陳述書作成の注意点

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1(1) 陳述書では,陳述書の作成者が直接体験した生の事実をできる限り日時を入れて時系列で記述することが重要です。
   記載内容としては,争点に関係する生の事実が中心となりますものの,背景事情にも言及した方がいいです。
(2)   伝聞を入れることは許されますものの,この場合,これは伝聞である旨をはっきり書いておく必要があります。

2 体験したことではっきりした記憶があるものはそのとおり記述すればいいのですが,すでに記憶があいまいだという部分も当然あり得ます。
そういう部分は,むしろここはもう記憶がはっきりしませんと正直に書いていただいた方が,裁判所に与える印象がいいです。

3 何でもかんでも明快に,断定調で書けばいいというものではありません。
   記憶を喚起しても,それ以上明らかにならないところは,ここは今となってはよく分からない,思い出せないと正直に書いた方が,裁判所に与える印象がいいです。

4 陳述書に記載されていない重要な事実が尋問で突然,出てきた場合,裁判官が違和感を持つことが多いですから,重要な事実は一通り陳述書に書いておいた方がいいです。

5 事実と意見は区別し,意見については当時のものか現在のものかを明らかにする必要があります。

6 感情的な記載は,事件の種類や記載した場合の影響を考えて適切な範囲にとどめる必要があります。

7 都合の悪い事実であっても反対尋問が予想されるものは書いておいた方がいいです。

8(1) 依頼した弁護士によっては,陳述書の作成者がどういう人間であるかを裁判所に伝えるため,陳述書の冒頭に経歴を書く人もいます。
(2)ア   交通事故事件において後遺障害逸失利益が問題となる場合,基礎収入をいくらとするのかが問題となりますから,依頼者の経歴を記載することがあります。
イ 「労働能力の喪失割合及び喪失期間」,及び「後遺障害における基礎収入の認定」も参照して下さい。

9 「裁判官!当職そこが知りたかったのです。-民事訴訟がはかどる本-」52頁及び53頁には以下の記載があります。
岡口 基本的な周辺情報は,陳述書に書いてほしいですけどね。
   陳述書に書いていない,動機や人間性に関わる周辺情報が尋問でポロッと出てくると,それは,まさに,作為が介入していない生の情報として,裁判官の心証に決定的に影響することがあります。

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