目次
1 修習教材のPDF化に伴う弊害が分かる文書は存在しないこと
2 司法研修所における,Microsoft365の各種機能の活用予定
3 総務省等の説明
4 インターネットFAX
5 関連記事その他
1 修習教材のPDF化に伴う弊害が分かる文書は存在しないこと
(1) 平成31年3月25日付の最高裁判所事務総長の理由説明書には,「最高裁判所の考え方及びその理由」として以下の記載があります。
修習記録,教材・資料等の紙媒体の配布物等の電子データ化は,司法修習生が取り扱う修習関連の情報をあらゆる脅威から守り,必要な情報セキュリティを確保するための対策として,情報の流出・拡散を防止する観点から禁止されているものであり,情報公開請求(裁判所における司法行政文書の開示)の制度により開示されるか否かとは観点が異なるものであるから,同制度との関係を検討する必要性はなく,検討は行っていない。
したがって,本件開示申出にかかる文書は作成しておらず,取得もしていない。
(2) 本件開示申出にかかる文書は,「司法修習生が修習教材としての一般資料のうち,情報公開請求により開示される部分を個人使用目的でPDF化した場合,どのような弊害が発生すると司法研修所が考えているかが分かる文書(最新版)」です。
事務処理の要諦。いつでもどこでも作業できること。かつ,いつでもどこでも当該作業を再現できること。これに尽きる。なので記録はDropboxで全件クラウド化。依頼者とのやりとりも電話は避けメールとSNSでやってた。事務所固定電話が弱点だった。しかし電話をクラウド化できた。録音も全件。これで完成
— 上がり弁 (@vqDTGOeBdSk0IQ9) August 21, 2021
刑事事件記録を全てオンライン上でまとめることができるサービス「弁護革命」。https://t.co/c0u1Fv5X96
後藤貞人先生、高野隆先生の推薦文が出ていてすごい破壊力!と思って運営会社を見たら、代表は後藤先生の事務所に所属されている山本了宣先生でした。現場を知り尽くしたプロが作っている。 pic.twitter.com/K4QrxYliZp
— Legal News(リーガルニュース) (@legalnews_jp) November 13, 2020
歴史的な昨年の中絶判決の内容を、POLITICOが事前にスクープした件で、米連邦最高裁が報告書をまとめた。
結論は「誰が漏らしたかは特定できず」。ハッキングの痕跡はなく、草稿にアクセスできた82人の職員らは関与を否定したという。https://t.co/jcJfMRzPbw— 高野遼 / Ryo Takano (@takano_r) January 19, 2023
2 司法研修所における,Microsoft365の各種機能の活用予定
・ 最高裁判所の令和4年度概算要求書(説明資料)691頁には,「Microsoft365ライセンス経費」として以下の記載があります。
<要求要旨>
民事事件を始めとする各種手続についてIT化が推進されている状況にあるところ,法曹養成を目的とする司法研修所においても,IT技術を取り入れながら,実効性の高い修習を実施し,IT化社会に対応可能なプロフェッションを養成していく必要がある。
具体的には,Microsoft365の各種の機能を最大限活用することにより,司法研修所と司法修習生間における適時,適切な情報共有はもとより,コミュニケーションツールを利用したきめ細やかな指導等を行うことで,司法修習のさらなる充実化を図るとともに,これまで約1500人もの司法修習生に対し,都度行ってきた事務連絡や講義資料の印刷・発送等にかかる業務軽減や従前外注にて行ってきた修習のアンケート等の実施・結果集計を,外注することなく実施することが可能となる等,司法修習の充実化あるいは事務の適正,合理化に資する効果は極めて大きい。
また,ITツールの活用にあたっては,適切な情報セキュリティ対策を施す趣旨から,ウイルス対策などのセキュリティソフトを導入する必要がある。
そこで,Microsoft365の機能を利用できる環境を構築するために必要となる,ソフトウェアライセンスの経費を要求する。
資料をPDF化するに当たっての敵一覧
・時折挟まれるA3用紙の図面
・分厚い束をぶっといホッチキスで留めてる
・付箋…他は何かあるかな。
— こんたけ (@takeshiful) December 2, 2016
司法修習がpdfにわけのわからんセキュリティをかけているせいで、「このpdfを印刷して持ってこい」と言われてもコンビニで印刷できないやんけ
— 森尾 (@muriomorio) November 29, 2022
こんなニュースが。
アメリカの裁判所はITや情報の利用が盛んというイメージがありましたが、案外こういうところに厳格なルールがない(又はあったとしても厳格に守られてはいない)ものなのでしょうかね。https://t.co/HH8czHj1QZ— greatminer (@greatminer2001) February 5, 2023
3 総務省等の説明
(1) 総務省HPの情報通信統計データベースに掲載されている通信利用動向調査には,デジタルデータの収集状況のことも書いてあります。
(2) 「政府情報システムにおけるクラウドサービスの利用に係る基本方針」(平成30年6月7日付の各府省情報化統括責任者(CIO)連絡会議決定)には以下の記載があります。
インターネットとの接続の有無のみによって、情報システムの安全性を単純に判断してはいけない。情報セキュリティを重視して情報システムをインターネットから物理的に分離する場合は、物理分離を実施していることだけをもって十分な情報セキュリティ対策を講じているわけではないことを理解し、物理分離と従来型のセキュリティ対策に加え、最新技術の適切な組み合わせによる多重防御を実施することが望ましい。また、インターネットに接続されていることだけからクラウドサービスが危険だろうと思い込んではいけない。
事務局から見た弁護革命の利点には
・証拠作成が楽に。
・証拠説明書が弁護革命で作れるので、手間が減った。
・書類を探す時間が凄く減った。
・弁護士に紙の書類を渡したりデータをメールで送る手間がなくなった。
・記録の取り合いがなくなった。
・テレワークができるように。
といったものが。— 古家野 彰平 (@shoheikoyanolaw) May 25, 2022
デジ庁発足のなか、今日も霞が関の片隅で、パソコンのメモリ不足でワードが2回クラッシュして文章が全て消え、メールボックスの容量制限のためメールをひたすら削除し、去年公文書文章管理されていないフォルダを発掘してしまい、200以上のファイルを手作業で分類し直さなきゃいけなくなっています…
— まるこ@霞が関女子 (@1mdHrIstFa0cGy3) September 2, 2021
4 インターネットFAX
1 eFax HPの「インターネットファックスとは」には以下の記載があります。
インターネットFAXとは、インターネットを通じてファックスのやり取りができるサービスです。
電話回線ではなく、インターネット回線を通じてFAXの送受信を行います。もちろん従来のファックス機を必要としません。
2 ワイマガHPに「eFAXの評判は悪い?口コミからメリット、デメリットを解説!」が載っています。
5 関連記事その他
(1)ア 東洋経済オンラインに「笑いごとじゃない!「PPAP」直ちに禁止すべき訳 セキュリティ面で懸念大、長年の慣習が崩れる」が載っています。
イ PPAPは,「Password付きZIPファイルを送ります、Passwordを送ります、Aん号化(暗号化)Protocol(プロトコル)」の略であって,最初に暗号化したパスワード付きZIPファイルを添付したメールを送り,その直後に解凍する際のパスワードを別のメールで送るという手順をいいます。
(2)ア 二弁フロンティア2021年7月号の「弁護士の新しい働き方」には「PC は、スタンドアローン、つまりネットワークにつながっていなければ意味がありません。」と書いてあります。
イ 二弁フロンティア2022年6月号に「「IT嫌い」「IT初心者」(!?)のための サイバーセキュリティ入門 ~14のQ&A~」が載っています。
(3) 刑事手続とIT(判例時報2490号(2021年10月1日号)及び2491号(2021年10月11日号))には,①証拠開示のデジタル化,②ビデオリンク尋問の拡大,その他の手続でのビデオの活用,③ビデオ接見(弁護人・家族)及び④令状のオンライン化の問題点について刑事事件に詳しい弁護士が解説しています。
(4) Blue Planet-worksの「企業は使用を禁止すべき? USBメモリの危険性」には以下の記載があります。
USBメモリはコンパクトな記憶装置であるため、簡単に紛失したり盗難に遭ったりする危険性があります。会社のパソコンからデータをUSBメモリにコピーし、別の拠点や自宅に運ぶような場合、社外で紛失や盗難が発生すれば、すぐに情報漏えいの危機につながります。あるいは、本来あってはならないことですが、USBメモリは内部不正が行われる際にもデータ持ち出しのためにしばしば使用されます。便利であるがゆえに、危険度も高いアイテムだといえます。
(5) 以下の記事も参照して下さい。
・ 民事裁判手続のIT化
・ 裁判官の記録紛失に基づく分限裁判
・ 司法修習開始前に送付される資料
・ 司法修習生の司法修習に関する事務便覧
・ 検察終局処分起案の考え方
・ 司法修習生の旅費に関する文書
司研「起案が手書きなのは、修習生の中にはPCが使えない人がいるかも知れないからです」
司研「集合修習はマイクロソフトteamsを使います。teamsをダウンロードした後、二段階認証用アプリをスマホでインストールしてログインしてもらいます。teamsが使えるPCとネット環境は各自で用意すること」
— ガツ (@gatsu73) September 28, 2020
フードコートで「テクノロジーに見た目が追いつかない」と思った話 pic.twitter.com/L74csNodSO
— すぴかあやか(角田綾佳)@キテレツ (@spicagraph) June 28, 2018
1 紙媒体の配布物等を電子データ化して情報を作成した司法修習生が懲戒処分を受けた事例に関する文書は存在しません。
2 紙媒体の配布物等を電子データ化した情報を保存,複製,配布又は外部に提供した司法修習生が懲戒処分を受けた事例に関する文書は存在しません。 pic.twitter.com/OmlLXL1dBp
— 弁護士 山中理司 (@yamanaka_osaka) March 27, 2021
R031227 最高裁判所事務総長の理由説明書(司法修習予定者に送付した書類については,要返却資料も含めて司法修習予定者が書き込みを行っても差支えないものとして取り扱われている。)を添付しています。 pic.twitter.com/refGunFvnP
— 弁護士 山中理司 (@yamanaka_osaka) January 16, 2022
彼女は「(懸念は)ない」と迷いなく答えた。「刑事司法のIntegrityを担う一員として、私は弁護人を信頼している。そもそも相手に対する信頼がなかったらこの制度は成り立たない。そして私はドイツの制度のIntegrityを信じている」と。彼女のハキハキ話す様もあって、その言葉にジーンとしてしまった。
— 和田恵/WADA, Megumi (@Megumiwada3) August 8, 2022
尼崎の件、教材として完璧。
・BIPROGY(旧・日本ユニシス)の協力会社社員が
・尼崎全市民46万人の個人情報データを
・許可を得ずUSBメモリに入れて持ち出し
・作業後データ消去せず
・居酒屋で泥酔後、路上で寝てしまい
・USBメモリを鞄ごと紛失
・翌日届出
・記者会見でパスワード構成と桁数をばらす pic.twitter.com/J4BW45IDtL— ブラック企業アナリスト 新田 龍(労働マナー講師) (@nittaryo) June 23, 2022
弁護革命に、本格的なPDF編集機能が登場です。
墨消し、分割、抽出などなど、弁護革命上で基本的なPDFファイルの操作が完結できるようになりました。
ツール>PDF分割・フリー加工 などから。(v1-16-2より) pic.twitter.com/n2Edc2noEt— 弁護革命 (@bengoKakumei) March 9, 2022
検察庁テレワークガイドラインについて(令和4年3月22日付の最高検察庁総務部長の通知)を掲載しています。https://t.co/UAnrBwd7Ff pic.twitter.com/HkB9S6Xnzq
— 弁護士 山中理司 (@yamanaka_osaka) April 11, 2023