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司法試験とは―受験資格,5年間の受験期間,試験科目,合格判定及び合格後の流れ(AI作成)

第1 この記事の対象と司法試験の位置付け

1 令和8年8月29日現在の現行制度を扱う

この記事は,司法試験を初めて調べる人を対象として,①受験資格,②5年間の受験期間,③短答式・論文式の試験科目,④合格者の判定方法,⑤令和8年司法試験の日程及び⑥合格後に司法修習へ進むまでの流れを説明する。
司法試験制度が現在の形になるまでの経緯は,司法試験制度の改正経緯――旧司法試験から法科大学院・予備試験・在学中受験・CBTまでで整理している。

令和8年司法試験は既に実施され,短答式試験の結果まで公表されているが,最終合格発表は令和8年11月11日午後4時の予定である。
したがって,本記事に記載する令和8年の人数及び得点は短答式試験についてのものであり,最終合格者数又は最終合格点ではない。

2 司法試験は法曹養成過程の一段階である

司法試験法1条1項は,司法試験を,裁判官,検察官又は弁護士となろうとする者に必要な学識及びその応用能力を有するかどうかを判定する国家試験と定める。
同条3項は,司法試験を法科大学院の教育及び司法修習との有機的連携の下に行うものとしている。

司法試験への合格だけで,直ちに裁判官,検察官又は弁護士になるわけではない。
合格後は,最高裁判所の司法修習生採用選考へ申し込み,採用後に司法修習を受けるという別の段階がある。

第2 司法試験の三つの受験資格

1 法科大学院修了と予備試験合格

司法試験法4条1項は,①法科大学院の課程を修了した者と,②司法試験予備試験に合格した者に受験資格を認めている。
特定の法学部の卒業だけでは司法試験の受験資格にならず,法科大学院を修了するか,予備試験に合格することが基本となる。

三つの受験資格と受験期間の起算は,次のとおりである。

受験資格資格を得るための条件受験期間の起算
法科大学院修了法科大学院の課程を修了する修了の日後の最初の4月1日
予備試験合格司法試験予備試験に合格する合格発表の日後の最初の4月1日
法科大学院在学中所定科目単位の修得及び1年以内の修了見込みについて学長認定を受ける在学中受験資格により最初に受験した年の4月1日

法科大学院修了者と予備試験合格者は,表の起算日から5年を経過するまで司法試験を受けることができる。
現在は,その期間中の受験回数を3回までとする制限はなく,5年間は毎年受験できる。

2 法科大学院在学中の受験資格

司法試験法4条2項は,法科大学院に在学する者について,①所定科目単位を修得し,②司法試験が行われる年の4月1日から1年以内に法科大学院を修了する見込みがあることを大学の学長が認定した場合に,在学中受験を認めている。
法務省の在学中受験資格に関するQ&AQ3によれば,司法試験が行われる年の3月31日までに,法律基本科目の基礎科目30単位以上,同応用科目18単位以上及び選択科目4単位以上を修得する必要がある。

各法科大学院の開講科目がどの区分へ対応するかは,法科大学院ごとに確認する必要がある。
また,在学中受験資格で出願した後に学長認定が取り消された場合は,別の受験資格を保有しているか,出願時にどの受験資格コードを選択したかによって取扱いが分かれるため,年度の受験案内を確認する必要がある。

第3 5年間の受験期間と受験資格の選択

1 法科大学院修了者と予備試験合格者の5年間

法科大学院修了資格では,修了の日後の最初の4月1日から5年を経過するまでが受験期間である。
予備試験合格資格では,合格発表の日後の最初の4月1日から5年を経過するまでが受験期間である。

この期間は,出願日から5年間又は最初に合格した年から5年間という意味ではない。
まず,どの受験資格に基づいて受験するのかを特定し,その資格について司法試験法4条が定める4月1日を起算日とする。

2 在学中受験では修了・退学と5年の早い方までである

在学中受験資格の期間は,最初に司法試験を受けた年の4月1日から,①在籍する法科大学院を修了又は退学するまでと,②同日から5年を経過するまでのいずれか短い期間である。
在学中受験後に法科大学院を修了すると,法科大学院修了者として受験できるが,5年間の起算日は修了後の4月1日ではなく,最初に在学中受験をした年の4月1日となる。

法務省Q&Aの設例では,令和7年に在学中受験資格で出願しただけで実際には受験せず,令和8年3月に修了した者は,令和8年4月1日から令和13年3月31日まで受験できる。
これに対し,令和7年に在学中受験資格で実際に受験して不合格となり,令和8年3月に修了した者は,令和7年4月1日から令和12年3月31日までが受験期間となる。

3 受験期間中は他の受験資格へ乗り換えられない

司法試験法4条4項は,いずれかの受験資格に基づいて司法試験を受けた者について,その資格に対応する受験期間中は,他の受験資格に基づいて司法試験を受けることができないと定める。
例えば,予備試験合格と法科大学院修了の双方を満たしていても,一度受験した後に,残り期間を有利にする目的で毎年自由に受験資格を切り替えられるわけではない。

令和8年受験案内は,複数の受験資格を取得している場合,どの資格に基づいて出願するかを選択した上で資格コードを入力するよう求めている。
受験期間に影響するため,過去に実際に受験した資格,最初に受験した年及び今回選択する資格を出願前に確認する必要がある。

第4 短答式試験と論文式試験の科目

1 短答式試験は憲法・民法・刑法である

司法試験法2条1項は,司法試験を短答式及び論文式による筆記試験で行うと定める。
短答式試験の科目は,同法3条1項により,①憲法,②民法及び③刑法である。

短答式試験は,専門的な法律知識だけでなく,法的な推論能力を有するかどうかを判定する試験と位置付けられている。
短答式試験に必要な成績を得なければ,論文式試験の成績と総合した最終判定の対象にならない。

2 論文式試験は三つの系統と選択科目である

論文式試験は,①公法系科目,②民事系科目,③刑事系科目及び④選択科目について行われる。
公法系は憲法・行政法,民事系は民法・商法・民事訴訟法,刑事系は刑法・刑事訴訟法に関する分野である。

令和8年受験案内が掲げる選択科目は,倒産法,租税法,経済法,知的財産法,労働法,環境法,国際関係法(公法系)及び国際関係法(私法系)の8科目であり,受験者があらかじめ1科目を選択する。
論文式試験は,専門的な学識に加え,法的な分析,構成及び論述の能力を判定する試験である。

3 令和8年から短答式・論文式ともCBTで実施された

法務省の司法試験及び司法試験予備試験のデジタル化についてによれば,令和8年司法試験では,短答式と論文式の双方がCBTで実施された。
問題文は紙では配布されなかったが,令和8年は試験用法文が画面表示に加えて紙でも配布された。

CBTは試験を実施する媒体の変更であり,受験資格,試験科目又は司法試験法2条2項の合格判定構造を変更するものではない。
CBT導入までの経緯は,司法試験制度の改正経緯の記事の第9節で説明している。

第5 令和8年司法試験の日程・出願・結果通知

1 試験は令和8年7月15日から19日までに実施された

令和8年司法試験は,①7月15日に選択科目及び公法系,②7月16日に民事系,③7月18日に刑事系並びに④7月19日に短答式の順で実施された。
短答式成績発表は8月6日,最終合格発表は11月11日午後4時,官報公告は12月2日の予定である。

試験期日,受付終了時刻及び科目別時間は毎年度の受験案内によって定められる。
令和9年以降に受験する者は,本記事の日付を流用せず,当該年度の受験案内を確認する必要がある。

2 電子出願と郵送出願がある

令和8年の電子出願期間は3月9日午前9時30分から4月2日午後11時59分までであり,受験手数料の納付完了までが期間内に必要であった。
郵送出願期間は3月19日から4月2日までであり,同日の消印までが有効とされた。

令和8年の受験手数料は,電子出願が3万1000円,郵送出願が3万2000円であった。
これらは令和8年の手続であり,翌年度の期間,金額及び出願方法は最新の受験案内で再確認する必要がある。

3 受験票と成績通知は出願方法で異なる

電子出願では,受験票及び結果通知書がマイナポータルに通知される。
受験票は各自でダウンロードして紙に印刷し,試験当日に持参する必要があり,スマートフォン等の画面表示だけでは受験できない。

郵送出願では,受験票及び成績通知書が郵送される。
法務省の令和8年司法試験に関するQ&AQ95~Q99は,短答式成績を8月中旬,論文式・総合評価を11月中旬に通知し,電子出願者はマイナポータルの「試験結果」から結果通知書を取得すると説明している。

第6 合格者の判定と令和8年短答式試験の結果

1 短答式と論文式を総合して最終合格者を決める

司法試験法2条2項によれば,最終合格者の判定は,短答式試験の合格に必要な成績を得た者について,短答式試験と論文式試験の成績を総合して行う。
短答式試験を通過することと,司法試験の最終合格は同じではない。

また,短答式の各科目に最低ラインがあり,論文式にも科目別の最低ラインがある。
年度ごとの具体的な必要得点と,法令が定める総合判定の構造を区別する必要がある。

2 令和8年短答式は各科目40%以上かつ合計99点以上であった

法務省の令和8年司法試験(短答式試験)の結果によれば,受験者数は3871人,採点対象者数は3822人であった。
各科目で満点の40%以上,すなわち憲法20点,民法30点及び刑法20点以上を得た者のうち,合計99点以上の者が短答式試験の合格に必要な成績を得たものとされた。

必要な成績を得た者は3068人であり,その平均点は126・2点であった。
3068人を受験者3871人で除した短答式段階の割合は,同資料上79・26%であるが,これは最終合格率ではない。

3 令和8年の最終結果は未公表である

令和8年8月29日現在,令和8年司法試験の最終合格者数,最終合格点及び得点分布は公表されていない。
本記事では,前年の最終結果を令和8年の結果であるかのように混在させず,令和8年最終結果の公表後に更新することを前提とする。

第7 受験経路別の数字を読む際の注意点

1 経路別の割合は同じ母集団の比較ではない

法務省の短答式結果は,法科大学院修了者,在学中受験者及び予備試験合格者等について,出願者数,受験者数及び短答式で必要な成績を得た者の人数を公表している。
もっとも,各経路は,受験前の選抜,教育歴,修了見込みの認定及び受験者構成が異なるため,経路別の割合だけで法科大学院教育の効果又は経路自体の難易度を直接比較することはできない。

例えば,予備試験合格資格による司法試験受験者は,既に予備試験という別の選抜を通過した集団である。
本記事では,経路別の割合を進路選択の優劣へ読み替えず,各数値の分母と資格条件を併せて示すことを基本とする。

2 年度と試験段階をそろえて比較する

司法試験の数字を比較するときは,①出願者,②受験予定者,③受験者,④採点対象者,⑤短答式で必要な成績を得た者及び⑥最終合格者を区別する必要がある。
短答式段階の割合と最終合格率を同じ列で比較すると,試験段階が異なるため誤解を生じる。

令和7年までの制度全体と最終結果は,司法試験制度の改正経緯の記事の第8節で扱っている。
法科大学院在学中受験による合格者数及び最年少記録は,法科大学院在学中の司法試験合格者等で整理している。

第8 司法試験合格後から司法修習まで

1 最高裁判所の司法修習生採用選考へ申し込む

裁判所法66条1項は,司法修習生を司法試験に合格した者の中から最高裁判所が命ずると定める。
最高裁判所の司法修習生採用選考の案内は,司法試験合格後,司法修習生になるためには別途採用選考へ申し込む必要があると説明している。

採用選考の申込期間及び必要書類は毎年度定められる。
司法試験の出願又は合格によって採用申込みが自動的に完了するわけではないため,合格発表後の期限を別に確認する必要がある。

2 在学中受験合格者は法科大学院の修了が採用要件となる

裁判所法66条1項は,在学中受験資格によって司法試験に合格した者について,合格発表年の4月1日以降に法科大学院の課程を修了した者に限って司法修習生に採用できると定める。
法務省Q&Aによれば,司法試験終了後に修了できなかった又は退学したことだけで合格が当然に無効となるわけではないが,法科大学院を修了しない限り司法修習生の採用要件を満たさない。

合格した年度中に修了できなかった場合でも,後に法科大学院を修了すれば採用要件を満たす。
ただし,採用時期,採用選考及び必要書類は最高裁判所の当該年度の案内によって別に確認する必要がある。

3 採用申込みから修習開始までには別の手続がある

司法試験合格後には,司法修習生採用申込み,実務修習希望地,住居,退職,健康保険・年金及び就職活動等の準備が生じる。
これらの期限と手続は,司法試験合格後から司法修習開始までで詳しく説明している。

司法修習の期間,実務修習,集合修習,給付金及び司法修習生考試については,司法修習とは―採用要件,1年間の流れ,修習内容,給付金及び二回試験を参照されたい。
本記事は,司法試験制度から司法修習へ接続するところまでを対象とする。

第9 司法試験についてよくある疑問

1 大学又は法学部を卒業すれば直接受験できるか

大学又は法学部の卒業だけでは,現行司法試験の受験資格にならない。
法科大学院修了,予備試験合格又は所定要件を満たす法科大学院在学中受験のいずれかが必要である。

2 司法試験に5回不合格となると二度と受験できないか

現行法は,すべての人について一律に「5回不合格となれば二度と受験できない」と定めているわけではない。
現在の制度は,受験資格ごとに定まる5年間の受験期間を基本とし,その期間中は毎年受験できる仕組みである。

もっとも,一つの資格による受験期間が満了すれば,その資格に基づく受験はできない。
また,受験期間中に他の受験資格へ自由に乗り換えることもできないため,自分の資格,最初の受験年及び期間満了日を確認する必要がある。

3 在学中に合格して修了できなかった場合はどうなるか

法務省Q&Aによれば,受験時に在学中受験資格を満たしていれば,その後に法科大学院を修了できなかった又は退学したことだけで司法試験合格が無効又は取消しとなるわけではない。
しかし,法科大学院を修了するまでは裁判所法66条の司法修習生採用要件を満たさない。

4 司法試験はすべてパソコンで受験するか

令和8年司法試験では,短答式と論文式の双方がCBTで実施された。
ただし,紙の問題文,紙の試験用法文,使用端末及び障害時の取扱いは年度によって変更され得るため,受験年度の案内と操作マニュアルを確認する必要がある。

第10 出典・参考資料

1 法令

① e-Gov法令検索・司法試験法1条~4条(令和8年8月29日現在)。
② e-Gov法令検索・裁判所法66条及び67条(令和8年8月29日現在)。

2 所管行政機関の解説・Q&A・運用資料

① 司法試験委員会「令和8年司法試験受験案内」冒頭案内及び資料1頁~18頁(令和8年8月29日確認。PDFでは1頁~21頁)。
② 法務省「令和8年司法試験に関するQ&A」Q49~Q54及びQ94~Q100(令和8年8月29日確認)。
③ 法務省「在学中受験資格に関するQ&A」Q1~Q14(令和8年8月29日確認)。
④ 法務省「司法試験及び司法試験予備試験のデジタル化について」(令和8年8月29日確認)。

3 統計・データ

① 法務省大臣官房人事課「令和8年司法試験(短答式試験)の結果」(令和8年8月6日)1頁~3頁。

4 最高裁判所の司法修習生採用案内

① 最高裁判所「司法修習生採用選考」(令和8年8月29日確認)。

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