目次
1 最高裁判所の説明
2 昭和32年当時の説明
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1 最高裁判所の説明
・ 最高裁判所に設置されている常置委員会は全く開催されていないことに関して,最高裁判所は,以下のとおり説明しています(平成28年度(最情)答申第11号(平成28年6月3日答申))。
常置委員会は,最高裁判所裁判官会議規程(昭和22年最高裁判所規程第1号)7条の規定に基づき,裁判官会議を招集することができないときなどに司法行政事務をつかさどるために招集されるもので,常置委員会の構成員は,最高裁判所長官及び小法廷ごとに一人ずつ選出された裁判官である常置委員3人であるが,平成27年1月1日以降は,常置委員会は開催されていない。
苦情申出人が主張するように,昭和27年12月20日開催の裁判官会議議事録(以下「昭和27年議事録」という。)に,「常置委員会は原則として毎週一回定期(水曜日午後)に開くものとすること。」との記載があるところ,常置委員会は,昭和37年頃までは月に複数回開催されていたが,昭和38年頃からはほとんど開催されることはなくなり,その状況は現在も続いている。常置委員会がほとんど開催されなくなった事情は必ずしも明らかではないが,昭和38年頃から,裁判官会議が,昭和27年議事録に記載されている毎月1回(土曜日)ではなく,ほぼ毎週1回原則として水曜日に開催されてきた事情に鑑みると,この毎週の裁判官会議の開催により,常置委員会の開催の必要が生じなかったものと考えられる。
なお,平成26年12月3日開催の裁判官会議においては,「常置委員会は,裁判官会議を招集することができないとき又は招集することが相当でないときに,最高裁判所長官が招集する。」としており,当該議決後も常置委員会は開催されていない。
2 昭和32年当時の説明
・ 最高裁判所十年の回顧には以下の記載があります(法曹時報9巻10号50頁)。
司法行政の面では、裁判所の行政を行う裁判官会議は、最高裁判所発足当初は、連日開かれ、昭和二十三年ころから原則として毎週一回開催されてきた。その後、昭和二十八年から長官と各小法廷から選出された三名の裁判官(二か月ごとに交替)で常置委負会を構成し、司法行政事務のうち、とくに重要な事項を除いた事務を取り扱い、その結果を全員による裁判官会議に報告することにした。この常置委員会は、原則として毎週一回定期に開かれ、裁判官会議は、毎月一回定期的に開催され、その余力を裁判事務に集中することになって、現在にいたっている。これらの会議は、最高裁判所発足以来昨年末(山中注:昭和31年末)までに全員の裁判官会議が五八一回、常置委員会が七五回開催されている。
この裁判官会議の重要な仕事の一つとして最高裁判所規則の制定がある。規則の制定のためには、昭和二十二年十一月十三日、最高裁判所規則第八号によって、裁判官、検察官、弁護士、国会議員、学識経験者など二十五人以内で組織する民事、刑事、家庭および一般の各規則制定諮問委員会が設けられ、また、特別の必要があるときは特別の委員会を設けて、これに諮問し、その答申にもとづいて規則を制定することにした。
昭和三十一年末で施行されている規則は、訴訟手続に関する規則四五件、裁判所内部規律に関する規則三◯件その他の規則一九件と規程が三八件となっている。
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・ 最高裁判所裁判官会議
・ 最高裁判所裁判官会議の議事録
・ 司法行政を担う裁判官会議,最高裁判所事務総長及び下級裁判所事務局長