その他裁判所関係

裁判官研修実施計画

目次
1 裁判官研修実施計画
2 判事・判事補の合同研修の種類(平成29年度)
3 裁判官の研修に関する,法務・検察行政刷新会議の資料の記載
4 裁判官の研修に関する規約人権委員会の所見
5 裁判官の研修に関する令和3年6月当時の最高裁判所の説明
6 司法研修所情報データベースへの掲載資料
7 関連記事その他

* 「裁判官の合同研修に関する説明文書」も参照してください。

1 裁判官研修実施計画
(1) 裁判官研修実施計画を以下のとおり掲載しています。
(令和時代)
令和2年度分令和3年度分令和4年度分令和5年度分
令和6年度分
(平成時代)
平成27年度分平成28年度分平成29年度分
平成30年度分平成31年度分
(2) 平成29年度以降,司法研修所特別研究会は開催されなくなりました(平成31年4月17日付の「司法行政文書開示請求の補正について」参照)。
(3) 平成30年以降,毎年1月の最高裁判所事務総局会議において「裁判官研修に関する重要な事項」(平成28年度議決)及び「(派遣型研修について(報告対象事項))」の変更の有無を確認した上で,最高裁判所裁判官会議の議決をしています。
(4) 裁判官の合同研修に関する説明文書も参照してください。


2 判事・判事補の合同研修の種類(平成29年度)
・ 平成29年度の場合,判事・判事補の合同研修の種類は以下のとおりです。
(1) 裁判系(事件の分野別の研修)
① 基礎(主たる対象者は,左陪席)
② 基本(主たる対象者は,右陪席)
・ 民事分野,刑事分野及び家裁分野に分かれます。
③ 実務(主たる対象者は,裁判長及び右陪席)
・ 民事分野及び刑事分野に分かれます。
④ 専門(主たる対象者は,テーマに対応した者)
・ 民事分野,刑事分野及び家裁分野に分かれます。
(2) 導入系
① 年次(対象者は,任官時等の節目の年次に到達した者)
② ポスト(対象者は,所長,支部長,部総括等のポストに就任した者)
③ 役割(対象者は,特定のポストに限らず,一定の役割が期待される立場にある者)
(3) 基盤系(一般的資質・能力を涵養するための研修)

裁判官ハンドブック(令和3年3月の最高裁判所事務総局の文書)からの抜粋です。


3 裁判官の研修に関する,法務・検察行政刷新会議の資料の記載
・ 法務・検察行政刷新会議第4回会議(令和2年9月10日)資料3「各組織における「倫理」に係る規律及び研修等の状況」には以下の記載があります。
(研修全般)
○司法研修所において実施している研修のうち,各期の全員が参加して実施される①「新任判事補研究会」(司法修習生から判事補への任命直後),②「判事任官者研究会」(判事補から判事への任命直後)等において,裁判官の倫理の取扱いあり。
(幹部研修)
○一定のポストに就いた者が参加して実施される①「新任部総括裁判官研究会」(部総括の指名直後)
②「部総括裁判官実務研究会」(部総括指名後一定期間経過後)
③「実務協議会」(地家裁所長の任命直後)
等において,裁判官の在り方や組織運営に関する講義・事例研究等を実施。


4 裁判官の研修に関する規約人権委員会の所見
・ 外務省HPの「国際人権規約」に載ってある規約第40条(b)に基づく第7回報告に関する自由権規約委員会の総括所見(2014年7月24日)には以下の記載があります。
国内裁判所による規約上の権利の適用可能性
6.委員会は,締約国によって批准された条約が国内法の効力を有することに留意する一方,規約の下で保護される権利が裁判所によって適用された事例の件数が限られていることを懸念する(第2条)。
委員会は,前回の勧告(CCPR/C/JPN/CO/5, para.7)を繰り返し,締約国に対し,規約の適用及び解釈が下級審を含めあらゆるレベルで弁護士,裁判官及び検察官に対する専門職業的研修の一部となることを確保するよう求める。締約国はまた,実効的な救済が規約の下で保護される権利の侵害に対して利用できることを確保すべきである。締約国は,個人通報制度を規定する規約の選択議定書への加入を検討すべきである。


5 裁判官の研修に関する令和3年6月当時の最高裁判所の説明
・ 裁判所をめぐる諸情勢について(令和3年6月の最高裁判所事務総局の文書)47頁ないし49頁には,「(1) 裁判官の研修・研究会について」として以下の記載があります。
    裁判官には,裁判実務に関する知識,能力や幅広い教養,深い洞察力等が必要であるところ,急速に変化する社会経済情勢やそれを受けて行われる様々な法改正等に的確に対応するためには,これらの知識等の修得を個々の裁判官に委ねるだけでなく,組織的な研修の機会を設け,その体系や内容の充実を図っていく必要がある。
    このような見地から,司法研修所では,裁判官の自己研さんを支援するため,応募制を原則として,各種の研修を行っている。具体的には,合同研修のうち,各裁判分野における裁判事務に関する研究会を「裁判系」,新たなポストに就いた際などの職務導入研修を「導入系」,裁判や組織運営の基盤となる裁判官としての素養の修得を目的とする研究会を「基盤系」として実施している。令和2年度の合同研修は,新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響で中止になったものもあるため例年より少ないが,合計39本(うち応募型28本)を実施し,参加した裁判官は延べ約1220人に及んだ。また,その他の研修として,民間企業等で研修を行う派遣型研修を実施している。
    特に,近年は,先端的な知見が判断に深く関係する事件や事件の背後にある価値の捉え方が難しい事件など困難な判断が求められる事件が増加していることから,裁判系の研究会を中心にカリキュラムの充実に努めているほか,基盤系の研究会において,法律分野にとらわれずに紛争を取り巻く現代的な事象等をテーマとして取り上げ,広範な分野の素養を得られるよう配慮している。また,令和3年度は,個別の研究会において,新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴い生ずる審理運営上の問題,新たな紛争類型や法的論点等について議論するカリキュラムを適宜実施する予定である。
    これらに加えて,社会経済情勢の変化に伴って生ずる新たな法的問題について裁判所が適切な判断をしていくために,外国での議論を参考にすることを目的として,令和元年度から外国司法専門研究会を実施している。
    また,裁判官の組織運営能力の向上を図るためのカリキュラムの充実にも取り組んでいる。その一環として,導入系の研究会のカリキュラムを工夫するとともに,書記官及び家裁調査官等の一般職員との連携について議論するため,一部の研究会を裁判所職員総合研修所と合同実施している。
    さらに,令和元年度から「裁判官のワークライフバランス」をテーマとした研究会を,令和2年度から「裁判官の成長支援」をテーマとした研究会を新たに実施しており,令和3年度も継続実施の予定である。
    以上のような研修内容や研修技法については,司法研修所参与や国際司法研修協会(International Organization for Judicial Training,IOJT)など外部の知見等も取り入れながら,その充実を図っている。
    また,様々な事情により合同研修に参加できない裁判官等の自己研さんを支援するためj司法研修所情報データベース(ケンサン)に合同研修における講演録等を掲載するほか,配信にふさわしい講演等を全ての地裁又は家裁にテレビ会議で同時配信し,所属庁等から傍聴できる態勢を整えている。
令和2年度は,新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止の見地から,司法研修所に参集する人数を少なくするため,多くの研究会について,司法研修所の近隣庁に所属する裁判官を除き,所属庁等からテレビ会議により参加する方式で実施した。また,令和3年1月以降は,全ての裁判官がウェブ会議により自宅等から参加する方式で実施した研究会もある。令和3年度は,当初の計画としては,司法研修所に全ての研究員が参集する方式で実施することとしているが,参集が困難な情勢になった場合には,カリキュラムの内容等に応じて,テレビ会議又はウェブ会議による方式に切り替える予定である。
    以上のとおり,これまで司法研修所では,研修内容の拡大と充実に力を入れてきたところであり,今後も,裁判官の研修ニーズに応えられるよう,実施方法の工夫を重ねつつj自己研さん支援の更なる充実を図っていきたいと考えている。


6 司法研修所情報データベースへの掲載資料
・ 参考文献リスト(令和5年6月の開示文書)
→ 民事・行政事件関係としては,医事関係訴訟会社関係・独占禁止法関係訴訟商事非訟関係建築関係訴訟システム開発関係訴訟インターネット関係事件民事訴訟手続のIT化行政事件独占禁止法関係訴訟労働事件交通関係訴訟民事保全関係DV等民事調停関係倒産関係破産関係再生関係会社更生関係民事執行関係借地非訟関係過料国賠事件知財事件簡裁訴訟等支払督促関係公示催告があります。
・ 司法研究リスト(平成27年度まで)
・ 裁判官教材シリーズ一覧(平成29年4月21日現在)
・ 講演録・結果概要等の掲載順一覧(平成28年度まで)


7 関連記事その他
(1) 司法研修所規程7条は,「司法研修所長は、毎年三月末までに、翌年度の研修計画の大綱を定め、これを最高裁判所長官に申し出なければならない。 」と定めています。
(2) 以下の資料を掲載しています。
・ 司法研修所別館で行う裁判官研修における新型コロナウイルス感染症の感染防止策について(令和2年8月3日付の司法研修所の文書)
・ 令和2年度研究会等における司法研修所寮の感染防止対策について(令和2年8月25日付の司法研修所の文書)
(3) 令和3年度(最情)答申第2号(令和3年5月20日答申)には以下の記載があります。
    最高裁判所事務総長の上記説明によれば,司法研修所で実施する裁判官研修において充実した研修を実現するためには,同研修における講演等を依頼している外部講師との信頼関係が極めて重要であり,同研修で使用するレジュメ等の資料や,同研修における講演録については,講師の了承を得て研修に必要な範囲で利用しているものであって,講師の了承を得ない利用方法は,講師との信頼関係を損ね,今後,講師の招へいに応じてもらえなくなるなど,研修事務の適正な遂行に重大な支障を及ぼすおそれがあるとのことである。
(4) アホヲタ元法学部生の日常ブログ「江頭差分が不要になった!? リーガルリサーチの最新「スタンダード」を探る」には「「Googleによって知識はコモディティ化した」という言説がある。しかし、①有料データベースや図書館等にしかない情報があること、②仮にある情報がネット上にあっても、漫然とGoogleで検索しただけでは探し出せないことの2点に留意が必要である。」と書いてあります。
(5) 以下の記事も参照してください。
・ 裁判官の合同研修に関する説明文書
・ 裁判所職員総合研修所の研修実施計画
→ ①裁判所職員総合研修所の研修計画協議会説明要旨,及び②裁判所職員(裁判官以外)研修の実施に関する重要な事項(案)も掲載しています。
・ 新任判事補研修の資料
・ 判事補基礎研究会の資料
・ 判事任官者研究会の資料
・ 弁護士任官者研究会の資料
・ 裁判所の協議会等開催計画
・ 新任の地家裁所長等を対象とした実務協議会の資料
・ 判事補及び検事の弁護士職務経験制度
・ 裁判官の民間企業長期研修等の名簿

弁護士の懲戒処分と取消訴訟

目次
1 懲戒処分を受けた対象弁護士は東京高裁に取消訴訟を提起できること
2 懲戒請求者は取消訴訟を提起できないこと
3 弁護士会の懲戒処分が違法となる場合
4 懲戒処分を含む弁護士会の処分について,弁護士が取消訴訟を提起できる場合
5 関連記事その他

1 懲戒処分を受けた対象弁護士は東京高裁に取消訴訟を提起できること
(1)ア 日弁連の懲戒委員会が審査請求を却下又は棄却した場合,対象弁護士は,東京高裁に対し,日弁連の裁決の取消しの訴えを提起することができます(弁護士法61条1項)。
    そして,東京高裁の事務分配において,日弁連の裁決の取消しの訴えについては,東京高裁第4特別部が担当しています。
イ 裁決主義を定める弁護士法61条1項は,原処分主義を定める行政事件訴訟法10条2項の例外です(条解弁護士法(第5版)515頁参照)。
(2)ア 行政処分の取消又は変更を求める訴えにおいて,裁判所が行政処分を取り消すのは,行政処分が違法であることを確認してその効力を失わせるものであって,弁論終結時において,裁判所が行政庁の立場に立って,いかなる処分が正当であるかを判断するものではありません(最高裁昭和28年10月30日判決)。
イ 弁護士を懲戒する権限は所属弁護士会及び日弁連に属し,弁護士法61条1項の訴訟で東京高等裁判所が判断するのは弁護士を懲戒するかどうかではなく,弁護士会又は日弁連がした懲戒処分の当否であります。
    そのため,懲戒処分があった後に懲戒請求者と被請求弁護士との間に示談が成立したとしても,このような事実は懲戒処分の当否とは関係がありませんから,裁判に際し斟酌されるべき事実ではありません(最高裁昭和34年12月4日判決)。
(3) 業務停止処分を受けた弁護士は,業務停止の期間を経過した後においても,右処分を受けたことにより日本弁護士連合会会長の被選挙権を有しない場合には,右処分にかかる裁決の取消しを求める訴えの利益を有します(最高裁昭和58年4月5日判決)。
(4) 弁護士が業務停止3月の懲戒処分を受けた場合において,当該弁護士が当該業務停止期間中に期日が指定されているものだけで31件の訴訟案件を受任していたなどの事実関係の下では,上記処分によって当該弁護士に生ずる社会的信用の低下,業務上の信頼関係の毀損等の損害は,行政事件訴訟法25条2項にいう「重大な損害」に当たります(最高裁平成19年12月18日決定)。
    そのため,業務停止処分の取消訴訟を提起した場合,執行停止の決定を得られることがあります。
(5) 取消訴訟の判決が確定した場合,日弁連は,官報及び機関雑誌(自由と正義)にこれを公告しなければならず(懲戒処分の公告及び公表等に関する規程3条7号・8号),処分が戒告である場合を除き,裁判所,検察庁及び法テラスにその旨を通知しなければなりません(同規程5条)。
(6)ア 日弁連の裁決が取り消された場合,日弁連はそれに拘束され,判決の趣旨に従って改めて審査請求に対する裁決をすることとなります(行政事件訴訟法33条2項)。
イ 裁判所が日弁連に代わって自ら懲戒処分を変更するものではありませんから,取消判決の確定により,日弁連の裁決前,つまり審査請求の審査中の状態に戻ることとなり,日弁連は判決の趣旨に則り,取り消された裁決以外の裁決をしなければなりません。


2 懲戒請求者は取消訴訟を提起できないこと
(1) 弁護士法は,弁護士を懲戒するかどうかは単位弁護士会又は日弁連の自主的な判断に委せ,懲戒しないとした場合でも,裁判所への懲戒の訴求までは許されないと解されています(最高裁昭和38年10月18日判決参照)。
(2)   
弁護士の懲戒制度は,弁護士会又は日弁連の自主的な判断に基づいて,弁護士の綱紀,信用,品位等の保持をはかることを目的とするものでありますものの,弁護士法58条所定の懲戒請求権及び同法64条所定の異議申出権は,懲戒制度の目的の適正な達成という公益的見地から特に認められたものであり,懲戒請求者個人の利益保護のためのものではありません。
   それゆえ,懲戒請求者が日弁連の異議申出を棄却する旨の裁決に不服があるとしても,法律に特に出訴を認める規定がないかぎり,裁判所に出訴することは許されないところ,右につき出訴を認めた法律の規定がありませんから,日弁連のした裁決の取消しを求めて東京高等裁判所(弁護士法61条1項参照)に訴えを提起しても,不適法なものとして却下されます(最高裁昭和49年11月8日判決,及び最高裁平成19年4月24日判決)。

3 弁護士会の懲戒処分が違法となる場合
(1)   弁護士に対する所属弁護士会及び日弁連による懲戒の制度は,弁護士会の自主性や自律性を重んじ,弁護士会の弁護士に対する指導監督作用の一環として設けられたものであります。
    また,懲戒の可否,程度等の判断においては,懲戒事由の内容,被害の有無や程度,これに対する社会的評価,被処分者に与える影響,弁護士の使命の重要性,職務の社会性等の諸般の事情を総合的に考慮することが必要です。
    そのため,ある事実関係が「品位を失うべき非行」といった弁護士に対する懲戒事由に該当するかどうか,また,該当するとした場合に懲戒するか否か,懲戒するとしてどのような処分を選択するかについては,弁護士会の合理的な裁量にゆだねられているものと解され,弁護士会の裁量権の行使としての懲戒処分は,全く事実の基礎を欠くか,又は社会通念上著しく妥当性を欠き,裁量権の範囲を超え又は裁量権を濫用してされたと認められる場合に限り,違法となります(最高裁平成18年9月14日判決)。
(2)ア 東京高裁平成24年11月29日判決は,第二東京弁護士会による業務停止1月の懲戒処分に対する審査請求を棄却した日弁連の裁決について,重要な事実関係についての基礎を欠いているとして取り消しました。
イ 日弁連懲戒委員会は,東京高裁平成24年11月29日判決を受けて,平成25年10月15日,戒告に変更しました(弁護士懲戒事件議決例集(第16集)82頁及び83頁)。
ウ 弁護士懲戒事件議決例集(第16集)86頁には以下の記載があります。
    裁決を取り消す判決は,その事件について裁決をした行政庁その他関係行政庁を拘束する(行政事件訴訟法33条1項)。この拘束力は,判決主文が導き出されるのに必要な事実認定及び法律判断に及ぶものであるから,第5の1項記載の認定は,当委員会の再審査手続をも拘束するものである(最判平成4年4月28日民集46巻4号245頁参照)。
(3) 東京高裁平成23年9月8日判決の裁判要旨は以下のとおりですから,弁護士会の懲戒処分に手続違反があったとしても,それが重大なものでない限り,審査請求は棄却されます。
    所属弁護士会から戒告の懲戒処分を受け,日本弁護士連合会から同処分の審査請求を棄却する裁決を受けた弁護士がした,前記裁決の取消請求につき,日本弁護士連合会の裁決は,弁護士に対する懲戒の実質的な最終処分としての性質を有するものと位置づけられているということができるのであり,日本弁護士連合会は,弁護士法56条により弁護士会がした懲戒処分についての行政不服審査法による審査請求があった場合において,当該懲戒処分の手続に一部違法があったときでも,その違法が当該懲戒処分の手続全体を無効とするほど重大なものでなく,それ以外の適正に行われた手続により認定された事実に基づいて懲戒することを適当と認めるときは,所要の手続を行った上で原処分を変更することができるし,その懲戒処分の内容が原処分の内容と結論において一致するときは審査請求を棄却するにとどめることもできると解するのが相当であるとして,前記取消請求を棄却した事例
(4) 仮に裁判所が弁護士会の懲戒処分の違法性を全く判断できないと解した場合,「行政機関は、終審として裁判を行ふことができない。」と定める憲法76条2項後段に違反すると思います。


4 懲戒処分を含む弁護士会の処分について,弁護士が取消訴訟を提起できる場合
    弁護士法においては,16条において,日本弁護士連合会により,①同法12条による登録若しくは登録換えの請求の進達の拒絶についての審査請求を却下され若しくは棄却され,②同法14条1項による登録取消請求に係る異議の申出を棄却され,又は③同法15条により登録若しくは登録換えを拒絶された者が,東京高等裁判所に①の裁決,②の決定又は③の拒絶の取消しの訴えを提起することを認め,また,同法62条において,④同法56条による懲戒についての審査請求を却下され若しくは棄却され,又は⑤同法60条により懲戒を受けた者が,④の裁決又は⑤の懲戒の取消しの訴えを提起することを認めています(東京地裁平成16年2月26日判決)。

5 関連記事その他
1  憲法32条は,訴訟の当事者が訴訟の目的たる権利関係につき裁判所の判断を求める法律上の利益を有することを前提として,かかる訴訟につき本案の裁判を受ける権利を保障したものであって,右利益の有無にかかわらず,常に本案につき裁判を受ける権利を保障したものではありません(最高裁大法廷昭和35年12月7日判決)。
2 国家公務員に対する懲戒処分について人事院が修正裁決をした場合には,右処分は,消滅するのではなく,当初から右裁決により修正された内容の懲戒処分として存在していたものとみなされます(最高裁昭和62年4月21日判決)。
3 以下の記事も参照して下さい。
・ 弁護士会の懲戒手続
・ 弁護士の懲戒事由
・ 弁護士法56条1項の「品位を失うべき非行」の具体例
 弁護士の懲戒請求権が何人にも認められていることの意義
・ 弁護士の職務の行動指針又は努力目標を定めた弁護士職務基本規程の条文
・ 「弁護士に対する懲戒請求事案集計報告(平成5年以降の分)

 

執行官の採用選考実施結果

目次
1 執行官の採用選考実施結果
2 執行官の採用選考に関する文書
3 ツンデレブログの記載へのコメント
4 女性が執行官に採用された事例はないことに関する国会答弁
5 関連記事その他

1 執行官の採用選考実施結果
・ 令和 6年度分
・ 令和 5年度分
・ 令和 4年度分
・ 令和 3年度分
・ 令和 2年度分
・ 令和 元年度分
・ 平成30年度分
・ 平成29年度分
・ 平成28年度分
・ 平成27年度分
・ 平成26年度分
・ 平成21年度から平成25年度までの分

2 執行官の採用選考に関する文書
① 執行官規則第1条第1項に規定する最高裁判所が定める基準について(平成28年6月16日付の最高裁判所民事局長通知)
② 執行官採用選考の実施について(平成28年6月24日付の最高裁判所民事局長依命通達)

3 ツンデレブログの記載へのコメント
・ ツンデレブログ「【怪文書】神戸地方裁判所執行官採用試験の闇w 」に,神戸地裁の平成27年度執行官採用に不正があったかのような記載があります。
    しかし,札幌地裁の平成27年度執行官採用選考では,7人の筆記試験受験者のうち,5人も筆記試験に合格させています。
    そのため,神戸地裁の平成27年度執行官採用選考において,23人の筆記試験受験者のうち,10人を筆記試験に合格させたことが多すぎるとまではいえないと思います。

4 女性が執行官に採用された事例はないことに関する国会答弁
・ 45期の門田友昌最高裁判所民事局長は,平成31年4月10日の衆議院法務委員会において以下の答弁をしています。
① 最高裁において把握しております限りでは、これまで、女性が執行官に採用された例はございません。
② 平成二十九年の執行官の採用選考の受験者総数は八十三人でございまして、そのうち女性は一人でございます。
 また、平成三十年の受験者総数ですが、こちらは八十九人でございまして、そのうち女性は四人ということでございます。
③ もとより、合否の判定は男女の別なく行っておりまして、女性は採用しないという方針があるとか、あるいは女性であることを理由に不利益な取扱いがされるなどということはないものと承知しております。

5 関連記事その他
(1) 裁判所HPに「執行官採用選考試験実施庁一覧」が載っています。
(2) 以下の記事も参照してください。
・ 執行官
→ 全国の地方裁判所の本庁支部における執行官数を記載した文書を掲載しています。

執行官

目次
1 総論
2 執行官採用選考試験の選考資格
3 執行官の監督
4 執行官数の推移
5 執行官の職務に関する最高裁判例
6 関連記事その他

1 総論
(1) 裁判所HPの「執行官」の記載を箇条書きにすると以下のとおりです。
①   執行官は,各地方裁判所に所属する裁判所職員で,裁判の執行などの事務を行います(裁判所法第62条,執行官法1条)。
②   裁判の執行とは,裁判で出された結論が任意に実現されない場合に,強制的に実現することです。
   例えば,家の明渡しを命じられた人が明け渡さない場合に,その家から,明渡義務を負う人(債務者)を排除した上で,明渡しを受ける権利を有する人(債権者)に引き渡したり,借金を返さない人(債務者)の宝石,貴金属等の動産や手形,小切手等の有価証券(裏書の禁止されているものを除く。)を差し押さえて売却し,その代金を貸主(債権者)に返済するお金に充てるといった職務を行っています。
③ 不動産の(強制)競売が申し立てられた場合に,不動産の状況等を調査するなどの事務を担当しています。
④   民事訴訟の裁判関係文書を当事者等に届けるといったことも執行官の職務の一つです。
⑤   執行官は,職務を行う際に抵抗を受ける場合には,その抵抗を排除するために,警察の援助を求めることができるなど強い権限が与えられており,その権限を自らの判断と責任において行使しますが,職務の執行については,地方裁判所の監督を受けます。
⑥ 執行官は,各地方裁判所によって任命される裁判所の職員ですが,国から給与を受けるのではなく,事件の当事者が納めた手数料を収入としています。
(2) ③で作成する書類は現況調査報告書です。

2 執行官採用選考試験の選考資格
(1) 執行官採用選考試験の選考資格は,「一般職の職員の給与に関する法律(昭和25年法律第95号)第6条第1項第1号イに規定する行政職俸給表(一)に定める職務の級が5級以上の職にあった者若しくはこれに相当する職歴を有する者又は法律に関する実務の経験を通算して10年以上有する者」です。
(2) 「法律に関する事務の経験」としては,「弁護士,弁理士,司法書士又は不動産鑑定士としての実務」,「銀行,長期信用銀行,信用金庫,労働金庫又は信用協同組合における実務」があります(裁判所HPの「執行官採用選考試験案内」参照)。
(3) 毎年7月下旬ころ,裁判所HPの「執行官採用選考試験実施庁」に各地方裁判所が実施する執行官採用選考試験の受験案内が掲載されます。

3 執行官の監督
(1) 執行官等に関する事務について(平成6年12月20日付の最高裁判所事務総長通達)を掲載しています。
(2) 執行官の監督は監督官及び監督補佐官が行います。
   監督官は,地方裁判所長,司法行政事務につき地方裁判所長を代理する裁判官,執行事件を取り扱う部の事務を総括する裁判官,支部長等の中から指名されます。
   監督補佐官は,事務局長,会計課長,支部の庶務課長,民事首席書記官,執行事件を取り扱う部の主任書記官等の中から指名されます。
(3) 総括執行官は,執行官任命後の期間が5年以上であり,執行官の職務及び組織経験に関する識見を有する執行官の中から命ぜられます。
   また,地方裁判所は当該地方裁判所の執行官のうちから,総括執行官の事務を補佐する者を指名することができます。


4 執行官数の推移
(1)ア 執行官数推移(昭和42年度~平成29年度)を掲載しています。
イ 平成29年4月1日現在,大阪地裁本庁の執行官は20人であり,堺支部の執行官は5人であり,岸和田支部の執行官は3人です。
(2) 全国の地方裁判所の本庁支部における執行官数を記載した文書(執行官配置一覧)を以下のとおり掲載しています(「執行官等配置一覧(R7.4.1現在)→執行官の総数は238人」といったファイル名です。)。
・ 令和 7年4月1日現在のもの(総数は238人)
・ 令和 6年4月1日現在のもの(総数は245人)
・ 令和 5年4月1日現在のもの(総数は246人)
・ 令和 4年4月1日現在のもの(総数は258人)
・ 令和 3年4月1日現在のもの(総数は259人)
・ 令和 2年4月1日現在のもの(総数は270人)
・ 平成31年4月1日現在のもの(総数は286人)
・ 平成30年4月1日現在のもの(総数は318人)
・ 平成29年4月1日現在のもの(総数は338人)
(3) 執行官につき,ピーク時の平成16年度は650人いました。


5 執行官の職務に関する最高裁判例
(1)ア 執行官は,現況調査を行うに当たり,通常行うべき調査方法を採らず,あるいは,調査結果の十分な評価,検討を怠るなど,その調査及び判断の過程が合理性を欠き,その結果,現況調査報告書の記載内容と目的不動産の実際の状況との間に看過し難い相違が生じた場合には,目的不動産の現況をできる限り正確に調査すべき注意義務に違反したことになります(最高裁平成9年7月15日判決)。
イ  現況調査に訪れた執行官に対して虚偽の事実を申し向け,内容虚偽の契約書類を提出した行為は,刑法96条の3第1項の「公の競売又は入札の公正を害すべき行為」に当たるが,上記虚偽の事実の陳述等に基づく競売手続が進行する限り,その行為の時点をもって,刑訴法253条1項にいう「犯罪行為が終つた時」とはなりません(最高裁平成18年12月13日決定)。
(2)ア 担保不動産競売事件の期間入札において,執行官が,最高の価額で買受けの申出をした入札人の入札を誤って無効と判断し,他の者を最高価買受申出人と定めて開札期日を終了した場合には,執行裁判所は,誤って最高価買受申出人と定められた者に対する売却を不許可とした上で,当初の入札までの手続を前提に改めて開札期日及び売却決定期日を定め,これを受けて執行官が再び開札期日を開き,最高価買受申出人を定め直すべきです(最高裁平成22年8月25日決定)。
イ 最高裁平成26年11月4日決定は,不動産強制競売事件の期間入札において,執行官が無効な入札をした者を最高価買受申出人と定めたとして売却不許可決定がされ,これが確定した場合に,当初の入札までの手続を前提に再度の開札期日を開くこととした執行裁判所の判断に違法がないとされた事例です。

6 関連記事その他
(1) 地方裁判所は,執行官の事故その他の理由により必要があるときは,執行官規則で定めるところにより,裁判所書記官に執行官の職務の全部又は一部を行なわせることができます(執行官法20条)。
(2) 執行官の歴史については,曝松公平(されまつこうへい)の執行官ブログが非常に参考になります。
(3)ア 以下の資料を掲載しています。
・ 執行官等に関する事務について(平成6年12月20日付の最高裁判所事務総長通達)
・ 執行官の手数料の配分等に関する規約(平成11年6月2日承認)
→ 平成29年10月27日付の司法行政文書不開示通知書によれば,全国の執行官相互の規約の実施状況に関する報告書は同日までに廃棄されました。
・ 執行官事務の査察について(平成6年12月20日付の最高裁判所民事局長,経理局長通達)
・ 執行官が取り扱う事件における秘匿制度の留意点について(令和5年2月15日付の最高裁民事局第一課長の事務連絡)
・ 執行官の事務に関する記録及び帳簿の作成及び保管並びに現況調査の手数料の加算の基準について(令和5年2月10日付の最高裁判所事務総長の依命通達)
・ 執行官の事件の記録の表紙及び帳簿等の記載要領並びに事件の処理について(令和5年2月10日付の最高裁民事局長の通達)
イ 以下の記事も参照してください。
 執行官の採用選考実施結果

平成26年度裁判所職員採用試験でミスがあった結果,24人が誤って不合格になったこと

目次
1 平成26年度裁判所職員採用試験でミスがあった結果,24人が誤って不合格になったこと
2 関連記事

1 平成26年度裁判所職員採用試験でミスがあった結果,24人が誤って不合格になったこと
(1) 職員の非違行為について(平成26年11月14日付の最高裁判所人事局長報告)及び平成26年11月19日付の懲戒処分書,処分説明書及び受領書(各2通)を掲載しています。
(2) 平成26年10月3日の産経ニュースには,以下のとおり書いてあります。

記事のタイトル
   裁判所職員試験でミス、24人不合格に 最高裁が受験生に謝罪
記事の本文
   最高裁は3日、平成26年度の裁判所職員採用試験で採点処理にミスがあり、24人を誤って不合格としていたと発表した。最高裁は受験生に謝罪。本来、総合職2次試験に合格していたはずの17人については今後、追加で3次試験を行うほか、別の7人は併願していた一般職試験で追加合格とした。
   最高裁によると、ミスがあったのは、大卒程度を対象とした総合職2次試験。6月1日に実施した憲法の記述式試験について、成績順の一覧表を作成した際、得点の入力を誤ったという。9月29日に受験生から最高裁に問い合わせがあり、ミスが発覚した。
   2次試験は受験した159人のうち13人が通過。3次試験を経て、8月8日に3人が最終合格した。最終合格の取り消しはしない。
   最高裁の堀田真哉人事局長は「受験生の皆様に迷惑をおかけしたことを心からおわび申し上げます。正確な試験事務の実施という観点から、事務のあり方を洗い直し、再発防止に努めたい」としている。

2 関連記事
・ 平成3年度以降の裁判所職員採用試験の採用案内パンフレット
・ 裁判所職員採用試験に関する各種データ
・ 裁判所職員採用試験における得点分布は開示されないこと
・ 司法試験受験生が裁判所職員採用試験を受ける場合の面接対策
・ 執行官の採用選考実施結果

裁判所職員採用試験における得点分布は開示されないこと

目次
第1 裁判所職員採用試験における得点分布は開示されないこと
第2 関連記事その他

第1 裁判所職員採用試験における得点分布は開示されないこと
・ 平成29年度(最情)答申第21号(平成29年7月24日答申)は,「裁判所職員採用試験における得点分布が分かる文書(平成28年度)」(以下「本件開示申出文書」といいます。)の開示の申出に関して以下のとおり説明しています(ナンバリング,改行及び見出しを追加しました。)。
・ 本件各対象文書は,第1次試験(=基礎能力試験及び専門試験)の得点度数分布表(裁判所HPの「試験問題」参照)のことです。
   
1 第1次試験の得点度数分布表は部分開示が相当であること
(1)   本件各対象文書を見分した結果によれば,本件不開示部分には,第1次試験の各試験種目における得点別の受験者数,積算数及び割合が記載されていることが認められる。
   また,当委員会庶務を通じて確認した結果によれば,苦情申出人が挙げる司法試験については得点分布が公表されているものの,その他の資格試験や国家公務員等の採用試験については必ずしも得点分布が公表されておらず,試験によって公表される事項等が異なる状況にあると認められる。
(2)   そこで最高裁判所事務総長の上記説明の内容につき検討すると,試験に関して公表される事項等については,試験ごとに公表に伴う種々の影響等を考慮して定められている現状にあると考えられ,裁判所職員の採用試験においては,合格者決定方法の一つとして試験種目ごとに下限の得点を定めているため,本件不開示部分が開示されると,裁判所への質問,照会,中傷等が増加し,試験業務に支障が生じるおそれがあるほか,後日の照会等へのおそれや煩わしさから,適正な合否判定が困難になるという上記説明の内容が不合理とはいえない。
   したがって,本件不開示部分について,適正な試験事務の遂行に支障を及ぼすおそれがあり,法5条6号に規定する不開示情報に相当すると認められる。
   
2 第2次試験及び第3次試験の得点分布が分かる文書は存在しないこと
(1)   苦情申出人は,論文試験(小論文),専門試験(記述式),政策論文試験(記述式)及び人物試験についても,得点分布が分かる文書は当然に作成されていると主張する。
   しかし,開示された本件各対象文書は,第1次試験の得点分布を記載した文書であるところ,苦情申出人のいう第2次試験及び第3次試験については,これらの試験の方式等を考慮するならば,直ちに得点分布が分かる文書を作成する必要があるとはいえず,これらの試験について得点分布が分かる文書を作成していないという最高裁判所事務総長の上記説明の内容が不合理とはいえない。
   そのほか,最高裁判所において,本件各対象文書以外に本件開示申出文書に該当する文書を保有していることをうかがわせる事情は認められない。
(2) したがって,最高裁判所において本件各対象文書以外に本件開示申出文書に該当する文書を保有していないと認められる。

第2 関連記事その他
1 試験結果情報提供申出書の書式等は
裁判所職員採用試験の試験結果の情報提供に関する事務取扱要領(平成28年3月23日最終改正)に含まれています。
2 以下の記事も参照してください。
・ 裁判所職員採用試験に関する各種データ
・ 平成26年度裁判所職員採用試験でミスがあった結果,24人が誤って不合格になったこと
・ 裁判所職員に関する記事の一覧

 

裁判所職員採用試験に関する各種データ

目次
1 裁判所職員採用試験の受験者数,合格者数,採用者数等に関するデータ
2 合格最低点・合格最高点に関するデータ
3 第1次試験合格から最終合格までの合格率につき,顕著な男女差が発生した場合があること
4 女性労働者に対する積極的差別解消措置
5 裁判所職員採用試験の得点分布の取扱い,及び「大学医学部入学試験制度に関する規範」
6 裁判所職員総合研修所の研修生に関する資料
7 関連記事その他

1 裁判所職員採用試験の受験者数,合格者数,採用者数等に関するデータ
(1)ア 裁判所職員採用試験に関する以下のデータを掲載しています。
① 裁判所職員採用総合職試験の推移表(平成16年度から平成30年度まで)
・ 裁判所事務官(総合職)の場合,1次試験→最終の倍率は,男性が15.5倍であり,女性が10.5倍ですから,その差は1.5倍です。
・ 家庭裁判所調査官補の場合,1次試験→最終の倍率は,男性が6.4倍,女性が3.8倍ですから,その差は1.7倍です。
② 裁判所職員採用一般職試験の推移表(平成16年度から平成30年度まで)
・ 裁判所事務官(一般職・大卒程度)の場合,1次試験→最終の倍率は,男性が3.7倍であり,女性が2.2倍ですから,その差は1.7倍です。
・ 裁判所事務官(一般職・高卒者)の場合,1次試験→最終の倍率は,男性が5.9倍,女性が2.8倍ですから,その差は2.1倍です。
イ 令和元年5月現在,平成26年度以降の結果については,裁判所HPの「試験の実施結果」に掲載されていますし,平成28年度以降の結果については,男性及び女性の人数の記載があります。
(2) 元データは以下のとおりです。
ア 合格者数(採用試験の実施結果)
(平成時代)
平成16年度ないし平成26年度平成27年度
平成28年度
平成29年度平成30年度
(令和時代)
2019年度
令和2年度令和3年度令和4年度令和5年度
令和6年度

イ 採用者数(男女別)
・ 平成11年度ないし平成24年度平成25年度平成26年度平成27年度総合職平成27年度一般職
◯ 平成28年度採用者数に関するデータ
 平成28年度名簿からの男女別採用者数(総合職(裁判所事務官))
・ 平成28年度名簿からの男女別採用者数(総合職(家庭裁判所調査官補))
 平成28年度名簿からの男女別採用者数(一般職(裁判所事務官))
◯平成29年度採用者数に関するデータ
・ 平成29年度名簿からの男女別採用者数(総合職)(裁判所事務官及び家庭裁判所調査官補)
・ 平成29年度名簿からの男女別採用者数(一般職(裁判所事務官))
◯平成30年度採用者数に関するデータ
・ 平成30年度名簿からの男女別採用者数(総合職(裁判所事務官))
・ 平成30年度名簿からの男女別採用者数(総合職(家庭裁判所調査官補))
・ 平成30年度名簿からの男女別採用者数(一般職(裁判所事務官))
◯令和元年度採用者数に関するデータ
・ 2019年度名簿からの男女別採用者数(総合職(裁判所事務官))
・ 2019年度名簿からの男女別採用者数(一般職(裁判所事務官))
◯令和2年度採用者数に関するデータ
・ 令和2年度名簿からの男女別採用者数(総合職(裁判所事務官))
・ 令和2年度名簿からの男女別採用者数(一般職(裁判所事務官))
・ 家庭裁判所調査官補の男女別採用者数(令和3年4月1日付の採用者)
◯令和3年度採用者数に関するデータ
・ 令和3年度名簿からの男女別採用者数(総合職(裁判所事務官))
・ 令和3年度名簿からの男女別採用者数(一般職(裁判所事務官))
・ 家庭裁判所調査官補の男女別採用者数(令和4年4月1日付の採用者)
◯令和4年度採用者数に関するデータ
・ 令和4年度名簿からの男女別採用者数(総合職(裁判所事務官))
・ 令和4年度名簿からの男女別採用者数(一般職(裁判所事務官))
・ 家庭裁判所調査官補の男女別採用者数(令和5年4月1日付の採用者)
◯令和5年度採用者数に関するデータ
・ 令和5年度名簿からの男女別採用者数(総合職(裁判所事務官))
・ 令和5年度名簿からの男女別採用者数(一般職(裁判所事務官))
・ 家庭裁判所調査官補の男女別採用者数(令和6年4月1日付の採用者)
◯令和6年度採用者数に関するデータ(準備中)
・ 令和6年度名簿からの男女別採用者数(総合職(裁判所事務官))
・ 令和6年度名簿からの男女別採用者数(一般職(裁判所事務官))
・ 家庭裁判所調査官補の男女別採用者数(令和7年4月1日付の採用者)
◯令和7年度採用者数に関するデータ(準備中)


2 合格最低点・合格最高点に関するデータ
(1)ア 平成23年度から平成28年度までの,裁判所職員採用試験のうち,裁判所事務官に関する第1次試験の合格最低点が分かる文書を掲載しています。
   高裁ごとに合格最低点が異なることが分かります。
イ 平成29年3月9日付の司法行政文書不開示通知書によれば,平成22年度以前の,裁判所事務官に関する第1次試験の合格最低点が分かる文書は廃棄済となっています。
(2) 裁判所職員採用試験(裁判所事務官)の高等裁判所別合格最低点・合格最高点に関する文書を掲載しています。
平成28年度及び平成29年度平成30年度令和元年度令和2年度令和3年度令和4年度令和5年度

3 第1次試験合格から最終合格までの合格率につき,顕著な男女差が発生した場合があること

(1) 平成26年度家庭裁判所調査官補採用試験(院卒者区分)の場合,男性の受験者47人(うち,第1次試験合格者は32人)から1人が最終合格したのに対し,女性の受験者74人(うち,第1次試験合格者は49人)から18人が最終合格したため,第1次試験合格から最終合格までの合格率は,男性が3.1%(1/32)であり,女性が36.7%(49/74)であって,男女差は11.8倍でした。
   ただし,ここまで男女の合格率が異なるのは平成26年度だけですし,同じ年度の家庭裁判所調査官補採用試験(大卒程度)の場合,第1次試験合格から最終合格までの合格率の男女差は1.06倍でした(男性の場合,66人→14人,女性の場合,120人→27人)。
(2) 語られない闇を語るブログ「裁判所が平然と女性優遇採用をすることは許されるのか」(平成28年7月7日付)が載っています。
(3)ア ちなみに,性別や年齢によって入試の得点を不当に差別し,減点や優遇などの措置を取っていた事件が2018年8月に明るみになった東京医科大学の医学部医学科の一般入試の場合,2018年度の合格率は男性が8.8%,女性が2.9%であり(男女差は約3倍),2019年度の合格率は男性が16.9%,女性が16.7%でした(huffpostの「東京医科大、男女で合格率に差はみられず。年齢別では19歳がトップ。2019年度入試結果を公表」参照)。
イ Wikipediaの「2018年における医学部不正入試問題」が参考になります。


4 女性労働者に対する積極的差別解消措置
(1) 平成11月4月1日以降,「事業主が、雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保の支障となっている事情を改善することを目的として女性労働者に関して行う措置を講ずることを妨げるものではない。」という定めが追加されました(現在の男女雇用機会均等法8条(女性労働者についての措置に関する特例)です。)。
(2) 労務安全情報センターHP「「改正男女雇用機会均等法・改正労基法」解説とQ&A」には以下の記載があります。
    女性は細かい作業に向いている、女性特有の感性があるなどの先入観に基づき、一定の職務・職種について女性のみを募集・採用することは、かえって、女性の職域を限定したり、女性と男性の仕事を分離してしまうという弊害をもたらすものです。
    このように、一定の職種・職務について女性のみを募集、配置する等、女性のみを対象として又は女性を有利に取り扱うものとして実施される措置の中には、女性の職域の固定化や男女の職務分離をもたらすという弊害が認められるものがあります。
    そのー方で、「女性のみ」又は「女性優遇」の措置の中には、女性の能力発揮を促進し、男女の均等な機会及び待遇を実質的に確保するために望ましい措置もあります。
    今回の改正においては、「女性のみ」又は「女性優遇」の措置は、男女の均等な機会及び待遇を実質的に確保することを目的とした措置については、法に違反しない旨を明記するとともに、それ以外の措置については、女性に対する差別として禁止することとしました。
(3) 女性労働者の募集及び採用に関する優遇措置のうち,以下の取扱いは男女雇用機会均等法5条及び6条に違反しません(厚生労働省HPの「男女雇用機会均等法のあらまし」(令和4年10月)24頁及び25頁参照)。
女性労働者が男性労働者と比較して相当程度少ない雇用管理区分*1における募集又は採用や、女性労働者が男性労働者と比較して相当程度少ない*2役職についての募集又は採用に当たって、情報の提供について女性に有利な取扱いをすること、採用の基準を満たす者の中から男性より女性を優先して採用することその他男性と比較して女性に有利な取扱いをすること。
*1 「雇用管理区分」とは職種、資格、雇用形態、就業形態等の労働者についての区分であって、当該区分に属している労働者と他の区分に属している労働者と異なる雇用管理を行うことを予定しているものをいいます。
(中略)

*2 「相当程度少ない」とは、日本の全労働者に占める女性労働者の割合を考慮して、4割を下回っていることをいいます。4割を下回っているかについては、雇用管理区分ごとに判断するものです。

5 裁判所職員採用試験の得点分布の取扱い,及び「大学医学部入学試験制度に関する規範」
(1) 裁判所職員採用試験の得点分布の取扱い
ア 裁判所職員採用試験の場合,第1次試験の得点度数分布表の全部が開示された場合,裁判所への質問,照会,中傷等が増加し,試験業務に支障が生じるおそれがあるほか,後日の照会等へのおそれや煩わしさから,適正な合否判定が困難になるため,一部しか開示してもらえません。
イ 裁判所職員採用試験の場合,論文試験(小論文),専門試験(記述式),政策論文試験(記述式)及び人物試験については,得点分布が分かる文書は存在しません。
   そのため,裁判所職員採用試験において,性差により合格基準に差異が設けられているかどうかを事後的に検証することはできないと思います。
ウ 詳細については,「裁判所職員採用試験における得点分布は開示されないこと」を参照してください。
(2) 「大学医学部入学試験制度に関する規範」
   全国医学部長病院長会議が平成30年11月16日に発表した「大学医学部入学試験制度に関する規範」には以下の記載があります。
① 3頁の記載
   2019年春の入学試験では、性差、浪人年数(年齢)に関する不適切事例は処分の対象になります。
② 13頁の記載
   いかに学内の承認があろうとも、学長や入試委員長等の特定の個人だけの判断で合否判定をすることや、合理的理由なく順番を飛ばして合否判定することは、①「公平性」、②「医療人確保」の観点から国民に説明が困難と考えられますので不正といえます(東京医科大学事例)。いわゆる「枠」での入学、編入学に関わる制度は、この範囲でも検証されるべきだと考えます。
③ 15頁の記載
   東京女子医科大学などの前身である女性に特化した医育機関は、医育機関が男性しか受け入れなかった時代に女性に医学教育の機会を与えるために設立されたものであり、国民が広く承認していることから、問題がないと考えます。
④ 16頁の記載
   ①「公平性」および②「医療人確保」に則って判断すると、性差により一律的に判定基準に差異を設けること、および点数操作は不適切であり、決して許容されるものではありません。

6 裁判所職員総合研修所の研修生に関する資料
* 裁判所所職員総合研修所の裁判所書記官養成課程につき,第1部は法学部卒業者を対象とした1年コースであり,第2部は法学部以外の卒業者を対象とした2年コースであり,裁判所所職員総合研修所の家庭裁判所調査官養成課程は2年コースです(裁判所所職員総合研修所規程4条及び7条参照)。




7 関連記事その他
(1) 最高裁総務局・人事局各課長,参事官を囲む座談会(平成7年5月9日開催)において,「昭和六〇年四月一日現在の裁判所書記官における女性比率は四・〇%であったのが、平成六年四月一日現在においては一四・二%となっております。」という発言がありました(全国裁判所書記官協議会会報第131号11頁)。
(2)ア 以下の資料を掲載しています。
① 裁判所職員採用試験インターネット申込みの状況
(令和時代)
令和元年度令和2年度令和3年度,令和4年度
令和5年度令和6年度
(平成時代)
平成27年度ないし平成30年度
* 「裁判所職員採用試験インターネット申込みの状況(令和5年度)」といったファイル名です。
② 裁判官及び裁判官の秘書官以外の裁判所職員の採用試験に関する事務の取扱要領(令和2年2月当時のもの)
イ 以下の記事も参照してください。
・ 平成3年度以降の裁判所職員採用試験の採用案内パンフレット
・ 司法試験受験生が裁判所職員採用試験を受ける場合の面接対策
・ 裁判所職員に関する記事の一覧


尋問の必要性等に関する東京高裁部総括の講演での発言

目次
第1 尋問の必要性等に関する東京高裁部総括の講演での発言
第2 関連記事

第1 尋問の必要性等に関する東京高裁部総括の講演での発言
・ 29期の富田善範東京高裁14民部総括判事(当時)は,平成28年2月8日の講演「現代の民事裁判における裁判所の役割」(平成27年度司法研修所特別研究会7(現代社会における法と裁判)2/2参照)において,尋問の必要性等に関して以下の発言をしています(ナンバリング及び改行を追加しました。)。

1(1) 私は訟務に2回,合計13年行っておりました。現場の法廷に立つ訟務検事としても6年ぐらいはやっております。ですから,国の立場ではありますけれども,当事者の心理といいますか,やり方というものもよく分かるところがあります。
(2)   皆さん御承知のように,民事裁判は,当事者主義によって成り立っており,当事者に主張立証を任せれば自分に有利な主張立証をどんどん出してくるであろうから,当事者主義によって訴訟資料は充実するはずだと,民事訴訟法を習った段階ではそのように理解していました。
   現実はどうかというと,代理人をやってみると分かるのですが,率直に言って,当事者双方は,本来裁判所が審理の対象とすべき証拠のせいぜい2,3割ぐらいしか出してきません。
   その原因は何かというと,明らかに自分に有利な証拠はもちろん出しますが,明確に有利な書証というのはそんなにあるわけではありません。
   多くの資料は,自分にとって有利にもなるが, 不利にもなります。そうすると,少しでも不利になりそうなものは自分からは自主的に出さないのです。これが当事者の心理なのです。
(3)   ですから,訴訟段階で最初に出てくる書証は,客観的資料である登記簿とか,戸籍とかそういうものは出ますし,契約書があれば契約書が出てくる。
   しかし,それ以外のものというのは, なかなか普通の民事事件では出てこないことになります。しかも,事件のポイントになるところは余り書面化されていないことも多いわけです。
(4)   このようなことから,私は,民事裁判はミステリー小説ではないかと思っています。要するにぽつん,ぽつんと書証がありますが,その書証をつなぐものが直接ないのです。
   特に訴訟の最初の段階では余り出てこないものですから,裁判官には事実関係がよく分からないわけです。
   このように書証をつなぐものがはっきりしないとなれば,事件のストーリー,全貌は少しも浮かび上がってこないということになります。
(5)   ある先輩の裁判官は,これをクロスワードパズルと言っておられましたが,いずれにしてもこのミステリー小説のような状態をどう理解し解明していくかというのがなかなか難しいということになります。
   しかも,当事者は事実がどういうものかを知っています。代理人が全部知っているかどうか分かりませんが,当事者は真実というものを知っているわけです。代理人は少なくとも裁判所よりはよく知っています。
   そして,裁判所には分からないと思いますが,当事者同士では共通の事実認識も結構あります。6,7割は少なくとも当事者間で共通の事実認識があって,最後の少しは違ってくるかもしれませんが,代理人も当事者本人から話を聞けば,大体事件の全貌は浮かび上がってきます。
   ところが,これを裁判において,裁判所に説明する段階になると,お互いの見合いになってしまうわけです。
   とりあえず,必要最小限度の主張立証をして,相手の出方を見ながら,ここは反論しなければいけないというところだけは一所懸命反論しますが,それ以外の部分については,自分にとって有利か不利か分からないとなると, 急に身構えて主張立証を出し渋ってしまうのが当事者の心理です。
(6)   このような当事者主義に任せているとどういう結果になるかというと,当事者は一応の主張はするが,非常に資料が乏しく,何でこういう紛争になったのかとか,いろいろな経緯,動機とか背景事情とか,そういったものを余り出してこないことになります。
   そして,現にそういった当事者の主張立証が不足している事件がすごく増えているように思います。
   私は,民事裁判においては,このように当事者だけに主張立証を任せている限りはそうなりやすいことをよく考えておかなければならないと思います。
2(1) 私は,昨年6月に知財高裁から高裁民事部に移りまして,平成21年以来久しぶりに民事事件をやっているのですが,このような統計と歩調を合わせたように,原審で人証を調ぺていない,そして本人尋問すらしていない事件が以前に比べて目立って増えています。
   さらには陳述書すら出ていないという事件も増えております。
(2)   そういう事件では,一審の記録を見ると,書証以外は当事者の主張だけなのです。そうすると,その紛争に至った経緯とか動機とか背景事情は主張の中には少し述べられていますが,証拠上は全くないわけです。
   例えば,契約書はあるが,その契約書の成立等を争っていても,当事者が陳述書を出さないまま終結になっている事件が結構目につきます。
   そうすると,契約書をつくったけれども,これはこういう趣旨だったというようなことについては主張があるだけですので,裁判所の判断は,抽象的にそういう主張を認めるに足る証拠がないとか,あるいはこういう契約書がある以上,そういうことはないはずだとか,そういう判決になっていることが多いのです。
   しかし,そういう事件だと,高裁としては,この事件の実態がよく分からないということになります。その結果,当部の主任裁判官の合議メモでは,事件の経緯が分からないから,主張をやり直させなければならないとか,まずは陳述書を出させ,尋問しなければならないという意見が多くなっております。
   さすがに高裁段階で全部尋問するわけにもいかないので,ー応,事情を聞くために弁論準備や和解にすればいろいろ話をしてくるので,それによって,かなりの事件が和解で終わりますが,それだけではすまないので,今は,月に1,2件は証拠調べをするという状態です。
(3)   最近の事例では,離婚事件について,原審では,争点が破綻したかどうかだけだったためか本人尋問も実施されていなかったのですが,当審で慰謝料請求が追加されたので,これは調べざるを得ないということで双方本人を調べました。
   調べてみると,やはり事件の内容がよく分かります。当事者の言いたいこと,そして事件になった由来というのが分かります。
   皆さんも御承知のように,本人を見ながら尋問を聞けば,本人の言うことが信用できるかどうか,ある程度分かるわけです。その結果,結論が覆るのもあれば,もとの結論が維持されるのもありますが,間接事実を積み重ねていけば,判決においても事実関係を認定できますので,当然,判決は書きやすくなるわけです。
(4)   そういう意味でも,なぜそれが原審でされていないかということがーつ問題になるわけです。 当事者主義を突き詰めていくと,要は当事者が自分から陳述書も出さない,本人尋問も申請しないで,それで判決してくれということだから,裁判所は判決しているということなのでしょう。
   しかし,本当にそれでよいのかと思います。これで片側が本人訴訟の場合になると,私の部に来る控訴事件では,これまたほとんど尋問がされていないのです。
   尋問がなくて,弁論調書でポイントだけ押さえて何か言わせて,その限度で判決を書かれている例が結構あります。
   昔は,本人訴訟となると,なかなか書面だけでは何を言いたいのか分かりづらいので,とりあえず尋問して,言いたいことはこうねと,でもこうでしょうという形で話を押さえていくというのがやり方でした。
   このような場合も,当審で尋問する例があります。当事者は原審で話を聞いてもらえていませんから,当然,控訴してくるという形になるわけです。
   しかし,本当にこのように本人の言い分を直接聞く機会を作らないままでよいのかということが,今,問われているのではないかと思います。
3(1) 民事裁判における裁判官としての謙虚性と積極性という話をしたいと思います。
   これは,私自身が民事裁判に臨むに際してどういう考えで臨んでいるかということなのですが,先ほど申し上げたように,要するに,裁判所は当事者から全く何も知らされていない訳ではないですけれども,極めて少ない情報しか知らせてもらえないという面があります。
   ですからやはり裁判官は事件については大抵の場合よく分からない,基本的には知らないということになります。
   もっとも,我々は具体的事件の審理をやってみると,準備書面が往復する過程で,経験を積んでくると,特にここにおられる方は,大体この事件の結論はこうだよなという見通しが見えてきます。
   恐らく7,8割の事件は多分これはこう終わるだろうなと皆さん思われると思うのです。問題はそのときに,当事者がそれ以上主張・立証しない場合に, これで判断できると,判決を書けると思うかどうかが大事だと思うのです。
   私の経験では,7,8割の事件は,準備書面段階で大体こういう結論になると考えたとおりになりますが,2,3割の事件では人証調べの結果によって判断が変わっております。
   これは,結論だけでなく,事件のストーリーや細部が変わる場合を含みます。そういうケースは珍しくないのです。
   ですから,乏しい証拠しか出ていない段階で,主張レベルで余り早く結論を決めてしまわないというのが大事だと思います。もちろんその段階での心証に基づいて,心証開示したり,和解勧告をしたりするというのはよいと思います。
   むしろそれをして,裁判所の考えを当事者に告げた方が当事者にとってもよいことだと思うのです。
   これに対して,当事者から,いやそれは違います,こういう反論ができますといわれれば,やはり陳述書を出させ,証拠調べを行うことが必要になります。逆に,弁論準備で当事者と主張内容について何のやりとりもなく,和解勧告もなく,当事者が自分から陳述書を出さない,本人尋問を申請しないからということで終結して判決を書くとなると,当事者と双方向の議論なく判断するということになり,それは極めて危険なことだと思います。
   事件というのは,もともと証拠が乏しいものが多く,そもそも,当事者が証拠を全部出しても,本当のところはなかなか分かりません。最後は口頭でのやりとりが多いわけです。
   ですから,口頭でのやりとりについて,ちゃんと尋問で聞いて,反対尋問もし, 裁判所からも聞いて,立証が尽きたところで,やはり裁判所としてはこう判断するしかありませんというのが私は民事裁判ではないかと思います。
   要するに証拠調べが尽きたところで初めて結論を出せるのであって,証拠調べが尽きていない段階で軽々しく判断を出すというのは極めて危険であると思います。
   そういう意味で裁判官は事件に対して謙虚でなければならないと思っているわけです。
4(1) 皆さん,刑事事件では,よく動機ということが言われます。動機は何かと,動機が分からないと新聞でも議論になります。
   私は,刑事事件では,動機が直接ない場合もあるし,黙秘権によって動機をー切言わなくても,それは仕方がないと思うのです。
   ある意味では自分の内心のことですし,それでも必ず刑は言い渡されるわけです。
(2)   しかし,民事事件で,少なくとも契約絡みの事件で動機がない事件というのはまず考えられないと思います。
   民事事件は,お金,異性及び親族,そして事故が原因になりますが,少なくとも前二者について,人間の行動には動機がないはずがないのです。
   その動機に基づく行為が合理的かどうかで民事事件というのはある程度分かり,心証が掴めるのです。そして,その部分はやはり本人は知っているので,本人がどう説明するかというのがポイントになります。
   だから尋問においては,そういったところを多角的に聞いていくというのが大事になります。
(3) 私は,今回で高裁が4回目で通算約7年になります。地裁より高裁の方が長いというのが特徴です。
   最初は平成元年4月から平成4年3月まで3年間いて,その頃は,うちの部は,申請があれば本人尋問をやり直すのが原則で,離婚事件でも両当事者をもう一回聞いていました。
   しかし,2度目の平成14年3月から平成16年3月まで2年間いたときには,もうほとんど 1回結審の時代に入っていました。
   そのときに困ったのは,原審の尋問内容でして,あなたはなぜこうしたのですかという最後の一押しがない事件が目立ちました。
   これは両代理人からは極めて聞きにくいことなのです。自分に不利なことが出るのは嫌だから,反対尋問であなたはなぜこうしたのだというのはなかなか聞かないのです。これを聞けるのはやはり裁判官なのです。
   大体,本人や証人は裁判官に聞かれると割に正直に言います。だから,私は,代理人当時, 反対尋問の極意としては,最後にその一言を裁判官に聞かせるように尋問しました。
   そうすると,裁判官がその最後のー押しを聞いてくれる。あなたはなぜこうしたのですかといった,当然起こる疑問について,そこを聞いてみて,本人の応答ぶりを聞いて大体心証が決まるのです。
   その質問に対して本人がうまく説明できないということがあります。そうなると,もうそこで心証が決まります。そこまで詰めておけば,和解もまず半分以上できますし,判決でもあなたの言うことは信用できないと書けるわけです。
   しかし,その最後の一押しがないと心証が取りにくいのです。かと言って,高裁でそのためだけにもう一回聞くわけにはいかないから,そこを原審に是非やってほしいと言っていたわけですが,今は尋問自体がされていないので,その最後の一押しも全くなく,心証など全然取れないわけです。
   仕方がないから,どうにもならない事件は当審で証拠調べを行っているというのが実情です。とにかく,尋問もせず,最後の一押しの質問もなく,それに対する当事者の応答もなくて,原審はどうして心証がとれるのかが,私には理解できません。
   そういう意味の裁判官の後見的積極性というものは必要なことであると思っております。
5(1) 当事者本人の尋問の機能の必要性をどう考えるかについては,既に大体お話してきたとおりです。
   民事事件の場合,決め手になる書証が極めて乏しい,あるいは処分証書が出ても,その有効性が争われるというようなことになりますが,それ以外の事情というのはほとんど書証ではまず決着がつかないわけです。
   そうすると,証人あるいは本人尋問になるので,その前提で陳述書を出させることになります。
   しかし,多くの場合,陳述書はほとんど準備書面に書いてあることと同じことを書いてきます。ですから語弊がありますけれども,やはり弁護士の作文の域を出ないということがよくあります。したがって,普通は尋問が必要になります。
   この点について,私が若い頃に先輩から聞いたのは,証人は全て嘘を言うことが多い。
   我が国の証人は,私はどちらの依頼,又はどちらの立場で出るのでしょうかと聞いてその立場で証言することが多いと聞きました。
   証人は一般にごくわずかな部分しか関与していませんから,全面的にどちらかの当事者の方向に寄ってしまうことが多いのです。
   これに対し,当事者本人は全て嘘を言うわけではないと聞きました。本人は全ての過程に関与していますが,肝心のところは当然ながら双方言い分が違います。
   しかし,前後の過程は結構真実を言っている面が多いわけです。そのため,昔から当事者本人がー番真実の宝庫だと言われているのです。
    したがって,聞き方次第では真実が出てきたり,それが分かるというのが当事者本人であるので,一般的に事件を審理する上では,当事者本人の尋問は欠かせないと思います。
   その上で,先ほど申し上げたように,本人の言いたいことを裁判所が聞いてくれたという機能のこともきちんと押さえておいた方がよいと思います。
(2)   最近,高裁で当事者本人尋問を実施した事例では,特に片側が本人訴訟だったせいもあって,裁判所から,まずあなたの言いたいところはこういうところなのですかというところを十分に確認し,その上で,しかしここはこういう点で問題ではないですかということを尋ねました。
   そこをちゃんと十分に意識してやることで,本人も基本的に裁判所に話を聞いてもらえたと, 裁判所は私の言うことを聞いてくれているのだということを理解させた上で,今度は問題点を指摘します。
   そういったことが本人の尋問では非常に大事になるし,裁判官が尋問を行う意味が出てくるのではないかと思います。
   そういった形で多角的にいろいろな議論をすることで, 例えば,動機や経緯に合理性がないといったことも当事者本人にもよく分かってきますから, 和解もやりやすいし,判決も書きやすいということになります。下級審の判決の極意はできるだけ事実認定で書くことだと言われますが,それはなぜかというと,事実認定であれば,基本的に下級審の専権に属する分野ですし,法的判断の部分が狭くなればなるほど法的に争う領域が減ってくるということになります。高裁の場合は最高裁で通る確率が高まるという効果もあります。
   しかし,当事者本人にとっても,事実がどうかという認定で判断されるということは決して嫌ではないわけであって,そういう意味で,ー審においても,やはり間接事実レベルの事実をどこまで認定し,どこまで認定できないか,そこから法的判断にどう行くのかというところをきちんと書けば,高裁に対する説得力も全然違うということになろうかと思います。
(3)   私は,事件の審理においては,証拠調べがいわば頂点をなすものだと思います。事件の処理としては,主張を整理し,書証が出て,そこから人証に入ります。もちろんその間に時系列表を作成し,事件についてー所懸命考え,ー定の心証が普通はできているわけです。
   しかし,面白いことに,主尋問を聞き,反対尋問を聞いている間に,どんどん,どんどん頭の中でこの事件に対する見方や心証が変わってくるのです。
   私は,代理人当時は相手の主尋問を聞きながら何を反対尋問するかフル回転で考えていたのですが,同じことが裁判官でもあって,この人に何を聞こうか,どこで押さえようかといったことが頭を駆け巡り,尋問の間も,時系列表と記録をいろいろ見て,ここだ,よし,ここから行こうとか,そういうことばかり考えて最後の補充尋問に至るという形になります。
   ですから,人証調べというのは,事件を理解するにおいて―番分かるところなので,十分な準備の下にそれをやるということで事件は解決するのだと, その点において,私は非常に確信を持って言えます。
   今も月に何件か尋問しておりますが,後で陪席と話をしても,やはりこうだよとか,ここはこうだったねというのがきちんと議論できますから,そういう意味でやはり人証調べを,いま一度重視し,そこを頂点に事件処理するといったことを考えていただければと思います。

第2 関連記事
・ 証人尋問及び当事者尋問
・ 陳述書作成の注意点
 新様式判決
 処分証書及び報告文書
・ 二段の推定
・ 文書鑑定
 裁判所が考えるところの,人証に基づく心証形成
・ 尋問の必要性等に関する東京高裁部総括の講演での発言
・ 陳述書の機能及び裁判官の心証形成

司法大観

目次
1 司法大観に掲載してもらえる裁判所職員の範囲
2 司法大観を購入できる人
3 司法大観の全部が不開示情報に該当すること
4 関連記事その他

1 司法大観に掲載してもらえる裁判所職員の範囲
・ 一般財団法人法曹会が発行している司法大観に掲載してもらえる裁判所職員の範囲は,以下のとおりです。
① 裁判官(簡易裁判所判事を含む。)
② 最高裁判所(司法研修所,裁判所職員総合研修所及び図書館を含む。)の課長以上,裁判所調査官(最高裁判所配置の者),首席書記官,上席の書記官,上席の教官(裁判所職員総合研修所調研部,書研部,一般研修部),参事官,審査官,首席技官,次席技官,秘書官,健康管理官,課長補佐(庶務主任)
③ 高等・地方・家庭裁判所の事務局長,首席書記官,首席家裁調査官,上席の裁判所調査官
④ 高等裁判所の事務局次長,秘書官


2 司法大観を購入できる人
(1) 司法大観は,法曹会において,裁判所,法務省,検察庁,法務局等の機関及びこれらの所属職員のほか,公証人,法曹会特別会員,司法記者クラブ,日本調停協会連合会,日本弁護士連合会,日本司法書士会連合会及び日本公証人連合会を販売対象としているが,これらのもの以外から購入希望があった場合には,その都度販売の可否を検討しており,これまでにもこれらのもの以外に販売したことがあります(平成28年度(最情)答申第40号(平成28年12月21日答申))。
(2) 司法大観は部外非売品ですから,私を含む一般の弁護士が購入することはできません。
(3) 個人情報保護法が全面的に施行された平成17年4月1日より前に発行された司法大観(つまり,平成14年度版以前の分)については,例えば,大阪弁護士会の図書室に置いてあります。
(4) 日本の古本屋HPを使えば,昭和時代の司法大観を購入できます。
   そのため,例えば,昭和63年度版の司法大観を購入すれば,昭和62年4月採用の39期以上の裁判官の顔写真及び経歴を確認できます(昭和63年度版の現物を見ていないため,38期以上の裁判官だけかもしれません。)。


3 司法大観の全部が不開示情報に該当すること
(1) 司法大観(「本件対象文書」のことです。)は,その全部が不開示事由に該当するとした平成28年度(行情)答申第753号(平成29年2月27日答申)の記載は以下のとおりです。
   本件対象文書は,法曹会が発行しているものであり,その内容は,裁判所,法務省,検察庁等に在職する法曹関係者(希望者に限る。)の写真及び経歴等が掲載され,「裁判所の部」,「法務省の部」が別冊になっているものである。
   法務省は,本件対象文書について,単に法曹会から購入して取得したにすぎず,顔写真付き経歴等について公的に確認したものではなく,公慣行があるとはいえず,法曹会に対し,法曹会からの個人購入者と同様の立場に立った配慮が必要である。
   その上で検討すると,本件対象文書は法曹会が発行しているものであり,その内容は,法曹等に関する顔写真付き経歴等が掲載されているところ,本件対象文書は,法曹会が,自ら構図,内容,掲載対象等を考案し,その選択や配列された情報として掲載されていることが認められることから,法曹会の著作物であると認められる。また,掲載に係る法曹等に向け,本件対象文書を部外非売品,転載不許とした上で顔写真,経歴等の資料を募るなど,独自の手法で,かつ,転載不許に関する信頼を得て,本件対象文書を発行しており,こうした手法等への配慮を欠かすことはできない。
   また,本件対象文書は,法曹等の顔写真や経歴等を確認するための文書であり,その複製が頒布されればその複製だけで用が足りるため,本件対象文書そのものの意義が失われ,購入者が減少するおそれがあるばかりか,多くの法曹等が転載を嫌って本件対象文書への掲載に応じなくなるおそれがあり,法曹会からも,情報公開手続によってこれらの個人識別情報が一部でも開示されることとなると,掲載されている者との信頼関係が損なわれ,ひいては,今後,情報提供が拒否されるなど,本件対象文書の発行への影響が懸念され,また,情報公開手続によって本件対象文書の写しの交付等を受けられるとした場合,その手数料は,本件対象文書の販売価格よりも安価であることが見込まれ,本件対象文書の販売による利益を損なうおそれがあることなどから,法曹会において情報公開による開示を望まない旨意思表示が示されているところである。
    これらの事情を勘案すれば,本件対象文書を公にした場合,法曹会の権利,競争上の地位その他正当な利益を害するおそれがあるものと認められる。
(2) 司法大観は,司法行政文書開示手続においても,その全部が不開示事由に該当します(平成29年3月17日付の司法行政文書不開示通知書参照)。

4 関連記事その他
(1) 現代新書HPの「『絶望の裁判所』著:瀬木比呂志—『絶望の裁判所』の裏側」(2014年3月9日付)には以下の記載があります。
  『司法大観』という名称の、七、八年に一度くらい出る、裁判官や検察官の写真に添えて正確かつ詳細なその職歴を記した書物が彼ら(山中注:最高裁判所事務総局系の司法行政エリートと呼ばれる人々のこと。)のバイブルであり、私は、それを眺めるのが何よりの趣味だという裁判官にさえ会ったことがある。
(2) 現職裁判官全員の性別が記載された名簿等の一覧性を有する文書は最高裁判所に存在しませんし(平成29年度(最情)答申第30号(平成29年9月11日答申)),現職の女性判事及び女性判事補の名前が全部書いてある文書は最高裁判所に存在しません(令和元年度(最情)答申第55号(令和元年10月18日答申))。
(3) 71期新任判事補の一人一人の性別が分かる文書として最高裁判所が保有する文書は戸籍謄本だけです(令和元年9月25日付の理由説明書)。
(4) 以下の記事も参照してください。
・ 法務省作成の検事期別名簿
 法務・検察幹部名簿(平成24年4月以降)
・ 女性判事及び女性判事補の人数及び割合の推移
 歴代の女性最高裁判所判事一覧
 歴代の女性高裁長官一覧

最高裁判所に設置されている常置委員会は全く開催されていないこと

目次
1 最高裁判所の説明
2 昭和32年当時の説明
3 関連記事

1 最高裁判所の説明
・ 最高裁判所に設置されている常置委員会は全く開催されていないことに関して,最高裁判所は,以下のとおり説明しています(平成28年度(最情)答申第11号(平成28年6月3日答申))。

   常置委員会は,最高裁判所裁判官会議規程(昭和22年最高裁判所規程第1号)7条の規定に基づき,裁判官会議を招集することができないときなどに司法行政事務をつかさどるために招集されるもので,常置委員会の構成員は,最高裁判所長官及び小法廷ごとに一人ずつ選出された裁判官である常置委員3人であるが,平成27年1月1日以降は,常置委員会は開催されていない。
   苦情申出人が主張するように,昭和27年12月20日開催の裁判官会議議事録(以下「昭和27年議事録」という。)に,「常置委員会は原則として毎週一回定期(水曜日午後)に開くものとすること。」との記載があるところ,常置委員会は,昭和37年頃までは月に複数回開催されていたが,昭和38年頃からはほとんど開催されることはなくなり,その状況は現在も続いている。常置委員会がほとんど開催されなくなった事情は必ずしも明らかではないが,昭和38年頃から,裁判官会議が,昭和27年議事録に記載されている毎月1回(土曜日)ではなく,ほぼ毎週1回原則として水曜日に開催されてきた事情に鑑みると,この毎週の裁判官会議の開催により,常置委員会の開催の必要が生じなかったものと考えられる。
   なお,平成26年12月3日開催の裁判官会議においては,「常置委員会は,裁判官会議を招集することができないとき又は招集することが相当でないときに,最高裁判所長官が招集する。」としており,当該議決後も常置委員会は開催されていない。

2 昭和32年当時の説明
・ 最高裁判所十年の回顧には以下の記載があります(法曹時報9巻10号50頁)。
司法行政の面では、裁判所の行政を行う裁判官会議は、最高裁判所発足当初は、連日開かれ、昭和二十三年ころから原則として毎週一回開催されてきた。その後、昭和二十八年から長官と各小法廷から選出された三名の裁判官(二か月ごとに交替)で常置委負会を構成し、司法行政事務のうち、とくに重要な事項を除いた事務を取り扱い、その結果を全員による裁判官会議に報告することにした。この常置委員会は、原則として毎週一回定期に開かれ、裁判官会議は、毎月一回定期的に開催され、その余力を裁判事務に集中することになって、現在にいたっている。これらの会議は、最高裁判所発足以来昨年末(山中注:昭和31年末)までに全員の裁判官会議が五八一回、常置委員会が七五回開催されている。
この裁判官会議の重要な仕事の一つとして最高裁判所規則の制定がある。規則の制定のためには、昭和二十二年十一月十三日、最高裁判所規則第八号によって、裁判官、検察官、弁護士、国会議員、学識経験者など二十五人以内で組織する民事、刑事、家庭および一般の各規則制定諮問委員会が設けられ、また、特別の必要があるときは特別の委員会を設けて、これに諮問し、その答申にもとづいて規則を制定することにした。
昭和三十一年末で施行されている規則は、訴訟手続に関する規則四五件、裁判所内部規律に関する規則三◯件その他の規則一九件と規程が三八件となっている。

3 関連記事
 最高裁判所裁判官会議
 最高裁判所裁判官会議の議事録
 司法行政を担う裁判官会議,最高裁判所事務総長及び下級裁判所事務局長

アジア太平洋最高裁判所長官会議

目次
1 総論
2 過去の開催状況
3 第17回アジア太平洋最高裁判所長官会議
4 関連記事その他

1 総論
(1) アジア太平洋最高裁判所長官会議は2年に1度開催されており,司法分野のアジア太平洋経済協力会議(APEC)ともいわれています(外部ブログの「アジア太平洋最高裁判所長官会議」参照)。
(2) アジア太平洋最高裁判所長官会議は,「アジア太平洋地域を中心とした高位法曹が集う,法の支配を基本理念とした国際会議」(平成29年5月付の最高裁判所長官談話「憲法記念日を迎えるに当たって」参照)です。

2 過去の開催状況
(1) アジア太平洋最高裁判所長官会議の開催状況(第1回から第16回までの分)を掲載しています。
(2) アジア太平洋最高裁判所長官会議の開催日程に関する文書を以下のとおり掲載しています。
第 7回第 8回第 9回第10回
第11回第12回第13回第14回第15回
第16回第17回
(3) 裁判所HPに「第10回アジア太平洋最高裁判所長官会議」(東京開催)が載っています。
(4) 平成27年11月にオーストラリアで開催された,第16回アジア太平洋長官会議に関する出席報告書を掲載しています。
(5) 令和2年7月現在,2019年秋に開催される予定であった第18回アジア太平洋最高裁判所長官会議はまだ開催されていません。


3 第17回アジア太平洋最高裁判所長官会議
(1) 第17回アジア太平洋最高裁判所長官会議は,平成29年9月18日から同月21日までの間,日本の最高裁判所で開催されました(裁判所HPの「第17回アジア太平洋最高裁判所長官会議について」参照)。
(2)ア 司法の窓第83号(平成30年5月発行)「トピックス1 第17回アジア太平洋最高裁判所長官会議」が載っています。
イ 迎賓館HP「第17回 アジア太平洋最高裁判所長官会議」には,迎賓館赤坂離宮で実施された茶道体験(和風別館茶室),華道鑑賞(和風別館主和室),カクテルパーティー(彩鶯の間)及び最高裁長官主催晩餐会(花鳥の間)の写真が載っています。
ウ 駐日ベトナム社会主義共和国大使館HP「ベトナム、第17回アジア太平洋最高裁判所長官会議に出席」が載っています。


4 関連記事その他
(1) 令和4年度(最情)答申第15号(令和4年9月13日答申)には以下の記載があります。
    最高裁判所における外国法曹の招へい及び訪問時の席次の過去例や席次に関する意見は、席次という事柄の性質上、社会的地位の序列に従って定められると考えられることから、この情報を公にすると、諸外国に対する最高裁判所の接遇の基準が明らかになり、接遇について個別の案件に応じた具体的で柔軟な調整が困難になるおそれがあるといえる。
(2)ア 以下の資料を掲載しています。
・ プロトコール資料(最高裁秘書課渉外連絡室作成。平成30年3月初版)
→ 令和4年2月の開示文書であり,黒塗りが多いです。
・ 平成31年3月にあった,ベトナム最高人民裁判所グエン・ホア・ビン長官の訪問に関して作成し,又は取得した日本語文書(圧縮版)
→ 令和5年6月30日付の開示通知書の他,圧縮前のPDF1/32/3及び3/3も掲載しています。
イ 以下の記事も参照してください。
・ 司法行政を担う裁判官会議,最高裁判所事務総長及び下級裁判所事務局長
・ 最高裁判所裁判官及び事務総局の各局課長は襲撃の対象となるおそれが高いこと等

裁判部門から司法行政部門への情報伝達の在り方

◯古川龍一事件に関する平成13年3月14日付の最高裁判所調査委員会報告書の「4 裁判部門から司法行政部門への情報伝達の在り方」の「(1) 一般的な検討」には以下の記載があります。

裁判部門は,独立してその職権を行使するのであるから,裁判部門の情報は,原則として当該部門内にとどめられるべきものであり,みだりに司法行政部門に開示することは,裁判の公正を確保する見地から許されない。しかし,同時に司法行政部門は,裁判が適正迅速に行われるよう,これを支援するためにあるのであるから,このような目的を達するために合理的な必要がある限りにおいては、裁判部門から司法行政部門に対して情報を伝達することも,許されると解すべきである。この場合においても,令状請求事件については,捜査の密行性の要請がとりわけ強く,また,令状請求の時点では,一般的にいえば司法行政上の必要性も限られたものであることが通例であるから,その情報については,特に厳格な取扱いを要するというべきであり,このような情報提供が許されるのは例外的な場合に限られよう。
  司法行政上の措置を必要とする場合として通常想定されるのは,(1)当該令状請求事件の裁判を担当する裁判官をはじめとする裁判関係者や,宿舎,庁舎の警備が必要となる場合,(2)忌避,回避の問題を生じて,裁判官の配置を変更したり,担当事務に変更を加えることを考えなければならないときなど,当該事件の裁判の公正性,適正性に対する信頼を確保するために必要な場合,(3)極めて例外的であるが,裁判官本人及び裁判官の妻子が犯罪の被疑者として捜査の対象となっているときのように,公正な裁判の遂行に対する差し迫った障害があり,当該裁判官がそのまま裁判事務を統けることが相当かどうかを検討しなければならない場合などであろう。
 このような場合,司法行政部門はこのような裁判部門からの情報のみによって行動しなければならないわけではなく,必要に応じ,然るべきルートを通じて,捜査の責任者から差し支えない範囲で情報を開示してもらう場合も少なくないが,そのような司法行政上の手段をとる前提として,必要最小限の情報が裁判部門から司法行政部門に伝えられる必要がある。
  なお,裁判部門から司法行政部門に裁判情報を伝えるかどうかの判断に際しては,原則的に当該令状事務を担当した裁判官の判断を経るものとすることも考えられるところである。
  次に,伝達することが許容される情報の範囲は,伝達する目的に照らして相当なものであることが必要であり,ことにここでは捜査資料という高度の秘密性のある情報が対象であるから,必要最小限のものに限られるべきであって,通常は,(1)令状が発付された事実と令状の種類,(2)被疑者名,(3)被疑事実の概要のほか,上記の司法行政上の目的との関係で,(4)警備を必要とする事情や被疑者と親族関係にある裁判所職員の存在などが伝達の許容される限度であると考えられる。それ以上の詳細な情報は,上記のとおり,捜査機関から司法行政上の正規のルートで獲得すべきものであろう。なお,例えば,被疑事実が複雑であるなど特別な事情がある場合に令状請求書の被疑事実の部分のコピーを取ることが一切許されないとは言えないにしても,捜査書類のコピーをとって報告資料とすることは,極めて例外的な場合に限られるであろう。
  伝達の経路については,被疑者の関係者を経由することがないようにすることは当然として,捜査情報を知る者が必要最小限の者に限られるよう,各庁の実情に応じた経路を定めておく必要がある。

会計検査院第1局司法検査課の実地検査日程表

目次
1 会計検査院第1局司法検査課の実地検査日程表
2 関連資料
3 関連記事その他

1 会計検査院第1局司法検査課の実地検査日程表
(1) 会計検査院第1局司法検査課の実地検査日程表として以下の検査年次のものを掲載しています(ファイル名は「会計検査院第1局司法検査課の令和6検査年次実地検査日程表」といったものです。)。
(令和時代)
令和2検査年次令和3検査年次令和4検査年次
令和5検査年次令和6検査年次令和7検査年次

(平成時代)
平成24検査年次平成25検査年次平成26検査年次
平成27検査年次平成28検査年次平成29検査年次
平成30検査年次平成31検査年次
(2) 会計検査院第1局司法検査課は,裁判所,会計検査院,国家公安委員会,法務省及び日本司法支援センターを担当しています(会計検査院HP「第1局」参照)。


2 関連資料
(会計検査院が作成したもの)
・ 会計検査院安中研修所のパンフレット(平成24年4月)
・ 会計検査院の27年度総合職官庁訪問実施計画(平成27年5月25日付の会計検査院事務総長官房人事課の文書)
・ 会計検査院の事務総局幹部職員(課長以上)一覧(平成29年4月1日現在から令和2年12月7日現在まで)
(その他の役所が作成したもの)
・ 会計実地検査状況報告方について(昭和23年3月25日付の最高裁事務総長通達)
・ 会計検査院実地検査について(平成25年6月20日付の最高裁判所経理局長の通知)
・ 会計検査院実地検査調書(平成25年7月3日付の最高裁判所経理局長の回答)
・ 会計検査院実地検査について(平成27年1月13日付の最高裁判所経理局長通知)
・ 会計検査院及び人事院の指定職の号棒(平成27年3月10日現在)
・ 会計検査院関係(令和元年7月の国税庁長官の引継資料)


3 関連記事その他
(1) 最高裁経理局作成の,「会計検査院実地検査について」を掲載しています。
令和6年5月27日付
(2) 以下の記事も参照してください。
・ 最高裁判所の概算要求書(説明資料)
 裁判所の情報化の流れ
・ 裁判所における主なシステム
・ 歴代の最高裁判所経理局長

裁判所職員の旧姓使用

目次
1 裁判所職員の旧姓使用に関する文書
2 裁判官を含む裁判所職員が旧姓を使用できる場合
3 銀行口座等の旧姓使用に係る協力要請
4 官報,最高裁判所の裁判官会議議事録及び裁判所時報における使い分け
5 関連記事その他

1 裁判所職員の旧姓使用に関する文書
(平成13年9月の文書)
① 裁判所職員の旧姓使用について(平成13年9月14日付の最高裁判所人事局長の通達)
② 裁判所職員の旧姓使用について(平成13年9月14日付の最高裁判所人事局給与課長及び任用課長事務連絡)
(平成29年7月の文書)
③ 裁判所職員の旧姓使用について(平成29年7月3日付の最高裁判所事務総長の通達)
④ 非常勤職員の旧姓使用について(平成29年7月13日付の最高裁判所人事局長の通達)


2 裁判官を含む裁判所職員が旧姓を使用できる場合
(1) 裁判官を含む裁判所職員は,平成13年10月1日以降,以下の場合に旧姓を使用できることとなりました。
1 職場での呼称
2 座席表
3 職員録(各裁判所で作成しているもの)
4 電話番号表
5 原稿執筆
6 人事異動通知書
7 出勤簿
8 休暇簿
(2) 裁判官を含む裁判所職員は,平成29年9月1日以降,裁判関係文書を含む以下の場合に旧姓を使用できることとなりました。
1 職場における呼称
2 職員の配置に関する文書
3 職員録(各裁判所で作成しているもの)
4 原稿執筆
5 協議会に関する文書(職員以外の者が参加する協議会に関するものを除く。)
6 決裁票,供覧票,回覧票
7 司法行政上の連絡文書
8 図書の受入及び貸出に関する文書
9 職員を対象とする試験及び選考に関する文書
10 人事異動通知書(裁判官に関するものを除く。)
11 裁判官第二カード,裁判官第三カード
12 身上報告書
13 辞職願(裁判官の退官願を除く。)
14 出勤簿(登庁簿を含む)
15 人事評価に関する文書
16 研修及び研究会に関する文書(裁判所以外の機関が実施する研修及び研究会に関するものを除く。)
17 外国旅行又は海外渡航の申請,承認及び通知に関する文書
18 兼職又は兼業の申請,承認,許可及び通知に関する文書
19 勤務時間,休日及び休暇並びにその他の職務専念義務免除の申請,承認及び通知に関する文書
20 育児休業,自己啓発等休業及び配偶者同行休業の申請,承認及び通知に関する文書
21 表彰に関する文書
22 職員に対する注意書
23 職員に対する分限処分及び懲戒処分に関する文書
24 旅費支給事務に関する文書
25 裁判事務の分配,裁判官の配置及び裁判官に差し支えのあるときの代理順序を定めた文書
26 裁判関係文書
27 旧姓使用中止届


3 銀行口座等の旧姓使用に係る協力要請
(1) 金融庁HPの「業界団体との意見交換会において金融庁が提起した主な論点」につき,「銀行口座等の旧姓使用に係る協力要請について」(平成29年7月・8月の文書)には以下の記載があります。
○ 政府としては、女性活躍の視点に立った制度整備の一環として、「旧姓の通称としての使用の拡大」に向けた取組みを進めているところ。
○ その中で、先日、内閣府男女共同参画局長から、銀行口座等の旧姓使用に関する協力要請がなされたものと承知。
○ 各金融機関におかれては、本取組みの趣旨をご理解いただき、口座開設等の申し込みを行う方等が希望した場合に、実情に応じて可能な限り円滑に旧姓による口座開設等が行えるよう、よろしくお願いしたい。
(2) 以下の資料を掲載しています。
・ 弁護士の職務上の氏名を使用する口座開設について(令和3年10月12日付の,金融庁監督局総務課長の周知依頼)9通
・ 銀行口座等の旧姓使用の協力要請について(平成29年7月5日付の内閣府男女共同参画局長の依頼)8通
・ 旧姓の通称としての使用の拡大に向けた取組について(平成29年7月5日付の内閣府男女共同参画局長の依頼)5通


4 官報,最高裁判所の裁判官会議議事録及び裁判所時報における使い分け
(1) 官報の場合
ア 官報の場合,内閣人事(つまり,判事,判事補等の任命人事)には戸籍姓が表示され,最高裁人事(つまり,補職人事)には旧姓が表示されていると思います。
イ 令和5年度(最情)答申第7号(令和5年10月3日答申)には以下の記載があります。
     最高裁判所の説明を確認した結果によれば、裁判官の人事情報を官報の「人事異動」欄に掲載する事務については、旧姓使用通達において旧姓の使用が制限されている事由には当たらないものと解し、旧姓使用がされている場合には旧姓を表示するようにし、これにより、当該事務について旧姓を表示することを記載した文書を作成する必要まではなく、それによって特段支障も生じていないとのことであるが、上記旧姓使用の経過や旧姓使用通達の規定の内容に照らし、その説明が特段不合理であるとまではいえない。
(2) 最高裁判所の裁判官会議議事録及び裁判所時報の場合
ア 最高裁判所の裁判官会議議事録には現姓が表示されているのに対し(「矢島優香裁判官(64期)の経歴」参照),裁判所時報の場合,旧姓が表示されていると思います。
イ 令和6年度(最情)答申第8号(令和6年10月24日答申)には以下の記載があります。
     裁判所においては、旧姓使用通達により、旧姓使用により事務処理上の支障が生じる一定の場合を除き、全ての文書について旧姓使用が認められている(令和5年度(最情)答申第7号参照)。
     最高裁判所事務総長は、本件開示申出文書(山中注:旧姓使用を認められている裁判官の人事情報が最高裁判所裁判官会議議事録に掲載される場合、裁判官の姓として戸籍姓と旧姓のどちらが表示されているかが分かる文書)を作成し、又は取得していない理由について、本件開示申出文書を作成する定めはなく、実際の事務においては旧姓使用通達を参考にしながら運用しているところ、運用に関して本件開示申出文書を作成する必要もないと説明しているが、人事情報としての裁判官の姓に関して旧姓と戸籍姓のいずれを記載するかについても、旧姓使用通達を参考にしながら、当該事務に関する特別の文書を作成することなく運用することは可能であると考えられ、上記最高裁判所事務総長の説明が不合理であるとはいえない。

5 関連記事その他

(1) 最高裁大法廷令和3年6月23日決定の裁判官深山卓也,同岡村和美,同長嶺安政の補足意見には以下の記載があります。
     通称使用の拡大は,これにより夫婦が別氏を称することに対する人々の違和感が減少し,ひいては,戸籍上夫婦が同一の氏を称するとされていることの意義に疑問を生じさせる側面があることは否定できないが,基本的には,平成27年大法廷判決(山中注:最高裁大法廷平成27年12月16日判決のこと。)が判示するとおり,婚姻に伴い氏を改める者が受ける不利益を一定程度緩和する側面が大きいものとみられよう。
(2) 弁政連ニュース77号(2024年10月発行)には,大山みこ(経団連 ソーシャル・コミュニケーション本部統括主幹)の以下の発言が載っています。
    旧姓の通称使用は、9割以上の企業が認めています。しかし、企業向けのアンケート結果では、税や社会保険、契約書や登記など公的な手続き場面や、出張時の航空券や宿泊予約時に使う姓、また、人事部門などが社員名簿などを扱うときに戸籍上の姓と旧姓を二重に管理するコストやシステム対応。さらに、今は3組に1組が離婚するといわれているなかで、そういうプライバシーに関わる情報まで知られてしまうなど、様々なトラブル例が寄せられています。
    女性役員向けのアンケートでも、旧姓の通称利用では、何らかの不便、不都合・不利益が生じると回答した方が88%に上るという結果でした。
    通称と戸籍姓の違いによるトラブルや弊害の分かりやすい例として、海外渡航時のトラブルがあります。パスポートは旧姓の併記が可能ですが、ICチップやVISA、航空券は、国際基準に則って、戸籍上の姓しか登録されません。今は、入国審査は勿論、政府機関でも民間施設でも入館にあたってセキュリティーが強化されており、ICチップには戸籍姓しか入っていないので、いちいち足止めを食う。また、ダブルネームは海外では認知されていないため、自分で説明し証明しなければならず、時間のロスだけでなく、同僚や上司を待たせてしまったり、ややもすれば重要な商談に遅れてしまったらビジネスを失うかもしれない、といった精神的な負担やビジネス上のリスクも抱えています。
(3) 以下の記事も参照してください。
・ 最高裁判所判事の旧姓使用
・ 弁護士の職務上の氏名
・ 歴代の女性最高裁判所判事一覧

小型無人機等飛行禁止法

目次
1 総論
2 小型無人機等の飛行禁止区域の図面
3 小型無人機等の飛行禁止区域としての最高裁判所庁舎
4 関連記事その他

1 総論
(1) 国会議事堂、内閣総理大臣官邸その他の国の重要な施設等、外国公館等及び原子力事業所の周辺地域の上空における小型無人機等の飛行の禁止に関する法律 (平成28年3月18日法律第9号)(以下「小型無人機等飛行禁止法」といいます。)8条1項に基づき,対象施設の敷地又は区域及びその周囲おおむね300メートルの地域(以下「対象施設周辺地域」といいます。)の上空においては,小型無人機等の飛行が禁止されています。
(2) 小型無人機とは,飛行機,回転翼航空機,滑空機,飛行船その他の航空の用に供することができる機器であって構造上人が乗ることができないもののうち,遠隔操作又は自動操縦により飛行させることができるものをいい,例えば,「ドローン」等があります。

2 小型無人機等の飛行禁止区域の図面
(1) 国は,対象施設,対象施設の指定敷地等及び対象施設周辺地域を国民に周知するため,対象施設,対象施設の指定敷地等及び対象施設周辺地域に関する地図を作成し,インターネットの利用その他の方法により公表するものとされています(小型無人機等飛行禁止法7条)。
(2) 警察庁HPの「小型無人機等飛行禁止法関係」「対象施設周辺地域全体図(東京都)」が載っています。
(3) 警視庁HPの「小型無人機等の飛行禁止法について」に,対象施設周辺地域を管轄する警察署等が載っています。

3 小型無人機等の飛行禁止区域としての最高裁判所庁舎
(1) 最高裁判所は,裁判所HPの「小型無人機等の飛行禁止区域について」において,対象施設の敷地に関する図面を裁判所HPに掲載しておらず,その図面を最高裁判所に備え置いて縦覧に供するにすぎません(「1 最高裁判所庁舎の敷地,対象施設周辺地域」の備考1参照)。
(2)ア 最高裁判所庁舎の敷地において,小型無人機等の飛行禁止区域が分かる図面を掲載しています。
イ 最高裁判所庁舎は,大法廷棟,小法廷棟,図書館棟,裁判官棟,裁判部棟,事務北棟及び事務南棟からなります(裁判所HPの「裁判所施設の耐震性に係るリスト」(平成22年7月)参照)。
(3) 最高裁判所庁舎の敷地及び周辺地域の詳細並びに小型無人機等飛行禁止法8条2項に規定する同意手続きの方法については,最高裁判所事務総局経理局管理課(03-3264-8337)に問い合わせることとなります(裁判所HPの「小型無人機等の飛行禁止区域について」参照)。

4 関連記事その他
(1) 平成27年4月22日発生の首相官邸無人機落下事件がきっかけとなって,小型無人機等飛行禁止法が成立しました。
(2) ひと目で分かる!ドローン規制の全体像HP「5分でわかる!ドローン規制の全体像」が載っています。
(3) 以下の記事も参照してください。
・ 最高裁判所庁舎
・ 最高裁判所の庁舎平面図の開示範囲
・ 最高裁判所の庁舎見学に関する,最高裁判所作成のマニュアル
・ 最高裁判所裁判官及び事務総局の各局課長は襲撃の対象となるおそれが高いこと等
・ 裁判所の庁舎等の管理に関する規程及びその運用