目次
- 第1 通知メールの一覧と,来たら何をするか
- 第2 システム送達の通知(「裁判所がファイルをアップロードしました」)
- 第3 相手方が提出したときの通知(「ファイルが提出されました」)
- 第4 閲覧・ダウンロードの通知を読むときの注意
- 第5 メールの振り分け設定
- 第6 関連記事
- 出典・参考資料
mintsを使うと,手続の節目ごとに,送信専用アドレス([email protected])から自動通知メールが届く。
通知は事件ごと・ファイルごとに届くため,送達の効力に直結する通知が,日常の操作通知に埋もれやすい。
いずれの通知も,冒頭に「本メールは、民事裁判書類電子提出システム(mints)からの自動送信メールです。」とあり,宛名,事件の表示,末尾にmintsトップ画面のURL及び差出部署が入る。
事件の表示は,立件前は受付番号(例「〇〇地方裁判所2026-0000000」),立件後は事件番号(例「〇〇地方裁判所令和8年(ワ)第〇号」)で示される。
本記事では,mintsから届く主な通知メール10種類を一覧にした上で,実務上特に重要な「裁判所がファイルをアップロードしました」と「ファイルが提出されました」の二つについて文面を示し,メールソフトの振り分け設定の例を紹介する。
第1 通知メールの一覧と,来たら何をするか
| 通知メールの種類(件名冒頭) | いつ届くか | 来たら何をするか |
|---|---|---|
| 新規申立てが完了しました | 新規申立てフォームから提出した直後 | 提出内容と受付状況を確認し,重複提出せずに立件と事件への関連付けを待つ。この時点の表示は受付番号である |
| 事件当事者設定完了 | 裁判所が立件し,申立人を当事者に関連付けたとき | サインインして事件番号と関連付けを確認し,証拠及び証拠説明書等,次に提出すべき資料を記録一覧から提出する |
| ファイルのアップロードが完了しました | 自分がファイルをアップロードしたとき | 通知を控えとして保存し,記録一覧で提出ファイルと内容を確認する |
| 手数料納付情報が登録されました | 裁判所が手数料額を確定・登録したとき | 手数料納付情報一覧でペイジーの収納機関番号・納付番号・確認番号を確認し,速やかに納付する |
| 手数料納付のお願い | 手数料が未納のまま納付期限が近づいたとき | 納付期限を確認し,期限内に納付する。間に合わない事情があるときは事件係へ連絡する |
| 提出期限設定のお知らせ | 裁判所が主張・証拠等の提出期限をmintsに登録したとき | 提出ファイル選択画面で対応する種別と期限を確認する。期限行の「+」を開くと,裁判所が提出を求めるファイルの内容が表示される |
| 裁判所がファイルをアップロードしました | 裁判所が訴状・呼出状・決定等をアップロードしたとき(=システム送達の通知) | サインインして内容を確認する。閲覧・ダウンロードをしなくても,送信日から1週間の経過で送達の効力が生じる |
| ファイルが閲覧・ダウンロードされました | 対象ファイルが初めてプレビュー又はダウンロードされたとき | 通知対象のファイルと時刻を確認する。補助者の操作も親ユーザ名義になる |
| ファイルが提出されました | 相手方がファイルを提出したとき | サインインして確認する。改正法施行前の事件は受領書を提出する(記録外及び施行後は不要) |
| 受領書が提出されました | 自分が受領書を提出したとき | 提出の控えとして保存し,対象ファイルと受領書の提出状況を確認する |
このうち実務上おさえておきたいのは,送達の効力に直結する「裁判所がファイルをアップロードしました」と,受領書の要否が分岐する「ファイルが提出されました」の二つである。
通知の種類・記載例は,操作マニュアル2.3版の別紙1「メール一覧」と併せて確認し,提出・閲覧の操作は同マニュアル本文及び準備の手引と区別して読む必要がある。
第2 システム送達の通知(「裁判所がファイルをアップロードしました」)
1 どのようなときに届くか
裁判所が訴状,期日呼出状,決定等の送達対象ファイルをアップロードすると届く。
本文に送達の効力に関する告知が入る点が他の通知と異なり,送達対象のファイル1件ごとに1通届く。
システム送達の効力は,①送達を受けるべき者が送達対象データを閲覧した時,②その者がデータを使用する電子計算機のファイルに記録した時(mints上のダウンロード),③閲覧又は記録ができる措置をとった旨の通知が発せられた日から1週間を経過した時のいずれか早い時に生じる(民事訴訟法第109条の2,第109条の3第1項)。
2 通知の文面
以下の文面では,事件番号・氏名・ファイル名等を一般的な表示に置き換えている。
本メールは、民事裁判書類電子提出システム(mints)からの自動送信メールです。
〔肩書〕〔氏名〕 様
〔裁判所名〕〔事件番号〕 に関するお知らせです。
裁判所がシステムにアップロードした以下のファイルについて、あなたが、閲覧・ダウンロードをすることが可能となりましたので、お知らせします。
ファイル名 〔ファイル名(例:訴状.pdf)〕
mintsにサインインして、ファイルの内容を確認してください。
なお、本メールは、民事訴訟法第109条の2第1項本文に基づき、当該送達対象ファイルにつき、システムによる送達を行うための通知として送信するものとなります。
あなたが当該送達対象ファイルの閲覧・ダウンロードをしなくても、民事訴訟法第109条の3第1項第3号により、本メールの送信日から1週間を経過した時に、当該ファイルにつき、電磁的記録の送達の効力が生じることになりますので、ご注意ください。
3 電子呼出状の通知を受けたとき
電子呼出状の通知を受けたときは,メールの裁判所名・事件番号・ファイル名を照合し,mintsで対象ファイルを開いて,期日の種類,指定日時,出頭場所及び裁判所が指示した参加方法を確認する。
通知の発出日時,送達の効力が生じた日時及び出頭すべき日時は区別して管理する。
前記1の「1週間」は送達の効力に関する期間であり,指定期日を1週間先へ延ばすものではない(民事訴訟法第94条・第109条の3)。
第3 相手方が提出したときの通知(「ファイルが提出されました」)
相手方がmintsにファイル(答弁書,委任状,システム送達を受ける旨の届出等)を提出すると届く。
受領書の要否が,改正法の施行前後及び記録・記録外の別で分かれる旨が本文に明記されている。
本メールは、民事裁判書類電子提出システム(mints)からの自動送信メールです。
〔肩書〕〔氏名〕 様
〔裁判所名〕〔事件番号〕 に関するお知らせです。
〔相手方の肩書・氏名〕からファイル(〔提出ファイル名〕)が提出されました。
mintsにサインインしてファイルを確認し、改正法施行前の事件においては、受領書を提出してください。
なお、記録外の場合及び改正法施行後の事件においては受領書の提出は不要です。
第4 閲覧・ダウンロードの通知を読むときの注意
「ファイルが閲覧・ダウンロードされました」の通知は,初回の操作についての通知である。
補助者による操作も親ユーザ名義になる(操作マニュアル63頁〔PDF66頁〕・別紙1「メール一覧」番号22〔PDF104頁〕)。
そのため,表示名だけで実際に操作した者,内容を熟読したかどうか,又は全ての閲覧履歴を特定することはできない。
送達の効力は,通知の表示ではなく,前記第2の1の要件と照合して判断する。
なお,通知メールは事件に関連付けられた当事者及び補助者の全員に送信されるが,メールの受信自体は効力発生事由ではない。
反対に,電子申立て等の義務を負う者が届出をしていない場合には,裁判所は通知を発することを要しない(民事訴訟法第109条の4)。
「通知メールを受信していないから送達の効力は生じない」と考えることはできない。
第5 メールの振り分け設定
大阪地方裁判所が作成した操作説明資料②26頁は,メールソフトの振り分け設定として次の例を示している。
| フォルダ名 | 振り分けルール(条件) |
|---|---|
| 送達通知 | 送信元が[email protected]であり,かつ件名に「裁判所がファイルをアップロードしました」を含む |
| 相手方からのファイル提出 | 同じ送信元であり,かつ件名に「ファイルが提出されました」を含む |
| 手数料納付通知 | 同じ送信元であり,かつ件名に「手数料納付」を含む |
| 当事者設定通知 | 同じ送信元であり,かつ件名に「事件当事者設定完了」を含む |
| 提出期限通知 | 同じ送信元であり,かつ件名に「提出期限」又は「提出のお願い」を含む |
| その他 | 送信元が[email protected]であること |
「その他」のルールが最後に適用されるよう,ルールの優先順位を設定する必要がある。
送達の効力が生じる「裁判所がファイルをアップロードしました」と,受領書の要否が分かれる「ファイルが提出されました」を別のフォルダへ落としておけば,期限管理の見落としを減らせる。
なお,通知先として届け出た連絡先を変更又は解約するときは,速やかに新たな連絡先を届け出る。
補助者が閲覧又はダウンロードした場合にも送達の効力が生じるため,担当者間で閲覧時刻,対象ファイル及び期限計算の引継ぎを記録しておくのが安全である。
第6 関連記事
①mintsのシステム送達と期限管理―応訴・通知メール・電子判決書・控訴期間
②mintsの補助者アカウント―登録方法・権限・上限と退職時の解除
③mintsで準備書面を提出する方法
④mintsの手数料をPay-easyで納付する方法
⑤mintsで期日請書を提出する方法
⑥mintsで被告になった本人の対応―招待キー,答弁書及びシステム送達
出典・参考資料
①民事訴訟法(平成8年法律第109号)94条・109条の2・109条の3・109条の4
②mints「mints操作マニュアル」別紙1「メール一覧」
③裁判所「民事裁判手続のデジタル化に関する準備の手引」3頁・17頁
④大阪地方裁判所が作成した操作説明資料②(情報公開請求により取得した文書)26頁