メインコンテンツへスキップ
       

東京修習の選択型実務修習―裁判所・検察庁・東京三会のプログラム,応募条件及び現在の確認方法(AI作成)

第1 この記事の対象と結論

1 東京修習に限定して過去の実例と現在の確認方法を整理する

本記事は,東京修習の選択型実務修習について,裁判所,検察庁及び東京三弁護士会が提供したプログラムの実例,応募条件の型並びに現在の募集内容を確認する方法を整理するものである。
東京地方裁判所立川支部を中心とする立川修習は,司法修習上は東京修習と別の実務修習地であるため,原則として対象に含めない。

記事の基準日は令和8年8月29日である。
公開資料として確認できた東京の詳細なプログラム一覧は主として第68期及び第71期の歴史資料であり,その名称,実施期間,定員及び応募条件が現在も同じであることを示すものではない。

2 最初に確認すべき三つの点

確認事項結論
どのような制度か弁護修習をした法律事務所をホームグラウンドとし,個別修習プログラム,全国プログラム及び自己開拓プログラムを組み合わせる課程である。
東京には何があったか過去資料では,東京地裁の専門分野,東京地検の捜査・公判・施設見学,東京三会の法律分野別講義・演習・模擬裁判等が確認できる。
現在の募集はどこで確認するか当該期に配属庁会から示される個別修習プログラムの一覧・応募案内と,司法研修所から示される全国プログラムの案内を確認する。

過去の一覧は,選択肢の種類と応募条件の型を知るための資料として有用である。
もっとも,現在のプログラム名,定員,日程又は選考方法を確定するには,当該期の配布資料を確認する必要がある。

第2 選択型実務修習の仕組み

1 ホームグラウンドを拠点とする課程である

最高裁判所の「司法修習の概要」によれば,選択型実務修習は,民事裁判,刑事裁判,検察及び弁護の4分野を修習した後,司法修習生が進路,興味及び関心に応じて主体的に選択し,設計する課程である。
その目的は,分野別実務修習の成果を深化・補完し,又は分野別実務修習では体験できない領域を修習することにある。

選択型実務修習では,分野別実務修習で弁護修習をした法律事務所がホームグラウンドとなる。
裁判所,検察庁又は弁護士会のプログラムに参加しない期間は,ホームグラウンドで弁護修習を行うのが制度の基本である。

2 三つのプログラム類型がある

類型提供・開拓主体東京修習との関係
個別修習プログラム東京の裁判所,検察庁及び弁護士会等東京という実務修習地で提供されるプログラムを選択する。
全国プログラム全国の司法修習生を対象とする提供者東京以外の修習生も応募できるプログラムであり,東京地裁知的財産権部修習のように東京で実施された例もある。
自己開拓プログラム司法修習生が自ら修習先を開拓する提供済みの個別・全国プログラムとは別に,所定の承認手続を経て実施する。

第78期の事務手続等に関する司法研修所の事務連絡は,全国プログラムを司法研修所が募集し,個別修習プログラムを各配属庁会が司法修習生に提示するという役割分担を示している(PDFビューア上の1頁~2頁)。

第3 東京の裁判所が提供したプログラム

1 民事・刑事・家事の専門分野を含む

第71期東京修習の裁判所提供プログラム一覧抜粋では,東京地裁等が提供した個別修習プログラムとして,次の分野が掲載されている(PDFビューア上の2頁~3頁)。

①民事通常,行政,破産・再生,民事執行・保全,交通,労働,商事,建築・調停及び医療
②刑事通常及び租税事件
③家事及び少年事件

同じ資料の全国プログラム案内抜粋には,東京地裁民事部を提供庁とする「地裁知的財産権部修習(東京)」が掲載されている(PDFビューア上の4頁)。
これは全国プログラムの実例であり,東京修習生だけを対象とする個別修習プログラムとは募集単位が異なる。

2 プログラムごとに内容と参加条件が異なった

第68期東京修習の個別修習プログラム実施状況等報告書によれば,民事通常事件の深化・補完,倒産・再生事件,民事執行事件,建築・調停事件及び医療集中部の修習等が実施された(PDFビューア上の1頁,3頁,5頁及び10頁)。

倒産・再生事件のプログラムでは,司法試験の選択科目や法科大学院での履修歴が優先順位に用いられ,同順位の希望者が定員を超えた場合は抽選とされていた。
民事執行事件のプログラムでは,民事執行法に関する一定の知識と関心が求められ,他の一定のプログラムとの重複受講が認められていなかった。

これらは第68期の選考例である。
現在の応募資格又は選考基準として使用することはできない。

第4 東京地方検察庁が提供したプログラム

1 捜査・公判の補充修習が実施された

第68期の実施状況等報告書には,東京地方検察庁のプログラムとして,捜査実務補充修習及び公判実務補充修習が掲載されている(PDFビューア上の14頁)。
公判実務補充修習では,東京地検本庁で分野別実務修習をした司法修習生を優先する取扱いが記載されていた。

同報告書には,少年矯正施設,保護観察所,科学警察研究所及び警視庁等の見学も掲載されている(PDFビューア上の15頁)。
また,裁判所,検察庁及び弁護士会が関与する刑事模擬裁判も実施されていた(PDFビューア上の16頁)。

2 見学先や実施方法は固定されたものではない

施設見学の可否は,受入機関,日程,定員及び安全管理等の条件に左右される。
したがって,第68期に掲載された見学先が現在も募集対象であるとは限らず,当該期の案内による確認が必要である。

第5 東京三会が提供したプログラム

1 三会共同のプログラム

東京三弁護士会とは,東京弁護士会,第一東京弁護士会及び第二東京弁護士会をいう。
第68期の実施状況等報告書では,三会又は複数会が共同する例として,知的財産実務,民事模擬裁判及び刑事模擬裁判を確認できる(PDFビューア上の16頁,25頁,39頁及び50頁~51頁)。

共同プログラムは,三会の司法修習生が同じ課題を扱える点に特徴がある。
もっとも,主催会,対象者及び申込方法は個々の案内で確認する必要がある。

2 東京弁護士会の実例

第68期の報告書では,東京弁護士会が提供したものとして,犯罪被害者の心理と支援,民事介入暴力,消費者事件,倒産事件,知的財産実務,民事模擬裁判及び成年後見等のプログラムを確認できる(PDFビューア上の17頁,20頁及び25頁~26頁)。

講義だけでなく,事例検討,演習,模擬手続又は関係機関の説明を含むものがあった。
名称だけでは具体的な修習内容を判断できないため,当該期の実施要領で内容と準備事項を確認することになる。

3 第一東京弁護士会の実例

第68期の報告書では,第一東京弁護士会が提供したものとして,株主総会,事業再生,犯罪被害者支援,刑事弁護実務及び知的財産実務等のプログラムを確認できる(PDFビューア上の26頁~27頁及び39頁)。

企業法務,倒産,刑事及び被害者支援という異なる領域が含まれていた。
各プログラムの実施日が重なる場合があるため,関心分野だけでなく,全体の日程を組み合わせて申し込む必要がある。

4 第二東京弁護士会の実例

第68期の報告書では,第二東京弁護士会が提供したものとして,情報公開・個人情報保護,労働事件,市民法律実務,高齢者・障害者支援,知的財産実務,刑事弁護・少年事件及び民事模擬裁判等のプログラムを確認できる(PDFビューア上の40頁~41頁及び49頁~51頁)。

情報公開・個人情報保護のプログラムには,離れた二つの週の双方に参加することが条件とされた例がある。
一日だけの参加を前提にせず,連続又は複数日の参加条件を確認することが重要である。

第6 応募条件と選考方法の読み方

1 過去資料で確認できる条件の型

東京の過去資料からは,次のような応募条件又は優先条件の型を確認できる。

①法科大学院での科目履修又は司法試験の選択科目
②分野別実務修習における配属先又は同種分野の未経験
③基礎知識,関心又は事前課題への対応
④就職予定先との利害関係又は修習先との関係
⑤複数日程への参加,語学力又は履歴書等の提出
⑥他のプログラムとの重複受講の可否
⑦定員超過時の抽選又は優先順位

第68期東京修習で使用された全国プログラム案内では,東京地裁知的財産権部修習について,法科大学院で知的財産法を履修した者又は司法試験で知的財産法を選択した者を対象とし,後者を優先する例がある(PDFビューア上の1頁)。
同案内には,利害関係がないこと,英語力,履歴書又は語学試験の成績資料等を条件・提出資料とする別の全国プログラムも掲載されている(PDFビューア上の3頁)。

2 古い条件を現在の条件へ置き換えない

同じ名称又は近い分野のプログラムであっても,提供主体,担当部署,定員及び選考方法は期によって変わり得る。
過去の応募条件を満たしていることだけを理由に,現在も応募できる,又は優先されると判断することはできない。

応募前には,対象となる修習期,プログラムの類型,提供主体,実施日,応募資格,提出書類,重複制限,選考方法及び結果通知時期を一組の情報として確認すべきである。

第7 現在の募集内容を確認する方法

1 個別修習と全国プログラムでは確認先が異なる

第78期の事務連絡では,各配属庁会が個別修習プログラムを司法修習生に提示し,司法研修所が全国プログラムの募集事務を行うものとされていた(PDFビューア上の1頁~2頁)。
同文書に掲げられた日付は第78期の事務日程であり,第79期以後の締切日として利用することはできない。

平成29年度(最情)答申第60号によれば,第70期の個別修習プログラムの応募期間は各地の司法修習生指導連絡委員会が定め,司法研修所は具体的な期間を定めず,その関係文書も取得していなかった(PDFビューア上の2頁)。
この答申と第78期の事務連絡を併せると,東京の個別修習について全国一律の募集日程だけを探すのでは足りず,東京の配属庁会から当該期に示される資料を確認する必要があることが分かる。

2 申込み前の確認項目

現在の募集内容は,次の順序で確認するのが確実である。

①当該期の「選択型実務修習に関する留意点」及び事務手続に関する文書を確認する。
②東京の配属庁会から示された個別修習プログラム一覧,実施要領及び応募案内を確認する。
③全国プログラムは,司法研修所から当該期の司法修習生に示された案内で確認する。
④応募後の変更,追加募集,中止又は実施方法の変更に関する連絡を確認する。
⑤ホームグラウンドの日程及び他のプログラムとの重複を確認する。

公開ウェブ上の過去資料は,配布資料の代わりにはならない。
申込期限,提出方法及び連絡先は,当該期の案内に記載されたものを用いる必要がある。

3 第79期東京修習の完全な公開一覧は確認できない

令和8年8月29日までに公開ウェブ上で確認した範囲では,第79期東京修習について,裁判所,東京地検及び東京三会の個別修習プログラムを一括した完全な一覧は確認できなかった。
そのため,本記事は第79期のプログラム名,定員,応募期間又は選考倍率を掲載していない。

今後,当該期の一覧が公開された場合には,作成主体,対象期,掲載範囲及び更新日を確認した上で,過去資料と区別して参照する必要がある。

第8 過去資料からは分からない事項

1 現在の実施状況や人気度は推測できない

第68期又は第71期に存在したプログラムが現在も実施されているかは,過去資料だけでは分からない。
過去の定員又は抽選の記載から,現在の人気度,選考倍率又は当選可能性を推測することもできない。

また,実施状況等報告書は,プログラムの実施内容と所見を記録した歴史資料である。
現在の提供主体が同じ評価又は運用方針を採用していることを示す文書ではない。

第9 関連記事

1 東京修習と選択型実務修習の一般資料

東京修習全体の日程,配属人数及び各機関の概要は,東京修習の情報―第79期の日程,配属人数,裁判所・検察庁・東京三会(AI作成)で整理している。

制度全体の留意点及び期別資料は,選択型実務修習に関する資料を参照されたい。
運用ガイドラインの設問別の説明は,選択型実務修習の運用ガイドラインQ&Aに掲載している。

分野別の裁判修習については,民事裁判修習の実際――配属庁で行われる指導の内容(AI作成)及び刑事裁判修習の実際――配属庁で行われる指導の内容(AI作成)を参照されたい。

第10 出典・参考資料

1 最高裁判所の制度説明及び情報公開答申

①最高裁判所「司法修習の概要」(令和8年8月29日確認)
②最高裁判所情報公開・個人情報保護審査委員会「平成29年度(最情)答申第60号」(平成30年1月19日答申,PDFビューア上の1頁~3頁)

2 司法研修所の運用資料

①司法研修所事務局企画第二課企画係「令和6年度(第78期)司法修習における選択型実務修習の事務手続等について」(令和7年2月3日付,PDFビューア上の1頁~10頁)

3 東京修習の歴史資料

①「全国プログラム案内(第68期東京修習で使用されたもの)」(PDFビューア上の1頁~33頁)
②「裁判所提供プログラム一覧抜粋及び全国プログラム案内抜粋(第71期東京修習)」(PDFビューア上の1頁~4頁)
③「個別修習プログラム実施状況等報告書(第68期東京修習)」(PDFビューア上の1頁~51頁)