法務省関係
東京地検が,報道機関に対し,平成31年4月4日のカルロス・ゴーンの逮捕に関して提供した文書は,翌日までに廃棄されたこと等
1 行政文書の管理に関するガイドライン(平成23年4月1日内閣総理大臣決定)第4-3-(6)によれば,「定型的・日常的な業務連絡、日程表等」については,保存期間を1年未満とすることができます。
2(1) 平成31年3月22日付の東京地検の不開示決定通知書によれば,東京地検が,報道機関に対し,ゴーン及びケリーの逮捕等に関して提供した文書は,同年2月20日までに廃棄されました。
(2) 平成31年4月26日付の東京地検の不開示決定通知書によれば,東京地検が,報道機関に対し,平成31年4月4日のカルロス・ゴーンの逮捕に関して提供した文書は,翌日までに廃棄されました。
(3) 令和元年5月23日付の東京地検の不開示決定通知書によれば,東京地検が,報道機関に対し,平成31年4月下旬のカルロス・ゴーンの保釈の判断に関して,東京地検が報道機関に提供した文書は,同年5月7日までに廃棄されました。
(4) ちなみに,裁判所の情報公開手続では,カルロス・ゴーンの刑事手続の存在自体が個人識別情報として不開示情報とされています(「カルロス・ゴーンの刑事手続に関する文書は個人識別情報として不開示情報であること」参照)。
3 行政文書の管理に関するガイドライン第4は以下のとおりです。
第4 整理
1 職員の整理義務
職員は、下記2及び3に従い、次に掲げる整理を行わなければならない。
(1) 作成又は取得した行政文書について分類し、名称を付するとともに、保存期間及び保存期間の満了する日を設定すること。
(2) 相互に密接な関連を有する行政文書を一の集合物(行政文書ファイル)にまとめること。
(3) (2)の行政文書ファイルについて分類し、名称を付するとともに、保存期間及び保存期間の満了する日を設定すること。
2 分類・名称
行政文書ファイル等は、当該行政機関の事務及び事業の性質、内容等に応じて系統的(三段階の階層構造)に分類(別表第1に掲げられた業務については、同表を参酌して分類)し、分かりやすい名称を付さなければならない。
3 保存期間
(1) 文書管理者は、別表第1に基づき、保存期間表を定め、これを公表しなければならない。
(2) 文書管理者は、保存期間表を定め、又は改定した場合は、総括文書管理者に報告するものとする。
(3) 1-(1)の保存期間の設定については、保存期間表に従い、行うものとする。
(4) 1-(1)の保存期間の設定及び保存期間表においては、法第2条第6項の歴史公文書等に該当するとされた行政文書にあっては、1年以上の保存期間を定めるものとする。
(5) 1-(1)の保存期間の設定及び保存期間表においては、歴史公文書等に該当しないものであっても、行政が適正かつ効率的に運営され、国民に説明する責務が全うされるよう、意思決定過程や事務及び事業の実績の合理的な跡付けや検証に必要となる行政文書については、原則として1年以上の保存期間を定めるものとする。
(6) 1-(1)の保存期間の設定においては、 (4)及び(5)の規定に該当するものを除き、保存期間を1 年未満とすることができる(例えば、次に掲げる類型に該当する
文書。)。
① 別途、正本・原本が管理されている行政文書の写し
② 定型的・日常的な業務連絡、日程表等
③ 出版物や公表物を編集した文書
④ ○○省の所掌事務に関する事実関係の問合せへの応答
⑤ 明白な誤り等の客観的な正確性の観点から利用に適さなくなった文書
⑥ 意思決定の途中段階で作成したもので、当該意思決定に与える影響がないものとして、長期間の保存を要しないと判断される文書
(7) 1-(1)の保存期間の設定においては、通常は1 年未満の保存期間を設定する類型の行政文書であっても、重要又は異例な事項に関する情報を含む場合など、合理的な跡付けや検証に必要となる行政文書については、1年以上の保存期間を設定するものとする。
(8) 1-(1)の保存期間の起算日は、行政文書を作成し、又は取得した日(以下「文書作成取得日」という。)の属する年度の翌年度の4月1日とする。ただし、文書作成取得日から1年以内の日であって4月1日以外の日を起算日とすることが行政文書の適切な管理に資すると文書管理者が認める場合にあっては、その日とする。
(9) 1-(3)の保存期間は、行政文書ファイルにまとめられた行政文書の保存期間とする。
(10) 1-(3)の保存期間の起算日は、行政文書を行政文書ファイルにまとめた日のうち最も早い日(以下「ファイル作成日」という。)の属する年度の翌年度の4月1日とする。ただし、ファイル作成日から1年以内の日であって4月1日以外の日を起算日とすることが行政文書の適切な管理に資すると文書管理者が認める場合に
あっては、その日とする。
(11) (8)及び(10)の規定は、文書作成取得日においては不確定である期間を保存期間とする行政文書及び当該行政文書がまとめられた行政文書ファイルについては、適用しない。
法務総合研究所
目次
1 法務総合研究所の組織及び所在地
2 法務総合研究所の各部の所掌事務等
3 法務総合研究所教官
4 法務省浦安総合センター
5 法務総合研究所の沿革
6 検察事務官向けの法務総合研究所の研修教材
7 関連資料及び関連記事
1 法務総合研究所の組織及び所在地
(1) 法務総合研究所(略称は「法総研」です。)には,以下の七部があります(法務総合研究所組織規則3条)。
① 総務企画部
② 研究部
③ 研修第一部
④ 研修第二部
⑤ 研修第三部
⑥ 国際連合研修協力部
⑦ 国際協力部
(2) 法務総合研究所のパンフレットによれば,それぞれの所在地は以下のとおりです。
① 総務企画部,研修第一部,研修第二部及び研修第三部は,法務本省が入居している赤れんが棟(東京都千代田区)にあります。
② 研究部は,法務省浦安総合センター(千葉県浦安市)にあります。
③ 国際連合研修協力部(国連アジア極東犯罪防止研修所)(略称はアジ研又はUNAFEI(ユナフェイ))及び国際協力部は,国際法務総合センター(東京都昭島市)にあります。
2 法務総合研究所の各部の所掌事務等
(1)ア 研究部は刑事政策全般に関する総合的な調査・研究を行っており,調査・研究の対象は,検察,刑事裁判,矯正及び更生保護となっており(法務総合研究所組織規則11条),毎年,犯罪白書を作成しています。
イ 研修第一部は法律実務家研究等を行っています(法務総合研究所組織規則12条)。
ウ 研修第二部は検事,副検事,検察事務官及び保護観察官に対する各種の研修を行っています(法務総合研究所組織規則13条)。
エ 研修第三部は法務局職員,入国審査官,入国警備官に対する各種の研修を行っています(法務総合研究所組織規則14条)。
オ 国際連合研修協力部は国連アジア極東犯罪防止研修所(略称はUNAFEI=ユナフェイ)の運営を行っています(法務総合研究所組織規則15条)。
カ 国際協力部は法務省が行う国際協力の一環として,関係機関と協力してアジア諸国に対する基本法令の起草・改正,司法制度の整備,法曹人材の育成への支援などの法整備支援活動を行っています(法務総合研究所組織規則16条)。
(2) 59期の飯島暁裁判官は法務総合研究所研修第三部教官でしたから,法務局職員,入国審査官,入国警備官に対する各種の研修を担当していたことになります。
3 法務総合研究所教官
(1) 平成27年7月21日現在,研修第一部には研修第一部長を含めて7人の教官がいて,研修第二部には研修第二部長を含めて9人の教官がいて,研修第三部には研修第三部長を含めて8人の教官がいて,国際連合研修協力部には国際連合研修協力部長を含めて10人の教官がいて,国際協力部には国際協力部長を含めて11人の教官がいました。
(2) 裁判官出身の教官は,研修第三部に1人,国際連合研修協力部に1人,国際協力部に2人いました。
(3)ア 法務総合研究所教官職員名簿を以下のとおり掲載しています。
・ 令和 6年4月 1日時点の名簿
・ 令和 5年4月 1日時点の名簿
・ 令和 4年4月26日時点の名簿
・ 令和 3年4月26日時点の名簿
・ 令和 2年4月23日時点の名簿
・ 平成31年4月 5日時点の名簿
・ 平成30年4月13日時点の名簿
・ 平成28年8月 5日時点の名簿
イ 平成28年8月5日時点の名簿につき,裁判官出身の教官は以下の4人でした。
・ 59期の飯島暁 研修第三部教官
・ 新60期の平野望 国際連合研修協力部教官
・ 新60期の東尾和幸 国際協力部教官
・ 新62期の湯川亮 国際協力部教官
(4)ア 法務総合研究所教官は,少年院や少年鑑別所などに勤務する法務教官とは異なります。
イ 全国の刑務所,少年刑務所,拘置所,少年院,少年鑑別所等に勤務する矯正職員に対する研修は,法務省矯正研修所(〒183-0057 東京都府中市晴見町2-8)が担当しています(法務省HPの「法務省 矯正研修所」参照)。
令和4年4月1日,法務総合研究所研修第一部教官となった山吉彩子検事(56期)の経歴https://t.co/KqaAU7ldnq pic.twitter.com/lDW7LC3rdg
— 弁護士 山中理司 (@yamanaka_osaka) May 26, 2022
4 法務省浦安総合センター
(1) 法務省浦安総合センターは,毎年10月下旬の土日に司法試験予備試験の口述試験が実施されています(法務省HPの「司法試験予備試験の実施について」参照)ところ,その案内図及び構内の配置図は以下のとおりです。
(2) 司法試験予備試験の受験票の写真が以下のとおりツイートされています。
【予備口述情報⑺】
受験票はこんな感じです。集合時刻は記載の通りですが、記載事項に「集合完了」していないといけません。各時間の30分前に会場(体育館のような場所です)への入場が始まるので、20,30分前には会場に到着できるようにすると良いです。 pic.twitter.com/RmHQNmxgpv— むとう/ VC広報 (@gourmet_law) January 9, 2021
5 法務総合研究所の沿革
文部科学省HPの「法務総合研究所(法務省)」に以下の記載があります。
昭和22年5月3日現行憲法が施行され、裁判所が司法省から分離独立しましたが、このときにそれまで判事、検事及び司法官試補の研究・研修機関で司法省に設置されていた「司法研修所」(昭和14年7月6日司法研究所として設置され、その後、昭和21年5月15日司法研修所と改称)が最高裁判所に設置の「司法研修所」と司法省に設置の「司法省研修所」に分割されました。後者が「法務総合研究所」の前身です。
司法省研修所は、検察官、検察事務官、司法事務官等司法大臣所部の職員に対する研修及び司法に関する研究を行うものとされ、その後、司法省が法務庁、法務府と名称を変更したことに伴い、「法務庁研修所」(昭和23年2月15日)、「法務府研修所」(昭和24年6月1日)と改称されました。そして、同27年8月に現在の法務省に改組された際、それまで幹部検察官を対象として別に設置されていた「検察研究所」(昭和25年4月1日)を統合して「法務研修所」が設立されました。
法務研修所は、法務大臣所部の職員に対する研修及び法務に関する専門的研究を行うことを目的としましたが、更に同30年代に入り、少年犯罪の激増・凶悪化など犯罪現象の量的・質的変化に対応し得る総合的科学的な刑事政策研究の必要性が痛感され、刑事政策の専門的な研究部門を加えて組織・機構を整備拡充することとなり、同34年4月「法務総合研究所」として発足するに至っています。
その後、同36年6月に国際連合との協定により、国際連合と日本国政府との共同運営の形態で「アジア極東犯罪防止研修所」が我が国に設置され、日本政府機関としてこれに協力するために国際連合研修協力部が新たに設立されました。
平成7年4月には、法務総合研究所部内の意見をくみ取るとともに、官房、関係部局と連携し、法務総合研究所における研修・研究ニーズを的確にとらえ、21世紀の法務省にふさわしい研修・研究の在り方を総合的な視点から企画立案し実施準備を進める部署として総務企画部が新設されました。
さらに、平成13年4月には、アジア諸国を始めとする発展途上国の要請にこたえて、民商事法分野における法整備支援を実施する部署として国際協力部が新設されて今日に至っています。
6 検察事務官向けの法務総合研究所の研修教材
・ 七訂版 検察庁法(平成31年3月の法務総合研究所の文書)
・ 事件事務解説
・ 執行事務解説
・ 証拠品事務解説
・ 徴収事務解説
・ 記録事務解説
・ 犯歴事務解説
・ 刑事手続概要
・ 関係機関概要
・ 検務事務入門
・ 文書事務解説
・ 会計事務解説
・ 立会事務
法総研の教材は実務では必須レベルです。手に入れたら必ず一読しましょう。
ちなみに、
法総研の所長は検事1号ポジだから指定職8号相当の俸給で、部長は検事2号ポジなので6号相当です。これだから検事ポジの級数は当てにならないんだよ。 https://t.co/GXWgwNRw4r
— 末端事務官の備忘録 (@ppo_Gppao) January 19, 2023
7 関連記事その他
(1) 法務省HPに「~国際研修~第50回ベトナム法整備支援研修」(筆者は52期の塚部貴子検事)が載っています。
(2) 法務省HPに載ってある「ICD教官体験記」(ICDは「法務省法務総合研究所国際協力部」の略称です。)(筆者は新63期の鈴木一子)には以下の記載があります。
裁判官の仕事と法整備支援は全然異なる業務だと思われる方もいるかもしれません。しかし,ICD 教官になって一番比重が大きいのは,日本の制度について改めて調べ,よくある質問に対応できるように暗記するなど,日本の制度について勉強することでした。ICD 教官を経験して日本の制度に関する理解が深まったと思います。また,月並みですが,日本において当たり前のことは他国では当たり前でないことを実感することが多く,翻って日本の司法制度について振り返ることばかりです。
(3) 以下の記事も参照してください。
・ 検事の研修日程
・ 法務・検察幹部名簿(平成24年4月以降)
・ 検察事務官
弁護士となる資格に係る認定の手続等に関する規則(平成16年3月8日法務省令第13号)
○弁護士となる資格に係る認定の手続等に関する規則(平成16年3月8日法務省令第13号)は以下のとおりです。
弁護士となる資格に係る認定の手続等に関する規則
第一条 弁護士法(以下「法」という。)第五条の法務省令で定める法人は、日本弁護士連合会とする。
2 前項の申請は、法第五条の四第一項に規定する基準に適合する研修の日程及び内容その他研修の実施に関する計画を記載した書面を添えて、申請書を法務大臣に提出することにより行う。
九 第一項第七号の手続 仲裁人
2 法第五条の二第一項の認定申請書(以下「認定申請書」という。)の様式は、別記様式によるものとする。
五 その他参考となるべき書類
第六条 法第五条の二第三項の手数料は、認定申請書に手数料の額に相当する額の収入印紙を貼って納めなければならない。
五 その他参考となる事項
第八条 法務大臣は、法第五条の認定(以下「認定」という。)をしたときは、認定を受けた者の氏名を官報で公告する。
法務省の進路説明会
目次
1 総論
2 過去の開催日程
3 平成27年度進路説明会に関する文書
4 平成27年度進路説明会の実施内容
5 関連記事その他
1 総論
・ 検察庁HPの検事採用情報サイトの「説明会・イベント情報」に説明会情報が載っています。
2 過去の開催日程
◯令和6年度
・ Microsoft Teamsによるオンライン開催は12月13日(金)午後2時から午後4時まで
◯令和5年度
・ Microsoft Teamsによるオンライン開催は12月1日(金)午後2時から午後4時まで
◯令和4年度
・ Microsoft Teamsによるオンライン開催は9月30日(金)午後2時から午後4時まで
◯令和3年度
・ Microsoft Teamsによるオンライン開催(定員290人)は10月1日(金)午後2時から午後3時45分まで
◯令和2年度
・ Microsoft Teamsによるオンライン開催(定員240人)は令和3年2月26日(金)午後2時から午後3時半まで
◯令和元年度
・ 東京会場(定員160人・法務省)は10月4日(金)午後2時から午後5時まで
・ 申込期間につき,当初の締切は9月23日(月)でしたが,その後,9月29日(日)に締め切りが延長されました。
◯平成30年度
・ 東京会場(定員160人・法務省)10月5日(金)午後2時から午後5時
・ 大阪会場での開催はありませんでした。
◯平成29年度
・ 東京会場(定員160人・法務省)は10月6日(金)午後2時から午後5時
・ 大阪会場(定員60人・大阪中之島合同庁舎)は10月13日(金)午後2時から午後5時まで
・ 申込期間につき,当初の締切は9月25日(月)でしたが,その後,9月29日(金)まで延長されました。
◯平成28年度
・ 東京会場(定員160人・法務省)は9月30日(金)午後2時から午後5時
・ 大阪会場(定員60人・大阪中之島合同庁舎)は10月14日(金)午後2時から午後5時まで
・ 申込期間につき,当初の締切は9月9日でしたが,その後,9月16日に締切が延長されました。
◯平成27年度
・ 東京会場は10月2日(金)午後2時から午後5時まで
・ 大阪会場は10月9日(水)午後2時から午後5時まで
・ 申込期間は9月8日(火)午後4時から9月11日(金)までの先着順でした。
◯平成26年度
・ 東京会場は10月3日(金)午後2時から午後5時まで
・ 大阪会場は10月15日(水)午後2時から午後5時まで
・ 申込期間は9月9日(火)午後4時から9月12日(金)までの先着順でしたが,9月18日(木)から9月25日(木)まで追加募集がありました。
◯平成25年度
・ 東京会場は10月4日(金)午後2時から午後5時まで
・ 大阪会場は10月11日(水)午後2時から午後5時まで
・ 申込期間は9月10日(火)から9月13日(金)までの先着順でした。
◯平成24年度
・ 東京会場は10月5日(金)午後2時から午後5時まで
・ 大阪会場は10月18日(水)午後2時から午後5時まで
・ 申込期間は9月11日(火)から9月14日(金)までの先着順でした。
【現職検事への質問】
・「こいつは無実かもしれない」と思いながら起訴することはありますか?
・「こいつは無実かもしれない」と思いながら公判維持をしたり控訴したりすることはありますか?
・有罪判決が出て意外に思うことはありますか?— venomy (@idleness_venomy) September 20, 2022
3 平成27年度進路説明会に関する文書
(1) 平成27年度司法試験合格者のための進路説明会関係文書を掲載していますところ,これによれば,実施スケジュールは以下のとおりでした。
○ 事務連絡 5分
○ 人事課付による全体説明 30分
○ 各検事経験談等対応(1) 50分
~休憩~
○ 各検事経験談等対応(2) 50分
○ アンケート配布,回収 25分
計3時間
(2) 対応する検事は,東京会場が14人(2人×7組)であり,大阪会場が6人(2人×3組)でした。
4 平成27年度進路説明会の実施内容
(1) 具体的実施方法
参加者を20から25人程度にグループ分けし,各グループごとにそれぞれ検事2名を1組にして配置し,50分間程度,経験談及び質疑応答を行う。
各グループが,50分×2回実施することにより,参加者全員が4人の検事から経験談及び質疑応答を受けられることとなる。
(2) 対応する検事の選定
参加者は,これまでにも法科大学院修了予定者を対象とした進路説明会等において,捜査・公判等についての説明は既に受けていると思われることから,対応する検事の選定に当たっては,若手,シニア,決裁官クラス,女性検事,長期在外経験者,本省・他省庁経験者等をバランス良く人選し,多様な経験談を提供することとする。
5 関連記事その他
(1) 平成28年度大阪会場につき,スケジュール及び報告文書を掲載しています。司法試験合格者は51人参加したみたいです。
(2) 以下の記事も参照してください。
・ 検事採用願を提出した検事志望の司法修習生は二回試験に落ちない限り採用されると思われること
・ 司法修習生の検事採用までの日程
・ 現行60期以降の,検事任官者に関する法務省のプレスリリース
・ 53期まで存在していたかもしれない,新任検事の採用における女性枠
・ 集合修習時志望者数(A班及びB班の合計数)と現実の判事補採用人数の推移
法テラスの民事法律扶助業務運営細則の条文
◯法テラスの民事法律扶助の細則を定めた,民事法律扶助業務運営細則(平成30年4月1日細則第6号による改正後のもの)の条文は以下のとおりです。
(2) 介護保険法第183条第1項に基づく審査請求
(一般法律相談援助における資産の基準)
(5) 障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律(平成十七年十一月七日法律第百二十三号)に規定する障害福祉サービス、相談支援その他の支援を行う事業者で、地方公共団体から指定又は監督を受ける者
2 巡回相談を実施した場合の費用は、次条に定めるところにより支出することができる。この場合において、巡回相談を実施した場所が第13条第1項の規定により旅費及び宿泊費を立て替えて支出することができる地であるときは、同条の定める立替基準に従った旅費及び宿泊費を別途支出することができる。
第 12 条の2 民事法律扶助契約弁護士・司法書士等は、センターの事務所又は指定相談場所において一般法律相談援助又は被災者法律相談援助を行ったときは、法律相談票を作成し、法律相談援助実施後、直ちに、援助申込書と共に地方事務所長に提出するものとする。
(3) 簡易な法的文書を作成することについて、被援助者の同意があること。
6 通訳料(交通費及び消費税を含む。)は、以下の基準によるものとする。
(1) 当該社員等又は社員等であった者を受任者等とする報告書未提出案件の数
法テラス、市役所相談を受ける弁護士の皆様へhttps://t.co/3I63wJ8KOc
— spring (@SpringBullet_) June 22, 2023
(表1)
(省略)
(表2)
(省略)
ウ 支出限度額
(追加支出限度額の適用単位)
(ハーグ条約実施法に関する事件の着手金、報酬金及び翻訳料)
ハ 被援助者がTPである場合の報酬金 6万8,040円から13万6,080円まで(標準額9万720円)
ニ イからハまでに掲げる罪のほか、その犯罪行為にこれらの罪の犯罪行為を含む罪(前号に掲げる罪を除く。)
(1) 申込者及び第7条第1項に定める同居家族を確認するための資料
(2) 前号の書面に準ずる公的書類及び同書類が外国語による文書である場合は日本語の翻訳文書並びに同翻訳文書が真正であることを証明する書面
(5) その他事件の準備及び遂行に必要な書類
(終結決定を変更する決定)
(2) 被援助者及びその配偶者が保有する不動産、預貯金その他の資産について、当該資産を償還に充てることのできない合理的事情があること。
イ 厚生年金保険法による障害厚生年金の支給を受けている者
(2) 成年後見申立事件において、裁判所から鑑定費用として命じられた予納金
2 書類作成援助の開始決定をした自己破産事件及び民事再生手続に関連して、被援助者の債権者に対する過払金の不当利得返還請求につき、被援助者との協議により受託者がこれを受任する場合にセンターが支出する報酬及び費用については、前項の規定を準用する。この場合において、被援助者及び受託者は、過払金の不当利得返還請求につきセンター所定の追加代理援助契約を締結しなければならない。
2 被災地出張所における法律相談援助に係る法律相談は、被災地出張所法律相談担当者にこれを実施させる方法による。ただし、やむを得ない事由があるときは、それ以外の方法により法律相談援助を実施させることができる。
附 則(日本司法支援センター平成26年細則第2号)
この細則は、平成30年4月1日から施行する。
*1 日本司法支援センター(法テラス)の民事法律扶助業務必携(平成27年当時の文書)を掲載しています。
→ 令和3年1月に開示された,平成30年4月1日施行版については,表紙に「※無断複製・転載・流用・配布行為を禁じます。」と記載されていることにかんがみ,掲載していません。
*2 財務省HPの「総括調査票」(調査事案名は,日本司法支援センター運営費交付金・国選弁護人確保業務等委託費)には「常勤弁護士が配属されている地方事務所の約 7 割(26 ヶ所)において、常勤弁護士に対する平均給与(約 800 万円。健康保険等事業主負担金を含む。)が業務量に見合う対価を上回っている状況であった。」と書いてあります。
*3 法テラスHPの「リーフレット・パンフレット」に「民事法律扶助のしおり」等が載っています。
法テラスの報酬基準の低さを図示しましたhttps://t.co/AlpRwcdkgM pic.twitter.com/gVCxgRz0AL
— サイ太 (@uwaaaa) December 6, 2021
扶助相談からの私選委任契約承認申請で、
「資料の収集・解析に要する労力の程度の見込みから、扶助基準での受任は困難」
という理由で承認が得られたと、知人の弁護士から教えてもらいました。なるほどね。— 弁護士 新谷泰真 (@yasumasa218) September 12, 2023
平成18年度以降の,公証人の任命状況
目次
1 公証人の任命状況
2 公証人の応募状況,及び公証人一覧
3 公証人の採用選考
4 元検事及び元判事については,応募すればほぼ全員が公証人に採用される理由
5 民間出身者からの応募が少ない理由
6 公証人ポストの事実上の任期
7 公証人の手数料収入
8 収支合同の公証役場
9 関連記事その他
* 「公証人の任命状況(2019年5月1日以降)→公証人への任命直前の,元裁判官,元検事等の経歴を記載したもの」も参照してください。
1 公証人の任命状況
(1) 法務省民事局総務課公証係作成の「公証人の任命状況」を以下のとおり掲載しています。
・ 平成26年度から令和5年度まで
・ 平成25年度から令和4年度まで
・ 平成24年度から令和3年度まで
・ 平成23年度から令和2年度まで
・ 平成22年度から令和元年度まで
・ 平成21年度から平成30年度まで
* 「公証人の任命状況(平成26年度から令和5年度)及び指定公証人の数」といったファイル名です。
(2) 平成18年度以降の,公証人の定員,現在員,年齢別内訳及び前職別内訳は以下のとおりです(基準日は各年度の12月1日です。)。
令和4年度
定員:678人
現在員:506人
年齢別内訳:60歳以下が58人,61歳から65歳が271人,66歳から70歳が177人
前職別内訳:判事が138人,検事が205人,法務事務官等が163人
令和3年度
定員:678人
現在員:501人
年齢別内訳:60歳以下が58人,61歳から65歳が276人,66歳から70歳が167人
前職別内訳:判事が138人,検事が202人,法務事務官等が161人
令和2年度
定員:678人
現在員:504人
年齢別内訳:60歳以下が63人,61歳から65歳が266人,66歳から70歳が175人
前職別内訳:判事が139人,検事が205人,法務事務官等が160人
令和元年度
定員:678人
現在員:502人
年齢別内訳:60歳以下が61人,61歳から65歳が264人,66歳から70歳が177人
前職別内訳:判事が141人,検事が203人,法務事務官等が158人
平成30年度
定員:678人
現在員:500人
年齢別内訳:60歳以下が59人,61歳から65歳が225人,66歳から70歳が216人
前職別内訳:判事が140人,検事が201人,法務事務官等が159人
平成29年度
定員:669人
現在員:495人
年齢別内訳:60歳以下が59人,61歳から65歳が268人,66歳から70歳が168人
前職別内訳:判事が136人,検事が196人,法務事務官等が163人
平成28年度
定員:669人
現在員:497人
年齢別内訳:60歳以下が66人,61歳から65歳が268人,66歳から70歳が1635人
前職別内訳:判事が139人,検事が194人,法務事務官等が164人
平成27年度
定員:671人
現在員:498人
年齢別内訳:60歳以下が67人,61歳から65歳が276人,66歳から70歳が155人
前職別内訳:判事が139人,検事が193人,法務事務官等が166人
平成26年度
定員:671人
現在員:498人
年齢別内訳:60歳以下が63人,61歳から65歳が290人,66歳から70歳が145人
前職別内訳:判事が139人,検事が193人,法務事務官等が166人
平成25年度
定員:671人
現在員:501人
年齢別内訳:60歳以下が68人,61歳から65歳が277人,66歳から70歳が156人
前職別内訳:判事が142人,検事が193人,法務事務官等が166人
平成24年度
定員:672人
現在員:502人
年齢別内訳:60歳以下が67人,61歳から65歳が286人,66歳から70歳が149人
前職別内訳:判事が141人,検事が192人,法務事務官等が169人
平成23年度
定員:672人
現在員:499人
年齢別内訳:60歳以下が72人,61歳から65歳が269人,66歳から70歳が158人
前職別内訳:判事が141人,検事が192人,法務事務官等が166人
平成22年度
定員:676人
現在員:499人
年齢別内訳:60歳以下が70人,61歳から65歳が265人,66歳から70歳が164人
前職別内訳:判事が145人,検事が189人,法務事務官等が165人
平成21年度
定員:683人
現在員:501人
年齢別内訳:60歳以下が85人,61歳から65歳が264人,66歳から70歳が152人
前職別内訳:判事が143人,検事が192人,法務事務官等が166人
平成20年度
定員:689人
現在員:507人
年齢別内訳:60歳以下が87人,61歳から65歳が279人,66歳から70歳が141人
前職別内訳:判事が145人,検事が200人,法務事務官等が162人
平成19年度
定員:689人
現在員:509人
年齢別内訳:60歳以下が117人,61歳から65歳が265人,66歳から70歳が127人
前職別内訳:判事が146人,検事が202人,法務事務官等が161人
平成18年度
定員:690人
現在員:512人
年齢別内訳:60歳以下が116人,61歳から65歳が289人,66歳から70歳が107人
前職別内訳:判事が147人,検事が204人,法務事務官等が161人
公証制度の概要(平成29年4月25日の参議員法務委員会の国会答弁資料)を添付しています。 pic.twitter.com/cE04BOA1Pq
— 弁護士 山中理司 (@yamanaka_osaka) April 3, 2021
2 公証人の公募,応募状況等及び公証人一覧
(1) 森まさこ法務大臣は,令和元年11月26日の参議院法務委員会において以下の答弁をしています。
法務省としては、これまでも弁護士や司法書士等の民間法律実務家からの応募を推進するために、公証人の任用のための公募に当たっては、官報に掲載し、法務局の掲示板に掲示することのほか、他の法務省関係の採用や試験と同様に、法務省ホームページの資格・採用情報に公証人関係の公募情報をまとめて公開してアクセスできるようにするとともに、トップページの試験関係のお知らせに公募情報を公開するなど、周知に努めてまいりました。また、昨年の公募から願書の受付期間を延長して、応募を推進する取組を進めております。
また、法務省としては、民間からの応募についての環境づくりを進めるために、このような公募制度の周知のほか、実施した試験の概要の公開等の措置を行っているところでございますが、引き続き、委員の御指摘もありますし、民間からの応募について強化をする環境整備を行ってまいりたいと思います。
(2) 公証人の応募状況等(平成26年度から平成30年度まで)によれば,検事の応募者113人のうち112人が採用され,判事の応募者92人のうち全員が採用され,弁護士の応募者2人は誰も採用されず,法務省・裁判所職員の応募者109人のうち91人が採用され,司法書士等の応募者21人は誰も採用されませんでした。
(3) 公証人一覧を以下のとおり掲載しています。
平成30年10月1日現在,令和 2年10月1日現在,
令和 3年10月1日現在,令和 4年10月1日現在,
令和 5年 8月1日現在,
広島地裁福山支部令和4年2月24日判決(新60期の東根正憲)は平成23年5月及び平成24年7月の贈与につき意思能力を認めつつ,平成23年1月の遺言公正証書につき口授の不存在だけを理由に無効と判断しました(税経通信2022年5月号152頁及び153頁参照)。https://t.co/pSWtLJFmzN
— 弁護士 山中理司 (@yamanaka_osaka) May 8, 2022
3 公証人の採用選考
(1) 総論
ア 法務省HPの「公証人」には,「公証人法第13条に基づく公証人の公募」,及び「公証人法第13条ノ2に規定する公証人の公募について」が載っています。
イ 判事,検事及び弁護士は公証人法13条に基づいて公証人に任命されるのに対し,高検事務局長及び法務局職員は公証人法13条ノ2に基づいて,検察官・公証人特別任用等審査会公証人分科会の選考を経た上で特任公証人に任命されます。
ウ 関係する公証人法の条文は以下のとおりです。
第十三条 裁判官(簡易裁判所判事ヲ除ク)、検察官(副検事ヲ除ク)又ハ弁護士タルノ資格ヲ有スル者ハ試験及実地修習ヲ経スシテ公証人ニ任セラルルコトヲ得
第十三条ノ二 法務大臣ハ当分ノ間多年法務ニ携ハリ前条ノ者ニ準スル学識経験ヲ有スル者ニシテ政令ヲ以テ定ムル審議会等(国家行政組織法(昭和二十三年法律第百二十号)第八条ニ定ムル機関ヲ謂フ)ノ選考ヲ経タル者ヲ試験及実地修習ヲ経スシテ公証人ニ任スルコトヲ得但シ第八条ニ規定スル場合ニ限ル
(2) 国会答弁
ア 20期の高村正彦法務大臣は,平成13年3月22日の参議院法務委員会において以下の答弁をしています。
公証人につきましては、現在、原則として、公証人法第十三条に基づいて任命資格を有する者のうちから公正中立に公証事務を行う者として適任と認められる者を任命しているわけであります。同法第十三条ノ二に基づいて、公証人を任命する場合は公証人審査会に公証人に任命することの当否を諮問し、同審査会の答申を得た上で行っているわけであります。
このように、公証人として任命するにふさわしい者を選考することが今できているわけでありまして、現在の選考方法はそれなりに適切であると考えておりまして、公証人法第十二条に規定する任用試験を実施する等の予定は現在のところありません。
また、過去に弁護士出身者を任命したことがありましたけれども、最近は弁護士で公証人任用希望を申し出た者がないというふうに承知をしております。
イ 増田敏男法務副大臣は,平成15年5月13日の衆議院法務委員会において以下の答弁をしています。
試験についてですが、公証人の任用は法曹有資格者の中から行うのが原則とされているところから、公証人に要求される能力と同水準の能力を要求する試験として司法試験があることから、別個に試験を実施することはこれと重複をしたものにならざるを得ず、合理的、効率的とは言えないため、実施は今いたしておりません。
なお、昨年度から公証人の任用について公募制度を実施しており、この手続において面接を実施し、公証人としての適格性を有するか否かを適切に判断することにいたしております。
ウ 26期の寺田逸郎法務省民事局長は,平成18年11月30日の参議院法務委員会において以下の答弁をしています。
おっしゃるとおり、定員は六百六十名でございまして、それから、現在員が五百人を、そのときによって違いますけれども、五百人をやや超えるところにあるわけでございます。
その中で、公募というのは実はいろんな形でやっておりまして、判検事の公証人の任命も、これ公証人法の十三条でございますけれども、一応、適格性がある人物だということを審査する前提で、公に弁護士も含めて公募者を求めるという形を取っておりますので、形の上では、おしかりを受けるかもしれませんが、これは公募という形を取っております。
ただ、委員のおっしゃる本当の意味は、平成十五年(山中注:公募による特任公証人は平成十四年度からです。)から始めましたこれ以外の特任公証人について、法務局の職員であるとかあるいはその裁判所の職員であるとか以外の一般民間人が現に入った、それで公証人として仕事をしている人数は何人かということであろうと仮に推察いたしますと、それは確かにおっしゃるとおり一名でございます。
エ 37期の小川秀樹法務省民事局長は,平成29年5月9日の参議院法務委員会において以下の答弁をしています。
公証人は、法務大臣が専門的な法的知識、経験を有するなどの一定の任命資格を有する者の中から適任と認める者を任命することとされております。具体的には、公証人に多様で有為な人材を確保すべく、公募を行った上で、応募のあった者の中から公証人法の規定に基づきまして、裁判官、検察官、弁護士の法曹資格を有する者というパターン、それからもう一つが、多年法務に携わり法曹に準ずる学識経験を有する者で、検察官・公証人特別任用等審査会という審査会がございまして、この審査会の選考を経た者、この二つのパターンで公証人を任命しております。
任命の選考に当たりましては、法曹有資格者の公証人につきましては、法曹資格を有する応募者に対して面接を行い、公正中立に公証の事務を行う者として適任と認められる者を公証人に任命しております。
また、法曹有資格者に準ずる公証人につきましては、先ほど申し上げました審査会において選考が行われておりますところ、その審査会の定めに従いまして、応募につき、書類選考により多年法務に携わった経験を有するかどうかが判定されました上で口述試験が実施され、必要な学識経験と適格性を有する者として審査会の答申が得られた者を公証人に任命しております。
公証人の選任過程につきましては、先ほど申し上げましたとおり公募の手続を採用しておりまして、その中で採用予定地などを公開しているところでございます。
刑訴法19条に基づく移送請求に際して,新型コロナウイルス感染症に関する緊急事態宣言を考慮しなかった札幌高裁令和3年2月18日決定
→ 裁判長は,令和3年12月24日に昭和通り公証役場(東京都中央区銀座)の公証人になった39期の金子武志裁判官https://t.co/Z2yYQyoN6Y— 弁護士 山中理司 (@yamanaka_osaka) April 2, 2022
4 元検事及び元判事については,応募すればほぼ全員が公証人に採用される理由
・ 平成29年5月23日の参議院法務委員会の国会答弁資料(東徹参議院議員に対するもの)10問の更問2問「法務省から提供された資料によれば,元検事及び元判事については,過去5年に公証人に応募した者のほぼ全員が採用されているのに対し,民間の司法書士等については,過去5年に1名が採用されただけである。このことからすれば,元検事及び元判事については,応募すれば必ず公証人にならせることとして実質的な「天下り」をさせていることが明らかではないか,と問われた場合」の答えとして以下の記載があります。
〔公証人の任命資格及び任用方法〕
1 公証人法は,公証人の任命資格として,
① 法曹有資格者(同法13条)
② 多年法務に携わり,法曹有資格に準ずる学識経験を有する者(同法第13条の2)
を規定するところ,①の法曹有資格者が,基本的に公証人に要求される法的能力を有しているものと考えられるのに対し,②の法曹有資格に準ずる者は,法的能力が必ずしも担保されていないため,検察官・公証人特別任用等審査会による選考を経て,公証人に任命することができるとされている。
〔結論〕
1 元検事及び元判事については,基本的に公証人に要求される法的能力を有する法曹有資格者として,公募及び採用を行っているところであり,それ故,法曹有資格に準ずる公証人の場合と対比すると,応募者を採用する確率が高くなっているが,平成28年度に元検事の応募者を採用しなかった例があるなど,応募者全員を採用しているものではなく,法務当局が公証人への応募を指定・斡旋しているものではない。
2 また,その他の法務省・裁判所職員については,民間の司法書士等の応募者と同様,検察官・公証人特別任用等審査会の選考を経た者を採用しているところであるが,実際に,応募したものの採用されなかった者も相当数いる。
3 したがって,御指摘は当たらない。
公証人の応募状況等(平成26年度から令和元年度まで)を添付しています。 pic.twitter.com/yYVNjB1OmL
— 弁護士 山中理司 (@yamanaka_osaka) June 3, 2021
5 民間出身者からの応募が少ない理由
・ 平成29年4月25日の参議院法務委員会の国会答弁資料(東徹参議院議員に対するもの)15問の「前職が法務省や裁判所以外である者からの応募が少ないことについて,どう考えるか,法務当局の見解を問う。」の答えとして以下の記載があります。
1 公証人については,平姓14年度から任用のための公募を実施しているが,現在までのところ,いわゆる民間出身者から任命された者は,法曹有資格者に準ずる公証人について司法書士が4名(現職3名)という状況にある(注1)。
2 これは,民間出身者からの応募がそもそも極めて少ないことが主な原因であるが,この応募が極めて少ないのは,公証人には職務専念義務(兼業禁止義務)が課せられるため,弁護士など,既に職を持っている者が応募することが実際上困難であるという事情に由来するものと考えられる。
3 法務省としては,民間からの登用の推進に向けた環境づくりを進めるため,公募制度の周知(注2),実施した試験の概要の公開等の措置を行っているが,引き続き,民間からの応募についての環境整備に努めてまいりたいと考えている(注3)。
(注1)民間出身者からの応募は,平成14年度から平成28年度までのべ42名(司法書士38名,企業法務従事者等4名)である。
うち,合格者は平成16年度,平成21年度,平成23年度及び平成24年度に各1人(いずれも司法書士)である。
なお,平成16年度合格者は,本年7月に退任している。
(注2)現在は,官報掲載及び法務局の掲示板のほか,法務省のホームページにおいて掲示している。
(注3)規制改革・民間開放推進3カ年計画(改定)(平成17年3月25日閣議決定)では,以下のとおり盛り込まれている。
「◯公証事務【平成17年度中に措置】
公証人は,公証人法(明治41年法律第53号)の規定により法務大臣から任命されるものであり,国家公務員法(昭和22年法律第120号)上の公務員ではなく,独立採算で各自がその職務を遂行している。平成14年度から公募制度が導入されているが,現在までのところ,民間出身者からの応募は少なく,その任命はされていない状況にある。
したがって,公証人については,各人の適性・能力に応じた選考を行うことはもとより,民間出身者がより応募しやすくなるよう,公募の在り方を見直し,公募制度の一般へのさらなる周知を図るとともに,実施した試験の概要を公開する等,更なる民間開放の推進に向けた環境づくりを進める。」
6 公証人ポストの事実上の任期
(1) 読売新聞HPの「公証人ポスト回すため?念書に「10年で退職」」(2019年5月25日付)には以下の記載があります。
複数の法務・検察関係者によると、法務・検察内部の慣行では、▽検事正経験者が公証人に再就職した場合、任期は最長10年か70歳まで▽地検の支部長や検察事務官ら検事正経験者以外の公証人の任期は最長8年――となっていた。
この慣行に沿い、50歳代で公証人になる検事正は、10年後に退職することが明記された念書に署名。60歳以降に公証人に就いた検事正が、70歳の誕生日までに公証人を辞めると誓約した念書を同省に提出するケースもあった。地検の支部長や検察事務官ら検事正以外の念書には、8年後の退職が明記されていたという。
R010626 法務大臣の不開示決定通知書(検事正経験のある公証人は10年以内に退職し,それ以外の検事経験のある公証人は8年以内に退職するという慣行が書いてある文書)を添付しています。 pic.twitter.com/lwIdP7wph0
— 弁護士 山中理司 (@yamanaka_osaka) September 5, 2020
(2) 根拠となる文書は法務省に存在しないものの,仮に読売新聞の記事が正しいとした場合,60歳になった後に検事正を早期退職して公証人になった場合,70歳まで公証人をすることができます。
R020824 答申書(公証人が公募される前に,最高裁判所が裁判官に対して公証人ポストをあっせんする際に使用しているマニュアル(最新版))を添付しています。 pic.twitter.com/kiPJIkr4mT
— 弁護士 山中理司 (@yamanaka_osaka) September 5, 2020
R020824 答申書(最高裁が法務省から受領した,公募前の公証人の空きポストが書いてある文書(最新版))を添付しています。 pic.twitter.com/469YlSX6jF
— 弁護士 山中理司 (@yamanaka_osaka) September 5, 2020
R020824 答申書(定年前に裁判官を退官した者のうち,公証人に任命されたものが何人いるかが分かる文書)を添付しています。 pic.twitter.com/YkY0FaSDbz
— 弁護士 山中理司 (@yamanaka_osaka) September 5, 2020
7 公証人の手数料収入
(1) 平成29年4月25日の参議院法務委員会の国会答弁資料(東徹参議院議員に対するもの)10問の「公証人の手数料収入は全国平均でどの程度か,また,都市部においてはどの程度か,法務当局に問う。」の答えとして以下の記載があります。
監督法務局においては,公証人の手数料収入の総額を把握することはできるが,公証人が負担している役場維持費等の必要経費を把握することができないため,正確な実収入額は不明である。
(個人の公証人の具体的な収入については,事業者の個人情報に関わるものであるため,お答えしかねるが)法務局で把握している手数料収入の総額をもとに,平成27年における公証人の手数料収入の全国平均を算出すると,月額約250万円程度である。
また,東京法務局所属公証人の手数料収入の平均は,月額約320万円程度であり,大阪法務局所属公証人の手数料収入の平均は,月額約340万円程度である。
公証人はこの中から役場維持経費(役場の賃料,執務洋設備の購入・維持費,書紀・事務補助者等の人件費等)を支払っている(注)。
(注)事務経費の割合は,役場により異なるが,およそ3割ないし7割であると聞いている。
(2) 平成29年4月25日の参議院法務委員会の国会答弁資料(東徹参議院議員に対するもの)19問の「政令に定める手数料の算定根拠は何か。また,どのような場合に手数料が変更されるのか。」の答えとして以下の記載があります。
[算定根拠]
公証人の手数料については,公証人が国から給与を受けるものではなく,嘱託人から受ける手数料等のみを収入としていることも踏まえつつ,事務の内容や当事者の受ける利益を基礎として,物価の状況や一般公務員の給与事情等を考慮して,政令(公証人手数料令(平成5年政令第224号))で定めている(注)。
[手数料が変更される場合]
公証人の手数料の見直しが必要となる場合には,法改正により事務の内容に変更が生じた場合のほか,物価や一般公務員の給与事情に大きな変動が生じた場合などが考えられる。
(注)公証手数料は,国の手数料一般と異なり,国の歳入とならず,これにより公証人が公証役場を運営するという特殊性があるため,経費積算方式による手数料算出は行っていない。
現行の公証人手数料令は,平成5年に全面的に見直しを行ったものであるが,その後も消費者物価指数や一般国家公務員の給与指数の動向を踏まえた見直しの要否について,毎年,検討しているところである。
(3) ヤフーニュースの「裁判官の生涯年収と天下り先、一般国民が知らないその「驚くべき実態」」には以下の記載があります。
公証人になった先輩に、「生活はいかがですか?」と尋ねて、「瀬木さん。公証人は、裁判官と違っていいですよお。仕事は楽だし、同僚や職員たちと一緒においしいものを食べたり、旅行に行ったりできるし、遺言公正証書を作るときには、依頼者の喜ぶ顔も見られるしね」と答えられたことも複数回ある。
その話しぶりからは、「公証人になってようやく普通の人間としての楽しみを味わえるようになった」という印象を受けた。
8 収支合同の公証役場
・ 37期の小川秀樹法務省民事局長は,平成29年5月23日の参議院法務委員会において以下の答弁をしています。
① 御指摘いただきましたように、公証人が複数人いる合同役場、ほとんどということはございませんで、地方には一人の公証役場も多数ございますが、公証人が複数人いる合同役場におきましては、一般に収支の平準化が行われているものと承知しております。
② これ(山中注:収支の平準化の方法)は公証人法施行規則に規定がございまして、同規則の五十四条でございますが、二人以上の公証人は、事務の合理化及び品位の向上を図るために必要があるときは、役場又は収支の全部若しくは一部を共にする合同役場を設けることができるとされており、その収支の平準化は、この規定に従いまして公証人が複数人いる合同役場における制度として行われております。
収支の平準化は、各合同役場において規約を定めて行っておりまして、具体的な取決めの内容は各合同役場において様々なものがあるというふうに承知しております。
9 関連記事その他
(1) 公正証書の原本の保存期間は20年ですが(公証人法施行規則27条1項1号),遺言公正証書の場合,公証人法施行規則27条3項の「特別の事由」があるということで,いわば半永久的に保存している公証役場もあります(日本公証人連合会HPの「Q10.公正証書遺言は、どのくらいの期間、保管されるのですか。」参照)。
(2) 二弁フロンティア2021年3月号に「公証役場の利活用~日本公証人連合会会長インタビュー」が載っています。
(3) 日本公証人連合会HPの例えば,以下の記事が参考になります。
・ 公証役場一覧
・ 定款等記載例
(4) 令和4年4月1日,全国の公証役場においてクレジットカード決済が開始しました(日本公証人連合会HPの「クレジットカード決済の開始について」参照)。
(5)ア 以下の資料を掲載しています。
・ 法曹有資格公証人選考等要領(平成15年3月12日付の法務省大臣官房人事課長の文書)
・ 公証人の被選考資格に関する公証人分科会議決(平成14年7月29日付)
・ 公証人の選考に関する公証人分科会細則(平成14年7月29日付)
イ 以下の記事も参照してください。
・ 公証人の任命状況(2019年5月1日以降)→公証人への任命直前の,元裁判官,元検事等の経歴を記載したもの
・ 公正証書遺言の口授
・ 50歳以上の裁判官の依願退官の情報
・ 法務・検察幹部名簿(平成24年4月以降)
・ 法務省作成の検事期別名簿
山吉彩子検事(56期)の経歴
56期の山吉彩子(やまよしさいこ)検事の任官後の経歴は以下のとおりです。
R4.4.1 ~ 法総研研修第一部教官
R2.4.10 ~ R4.3.31 大阪地検検事
H29.4.1~ R2.4.9 司法研修所検察教官
H27.4.1~H29.3.31 新潟地検長岡支部長
H26.4.1~H27.3.31 東京地検検事
H24.4.1~H26.3.31 金融庁証券取引等監視委員会事務局開示検査課課長補佐
H23.4.1~H24.3.31 東京地検検事
H21.4.1~H23.3.31 千葉地検松戸支部検事
H19.4.1~H21.3.31 大阪地検検事
H17.4.1~H19.3.31 水戸地検検事
H16.4.1~H17.3.31 広島地検検事
H15.10.6~H16.3.31 東京地検検事
*1 山吉彩子検事は,大阪市強姦虚偽証言再審事件(懲役12年の大阪地裁平成21年5月15日判決(裁判長は34期の杉田宗久裁判官)が確定した後の平成25年10月16日に再審無罪判決が出た事件)において冤罪被害者となった被疑者の取調べを担当していたところ,潔白を主張する被疑者に対し,「絶対許さない」と言い放ち、全く取り合おうとしなかったらしいです(ヤフーニュースの「性的被害を受けたというウソの証言で約6年も身柄拘束 人が人を裁く刑事裁判の怖さ」(平成31年1月8日付)参照)。
いつも言ってるが供述の信用性評価の最高の教材は大阪地裁平成21年5月15日判決だと思う。虚偽供述の動機、他の証言による裏付け、供述内容の自然性合理性など、まさに教科書どおりの内容がとても詳細に説得的に書かれている。その後の結末と共に刑裁修習の内容に入れるべき。
— 心の貧困 (@mental_poverty) July 14, 2020
*2 平成11年1月8日,愛媛県宇和島市の農協において,同市在住の女性宅から窃取された預金通帳と印鑑により窓口から50万円の払い戻しがされた事件につき,平成11年2月1日,事件と無関係の男性X(被害女性の元恋人)が逮捕され,平成12年1月6日,別件で逮捕されていたYが宇和島市の窃盗事件について自白を開始し,所要の裏付け捜査を経て,同年2月21日にXが釈放され,同年4月21日,検察官が無罪論告を行い,同年5月26日,松山地裁宇和島支部で無罪判決を言い渡された事案について提起された国家賠償請求事件の場合,松山地裁平成18年1月18日判決(判例秘書に掲載されています。)は,請求棄却判決を下しました(ただし,愛媛県が500万円を,国が100万円を和解金として支払うという内容の和解が控訴審の高松高裁で成立しました。)(Wikipediaの「宇和島事件」参照)。
つまり,明白な冤罪事件の被害者であっても,国家賠償請求訴訟で勝訴できるとは限らないということです。
普通は辞職なんですよ。我々の頃は、不当勾留即辞職と言われてきました。もちろん嘘を付いて検事正検事長になった人もたくさんいます。でも検事の矜持なんですね、出世しない下級武士の。 https://t.co/TK5MSw7r70
— 工藤啓介 (@keisukekudou) January 9, 2019
*3 71期導入修習の3組(福島,水戸,宇都宮及び新潟)及び18組(千葉),72期導入修習の4組(前橋,静岡,甲府,長野),73期導入修習の4組(前橋,静岡,甲府,長野)及び15組(東京,横浜)を担当しました(「司法研修所の教官組別表,教官担当表及び教官名簿」参照)。
*4 平成13年に司法試験に合格したときの氏名も「山吉彩子」です。
1 松山市の20代女性が窃盗容疑で愛媛県警松山警察署に誤認逮捕されたという事実の存否が明らかになった場合,当該女性の逮捕歴という機微な情報が明らかとなって当該女性の権利利益を害する恐れがあるから,不開示情報とのことです。
2 誤認逮捕の詳細につき産経HP参照https://t.co/qrtMHA8e85 https://t.co/UKb781GXVM
— 弁護士 山中理司 (@yamanaka_osaka) October 2, 2020
これ、後に女性側が虚偽の証言である事を認めて冤罪だとわかったけど、無実の人間によくこんな事をと思うhttps://t.co/G0cUswSr40
>捜査段階で男性を取り調べた山吉彩子検事(2017年4月から司法研修所の検察教官)は、潔白を主張する男性に「絶対許さない」と言い放ち、全く取り合おうとしなかった。
— 大田区議会議員おぎの稔(無所属)議員系Vtuber🛫🏭 (@ogino_otaku) August 5, 2021
*5 以下の記事も参照してください。
・ 法務総合研究所
→ 研修第一部は法律実務家研究等を行っています(法務総合研究所組織規則12条)。
・ 冤罪事件における捜査・公判活動の問題点
・ 判決要旨の取扱い及び刑事上訴審の事件統計
・ 刑事事件の上告棄却決定に対する異議の申立て
・ 最高裁判所事件月表(令和元年5月以降)
いわゆる大阪強姦再審無罪事件では、10代少女の虚偽供述により、無実の男性に懲役12年の実刑判決が下されました。https://t.co/oPs2rgPl39 https://t.co/UjEBRSXhah
— おらるく (@oraruku7) August 25, 2024
法務省の,訴訟事件の取材対応
1 平成24年4月当時の,法務省大臣官房訟務企画課訟務広報係の「訴訟事件の取材対応」を掲載しています。
2 法務省の場合,訴訟事件の取材対応窓口は訟務広報官及び訟務広報係です。
また,取材責任者は,本省の場合は所管課長・管理官であり,法務局の場合は訟務部長であり,地方法務局の場合は総括上席訟務官です。
3 法務省の場合,面談又は電話による取材に対し,想定問答の範囲内で答えることになっています。
また,①事件についての所見,②和解について,③判決の見通し及び④判決についてのコメントに関する質問は答えてはいけないことになっています。
4 法曹記者 クラブ名簿(平成31年2月18日現在)を掲載しています。
5 裁判所の広報については,「最高裁判所の広報ハンドブック」を参照して下さい。