
 正直に言ってくださいよ。本当のところはどうなんですか。これだけ志願者が減って、でも、合格者は過去の三倍ですよ。だから、必然的にレベルは下がっているじゃないですか。下がるでしょう、それは。下がっている中で、なかなか裁判官にふさわしい人材はいないから減っているということじゃないですか。正直に言ってくださいよ。
○徳岡最高裁判所長官代理者 お答え申し上げます。
 最高裁において所管している司法修習生の質のことについて申し上げますと、例えば、法曹に必要な資質、能力を備えているかどうかを判定する目的で行われております二回試験の不合格者を見ても、近年大きく増加する状況にはないことからしますと、司法修習生の質が低下しているという事情は見当たらないと考えるところでございます。
 判事補任官者数が減少している原因については、先ほど申し上げたとおりでございますが、今後とも、充員ができるように努めてまいりたいというふうに存じております。
○階委員 では、質が下がっていなければ、皆さんの努力が足りないということですね。果たして、この定員充足に努めるというのも毎年のように附帯決議で言っていますよ。
 今年度は六十六人に減りましたけれども、何か新しい取組はしたんですか、今までと違う。言ってください。
○徳岡最高裁判所長官代理者 お答え申し上げます。
 これまで、実務修習での指導担当裁判官や司法研修所教官から司法修習生に対し、裁判官のやりがいや魅力を伝えるほか、異動希望や負担にはできる限り配慮していくことなどを伝えてきたところでございます。
 また、昨年度からは、選択型実務修習の全国プログラムとして、最高裁修習プログラムを新設し、最高裁判事の講話や最高裁調査官の講義等を実施するなどしているところでございます。
 今年度は、新型コロナウイルス感染症の影響によりまして、分野別実務修習の一部が在宅となりましたり、選択型実務修習の全国プログラムが中止となったりいたしましたけれども、これを補うため、司法研修所の教官におきましては、ウェブ会議を用いるなどして、司法修習生からの進路相談にこれまで以上に応じるなど、できる限りの工夫を行ってきたものでございます。
 今後とも、裁判官にふさわしい資質、能力を備えている者に任官してもらえるよう努力してまいりたいというふうに思います。


第4 関連記事その他
・ 以下の記事も参照して下さい。
・ 最高裁判所修習に関する文書
・ 裁判所職員定員法の一部を改正する法律に関する国会答弁資料等
・ 裁判官の報酬等に関する法律の一部を改正する法律に関する国会答弁資料等
・ 判事補採用願等の書類,並びに採用面接及び採用内定通知の日程
 新任判事補の採用内定通知から辞令交付式までの日程
・ 裁判官の再任の予定年月日,及び一斉採用年月日
・ 司法修習生の検事採用までの日程
・ 現行60期以降の,検事任官者に関する法務省のプレスリリース
・ 集合修習時志望者数(A班及びB班の合計数)と現実の判事補採用人数の推移

裁判所の指定職職員

目次
1 裁判所の指定職職員の序列
2 裁判官以外の幹部職員の設置根拠
3 裁判官以外の裁判所職員の定年
4 裁判官以外の職員の早期退職の期間,及び早期退職希望者の募集実施要項(一般職向け)
5 簡易裁判所判事選考の最終合格者の決定時期,並びに裁判所の指定職職員及びこれに準ずる幹部職員の辞職時期
6 簡易裁判所判事の選考
7 簡易裁判所判事の選考における,裁判所の指定職職員等の取扱い
8 簡易裁判所判事としての給料を決める方法は不開示情報であること
9 退職準備等説明会
10 関連記事その他

1 裁判所の指定職職員の序列

(1) 指定職俸給表の適用を受ける職員の号俸について(平成30年6月6日付の最高裁判所裁判官会議議決)によれば,最高裁判所事務総長を除き,裁判所の指定職職員の序列は以下のとおりです。
1位:最高裁大法廷首席書記官,最高裁審議官,最高裁家庭審議官及び東京高裁事務局次長
→ 指定職俸給表3号棒(判事4号と同じです。)が適用され,退官後に瑞宝中綬章を授与されます。
2位:最高裁訟廷首席書記官及び大阪高裁事務局次長
→ 指定職俸給表2号棒が適用され,退官後に瑞宝中綬章を授与されます。
3位: 最高裁小法廷首席書記官(3人),裁判所職員総合研修所事務局長,その他の高裁事務局次長(6人)及び東京地裁事務局長並びに東京,大阪,名古屋,広島,福岡,仙台及び札幌の首席家裁調査官(7人)
→  指定職俸給表2号棒が適用され,退官後に瑞宝小綬章を授与されます。
(2)ア 高等検察庁事務局の場合,東京及び福岡の事務局長が指定職俸給表2号棒であり,大阪及び名古屋の事務局長が指定職俸給表1号棒です。
   これに対して高等裁判所事務局の場合,東京高裁の事務局次長が指定職俸給表3号棒であり,それ以外の高裁の事務局次長が指定職俸給表2号棒です。
イ ①東京高裁事務局次長は昭和時代から指定職であったところ,②平成2年度に大阪高裁事務局次長が指定職となり,③平成4年度に福岡高裁事務局次長が指定職となり,④平成5年度に名古屋高裁事務局次長が指定職となり,⑤平成6年度に広島高裁事務局次長が指定職となり,⑥平成7年度に仙台高裁事務局次長が指定職となり,⑦平成8年度に札幌高裁事務局次長が指定職となり,⑧平成9年度に高松高裁事務局次長が指定職となりました(最高裁総務局・人事局各課長,参事官を囲む座談会(平成9年5月30日開催)における発言(全国裁判所書記官協議会会報第139号4頁)等参照)。
(3) 高松家裁の首席家裁調査官は指定職職員ではありません。


2 裁判官以外の幹部職員の設置根拠
・ 
裁判官以外の幹部職員の設置根拠は以下のとおりです。
首席書記官:大法廷首席書記官等に関する規則(昭和29年6月1日最高裁判所規則第9号)3条
次席書記官:大法廷首席書記官等に関する規則(昭和29年6月1日最高裁判所規則第9号)4条
首席家裁調査官:裁判所法61条の2
次席家裁調査官:首席家庭裁判所調査官等に関する規則(昭和57年6月14日最高裁判所規則第4号)則2条
事務局長:裁判所法59条
事務局次長:下級裁判所事務処理規則(昭和23年8月18日最高裁判所規則第16号)24条


3 裁判官以外の裁判所職員の定年
(1)ア 裁判官以外の裁判所職員の定年は60歳であって(裁判所職員臨時措置法1項・国家公務員法81条の2第2項),エリート裁判官が就任する最高裁判所事務総長の定年だけが65歳です(裁判官及び裁判官の秘書官以外の裁判所職員の定年に関する規則(昭和59年11月15日最高裁判所規則第6号)2条1項1号)。
イ 裁判官以外の裁判所職員の定年は,行政機関の一般職事務系職員と概ね同じであると説明されています(内閣官房HPの「国家公務員の定年一覧(主なもの)」参照)。

(2) 60歳に達した日以後の最初の3月31日が定年退職日となります(人事院HPの「国家公務員の定年制度等の概要」参照)から,昭和32年4月2日から昭和33年4月1日生まれの人の定年退職日は平成30年3月31日になると思います。
(3) 裁判官及び裁判官の秘書官以外の裁判所職員の定年に関する規則(昭和59年11月15日最高裁判所規則第6号)2条1項2号に掲げる職員の定年は最高裁判所が別に定める年齢とする旨を規定していますところ,同号により最高裁判所が別に定めた職員はいません(令和元年度(最情)答申第38号(令和元年8月23日答申))。
   そのため,裁判官以外の裁判所職員の定年はすべて60歳となります。

 裁判官以外の裁判所職員の早期退職の期間,及び早期退職希望者の募集実施要項(一般職向け)
(1) 早期退職に応募した一般職の職員は毎年,7月25日から同月31日まで,及び3月25日から同月31日までが早期退職の期間とされています。
(2) 令和2年の場合,新型コロナウイルス感染症に関する緊急事態宣言が発令された影響であると思いますが,8月25日から同月31日までが早期退職の期間とされていました。
(3) 「早期退職希望者の募集実施要項(一般職向け)」を以下の通り掲載しています。
2025年:4月24日
2024年:4月25日10月21日
2023年:4月25日10月13日
2022年:4月25日10月11日
2021年:4月22日10月12日
2020年:6月15日10月12日
2019年:4月19日10月11日
2018年:4月24日10月12日
2017年:4月25日10月13日
2016年:4月26日10月14日
2015年:5月 8日10月19日
2014年:5月 9日10月20日
2013年:10月8日
* 「早期退職希望者の募集実施要項(一般職向け)(令和4年4月25日付の最高裁判所人事局長の文書)」といったファイル名です。


 簡易裁判所判事選考の最終合格者の決定時期,並びに裁判所の指定職職員及びこれに準ずる幹部職員の辞職時期
(1) 簡易裁判所判事選考の最終合格者の決定時期
   簡易裁判所判事選考委員会は,毎年6月1日頃に簡易裁判所判事選考の最終合格者を決定しています(「簡易裁判所判事選考委員会(第2回)議事録(平成19年度以降)」参照)。

(2) 裁判所の指定職職員及びこれに準ずる幹部職員の辞職時期
ア 官報の人事情報を見る限り,裁判所の指定職職員及びこれに準ずる幹部職員を辞職した後に簡易裁判所判事となる場合,7月30日付で依願退官し,8月1日付で簡易裁判所判事に任命されています。
   つまり,裁判所の指定職職員は,早期退職への応募を通じて,定年退職と同額の退職手当を受領した後,7月31日だけ在職していない状態とした上で,8月1日に簡易裁判所判事になっているということだと思います。
イ 官報の人事情報に載らない点ではっきりしないものの,幹部職員以外の裁判所職員が8月1日付で簡易裁判所判事になる場合であっても,7月30日までに依願退官していると思います。
   なぜなら,内閣人事としての簡易裁判所判事の新規任命の場合,氏名に肩書が付いている人はいないからです。
ウ 判事新任の場合,判事補の任期満了に伴い判事に任命される人については肩書が付いていないのに対し,判事補の任期満了前に判事任命される人(出向等が終わった後に再び判事補に任命された人)については肩書が付いています(「62期判事及び72期判事補任命時の閣議書(令和2年1月7日付)」参照)。
エ 令和2年の場合,裁判所の指定職職員及びこれに準ずる幹部職員は8月30日付で辞職し,同年9月1日付で簡易裁判所判事に任命されています。


6 簡易裁判所判事の選考
(1) 多年司法事務にたずさわり,その他簡易裁判所判事の職務に必要な学識経験のある者は,3年以上の判事補経験(裁判所法44条1項1号)等がない場合であっても、簡易裁判所判事選考委員会の選考を経て,簡易裁判所判事に任命されることができます(裁判所法45条1項)。
(2) 第1次選考は筆記試験(憲法,民法,刑法,民事訴訟法及び刑事訴訟法)であり,第2次選考は口述試験(高等裁判所における一般諮問,並びに最高裁判所における法律諮問及び一般諮問)です。
(3)ア 簡易裁判所判事「選考」委員会は最高裁判所に設置されている(簡易裁判所判事選考規則1条参照)のに対し,簡易裁判所判事「推薦」委員会は各地方裁判所に設置されています(簡易裁判所判事選考規則15条)。
イ 簡易裁判所判事「選考」委員会の選考は,①簡易裁判所判事「推薦」委員会が推薦した者(簡易裁判所判事選考規則5条1項),及び②簡易裁判所判事「選考」委員会の決定により選考に加えられた者(簡易裁判所判事選考規則5条2項)を対象として実施されています。
ウ 40歳以上であり,かつ,裁判所等における官職の在官年数が通算して18年以上である裁判所職員であれば,簡易裁判所判事「推薦」委員会の推薦を受けられる可能性があります(簡易裁判所判事選考候補者の推薦基準について(平成17年3月22日付の最高裁判所人事局長の通達)参照)。
エ 簡易裁判所判事「推薦」委員会が推薦した者は第1次選考,第2次選考及び身上調査等を受けます。
   これに対して,簡易裁判所判事「選考」委員会の決定により選考に加えられた者は第2次試験及び身上調査等を受けています。

オ 裁判所HPに「簡易裁判所判事の選考手続について」が載っています。
(4) 簡易裁判所判事選考規則5条は以下のとおりです。
① 最高裁判所が委員会に対し第一条の選考を行うべきことを命じたときは、委員会は、簡易裁判所判事推薦委員会が推薦した者の中から、簡易裁判所判事の候補者を選考しなければならない。
② 委員会は、前項の場合において、必要があると認めるときは、同項の規定にかかわらず、簡易裁判所判事推薦委員会が推薦した者以外の者の中から、簡易裁判所判事の候補者を選考することができる。
③ 委員会は、前二項の規定により、簡易裁判所判事の候補者を選考したときは、速やかに、その氏名、選考の理由及び選考の日を最高裁判所に報告しなければならない。


7 簡易裁判所判事の選考における,裁判所の指定職職員等の取扱い
(1)ア 29期の大谷直人最高裁判所人事局長は,平成19年3月20日の衆議院法務委員会において以下の答弁をしています(ナンバリング及び改行を追加しています。)。
① 裁判所法四十五条に規定する簡裁判事の選考採用手続ということでございますが、この選考は、最高裁判所に設置された簡易裁判所判事選考委員会によって行われることとなっております。
   第一次選考として論文式の筆記試験、第二次選考として口述の方法による法律試問と一般試問、この結果を総合して選考の適否を判定することとされております。
   その対象となる者が二種類ございまして、一つは、各地方裁判所に設置された簡易裁判所判事推薦委員会から推薦を受けた者であり、これらの者は今申し上げました第一次選考から受験することとなっております。そのほかに、簡易裁判所判事選考規則五条二項によりまして、簡易裁判所判事選考委員会は、推薦委員会から推薦を受けた者以外の候補者を選考することができるということとされておりまして、これに基づきまして、選考委員会の決定により選考に加えられることとなった者は第二次選考から受験する、こういうことになっております。
② 平成十八年度で申しますと、第一次選考が免除された者の受験者数それから合格者数は十人ということでございます。(河村(た)委員「何%ですか」と呼ぶ)合格率は一〇〇%ということになります。
   また、推薦組、これは先ほど申し上げました第一番目のルートということになりますが、この受験者数は百十八人、合格者数は三十三人であり、合格率は、先ほど委員も御指摘になりましたが、三〇%弱となっております。
③ 裁判所職員の中には、長年経験を積んで、その法律知識、実務能力がその執務を通じて実証されており、人物、識見においても簡裁判事としてふさわしい人材がいるところでございまして、そういった者につきましては、口頭による法律試問をもって簡裁判事として必要とされる基本的な法律知識を確認するとともに、一般試問を行って、最終的に簡裁判事としての適格性を審査して選考するという制度になっているわけです。
   このことは、外部の学識経験者にも加わっていただいた簡裁判事選考委員会でも従来から認められているところでございます。
イ 平成18年7月30日付で以下の11人が辞職していますところ,全員が同年8月1日付で簡易裁判所判事に任命されました。

最高裁判所大法廷首席書記官    小寺  薫
最高裁判所第一小法廷首席書記官  小野寺 脩
最高裁判所第三小法廷首席書記官  伊藤 秀城
裁判所職員総合研修所事務局長   辻  正毅
東京高等裁判所民事首席書記官   八木 道雄
大阪高等裁判所事務局次長     近藤  哲
大阪高等裁判所刑事首席書記官   早苗 知次
金沢家庭裁判所事務局長      太田 武志
福岡地方裁判所事務局長      宮本禎一郎
札幌高等裁判所事務局次長     長原  豊
高松高等裁判所民事首席書記官   西村 忠志
(2) 簡裁判事2号は指定職俸給表1号棒と同じでありますところ,裁判所の指定職職員の場合,指定職俸給表3号棒又は2号棒が適用されています。
   そのため,簡裁判事特号又は簡裁判事1号が適用されない限り,裁判所の指定職職員をしていた時期よりも収入が少なくなります。
(3) 独立行政法人国立印刷局官報情報検索サービスで,「簡易裁判所判事に任命する」というキーワードで検索すれば,簡易裁判所判事の任命状況を調査できます。

令和元年12月1日現在の,裁判官の号別在職状況

裁判官・検察官の給与月額表(平成31年4月1日現在)


8 簡易裁判所判事としての給料を決める方法は不開示情報であること
(1) 平成30年12月12日付の最高裁判所事務総長の理由説明書には以下の記載があります。
ア 本件対象文書に記載されている情報は,簡易裁判所判事に任命された際の報酬の決定事務に関与するごく一部の職員にしか知られることのない極めて機密性の高い性質のものであるところ,文書の標題も含め, これを公にすると, この情報を知った者に無用な憶測を生じさせたり,職員の適正かつ円滑な職務遂行に好ましくない影響が及ぶなどして,裁判所の人事事務の適正な遂行に支障を及ぼすおそれがあるため,全体として行政機関の保有する情報の公開に関する法律(以下「法」という。)第5条第6号二に定める不開示情報に相当する。
   さらに,本件対象文書には,簡易裁判所判事に任命された際の報酬の決定に関する情報が記載されており, これを明らかにすると,特定の者の報酬に関する情報が明らかになる可能性があり,同情報は法第5条第1号に定める不開示情報である個人識別情報に相当する。
イ よって,本件対象文書を不開示とした原判断は相当である。
(2) 本件対象文書は,「裁判所書記官又は裁判所事務官から簡易裁判所判事に任用された場合, どのような基準で簡易裁判所判事としての給料を決めることになっているかが分かる文書(最新版)」です。


9 退職準備等説明会
(1) 最高裁判所の令和4年度概算要求書(説明資料)225頁には,「(14) 退職準備等説明会」として以下の記載があります。
<要求要旨>
   高齢化社会への移行が進む中で,公務部門における高齢者雇用を推進するための方策を講ずる必要性が高まっているところ,公的年金支給開始年齢の引上げに伴う諸問題をはじめとして,高齢者をめぐる社会情勢が変化してきており,組織内部において重要な地位と役割を占める中高齢職員の退職後の生活に対する不安を解消し,公務の安定的,能率的運営や労使関係の安定に障害が発生しないよう配慮することが必要である。
   裁判所の一般職の場合,定年(60歳)まで勤務する者が大多数であり,中高齢職員の大部分が,現場の第一線で裁判事務を現実に担っている。これら中高齢職員は退職後の生活に不安を抱いており,その意味で裁判所における高齢者対策の問題は深刻である。職員の退職準備を円滑に行い得る条件を整備することによって,その不安を取り除き,職務に専念させることが,裁判事務の能率的処理に資することになる。
   そこで,定年退職を間近に控えた職員及び定年退職はまだ先であるが退職準備の意義について知らしめる必要のある職員を対象として,再就職の規制に関する諸制度,再任用制度,年金制度,高齢期における健康管理等,定年退職後の生活に必要かつ重要な情報を了知させるとともに,必要な相談に応じることによって,今後の在職期間及び定年退職後の生活について見直す機会とそのための情報を提供する必要がある。
   また,退職管理に関する個々の職員からの要望や問題点を把握し,今後の円滑な退職管理に活用するためにも,説明会を実施することが不可欠であり,これに要する経費を要求する。
(2) 令和2年度(最情)答申第32号(令和2年11月26日)には,「最高裁判所において裁判官以外の裁判所職員を対象とした退職準備等説明会は実施しておらず,下級裁判所における裁判官以外の裁判所職員を対象とした退職準備等説明会の配布資料も取得していない」と書いてあります。


10 関連記事その他
(1) 関連文書は以下のとおりです。

(書記官関係)
・ 大法廷首席書記官等に関する規則(昭和29年6月1日最高裁判所規則第9号)
・ 最高裁判所大法廷職制規程(昭和43年4月20日最高裁判所規程第3号)
(家裁調査官関係)
・ 首席家庭裁判所調査官等に関する規則(昭和57年6月14日最高裁判所規則第4号)
・ 首席家庭裁判所調査官等に関する規則の運用について(平成7年7月14日付の最高裁判所事務総長依命通達)
(管理職員等の範囲関係)
・ 裁判官及び裁判官の秘書官以外の裁判所職員の管理職員等の範囲に関する規則(昭和41年7月22日最高裁判所規則第6号)
・ 裁判官及び裁判官の秘書官以外の裁判所職員の管理職員等の範囲に関する規則の運用について(昭和63年9月30日付の最高裁判所事務総長依命通達)
(定年関係)
・ 定年の引上げ等に係る「裁判所における運用の骨子」及び「裁判所における運用の概要」について(令和4年11月17日付の最高裁人事局総務課長の通知)
→ ①裁判所における運用の骨子~定年の引上げ等について~(令和4年11月の最高裁判所事務総局人事局の文書)及び②裁判所における運用の概要~定年の引上げ等について~(令和4年11月の最高裁判所事務総局人事局の文書)が含まれています。
(その他)
・ 裁判官以外の裁判所職員の任免等に関する規則(昭和25年1月20日最高裁判所規則第4号。平成24年3月12日最終改正)
・ 大法廷首席書記官等に関する規則の運用について(平成6年7月18日付の最高裁判所事務総長依命通達)
(2) 関連記事は以下のとおりです。
・ 最高裁判所が作成している,最高裁判所判事・事務総局局長・課長等名簿
・ 最高裁判所が作成している,高裁長官・地家裁所長等名簿
・ 最高裁判所の職員配置図(平成25年度以降)

・ 裁判所関係者及び弁護士に対する叙勲の相場
・ 最高裁判所が作成している,下級裁判所幹部職員名簿
・ 首席書記官の職務
・ 首席家庭裁判所調査官の職務
・ 裁判所の指定職職員の名簿(一般職)
・ 指定職未満の裁判所一般職の級
・ 司法行政部門における役職と,裁判部門における裁判所書記官の役職の対応関係
(簡易裁判所判事関係)

・ 簡易裁判所判事の採用選考に関する国会答弁
・ 簡易裁判所判事選考委員会(第2回)議事録(平成19年度以降)
・ 裁判官の年収及び退職手当(推定計算)

・ 裁判官の号別在職状況
(叙勲関係)

・ 裁判所関係者及び弁護士に対する叙勲の相場
・ 勲章受章者名簿(裁判官,簡裁判事,一般職,弁護士及び調停委員)

裁判所調査官

目次
1 総論
2 裁判所調査官の配置状況
3 外部資料
4 日弁連の意見書
5 関連記事その他

1 総論
(1) 最高裁判所,各高等裁判所及び各地方裁判所に裁判所調査官が置かれます(裁判所法57条1項)ところ,最高裁判所に置かれる裁判所調査官は最高裁判所調査官として,裁判所法付則3項に基づき裁判官から任命されています(「最高裁判所調査官」参照)。
   高等裁判所及び地方裁判所の裁判所調査官は,特許庁又は国税庁からの出向者から任命されています。
(2) 裁判所調査官の任免及び勤務裁判所の指定は,最高裁判所の裁判官会議によって行われます(裁判官以外の裁判所職員の任免等に関する規則2条5号)。
(3) 地方裁判所の裁判所調査官は,知的財産又は租税に関する事件に限り,必要な調査等を行います(裁判所法57条2項)。
(4) 関連通達は以下のとおりです。
・ 裁判所調査官による租税関係および工業所有権関係事件の調査について(昭和48年6月21日付の最高裁判所事務総長依命通達)
・ 裁判所調査官による租税関係及び工業所有権関係事件の調査の運用について(昭和60年12月20日付の最高裁判所行政局長,刑事局長,民事局長及び人事局長通達)
(5) 裁判所法61条の2に基づき,各家庭裁判所及び各高等裁判所に置かれる家庭裁判所調査官とは異なります。

2 裁判所調査官の配置状況
(1) 「裁判所法57条に基づく裁判所調査官(ただし,最高裁判所調査官は除く。)の配置状況がわかる文書」を以下のとおり掲載しています。
・ 令和6年4月1日現在のもの
・ 令和5年4月1日現在のもの
・ 令和4年4月1日現在のもの
・ 令和3年4月1日現在のもの
・ 令和2年7月10日現在のもの
・ 平成31年4月1日現在のもの
・ 
平成29年11月1日現在のもの

(2) 平成29年11月以降でいえば,知財高裁配属の調査官が11人であり,東京地裁配属の調査官が10人であり,大阪地裁配属の調査官が5人です。


3 外部資料
(1) 知的財産訴訟検討会の資料
・ 裁判所調査官に関する平成15年2月時点の状況が,
知的財産訴訟検討会第5回会合(平成15年2月28日)配布資料1「専門家が裁判官をサポートするための訴訟手続への新たな参加制度に関する現状と課題」に載っています。

(2) 特許庁からの出向経験者の説明
ア 知財関係の裁判所調査官が配置されたのは,東京高裁(平成17年度からは知財高裁)が昭和24年,東京地裁が昭和41年,大阪地裁が昭和43年からです。

イ 平成29年1月頃の時点で,知財高裁には11人,東京地裁には7人,大阪地裁には3人の知財関係の裁判所調査官が配置されています。
ウ 2017年1月31日発行の
「特技懇」誌第284号「大阪地裁における調査官の業務について」が参考になります。

4 日弁連の意見書
(1) 日弁連は,平成12年12月15日,「税務訴訟における裁判所調査官制度の見直しを求める意見書」を公表しました。
(2) 日弁連は,平成30年9月20日,「租税訴訟における裁判所調査官制度の廃止を求める意見書」を取りまとめました。

5 関連記事その他
(1)ア 制定時の裁判所法57条4項は以下のとおりあって,「第六六条の試験」というのは,高等試験司法科試験(昭和24年度以降は司法試験)のことです。
    裁判所調査官の任命は、一般の二級事務官吏に任命される資格を有する者の外第六六条の試験に合格した者についてもこれを行うことができる。
イ 制定時の裁判所法57条4項は,昭和26年3月30日法律第59号によって削除されました。
(2) 「刑事租税事件の審理上の留意点」には以下の記載があります(判例タイムズ1477号(2020年12月号)12頁)。
    大阪地裁及び東京地裁には,刑事租税事件に関する裁判所調査官が置かれている。裁判所調査官は,租税事件の審理及び裁判に必要な調査等をつかさどるとされている(裁判所法57条)。大阪地裁及び東京地裁以外の裁判所においても,裁判所調査官を活用することが可能となっている。
(3) 日本税理士会連合会HP「<最高裁判所からのお知らせ>裁判所調査官(租税関係行政事件担当)候補者の募集について」が載っています。
(4) 以下の記事も参照してください。
 裁判所職員採用試験

・ 最高裁判所調査官
・ 最高裁判所判例解説
 裁判所書記官及び家庭裁判所調査官の役職

東京高裁及び大阪高裁事務局,並びに東京地裁,大阪地裁及び大阪家裁事務局に設置されている係

目次
第1 東京高裁及び大阪高裁事務局に設置されている係
第2 東京地裁,大阪地裁及び大阪家裁事務局に設置されている係
第3 関連記事その他

第1 東京高裁及び大阪高裁事務局に設置されている係
1 東京高裁事務局に設置されている係
(1) 総務課
→ 庶務係,文書第一係,文書第二係,広報係,資料第一係,資料第二係
(2) 人事課
→ 管理係,任用第一係,任用第二係,給与第一係,給与第二係,能率係,研修係
(3) 会計課→ 管理係,経理係,用度係,営繕係,共済組合第一係,共済組合第二係,共済組合第三係,監査係,保管物係
(4) 管理課
→ 管理係,設備係,庁舎警備係,内務係,電話交換係

2 大阪高裁事務局に設置されている係
(1) 総務課
→ 庶務係,文書第一係,文書第二係,広報係,資料第一係,資料第二係
(2) 人事課
→ 管理係,任用第一係,任用第二係,給与第一係,給与第二係,能率係,研修係
(3) 会計課
→ 管理係,経理係,用度係,営繕係,共済組合第一係,共済組合第二係,監査係,保管物係
(4) 管理課
→ 管理係,設備係,庁舎警備係

第2 東京地裁,大阪地裁及び大阪家裁事務局に設置されている係
1 東京地裁事務局に設置されている係
(1) 総務課
→ 庶務第一係,庶務第二係,文書第一係,文書第二係,広報係,渉外係
→ 東京修習となった司法修習生の修習の庶務を担当するのは,庶務第二係です。
(2) 警務課
→ 警備第一係,警備第二係,警備第三係
(3) 人事課
→ 管理係,任用第一係,任用第二係,給与第一係,給与第二係,能率係
(4) 経理課
→ 管理係,経理係,営繕係,監査係
(5) 出納第一課
→ 支出負担行為係,出納係,計算証明係
(6) 出納第二課
→ 出納係,保管金係,計算証明係
(7) 出納第三係
→ 出納係,保管金係,管理係
(8) 用度課
→ 調達係,物品管理係,保管物係

2 大阪地裁事務局に設置されている係
(1) 総務課
→ 庶務第一係,庶務第二係,文書第一係,文書第二係,広報係,警備係
→ 大阪修習となった司法修習生の修習の庶務を担当するのは,庶務第二係です。
(2) 人事課
→ 管理係,任用係,給与第一係,給与第二係,能率係
(3) 経理課
→ 管理係,営繕係,監査係,調達係,物品管理係,保管係
(4) 出納第一課
→ 支出負担行為係,出納第一係,出納第二係,保管金第一係,保管金第二係,計算証明係
(5) 出納第二課
→ 執行出納係,執行保管金係

3 大阪家裁事務局に設置されている係
(1) 総務課
→ 庶務係,文書係,広報係,資料係
(2) 人事課
→ 管理係,任用係,給与係,能率係
(3) 会計課
→ 管理係,経理係,用度係,保管金係

第3 関連記事その他
1 本記事の記載は, 「課に置く係について」(平成6年7月29日付の最高裁判所総務局長依命通達)に基づくものです。
2 以下の記事も参照してください。
・ 司法行政を担う裁判官会議,最高裁判所事務総長及び下級裁判所事務局長
・ 下級裁判所事務局の係の事務分掌
・ 裁判所書記官,家裁調査官及び下級裁判所事務局に関する規則,規程及び通達

訟廷管理官の下に置く係

1 「訟廷管理官の下に置く係について」(平成6年7月18日付の最高裁判所総務局長通達)に基づき,訟廷管理官の下には庶務係,事件係及び記録係が置かれています。

2 庶務係は裁判部の司法行政事務を掌り,事件係及び記録係は裁判事務を掌っています。

3 庶務係の分掌事務は以下のとおりです。
① 裁判官及び裁判所書記官のてん補に関する事項
② 廷吏の配置及び指導監督に関する事項
③ 法定,準備手続室,審判廷,調停室等の事件のために使用する各室の管理に関する事項
④ 裁判事務用器具の使用の調整に関する事項
⑤ 過料の徴収に関する事項
⑥ 法廷警備等の連絡及び協議に関する事項
⑦ 録音反訳に係る庶務に関する事項
⑧ 裁判所速記官のてん補に関する事項
⑨ 裁判所速記官の事務の連絡調整に関する事項
⑩ 他の係に属しない事項

4 事件係の分掌事務は以下のとおりです。
① 事件の受付及び分配に関する事項
② 事件に関する記録の受領及び送付に関する事項
③ 事件に関する帳簿諸票の整備に関する事項
④ 国選弁護人に関する事項
⑤ 押収物等の受入れ,仮出し及び処分に関する事項
⑥ 事件報告の資料の収集等に関する事項
⑦ 裁判事件票その他の裁判統計の資料の作成に関する事項

5 記録係の分掌事務は以下のとおりです。
① 事件に関する記録その他の書類の保存,廃棄及び独立行政法人国立公文書館への送付並びに事件に関する帳簿諸票の保存及び廃棄に関する事項
② 当事者その他の関係人の事件に関する記録その他の書類及び証拠物の閲覧及び謄写に関する事項
③ 当事者その他の関係人の請求による事件に関する記録その他の書類の正本,謄本,抄本等の交付に関する事項
④ 裁判書,控訴趣意書,上告理由書等の浄書及び謄写に関する事項

首席家庭裁判所調査官の職務

目次
第1 首席家庭裁判所調査官の職務
1 指導監督
2 関係機関との連絡調整
3 諸施策の企画立案及び実施
4 高等裁判所の所在地を管轄する家庭裁判所の首席家庭裁判所調査官の職務
第2 関連記事

第1 首席家庭裁判所調査官の職務
・ 
首席家庭裁判所調査官等に関する規則の運用について(平成7年7月14日付の最高裁判所事務総長依命通達)によれば,首席家庭裁判所調査官の職務は以下のとおりです。なお,文中の規則は,首席家庭裁判所調査官等に関する規則(昭和57年6月14日最高裁判所規則第4号)のことです。


1 指導監督
(1) 首席家庭裁判所調査官が規則第1条第3項り規定により家庭裁判所調査官及び家庭裁判所調査官補(以下「家庭裁判所調査官等」という。)の一般執務及び調査事務(調査事務に関する家庭裁判所調査官補の補助事務を含む。以下同じ。)について行う指導監督(2)から(4)までにおいて「指導監督」という。)については,次に定めるところによる。

ア 家庭裁判所調査官等の事務が法律,規則,規程,通達等に従い適正かつ能率的に処理されているかどうかについて査閲し,査閲の結果その他の事由により必要があると認めるときは,当該事務について規則第3条第3項に規定する組の相互の間を調整し,家庭裁判所調査官等に助言若しくは指示を与え,又はこれを指導する。
イ 家庭裁判所調査官等の調査事務については,処理計画及び処理状況の把握に努め,当該調査事務が裁判官の命令の趣旨に従い,専門的知識を活用して有効かつ適切に行われるように特に配慮する。
ウ 家庭裁判所調査官等が作成し,又は取り扱う記録,調査に関する書類及び帳簿諸票については, これらが整備され,かつ,適切に管理されるように特に配慮する。
エ 家庭裁判所調査官等の勤怠,執務の態度及び行状に留意し,必要があると認めるときは,これに注意を与える。
(2) 首席家庭裁判所調査官は,家庭裁判所調査官等に対する調査事務についての命令が事案の内容, 家庭裁判所調査官等の能力,事務の繁閑等に応じてされるように裁判官を補佐するとともに,指導監督に関し,必要があると認める事項について,当該家庭裁判所調査官等が配置されている裁判官に意見を述べることができる。
(3) 首席家庭裁判所調査官の指導監督の権限は,家庭裁判所調査官等の補助者として配置された裁判所事務官に及ぶ。
(4) 首席家庭裁判所調査官は,指導監督に関し,総括主任家庭裁判所調査官又は主任家庭裁判所調査官に補佐させることができる。

2 関係機関との連絡調整
   首席家庭裁判所調査官が規則第1条第3項の規定によりつかさどる関係行政機関その他の機関との連絡調整については,次に定めるところによる。

(1) 少年保護,社会福祉,教育,労働等に関する行政機関その他の機関との間に開かれる会議及び地方青少年問題協議会,地方社会福祉審議会等の関係会議に出席して必要事項について連絡及び協議をする。
(2) 家庭裁判所調査官等の事務が円滑に行われるように,(1)に定める行政機関その他の機関と連絡及び折衝をする。
(3) 少年の補導を現に委託しており,又は委託することができる施設,団体又は個人に当該家庭裁判所の方針を了知させるとともに,委託少年の補導の実情をー般的に調査し,その結果その他の事由により必要があると認めるときは,当該施設等に助言を与え,又はこれを指導する。
(4) 少年の補導を委託することができる施設,団体又は個人その他家庭事件を処理するために利用することができる社会資源を開発する。

3 諸施策の企画立案及び実施
   首席家庭裁判所調査官は,家庭裁判所調査官等の事務が適正かつ能率的に処理されるための諸施策を企画立案し,及び実施する。


4 高等裁判所の所在地を管轄する家庭裁判所の首席家庭裁判所調査官の職務
   高等裁判所の所在地を管轄する家庭裁判所の首席家摩裁判所調査官が規則第1条第4項の規定により当該高等裁判所の命を受けてその管轄区域内の家庭裁判所の首席家庭裁判所調査官の事務について行う調整については,次に定めるところによる。

(1)当該家庭裁判所の首席家庭裁判所調査官の事務の執行状況について調査する。
(2)当該家庭裁判所の首席家庭裁判所調査官と協議し,又はその事務の取扱いについて助言を与える。
(3)当該高等裁判所の定めるところにより,当該高等裁判所に対し,調整の実施状況を報告する。

第2 関連記事
1 以下の資料を掲載しています。
・ 家庭裁判所調査官執務必携(平成20年3月の,最高裁判所事務総局家庭局作成の文書)
2 以下の記事も参照してください。
・ 首席書記官の職務
・ 裁判所書記官,家裁調査官及び下級裁判所事務局に関する規則,規程及び通達
・ 最高裁判所が作成している,下級裁判所幹部職員名簿
・ 裁判所の指定職職員
・ 裁判所の指定職職員の名簿(一般職)
・ 指定職未満の裁判所一般職の級

首席書記官の職務

目次
第1 首席書記官の職務
1 指導監督
2 訟廷事務
3 支部の裁判所書記官等に対する権限
4 管内の下級裁判所の裁判所書記官等に対する権限
第2 関連記事

第1 首席書記官の職務
・ 大法廷首席書記官等に関する規則の運用について(平成6年7月18日付の最高裁判所事務総長依命通達)によれば,首席書記官の職務は以下のとおりです。なお,文中の規則は,大法廷首席書記官等に関する規則のことです。

1 指導監督
(1) 首席書記官が規則第3条第4項から第6項までの規定により裁判所書記官及び裁判所速記官(以下「裁判所書記官等」という。)の一般執務について行う指導監督((2)から(4)までにおいて「指導監督」 という。)については,次に定めるところによる。
ア 裁判所書記官等の事務が法律,規則,規程,通達等に従い適正かつ能率的に処理されているかどうかについて査閲する。
イ 査閲に当たっては,次に掲げる事項に重点を置く。
(ア) 事件に関する記録その他の書類の作成,整理及び保管に関する事項
(イ) 事件に関する法令,判例等の調査の補助に関する事項
(ウ) 事件に関する帳簿諸票の備付け等に関する事項
(エ) 事件に関する送達及び通知に関する事項
(オ) 保管金,押収物等の取扱いに関する事項
(カ) 予納郵便切手及び収入印紙の取扱いに関する事項
(キ) 録音反訳の利用に関する事項
(ク) 事件に関する速記及びこれに関する事務に関する事項
ウ 査閲の結果その他の事由により必要があると認めるときは,裁判所書記官等の事務について下級裁判所事務処理規則(昭和23年最高裁判所規則第16号)第4条の部(同規則第10条の2第2項の規定により部とみなされるものを含む。以下単に 「部」 という。)の相互の間を調整し,裁判所書記官等に指示を与え,又はこれを指導する。
エ 裁判所書記官等の事務が適正かつ能率的に処理されるための諸施策を企画立案し, 及び実施する。
オ 裁判所書記官等の勤怠,執務の態度及ぴ行状に留意し,必要があると認めるときは, これに注意を与える。
(2) 首席書記官は,指導監督に関し,必要と認める事項について,当該裁判所書記官等の属する部の裁判官に意見を述べることができる。
(3) 首席書記官は,指導監督に関し,主任書記官,主任速記官,訟廷管理官,裁判員調整官又は速記管理官に補佐させることができる。
(4) 首席書記官の指導監督の権限は,裁判所書記官の補助者として部に配置された裁判所事務官に及ぶ。

2 訟廷事務
    首席書記官が規則第3条第4項から第6項までの規定によりつかさどる訟廷事務とは,次に掲げる事項に関する事項をいう。
(1)   事件の受付及び分配に関する事項
(2) 事件に関する記録の受領及び送付に関する事項
(3) 事件に関する帳簿諸票の整備に関する事項
(4) 国選弁護人に関する事項
(5) 押収物等の受入れ,仮出し及び処分に関する事項
(6) 事件報告の資料の収集等に関する事項
(7) 裁判事件票その他の裁判統計の資料の作成に関する事項
(8) 事件に関する記録その他の書類の保存,廃棄及び独立行政法人国立公文書館への送付並びに事件に関する帳簿諸票の保存及び廃棄に関する事項
(9) 当事者その他の関係人の事件に関する記録その他の書類及び証拠物の閲覧及び謄写に関する事項
(10) 当事者その他の関係人の請求による事件に関する記録その他の書類の正本,謄本,抄本等の交付に関する事項
(11) 裁判書,控訴趣意書,上告理由書等の浄書及び謄写に関する事項
(12) 裁判官及び裁判所書記官のてん補に関する事項
(13) 廷吏の配置及び指導監督に関する事項
(14) 準備手続室,審判廷,調停室等の事件のために使用する各室の管理に関する事項
(15) 裁判事務用器具の使用の調整に関する事項
(16) 過料の徴収に関する事項
(17) 法廷警備等の連絡及び協議に関する事項
(18) 録音反訳に係る庶務に関する事項
(19) 裁判員候補者名簿の調製,裁判員候補者への通知,裁判員候補者に対する調査その他の裁判員及び補充裁判員の選任に関する事項
(20) 裁判所速記官のてん補に関する事項
(21) 裁判所速記官の事務の連絡調整に関する事項

3 支部の裁判所書記官等に対する権限
    首席書記官は,当該裁判所の支部の裁判所書記官等の一般執務及び訟廷事務について指導監督することができる。

4 管内の下級裁判所の裁判所書記官等に対する権限
(1) 首席書記官は,当該裁判所の命により,管轄区域内の下級裁判所の裁判所書記官等の一般執務及び訟廷事務について指導監督することができる。
(2) 高等裁判所は,首席書記官が行う管轄区域内の地方裁判所の裁判所速記官のー般執務及び速記に関する訟廷事務についての指導監督に関し,当該高等裁判所の所在地を管轄する地方裁判所の速記管理官に補佐させることができる。

第2 関連記事
・ 首席家庭裁判所調査官の職務
・ 最高裁判所が作成している,下級裁判所幹部職員名簿
・ 裁判所書記官,家裁調査官及び下級裁判所事務局に関する規則,規程及び通達
・ 裁判所の指定職職員
・ 裁判所の指定職職員の名簿(一般職)
・ 指定職未満の裁判所一般職の級


家庭裁判所調査官の役職

目次
1 総論
2 家庭裁判所調査官と裁判所書記官の役職の比較
3 最高裁判所事務総局家庭審議官
4 高等裁判所の家庭裁判所調査官
5 人事情報データベース等の改修
6 関連文書及び関連記事

1 総論
(1)ア 家裁調査官は,①家庭裁判所においては,家事審判,家事調停,人事訴訟における付帯処分等の裁判及び少年審判に必要な調査等の事務を掌り,②高等裁判所においては,家事審判に係る抗告審の審理及び付帯処分等の裁判に係る控訴審の審理に必要な調査等を掌ります(裁判所法61条の2第2項)。
イ 裁判所HPの「家庭裁判所調査官」に公式の説明があります。
(2) 家裁調査官の役職は以下のとおりです。
・ 最高裁判所
家庭審議官(最高裁判所事務総局規則3条の3)
・ 高等裁判所
上席の家裁調査官(裁判所法61条の2第1項,首席家庭裁判所調査官等に関する規則5条)
・ 家庭裁判所
① 首席家裁調査官(裁判所法61条の2第3項,首席家庭裁判所調査官等に関する規則1条)
② 次席家裁調査官(首席家庭裁判所調査官等に関する規則2条)
③ 総括主任家裁調査官(首席家庭裁判所調査官等に関する規則3条)
④ 主任家裁調査官(首席家庭裁判所調査官等に関する規則4条)


2 家庭裁判所調査官と裁判所書記官の役職の比較
(1) 家庭裁判所調査官の役職と裁判所書記官の役職を比べた場合,①最高裁家庭審議官が最高裁大法廷首席書記官と,②首席家裁調査官が地家裁首席書記官と,③次席家裁調査官が地家裁次席書記官と,④総括主任家裁調査官が地家裁総括主任書記官と,⑤主任家裁調査官が地家裁主任書記官と,⑥家裁調査官が地家裁の裁判所書記官と大体,対応しています。
   ただし,東京,大阪,名古屋,広島,福岡,仙台及び札幌の家裁の首席家裁調査官は指定職俸給表2号が適用されています(指定職俸給表の準用を受ける職員の号棒について(平成26年5月26日最高裁判所裁判官会議議決)参照)から,指定職俸給表が適用されていない高裁首席書記官よりもランクが上であると思います。
(2) 高等裁判所は,その所在地を管轄する家庭裁判所の首席家庭裁判所調査官(略称は「所在地首席」です。)に対し,その管轄区域内の家庭裁判所の首席家庭裁判所調査官が行う事務の調整を命じることができます(首席家庭裁判所調査官等に関する規則1条4項)。
(3) 高松家裁の首席家裁調査官は指定職扱いされていませんところ,法務局長の場合でも,高松法務局長は指定職扱いされていません。


3 最高裁判所事務総局家庭審議官
(1) 最高裁判所事務総局に家庭審議官が新設されたのは昭和56年4月1日です。
(2) 最高裁判所とともに(著者は高輪1期の矢口洪一 元最高裁判所長官)84頁には以下の記載があります。
   事務総局に新たに局長に準ずる家庭審議官のポストを設け、家庭局第三課長の職と共に家裁調査官出身者を充てることとした。家裁調査官制度を常時検討し、家裁調査官が時世に遅れないようにする必要があると考えたからであった。


4 高等裁判所の家庭裁判所調査官
(1) 裁判所法61条の2第1項に基づき,各高等裁判所に家庭裁判所調査官が置かれています。
(2)ア 高等裁判所の家庭裁判所調査官は,家事事件手続法で定める家庭に関する事件の審判に係る抗告審の審理及び付帯処分等の裁判に係る控訴審の審理に必要な調査をつかさどります(裁判所法61条の2第2項)。
イ 実務上,高等裁判所の家庭裁判所調査官による事実の調査は主として親権者の指定・変更事件や子の監護に関する処分(養育費を除く。)事件など別表第二審判に対する抗告申立事件及び人事訴訟判決に対する控訴事件において,以下の場合に行われています(家庭裁判所調査官執務必携21頁参照)。
① 原審で調査官調査が行われていない場合
② 原審の事実認定に重大な誤りがあるとして新たな主張がされ,それに関する調査官調査が必要になる場合
③ 原審での調査官調査の結果に何らかの問題等があり,再調査をする必要がある場合
④ 原審後に事情変更等が生じている場合
(3) 平成28年8月1日現在,高等裁判所の家庭裁判所調査官は,東京高裁に2人,大阪高裁に2人いました(家庭裁判所調査官名簿(平成28年8月1日)参照)。
(4) 高等裁判所の上席の家庭裁判所調査官は,高等裁判所の家庭裁判所調査官に対する指導監督権を持っています(首席家庭裁判所調査官等に関する規則5条)。


5 人事情報データベース等の改修
・ 最高裁判所の令和4年度概算要求書(説明資料)223頁には以下の記載があります。
(人事情報データベース等改修(制度改正対応))
    現在,全国の裁判所においては,一般職の評価に関する業務を,人事評価シート等作成支援ツールを用いて行っている。同ツールは,被評価者用,各評価者用,人事担当課用に分かれており,各ツールで入力した情報をツール間で受け渡しながら,多段階評価を行っている。令和4年度に予定されている人事評価制度改正により,評語区分が細分化され,評価項目等にも変更が生じることから,同改正に対応した,適切な評価関係業務を継続するため,各ツールのプログラム並びにフォーム及びレポートの改修を行うために必要な改修経費を要求する。
    また,人事評価シート等作成支援ツール(人事担当課用)で作成した評価データは,本データベース内に一元的に格納されており,本データベースから出力可能な昇格,昇給,勤勉手当区分の決定についての検討資料に反映させる等して利活用しているほか,人事異動計画案作成機能等を有する異動関係ツールにおいても,本データベースとの連携機能を用いて,人事異動計画の策定業務に必要な情報をインポートし,利活用している。令和4年度に予定されている人事評価制度改正に伴い,評価ツールの改修が行われ,同ツールが保有するデータの形式に変更が生じることから,適切な人事関係業務を継続するため,同データを利活用する本データベース及び異動関係ツールについても,変更後のデータの形式に対応するための改修経費を要求する。


6 関連文書及び関連記事
(1) 関連文書
・ 家庭裁判所調査官執務必携(平成20年3月の,最高裁判所事務総局家庭局作成の文書)
・ 
首席家庭裁判所調査官等に関する規則(昭和57年6月14日最高裁判所規則第4号)
・ 首席家庭裁判所調査官等に関する規則の運用について(平成7年7月14日付の最高裁判所事務総長依命通達)
・ 家庭裁判所調査官及び家庭裁判所調査官補の配置,組の構成等について(昭和62年3月19日付の最高裁判所事務総長の依命通達)
・ 家庭裁判所調査官事務の査閲等について(平成18年3月28日付の最高裁判所家庭局長通達)
・ 
裁判官以外の裁判所職員の任免等に関する規則(昭和25年1月20日最高裁判所規則第4号。平成24年3月12日最終改正)
・ 裁判官及び裁判官の秘書官以外の裁判所職員の管理職員等の範囲に関する規則(昭和41年7月22日最高裁判所規則第6号)
・ 裁判官及び裁判官の秘書官以外の裁判所職員の管理職員等の範囲に関する規則の運用について(昭和63年9月30日付の最高裁判所事務総長依命通達)
 少年審判運営の手引(平成22年3月)
(2) 関連記事
・ 最高裁判所が作成している,首席家裁調査官等名簿
・ 司法行政部門における役職と,裁判部門における裁判所書記官の役職の対応関係
・ 裁判所書記官,家裁調査官及び下級裁判所事務局に関する規則,規程及び通達
・ 裁判所書記官の役職
・ 総括企画官,文書企画官及び企画官
・ 
下級裁判所事務局の係の事務分掌
・ 最高裁判所が作成している,下級裁判所幹部職員名簿


司法行政部門における役職と,裁判部門における裁判所書記官の役職の対応関係

目次
1 司法行政部門における役職と,裁判部門における裁判所書記官の役職の対応関係
2 根拠となる文書
3 「平成31年度の級別定数の改定について」別表第1及び別表第2
4 人事情報データベース等の改修
5 関連記事

1 司法行政部門における役職と,裁判部門における裁判所書記官の役職の対応関係
① 最高裁判所事務総局審議官,及び東京高裁事務局次長
(裁判部門)
・ 最高裁大法廷首席書記官(指定職俸給表3号棒・瑞宝中綬章)

② 大阪高裁事務局次長
(裁判部門)
・ 最高裁訟廷首席書記官(指定職俸給表2号棒・瑞宝中綬章)

③ 裁判所職員総合研修所事務局長
・ その他の高裁事務局次長
・ 東京地裁事務局長
(裁判部門)
・ 最高裁小法廷首席書記官(指定職俸給表2号棒・瑞宝小綬章)

④ 最高裁の事務総局の局の課長,室長,参事官,職員管理官,審査官,首席技官,次席技官,司法研修所事務局次長及び課長
・ 裁判所職員総合研修所事務局次長,課長,研究企画官及び教官(例外)
・ 最高裁判所図書館副館長及び課長
・ 高裁事務局の課長,総括企画官,文書企画官,知財高裁事務局長
・ 地裁の事務局長,事務局次長
・ 簡裁の事務部長
・ 検察審査会の事務局長(例外)
(裁判部門)
・ 最高裁判所の裁判所書記官,裁判所調査官(裁判所法57条),訟廷首席書記官補佐及び係長
・ 下級裁判所の首席書記官及び次席書記官,総括主任書記官
・ 知財高裁の首席書記官

⑤ 最高裁事務総局の課長補佐,室長補佐,職員管理官補佐,厚生管理官補佐,訟廷首席書記官補佐,企画官,専門官,工務検査官,主任技官,営繕企画官,班長,係長
・ 裁判所職員総合研修所の教官(原則)
・ 高裁事務局の課長補佐,企画官,専門官,庶務課長,首席技官,主任技官,知財高裁事務局の課長
・ 地裁事務局の課長,文書企画官,課長補佐,企画官,専門官
・ 検察審査会事務局長(原則)及び課長
(裁判部門)
・ 最高裁判所の裁判所書記官,裁判所調査官(裁判所法57条),訟廷首席書記官補佐及び係長
・ 下級裁判所の訟廷管理官,裁判員調整官,訟廷副管理官,主任書記官,速記管理官,速記副管理官,主任速記官

⑥ 最高裁事務総局の係長,専門職,主任及び調査員
・ 高裁事務局の係長,専門職,主任,調査員,営繕専門職
・ 地裁事務局の係長,専門職,主任,調査員
・ 検察審査会の係長及び主任
(裁判部門)
・ 最高裁判所の裁判所書記官,裁判所調査官(裁判所法57条),訟廷首席書記官補佐及び係長
・ 下級裁判所の裁判所書記官,係長及び裁判所速記官

⑦ 最高裁判所の裁判所事務官及び裁判所技官
高裁の裁判所事務官及び裁判所技官
地裁の裁判所事務官,検察審査会事務官及び法廷警備員
(裁判部門における該当者はいない。)


2 根拠となる文書
(1) ①ないし③は,指定職俸給表の準用を受ける職員の号棒について(平成30年6月6日最高裁判所裁判官会議議決)に基づく指定職俸給表の適用状況の他,叙勲ランクに基づくものです。
(2) ④以下は,以下の文書に基づくものです。
・ 裁判官及び裁判官の秘書官以外の裁判所職員の標準的な官職を定める規則(平成21年3月31日最高裁判所規則第6号)(国家公務員法34条2項参照)
・ 裁判官及び裁判官の秘書官以外の裁判所職員の官職の属する職制上の段階について(平成21年3月31日付の最高裁判所事務総長通達)

3 「平成31年度の級別定数の改定について」別表第1及び別表第2




4 人事情報データベース等の改修
・ 最高裁判所の令和4年度概算要求書(説明資料)223頁には以下の記載があります。
(人事情報データベース等改修(制度改正対応))
    現在,全国の裁判所においては,一般職の評価に関する業務を,人事評価シート等作成支援ツールを用いて行っている。同ツールは,被評価者用,各評価者用,人事担当課用に分かれており,各ツールで入力した情報をツール間で受け渡しながら,多段階評価を行っている。令和4年度に予定されている人事評価制度改正により,評語区分が細分化され,評価項目等にも変更が生じることから,同改正に対応した,適切な評価関係業務を継続するため,各ツールのプログラム並びにフォーム及びレポートの改修を行うために必要な改修経費を要求する。
    また,人事評価シート等作成支援ツール(人事担当課用)で作成した評価データは,本データベース内に一元的に格納されており,本データベースから出力可能な昇格,昇給,勤勉手当区分の決定についての検討資料に反映させる等して利活用しているほか,人事異動計画案作成機能等を有する異動関係ツールにおいても,本データベースとの連携機能を用いて,人事異動計画の策定業務に必要な情報をインポートし,利活用している。令和4年度に予定されている人事評価制度改正に伴い,評価ツールの改修が行われ,同ツールが保有するデータの形式に変更が生じることから,適切な人事関係業務を継続するため,同データを利活用する本データベース及び異動関係ツールについても,変更後のデータの形式に対応するための改修経費を要求する。


5 関連記事
・ 裁判所の司法行政部門及び裁判部門において,管理職員等となる裁判所職員の範囲
・ 司法行政を担う裁判官会議,最高裁判所事務総長及び下級裁判所事務局長
・ 裁判所書記官の役職
・ 首席書記官の職務
・ 家庭裁判所調査官の役職
・ 総括企画官,文書企画官及び企画官
・ 裁判所書記官,家裁調査官及び下級裁判所事務局に関する規則,規程及び通達
・ 裁判所関係者及び弁護士に対する叙勲の相場
・ 
下級裁判所事務局の係の事務分掌
・ 最高裁判所が作成している,下級裁判所幹部職員名簿


裁判所書記官の役職

目次
1 総論
2 裁判所書記官の役職
3 人事情報データベース等の改修
4 関連記事その他

1 総論
(1) 裁判所書記官は,裁判所の事件に関する記録その他の書類の作成及び保管等の事務を掌ります(裁判所法60条2項)し,裁判所の事件に関し,裁判官の命を受けて,裁判官の行う法令及び判例の調査その他必要な事項の調査を補助します(裁判所法60条3項)。
(2) 裁判所HPの「裁判所書記官」に公式の説明があります。


2 裁判所書記官の役職
(1) 最高裁判所
① 大法廷首席書記官,小法廷首席書記官
② 訟廷首席書記官,訟廷首席書記官補佐
(2) 高等裁判所
① 民事首席書記官,刑事首席書記官,知財高裁首席書記官
② 民事次席書記官,刑事次席書記官
③ 民事訟廷管理官,刑事訟廷管理官
(3) 地方裁判所
① 民事首席書記官,刑事首席書記官
② 民事次席書記官,刑事次席書記官
③ 総括主任書記官
④ 主任書記官
⑤ 主任速記官
⑥ 民事訟廷管理官,刑事訟廷管理官
⑦ 裁判員調整官
⑧ 民事速記管理官,刑事速記管理官,速記管理官
(4) 家庭裁判所
① 家事首席書記官,少年首席書記官,首席書記官
② 家事次席書記官,少年次席書記官,次席書記官
③ 家事訟廷管理官,少年訟廷管理官
(5) 簡易裁判所
① 民事首席書記官,刑事首席書記官,首席書記官

3 人事情報データベース等の改修
・ 最高裁判所の令和4年度概算要求書(説明資料)223頁には以下の記載があります。
(人事情報データベース等改修(制度改正対応))
    現在,全国の裁判所においては,一般職の評価に関する業務を,人事評価シート等作成支援ツールを用いて行っている。同ツールは,被評価者用,各評価者用,人事担当課用に分かれており,各ツールで入力した情報をツール間で受け渡しながら,多段階評価を行っている。令和4年度に予定されている人事評価制度改正により,評語区分が細分化され,評価項目等にも変更が生じることから,同改正に対応した,適切な評価関係業務を継続するため,各ツールのプログラム並びにフォーム及びレポートの改修を行うために必要な改修経費を要求する。
    また,人事評価シート等作成支援ツール(人事担当課用)で作成した評価データは,本データベース内に一元的に格納されており,本データベースから出力可能な昇格,昇給,勤勉手当区分の決定についての検討資料に反映させる等して利活用しているほか,人事異動計画案作成機能等を有する異動関係ツールにおいても,本データベースとの連携機能を用いて,人事異動計画の策定業務に必要な情報をインポートし,利活用している。令和4年度に予定されている人事評価制度改正に伴い,評価ツールの改修が行われ,同ツールが保有するデータの形式に変更が生じることから,適切な人事関係業務を継続するため,同データを利活用する本データベース及び異動関係ツールについても,変更後のデータの形式に対応するための改修経費を要求する。


4 関連記事その他
(1) 総括主任書記官は,大法廷首席書記官等に関する規則(昭和29年6月1日最高裁判所規則第9号)の改正により平成10年8月1日に新設されたポストです(全国裁判所書記官協議会会報第147号16頁参照)。
(2) 平成21年12月,裁判所書記官のすべてに対して,インターネットのウェブサイト閲覧権限が付与されました(会報書記官第24号131頁)。
(3) 令和4年度(最情)答申第11号(令和4年6月24日答申)には以下の記載があります。
    裁判所職員総合研修所入所試験は、裁判所職員総合研修所の裁判所書記官養成課程に入所させる者を指名するために行う裁判所職員に対する試験であり、裁判所書記官任用試験は、裁判所書記官の執務に必要な学識及び実務知識並びに職務遂行能力を有する職員を選考することを目的とする裁判所職員に対する試験である。
(4)ア 以下の文書を掲載しています。
・ 大法廷首席書記官等に関する規則(昭和29年6月1日最高裁判所規則第9号)
・ 大法廷首席書記官等に関する規則の運用について(平成6年7月18日付の最高裁判所事務総長依命通達)
・ 最高裁判所大法廷職制規程(昭和43年4月20日最高裁判所規程第3号)

・ 主任書記官等の取扱いについて(平成20年3月21日付の最高裁判所人事局長の通達)
・ 
訟廷管理官の下に置く係について(平成6年7月18日付の最高裁判所総務局長依命通達)
・ 裁判員調整官の下に置く係について(平成20年5月30日付の最高裁判所総務局長依命通達)
・ 書記官事務等の査察について(昭和61年6月30日付の最高裁判所事務総長通達)
・ 最高裁判所による書記官事務等の査察について(平成13年9月4日付の最高裁判所事務総長通達)
→ 平成22年1月27日付の改正通達を含んでいます。
・ 
裁判官以外の裁判所職員の任免等に関する規則(昭和25年1月20日最高裁判所規則第4号。平成24年3月12日最終改正)
・ 裁判官及び裁判官の秘書官以外の裁判所職員の管理職員等の範囲に関する規則(昭和41年7月22日最高裁判所規則第6号)
・ 裁判官及び裁判官の秘書官以外の裁判所職員の管理職員等の範囲に関する規則の運用について(昭和63年9月30日付の最高裁判所事務総長依命通達)
イ 以下の記事も参照してください。
・ 裁判所の指定職職員
・ 裁判所の指定職職員の名簿(一般職)
・ 裁判所における一般職の職員
 指定職未満の裁判所一般職の級
・ 級別定数の改定に関する文書
・ 司法行政部門における役職と,裁判部門における裁判所書記官の役職の対応関係

・ 裁判所書記官,家裁調査官及び下級裁判所事務局に関する規則,規程及び通達
 下級裁判所事務局の係の事務分掌

・ 総括企画官,文書企画官及び企画官
・ 家庭裁判所調査官の役職
・ 最高裁判所が作成している,下級裁判所幹部職員名簿