メインコンテンツへスキップ
       

同居の配偶者が死亡した後1週間に相続人がすること-手続・生活・遺産保全の全チェックリスト(AI作成)

第1 一週間の考え方と優先順位

1 本記事の対象

本記事は,令和8年9月8日現在,日本国内で同居の配偶者が死亡し,生存配偶者が相続人となる通常の場面を対象とする。
死亡直後から7日目までに全員が行う事項と,該当するときだけ行う事項を分け,法定期限,生活上の必要及び証拠・財産の保全を一つの時系列に整理する。

「死亡後1週間以内」の法定期限として最も重要なのは,原則として死亡の事実を知った日から7日以内の死亡届である。
健康保険,年金,相続放棄,税務,相続登記等には別の期限又は個別の手続があるため,一週間ですべてを終える必要はないが,窓口と必要資料を確認し,後日の期限を記録するところまでは進めておくとよい。

2 一週間で優先する六つの仕事

一週間の優先順位は,①死亡確認と死亡診断書又は死体検案書の受領,②死亡届と火葬許可,③遺体の搬送・安置と葬儀,④同居家族の生活維持,⑤遺言・財産・証拠の保全,⑥期限一覧と連絡先の作成,の順で考えると整理しやすい。
一人で抱えず,手続担当,葬儀担当,連絡担当及び記録担当を分け,同じ情報を共有できる一冊のノート又は表を作るのが実用的である。

記録には,日時,相手方,電話番号,担当者名,話した内容,提出物,受領物,支払額,支払者及び次の期限を残す。
死亡診断書等,請求書,領収書,名刺及び画面は,原本の所在を決めた上で写し又は写真も保存する。

3 一週間で結論を出さない方がよい事項

遺産分割,相続放棄の最終判断,不動産・自動車・株式の名義変更,故人の契約の一斉解約及び大量の遺品処分は,通常,一週間以内に完了させる事項ではない。
資産,負債,遺言及び他の相続人を確認しないまま財産を動かすと,後に相続放棄や遺産分割で問題となり得るため,最初の一週間は「処分」よりも「保全と一覧化」を優先する。

第2 当日から死亡診断書等の受領まで

1 死亡確認前と死亡確認後を分ける

反応や呼吸がなく,医師による死亡確認が済んでいない場合は,直ちに119番へ連絡し,通信指令員の指示に従う。
在宅療養中で主治医又は訪問看護の緊急連絡方法が決まっている場合でも,状況が判断できなければ救急へ連絡し,自己判断で遺体を動かさない。

病院,施設又は在宅で医師が死亡を確認した後は,死亡診断書又は死体検案書が作成される。
厚生労働省は,生前に診療していた傷病に関連する死亡と認められる場合に死亡診断書,それ以外の場合に死体検案書を交付するという区別を示しているが,いずれも死亡を医学的・法律的に証明する文書であり,効力に違いはない。

事故,自殺の疑い,死因不明,発見まで時間が経過した場合その他の異状が考えられるときは,医師又は警察の手続が優先する。
現場,衣類,薬,容器,端末,写真,防犯カメラ及び関係者との通信を片付けたり消去したりせず,警察や医師の指示を受ける。

2 病院・施設等で受け取り,確認する物

死亡診断書又は死体検案書は,氏名,生年月日,死亡日時,死亡場所及び作成医師の記載を確認し,死亡届へ提出する前に全面の鮮明な写しを複数確保する。
提出後の原本確保,記載事項証明書及び誤記訂正については,弁護士のための死亡診断書の実務で詳しく説明している。

診察券,預り品,現金,鍵,眼鏡,補聴器,義歯,携帯電話及び充電器等を受け取るときは,受領品をその場で照合する。
入院費,施設利用料,遺体搬送費その他の請求については,請求書と明細を分けて受け取り,誰が何を立て替えたかを記録する。

3 本人の意思を直ちに確認する場面

(1)臓器・組織提供及び献体

臓器・組織提供又は献体に関する意思表示カード,運転免許証,マイナンバーカード,登録証,大学への申込書等がある場合は,直ちに医療機関へ申し出る。
実施できる時間と条件が限られるため,後で検討する事項として先送りせず,本人の意思が不明な場合を含め,医療機関の担当者から説明を受ける。

(2)葬送,宗教及び連絡の希望

エンディングノート,葬儀の生前契約,墓地・納骨堂の契約,菩提寺,宗教上の希望,連絡してほしい人及び連絡を控えてほしい人を確認する。
本人の希望は重要であるが,法的拘束力の有無,費用負担及び家族間の合意は別問題であるため,見つけた資料を保全して関係者と共有する。

4 同居家族の生命と生活を先に守る

乳幼児,未成年者,要介護者,障害者,服薬中の家族及びペットについて,その日の食事,薬,通院,送迎,介護,預け先及び連絡先を確保する。
故人だけが担っていた世話,支払又は連絡を紙に書き出し,少なくとも一週間を乗り切る担当者を決める。

生存配偶者自身も,睡眠不足や強い動揺の中で運転,契約又は多額の支払をしないよう,可能であれば信頼できる人に同席を頼む。
急な胸痛,呼吸困難,自傷のおそれその他の緊急症状があれば,手続よりも救急又は医療機関への相談を優先する。

第3 死亡届,火葬許可及び証明書

1 死亡届の7日という法定期限

戸籍法86条1項により,死亡の届出は,届出義務者が死亡の事実を知った日から7日以内にしなければならない。
同居していた生存配偶者は同居の親族に当たり,戸籍法87条1項の第一順位の届出義務者となるが,同条は,順位にかかわらず届出をすることができるとも定めている。

届出人の資格,提出を他人に託す場合及び例外的な届出人については,死亡届の届出人で詳しく説明している。
葬儀社が書類提出を補助する場合でも,届出人欄に誰がどの資格で記載するかを確認し,控えを残す。

2 届出先と添付書類

死亡届は,死亡した人の本籍地,届出人の所在地又は死亡地の市区町村へ提出できる。
戸籍法86条2項は診断書又は検案書の添付を求めており,通常の用紙は左側が死亡届,右側が死亡診断書又は死体検案書となっている。

窓口の受付時間,夜間・休日受付,火葬許可申請書の様式及び必要な持参物は自治体によって異なる。
提出前に自治体又は葬儀社へ電話で確認し,死亡届全面の写し,届出人の本人確認書類及び自治体から案内された物を準備する。

3 火葬許可と24時間の規律

墓地,埋葬等に関する法律5条により,火葬又は埋葬には市町村長の許可が必要である。
同法3条により,別段の定めがある場合を除き,死亡後24時間を経過する前に火葬又は埋葬を行うことはできない。

死亡届の受理と火葬許可申請を経て交付される許可証は,火葬場へ提出し,火葬後の証明が納骨時に必要となる。
具体的な流れ,遺骨,葬儀費用及び祭祀承継の問題は,葬儀・火葬の実施を参照されたい。

4 提出後に残す記録

死亡届を提出した日,自治体,窓口,届出人,火葬許可証の番号及び受取人を記録する。
火葬許可証,火葬後に返される書面,死亡診断書等の写し及び葬儀関係書類は,一つの耐火性のあるファイルにまとめ,持ち出すときは所在を共有する。

第4 遺体の搬送,葬儀,連絡及び費用

1 搬送と安置を先に決める

病院等から搬送を急ぐよう求められても,搬送だけの契約と,葬儀一式の契約は分けて確認する。
安置場所,安置可能日数,面会,ドライアイス,搬送距離,深夜料金及び搬送後に葬儀社を変更した場合の費用を聞き,記録を残す。

自宅安置を選ぶときは,住宅の広さ,階段,温度,近隣への配慮及び同居家族の負担を確認する。
賃貸住宅,集合住宅又は施設では管理者の規則が関係するため,葬儀社と管理者に搬入経路等を確認する。

2 葬儀契約は明細と総額で確認する

国民生活センターは,葬儀サービスについて高価格・料金,説明不足及び見積りをめぐる相談が多いとして,複数社の比較,複数人での打合せ及び見積書の受領・明細確認を案内している。
広告上のプラン名だけで決めず,搬送,安置,棺,式場,火葬,祭壇,飲食,返礼品,宗教者,写真,司会,人件費,追加日数,キャンセル及び税を含む最終見込額を確認する。

決定を急かされた場合でも,見積書を写真に撮り,含まれない費用と追加条件を読み合わせる。
納得できない請求又は強引な勧誘があれば,消費者ホットライン188又は地域の消費生活センターへ相談する。

3 支払と証拠を分けて残す

葬儀費用を支払う者,喪主,契約者及び相続人は一致するとは限らないため,契約名義と実際の支払者を明確にする。
請求書,明細,領収書,振込記録,香典帳,供花・弔電の記録及び返金記録を保存し,立替えであればその旨を記す。

相続税では,一定の相続人等が負担した通常の葬式費用を遺産総額から控除できる一方,香典返し,墓石・墓地の購入及び初七日等の法事費用は葬式費用に含まれないと国税庁が説明している。
税務上の区分と,相続人間で最終的に誰が負担するかは同じ問題ではないため,領収書を失わず,費目を混ぜないことが重要である。

4 訃報と個人情報を管理する

親族,親しい友人,勤務先,学校,介護・医療関係者,宗教者及び地域関係者を,今すぐ知らせる人,葬儀日程決定後に知らせる人,葬儀後に知らせる人へ分ける。
死因,住所,留守時間,財産,子どもの在宅状況及び葬儀の詳細をSNSへ広く公開する前に,防犯,プライバシー及び本人の希望を確認する。

空き巣やなりすましを防ぐため,葬儀で全員が不在になる時間を公表せず,郵便受け,玄関,合鍵,車及び貴重品を管理する。
弔問,供花及び香典を辞退又は限定する場合は,連絡文を統一して連絡担当者に共有する。

第5 遺言,遺産,負債及び証拠の保全

1 最初は動かさずに記録する

(1)家の中と持出品

現金,通帳,印鑑,カード,有価証券,貴金属,鍵,契約書,権利証,保険証券,借用書,請求書,税務資料,車,収集品及び仕事用物品の所在を,可能であれば二人で確認する。
部屋ごとの写真又は動画を撮り,現金は金額を数えて封筒へ入れ,確認者,日時及び保管場所を記録する。

病院,施設,勤務先,貸金庫,別宅,倉庫,車内及び旅行先に物が残っていないかを一覧にする。
返却を求められた会社物品や賃借品も,写真と受領書を残してから返し,故人所有物との混同を避ける。

(2)郵便物と取引の手掛かり

郵便物,固定資産税通知,金融機関・証券会社・保険会社からの書面,カード利用明細,公共料金,保証会社,ローン,税務署,年金及び自治体からの通知を捨てず,差出人別に仕分ける。
被相続人の財産調査の入口は,被相続人の財産調査で整理している。

2 相続放棄の可能性があれば避ける行為

民法921条1号は,相続人が相続財産の全部又は一部を処分したときは,保存行為等を除き,単純承認をしたものとみなすと定めている。
借金,保証債務,滞納税,事業債務,訴訟又は高額な原状回復費用の可能性がある場合は,故人の財産を売る,贈る,捨てる,自分の物として使う,債権を回収して混同する又は故人の借金を遺産から任意に支払う前に,専門家へ相談する。

葬儀費用を故人の預金から支払えば常に単純承認になる,又は常に問題にならない,という一律の結論は安全ではない。
払戻しの方法,金額,使途,保管状況及び他の財産の取扱いを個別に検討する必要があり,詳しくは相続開始後の預貯金の払戻しと法定単純承認を参照されたい。

相続放棄は,原則として自己のために相続の開始があったことを知った時から3か月以内に家庭裁判所へ申述する手続である。
起算点,期間伸長及び期限後の問題は,相続放棄の3か月はいつからかで説明している。

3 遺言書は探すが,封印された物を開けない

自宅,金庫,貸金庫,信託銀行,公証役場関係書類,法務局の保管関係書類,弁護士・司法書士等の名刺及びエンディングノートを確認し,遺言書らしい物は発見時の状態を撮影して保管する。
封印のある遺言書は家庭裁判所で相続人等の立会いの下に開封する必要があるため,自宅で開封しない。

自筆証書遺言は原則として家庭裁判所の検認が必要であるが,公正証書遺言及び法務局保管の自筆証書遺言に関する遺言書情報証明書は検認を要しない。
検認は遺言の有効・無効を判断する手続ではないため,内容に疑問がある場合は,財産を動かす前に相談する。

4 銀行口座と当面の生活費

(1)カード,暗証番号及びオンラインバンキングを使わない

故人名義のキャッシュカード,クレジットカード,電子マネー又はオンラインバンキングを,生存配偶者が本人として使うことは避ける。
口座の残高,取引履歴及び定期的な入出金は相続財産と契約の調査に必要であるため,カード類と通知を保全し,金融機関の相続窓口へ正規の方法を確認する。

口座名義人の死亡を金融機関が知ると,通常は払戻し等が制限され,住宅費,公共料金及びカード代金の口座振替も止まる可能性がある。
いつ,どの口座について連絡するかは,無断出金ではなく,生存配偶者自身の資金,今後の引落し,葬儀費用及び金融機関の相続手続を一覧にした上で判断する。

(2)遺産分割前の預貯金払戻し制度

各共同相続人は,家庭裁判所の判断を経ず,相続開始時の口座残高の3分の1に自己の法定相続分を乗じた額まで,他の共同相続人の同意なく払戻しを求める制度を利用できる。
ただし,同一金融機関からの払戻しは150万円が上限であり,必要書類と処理期間は金融機関へ確認する必要がある。

葬儀費又は生活費が不足するときは,ATM出金ではなく,この制度,生命保険金,勤務先の給付,健康保険の埋葬料等を候補として相談する。
弁護士が代理して銀行の相続手続を行う流れは,弁護士による被相続人の銀行口座の相続手続で説明している。

第6 住まい,家族,勤務先及び公的給付

1 住まいを失わず,契約を止め過ぎない

(1)持家,賃貸住宅及び公営住宅

自宅が故人の所有で,生存配偶者が相続開始時に無償で居住していた場合は,要件を満たせば民法1037条の配偶者短期居住権が成立する。
相続関係や所有者からの連絡を確認せず,死亡直後に退去届,鍵の返還,家財処分又は明渡合意をしない。

賃貸住宅では,契約名義,共同賃借人,保証人,家賃の引落口座及び同居人の承継可否を確認し,管理会社又は家主へ必要な手続を照会する。
公営住宅,社宅,高齢者住宅及び施設は固有の入居要件があるため,一般の賃貸借と同じと決めつけず,担当窓口へ早期に相談する。

(2)住宅ローン,保険,公共料金及び防犯

住宅ローンがあれば,団体信用生命保険の有無を契約書や返済予定表で確認し,金融機関へ必要書類を照会する。
火災保険,地震保険,家財保険,管理費,固定資産税及び修繕積立金も一覧化し,失効や滞納を避ける。

電気,ガス,水道,電話,インターネット及び見守りサービスは,同居家族の生活に必要なものを直ちに解約しない。
名義人,支払口座,次回引落日及び変更方法を確認し,故人口座の停止に備えて生存配偶者の支払方法へ順次切り替える。

2 子ども,要介護者及びペット

学校,保育所,放課後施設,介護事業者,ケアマネジャー及び医療機関には,送迎者,緊急連絡先,費用負担者又は家族構成の変更に必要な範囲だけを連絡する。
遺族年金,児童扶養関係の給付,ひとり親支援,就学援助,介護保険及び障害福祉の手続は,世帯構成や所得等で異なるため,市区町村のおくやみ窓口又は各担当課へ該当項目を一括して照会する。

ペットについては,餌,薬,通院,登録,保険,マイクロチップ,預け先及び故人名義の支払を確認する。
故人が単独で飼育管理していた動物を放置せず,飼育を継続できない場合は親族,獣医師又は自治体の動物相談窓口へ早期に相談する。

3 勤務先と事業関係

故人の勤務先には,死亡の事実,連絡担当者及び会社物品の返却方法を伝え,最終給与,死亡退職金,弔慰金,企業年金,団体保険,持株会,財形,社宅,健康保険及び業務上の債権債務の窓口を確認する。
会社のメール,端末又は業務システムへ故人の認証情報でアクセスせず,必要な私物・データの引渡しは会社の手続で求める。

死亡した被保険者に関する健康保険・厚生年金の資格喪失届は,通常,事業主が提出する手続である。
「5日以内」等の事業主側の提出期限を,生存配偶者自身がその期限までに役所へ届出をする義務と取り違えず,勤務先から求められる資料を確認して渡す。

4 健康保険,年金,生命保険及び固有の給付

協会けんぽでは,被保険者が死亡したとき,一定の生計維持関係にある人へ埋葬料5万円が支給され,該当者がいない場合は実際に埋葬を行った人へ5万円の範囲内で埋葬費が支給される。
申請権は所定の起算日から2年で時効となるため,一週間以内の請求完了は不要であるが,加入先,申請者及び領収書等の必要書類を確認する。

故人が年金受給者であった場合,未支給年金は民法上の遺産と同じ扱いではなく,死亡時に生計を同じくしていた一定の遺族が所定の順位で請求する。
日本年金機構に個人番号が収録されている人は死亡届を原則として省略できるが,未支給年金の請求は別途必要であり,遺族年金も加入状況,生計維持,年齢及び子の有無等で受給要件が異なる。

生命保険,死亡退職金,未支給年金,遺族年金,労災給付,埋葬料等は,受取人や制度上の遺族に固有の権利となり,相続放棄をしても受け取れる場合がある一方,故人に支払われるはずであった給付等は遺産となることがある。
区別の基準は,相続放棄をしても受け取れる権利で整理している。

保険証券が見つからなくても,通帳,カード明細,給与明細,確定申告書,年末調整書類及び郵便物から保険会社を探す。
保険法上,保険給付請求権は原則として行使できる時から3年で時効となるため,契約先を一週間で特定できない場合でも,捜索記録と後日の照会予定を残す。

第7 スマートフォン,デジタル契約及び郵便物

1 端末を初期化せず,電源と状態を保つ

スマートフォン,パソコン,タブレット,外付け記憶媒体,認証用端末及び充電器をまとめ,発見時の電源,ロック,通信,破損及び接続機器の状態を撮影する。
初期化,OS更新,パスコードの推測入力,SIMの差替え及び大量のファイル整理を避け,必要に応じて充電し,遠隔消去や紛失を防ぐ。

回線解約,端末ロック,Apple又はGoogleへの請求,SMS認証,サブスクリプション及び相続放棄との関係は別々の問題である。
死亡直後の手順は,被相続人のスマホに関して死亡直後に遺族がすべきことを参照されたい。

2 メール・SNS・クラウド・暗号資産を一斉解約しない

メール,SNS,クラウド,ネット銀行,証券,暗号資産,電子マネー,通販,ポイント,マイル,サブスクリプション,ドメイン及びオンライン事業口座を一覧にする。
契約上の権利が相続できるか,データを取得できるか及び故人の認証情報を使えるかはサービスごとに異なるため,まず公式の死亡時手続と利用規約を確認する。

メールや電話番号を早く解約すると,資産調査,二要素認証,取引履歴及び関係者連絡の手掛かりを失うことがある。
料金発生と証拠保全を比較し,必要な情報の正規取得方法を確認してから解約又は追悼アカウント等を選ぶ。

3 郵便物は現住所で管理する

故人宛ての郵便物は,契約,資産及び負債の重要な手掛かりとなるため,郵便受けを施錠し,差出人,日付及び内容を記録する。
日本郵便は,死亡した受取人宛ての郵便物等を家族へ転送する取扱いをしていないため,同居していた住所で受け取れる物を管理し,差出人ごとに名義変更又は送付停止を依頼する。

第8 事情があるときだけ直ちに分岐する事項

1 事故,犯罪,医療,労災又は第三者の関与

交通事故,犯罪,転倒,製品事故,医療に関する疑問,業務災害,通勤災害又は第三者の行為が関係する可能性がある場合は,現場写真,診療記録の案内,警察の受理番号,相手方,保険会社,勤務先,目撃者及び防犯カメラの所在を記録する。
映像,運行記録,通信ログ等は上書きされることがあるため,具体的な事故又は紛争が想定されるときは,葬儀後まで待たず,保存を依頼する方法を弁護士等へ相談する。

業務上又は通勤による死亡であれば,労災保険の遺族給付及び葬祭料等が問題となる。
勤務先の説明だけで対象外と決めず,労働基準監督署又は厚生労働省の相談窓口へ確認する。

2 個人事業,会社経営又は専門資格

故人が個人事業主,会社代表者,士業,賃貸業者,農林漁業者又はオンライン事業者であった場合は,従業員の安全と給与,顧客財産,預り金,締切,生鮮品,動物,危険物,サーバー,鍵及び事業所の保全を優先する。
事業を継続する権限,会社の代表権,許認可,口座,電子証明書及び税務はそれぞれ別であり,相続人であることだけを理由に故人名義で新たな契約又は送金をしない。

共同経営者,顧問税理士,社会保険労務士,金融機関,主要取引先及び許認可庁の連絡先を確認し,緊急停止が必要な作業と維持が必要な作業を分ける。
事業債務又は個人保証があり得るときは,通常の家庭より早く,相続放棄,会社法上の対応及び事業承継を相談する。

3 多額の負債,相続人間の対立又は家に危険物がある場合

督促状,借入れ,連帯保証,税滞納,賃料滞納,投資損失,暗号資産取引,訴状又は事業債務が見つかった場合は,債権者へ安易に支払約束や債務承認をせず,書面を保全する。
相続人間に対立がある場合は,単独で鍵を交換し,他の相続人の物を排除し,又は財産を持ち出すのではなく,写真,立会人及び受領書を用いて保全行為の透明性を確保する。

銃砲刀剣類,危険物,薬品,麻薬・向精神薬,動物,腐敗物,感染性廃棄物その他安全上の問題があるときは,自己判断で運搬又は廃棄せず,警察,消防,保健所,医療機関又は所管行政庁へ連絡する。
高額品があり防犯上危険な場合は,複数人で所在を記録し,適法な保管場所を確保する。

4 国外,外国籍又は家族関係が複雑な場合

死亡地,本籍,国籍,常居所,海外財産,外国の銀行口座,外国籍の相続人又は外国方式の遺言が関係する場合は,日本国内だけの手続で完結するとは限らない。
旅券,在留カード,領事館,現地の死亡証明書,翻訳,準拠法及び国際裁判管轄が問題となるため,早期に領事機関及び国際相続を扱う専門家へ相談する。

第9 一週間の実行チェックリストと後日の期限

1 当日から翌日

□ 死亡確認前なら119番等へ連絡し,確認後は死亡診断書又は死体検案書を受け取ったか。
□ 事故等の可能性があれば現場と証拠を動かさず,警察・医師の指示を受けたか。
□ 臓器・組織提供,献体,葬儀,宗教及び連絡先に関する本人の意思を確認したか。
□ 遺体の搬送先と安置条件を確認し,搬送だけの費用と葬儀一式を分けて聞いたか。
□ 子ども,要介護者,服薬中の家族及びペットの当面の世話を決めたか。
□ 病院等の預り品,鍵,端末及び請求書を照合して受け取ったか。

2 2日目から3日目

□ 死亡診断書等と死亡届の全面コピーを提出前に確保したか。
□ 死亡届の届出人,提出先,7日目の日付及び火葬許可申請を確認したか。
□ 葬儀の総額見積り,追加費用,キャンセル条件及び支払者を複数人で確認したか。
□ 訃報の連絡先を三段階に分け,留守時間や財産情報を公開しないようにしたか。
□ 自宅,鍵,現金,通帳,カード,遺言書らしい物及び重要書類を撮影して保全したか。
□ 故人名義のATM,カード及びオンラインアカウントを本人として利用していないか。

3 4日目から7日目

□ 死亡届を法定期限内に提出し,火葬許可証と提出記録を保管したか。
□ 香典,供花,葬儀費用及び立替金について,受領者・支払者・費目が分かる記録を作ったか。
□ 故人の勤務先へ連絡し,会社物品,給与,退職金,保険,年金及び社宅の窓口を確認したか。
□ 住まい,住宅ローン,公共料金,保険,通信及び次回引落しを一覧にしたか。
□ 資産と負債の手掛かり,遺言,郵便物,端末及び事業上の緊急事項を一覧にしたか。
□ 相続放棄,事故,事業,海外又は相続人間対立の可能性があれば,相談先を確保したか。
□ 14日,3か月,4か月,10か月,2年及び3年の後続期限を予定表に入れたか。

4 一週間後に管理する主な期限

主な事項原則的な期限・時効一週間以内にしておくこと
世帯主,国民健康保険,介護保険等自治体と資格により異なり,14日以内の手続が多いおくやみ窓口で該当手続と必要物を一括確認する
相続放棄・限定承認自己のための相続開始を知った時から3か月以内資産・負債を処分せず調査し,起算日を記録する
準確定申告相続開始を知った日の翌日から4か月以内確定申告書,帳簿,源泉徴収票及び電子申告資料を保全する
相続税申告相続開始を知った日の翌日から10か月以内相続人,財産,債務,葬儀費用及び贈与資料の調査を始める
協会けんぽの埋葬料・埋葬費所定の起算日から2年加入先,申請者,領収書及び死亡証明資料を確認する
生命保険金保険法上は原則として行使可能時から3年保険会社,証券,受取人及び請求書類を特定する
相続登記不動産取得を知った日等から原則3年以内不動産の所在と登記名義を調べ,期限の起算点を記録する

準確定申告の対象者,必要書類及びe-Taxは,準確定申告-4か月の期限・必要書類・書き方・e-Taxと相続税で説明している。
期限は死亡日から一律に数えるものばかりではなく,制度改正,災害特例,契約約款及び個別事情で変わり得るため,この一覧だけで最終判断せず,各窓口の現行案内を確認する。

第10 出典・参考資料

1 法令

e-Gov法令検索「戸籍法」25条,86条ないし88条。
e-Gov法令検索「墓地,埋葬等に関する法律」3条及び5条。
e-Gov法令検索「民法」896条,915条,921条,938条ないし940条,1004条及び1037条。
e-Gov法令検索「保険法」95条。

2 裁判所・法務省の手続案内

裁判所「相続の放棄の申述」
裁判所「遺言書の検認」
法務省「民法及び家事事件手続法の一部を改正する法律について(相続法の改正)」
法務省「相続登記の申請義務化について」

3 行政機関・制度実施主体の案内

総務省消防庁「緊急度判定プロトコルVer.3 救急受診ガイド」
厚生労働省「死亡診断書(死体検案書)について」
厚生労働省「遺族(補償)等給付・葬祭料等(葬祭給付)の請求手続」
日本年金機構「年金を受けている方が亡くなったとき」
日本年金機構「遺族年金」
全国健康保険協会「埋葬料・埋葬費」
全国健康保険協会「健康保険埋葬料(費)支給申請書」
国税庁「No.2022 納税者が死亡したときの確定申告(準確定申告)」
国税庁「相続税の申告手続」
国税庁「No.4129 相続財産から控除できる葬式費用」
国民生活センター「依然として多い葬儀サービスの料金トラブル」(令和8年6月3日)。

4 制度実施団体・事業者の案内

日本臓器移植ネットワーク「臓器提供について」
日本郵便「死亡した受取人あての郵便物等を家族に転送してもらえますか?」