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最高裁判所第三小法廷の裁判官(着任順)

第1 第三小法廷の構成と本記事の見方

1 令和8年8月29日現在の構成

最高裁判所が公表する現職裁判官一覧によれば,令和8年8月29日現在,第三小法廷に所属する裁判官は次の5名であり,本記事は,この5名の着任順,就任日,就任前の主な経歴,定年退官発令予定日及び国民審査の有無を整理する。
最高裁判所の裁判は,15名全員で構成する大法廷のほか,5名ずつで構成する三つの小法廷で行われる。

着任順裁判官司法修習期等最高裁判所判事就任日就任前の主な役職・経歴定年退官発令予定日
1林道晴34期令和元年9月2日東京高等裁判所長官令和9年8月30日
2渡邉惠理子40期令和3年7月16日第一東京弁護士会所属弁護士令和10年12月26日
3石兼公博期外令和6年4月17日国際連合日本政府代表部在勤特命全権大使令和10年1月3日
4平木正洋39期令和6年8月16日大阪高等裁判所長官令和13年4月2日
5沖野眞已期外令和7年7月24日東京大学大学院法学政治学研究科長・法学部長令和16年1月11日

2 定年退官発令予定日の計算

裁判所法50条は,最高裁判所の裁判官が年齢70年に達した時に退官すると定めている。
年齢計算ニ関スル法律及び同法が準用する民法143条によれば,満年齢に達する時点は誕生日の前日が終了する時であるため,本記事では70歳の誕生日の前日を定年退官発令予定日として表示した。
ただし,これは調査基準日現在の法令と各裁判官の生年月日に基づく計算であり,将来の個別の人事発令を確認したものではない。

3 小法廷への配属の慣行

最高裁判所判事を務めた宇賀克也氏の『管見 最高裁判所』(有斐閣,2026年)73頁によれば,小法廷への配属に明文のルールはないものの,新任の裁判官は前任者の小法廷に配属されるのが慣行であり,外交官出身と大学教授出身の判事は第三小法廷に所属してきた。
同書は,キャリア裁判官出身の判事は各小法廷に2人ずつ配置され,弁護士出身の判事は第三小法廷に1人であるため,第三小法廷には法曹三者以外の出身者が2人配属されており,最も多様性に富んだ小法廷であると評している。
令和8年8月29日現在の5名も,裁判官出身2名,弁護士出身1名,外交官出身1名及び大学教授出身1名であり,この慣行に沿った構成である。
同書73頁は,長官は第二小法廷に所属するのが慣行であるとも記している。

また,同書80頁によれば,第三小法廷には,隔週火曜日に裁判官が集まって昼食をとる懇談会の慣行があり,審議事件の話は一切しないものとされている。
平成14年から平成22年まで在任した藤田宙靖氏の『最高裁回想録―学者判事の七年半』(有斐閣,2012年)38頁も,第三小法廷では隔週の火曜日に各裁判官室を持ち回りにした昼食会を開いていたと記しており,同じ慣行が長く続いていることがうかがわれる。
最高裁判所判事の裁判以外の職務については,「最高裁判所判事の裁判以外の職務」で整理している。

第2 現職裁判官の基本情報

1 林道晴最高裁判所判事

林道晴最高裁判所判事は,昭和32年8月31日生まれであり,東京高等裁判所長官を経て,令和元年9月2日に最高裁判所判事に就任した。
詳しい略歴と関与した主要な裁判は,最高裁判所の公式略歴に掲載されている。

2 渡邉惠理子最高裁判所判事

渡邉惠理子最高裁判所判事は,昭和33年12月27日生まれであり,第一東京弁護士会所属弁護士としての実務経験を経て,令和3年7月16日に最高裁判所判事に就任した。
詳しい略歴と関与した主要な裁判は,最高裁判所の公式略歴に掲載されている。

3 石兼公博最高裁判所判事

石兼公博最高裁判所判事は,昭和33年1月4日生まれであり,国際連合日本政府代表部在勤特命全権大使などを経て,令和6年4月17日に最高裁判所判事に就任した。
詳しい略歴と関与した主要な裁判は,最高裁判所の公式略歴に掲載されている。

4 平木正洋最高裁判所判事

平木正洋最高裁判所判事は,昭和36年4月3日生まれであり,大阪高等裁判所長官を経て,令和6年8月16日に最高裁判所判事に就任した。
詳しい略歴と関与した主要な裁判は,最高裁判所の公式略歴に掲載されている。

5 沖野眞已最高裁判所判事

沖野眞已最高裁判所判事は,昭和39年1月12日生まれであり,東京大学大学院法学政治学研究科長・法学部長を経て,令和7年7月24日に最高裁判所判事に就任した。
詳しい略歴と関与した主要な裁判は,最高裁判所の公式略歴に掲載されている。

第3 第三小法廷の裁判官の国民審査状況

1 現職5名の審査状況

第三小法廷の現職5名は,いずれも令和8年8月29日までに,任命後最初の国民審査を受けている。

2 詳細記事

各裁判官の投票結果,罷免可率,審査の時期及び制度の詳細は,最高裁判所裁判官国民審査を参照されたい。

第4 関連記事

①最高裁判所第一小法廷の裁判官(着任順)(着任順の一覧,任命に関する閣議書及び国民審査の有無)
②最高裁判所第二小法廷の裁判官(長官以外は着任順)(長官を含む構成並びに小法廷の定足数,裁判長,裁判官の配置及び事件分配)
③最高裁判所裁判官とは|現職15人の一覧・任命・定年・国民審査(三つの小法廷を横断した現職15人の総覧)
④最高裁判所裁判官国民審査
⑤幹部裁判官の定年予定日
⑥最高裁判所裁判官の任命―法的根拠,選任慣例,出身分野及び透明性

第5 出典・参考資料

1 法令及び年齢計算

①日本国憲法79条(e-Gov法令検索)
②裁判所法50条(e-Gov法令検索)
③年齢計算ニ関スル法律(e-Gov法令検索)
④民法143条(e-Gov法令検索)
⑤文部科学省「4月1日生まれの児童生徒の学年について」

2 最高裁判所の公表資料

①最高裁判所「最高裁判所の裁判官」
②裁判所「最高裁判所」
③最高裁判所「裁判官略歴」(着任順1人目)
④最高裁判所「裁判官略歴」(着任順2人目)
⑤最高裁判所「裁判官略歴」(着任順3人目)
⑥最高裁判所「裁判官略歴」(着任順4人目)
⑦最高裁判所「裁判官略歴」(着任順5人目)

3 文献

①宇賀克也『管見 最高裁判所』(有斐閣,2026年)73頁及び80頁
②藤田宙靖『最高裁回想録―学者判事の七年半』(有斐閣,2012年)38頁