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委任を受けた訴訟代理人等,民事訴訟法第132条の11第1項各号に掲げる者は,システム送達を受ける旨の届出をしなければならない(同条第2項)。
この届出には,特定の事件ごとに提出する個別届出と,改正民事訴訟法が適用される全事件を対象とする包括届出がある。
届出をしたかどうかは,訴状等が出力書面で送達されるかシステム送達されるかを左右し,届出を欠くと事件情報への関連付けが解除されることもある。
他方,届出がない場合であっても,電子申立て等の義務を負う者に対してはシステム送達が可能であり,裁判所は通知を発することを要しない(同法第109条の4)。
本記事では,個別届出と包括届出の違い,共同受任事件における担当訴訟代理人の届出,及び最新の届出書式の所在を説明する。
第1 届出の三つの経路
システム送達を受ける旨の届出には,次の三つの経路がある。
| 経路 | 対象 | 提出方法 |
|---|---|---|
| 新規申立てフォームのトグル | 入力者である訴訟代理人自身 | 新規申立てフォームの「システム送達を受ける旨の届出」をオンのままにする |
| 個別届出 | 特定の1事件 | 届出書PDFを対象事件の記録一覧のアップロード画面から,ファイル種別「その他」で提出する |
| 包括届出 | 自らが当事者となる改正民訴法適用事件のすべて | アカウント設定で「システム送達包括届出設定」を「あり」とし,届出書を「添付ファイル(本人・資格確認資料以外)」から提出する |
新規申立てフォームで「システム送達を受ける旨の届出」のトグルをオンにした入力者については,別途の個別届出書を提出する必要はない。
第2 個別届出
1 記載事項と提出場所
個別届出書には,事件番号,提出先裁判所,届出日,届出者の立場・氏名及び自己の当事者IDを記載する。
これをPDF化し,対象事件の記録一覧のアップロード画面から,ファイル種別「その他」を選択して提出する。
2 通知先は当事者IDのアカウントに登録されたアドレスである
通知先は,この当事者IDのアカウントに登録されたメールアドレスとされている。
そのため,提出前に登録内容を確認する。
通知先として届け出た連絡先を変更又は解約するときは,速やかに新たな連絡先を届け出る。
3 共同受任事件では各自が提出する
共同受任事件では,入力者による届出だけで他の共同訴訟代理人も届出済みとなるわけではない。
各共同訴訟代理人は,事件への関連付け後,自己の個別届出を提出する。
システム入力者が他人の届出トグルをオンにしても,その代理人が届出をしたことにはならない。
第3 包括届出
1 設定と提出
包括届出は,mintsのアカウント設定で「システム送達包括届出設定」を「あり」とした上で,包括届出書を「添付ファイル(本人・資格確認資料以外)」から提出する。
届出書には届出者の氏名と当事者IDを記載し,通知先は当該アカウントに登録されたメールアドレスとする。
2 事件ごとに提出する書面ではない
包括届出は,事件ごとに提出する書面ではない。
提出者自身が当事者となる改正民訴法適用事件のすべてについて,一括してシステム送達を受ける旨を届け出るものである。
操作マニュアル26頁〔PDF29頁〕は,国・地方自治体・法人が包括届出をする場合について説明している。
3 訴状等の初回送達にも影響する
包括届出をすると,自ら予期せず被告となった事件でもシステム送達を受けることがあり,訴状等の初回送達にも影響する。
被告にあらかじめ代理人が就く場合や包括届出がある場合には,訴状の送達が出力書面によらずシステム送達で行われることがある(民事訴訟法第109条の2第1項ただし書)。
第4 共同受任事件の担当訴訟代理人
1 10人を超えるときは担当訴訟代理人を定める
当事者に10人を超える訴訟代理人がいる場合は,特別の事情がある場合を除き,電子提出・閲覧等及びシステム送達を担当する訴訟代理人を10人以下に定め,裁判所に届け出なければならない(民事訴訟規則第52条の13)。
新規申立て時は,入力者を含む担当訴訟代理人の氏名と当事者IDを届出書に記載し,新規申立てフォームの「添付書類」に添付する。
2 CSVを添付した入力者の特則
電子申立てフォームに当事者情報CSVを添付した入力者については,担当訴訟代理人届出書にその入力者の氏名及び当事者IDを記載すれば,入力者の個別届出を兼ねる。
3 担当訴訟代理人の指定と各自の届出は別問題である
担当訴訟代理人を定めることと,各共同訴訟代理人がシステム送達を受ける旨を届け出ることは別の問題である。
前記2の入力者に関する取扱いを除き,mintsの事件情報に関連付けられた他の共同訴訟代理人は,自己の個別届出を提出する必要がある。
第5 届出をしなかった場合
電子申立て等の義務を負う者が届出をしていない場合でも,システム送達は可能であり,裁判所は通知を発することを要しない。
この場合は,①閲覧した時,②使用する電子計算機のファイルに記録した時,③閲覧又は記録ができる措置がとられた日から1週間を経過した時のいずれか早い時に効力が生じる(民事訴訟法第109条の4)。
したがって,「通知メールを受信していないから送達の効力は生じない」と考えることはできない。
届出を欠くと,事件情報への関連付けが解除されることもある。
第6 最新の届出書式
令和8年8月31日確認時点で,裁判所は次の書式を公開している。
①システム送達を受ける旨の届出
②システム送達を受ける旨の包括届出
③電子情報処理組織の使用を担当する訴訟代理人の届出
④送達場所等の届出・システム送達を受ける旨の届出・システム送達受取人の届出(本人用)
書式及び注意書きは更新されることがあるため,提出時には裁判所「改正民訴法等に関する参考資料」から最新版を確認する必要がある。
本人が自分で裁判を行う場合の記入方法,システム送達受取人の権限及びサポータへの入力依頼については,mintsと本人訴訟を参照されたい。
第7 提出前の確認事項
①自分が届出義務者に当たるかを確認する。
②新規申立てのトグル,個別届出,包括届出のいずれの経路によるかを決める。
③届出書に記載する当事者IDと,そのアカウントに登録されたメールアドレスを確認する。
④共同受任であれば,各代理人が自己の届出を提出したかを確認する。
⑤代理人が10人を超えるときは,担当訴訟代理人の届出を併せて提出する。
⑥提出後,記録一覧に届出書が反映されたことを確認する。
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出典・参考資料
①民事訴訟法(平成8年法律第109号)109条の2・109条の4・132条の11
②民事訴訟規則52条の13・58条
③裁判所「民事裁判手続のデジタル化に関する準備の手引」13頁・17頁~18頁・40頁
④mints「mints操作マニュアル」26頁〔PDF29頁〕
⑤裁判所「改正民訴法等に関する参考資料」