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mintsで準備書面を提出する方法|「主張」・記録外・直送・受領書の新旧法別ルール(AI作成)

第1 対象範囲と先に確認する結論

1 この記事の対象

本記事は,2026年8月24日現在の民事訴訟法,民事訴訟規則及び裁判所公表資料に基づき,係属中の民事訴訟でmintsを用いて準備書面を提出する方法を説明する。
準備書面の内容及び要件事実ではなく,提出区分,正式記録と記録外の違い,当事者間の直送,受領書並びに提出後の確認を対象とする。

新規申立てフォームから訴えを提起する段階は,mintsで訴訟を提起する方法が扱う。
準備書面その他のPDFを選択できない場合又は提出後に記録一覧へ反映されない場合は,mintsでファイルをアップロードできない場合を参照されたい。

準備書面は,対象事件の記録一覧でファイル種別「主張」を選び,通常は確定版のPDFを正式に提出する。
Word等の編集可能データを「記録外」へアップロードしても正式な提出にはならず,受領書の要否は,事件が新法事件か旧法事件かに加え,mints上のシステム直送か,紙・出力書面・記録媒体による直送かによって決まる。

2 事件区分・直送方法別の受領確認

事件区分・提出経路正式提出相手方への直送受領確認
新法事件でmintsの「主張」へ提出し,相手方もシステムで受領できる場合正式提出となるシステムによる直送別紙受領書は提出せず,相手方が閲覧又は端末への記録をした旨を裁判所のファイルへ記録する
新法事件で紙を郵送又はFAXにより直送する場合裁判所への提出方法は電子提出義務と例外を別に判定する紙又はFAXによる直送原則として受領書が必要である
新法事件で電磁的記録の出力書面又は記録媒体を直送する場合文書種別ごとの提出方法を別に確認する出力書面又は記録媒体による直送原則として受領書が必要である
旧法事件で経過措置上のmintsを利用する場合記録一覧への提出が正式提出となる旧mintsの仕組みによる直送受領者がmintsで受領書を提出する
新旧を問わず「記録外」へアップロードした場合正式提出にならない訴訟記録上の直送として扱わないmintsの受領書作成対象ではない

「新法事件では受領書が不要である」という説明は,mints上のシステム直送に限れば正しい。
新法事件でも紙・出力書面・記録媒体による直送には受領書が残るため,事件の新旧だけで結論を決めてはならない。

第2 新法事件と旧法事件の区分

1 基準日は2026年5月21日である

民事訴訟手続の全面デジタル化に関する改正法の施行日は2026年5月21日である。
原則として,同日以後に訴えが提起され,又は手続が開始された事件は新法事件,同月20日以前に訴えが提起され,又は手続が開始された事件は旧法事件となる。
控訴事件及び抗告事件では原審事件の申立日が基準となるため,上訴又は抗告の申立日だけで区分してはならない。

もっとも,施行日前の申立てとの関係で施行日後の訴え提起とみなされる場合等の経過措置がある。
受領書の要否を判断するときは,現在の日付やmintsを利用しているという事実だけでなく,訴え提起日又は手続開始日,事件画面の表示及び担当部の指示を確認する必要がある。

2 旧法事件でもmintsを利用する場合がある

従前のmints関係規則は廃止されたが,施行前に開始した事件で双方に委任を受けた訴訟代理人があるなどの条件を満たすものは,経過措置により旧mintsの取扱いを継続することがある。
したがって,「mints上に事件があるから新法事件である」とは限らない。

旧法事件に対しても現行民事訴訟規則47条の2の一部が経過措置により適用される一方,新法のシステム直送へ自動的に切り替わるものではない。
旧法事件でmintsにより当事者ファイルを受領した場合は,後記第5の手順で受領書を提出する。

3 新法事件と旧法事件が併合された場合

裁判所の「民事訴訟フェーズ3に向けた準備の手引」は,新法事件と旧法事件が併合されたときは,併合後の事件全体を旧法事件として扱うと説明している。
他方,新法事件として併合前に電子提出された準備書面は,併合を理由として紙で再提出する必要はない。

併合後に新たに提出する準備書面の直送及び受領書は,併合前の表示をそのまま前提にせず,併合後の事件区分と担当部の指示を確認する。
この点は,過去の提出ファイルを再提出するかという問題と,今後の提出方法をどうするかという問題を分けて管理すべきである。

第3 準備書面PDFを「主張」として提出する手順

1 提出前にPDFと事件情報を確認する

正式提出する準備書面は,通常,内容を確定したPDFとする。
提出前には,①事件番号及び当事者名,②提出期限,③準備書面の表題・頁順・別紙,④秘匿情報及び別事件資料の混入,⑤ファイル名,⑥相手方のmints利用状況を確認する。

mints操作マニュアルのバージョン2.3によれば,ファイル名は拡張子を含め100文字以内,1回のアップロード合計は200MB以内であり,パスワード付きファイルは提出できない。
準備書面は通常PDFで提出し,文書種別に合わないファイル形式を選ばない。

2 記録一覧から提出する

mintsで準備書面を正式提出する基本操作は,次の順序である。

①対象事件を開き,記録一覧を表示する。
②裁判所が提出期限を設定している場合は該当する期限行を選び,設定がない場合は期限なしの提出行を選ぶ。
③ファイルアップロードを選択する。
④ファイル種別で「主張」を選択する。
⑤確定版の準備書面PDFを選び,必要なファイルを追加する。
⑥確認画面で事件,提出区分,ファイル名及び提出対象を確認し,提出する。
⑦ウイルスチェック及び処理の完了を確認し,記録一覧の表示並びに通知を保存する。

ファイル名に「準備書面」と記載しても,提出区分が「記録外」なら正式提出にはならない。
裁判所の提出区分表とmints操作マニュアル関係記事を参照し,必ず「主張」を選択する。

3 提出後に直送と閲覧状況まで確認する

提出操作後は,①対象ファイルが正しい事件の「主張」に表示されたこと,②ファイル名・頁数・内容が確定版と一致すること,③提出日時及び通知が記録されていることを確認する。
その上で,相手方がシステム利用者として直送を受けられるか,別途の紙・FAX直送が必要かを確認する。

新法事件のシステム直送では,送信者がアップロードしたという事実と,相手方が閲覧又は端末への記録をしたという事実は同じではない。
相手方が期日に欠席する可能性がある場合には,民事訴訟法161条3項との関係で,閲覧又は複写の状況を点検する。

第4 正式な準備書面と「記録外」の役割分担

1 記録外のWord等は正式提出にならない

mintsの記録一覧には,「主張」,「証拠」,「証拠説明書」,「関連事件の申立て」,「その他」及び「記録外」の区分がある。
「記録外」にはDOCX,XLSX,PPTX等の編集可能データを置くことができるが,そのファイルは訴訟記録にならない。

準備書面の正式版はPDFを「主張」として提出し,Word版を共有する必要があるときだけ,対応する編集可能データを別途「記録外」へ置く。
知的財産高等裁判所及び大阪地方裁判所知的財産権部の案内も,編集可能データを正式提出とは別に記録外へアップロードする取扱いを示している。

証拠説明書,書証の画像情報及び電磁的記録は提出区分と証拠番号の規律が異なるため,mintsで証拠説明書を提出する方法で分けて説明している。

2 編集可能データの内容と付随情報を点検する

記録外のWord等をアップロードするときは,正式PDFと内容が対応していることが分かるファイル名にする。
もっとも,全国一律のファイル名書式が法令で定められているわけではないため,事件担当部の指定がある場合はその指定に従う。

編集可能データには,コメント,変更履歴,非表示文字,作成者情報又は過去に貼り付けた別事件の内容が残ることがある。
記録外であっても裁判所又は相手方に共有されるため,これらの付随情報を除去し,正式PDFとの不一致がないかを確認する。

第5 直送と受領書の新旧法別ルール

1 準備書面は相手方へ直送する

民事訴訟規則79条は,相手方が準備するのに必要な期間をおいて準備書面を裁判所へ提出することを求め,同規則83条は,同じ期間をおいて相手方へ直送することを求める。
直送された場合,送達すべきときを除き,裁判所書記官が同じ書面を改めて送付する必要はない。

直送と送達は法的に別の手続である。
準備書面は通常は当事者間で直送するが,送達を要する文書は裁判所書記官が送達するため,mintsのシステム送達と期限管理の取扱いを混同してはならない。

2 新法事件のシステム直送では別紙受領書を提出しない

新法事件でmintsを通じて準備書面を直送した場合,受領者は,システムを通じてファイルを閲覧し,又は端末へ記録した旨を裁判所のファイルへ記録する措置を取る。
民事訴訟規則47条の2第5項はこの記録を求め,民事訴訟法161条3項3号は同法91条の2による相手方の閲覧又は複写を,相手方が在廷しない場合に準備書面記載事実を主張できる要件の一つとする。

したがって,新法事件のシステム直送では,旧式の受領書を別途提出しない。
受領確認そのものを省略するのではなく,紙の受領書に代えて閲覧又は端末への記録の履歴を用いる制度である。

3 新法事件でも紙・出力書面・記録媒体の直送には受領書が必要である

新法事件であっても,紙の準備書面を郵送又はFAXで直送した場合,受領者は,受領した旨を記載した書面を送信者へ直送し,裁判所へ提出するのが原則である。
送信者が,相手方による受領の記載がある同じ準備書面を裁判所へ提出したときは,別紙の受領書を要しない。

新法事件で訴訟代理人等が受領書面を裁判所へ提出する場合,知的財産高等裁判所の案内は,受領書面をmintsで提出する取扱いを示している。
受領書面が必要かどうかと,必要となった受領書面を裁判所へどの方法で提出するかは別に確認する。

電磁的記録を出力した書面又は記録媒体で直送した場合にも,原則として受領書が必要である。
出力書面には同じ書面への受領記載による例外があるが,記録媒体について民事訴訟規則47条の2第4項は同じ例外を定めていない。

このため,「電子データを送ったから受領書は不要である」とは限らない。
受領書を不要とするのは,新法事件で裁判所のシステムを用いて直送し,閲覧又は端末への記録を裁判所のファイルに記録する仕組みを利用した場合である。

4 旧法事件ではmintsで受領書を作成する

旧法事件で経過措置上のmintsにより当事者ファイルを受領した場合,受領者が受領書作成画面を開き,受領対象ファイルを選択して受領書を提出する。
mints操作マニュアルによる手順は,①基点となる受領対象ファイルを1件選ぶ,②同じアップロード単位の候補を確認する,③対象外のファイルがあれば除外する,④プレビューを確認する,⑤受領書を送信するという順序である。

一つの受領書で,別々のアップロードに含まれる任意のファイルを自由に組み合わせることはできない。
受領書を送信すると関係当事者へ通知されるため,事件及び対象ファイルをプレビューで確認してから提出する。

5 相手方がmintsを利用していない場合と直送が困難な場合

相手方がmintsを利用しておらずシステム直送を受けられない場合,mintsへの正式提出だけで相手方への直送が完結するとは限らない。
知的財産高等裁判所の提出案内は,この場合にmintsから出力した書面を郵送又はFAXで直送する取扱いを示しており,受領書の要否も紙直送の規律に従う。

民事訴訟規則47条の2第2項は,直送が困難なとき,当事者が裁判所書記官に準備書面の送付又は送達を申し出ることを認めている。
裁判所が当然に代行するものではないため,相手方の利用状況,困難な理由及び担当部の指示を確認する。

第6 提出期限と相手方が欠席する場合の確認

1 アップロードできることと期限を守ったことは同じではない

裁判所が準備書面の提出期限を定めたときは,その期限内に提出する。
さらに,民事訴訟規則79条及び83条により,相手方が応答を準備するために必要な期間をおいて提出・直送しなければならない。

民事訴訟法132条の10第3項による電子提出の到達時は,対象事項が裁判所のファイルに記録された時である。
送信ボタンを押した時又は通知メールを受信した時と一律に扱わず,処理完了,記録一覧の表示及び提出時刻を確認する。

2 相手方が欠席するときは閲覧・複写又は受領書が問題となる

民事訴訟法161条3項は,相手方が在廷しない口頭弁論において,準備書面に記載した事実を主張できる場合を限定している。
その要件は,①準備書面が相手方へ送達されたこと,②相手方から受領書面が提出されたこと,又は③相手方が同法91条の2により閲覧若しくは複写をしたことである。

新法事件のシステム直送では,アップロード通知だけで③が満たされたと断定せず,相手方の閲覧又は端末への記録の履歴を確認する。
旧法事件又は紙直送では,受領書が必要な場面かを期日前に点検する。

3 期限を守れなかった場合

民事訴訟法162条2項により,定められた期間の経過後に準備書面を提出する当事者は,裁判所に対し,その期間を守ることができなかった理由を説明しなければならない。
この理由説明義務は,裁判所が時機に後れた攻撃防御方法を却下できるかという同法157条の要件及び判断とは区別される。

期限直前の通信障害又はシステムエラーがあった場合は,エラー画面,試行時刻,裁判所の障害告知,代替端末・通信の試行及び担当部への連絡を保存する。
電子提出義務者が紙提出へ切り替えられる例外の範囲は,mintsによる電子提出義務で説明しており,自己判断で紙提出へ切り替えず,担当部の指示を確認する。

第7 誤提出及び処理未完了への対応

1 誤った事件又は提出区分へアップロードした場合

一度正式に提出したファイルは,当事者の操作だけで自由に削除し,提出をなかったことにできるものではない。
誤事件,誤区分,旧版又は秘匿情報を含むファイルを提出したことに気付いた場合は,追加ファイルで黙って上書きしたつもりにせず,直ちに事件担当部へ連絡する。

訂正書面,差替え,再提出,閲覧等制限又は秘匿措置の要否は,誤りの内容と裁判所の指示によって異なる。
特に,正式PDFと記録外のWord等が一致しない場合は,どちらを正式な主張として扱うべきかを明確にする。

2 処理未完了又は相手方への直送が確認できない場合

ウイルスチェックが終わらない,記録一覧に表示されない又は提出通知を確認できない場合は,提出完了と扱わない。
画面状態と時刻を保存し,ファイル形式,容量,パスワード設定及び通信環境を確認した上で,必要に応じて担当部へ連絡する。

また,提出は完了していても,相手方がシステム利用者として関連付けられていない場合は,システム直送が完了したとは限らない。
mints全体の対象事件,アカウント及び通知の概略は,mintsについてよくある質問で説明している。

第8 準備書面の直送郵便料金に関する裁判例

最高裁判所第一小法廷平成26年11月27日決定・平成26年(許)第19号(民集68巻9号1486頁)は,当事者が準備書面を直送するために支出した郵便料金について,民事訴訟費用等に関する法律2条2号を類推適用せず,訴訟費用には含まれないと判断した。
その理由として,直送は裁判所が手続上の行為を追行することに伴う支出ではなく,当事者に予納義務がなく,直送方法も多様で定型的な支出を想定できないことなどを挙げた。

この決定の直接の射程は,旧法下の紙による準備書面直送費用の訴訟費用該当性である。
mints上のシステム直送,受領書を提出しない仕組み,相手方の閲覧・複写の記録又は記録外ファイルの効力を判断したものではない。

2026年8月24日までに裁判所ウェブサイト及び判例秘書で確認した範囲では,2026年5月21日施行後のmintsによる準備書面提出,システム直送又は受領書不要の仕組みを直接判断した公刊裁判例は確認できなかった。
これは,裁判所ウェブサイト又は判例秘書に未収録の判断が存在しないことを意味しない。

第9 出典・参考資料

1 法令・規則

e-Gov法令検索「民事訴訟法」91条の2,132条の10・132条の11,157条,161条及び162条
②裁判所「民事訴訟規則(令和8年5月21日現在)」47条・47条の2,79条,83条及び83条の2並びに同PDF所収の令和6年最高裁判所規則第6号附則9条
民事訴訟法等の一部を改正する法律(令和4年法律第48号)
④裁判所「施行直前の民事訴訟規則」47条5項及び83条1項

2 裁判例

最高裁判所第一小法廷平成26年11月27日決定(平成26年(許)第19号,民集68巻9号1486頁,判例時報2300号42頁,判例タイムズ1423号135頁,裁判所ウェブサイト)

3 裁判所公表資料

①裁判所「mints操作マニュアル~当事者ユーザ編~」(バージョン2.3,令和8年7月15日改訂)63頁~79頁
②最高裁判所事務総局民事局「民事訴訟フェーズ3に向けた準備の手引」(令和8年6月19日更新)39頁~45頁
③裁判所「民事裁判手続のデジタル化
④裁判所「改正民訴法等で変わる民事訴訟手続の概要
⑤知的財産高等裁判所「mintsの利用について
⑥知的財産高等裁判所「提出書面等のお願い
⑦大阪地方裁判所知的財産権部「受付書面・データの提出
⑧民事訴訟規則制定諮問委員会「民事訴訟規則等の一部を改正する規則案に関する補足説明」25頁~26頁

4 文献

①脇村真治編著『一問一答 新しい民事訴訟制度(デジタル化等)』(商事法務,2024年)158頁~160頁
②最高裁判所事務総局民事局監修『条解民事訴訟規則(デジタル化関係等)』(司法協会,2025年)151頁~160頁