司法修習

実務修習結果簿

目次
1 実務修習結果簿
2 実務修習の結果報告の根拠文書
3 修習結果簿集計結果
4 関連記事その他

1 実務修習結果簿
(1) 実務修習結果簿を以下のとおり掲載しています。
69期70期71期72期73期
74期
75期,76期,
(2) 実務修習結果簿は,各配属庁会の修習終了時に,修習生各自で指導担当官(者)に提出して検印をもらってから返してもらうものです。

2 実務修習の結果報告の根拠文書
①   司法修習生の実務修習結果の報告について(平成18年4月1日付の司法研修所長の通知)
②   司法修習生の実務修習結果簿の取扱いについて(平成18年5月29日付の司法研修所長の通知)
③   実務修習結果の報告について(平成25年11月13日付の司法研修所事務局長の事務連絡)


3 修習結果簿集計結果
69期70期71期72期73期
74期
75期76期

4 関連記事その他
(1) 第13回法曹養成制度改革顧問会議(平成26年11月20日開催)の資料6-3として, 「分野別実務修習における指導のガイドライン(民事裁判,刑事裁判,検察,弁護)(最高裁判所)」が載っています。
(2) 以下の記事も参照してください。
・ 司法修習生指導担当者協議会
・ 導入修習カリキュラムの概要
 司法修習生の司法修習に関する事務便覧
・ 司法修習生の旅費に関する文書
・ 司法研修所事務局の事務分掌(平成25年4月1日現在)
・ 司法研修所の食堂に関する修習日誌の記載は不開示情報であること
・ 司法研修所の職員配置図,各施設の配置及び平成24年8月当時の門限
・ 司法研修所事務局の,教材・資料関係事務

司法修習生の欠席承認に関する運用基準(平成30年4月25日施行分)

司法修習生の規律等について(平成29年11月1日付の司法研修所長の通知)第5の7(欠席承認の判断基準)に基づいて定められ,平成30年4月25日に実施された,司法修習生の欠席承認に関する運用基準について(平成30年4月3日付の司法研修所長通知)の内容は以下のとおりです。ただし,1箇所だけあった脚注は省略しました。

司法修習生の欠席承認に関する運用基準(平成30年4月25日)

1 司法修習生が,負傷又は疾病のため療養する必要があり,修習しないことがやむを得ないと認められる場合,その必要最小限度の期間に限り,欠席を承認することができる。
2 以下の場合は,国家公務員の特別休暇の例により,欠席を承認することができる。
(1) 選挙権その他公民としての権利を行使する場合で,修習しないことがやむを得ないと認められるとき
(2) 6週間(多胎妊娠の場合にあっては14週間)以内に出産する予定である司法修習生が申し出た場合
(3) 司法修習生が出産した場合
   なお, 当該司法修習生の希望があれば,産後6週間を経過しない場合でも,医師の診断書その他を徴し,配属庁会の長において支障がないと認めたときは,修習をさせることができる。この場合の判断においては, 「司法修習生の規律等について」第5の11の修習単位における欠席日数の制限などにも
留意する。
(4) 地震,水害,火災その他の災害又は交通機関の事故等により出席することが著しく困難であると認められる場合
3 2に定める以外の特別の事由(特別の事由は,特別休暇の例による。)又は欠席を必要とする事由がある場合は, 当該事由により欠席を必要とする程度と,修習に及ぼす支障の程度とを個別に比較衡量し,修習に著しい支障がないと認められる場合に,欠席を必要とする最小限度の期間(欠席の事由が特別休暇の例による場合は,原則としてその期間を限度とする。)に限り,正当な理由があるものとして欠席を承認することができる。
   その判断に当たっては,以下の(1)に掲げる修習に及ぼす支障の程度と,(2)に掲げる事由ごとの例を参酌するものとする。
(1)  修習に及ぼす支障の程度について
ア 選択型実務修習期間のうち,選択した全国プログラム及び個別修習プログラム等の修習の日の場合
   これらの修習は修習期間が短いこと, 自ら主体的に選択した修習プログラムであること,民間企業等外部機関が修習先になることがあることから,修習に及ぼす支障の程度は非常に大きいため,欠席を承認し得る場合はごく限られる。
イ 司法研修所における導入修習及び集合修習の修習日並びに分野別実務修習のうち講義,見学その他の合同修習の日及び家庭裁判所における修習の日の場合
   これらの日に行われる修習は代替性に乏しく,欠席すると司法修習生の修習に及ぼす支障が大きく,欠席を承認し得る場合は限られる。
ウ 実務修習のうちア及びイ以外の修習の日の場合
   これらの修習の日に欠席しても,修習に及ぼす支障の程度は通常は比較的小さく,他の日に修習することによってこれを補うことが可能である場合も少なくないことから,欠席を承認し得る場合は,前記ア及びイの場合よりも広い。
エ 自由研究日及び自宅起案日の場合
   自由研究日については,その日に欠席しても,司法修習生が自らの責任において代替措置を採ることが可能であるから,特別の事情がない限り,外国旅行に伴う欠席なども含め,承認することができる。
   自宅起案日は,指導担当者等が具体的な修習課題等を与え, 司法修習生が当該日にその課題等を行うことを前提として,出席を要しないものとされる日であるから, あらかじめ承認を要する外国旅行のために欠席することは認められない( 「司法修習生の規律等について」第6の3(1)ウ参照) 。
(2) 2に定める以外の特別の事由及び欠席を必要とする事由の例について
ア ドナー休暇の準用について
   特別休暇の例により,欠席が認められる。
イ ボランテイア休暇の準用について
   自由研究日以外の日については,欠席を承認することはできない。
ウ 司法修習生が結婚する場合
(ア) 結婚式等
   特別休暇の例に準じ,結婚式,旅行その他結婚に伴い必要と認められる行事等のため,修習をしないことがやむを得ないと認められる場合,結婚の日(社会的に結婚したと認められる日。一般的には結婚式の日や婚姻届けの提出日等)の5日前の日から結婚の日以後4か月を経過する日までの期間における連続する5暦日の範囲内の期間(土曜・日曜等出席を要しない休日も日数に含まれる。)で,欠席を承認することができる。
   ただし,前記(1)ア及びイの修習日については, あらかじめ修習の日程が明らかになっていること,結婚式や新婚旅行の日程は本人によって選択できることから,原則として認められない。
   また,司法修習生の場合,前記(1)のとおり,修習日によって欠席による支障の程度が異なることから,結婚の日から4か月経過する日までの期間を取得期間としている(特別休暇では1か月)が, この期間内に年末年始やゴールデンウイークなど,長期の修習を要しない日程が含まれる場合は,当該日程を利用して旅行することが可能であるため,その前後の日程の新婚旅行を理由とする欠席は承認しないことができる。
   なお,結婚の日が司法修習生採用発令前であった場合は,欠席を承認することはできない。
(イ)  結納及び結婚準備
   結納を理由とする欠席は,原則として承認することができない。ただし,結納やこれに準じた儀式(結婚前に親族への挨拶回りを必ず行わなければならないなど)を行うことが,その地方の風習となっているなど,それを行わない場合は社会的儀礼を欠く場合においては, 「結婚に伴い必要と認められる行事等」に当たると認められる場合もある。しかし,例外的に結婚の日より前に欠席を認めることから,その適用は厳格に行うべきであり,少なくとも,婚姻日・結婚式の日が定まっていること,必要最小限度の欠席日数であることが必要である。また,結婚に伴い必要と認められる他の行事等を理由とする欠席が認められなくなることに留意する。
   結婚準備を理由とする欠席は認められない。結婚式,結納と異なり,社会的儀礼を欠くことはなく,土曜日・日曜日等休日に行うことが可能だからである。
エ 親族・友人等の結婚式への参列
   前記(1)ア及びイの修習日については,原則として承認することができないが,親族の結婚式については,続柄や結婚式への関与度合い等を総合考慮して例外的に認める余地もある。前記(1)ウの修習日については,欠席を承認することができる。
オ 親族等が死亡した場合
   特別休暇の対象となる親族が死亡した場合で,葬儀服喪その他の親族の死亡に伴い必要と認められる行事等のため,修習をしないことがやむを得ないと認められるとき,前記(1)アの修習日であっても,親族に応じて特別休暇の認められる日数の範囲内で,行事等のため必要な日数の欠席を承認することができる。
   いとこ,いとこの配偶者及びいとこの子については,特別休暇の例には含まれないが,それを理由に欠席を承認しないと休暇の認められていない司法修習生にとって社会的儀礼を欠く結果となる場合もあるので,特別休暇の対象となる親族と同様に扱うことができる。
   友人の葬儀についても,生前の交友の度合い,通夜のみの参列の要否などの個別事情によっては,親族が死亡した場合と同様に扱うことができる。
力 父母等を追悼する場合
   父母の追悼のための特別な行事のため,修習をしないことがやむを得ないと認められる場合,前記(1)アの修習日であっても,特別休暇の例により欠席を承認することができる。父母以外の者が対象となる場合については原則として認められないが,前記オのとおり社会的儀礼を欠く結果となる場合は,近親者が対象となる場合に限り,欠席を承認し得る。
キ 親族を看病等する場合
   親族の看病,看護,介護(以下「看病等」という。)については,子や配偶者, 同居の親族の看病等であって,他に看病等する者がいない場合や,近親者が危篤状態に陥っているなど,その病状等に照らしてこれに付き添うことが必要かつ社会的に相当と認められる場合,前記(1)アの修習日についても,
欠席を承認することができる。
ク その他の欠席を必要とする事由の例について
(ア) 健康診断について
   前記(1)ア及びイの修習日については承認することができない。前記(1)ウの修習日については,年一,二回程度の健康診断受診(人間ドック等)のための欠席を承認することができる。
(イ) 官公署に対する届出, 申請等について
   前記(1)アの修習日については承認することができない。
   前記(1)イの修習日のうち,司法研修所における導入修習,集合修習期間は比較的長期にわたる上,前後の他の修習日も代替困難なカリキュラムである場合が多いことから,事情により欠席を承認することができる場合もあるが(なお,運転免許試験の受験のための欠席は認められない。) ,分野別実務修習中の合同修習や家裁修習の日の場合は, 当該修習日に届出,申請をする必要がある事情はあまり想定されず,欠席を承認することができる場合は限られると考えられる。
   前記(1)ウの修習日については,欠席を承認することができる。
   ただし,休日,修習時間外,郵送等による届出, 申請等が可能である場合には,欠席を承認することができない。例えば,運転免許の更新手続は,運転免許試験場で日曜日に行うことができるから,欠席は認められない。
(ウ) 子の入学・入園試験,卒業・卒園式等への出席等
   前記(1)ア及びイの修習日についても,父母双方の同伴を要する場合など,当該司法修習生の出席が必須である場合は認められる。父母の一方が出席すれば足りる場合に,他方が仕事を休みづらいとの理由では,原則として欠席を承認することはできない。
前記(1)ウの修習日については,欠席を承認することができる。
(エ) 親族や知人の案内, 引越し等
   自由研究日を除き,欠席を承認し得る場合に当たらない。
(オ) 弁護士事務所訪問等の就職活動について
   弁護士事務所訪問等の就職活動を理由とする欠席は,導入修習期間中を除き,合計5日間を限度として承認して差し支えない。また,遠方での就職を予定しているなど, 5日間を超える欠席が必要と認められるときは,合計7日間程度であれば承認して差し支えない(欠席を求める事情や時期に照らし,その必要性が更に高いと認められる場合には,10日間程度の欠席を承認する余地もある。) 。
   公務員試験及び資格試験の受験に関しても,就職活動の一環として欠席が認められる。また,国家公務員試験における官庁訪問など,その仕組からして不可避的に7日間を超える欠席を必要とする例外的な場合は,合計10日間程度の欠席を承認することも考えられるが,その承認に当たっては,必要最小限度の欠席となるよう留意する必要がある。
   就職活動に含まれる欠席事由の範囲については,個別具体的に判断することになるが,就職内定先での勉強会や内定者歓迎会のような,その主たる目的が就職活動先への採否に関わらないようなものである場合は,欠席を承認することはできない。
4 この基準の運用に当たっては,司法修習生の修習に及ぼす影響ができるだけ少なくなるように指導するものとする。
以上

司法修習生の就職関係情報等が載ってあるHP及びブログ

目次
第1 弁護士会HP
第2 各種求人・転職関係のHP
1 アットリーガルHP
2 ジュリナビHP
3 MS-JAPANのHP
4 C&Rリーガル・エージェンシーHP
5 法律事務所の求人・転職サイトのおまとめサイト
6 弁護士ドットコムキャリアHP
7 メンターエージェントHP
第3 弁護士作成のHP
第4 非弁提携に関する記事
第5 東京の5大法律事務所の定年
第6 判事補又は検事への採用志望者に対し,法律事務所等の内定を求めるような指導はしていないこと
第7 法律事務所の名称等に関する規程,及び私の所属事務所である林弘法律事務所の名称等(令和4年8月21日追加)
1 法律事務所の名称等に関する規程
2 私の所属事務所である林弘法律事務所の名称等
第8 関連記事その他

第1 弁護士会HP
1(1) 法律事務所への就職活動の方法につき,日弁連HPの「法律事務所への入所をお考えの方へのご案内」が参考になります。
(2) 弁護士の求人求職情報につき,日弁連HPの「ひまわり求人求職ナビ」(弁護士・修習生求人求職情報提供システム)が定番サイトです。
(3)  司法試験合格者,司法修習生,若手弁護士向け採用情報を提供するサイトとして,日弁連「若手弁護士・司法修習生の皆様へ」と題するfacebookがあります。
(4) 企業内弁護士への就職につき,日弁連HPの「企業内弁護士に関するご案内」が参考になります。
   また,第一東京弁護士会作成の,「企業内弁護士雇用の手引き」も参考になります(第一東京弁護士会HPの「弁護士・修習生求人情報」に掲載されています。)。
(5) 自治体の任期付公務員への就職につき,日弁連HPの「任期付公務員等に関するご案内」が参考になります。
2 第一東京弁護士会HPの「第69期司法修習生 第一東京弁護士会への入会申込手続きについて」に掲載されている,「ようこそ,一弁へ!」を見れば,弁護士登録,弁護士登録申請の費用・会費,弁護士会への納付金等,出産・育児や女性会員への対応,第69期司法修習生の入会手続,若手会員向けの対応(班制度・若手研修・若手会員委員会)のことが分かります。
3 日弁連HPに以下のページが載っています。
① 法律事務所への入所をお考えの方へのご案内
→ 全国の弁護士会の説明会の予定が載っています。
② 求人及び求職情報の本会のホームページへの掲載に関する規則(平成20年5月7日規則第129号)
③ 独立開業支援について


第2 各種求人・転職関係のHP
1 アットリーガルHP
(1) 事務所説明会,事務所見学会,個別訪問等の情報につき,「アットリーガル」という法律・法務求人サイトにまとめて掲載されています。
同サイトには,法律事務所説明会カレンダーもあります。
(2) 法律事務所・法務部の求人情報については,アットリーガルHPの「法律事務所,法務部の求人情報メールマガジン」のバックナンバーを読めばかなり分かります。
2 ジュリナビHP
(1) ジュリナビHPにも法律事務所説明会等のカレンダーがありますものの,会員登録をしないと中身を見ることができません。
(2) 2018年1月時点の法律事務所所属の弁護士の人数は,ジュリナビHP「2018年全国法律事務所ランキング200」に掲載されています。
リンク先の末尾には,地方別法律事務所ランキングも掲載されています。
3 MS-JAPANのHP
   弁護士の転職・求人情報につき,MS-JAPANのHPが参考になります。
4 C&Rリーガル・エージェンシーHP
(1) 人材紹介会社(エージェンシー)の説明につき,C&Rリーガル・エージェンシーHP「サービス紹介:よくある質問」が参考になります。
(2) 同社は,アトーニーズマガジンを発行しています。


5 法律事務所の求人・転職サイトのおまとめサイト
   弁護士必見!法律事務所の求人・転職サイト15選+おまけ3つでいろいろなサイトが紹介されています。
6 弁護士ドットコムキャリアHP
   弁護士ドットコムキャリアHPにつき,会員登録をすればいろいろな求人情報を閲覧できるみたいです。
7 メンターエージェントHP
   司法書士土地家屋調査士及び弁護士に関する就職・転職情報が載っています。
8 早稲田大学大学院法務研究科ニュース
   主として早稲田ロースクール関係者向けの情報ですが,早稲田大学大学院法務研究科ニュースに就職情報が掲載されています。


第3 弁護士作成のHP
1   就職活動において弁護士の志望理由等を説明する場合,弁護士法人大阪弁護士事務所 重次法律事務所「弁護士の志望理由等」が参考になります。
   重次法律事務所に応募した修習生のそれぞれの志望動機が,匿名処理された上でそのまま掲載されていますから,非常に具体的な内容になっています。
2(1) 司法修習生の就職活動方法については,「司法修習生のための弁護士・就職活動マニュアル」が参考になります。
(2) 「68期の新人弁護士へのインタビュー記事」には,68期司法修習生の就職活動の体験談が載ってあります。
3 弁護士ブログに以下の記事が載っています。
① 面接用のスーツの選び方~司法修習生の就職活動について考える~
② 不採用通知を受け取ったときに見るページ~司法修習生の就職活動について考える~
4 アイシア法律事務所の銀座図書館HPに例えば,以下の記事が載っています。
① 一般民事案件と企業法務案件の違いについて
② WEB集客する法律事務所の客層が悪いのは真実か?
③ 弁護士から就活で質問されたとき 対応方法と回答例11問
④ 司法修習生の就職活動はいつから始まるか?スケジュールを解説
⑤ 弁護士の就活でするべき逆質問17選と採用面接で逆質問が重要な理由


5 弁護ハック!-若手弁護士によるライフハックブログ「 司法修習生の就職活動考 ~公募に頼らない就職活動~ 」(平成26年2月1日付)が載っています。
6 司法修習生が法律事務所に提出する履歴書の書き方については,前川弁護士blog「書類選考~司法修習生のための履歴書考」が参考になります。
7 弁護士法人アディーレ法律事務所弁護士求人サイト「過去の事務所説明会」には,過去の事務所説明会の動画等が載っています。
8 西野法律事務所HPの「司法修習生の就業活動における差別的言動」にあるとおり,就職活動中の女性修習生に対する差別的言動は禁止されています。


第4 非弁提携に関する記事
1 二弁フロンティア2017年10月号「本当に怖い非弁提携」が載っています。
2 東弁リブラ2021年3月号の「特集:弁護士業務の落とし穴」には以下の記事が含まれています。
総論:一人で悩まないで!  鍛冶良明
Part1:非弁提携に陥らないための転ばぬ先の杖  柴垣明彦
Part2:弁護士業務に関するアウトソーシングの限界と注意点  石本哲敏
Part3:報酬契約の落とし穴  矢野亜紀子
Part4:相続に関する利益相反等  矢野亜紀子
Part5:行き過ぎた弁護活動等  矢野亜紀子
コラム:「非弁行為」と「非弁提携」の関係
コラム:営業電話や飛び込み営業の見極め方
3 大阪地裁平成19年2月7日判決は以下の判示をしています。
   弁護士は,法律事務にかかわる行為の全てを自ら行わなければならないものではなく,法律事務所の事務員その他弁護士ではない者を補助者としてそれに当たらせることは当然許されると考えられるが,非弁護士の行為が弁護士の補助者としての適法行為であるというためには,法律事務に関する判断の核心部分が法律専門家である弁護士自身によってなされており,かつ非弁護士の行為が弁護士の判断によって実質的に支配されていることが必要である。


第5 東京の5大法律事務所の定年等
1 日経新聞HPの「定年世代の弁護士、異例の「現役移籍」相次ぐ」(平成30年5月30日付)によれば,以下のとおりです。
① 西村あさひ法律事務所
   パートナーの定年は65歳であり,オフカウンセルの定年は原則として70歳
② 長島・大野・常松法律事務所
   パートナーの定年は65歳であり,顧問の定年は原則として70歳
③ 森・濱田松本法律事務所
   パートナーの定年は65歳であり,シニアカウンセルの定年は68歳から70歳まで。
④ アンダーソン・毛利・友常法律事務所
   パートナーの定年は70歳であり,顧問の定年はケースバイケース
⑤ TMI総合法律事務所
   定年はない。


2 昔の「自由と正義」に以下の記事が載っています。
・ 1999年12月号:「日本のローファームの合併と大規模化について 故田辺公二判事への報告」(筆者は長島安治弁護士)
→ 平成12年1月1日,長島・大野法律事務所及び常松・簗瀬・関根法律事務所が合併して長島・大野・常松法律事務所がなることを受けて投稿されました。
・ 2006年5月号;「大規模法律事務所の現状と将来(座談会)」(参加者の所属事務所はあさひ・狛,アンダーソン・毛利・友常,長島・大野・常松,西村ときわ及び森・濱田松本です。)
→ あさひ・狛法律事務所の国際部門及び西村ときわ法律事務所が平成19年7月1日に合併して西村ときわ法律事務所が誕生しました(Wikipediaの「あさひ法律事務所」参照)。
3(1) WIkipediaの「西村利郎」には,「1966年12月、西村法律事務所を設立。1978年には、眞田幸彦らとともに日本の四大法律事務所の1つ西村眞田法律事務所(Nishimura & Sanada) を創立。1996年、眞田幸彦のインサイダー取引の起訴、有罪が確定したため、事務所の名称は変更し、西村総合、西村ときわなどを経て、現在は「西村あさひ法律事務所」となっている。」と書いてあります。
(2) 日本織物加工株式会社に関する証券取引法違反被告事件(弁護人の1人は草野耕一弁護士でした。)については,最高裁平成11年6月10日判決による差戻し後の東京高裁平成12年3月24日判決により,懲役6月・執行猶予3年の東京地裁平成9年7月28日判決に対する控訴が棄却されました。



TMI総合法律事務所(平成2年10月設立)の30周年記念動画です。

杜若(かきつばた)法律事務所の会議室及び執務スペースが動画で詳しく紹介されています。

第6 判事補又は検事への採用志望者に対し,法律事務所等の内定を求めるような指導はしていないこと
1 判事補への採用志望者の場合
・ 根拠となる文書は以下のとおりです。
① 平成31年 2月21日付の不開示通知書
② 平成31年 4月16日付の理由説明書
③ 令和 元年10月25日付の補充理由説明書
2 検事への採用志望者の場合
・ 根拠となる文書は以下のとおりです。
① 平成31年 2月20日付の不開示通知書
② 平成31年 4月16日付の理由説明書
③ 令和 元年10月25日付の補充理由説明書



第7 法律事務所の名称等に関する規程,及び私の所属事務所である林弘法律事務所の名称等
1 法律事務所の名称等に関する規程

(1) 法律事務所の名称に関しては,法律事務所の名称等に関する規程(平成18年3月3日会規第75号)のほか,法律事務所等の名称等に関する規程及び外国法事務弁護士事務所等の名称等に関する規程の解釈及び運用の指針(平成25年3月14日日弁連理事会議決)が存在します。
(2) 解釈及び運用の指針の「6 事務所名称規程第8条―品位を損なう名称の禁止」には,禁止される法律事務所の名称として「誤認・混同を生じるか否かにかかわらず、自己の氏又は氏名以外の個人(故人を含む )の氏又は氏名を用いるもの(事務所名称規程第5条。第2号に規定する共同事務所の他の弁護士の氏又は氏名を用いる場合等客観的かつ合理的な理由がある場合を除く )」が定められていますところ,ヴァスコ・ダ・ガマ法律会計事務所については,ヴァスコ・ダ・ガマ(15世紀終わりから16世紀初めにかけて活躍したポルトガルの航海者)とは一切関係がないものの,「私たちは、希望(喜望)を探しだすために未知の航海に乗り出していったガマの偉大な勇気とチャレンジ精神にあやかり、決して一所に安住することなく、あくなき探究心を持って、常に新しい分野にチャレンジしていく法律会計事務所を目指そうという決意」を持って事務所名を付ければ(同事務所HPの「事務所概要」参照),「自己の氏又は氏名以外の個人(故人を含む )の氏又は氏名を用いる」場合として「客観的かつ合理的な理由がある場合」に該当するのかもしれません。
2 私の所属事務所である林弘法律事務所の名称等
(1) 59期の私は平成18年10月の弁護士登録の当初から林弘法律事務所に所属していますところ,当事務所の場合,創業者である林弘弁護士(6期)は平成17年3月2日に病死し,その次の所長である林功弁護士(42期。林弘弁護士の長男)は令和4年8月7日に満66歳で病死しました。
    そして,ヴァスコ・ダ・ガマ法律会計事務所法律事務所の名称等に関する規程(平成18年3月3日会規第75号)8条に違反しないとされているようですから,私の所属事務所の名称を林弘法律事務所のままにしていても何ら問題はないという認識でいます。
(2) 林功弁護士は,私が弁護士登録以来お世話になり続けたボス弁であり,東大法学部出身であり,平成23年度に大阪弁護士会の副会長をして,平成26年度及び平成27年度に大阪弁護士会の企画調査室長をしていました。
(3) 林功弁護士は,平成28年のはじめに膵臓がんと診断された(弁護士ドットコムHPの「がん闘病中のバイオリニスト 林功弁護士 半年ぶりコンサート再開」参照)ものの,令和4年8月4日までは所長としての仕事をしていました。
(4) 令和4年8月7日以降の林法律事務所の所属弁護士は,53期の土井博弁護士及び59期の私の2人となります。



第8 関連記事その他
1(1) 司法修習生の就職活動のマナーが,おいでよ ほうりつがくのもり(基本書レビューblog)「法学クラスタ向け・就職活動のマナー」に書いてあります。
(2) モノリス法律事務所HP「法律事務所の「事務局」「秘書」「パラリーガル」という各職種の業務について」が載っています。
2(1)ア 厚生労働省HPの「青少年の雇用の促進等に関する法律(若者雇用促進法)について」に条文,解釈通知及び若年雇用促進法に関するリーフレット集が載っています。
イ 厚生労働省HPの「若者雇用促進法に基づく「事業主等指針」を改正しました」 「青少年の雇用機会の確保及び職場への定着に関して事業主、特定地方公共団体、職業紹介事業者等その他の関係者が適切に対処するための指針」(令和3年4月30日に施行されたもの)が載っています。
(2) スポット社労士くんHP「採用面接で聞いてはいけないこと」が載っています。
(3) 大阪市HPに「職業安定法(抄),労働省指針(抄)」が載っています。
3 とっとこランサーのブログ「【転職あるあるまとめ】転職の落とし穴や注意点、解決方法を徹底アドバイス」が載っています。
4(1) 平成30年4月1日現在の大学生の就職率は98.0%です(厚生労働省HPの「平成30年3月大学等卒業者の就職状況を公表します」参照)。
(2) 国立国会図書館HPレファレンス平成25年6月号に「若者の就職活動と雇用実態」が載っています。
5 退職勧奨 解雇 トラブル解決!HP「経歴詐称の社員を解雇することができるケースとは?」が載っています。
6 就業規則に定められた賃金や退職金に関する労働条件の変更に対する労働者の同意の有無については,当該変更を受け入れる旨の労働者の行為の有無だけでなく,当該変更により労働者にもたらされる不利益の内容及び程度,労働者により当該行為がされるに至った経緯及びその態様,当該行為に先立つ労働者への情報提供又は説明の内容等に照らして,当該行為が労働者の自由な意思に基づいてされたものと認めるに足りる合理的な理由が客観的に存在するか否かという観点からも,判断されるべきです(最高裁平成28年2月19日判決)。


7 事業者は便所を設ける際,男性用と女性用を区別する必要があります(労働安全衛生規則628条1項1号)。


8 ゆーたん@東大卒のセミリタイア物語HP「Who I Am(私について)」には以下の記載があります。
東大生を対象とする、官庁の説明会に参加していると、完全に勘違いしちゃうんです。そう、何だか自分がまるで官庁を「選ぶ側」になったような錯覚。実際にはもちろん「選ばれる側」で、東大生であっても約半分が落ちているというのに…。
9 以下の記事も参照してください。
・ 弁護士登録の請求
・ 司法修習終了翌年の確定申告
・ 司法修習生等に対する採用のための勧誘行為自粛の要請に関する最高裁及び法務省の対応
 司法修習生等に対する採用に関する日弁連の文書(73期以降の取扱い)
 司法修習生の給費制,貸与制及び修習給付金
・ 弁護士登録番号と修習期の対応関係
・ 弁護士の登録及び登録換えの請求の進達拒絶事由,及び資格審査会
・ 判事補及び検事の弁護士職務経験制度
・ 弁護士再登録時の費用
・ 日弁連の会費及び特別会費

修習専念資金の貸与申請状況

目次
第1 修習専念資金の貸与申請状況(71期以降)
◯第75期司法修習生に対する修習専念資金の貸与申請状況(令和3年11月12日現在)
◯第74期司法修習生に対する修習専念資金の貸与申請状況(令和3年3月31日現在)
◯第73期司法修習生に対する修習専念資金の貸与申請状況(令和元年11月27日現在)
◯第72期司法修習生に対する修習専念資金の貸与申請状況(平成30年11月27日現在)
◯第71期司法修習生に対する修習専念資金の貸与申請状況(平成29年11月27日現在)
第2 関連記事その他

第1 修習専念資金の貸与申請状況(71期以降)
第76期司法修習生に対する修習専念資金の貸与申請状況(令和4年11月27日現在)
① 貸与申請者数(申請後,撤回した者は除く。) 611人
② 申請額別
・ 10万円           557人(91.16%)
・ 12万5000円(扶養加算) 54人 ( 8.84%)
③ 連帯保証形態別
・ 自然人2人による保証    394人(64.48%)
・ 指定金融機関による保証   217人(35.52%)
第75期司法修習生に対する修習専念資金の貸与申請状況(令和3年11月12日現在)

① 貸与申請者数(申請後,撤回した者は除く。) 527人
② 申請額別
・ 10万円           492人(93.4%)
・ 12万5000円(扶養加算) 35人 ( 6.6%)
③ 連帯保証形態別
・ 自然人2人による保証    346人(65.7%)
・ 指定金融機関による保証   181人(34.3%)

第74期司法修習生に対する修習専念資金の貸与申請状況(令和3年3月31日現在)
① 貸与申請者数(申請後,撤回した者は除く。) 629人
② 申請額別
・ 10万円           595人(94.6%)
・ 12万5000円(扶養加算) 34人 ( 5.4%)
③ 連帯保証形態別
・ 自然人2人による保証    413人(65.7%)
・ 指定金融機関による保証   216人(34.3%)

第73期司法修習生に対する修習専念資金の貸与申請状況(令和元年11月27日現在)
① 貸与申請者数(申請後,撤回した者は除く。) 598人
② 申請額別
・ 10万円           565人(94.5%)
・ 12万5000円(扶養加算) 33人 ( 5.5%)
③ 連帯保証形態別
・ 自然人2人による保証    354人(59.2%)
・ 指定金融機関による保証   244人(40.8%)

第72期司法修習生に対する修習専念資金の貸与申請状況(平成30年11月27日現在)
① 貸与申請者数(申請後,撤回した者は除く。) 499人
② 申請額別
・ 10万円           475人(95.2%)
・ 12万5000円(扶養加算) 24人 ( 4.8%)
③ 連帯保証形態別
・ 自然人2人による保証    306人(61.3%)
・ 指定金融機関による保証   193人(38.7%)

第71期司法修習生に対する修習専念資金の貸与申請状況(平成29年11月27日現在)
① 貸与申請者数(申請後,撤回した者は除く。) 543人
② 申請額別
・ 10万円           515人(94.8%)
・ 12万5000円(扶養加算) 28人 ( 5.2%)
③ 連帯保証形態別
・ 自然人2人による保証    322人(59.3%)
・ 指定金融機関による保証   221人(40.7%)

第2 関連記事その他
1 司法研修所の公式見解によれば,修習給付金は必要経費のない雑所得ですから,例えば,神戸修習であった71期の司法修習生の場合,平成31年度の税金及び国民健康保険料は最大で23万9100円+24万4160円=48万3260円となります「修習給付金に関する司法研修所の公式見解を前提とした場合の,修習給付金に関する取扱い」参照)。
    また,修習専念資金を借りなくても健康保険の被扶養者から外されます(「修習給付金を受ける司法修習生の社会保険及び税務上の取扱い」参照)。
    そのため,司法修習終了翌年の税金及び国民健康保険料の支払資金を確保するという趣旨からしても,無利息の修習専念資金を借りておいた方がいいと思います。
2 以下の記事も参照してください。
・ 修習専念資金
 司法修習生の給費制,貸与制及び修習給付金

司法修習生に対する修習資金及び修習専念資金の貸与・返済状況等に関するデータの提供について(日弁連事務総長に対する,令和2年11月16日付の最高裁総務局長回答)の別紙です。

司法研修所五十年史(平成10年2月発行)

1 司法研修所五十年史(平成10年2月発行)は以下のとおりです。
・ 表紙
・ はしがき
・ 目次
・ 民事裁判修習の現状と課題
・ 刑事裁判修習の現状と課題
・ 検察修習の現状と課題
 民事弁護修習の現状と課題
 刑事弁護修習の現状と課題
 裁判官研修の現状と課題
 年表
 司法修習生の修習終了者数一覧表・図
 司法研修所刊行物一覧表
・ 司法研修所教官名簿
・ あとがき

2 司法研修所に関する全般的な話は「司法研修所」を参照してください。

72期導入修習時の教官組別表

平成30年12月3日現在の第72期司法修習生の教官組別表によれば,以下のとおりです。

1組(札幌,函館,旭川,釧路,青森)
民事裁判:加藤聡裁判官(51期)(昭和47年7月21日生)(平成30年4月1日就任)
刑事裁判:鎌倉正和裁判官(53期)(昭和50年4月11日生)(平成29年4月1日就任)
検  察:長野辰司検事(51期)(平成28年4月1日就任)
民事弁護:安達信弁護士(神奈川弁52期)(平成30年4月1日就任)
刑事弁護:大森顕弁護士(東弁53期)(平成28年4月1日就任)
2組(仙台,山形,盛岡,秋田)
民事裁判:有田浩規裁判官(54期)(昭和52年11月25日生)(平成28年4月1日就任)
刑事裁判:渡辺美紀子裁判官(56期)(昭和53年11月5日生)(平成29年4月1日就任)
検  察:松島太検事(53期)(平成28年4月1日就任)
民事弁護:兼川真紀弁護士(東弁48期)(平成28年4月1日就任)
刑事弁護:倉持政勝弁護士(一弁51期)(平成29年4月1日就任)
3組(福島,水戸,宇都宮,新潟)
民事裁判:園部直子裁判官(51期)(昭和49年10月29日生)(平成29年4月1日就任)
刑事裁判:蛯原意裁判官(53期)(昭和50年7月26日生)(平成28年8月1日就任)
検  察:犬木寛検事(54期)(平成30年4月1日就任)
民事弁護:鍵尾憲弁護士(東弁48期)(平成30年4月1日就任)
刑事弁護:藤原大吾弁護士(東弁57期)(平成29年4月1日就任)
4組(前橋,静岡,甲府,長野)
民事裁判:徳増誠一裁判官(49期)(昭和45年1月25日生)(平成26年8月1日就任)
刑事裁判:品川しのぶ裁判官(49期)(昭和45年1月7日生)(平成28年4月1日就任)
検 察:山吉彩子検事(56期)(平成29年4月1日就任)
民事弁護:洞澤美佳弁護士(二弁51期)(平成30年4月1日就任)
刑事弁護:清水保晴弁護士(一弁55期)(平成30年4月1日就任)
5組(名古屋,津,岐阜)
民事裁判:北嶋典子裁判官(57期)(昭和55年12月16日生)(平成30年4月1日就任)
刑事裁判:加藤陽裁判官(51期)(昭和48年6月8日生)(平成27年4月1日就任)
検  察:占部祥検事(56期)(平成29年4月1日就任)
民事弁護:神原千郷弁護士(一弁50期)(平成29年4月1日就任)
刑事弁護:北川朝恵弁護士(二弁57期)(平成30年4月1日就任)
6組(名古屋,福井,金沢,富山)
民事裁判:平城恭子裁判官(51期)(昭和46年4月16日生)(平成28年4月1日就任)
刑事裁判:丹羽芳徳裁判官(50期)(昭和44年10月26日生)(平成30年4月1日就任)
検  察:岩下徳一郎検事(55期)(平成29年4月1日就任)
民事弁護:上石奈緒弁護士(東弁50期)(平成29年4月1日就任)
刑事弁護:妹尾孝之弁護士(神奈川弁55期)(平成30年4月1日就任)
7組(広島,山口,鳥取,松江)
民事裁判:岩井一真裁判官(53期)(昭和45年6月30日生)(平成30年4月1日就任)
刑事裁判:坂口裕俊裁判官(49期)(昭和45年8月17日生)(平成28年4月1日就任)
検  察:上島大検事(54期)(平成28年4月1日就任)
民事弁護:本間伸也弁護士(一弁49期)(平成28年4月1日就任)
刑事弁護:村中貴之弁護士(東弁56期)(平成30年4月1日就任)
8組(岡山,高知,松山)
民事裁判:大浜寿美裁判官(50期)(昭和45年10月16日生)(平成27年4月1日就任)
刑事裁判:中村光一裁判官(54期)(昭和49年1月2日生)(平成29年4月1日就任)
検  察:梶原真也検事(54期)(平成28年4月1日就任)
民事弁護:柴田美鈴弁護士(二弁53期)(平成29年4月1日就任)
刑事弁護:土屋考伸弁護士(千葉弁53期)(平成28年4月1日就任)
9組(高松,徳島,熊本,鹿児島)
民事裁判:一原友彦裁判官(55期)(昭和54年2月1日生)(平成27年4月1日就任)
刑事裁判:内田暁裁判官(54期)(昭和50年4月26日生)(平成30年4月1日就任)
検  察:今井康彰検事(55期)(平成28年4月1日就任)
民事弁護:町田健一弁護士(東弁52期)(平成29年4月1日就任)
刑事弁護:金谷達成弁護士(神奈川弁50期)(平成29年4月1日就任)
10組(福岡,佐賀,長崎,大分)
民事裁判:池田知子裁判官(49期)(昭和44年11月12日生)(平成27年4月1日就任)
刑事裁判:佐藤弘規裁判官(48期)(昭和43年11月7日生)(平成28年4月1日就任)
検  察:石渡聖名雄検事(54期)(平成29年4月1日就任)
民事弁護:中村知己弁護士(東弁51期)(平成29年4月1日就任)
刑事弁護:小林正憲弁護士(二弁53期)(平成29年4月1日就任)
11組(福岡,宮崎,那覇)
民事裁判:小川嘉基裁判官(51期)(昭和49年3月28日生)(平成29年4月1日就任)
刑事裁判:秋田志保裁判官(54期)(昭和50年5月18日生)(平成27年4月1日就任)
検  察:瀧聞俊朗検事(55期)(平成30年4月1日就任)
民事弁護:岩波修弁護士(一弁50期)(平成29年4月1日就任)
刑事弁護:北澤尚登弁護士(一弁53期)(平成30年4月1日就任)
12組(東京)
民事裁判:松本利幸裁判官(上席)(42期)(昭和36年9月21日生)(平成28年10月24日就任)
刑事裁判:品川しのぶ裁判官(49期)(昭和45年1月7日生)(平成28年4月1日就任)
検  察:渡邊ゆり検事(48期)(平成30年4月1日就任)
民事弁護:和田希志子弁護士(一弁48期)(平成28年4月1日就任)
刑事弁護:清水保晴弁護士(一弁55期)(平成30年4月1日就任)
13組(東京)
民事裁判:岩井一真裁判官(53期)(昭和45年6月30日生)(平成30年4月1日就任)
刑事裁判:渡辺美紀子裁判官(56期)(昭和53年11月5日生)(平成29年4月1日就任)
検  察:松島太検事(53期)(平成28年4月1日就任)
民事弁護:鍵尾憲弁護士(東弁48期)(平成30年4月1日就任)
刑事弁護:北川朝恵弁護士(二弁57期)(平成30年4月1日就任)
14組(東京,立川)
民事裁判:平城恭子裁判官(51期)(昭和46年4月16日生)(平成28年4月1日就任)
刑事裁判:鎌倉正和裁判官(53期)(昭和50年4月11日生)(平成29年4月1日就任)
検  察:瀧聞俊朗検事(55期)(平成30年4月1日就任)
民事弁護:上石奈緒弁護士(東弁50期)(平成29年4月1日就任)
刑事弁護:北澤尚登弁護士(一弁53期)(平成30年4月1日就任)
15組(東京,立川)
民事裁判:北嶋典子裁判官(57期)(昭和55年12月16日生)(平成30年4月1日就任)
刑事裁判:丹羽芳徳裁判官(50期)(昭和44年10月26日生)(平成30年4月1日就任)
検  察:古賀由紀子検事(51期)(平成30年4月1日就任)
民事弁護:山口卓男弁護士(東弁49期)(平成29年4月1日就任)
刑事弁護:小林正憲弁護士(二弁53期)(平成29年4月1日就任)
16組(横浜)
民事裁判:園部直子裁判官(51期)(昭和49年10月29日生)(平成29年4月1日就任)
刑事裁判:内田暁裁判官(54期)(昭和50年4月26日生)(平成30年4月1日就任)
検  察:今井康彰検事(55期)(平成28年4月1日就任)
民事弁護:榎本英紀弁護士(一弁51期)(平成30年4月1日就任)
刑事弁護:村中貴之弁護士(東弁56期)(平成30年4月1日就任)
17組(さいたま)
民事裁判:池田知子裁判官(49期)(昭和44年11月12日生)(平成27年4月1日就任)
刑事裁判:中村光一裁判官(54期)(昭和49年1月2日生)(平成29年4月1日就任)
検  察:犬木寛検事(54期)(平成30年4月1日就任)
民事弁護:中村知己弁護士(東弁51期)(平成29年4月1日就任)
刑事弁護:藤原大吾弁護士(東弁57期)(平成29年4月1日就任)
18組(千葉)
民事裁判:大浜寿美裁判官(50期)(昭和45年10月16日生)(平成27年4月1日就任)
刑事裁判:蛯原意裁判官(53期)(昭和50年7月26日生)(平成28年8月1日就任)
検  察:上島大検事(54期)(平成28年4月1日就任)
民事弁護:小笹勝章弁護士(二弁52期)(平成28年4月1日就任)
刑事弁護:高橋俊彦弁護士(東弁52期)(上席)(平成28年4月1日就任)
19組(大阪)
民事裁判:一原友彦裁判官(55期)(昭和54年2月1日生)(平成27年4月1日就任)
刑事裁判:遠藤邦彦裁判官(41期)(上席)(昭和36年3月18日生)(平成30年7月18日就任)
検  察:長野辰司検事(51期)(平成28年4月1日就任)
民事弁護:柴田美鈴弁護士(二弁53期)(平成29年4月1日就任)
刑事弁護:金谷達成弁護士(神奈川弁50期)(平成29年4月1日就任)
20組(大阪,和歌山)
民事裁判:加藤聡裁判官(51期)(昭和47年7月21日生)(平成30年4月1日就任)
刑事裁判:加藤陽裁判官(51期)(昭和48年6月8日生)(平成27年4月1日就任)
検  察:川島喜弘検事(51期)(平成29年4月1日就任)
民事弁護:横田高人弁護士(二弁52期)(平成30年4月1日就任)
刑事弁護:上條弘次弁護士(東弁56期)(平成30年4月1日就任)
21組(京都,大津)
民事裁判:小川嘉基裁判官(51期)(昭和49年3月28日生)(平成29年4月1日就任)
刑事裁判:坂口裕俊裁判官(49期)(昭和45年8月17日生)(平成28年4月1日就任)
検  察:梶原真也検事(54期)(平成28年4月1日就任)
民事弁護:大瀧敦子弁護士(東弁46期)(上席)(平成28年4月1日就任)
刑事弁護:古田茂弁護士(二弁49期)(平成29年4月1日就任)
22組(神戸,奈良)
民事裁判:有田浩規裁判官(54期)(昭和52年11月25日生)(平成28年4月1日就任)
刑事裁判:秋田志保裁判官(54期)(昭和50年5月18日生)(平成27年4月1日就任)
検  察:廣瀬智史検事(53期)(平成28年4月1日就任)
民事弁護:町田健一弁護士(東弁52期)(平成29年4月1日就任)
刑事弁護:原琢己弁護士(一弁52期)(平成28年4月1日就任)

和光市駅から司法研修所までのバス事情

目次
第1 和光市駅までのアクセス
第2 和光市駅におけるバス停の場所
第3 運賃の支払方法等
第4 和光市駅南口の時刻表
第5 司法研修所に到着するまでのバス停
第6 司法研修所付近のバス停の位置関係
第7 東京外かく環状道路(外環道)
第8 司法研修所行きのバスの乗車体験記及び動画
第9 成増駅南口からのバス路線(参考)
第10 バス路線図
第11 司法研修所作成の資料
第12 司法研修所までのタクシー料金
第13 和光市のシェアサイクル
第14 関連記事

司法研修所の本館及び正門

第1 和光市駅までのアクセス
1 池袋駅から和光市駅まで,東武東上線又は東京メトロ有楽町線で約20分です。

   そして,和光市駅の改札から向かって左側が和光市駅南口となります。
2 平成25年3月16日,東京メトロ副都心線と東急東横線・横浜高速みなとみらい線が相互直通運転を開始しました(和光市HPの「東京メトロ副都心線・東急東横線相互直通運転」参照)。
   そのため,乗り換えなしで横浜駅から和光市駅に行けるようになりました。
3 東京メトロHPに「和光市駅」が,東武鉄道HPに「和光市駅」が載っています。
4 司法研修所までのアクセスに関する公式の説明は,裁判所HPの「司法研修所」に載ってあります。

第2 和光市駅におけるバス停の場所
1 和光市駅南口から向かって右側に東武バスのバス停があり,向かって左側に西武バスのバス停があります。
2 文中では「東武バス」と書いてあるものの,実際の表記は「東武バスウエスト」です。
   東武バスは,運行担当子会社4社(東武バスセントラル,東武バスウエスト,東武バスイースト及び東武バス日光)の統括会社です。
3 税務大学校HPの「和光校舎案内図」に,和光市駅における東武バス停留所及び西武バス停留所の位置,並びに大泉学園駅における西武バス停留所の位置が分かりやすく載っています。
4 駅探HPの「和光市駅」には同駅のバス乗り場が,「成増駅」には同駅のバス乗り場が,「大泉学園駅」には同駅のバス乗り場が載っています。

東武バスのバス停(和光市駅)

西武バスのバス停(和光市駅)

第3 運賃の支払方法等
1 東武バスの場合,後ろ乗りで運賃180円は後払いであるのに対し,西武バスの場合,前乗りで運賃180円は自己申告制前払いです。
2 西武バスHP「西武バスをはじめてご利用いただくお客さまへ」が載っています。
   東京23区と多摩・埼玉地区をまたぐバスのため,前乗りとなっています。


第4 和光市駅南口の時刻表
1(1) 東武バスの時刻表については,東武バスHPの「和光市駅南口(行先 司法研修所循環)」に載っています。
   東武バスの場合,和光市駅南口~司法研修所~和光市駅南口という循環路線となっています。
(2) 東武バスの路線図を見れば分かりますが,行先が二軒新田となっているものも司法研修所入口を通過するものの,循環路線ではないという違いがあります。
(3) 東武バスのバス停に発着しているバスのうち,和光市役所循環とあるものは司法研修所を通過しません(時刻表につき,東武バスHPの「和光市駅南口(行先 和光市役所循環)参照)。
2(1) 西武バスの時刻表については,西武バスHP「和光市駅南口時刻表」に載っています。
(2) 西武バスの場合,和光市駅から西武鉄道池袋線の大泉学園駅に向かう路線となっています。
3 東武バスの方が西武バスよりも本数が多いです。

第5 司法研修所に到着するまでのバス停
1 和光市駅南口から東武バス(「司法研修所循環」又は「二軒新田行き」)に乗った場合,和光郵便局,中央公民館入口,和光市役所入口,団地センター前,西大和団地,和光市総合体育館,税務大学校及び樹林公園を経て,司法研修所入口に到着します。
2 和光市駅南口から西武バス(「大泉学園行き」又は「長久保行き」)に乗った場合,丸山台,広沢,西大和団地南,税務大学校和光校舎及び樹林公園を経て,司法研修所に到着します。
3 いずれのバスを使用した場合であっても,所要時間は10分から15分ぐらいです。
4 バスマップHP「バス停:司法研修所(埼玉県)」が載っています。


第6 司法研修所付近のバス停の位置関係
1 和光市内の場合,東京外かく環状道路(グーグルマップでは「東京外環自動車道」)の東側は北から南への一方通行となっていて,西側は南から北への一方通行となっています。
   そのため,和光市駅から司法研修所又はいずみ寮に行く場合のバス停は,東京外かく環状道路の東側にあります。
2 司法研修所又はいずみ寮から和光市駅に行く場合のバス停は,東京外かく環状道路の西側(司法研修所敷地の東隣)にあります。



司法研修所正門近くのバス停,及び西武バス

第7 東京外かく環状道路(外環道)
1(1) 東京外かく環状道路(外環道)は,都心から約15kmの圏域を環状に連絡する延長約85kmの道路であり,昭和38年に計画された3環状(中央環状線,外環道及び圏央道)9放射のネットワークの一環をなすものです。
(2) 外環道につき,従前は,関越道と連絡する大泉JCTから三郷南ICまでの約34kmの区間(いわゆる「埼玉区間」であり,平成6年完成。)が開通していただけです(国土交通省東京外かく環状国道事務所HP「ルートと構造」参照)が,平成30年6月2日,三郷南ICから高谷JCTまでの約15.5kmの区間(いわゆる「千葉区間」)が完成しました(国土交通省関東地方整備局HP「東京外かく環状道路(三郷南IC~高谷JCT)今年6月2日(土)に開通」参照)。
(3) 首都高速中央環状線(略称は「中環」です。)は平成27年3月7日に全線開通しました(首都高速道路株式会社HP「中央環状線がいよいよ2015年3月全線開通~首都圏3環状道路の最初のリングが完成します~」参照)。
2 3環状の最新の開通状況は,国土交通省関東地方整備局HPの「スイスイ首都圏へ3環状」に載っています。
   東京外かく環状道路のうち,大泉JCTと東名JCT(仮称)の区間(いわゆる「東京区間」)は昭和41年7月に都市計画が決定され,平成19年4月に都市計画が変更されたものの,未だに建設中です(国土交通省関東地方整備局HP「外環道東京区間」参照)。

第8 司法研修所行きのバスの乗車体験記及び動画
1 「マイナーな」路線バスの旅日記「東武バスウエスト 和07 和光市駅南口→和光市駅北口」に,司法研修所を通過する東武バスの乗車体験記が載っています。
2 「司法研修所 バス」で検索すれば,バスの車窓の動画が出てきます。
リンク先の動画では,9分42秒後にバス停「税務大学校(和光校舎)」に到着し,11分29秒後にバス停「司法研修所」に到着し,12分17秒後ぐらいに司法研修所前交差点を通過しています。

リンク先の動画では,15分38秒後に司法研修所前交差点で停車しています。

第9 成増駅南口からのバス路線(参考)

1 成増駅南口から乗車できる西武バスの泉33系統(大泉学園駅北口行)又は泉34系統(長久保(東京都)行)に乗車した場合,約9分で司法研修所に到着するみたいです(NAVITIMEの「成増駅南口 ⇒ 司法研修所 バス時刻表」参照)。
2 東武鉄道東上線の成増駅和光市駅の東隣の駅です。
3 成増駅出発のバスは,司法研修所へのアクセスに関する公式の説明に乗っていません。
   そのため,成増駅からバスに乗る方が空いているかもしれません。

第10 バス路線図
1 東武バスHPの「路線図」にある「新座営業事務所管内バス路線図」の右下に,和光市駅南口から司法研修所に向かうバス路線が載っています。
2 西武バスHPの「神井営業所バス路線案内図」を見れば,和光市駅南口だけでなく,大泉学園駅北口及び成増駅南口からも司法研修所に行けることが分かります。


第11 司法研修所作成の資料
① 司法研修所への交通案内図
・ 池袋駅から東武東上線の急行又は準急に乗れば約16分で和光市駅に到着し,東京メトロ有楽町線に乗れば約18分で和光市駅に到着します。
・ 池袋駅から西武池袋線の準急に乗れば約15分で大泉学園駅に到着します。
・ 和光市駅,成増駅及び大泉学園駅から司法研修所へのバス路線が出ています。

② バス運行時刻表(最寄り駅から司法研修所まで)
・ 平成24年3月当時のものですから現在のものと違いますが,バスの運行本数に大きな違いはないです。
③ 司法研修所配置図
・ 司法研修所周辺のバス停の位置がわかります。

第12 司法研修所までのタクシー料金
   全国タクシーHPの「タクシー料金検索」によれば,和光市駅から司法研修所までのタクシー料金は,深夜割増がない場合,約1180円(移動距離は2.7km。所要時間は8分)となっています。

第13 和光市のシェアサイクル
   和光市HPの「シェアサイクル(電動自転車の有料貸出サービス)実証実験」に以下の記載があります。
   和光市は令和元年7月5日から、シナネンモビリティPLUS株式会社・Open Street株式会社・株式会社セブン‐イレブン・ジャパンと共同で、シェアサイクルの実証実験を開始します。
   自転車は公共施設やセブン‐イレブンの店舗に設置されています。 ぜひ、ご利用ください。

第14 関連記事
① 司法修習生の司法修習に関する事務便覧
② 司法修習生の旅費に関する文書
③ 司法研修所事務局の事務分掌(平成25年4月1日現在)
④ 司法研修所の職員配置図,各施設の配置及び平成24年8月当時の門限
⑤ 司法研修所事務局の,教材・資料関係事務
⑥ 69期貸与記録の表題
⑦ 刑事事実認定ガイド(司法修習生用の教材)の大部分は不開示情報であること
⑧ 司法研修所の食堂に関する修習日誌の記載は不開示情報であること
⑨ 修習教材の電子データ化の弊害が分かる文書は存在しないこと

司法修習の場所を選ぶ際の基礎データ

目次
1 司法修習の場所ごとの人数及び倍率の推移
2 実務修習希望地の順位に影響を与えたと思われる事情
3 実務修習地の決定に際して作成される資料
4 関連記事その他

1 司法修習の場所ごとの人数及び倍率の推移
(1) 68期以降の修習地別の人数の推移に関するデータは以下のとおりです(「司法修習生配属現員表(48期以降)」参照)。
* 令和5年11月13日現在,76期に関する司法修習生配属現員表は開示されていません。
・ 75期に関する令和 3年11月12日現在の司法修習生配属現員表(採用者数は1329人)
・ 74期に関する令和 3年 3月31日現在の司法修習生配属現員表(採用者数は1456人)
・ 73期に関する令和 元年11月27日現在の司法修習生配属現員表(採用者数は1473人)
・ 72期に関する平成30年11月27日現在の司法修習生配属現員表(採用者数は1482人)
・ 71期に関する平成29年11月27日現在の司法修習生配属現員表(採用者数は1516人)
・ 70期に関する平成28年11月27日現在の司法修習生配属現員表(採用者数は1533人)
・ 69期に関する平成27年11月27日現在の司法修習生配属現員表(採用者数は1788人)
・ 68期に関する平成26年11月27日現在の司法修習生配属現員表(採用者数は1762人)
(2) 69期以前の修習地別の人数及び倍率の推移に関するデータは以下のとおりです。
・ 司法修習の場所ごとの司法修習生の人数の推移表(10期から71期まで)
・ 司法修習の場所ごとの第1希望の倍率の推移表(新63期から69期まで)
・ 司法修習の場所ごとの第2希望までの倍率の推移表(新63期から69期まで)
・ 司法修習の場所ごとの倍率等の一覧表(69期)
・ 司法修習の場所ごとの倍率等の一覧表(68期)
・ 司法修習の場所ごとの倍率等の一覧表(67期)
・ 司法修習の場所ごとの倍率等の一覧表(66期)
・ 司法修習の場所ごとの倍率等の一覧表(新65期)
・ 司法修習の場所ごとの倍率等の一覧表(新64期)
・ 司法修習の場所ごとの倍率等の一覧表(新63期)


2 実務修習希望地の順位に影響を与えたと思われる事情
(1) 以下の事情が,実務修習希望地の順位に影響を与えたと思われます。
① 平成14年12月1日,東北新幹線の盛岡駅・八戸駅間が開業したこと
→ 56期の実務修習開始は平成14年6月です。
② 平成16年3月13日,九州新幹線の新八代駅・鹿児島駅間が開業したこと
→ 58期の実務修習開始は平成16年6月です。
③ 平成22年12月4日,東北新幹線の八戸駅・新青森駅間が開業したこと
→ 新64期の実務修習開始は平成22年11月です。
④ 平成23年3月11日,東日本大震災及び福島第一原子力発電所事故が発生したこと
⑤ 平成23年3月12日,九州新幹線の博多駅・新八代駅間が開業したこと
→ 新65期の実務修習開始は平成23年11月です。
⑥   平成27年3月14日,北陸新幹線の長野駅・金沢駅間が開業したこと
→ 68期の実務修習開始は平成27年1月です(68期から司法修習生採用直後の導入修習が開始しました。)。
⑦ 平成28年3月26日,北海道新幹線の新青森駅・新函館北斗駅間が開業したこと
→ 69期の実務修習開始は平成28年1月です。
(2) 平成28年4月14日及び同月16日,熊本地震が発生したことは,平成29年1月4日に開始する70期の実務修習希望地の順位に影響を与えたかも知れません。


3 実務修習地の決定に際して作成される資料
(1) 令和元年8月23日付の答申書によれば,「72期司法修習予定者の実務修習地を決定する際に作成した文書」は,「第72期司法修習生採用選考申込者の実務修習地,組,出席番号及び修習班について(平成30年10月17日決裁)」(答申書がいうところの「本件開示文書」(=「本件名簿」及び「決裁票」))だけです。
(2) 令和元年8月19日付の理由説明書の「(3) 最高裁判所の考え方及びその理由」には以下の記載があります。
ア 苦情申出人は,開示された司法行政文書以外にも,本件対象文書に該当する司法行政文書が存在する旨主張している。
イ 本件対象文書を「第72期司法修習生の組及び実務修習地について,組の数,実務修習地の組み合わせを決定した文書」と整理したところ,組の数や各組の実務修習地の組み合わせについては,「第二部の研修の企画その他の重要な事項」として教官会議の議を経なければならないこととされている(司法研修所規程第4条第2項ただし書)。第72期司法修習生の組の数,各組の実務修習地及びその担当教官については,平成30年10月12日の教官会議において決定されたところ,「第72期教官担当表」(以下「本件開示文書」という。)はその際に作成された文書であり,本件対象文書に該当するが,上記決定に際しては本件開示文書を作成することで必要十分であり,本件開示文書以外に本件対象文書に該当する文書を作成又は取得していない。
ウ よって,原判断は相当である。


4 関連記事その他
(1)ア 裁判所ぶらり旅HPに全国の裁判所の庁舎の写真が載っています。
イ 検察庁HPに「検察広報キャラクターの紹介」が載っています。
ウ 「chakuwiki 日本」に,都道府県・市区町村別に様々な噂話が書いてあります。
(2) ①平成28年4月6日付の補充理由説明書及び②平成28年7月28日付の苦情の申し出に係る対応について(通知)により,平成28年3月に廃棄することが予定されていた56期から68期までの実務修習希望地調査表を最高裁判所に開示してもらえました(平成28年度(最情)答申第15号(平成28年6月28日答申)参照)。
(3)ア 
平成28年11月7日付の司法行政文書不開示通知書及び平成29年度(最情)答申第1号(平成29年4月28日答申)によれば,第70期司法修習予定者の実務修習希望地調査表は作成又は取得していないことになっていますから,70期司法修習生の実務修習希望地倍率を計算できません。
イ 以下の修習期についても実務修習希望地調査表は存在しません。
72期73期74期

(4)ア 引越し侍HPを見れば,引越し代の相場,引越しのノウハウ等が分かります。
イ オリコン顧客満足度HP「「引越し」の”相場”知ってる?見積もり金額がより明確に!!」及び「【2019年】引越し会社のランキング・比較」が載っています。
(5)ア 以下の文書を掲載しています。
・ 司法研修所が作成した実務修習希望地順位調査表等(人気調査)(56期~69期)
・ 昭和59年8月発行の,東京高等・地方・簡易裁判所合同庁舎の落成記念特集号
・ 大阪高等地方簡易裁判所新館パンフレット
・ 名古屋高裁・地裁の新庁舎落成記念号(昭和54年7月)
イ 以下の記事も参照してください。
・ 司法修習等の日程(70期以降の分)
・ 司法修習生の就職関係情報等が載ってあるHP及びブログ
・ 司法修習の希望場所の記載方法
・ 第2希望の実務修習地の選び方
・ 司法修習の場所とクラスの対応関係(67期以降)
・ 司法修習生配属現員表(48期以降)
・ 大阪高裁管内の実務修習地ごとの司法修習生の人数の推移
・ 新65期以降の白表紙発送実績
 新65期以降の司法修習辞退者数の推移
 部の事務を総括する裁判官の名簿(昭和37年度以降)
・ 地方裁判所の専門部及び集中部
・ 家賃相場・土地価格相場等の情報
・ 日本の鉄道
・ 大阪府及びその周辺の鉄道の沿革
・ 日本の空港及び航空路線
・ 日本の地震





大阪高裁管内の実務修習地ごとの司法修習生の人数の推移

目次
第1 大阪高裁管内の実務修習地ごとの司法修習生の人数の推移
1 大阪修習となった司法修習生の人数の推移
2 京都修習となった司法修習生の人数の推移
3 神戸修習となった司法修習生の人数の推移
4 奈良修習となった司法修習生の人数の推移
5 大津修習となった司法修習生の人数の推移
6 和歌山修習となった司法修習生の人数の推移
第2 関連記事その他

第1 大阪高裁管内の実務修習地ごとの司法修習生の人数の推移
・ 大阪高裁管内の実務修習地ごとの司法修習生の人数の推移は以下のとおりです。

1 大阪修習となった司法修習生の人数の推移
39人(10期),49人(20期),40人(30期),46人(40期),84人(50期)
126人(54期),177人(57期),194人(59期),157人(現行60期)
174人(新60期),88人(現行61期),215人(新61期)
65人(現行62期),216人(新62期),59人(現行63期)
183人(新63期),30人(現行64期),179人(新64期)
210人(新65期),218人(66期),223人(67期),191人(68期),197人(69期)
135人(70期),147人(71期),126人(72期),123人(73期),122人(74期)
109人(75期),

2 京都修習となった司法修習生の人数の推移
18人(10期),26人(20期),24人(30期),22人(40期),33人(50期)
48人(54期),48人(57期),54人(59期),79人(現行60期)
0人(新60期),81人(新61期),77人(新62期),73人(新63期),73人(新64期)
71人(新65期),73人(66期),75人(67期),64人(68期),68人(69期)
62人(70期) ,65人(71期),57人(72期),56人(73期),57人(74期)
51人(75期),

3 神戸修習となった司法修習生の人数の推移
16人(10期),26人(20期),24人(30期),23人(40期),29人(50期)
47人(54期),48人(57期),49人(59期),0人(現行60期)
74人(新60期),71人(新61期),75人(新62期),73人(新63期),73人(新64期)
72人(新65期),72人(66期),74人(67期),63人(68期),67人(69期),
63人(70期) ,66人(71期),57人(72期),56人(73期),57人(74期)
51人(75期),

4 奈良修習となった司法修習生の人数の推移
6人(20期),4人(30期),6人(40期),6人(50期)
8人(54期),8人(57期),8人(59期),27人(現行60期)
0人(新60期),27人(新61期),27人(新62期),24人(新63期),24人(新64期)
24人(新65期),24人(66期),24人(67期),19人(68期),22人(69期)
18人(70期),18人(71期),12人(72期),12人(73期),12人(74期)
11人(75期),

5 大津修習となった司法修習生の人数の推移
6人(26期),4人(30期),6人(40期),6人(50期)
8人(54期),8人(57期),16人(59期),24人(現行60期)
0人(新60期),0人(新61期),24人(新62期),23人(新63期),23人(新64期)
23人(新65期),23人(66期),24人(67期),20人(68期),22人(69期)
18人(70期),18人(71期),12人(72期),11人(73期),12人(74期)
11人(75期),

6 和歌山修習となった司法修習生の人数の推移
8人(20期),6人(30期),6人(40期),7人(50期)
8人(54期),8人(57期),14人(59期),27人(現行60期)
0人(新60期),27人(新61期),27人(新62期),26人(新63期),25人(新64期)
25人(新65期),24人(66期),24人(67期),20人(68期),22人(69期)
15人(70期),16人(71期),12人(72期),12人(73期),12人(74期)
11人(75期),

第2 関連記事その他
1 「司法修習の場所ごとの司法修習生の人数の推移表(10期から71期まで)」も参照してください。
2 以下の記事も参照してください。
・ 司法修習生配属現員表(48期以降)
・ 新65期以降の白表紙発送実績
・ 新65期以降の司法修習辞退者数の推移

司法修習の場所ごとの実務修習開始時期

目次
1 昭和31年当時の実務修習地
2 実務修習地の拡大過程
3 関連記事

1 昭和31年当時の実務修習地
・ 昭和31年採用の10期の実務修習地は以下のとおりです。
東京高裁管内:東京地裁,横浜地裁,さいたま地裁,千葉地裁
大阪高裁管内:大阪地裁,京都地裁,神戸地裁
名古屋高裁管内:名古屋地裁
広島高裁管内:広島地裁,岡山地裁
福岡高裁管内:福岡地裁
仙台高裁管内:仙台地裁
札幌高裁管内:札幌地裁
高松高裁管内:高松地裁

2 実務修習地の拡大過程
(1) 昭和時代
ア 水戸地裁,宇都宮地裁,前橋地裁,静岡地裁及び岐阜地裁での実務修習は,昭和34年採用の13期から開始しました。
イ 新潟地裁,金沢地裁及び熊本地裁での実務修習は,昭和37年採用の16期から開始しました。
ウ 甲府地裁,長野地裁,奈良地裁,和歌山地裁,津地裁,長崎地裁及び福島地裁での実務修習は,昭和38年採用の17期から開始しました。
    これにより,東京高裁管内のすべての地裁で実務修習が開始しました。
エ 松山地裁での実務修習は,昭和39年採用の18期から開始しました。
オ 大分地裁及び函館地裁での実務修習は,昭和43年採用の21期から開始しました。
カ 福井地裁での実務修習は,昭和45年採用の24期から開始しました。
キ 大津地裁,富山地裁,山形地裁及び秋田地裁での実務修習は,昭和47年採用の26期から開始しました。
    これにより,大阪高裁管内のすべての地裁で実務修習が開始しました。
(2) 平成時代
ア 山口地裁,佐賀地裁,鹿児島地裁,那覇地裁,盛岡地裁,徳島地裁及び高知地裁での実務修習は,平成4年採用の46期から開始しました。
    これにより,高松高裁管内のすべての地裁で実務修習が開始しました。
イ 鳥取地裁,松江地裁,宮崎地裁,青森地裁,旭川地裁及び釧路地裁での実務修習は,平成6年採用の48期から開始しました。
    これにより,すべての地裁本庁で実務修習が開始しました。
ウ(ア) 東京地裁立川支部での実務修習は,平成21年採用の新63期から開始しました。
    支部での実務修習受け入れはこれが初めてです。
(イ) 東京地裁立川支部は,平成21年4月20日,東京地裁八王子支部が移転して設立されたものです。

3 関連記事
・ 司法修習の希望場所の記載方法
 司法修習の場所を選ぶ際の基礎データ
 第2希望の実務修習地の選び方
 実務修習地の決定方法等に関する国会答弁

司法修習の場所とクラスの対応関係(67期以降)

目次
第1 司法修習の場所とクラスの対応関係(67期以降)
・ 76期1394人の場合
・ 75期1329人の場合
・ 74期1456人の場合
・ 73期1473人の場合
・ 72期1482人の場合
・ 71期1516人の場合
・ 70期1533人の場合
・ 68期1762人及び69期1788人の場合
・ 67期1972人の場合
第2 司法研修所のクラス編成に関する考え方
第3 第72期司法修習生の組及び実務修習地について,組の数,実務修習地の組み合わせを決定した文書等
第4 関連記事その他

* 元データは「司法研修所の教官組別表,教官担当表及び教官名簿」に載せています。


第1 司法修習の場所とクラスの対応関係(67期以降)
・ 76期1394人の場合
1組:札幌,函館,旭川,釧路,青森 2組:仙台,山形,盛岡,秋田
3組:福島,水戸,宇都宮,新潟   4組:前橋,静岡,甲府,長野
5組:名古屋,津,岐阜       6組:名古屋,福井,金沢,富山
7組:広島,山口,鳥取,松江    8組:岡山,高知,松山
9組:高松,徳島,熊本,鹿児島   10組:福岡,佐賀,長崎,大分
11組:福岡,宮崎,那覇
(A班11組)
12組:東京            13組:東京
14組:東京,立川         15組:東京,横浜
16組:横浜            17組:さいたま
18組:千葉            19組:大阪
20組:大阪,和歌山        21組:京都,大津
22組:神戸,奈良
画像
・ 75期1329人の場合
(B班11組)
1組:札幌,函館,旭川,釧路,青森 2組:仙台,山形,盛岡,秋田
3組:福島,水戸,宇都宮,新潟   4組:前橋,静岡,甲府,長野
5組:名古屋,津,岐阜       6組:名古屋,福井,金沢,富山
7組:広島,山口,鳥取,松江    8組:岡山,高知,松山
9組:高松,徳島,熊本,鹿児島   10組:福岡,佐賀,長崎,大分
11組:福岡,宮崎,那覇
(A班11組)
12組:東京            13組:東京
14組:東京,立川         15組:東京,横浜
16組:横浜            17組:さいたま
18組:千葉            19組:大阪
20組:大阪,和歌山        21組:京都,大津
22組:神戸,奈良
・ 74期1456人の場合
(B班11組)
1組:札幌,函館,旭川,釧路,青森 2組:仙台,山形,盛岡,秋田
3組:福島,水戸,宇都宮,新潟   4組:前橋,静岡,甲府,長野
5組:名古屋,津,岐阜       6組:名古屋,福井,金沢,富山
7組:広島,山口,鳥取,松江    8組:岡山,高知,松山
9組:高松,徳島,熊本,鹿児島   10組:福岡,佐賀,長崎,大分
11組:福岡,宮崎,那覇
(A班11組)
12組:東京            13組:東京
14組:東京,立川         15組:東京,横浜
16組:横浜            17組:さいたま
18組:千葉            19組:大阪
20組:大阪,和歌山        21組:京都,大津
22組:神戸,奈良

画像
・ 73期1473人の場合
(B班11組)
1組:札幌,函館,旭川,釧路,青森 2組:仙台,山形,盛岡,秋田
3組:福島,水戸,宇都宮,新潟   4組:前橋,静岡,甲府,長野
5組:名古屋,津,岐阜       6組:名古屋,福井,金沢,富山
7組:広島,山口,鳥取,松江    8組:岡山,高知,松山
9組:高松,徳島,熊本,鹿児島   10組:福岡,佐賀,長崎,大分
11組:福岡,宮崎,那覇
 (A班11組)
12組:東京            13組:東京
14組:東京,立川         15組:東京,横浜
16組:横浜            17組:さいたま
18組:千葉            19組:大阪
20組:大阪,和歌山        21組:京都,大津
22組:神戸,奈良

・ 72期1482人の場合
(B班11組)

1組:札幌,函館,旭川,釧路,青森 2組:仙台,山形,盛岡,秋田
3組:福島,水戸,宇都宮,新潟   4組:前橋,静岡,甲府,長野
5組:名古屋,津,岐阜       6組:名古屋,福井,金沢,富山
7組:広島,山口,鳥取,松江    8組:岡山,高知,松山
9組:高松,徳島,熊本,鹿児島   10組:福岡,佐賀,長崎,大分
11組:福岡,宮崎,那覇
 (A班11組)
12組:東京            13組:東京
14組:東京,立川         15組:東京,横浜
16組:横浜            17組:さいたま
18組:千葉            19組:大阪
20組:大阪,和歌山        21組:京都,大津
22組:神戸,奈良

・ 71期1516人の場合
(B班11組)
1組:札幌,函館,旭川,釧路,青森 2組:仙台,山形,盛岡,秋田
3組:福島,水戸,宇都宮,新潟   4組:前橋,静岡,甲府,長野
5組:名古屋,津,岐阜       6組:名古屋,福井,金沢,富山
7組:広島,山口,鳥取,松江    8組:岡山,高知,松山
9組:高松,徳島,熊本,鹿児島   10組:福岡,佐賀,長崎,大分
11組:福岡,宮崎,那覇
(A班12組)
12組:東京            13組:東京
14組:東京,立川         15組:東京,横浜
16組:横浜            17組:さいたま
18組:千葉            19組:大阪,奈良
20組:大阪,大津         21組:大阪,和歌山
22組:京都            23組:神戸
・ 70期1533人の場合
(B班12組)
1組:札幌,函館,旭川,釧路   2組:仙台,盛岡,秋田,青森
3組:水戸,宇都宮,福島,山形  4組:前橋,長野,新潟,富山
5組:名古屋,津,岐阜      6組:名古屋,福井,金沢
7組:静岡,甲府,広島      8組:広島,岡山,鳥取,松江
9組:高松,徳島,高知,松山   10組:山口,福岡,佐賀,長崎
11組:福岡,大分,宮崎     12組:熊本,鹿児島,那覇
(A班13組)
13組:東京           14組:東京
15組:東京           16組:東京,立川
17組:東京,横浜        18組:横浜
19組:さいたま         20組:千葉
21組:大阪,奈良        22組:大阪,大津
23組:大阪,和歌山       24組:京都
25組:神戸

・ 68期1762人及び69期1788人の場合
(B班13組)
1組:札幌,旭川,釧路     2組:仙台,秋田,青森,函館
3組:宇都宮,前橋,新潟    4組:水戸,福島,山形,盛岡
5組:静岡,甲府,名古屋,岐阜 6組:長野,名古屋,津
7組:名古屋,金沢,福井,富山 8組:岡山,徳島,高知
9組: 広島,高松,松山      10組:広島,山口,鳥取松江
11組:福岡,佐賀,長崎    12組:福岡,大分,宮崎
13組:熊本,鹿児島,那覇
(A班14組)
14組:東京        15組:東京
16組:東京        17組:東京,立川
18組:東京,横浜     19組:横浜
20組:さいたま      21組:千葉
22組:大阪        23組:大阪,奈良
24組:大阪,大津     25組:大阪,和歌山
26組:京都        27組:神戸

・ 67期1972人の場合

(B班14組)
1組:札幌,旭川,釧路   2組:仙台,青森,函館
3組:前橋,長野,那覇   4組:新潟,高松,松山
5組:熊本,鹿児島,宮崎  6組:津,岐阜,金沢
7組:名古屋,福井,富山  8組:福岡,福島,山形
9組: 甲府,岡山,徳島    10組:広島,鳥取,松江
11組:名古屋,盛岡,秋田 12組:福岡,佐賀,長崎
13組:静岡,山口,大分  14組:水戸,宇都宮,高知
(A班14組)
15組:東京        16組:東京
17組:東京        18組:東京,立川
19組:東京,横浜     20組:横浜
21組:さいたま      22組:千葉
23組:大阪        24組:大阪,奈良
25組:大阪,大津     26組:大阪,和歌山
27組:京都        28組:神戸


第2 司法研修所のクラス編成に関する考え方
・ 平成18年11月9日開催の司法修習委員会(第11回)資料38には,以下の記載があります。
3 クラス編成及び導入研修について
(1) 「議論の取りまとめ」における指摘
   クラス担任制については,「集合修習においては,全人格的指導を含む充実した実務教育,的確な個別指導・成績評価を行うため,クラス担任制を維持すべきである。」とされ,導入研修については,「新司法試験合格者に対する司法修習については,法科大学院の実務導入教育が始まって間もないことを考慮して,当面,冒頭にこれを補完するための過程を1か月程度置くこととする。」とされている。

(2) クラス編成について
   従来,クラス編成はなるべく修習地が偏らないように編成してきたが,新司法修習においては,修習期間が1年間に短縮され,集合修習期間は修習終盤の2か月間のみとなることを前提に,いくつかの修習地ごとにクラスをまとめ,実務修習地と一貫したクラス編成とし,実務修習から,司法研修所教官が指導に関与していくこととする。

(3) いわゆる導入研修について
   導入研修については,新60期は司法研修所で集合形式で実施する予定となっているが,(2)の地域別クラス編成による司法研修所教官と配属庁会の指導官との連携をより強化していくために,新61期以降は,集合形式での実施に代えて,司法研修所教官を実務修習地に派遣するなどして,実務修習地において導入的教育を行うこととする。


第3 第72期司法修習生の組及び実務修習地について,組の数,実務修習地の組み合わせを決定した文書等
1 令和元年8月19日付の理由説明書の「(3) 最高裁判所の考え方及びその理由」には以下の記載があります。
ア 苦情申出人は,開示された司法行政文書以外にも,本件対象文書に該当する司法行政文書が存在する旨主張している。
イ 本件対象文書を「第72期司法修習生の組及び実務修習地について,組の数,実務修習地の組み合わせを決定した文書」と整理したところ,組の数や各組の実務修習地の組み合わせについては,「第二部の研修の企画その他の重要な事項」として教官会議の議を経なければならないこととされている(司法研修所規程第4条第2項ただし書)。第72期司法修習生の組の数,各組の実務修習地及びその担当教官については,平成30年10月12日の教官会議において決定されたところ,「第72期教官担当表」(以下「本件開示文書」という。)はその際に作成された文書であり,本件対象文書に該当するが,上記決定に際しては本件開示文書を作成することで必要十分であり,本件開示文書以外に本件対象文書に該当する文書を作成又は取得していない。
ウ よって,原判断は相当である。
2 司法修習生採用選考申込者の組,出席番号,実務修習地及び修習班について」と題する決裁票及び名簿1頁目を以下のとおり掲載しています。
74期


第4 関連記事その他
1 令和元年8月23日付の答申書によれば,「72期司法修習予定者の実務修習地を決定する際に作成した文書」は「第72期司法修習生採用選考申込者の実務修習地,組,出席番号及び修習班について(平成30年10月17日決裁)」(答申書がいうところの「本件開示文書」(=「本件名簿」及び「決裁票」))だけです。
2 以下の記事も参照してください。
① 司法修習生の採用選考の必要書類
② 司法修習生採用選考申込時の健康診断
③ 司法修習生の名刺
④ 司法修習開始前に送付される資料
⑤ 採用内定留保者に対する面接(司法修習)
⑥ 司法修習の場所を選ぶ際の基礎データ
⑦ 第2希望の実務修習地の選び方
⑧ 実務修習地の決定方法等に関する国会答弁
⑨ 司法修習生の採用選考で不合格となった人が出た修習期等
⑩ 司法修習生等に対する採用に関する日弁連の文書(73期以降の取扱い)

実務修習地の決定方法等に関する国会答弁

41期の堀田眞哉最高裁判所人事局長は,平成29年3月22日の衆議院法務委員会において以下の答弁をしています。これによれば,第1希望又は第2希望の実務修習地に配属される司法修習生の割合が重視されていますから,第2希望の実務修習地も慎重に記載する必要があると思われます。

1 まず、実家から修習先に通勤できる修習生の割合、あるいは逆に転居が必要になる修習生の割合についてのお尋ねでございますが、お尋ねのあったような修習生の割合についてはこれまで調査したことはございませんので、これらの割合を直ちにお答えすることはできないところでございます。
    ただ、貸与制のもとで、住居加算の申請をする者には、実家などから修習先への通勤ができず、新たに住居を確保した者が含まれていると考えられますところ、貸与申請者の中で住居加算の申請をした者の占める割合、これはわかるところでございまして、これは直近五年間で、おおむねでございますが、二割程度となっているところでございます。

2 それから、修習地がどのように決まるかというお尋ねでございます。
    実務修習地の決定は司法研修所の方でしておりますが、司法研修所において、修習生の希望を基本として、各人の健康状態、家族状況の切実度など、諸般の事情を考慮して決定しているものと承知しております。
   司法研修所は、司法修習生にあらかじめ実務修習希望地の調査書というものを提出させまして、修習地の希望を第六希望まで聴取しておりますところ、四分の三程度の修習生が第一希望または第二希望の実務修習地に配属されている一方で、全く希望外の修習地に配属された修習生はほとんどいないものと承知しているところでございます。

3 各修習生の具体的な経済状況の詳細な情報は、実務修習地の決定の際に詳しく調査をしているわけではないと承知しておりますけれども、先ほども申し上げましたような諸般の事情を考慮して決める中で、そういった面が、転居の負担というのは本人の希望の切実度と裏腹の関係になるというような意味合いにおいては一定程度考慮されるという結果になっているのではないかというふうに考えております。

4 給付金が創設された後、まずはその運用を安定的にしてまいるということを心がけてまいりたいと存じますが、修習生の実情について、どういった形で、どのような項目について把握をしていく必要があるのかどうかということは、その必要に応じて、その時々においてまた検討をしてまいりたいと存じます。

* 以下の記事も参照してください。
・ 司法修習の場所を選ぶ際の基礎データ
・ 司法修習の場所とクラスの対応関係(67期以降)
・ 司法修習の希望場所の記載方法
 第2希望の実務修習地の選び方

司法修習の希望場所の記載方法

目次
1 第1希望地へのこだわりが強いことをアピールすべきこと
2 希望順位が低い実務修習地等に配属される可能性が高くなる場合
3 子の養育に関するその他の事情も実務修習地の希望理由として考慮されるかもしれないこと
4 関連記事その他

1 第1希望地へのこだわりが強いことをアピールすべきこと
(1) できる限り第1希望地に配属してもらいたい場合,第1希望地の理由を具体的に記載するほか,第2希望地以下については第1希望地の近くの実務修習地を書くことで,第1希望地へのこだわりが強いことをアピールした方がいいと思います。
   その際,平成30年8月1日付の「司法研修所からのお知らせ」8頁で例示されている以下の記載例を参考に,具体的に書けばいいと思います。
① 配偶者(内縁者・修習終了までに婚姻する予定の婚約者を含む。)・子との同居希望
   現在,民間企業に勤務している妻及び〇歳の子と同居して生活しているところ,今後も同居を継続するため,現住所地から通える地を希望する。
② 通院・病気
   〇〇病に罹患しており,現在月1回△△病院(□□県●●市)に通院して高度に専門性を有する治療を受けており,今後もその治療を継続する必要があるため,現住所地から通える地を希望する。
③ 親族の介護
   現在同居中の父親が身体障碍者(1級,介護認定・要介護5)で,母と私で入浴・食事等の介護を行っており,私がいないと介護に支障が生じるため,現住所地から通える地を希望する。
④ 経済的事情
   法科大学院在学中の奨学金の返済額が1か月●万円(総額●●●万円)となっているので,現住所地(自宅)から通える地を希望する。
(2) 内縁関係(事実婚関係と同じ意味です。)にあることを書類で証明したい場合,続柄欄に「妻(未届)」という記載がある住民票を提出すればいいと思います(ビズジャーナルHPの「事実婚,消える法律婚との差?メリットの多さに関心高まる「妻(未届)」」参照)。
(3) 外部ブログの「悲喜交々の修習地発表」によれば,親族の介護及び経済的事情は,理由として強いみたいです。


2 希望順位が低い実務修習地等に配属される可能性が高くなる場合
(1)ア 以下の場合,希望順位が低い,又は希望外の実務修習地に配属される可能性が高くなるといわれています。
① 1群の実務修習地を三つ以上記載するといったルール違反をした場合
② 第1希望地から第6希望地までの選択内容に脈絡がなかった場合
③ 第2希望地として,第1希望地とは全く関係がない,希望者数が極端に少ない実務修習地を書いた場合
イ 平成30年8月1日付の「司法研修所からのお知らせ」9頁に,「希望地の記載がない場合又は表1の実務修習希望地の選択規則に反した記載をしている場合は「一任」として,途中順位までの記載しかない場合には「以下一任」として取り扱う。」と書いてあります。
→ 「表1の実務修習希望地の選択規則に反した記載」の典型例は,1群の実務修習地(東京,立川,横浜,さいたま,千葉,宇都宮,静岡,甲府,大阪,京都,神戸,大津,名古屋,福岡,仙台,札幌)を三つ以上記載することです。
(2) 平成30年8月1日付の「司法研修所からのお知らせ」9頁の「(表3) 実務修習希望地の記載例」につき,「①全部記載の場合」の例として,「第1希望:東京,第2希望:さいたま,第3希望:広島,第4希望:和歌山,第5希望:高知,第6希望:松江」という記載がありますところ,実際にこのような記載をした場合,「第1希望地から第6希望地までの選択内容に脈絡がなかった場合」に該当する結果,第4希望以下で決まる気がします。
   また,「②一部一任の場合」の例として,「第1希望:大阪,第2希望:鳥取,第3希望:以下一任」という記載がありますところ,実際にこのような記載をした場合,「第2希望地として,第1希望地とは全く関係がない,希望者数が極端に少ない実務修習地を書いた場合」に該当する結果,第2希望の鳥取修習になる可能性が極めて高い気がします。
   そのため,「(表3) 実務修習希望地の記載例」は,できる限り第1希望地又はその周辺の実務修習地への配属を希望する司法修習予定者にとっては,不適切である気がします。
(3) 配属して欲しい実務修習地だけ具体的理由を挙げて希望し,それ以外については「以下一任」と記載した場合,「以下一任」という記載だけで,希望順位が低い,又は希望外の実務修習地に配属される可能性が高くなるわけではないといわれています。


3 子の養育に関するその他の事情も実務修習地の希望理由として考慮されるかもしれないこと
(1) 育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律(略称は「育児・介護休業法」です。)26条は,「事業主は、その雇用する労働者の配置の変更で就業の場所の変更を伴うものをしようとする場合において、その就業の場所の変更により就業しつつその子の養育又は家族の介護を行うことが困難となることとなる労働者がいるときは、当該労働者の子の養育又は家族の介護の状況に配慮しなければならない。」と定めています。
   そのため,司法研修所の記載例には「子との同居希望」しか書いてありませんが,子の養育に関するその他の事情も実務修習地の希望理由として考慮されるかもしれません。
(2)ア 厚労省HPの「育児・介護休業法について」に,育児・介護休業法に関する指針及び施行通達が載っています。
イ 厚労省HPの「「転勤に関する雇用管理のヒントと手法」を公表します~事業主が従業員の転勤の在り方を見直す際に役立ててほしい資料を作成~」「転勤に関する雇用管理のヒントと手法」が載っています。

4 関連記事その他
(1) 令和元年8月23日付の答申書によれば,「72期司法修習予定者の実務修習地を決定する際に作成した文書」は「第72期司法修習生採用選考申込者の実務修習地,組,出席番号及び修習班について(平成30年10月17日決裁)」(答申書がいうところの「本件開示文書」(=「本件名簿」及び「決裁票」))だけです。
(2) 犯罪被害者と同性の者は,犯罪被害者等給付金の支給等による犯罪被害者等の支援に関する法律5条1項1号括弧書きにいう「婚姻の届出をしていないが、事実上婚姻関係と同様の事情にあつた者」に該当することがあります(最高裁令和6年3月26日判決)。
(3) 以下の記事も参照してください。
・ 司法修習の場所を選ぶ際の基礎データ
・ 司法修習の場所とクラスの対応関係(67期以降)
・ 新65期以降の白表紙発送実績
→ 平成23年以降の司法試験合格者の合格直後の居住都道府県が分かります。
・ 第2希望の実務修習地の選び方
・ 実務修習地の決定方法等に関する国会答弁
→ 最高裁判所人事局長の国会答弁によれば,第1希望又は第2希望の実務修習地に配属される司法修習生の割合が重視されていますから,第2希望の実務修習地も慎重に記載する必要があると思われます。

「品位を辱める行状」があったことを理由とする司法修習生の罷免事例及び再採用

目次
1 23期の阪口徳雄修習生(昭和44年4月採用)の罷免事例
2 33期の男性司法修習生(昭和54年4月採用)の罷免事例
3 34期の男性司法修習生(昭和55年4月採用)の罷免事例
4 70期の男性司法修習生(平成28年11月採用)の罷免事例
5 その他の罷免事例
6 罷免された後の再採用
7 関連記事その他

1 23期の阪口徳雄修習生(昭和44年4月採用)の罷免事例
(1) 23期の司法修習終了式の中止
ア 阪口徳雄修習生は,昭和46年4月5日(月)の午前中に司法研修所講堂で行われた司法修習終了式において,23期の裁判官志望者7人に対する任官拒否に抗議するため,司法研修所長のマイクを手にとって,「裁判官への任官を拒否された修習生7人に発言させる機会を与えて欲しい」などと発言を始めたため,約1分後に司法研修所事務局長が修習終了式の終了を宣言したという事件を発生させました。
   最高裁判所は,同日午後6時から臨時の裁判官会議を開催し,「品位を辱める行状」があったということで,阪口徳雄修習生に弁明の機会を与えることなく,同人を罷免しました。
イ 23期の裁判官志望者7人に対する任官拒否については,昭和46年4月5日午後1時半頃,23期の裁判官内定者55人のうちの40人が有志で,「青法協会員ら7人の任官拒否は思想・信条,団体加入による差別の疑いが強い。このまま裁判官として職務につくことは耐えがたい不安を感じる。不採用の理由を明らかにせよ」などとする要望書(署名者は23期裁判官内定者45人)を高輪1期の矢口洪一最高裁判所人事局長に提出するため,最高裁判所に赴きました。
   しかし,最高裁判所は彼らが構内に入ることを拒否し,要望書を受け取りませんでした。
ウ 阪口徳雄修習生に対する罷免通知の時刻につき,昭和46年4月6日の毎日新聞朝刊では,午後7時40分頃に司法研修所事務局長から罷免通告が伝えられたと書いてあります。
   昭和46年5月8日の日弁連臨時総会決議では,午後8時26分に罷免処分が言い渡されたと書いてあります。
   自由と正義2018年7月号5頁には,阪口徳雄弁護士が自分で,「1971年4月5日午後8時過ぎ司法研修所の所長室で守田所長(当時)から「司法修習生の品位を汚した」ので罷免するという最高裁裁判官会議の決定書を交付された。」と書いてあります。
エ 23期は昭和46年4月5日付で司法修習を終了し,同月6日の官報にその氏名が公表され,同月8日の官報に「阪口徳雄を削除」という訂正記事が載りました。
オ 平成29年3月15日付の司法行政文書不開示通知書及び平成29年度(最情)答申第47号(平成29年12月1日答申)によれば,昭和46年4月に司法修習生を罷免した際の最高裁判所裁判官会議議事録は保存されていません。
(2) 23期の司法修習終了式の中止に関する国会答弁
   高輪1期の矢口洪一最高裁判所人事局長は,昭和46年5月20日の参議院法務委員会において以下の答弁をしています。
 わしづかみというふうに、私が、衆議院の法務委員会で申し上げましたところが、問題にされたようでございますが、そのときの状況を正確に申し上げさせていただきますと、当日研修所長から最高裁にあてまして、こういうトラブルがあったということの正式の文書による報告がございました。で、その文書による報告の内容を私自身といたしましてはかいつまんで申し上げたつもりであったわけでございますが、その文書を朗読したわけではございませんので、その間少しやや妥当を欠く面もあったかと思います。お尋ねでございますので、短いものでございますので、そのところを朗読さしていただきましてお答えにかえさせていただきたいと思います。
 「(別紙)」でございますが、「予定よりやや遅れて十時三十分ごろ事務局長が開式を宣し、司法研修所長が式辞を述べるため登壇した。ところがその発言前に、前から七、八列目の中央に座っていた阪口徳雄が立ち上り、所長に向い、「任官拒否された修習生に十分ぐらい発言の機会を与えてもらいたい云々」と言い、周囲の者もこれに和し「そうだ、そうだ」という発言、拍手などで式場は騒然となったので、所長は手をあげておだやかに阪口を制し、事務局長は進行係用マイクで「まず、式辞を聞きなさい。」と二度か三度注意した。しかし、彼等はこれを聞かず、中には阪口に対し「マイクでやれ」「前に出てやれ」と声援する者あるいは「止めろ」と叫ぶ者もあった。阪口は自席を離れ、演壇の下に進み出て、演壇用マイクを無断で抜き取り、演壇を背にして修習生に向い、マイクをもつて演説を開始し、式場はますます騒然となった。
 所長は、一言の式辞も述べないままこの事態では到底終了式を続行する可能性がないものと判断して自席に戻ったので、事務局長は進行係用のマイクを持って所長席の近くに行き、所長の指示を仰ぎ「終了式はこれで終了する。」と宣した。しかし、数名の修習生はこれを不満とし、自席を離れて事務局長を取り囲み、「どうして止めるのか」と抗議し、さらに所長、教官の退席を阻止しようとする修習生も若干名あったが、事務局職員が数名でスクラムを組み通路を確保したので、所長、教官も次第に退席し、その後は修習生だけで抗議集会を行なった。」というのが研修所の報告でございます。
 事実は、正確にはこのとおりであるというふうに御承知おきをいただきたいと思います。
(3) 日弁連の対応
ア 7人の任官拒否等に関しては,日弁連会長は,昭和46年4月3日,「13期裁判官の再任拒否問題に関する談話」を出しました。
   なお,13期裁判官は,宮本康昭熊本地家裁判事補のことです。
イ 阪口徳雄修習生の罷免事件では,日弁連が昭和46年5月8日に臨時総会を開催して抗議決議を出しました(日弁連HPの「臨時総会・司法修習生の罷免に関する決議」参照)。
   また,同決議によれば,この事件に関する矢口洪一最高裁判所人事局長の国会答弁は,阪口徳雄修習生の実際の行動とは異なるとのことです。
(4) 司法研修所の移転
ア 東京都千代田区紀尾井町にあった司法研修所は,この事件の3日後,東京都文京区湯島に移転しました。
イ 23期の修習終了式と25期の修習開始式(昭和46年4月16日)の合間を縫って司法研修所の移転作業が行われたわけです。
(5) 阪口徳雄は2年後に弁護士登録をしたこと
ア 阪口徳雄は,法律事務所で勉強するなどしていましたところ,昭和48年1月30日,松井宣日弁連事務総長らに伴われて,高輪1期の矢口洪一最高裁判所人事局長に会い,「式の当日の行動や,それに関連する言動のなかに礼を失したり穏当を欠いた点があることを率直に認め反省します」と謝罪しました(最高裁物語(下巻)129頁)。
イ 日弁連会長は,昭和48年1月31日,「司法修習生への再採用の決定と最高裁の寛大な措置について」と題するコメントで以下のとおり述べています。
   阪口徳雄君は、昨年来昭和46年4月5日の修習終了式当日の行動およびその後の各地における言動について真剣に反省された結果、このたび、最高裁判所および司法研修所に対し卒直に陳謝の意を表明され、最高裁判所においても、同君の誠意を酌まれ、本日同君の司法修習生への再採用を決定されました。
   わたくしは、阪口君の卒直な態度および最高裁判所の寛大な措置に対し、満腔の敬意と賛意を表するものであります。
   日本弁護士連合会は、今後とも最高裁判所と協力し、司法の健全な運営のために最善の努力をする所存であります。
ウ 阪口徳雄修習生は,2年後の昭和48年4月16日,司法修習を終え(昭和48年4月18日の官報参照),25期の弁護士になっていますところ,自由と正義2018年7月号6頁に以下の記載があります。
   1973年1月末に,終了式を「混乱」させたことを謝り,再採用となった。2回試験を合格しているので研修所に通わず修習終了となり,25期の卒業式と同時ではまた騒がれると思ったのか(笑),終了式の1週間後に,守田所長,教官に囲まれ「たった1人の終了式」で罷免事件は終わった。


2 33期の男性司法修習生(昭和54年4月採用)の罷免事例
(1)   ①岐阜地裁刑事部で実務修習中の昭和55年11月8日午後1時10分頃,地元の女子高生の通学路になっている路上で,下校中の女子高生5人に下腹部を露出する卑猥な行為をしたこと,並びに②昭和49年2月及び昭和54年2月に公然わいせつ行為での検挙歴があったことにかんがみ,昭和55年11月13日(木),「品位を辱める行状」があったということで罷免されました(昭和55年11月13日の毎日新聞夕刊)。
(2) 昭和55年11月12日の最高裁判所裁判官会議議事録を掲載しています。
(3) 33期の元修習生は,名字を変更した上で昭和62年4月2日に司法修習を終え,39期の弁護士になっています。
   そのため,6年後に再採用してもらえたものと思われます。

3 34期の男性司法修習生(昭和55年4月採用)の罷免事例
(1)ア ①司法修習期間中の昭和55年6月から昭和56年6月にかけて,知り合いの女性の父親に対し,過去の扶養料を取り立てるため,この父親の自宅,職場に手紙や電話で金の支払を頻繁に求めたこと,及び②金の支払を求めた際,司法研修所の用紙や東京地裁の裁判官が使う用紙などを用いて支払を催促しており,最終的には300万円を要求したことにかんがみ,昭和56年11月25日(水),「品位を辱める行状」があったということで罷免されました(昭和56年11月30日の日本経済新聞夕刊)。
イ 昭和56年11月30日の日本経済新聞夕刊には以下の記載があります(一部,氏名を伏せました。)。
   修習生が罷免されたのは,今回を含め9件。うち6件は成績不良や病気などによるもので,○○さんのように裁判所法や「司法修習生に関する規則」18条(裁量的罷免事由)1号(品位を辱める行為があった時)に基づく”強制罷免”は46年4月の阪口徳雄氏(研修所の終了式を混乱させた),55年11月の○○○○氏(破廉恥行為)に続いて3人目。しかし○○氏を除く7人はその後修習生として再採用された。
(2) 昭和56年11月25日の最高裁判所裁判官会議議事録を掲載しています。
(3) 34期の元修習生は,昭和59年4月4日に司法修習を終え,36期の弁護士になっています。
   そのため,2年後に再採用してもらえたものと思われます。

4 70期の男性司法修習生(平成28年11月採用)の罷免事例
(1)ア 平成28年12月,司法研修所の寮の談話室で飲食した際,同期の女性司法修習生2人にみだらな言動をしたほか,ズボンと下着を脱いで下半身を露出したため,平成29年1月18日,「品位を辱める行状」があったということで罷免されました(日付につき外部ブログの「70期千葉修習の罷免」参照)。
イ 平成29年1月18日の最高裁判所裁判官会議議事録,及び平成30年3月14日付の最高裁の不開示通知書(70期司法修習生を罷免するに際し,司法研修所が作成した司法修習生に関する規則19条に基づく報告書)を掲載しています。
(2) 発信者情報開示請求を認容した東京地裁平成30年3月8日判決(判例秘書に掲載)には,「平成28年12月20日午後9時頃から午後10時頃までの間,司法研修所の寮の談話室において,第70期司法修習生であるA(以下「A修習生」という。)が,同期の司法修習生と飲酒していた時に,自己の下半身を露出したという事件(以下「本件事件」という。)が発生し,これによりA修習生は罷免されたものである。」と書いてあります。


(3) ちなみに,水戸地検検事正(当時)は,平成23年2月14日の夜,水戸市内のスナックで酒に酔い,居合わせた客や同地検次席検事(当時)ら4人に対し,マイクで頭を殴ったり,髪の毛を引っ張ったりしました。
   しかし,東京地検は,平成23年10月13日,暴行の事実はあったとした上で,「酒に酔った際の偶発的な事案で,被害者も処罰を望んでいない」として,起訴猶予にとどめました。
   また,職務時間外の行動でしたから,懲戒等の人事上の処分は行われませんでした(外部ブログの「水戸地検検事正(当時。現・最高検検事)が,たたく・蹴るの暴行して。不起訴。懲戒処分無し」参照)。


5 その他の罷免事例
(1) 自転車窃盗に関して28期司法修習生が罷免されたことについて,最近の司法研修所の実態と問題点(昭和52年7月の大阪弁護士会の文書)25頁には以下の記載があります。
   昭和五〇年一〇月六日、実務修習の二八期、二九期生に対して、「司法修習生の規律保持について」と題する、大塚正夫司法研修所長の通達が出された。この通達では、四名の修習生が処分を受けた事例をあげて、今後も研修所において、修習生の規律保持について厳格に対処する考えであることを表明して、修習生に規律の厳守と修習への専念を要望している。その中で挙げられている「酔余他人の自転車を窃取」したとされる事例は二八期生であり、その本人は修習生の身分を失った。同人によれば、ある飲み屋から友人のいる他の飲み屋に行く際、道端にあった自転車を帰りに同じ道を通るのですぐに返せると考えて借りたということであり、当時の実務庁の検察教官からは,大した問題ではないので処分等の問題まで至らないといわれ、安心していたところ、研修所への報告後、急に処分問題にまで発展したとのことである。
(2) 昭和61年7月,関東地方のスーパーで菓子4000円相当を万引きして書類送検された女性修習生が罷免されました(司法の病巣117頁)が,それ以上の詳細は不明です。


6 罷免された後の再採用
(1)ア 「品位を辱める行状」があったことを理由に罷免された司法修習生が再採用を申し出た過去の先例では,①司法研修所の修習終了式を妨害したとされた23期司法修習生,及び②知り合いの女性に頼まれて家族の離婚問題に介入し,恐喝まがいの行為をしたとされた34期司法修習生については,2年度に再採用が認められたみたいです。
   これに対して公然わいせつ行為を行った33期の司法修習生については,6年後に再採用が認められたみたいです。
イ   報道されている事実を前提とすれば,公然わいせつ行為を行った70期の司法修習生の場合,再採用が認められなかった33期の司法修習生よりも情状は軽い気がします。
(2) 昭和56年11月30日の毎日新聞夕刊によれば,司法修習生が罷免されたのは,昭和56年11月25日付の罷免を含めて9人であり,うち6人は成績不良や病気などによるものであるところ,33期の司法修習生を除く7人は,後日,再採用されたそうです。
(3)  二回試験不合格という成績不良を理由に罷免された司法修習生について再採用が認められるのは早くても1年後であることにかんがみ,それよりも情状が悪い,素行不良を理由に罷免された司法修習生については,2年後に再採用を認めるという運用をしてきたのかもしれません。
(4)ア 平成29年度(最情)答申に第38号(平成29年10月2日答申)は以下の記載があります。
   本件開示文書には,司法修習生の採用選考における審査基準が記載されているところ,その記載内容を踏まえて検討すれば,司法修習生であった者が考試を再度受験するために再採用される際には,本件開示文書に基づいて審査が行われるのであり,本件開示文書以外に司法行政文書を作成し,又は取得する必要はないという最高裁判所事務総長の上記説明の内容が不合理とはいえない。そのほか,最高裁判所において本件開示文書以外に本件開示申出文書に該当する文書を保有していることをうかがわせる事情は認められない。
イ 本件開示文書は「司法修習生採用選考審査基準(平成28年6月1日付け)」であり,本件開示申出文書は「司法修習生考試に不合格となった者を再び採用する際の,最高裁判所及び司法研修所内部の事務手続が分かる文書(最新版)」です。
(5) 「司法修習生採用選考審査基準(平成28年6月1日付け)」には以下の記載があります。
2 司法修習生採用選考申込者に次に掲げる事由があると認めるときは,これを不採用とする。
(中略)
(2) 司法修習生であった者が,次のいずれかに該当すること。
ア 修習態度の著しい不良その他の理由により修習をすることが不相当である者
イ 成績不良(裁判所法(昭和22年法律第59号)第67条第1項の試験の不合格を除く。)その他の理由により修習をすることが困難である者
ウ 裁判所法第67条第1項の試験に連続して3回合格しなかった者(再度司法試験法による司法試験に合格した者を除く。)。ただし,病気その他やむを得ないと認められる事情により,裁判所法第67条第1項の試験の全部又は一部を受験することができなかった場合には,当該試験については,受験回数として数えないものとすることができる。


7 関係記事その他
(1) 令和2年度(最情)答申第27号(令和2年10月27日答申)には以下の記載があります。
    当委員会庶務を通じて確認した結果によれば,「司法修習生採用選考申込書」の「12 不採用事由等の有無」欄に,「(3)審査基準(2)ア(エ)関係」として,「かつて起訴(略式起訴を含む。)又は逮捕(補導)されたことの有無」を記載する箇所があることが認められ,また,「令和元年度司法修習生採用選考要項」には,上記司法修習生採用選考審査基準が掲載されており,同審査基準(2)ア(エ)は,司法修習生の不採用事由の一つとして,「品位を辱める行状により,司法修習生たるに適しない者」を掲げていることが認められる。これらの各文書の記載内容を踏まえれば,「司法修習生採用選考申込書」において逮捕歴及び補導歴を記載させる理由は明らかであるということができるから,このほかに同申込書の記載欄の一つ一つにつき,それぞれ申込者に記載をさせる理由を説明した文書が存在することは通常考え難い。
(2) 以下の記事も参照してください。
・ 司法修習生の罷免
・ 司法修習生の罷免理由等は不開示情報であること
・ 司法修習生の罷免事由別の人数
・ 司法修習生の罷免等に対する不服申立方法
・ 38期二回試験において,書き込みをした六法全書が持ち込まれたことに関する国会答弁
→ 38期二回試験では,書き込みをした六法全書を持ち込んだ司法修習生が8人いたものの,司法研修所長から厳重な書面による注意を受けたにとどまり,他の人から11日遅れで司法修習を終えることができました。
・ 司法修習生の逮捕及び実名報道
・ 司法修習生の守秘義務違反が問題となった事例
(3) 平成30年に発覚した裁判所における障害者雇用に係る事案(裁判所HPの「裁判所における障害者雇用に係る事案に関する検証について」参照)に関して,最高裁判所では懲戒処分がありませんでした(平成31年3月14日付の理由説明書参照)。

民間労働者と司法修習生との比較

目次
第1 総論
第2 採用時点
1 民間労働者の場合
2 司法修習生の場合
第3 休暇の有無
1 民間労働者の場合
2 司法修習生の場合
第4 病気等で働けない場合の取扱い
1 民間労働者(社会保険加入が前提です。以下同じ。)の場合
2 司法修習生の場合
第5 妊娠,出産及び育児に関する取扱い
1 民間労働者の場合
2 司法修習生の場合
第6 最低賃金法との関係
1 研修医の場合
2 司法修習生の場合
第7 労働時間等の管理の有無
1 民間労働者の場合
2 司法修習生の場合
第8 労働基本権の有無
1 民間労働者の場合
2 国家公務員の場合
3 地方公務員の場合
4 司法修習生の場合
第9 代償措置の有無
1 国家公務員の場合
2 地方公務員の場合
3 司法修習生の場合
第10 関連記事その他

第1 総論
1 司法修習生は民間労働者と比べて色々な面で不利な取扱いを受けていますから,最高裁判所としては,司法修習生の労働者性を否定することを当然の前提にしていると思われます。
2    「やっぱり世界は**しい!」と題するブログ「守秘義務」によれば,司法研修所が動くこと自体が司法修習生にとっては大変な脅威であって,司法修習生という立場は,まさに現代の特別権力関係だそうです。
3(1) 労働者としての実態があるかどうかは,昭和60年12月19日付の労働基準法研究会報告「労働基準法の『労働者』の判断基準について」に基づいて決定されます。
   在宅勤務者が労働者に該当するかどうかについては,厚生労働省HPの「在宅勤務者についての労働者性の判断について」が参考になります。
(2) 経済産業省HPの「「フリーランスとして安心して働ける環境を整備するためのガイドライン」(案)に対するパブリックコメントの結果及び同ガイドラインを取りまとめました」(2021年3月26日付)には,「現行法上「雇用」に該当する場合の判断基準」の説明もあります。



第2 採用時点

1 民間労働者の場合
(1) 会社には採用の自由があること
ア 会社は,経済活動の一環としてする契約締結の自由を有し,自己の営 業のために労働者を雇用するに当たり,いかなる者を雇い入れるか,いかなる条件でこれを雇うかについて,法律その他による特別の制限がない限り,原則として自由にこれを決定することができます(最高裁平成15年12月22日判決。なお,先例として,最高裁大法廷昭和48年12月12日判決参照)。
   つまり,会社は採用の自由を有しますから,採用してもらえるかどうかは原則として会社次第となります。
イ 採用の自由については,法律上,以下の制限はあります。
① 雇用対策法10条(募集及び採用における年齢にかかわりない均等な機会の確保)
→ 例外として,長期間の継続勤務による職務に必要な能力の開発及び向上を図ることを目的とし,期間の定めのない労働契約を締結することを目的とする場合,新卒者等に限定した募集及び採用を行うことができます(雇用対策法施行規則1条の3第1項1号)。
② 男女雇用機会均等法5条(性別を理由とする差別の禁止)
→ ちなみに,厚生労働省HPの「都道府県労働局雇用均等室における法施行状況について」に掲載されている「平成27年度都道府県労働局雇用均等室での法施行状況」によれば,第5条関係の労働者からの相談は,206件(25年度),196件(26年度),136件(27年度)と推移しており,第11条関係(セクハラ)の10分の1以下の相談件数です。
    なお,平成28年度以降の同趣旨の文書は,厚生労働省HPの「都道府県労働局雇用環境・均等部(室)における法施行状況について」に掲載されています。
③ 障害者雇用促進法5条(事業主の責務)
④ 労働組合法7条(不当労働行為)1号
(2) 国籍による差別は当初から禁止されていたこと
    昭和22年9月1日の労働基準法施行当初から,労働者の国籍による差別は禁止されていました(労働基準法3条)。
2 司法修習生の場合
(1) 一定の欠格事由に該当しない限り差別なく採用してもらえること
ア 司法試験合格者は,一定の欠格事由に該当しない限り,性別・年齢等に関係なく司法修習生に採用してもらえます(裁判所法66条1項参照)。
イ  健康診断の結果が非常に悪かった場合,「心身の故障により修習をすることが困難である者」に該当する可能性があります。
    罰金前科等があった場合,「品位を辱める行状により,司法修習生たるに適しない者」に該当する可能性があります。
    そのため,これらの事由がある場合,司法修習生に採用してもらえない可能性があります(司法修習生の採用選考,健康診断及び名刺」参照)。
(2) 以前は日本国籍が必要であったこと
ア   昭和51年採用の30期までは,司法修習生採用選考要領の欠格事由が「日本の国籍を有しない者」となっていて,司法修習生となるためには帰化して日本国籍を取得する必要がありましたから,台湾国籍では司法修習生に採用されませんでした(神戸合同法律事務所HPの「吉井正明」参照)。
    しかし,昭和52年に在日韓国人の金敬得が帰化せずに31期司法修習生に採用されて以降,司法修習生採用選考要領の欠格事由が「日本の国籍を有しない者(最高裁判所が相当と認めた者を除く。)」となりました。
    そして,平成21年11月採用の司法修習生(新63期)から,司法修習生採用選考要領の欠格事由から「日本の国籍を有しない者」が削除されました(外部ブログの「「司法修習生は日本国籍必要」条項を削除 最高裁」参照)。
イ 日弁連は,平成6年3月28日付の最高裁判所長官宛要望において,「最高裁判所が司法修習生採用選考において、外国籍の者や逮捕歴・起訴歴を有する者に対して、本人の誓約書や保証人を求めていることは憲法等に違反するとして、司法修習生採用選考要項の「国籍条項」を削除するとともに、これらの差別的取扱・慣行を行わないよう要望した」みたいです(日弁連HPの「司法修習生採用時の国籍条項等による差別人権救済申立事件(要望)」参照)。
ウ 平成29年5月12日付の司法行政文書不開示通知書によれば,司法修習生採用に際しての国籍条項が廃止されるに至った経緯が分かる文書は,保存期間を満了しており廃棄済みです。
エ 外国人登録原票は現在,法務省入国管理局で保管されています(法務省入国管理局HP「外国人登録原票を必要とされる方へ」参照)。


第3 休暇の有無
1 民間労働者の場合
(1) 就職してから6ヶ月間継続して勤務し,全労働日の8割以上出勤した場合,10日以上の有給休暇をもらえます(労働基準法39条1項)し,年次有給休暇を取得したことについて,賃金の減額その他不利益な取扱いをされることはありません(労働基準法附則136条)。
(2) 事業遂行に必要な技術者の養成と能力向上を図るため,各職場の代表者を参加させて,一箇月に満たない比較的短期間に集中的に高度な知識,技能を修得させ,これを職場に持ち帰らせることによって,各職場全体の業務の改善,向上に資することを目的として行われた訓練の期間中に,訓練に参加している労働者から年次有給休暇が請求されたときは,使用者は,当該休暇期間における具体的な訓練の内容がこれを欠席しても予定された知識,技能の修得に不足を生じさせないものであると認められない限り,事業の正常な運営を妨げるものとして時季変更権を行使することができます(最高裁平成12年3月31日判決)。
(3) 昭和23年3月17日付の労働省労働基準局長通達には,「法人の所謂重役で業務執行権又は代表権を持たない者が、工場長、部長の職にあって賃金を受ける場合は、 その限りにおいて労働基準法第9条に規定する労働者である。」と書いてあります。
    そのため,使用人兼務役員であっても,勤務実態として労働者の要素が強い場合,有給休暇を付与してもらえます(勤怠管理システムAKASHI「役員に有給休暇はあるのか?役員の働き方を解説します」参照)。
(4)  無効な解雇の場合のように労働者が使用者から正当な理由なく就労を拒まれたために就労することができなかった日は,労働基準法39条1項及び2項における年次有給休暇権の成立要件としての全労働日に係る出勤率の算定に当たっては,出勤日数に算入すべきものとして全労働日に含まれます(最高裁平成25年6月6日判決)。
(5)ア 厚生労働省HPに「有給休暇ハンドブック」(年次有給休暇の計画的付与と取得について)が載っています。
イ 外部HPに「ポイントは4つだけ。意外に勘違いが多い有給休暇制度」が載っています。
2 司法修習生の場合
    休暇という概念がありませんから,正当な理由のない欠席は規律違反として非違行為となります。


第4 病気等で働けない場合の取扱い
1 民間労働者(社会保険加入が前提です。以下同じ。)の場合(「労災保険」「休職期間中の社会保険及び税金」,及び「症状固定後の社会保険及び失業保険」参照)
(1) 休職できること
ア 病気等で働けない場合,就業規則の内容によっては6箇月から1年は休職できます。
イ 休職期間中,健康保険から1年6月を上限として傷病手当金(月給の3分の2)を支給してもらえます(協会けんぽHPの「病気やケガで会社を休んだとき」参照)。
(2) 職場に復帰する際の配慮事項
ア メンタルヘルスの問題で休職した人が職場に復帰する際の配慮事項について,厚生労働省労働基準局安全衛生部労働衛生課が「心の健康問題により休業した労働者の職場復帰支援の手引き~メンタルヘルス対策における職場復帰支援~」を作成しています。
イ 労働者が職種や業務内容を特定せずに労働契約を締結した場合においては,現に就業を命じられた特定の業務について労務の提供が十全にはできないとしても,その能力,経験,地位,当該企業の規模,業種,当該企業における労働者の配置・異動の実情及び難易等に照らして当該労働者が配置される現実的可能性があると認められる他の業務について労務の提供をすることができ,かつ,その提供を申し出ているならば,なお債務の本旨に従った履行の提供があります(最高裁平成10年4月9日判決)。
(3) 事後的に社会保険に加入できること
・ 社会保険への加入手続をしてもらっていなかった場合であっても,労働者としての実態があるのであれば,以下のとおり事後的に社会保険に加入できます。
① 労災保険については労基署の職権による成立手続及び労災保険料の認定手続(労災保険法31条1項1号参照)を経ること
② 雇用保険についてはハローワークの職権による被保険者資格の確認(雇用保険法8条及び9条)を経ること
③ 健康保険については年金事務所又は健康保険組合の職権による確認(健康保険法39条・51条1項)を経ること
④ 厚生年金については年金事務所の職権による確認(厚生年金保険法18条2項)を経ること
(4) 社会保険の適用範囲の拡大
・ 平成28年10月1日,従業員規模501人以上の企業の場合,所定労働時間が週20時間以上30時間未満・月額賃金8.8万円以上・勤務期間1年以上見込み・学生でないパート・アルバイトについても社会保険が適用されるようになりました(政府広報オンラインの「暮らしに役立つ情報」「パート・アルバイトの皆さんへ 社会保険の加入対象が広がっています。」参照)。
(5) 休職中でも社会保険料の負担は続くこと
ア 健康保険料,介護保険料(40歳以上の場合),厚生年金保険料及び雇用保険料の被用者負担分を給料から天引きされています(HR NOTEの「社会保険とは?代表的な4つの保険と今さら聞けない基礎知識」参照)。
イ 休職により健康保険料や厚生年金保険料といった社会保険料が免除されるのは育児休業及び産前産後休暇だけであって,他の理由による休職,休業では労働者負担分の社会保険料を支払う必要があります。
(6) 退職後の傷病手当金
・ 資格喪失日の前日(退職日)までに協会けんぽ又は健康保険組合における被保険者期間が1年以上あり,資格喪失日の前日(退職日)に傷病手当金を受けているか,又は受けられる状態にある人は,退職後も傷病手当金をもらえます(協会けんぽ神奈川支部HPの「ココが知りたい!傷病手当金~制度概要から申請書記入方法など~」参照)。
    ただし,退職後も継続して傷病手当金をもらう予定である場合,退職日当日には絶対に出勤してはなりませんし(有給休暇はOKです。),会社の人に「お世話になりました」等の挨拶回りをしたり,自分の仕事道具を片付けたりするのは退職日の4日以上前にした方がいいです(傷病手当金.com「退職直前の傷病手当金」参照)。
(7) 傷病手当金の支給機関の拡大
・ 令和4年1月1日,傷病手当金の支給期間は支給開始日から「通算して1年6ヶ月」になりました(健康保険法99条4項)。
    そのため,例えば,支給期間中に途中で就労するなど,傷病手当金が支給されない期間がある場合,支給開始日から起算して1年6か月を超えても,繰り越して支給可能になります(厚生労働省HPの「令和4年1月1日から健康保険の傷病手当金の支給期間が通算化されます」参照)。


2 司法修習生の場合
(1)   病気等で修習に参加できない場合,①トータルで45日以内の欠席しか認められていませんし,②導入修習,実務修習の各クール,集合修習,選択型実務修習といったそれぞれの修習単位について半分までの日数の欠席しか認めれていません。
   そのため,それ以上休む必要がある場合,いったん罷免された上で,次年度の司法修習生として再採用される必要があります。
   また,休んでいる期間中,修習給付金及び修習専念資金を支給してもらえるに過ぎません。
(2) 再採用される際の配慮事項について,司法研修所が作成している手引きは特に存在しないと思います。
(3) 健康保険料,介護保険料,厚生年金保険料及び雇用保険料は問題となりませんから,修習給付金から天引きされるものはありません。


第5 妊娠,出産及び育児に関する取扱い
1 民間労働者の場合
(1) 民間労働者が妊娠・出産して育児をする場合,①健康保険から出産育児一時金42万円(協会けんぽHPの「子どもが生まれたとき」参照)を支給してもらえますし,②出産日以前42日から出産日の翌日以降56日までの間,健康保険から出産手当金(賃金日額の3分の2)を支給してもらえますし(協会けんぽHPの「出産手当金」参照),③雇用保険から育児休業給付金(180日目までは賃金日額の67%,181日目以降は賃金日額の50%)を支給してもらえます(大阪労働局HPの「育児休業給付について」参照)。
    また,①産前産後休暇(産前6週間・産後8週間)(労働基準法65条)を取ったり,②原則として1年間の育児休業を取ったりできます(育児・介護休業法9条2項参照)し,③育児休業をしたことを理由として解雇その他不利益な取扱いを受けることはありません(育児・介護休業法10条)。
(2) 産前産後休業期間(産前42日(多胎妊娠の場合は98日),産後56日のうち,妊娠又は出産を理由として労務に従事しなかった期間)について,健康保険・厚生年金保険の保険料は,被保険者が産前産後休業期間中に事業主が年金事務所に申し出ることにより被保険者・事業主の両方の負担につき免除されます。
    申出は,事業主が産前産後休業取得者申出書を日本年金機構(事務センター又は年金事務所)へ提出することにより行います。
    この免除期間は,将来,被保険者の年金額を計算する際は,保険料を納めた期間として扱われます(日本年金機構HPの「厚生年金保険料等の免除」参照)。
(3) 育児・介護休業法による満3歳未満の子を養育するための育児休業等期間について、健康保険・厚生年金保険の保険料は,被保険者が育児休業の期間中に事業主が年金事務所に申し出ることにより被保険者・事業主の両方の負担につき免除されます。
    申出は,事業主が育児休業等取得者申出書を日本年金機構(事務センター又は年金事務所)へ提出することにより行います。
    この免除期間は、将来、被保険者の年金額を計算する際は、保険料を納めた期間として扱われます(日本年金機構HPの「厚生年金保険料等の免除」参照)。
エ 平成29年1月1日,上司・同僚からの,妊娠・出産,育児休業,介護休業等を理由とする嫌がらせ等(いわゆるマタハラ・パワハラ等)を防止する措置を講じることが事業主に義務づけられました(リーフレット「育児・介護休業法が改正されます!-平成29年1月1日施行-」「職場における妊娠・出産・育児休業等に関するハラスメント対策やセクシュアルハラスメント対策は事業主の義務です!!」参照)。
オ 平成29年10月1日以降,保育所等における保育の実施が行われないなどの理由により,子が1歳6ヶ月に達する日後の期間についても育児休業を取得する場合,その子が2歳に達する日前までの期間,育児休業給付金の支給対象となります(厚生労働省HPの「平成29年10月より育児休業給付金の支給期間が2歳まで延長されます」参照)。
   また,事業主は,労働者又はその配偶者が妊娠・出産した場合,家族を介護していることを知った場合に,当該労働者に対して,個別に育児休業・介護休業等に関する定めを周知するように努めることとなりました(育児休業等制度の個別周知)(厚生労働省HPの「平成29年改正法の概要」参照)。
カ 育児・介護休業法については,厚生労働省HPの「育児・介護休業法について」が詳しいです。
   また,平成28年8月2日付の育児・介護休業法に関する施行通達(平成29年9月29日最終改正)を見れば,厚生労働省の解釈が分かります。
キ 外部HPの「あなたの産休・育休の期間と金額を自動計算します。」を使えば,産前・産後休業に関する休業期間,社会保険料免除額,出産育児一時金及び出産手当金,並びに育児休業に関する休業期間,社会保険料免除額及び育児休業給付金を計算できます。
2   司法修習生の場合
(1)   司法修習生が妊娠・出産して育児をする場合,国民健康保険から出産育児一時金を支給してもらえるだけです。
(2) 導入修習,集合修習といったそれぞれの修習単位について半分までの欠席しか認めれていません(民間労働者の場合,産後6週間の女性の就業が禁止されていることにつき労働基準法65条2項ただし書参照)。
   そのため,いったん罷免された上で,次年度の司法修習生として再採用される必要があります。
(3) 司法修習の期間が2年だったときは,女性修習生が修習中に出産した場合であっても,修習の必要出席日数をぎりぎりでクリアできて罷免されずにすんだ事例があったみたいです(東洋経済オンラインの「激務さんの「最強育児」は,ママ弁護士に学べ」参照)。
(4) 34期の赤根智子法務総合研究所長(平成26年当時)の場合,産後のみ約1ヶ月のお休みをもらった後,司法修習に復帰したみたいです(内閣官房内閣人事局HPの赤根智子法務総合研究所長の記事参照)。
(5) 愛知県弁護士会HPの「『女性法曹に聞く法曹の魅力』~綿引万里子名古屋高等裁判所長官・赤根智子国際刑事裁判所裁判官・鬼丸かおる元最高裁判所裁判官~」には,鬼丸かおる 元最高裁判所判事の発言として,「修習中に出産しましたので、弁護士になった時点で、子どもが1人いました。」と書いてあります。
(6) 東弁リブラ2015年4月号「湯島2期…「司法の危機」時代の青春」には,25期の酒井幸 弁護士の体験談として以下の記載があります。
     私は実務修習中に結婚し,出産した。後期が始まる直前の10月18日,弁護修習の時に長男を出産。修習担当の山本晃夫弁護士(第一東京弁護士会)は,体調を気遣ってくださりながら,大きなお腹を抱える私を伴い,告訴状を出しに警察へも同行してくださった。修習生に産休はなく,2年間の総欠席日数のリミットの範囲で,産前は約1ヶ月休み,産後は11月下旬に始まる後期修習から出た。弁護修習の欠席日数は,多少おまけをしていただいたような気がする。山本弁護士は早く鬼籍に入られ,もうお礼を申し上げることができない。
     子育ても頑張りながら緊張が続いた修習最後の二回試験では,さすがに一晩入院する羽目になり,口述試験を後ろのグループに変えてもらい,薄氷を踏む思いでクリアした。柔軟な対応はありがたかった。


第6 最低賃金法との関係
1 研修医の場合
   臨床研修のプログラムに参加している研修医は労働基準法9条所定の労働者に該当しますから, 最低賃金法の適用があります(最高裁平成17年6月3日判決)。
2 司法修習生の場合
(1) 最低賃金法が適用されない司法修習生の修習資金貸与制については,司法修習生の修習資金貸与制」を参照して下さい。
(2) 71期以降の司法修習生については,修習給付金の基本手当として月額13万5000円が支給されます(「司法修習生の修習給付金及び修習専念資金」参照)。
   ところで, 平成28年10月1日発効の,埼玉県最低賃金は時給845円です(埼玉労働局HPの「埼玉県の最低賃金」参照)。
   そのため,埼玉県において最低賃金で1日8時間働いた場合の30日分の給料は,845円×40時間×30日/7日=14万4857円となります。
   よって,司法修習が労働に該当するとした場合,月額13万5000円の修習手当は,埼玉県の最低賃金を下回ることとなります。


第7 労働時間等の管理の有無
1 民間労働者の場合
(1) 労働時間の意義等
ア 労働基準法32条の労働時間とは,労働者が使用者の指揮命令下に置かれている時間をいい,右の労働時間に該当するか否かは,労働者の行為が使用者の指揮命令下に置かれたものと評価することができるか否かにより客観的に定まるものであって,労働契約,就業規則,労働協約等の定めのいかんにより決定されるものではありません(三菱重工業長崎造船所事件に関する最高裁平成12年3月9日判決)。
イ 憲法27条2項は,「賃金、就業時間、休息その他の勤労条件に関する基準は、法律でこれを定める。」と定めています。
(2) 労働時間の管理
ア 平成12年11月30日付の「労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関する基準」に基づき,使用者は,労働時間を適正に管理するため,労働者の労働日ごとの士業・終業時刻を確認し,これを記録する必要がありますし,原則として,タイムカード,ICカード等の客観的な記録を基礎として始業・終業時刻を確認し,記録する必要があります。
   また,労働時間の記録に関する書類については,労働基準法109条に基づき3年間保存する必要があります。
イ 未払い賃金・残業代ネット相談室HP「未払い残業代請求に対する使用者側からの反論・争点」が載っています。
ウ 平成29年1月20日付の「労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関するガイドライン」では,従前の基準では明確にされていなかった労働時間について以下の説明がなされています。なお,厚生労働省HPの「労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関するガイドライン」と題するパンフレットが詳しいですし,椎名宮崎社会保険労務士法人HP「労働時間適正把握対照表」を見れば,平成12年の基準と平成29年のガイドラインの違いがよく分かります。
     労働時間とは、使用者の指揮命令下に置かれている時間のことをいい、使用者の明示又は黙示の指示により労働者が業務に従事する時間は労働時間に当たる。そのため、次のアからウのような時間は、労働時間として扱わなければならないこと。
    ただし、これら以外の時間についても、使用者の指揮命令下に置かれていると評価される時間については労働時間として取り扱うこと。
(中略)
ウ   参加することが業務上義務づけられている研修・教育訓練の受講や、使用者の指示により業務に必要な学習等を行っていた時間


2 司法修習生の場合
(1)    登庁又は出勤の状況は出勤簿等によって把握され,何らかの理由で登庁又は出勤が遅れた場合,遅参届を提出する必要がありますものの,修習時間を適切に管理するためのものではないと思います。
(2)  司法修習は,法曹三者となるために参加することが業務上義務づけられている研修・教育訓練の受講に当たると思いますが,労働時間には該当しません。


第8 労働基本権の有無
1 民間労働者の場合
(1) 憲法28条のほか,労働組合法及び労働関係調整法に基づき,労働基本権として団結権,団体交渉権及び団体行動権(典型例が争議権です。)が保障されています。
(2) 労働組合法1条2項は,「刑法(明治四十年法律第四十五号)第三十五条の規定は、労働組合の団体交渉その他の行為であつて前項に掲げる目的を達成するためにした正当なものについて適用があるものとする。但し、いかなる場合においても、暴力の行使は、労働組合の正当な行為と解釈されてはならない。」と定めています。
(3) 労働組合法7条に基づき,以下の行為は不当労働行為として禁止されています(厚生労働省HPの「不当労働行為とは」参照)。
① 組合員であることを理由とする解雇その他の不利益取扱い(1号)
② 正当な理由のない団体交渉の拒否(2号)
③ 労働組合の運営等に対する支配介入及び経費援助(3号)
④ 労働委員会への申立て等を理由とする不利益取扱い(4号)
(4) 不当労働行為があった場合,都道府県労働委員会に対する救済申立てができます(行為の日から1年以内に行う必要があることにつき労働組合法27条2項)し,都道府県労働委員会の発した命令に不服がある当事者は,中央労働委員会に対する再審査の申立てをしたり,地方裁判所に命令の取消しを求める行政訴訟(取消訴訟)を提起したりできます(厚生労働省HPの「不当労働行為事件の審査手続きの流れ」参照)。


(5) 大阪府労働委員会の場合,大阪府知事が任命した公益委員・労働者委員・使用者委員による三者同数(公益・労働者・使用者を代表する各側11名)の委員で構成されています(大阪府労働委員会HP参照)。
(6) 労働組合法に適合する旨の労働委員会の証明を受けた労働組合は,主たる事務所の所在地において登記をすることによって法人となります(労働組合法11条1項,労働組合法施行令2条及び3条)。
(7) 使用者が誠実に団体交渉に応ずべき義務に違反する不当労働行為をした場合には,当該団体交渉に係る事項に関して合意の成立する見込みがないときであっても,労働委員会は,使用者に対して誠実に団体交渉に応ずべき旨を命ずることを内容とする救済命令を発することができます(最高裁令和4年3月18日判決)。


2 国家公務員の場合(総務省HPの「国家公務員及び地方公務員における労働基本権について」参照)
(1) 国家公務員のうち,特定独立行政法人の職員,国有林野事業を行う国の経営する企業の職員には団結権及び団体交渉権(団体協約締結権を含む。)が認められ,非現業職員には団結権及び団体交渉権(ただし,団体協約締結権は除く。)が認められます。
   しかし,自衛隊員,警察職員,海上保安庁職員及び刑事施設職員については明文で団結権及び団体交渉権が認められていません(自衛隊法64条,国家公務員法108条の2第5項)。
(2) 国家公務員の場合,民間企業の労働組合に相当するものとして,職員団体があります(国家公務員法108条の2及び108条の3・裁判所職員臨時措置法)。
   裁判所には全司法労働組合(全司法)(裁判所書記官,裁判所事務官,裁判所速記官,家庭裁判所調査官等で構成されています。)があり,法務省には全法務省労働組合(全法務)(法務省,法務局,保護局,入国管理局及び少年院・少年鑑別所の職員で構成されています。)があります(国交労連(国家公務員労働組合連合会)HP「各単組の紹介」参照)。
(3) 管理職員等と管理職員等以外の職員とは,同一の職員団体を組織することができず,両者が組織する団体は,国家公務員法上の職員団体ではないとされています(国家公務員法108条の2第3項)。
    これは,管理職員等とその他の職員とでは,労使関係における立場を異にし,利害が対立する関係にあるので,この両者が混在して同一の団体を組織することは,職員団体本来の目的である構成員の職業上の共通の利益を,民主的,自主的に追求する健全な基礎を欠くものと判断されるためです。
(4) 行政機関職員の職員団体は人事院に,裁判所職員の職員団体は最高裁判所に登録を申請することにより,法人となることができます(職員団体等に対する法人格の付与に関する法律3条1項1号及び2号)。
(5) 29期の大谷直人最高裁判所人事局長は,平成22年11月16日の衆議院法務委員会において以下の答弁をしていますから,裁判官については解釈上,団結権及び団体交渉権が認められていません。
    これまで我が国におきまして、裁判官の労働基本権ということが問題となった事例がございませんで、法令の解釈にかかわるという事柄でもありますので、私の立場から意見を述べることは差し控えさせていただきたいと思うわけです。
    従来から、裁判官につきましては、憲法によって報酬あるいは身分といったものについて強い保障を受けるとともに、職務の執行についてもその独立性が強く保障されているわけでございます。一般の勤労者のように、使用者と対等の立場に立って経済的地位の向上あるいは労働条件の改善を図る必要がない、こういった理由から、裁判官に、労働組合を結成し、またはこれに加盟する権利は認められない、このように理解されてきたものと承知しております。


3 地方公務員の場合(総務省HPの「国家公務員及び地方公務員における労働基本権について」参照)
(1) 地方公務員のうち,企業職員には団結権及び団体交渉権(団体協約締結権を含む。)が認められ,非現業職員には団結権及び団体交渉権(ただし,法的拘束力のない書面による協定を締結する権限までに限る。)が認められます。
    しかし,警察職員及び消防職員については明文で団結権及び団体交渉権が認められていません(地方公務員法37条,52条5項)。
(2) 地方公務員の場合,民間企業の労働組合に相当するものとして,職員団体があります(地方公務員法52条及び53条)。
     大阪市の職員団体としては,大阪市労働組合連合会,大阪市労働組合総連合,大阪市職員労働組合,大阪市従業員労働組合,大阪市役所労働組合,なかまユニオン大阪市職員支部があるみたいです(大阪市HPの「職員団体及び労働組合との交渉など」参照)。
(3) 管理職員等と管理職員等以外の職員とは,同一の職員団体を組織することができず,両者が組織する団体は,地方公務員法上の職員団体ではないとされています(地方公務員法52条3項)。
(4) 地方公共団体の職員団体は地方公共団体の人事委員会又は公平委員会に登録を申請することにより,法人となることができます(職員団体等に対する法人格の付与に関する法律3条1項3号)。
(5) 京都府HPに「職員の勤務条件と職場の安全衛生~労働基準法・労働安全衛生法関係事務の手引~」が載っています。
4 司法修習生の場合
   そもそも労働者でありませんから,労働基本権はありません。


第9 代償措置の有無
1 国家公務員の場合
(1) 行政機関の国家公務員の場合,人事院があります(人事院HPの「労働基本権と人事院勧告の意義」参照)
(2) 人事院の場合,官房部局のほか,職員福祉局,人材局,給与局及び公平審査局があります(人事院HPの「人事院とは?」参照)。
(3) 裁判所職員の場合,最高裁判所行政不服審査委員会がありますものの,準司法的権限しか有していないと思います。
(4) 全農林警職法事件に関する最高裁大法廷昭和48年4月25日判決は,以下のとおり判示しています(改行を追加しました。)。
   その争議行為等が、勤労者をも含めた国民全体の共同利益の保障という見地から制約を受ける公務員に対しても、その生存権保障の趣旨から、法は、これらの制約に見合う代償措置として身分、任免、服務、給与その他に関する勤務条件についての周到詳密な規定を設け、さらに中央人事行政機関として準司法機関的性格をもつ人事院を設けている。ことに公務員は、法律によつて定められる給与準則に基づいて給与を受け、その給与準則には俸給表のほか法定の事項が規定される等、いわゆる法定された勤務条件を享有しているのであつて、人事院は、公務員の給与、勤務時間その他の勤務条件について、いわゆる情勢適応の原則により、国会および内閣に対し勧告または報告を義務づけられている。
   そして、公務員たる職員は、個別的にまたは職員団体を通じて俸給、給料その他の勤務条件に関し、人事院に対しいわゆる行政措置要求をし、あるいはまた、もし不利益な処分を受けたときは、人事院に対し審査請求をする途も開かれているのである。
   このように、公務員は、労働基本権に対する制限の代償として、制度上整備された生存権擁護のための関連措置による保障を受けているのである。
2 地方公務員の場合
(1) 都道府県及び政令指定都市の場合,地方自治法202条の2第1項・地方公務員法7条1項に基づき人事委員会が設置されています。
   和歌山市の場合,地方自治法202条の2第1項・地方公務員法7条2項に基づき人事委員会が設置されています。
   それ以外の市の場合,地方自治法202条の2第2項・地方公務員法7条3項に基づき公平委員会が設置されています。
(2) 人事委員会及び公平委員会の権限は地方公務員法8条に書いてあります。
(3) 大阪市人事委員会の場合,主な業務は,①給与,勤務時間その他の勤務条件等に関する調査研究,②職員の給与に関する報告及び勧告,③職員等に関する条例の制定又は改廃に関する意見の申出,④職員の採用試験及び昇任選考等,⑤公平審査関係事務等(勤務条件に関する措置の要求,不利益処分に関する審査請求等),⑥労働基準監督機関としての業務及び⑦職員団体の登録等となっています(大阪市HPの「人事委員会の主な業務」参照)。
3 司法修習生の場合
    そもそも労働者でありませんから,労働基本権の制約に対する代償措置はありません。


第10 関連記事その他
1 憲法11条は「国民は、すべての基本的人権の享有を妨げられない。この憲法が国民に保障する基本的人権は、侵すことのできない永久の権利として、現在及び将来の国民に与へられる。」と定め,憲法12条前段は「この憲法が国民に保障する自由及び権利は、国民の不断の努力によつて、これを保持しなければならない。」と定めています。
2 職業訓練の実施等による特定求職者の就職の支援に関する法律案 御説明資料(平成23年1月の厚生労働省の内閣法制局審査資料)10頁には以下の記載があります。
    『職業訓練」は労働者(求職者を含む。以下同じ。)が職業に必要な技能及びこれに関する知織を取得することを目的として行われるものを指すのに対し、「教育訓練」は、労働者に限らず幅広い対象者に対する教育を目的として行われるものを指すという概念上の違いがある。
3 下請企業の労働者が元請企業の作業場で労務の提供をするに当たり,元請企業の管理する設備工具等を用い,事実上元請企業の指揮監督を受けて稼働し,その作業内容も元請企業の従業員とほとんど同じであったなどといった事実関係の下においては,元請企業は,信義則上,右労働者に対し安全配慮義務を負います(最高裁平成3年4月11日判決)。
4(1) 平成29年4月24日付の司法行政文書不開示通知書によれば,最高裁判所が司法修習生に対して負っている安全配慮義務の内容が分かる文書は存在しません。
(2) 二弁フロンティア2021年5月号に「病気休職・復職に関する近時の 裁判例の動向と分析(前編)」が載っていて,二弁フロンティア2021年6月号に「病気休職・復職に関する近時の 裁判例の動向と分析(後編)」が載っています。
(3) 最高裁平成26年3月24日判決は,「労働者に過重な業務によって鬱病が発症し増悪した場合において,使用者の安全配慮義務違反等に基づく損害賠償の額を定めるに当たり,当該労働者が自らの精神的健康に関する一定の情報を使用者に申告しなかったことをもって過失相殺をすることができないとされた事例」です。


5  被用者が使用者の事業の執行について第三者に損害を加え,その損害を賠償した場合には,被用者は,使用者の事業の性格,規模,施設の状況,被用者の業務の内容,労働条件,勤務態度,加害行為の態様,加害行為の予防又は損失の分散についての使用者の配慮の程度その他諸般の事情に照らし,損害の公平な分担という見地から相当と認められる額について,使用者に対して求償することができます(最高裁令和2年2月28日判決)。
6  使用者が誠実に団体交渉に応ずべき義務に違反する不当労働行為をした場合には,当該団体交渉に係る事項に関して合意の成立する見込みがないときであっても,労働委員会は,使用者に対して誠実に団体交渉に応ずべき旨を命ずることを内容とする救済命令を発することができます(最高裁令和4年3月18日判決)。
7 MoneyForwardクラウド給与HP「日給月給制とは?月給制との違いとメリットを解説!」が載っています。
8 厚生労働省HPの「いわゆる「シフト制」について」に「いわゆる「シフト制」により就業する労働者の適切な雇用管理を行うための留意事項」が載っています。
9 以下の記事も参照してください。
・ 司法修習生の採用選考の必要書類
 司法修習生の採用選考に関する公式文書
 司法修習生の採用選考に必要な書類の掲載時期
・ 司法修習生の国籍条項に関する経緯
・ 業務が原因で心の病を発症した場合における,民間労働者と司法修習生の比較
 司法修習生の司法修習に関する事務便覧
 司法修習生の旅費に関する文書
 採用内定留保者に対する面接(司法修習)
 司法修習開始前に送付される書類
 司法研修所の沿革
・ 外国人技能実習生と司法修習生との比較
・ 恩赦の効果
 前科抹消があった場合の取扱い