第1 結論
特別永住者が一時的に出国して従前の地位のまま再入国する方法には、みなし再入国許可と通常の再入国許可がある。
本記事の基準日は令和8年8月29日である。
みなし再入国許可の有効期間は原則として出国の日から2年であり、通常の再入国許可は許可される期間が最長6年である。
いずれも、旅券や特別永住者証明書を持って出国すれば無期限に帰国できる制度ではない。
第2 みなし再入国許可
1 利用の要件
有効な旅券及び特別永住者証明書を所持する特別永住者は、出国時に再入国の意思を表明することにより、原則として事前の再入国許可を受けずに出国できる。
実務上は、出国審査の際に再入国出国記録の所定欄を確認し、みなし再入国許可による出国であることを明確にする必要がある。
旅券を取得できない事情がある場合は、通常の再入国許可及び再入国許可書の取扱いを地方出入国在留管理局に確認する必要がある。
2 2年以内の再入国
特別永住者のみなし再入国許可の期間は、出国の日から2年である。
もっとも、特別永住者証明書の有効期間が先に満了する場合その他の個別事情があるため、出国前に証明書と旅券の各有効期限を確認すべきである。
みなし再入国許可の期間は、在外公館で延長することができない。
長期滞在となる可能性がある場合は、出国前に通常の再入国許可を申請する方が安全である。
第3 通常の再入国許可
通常の再入国許可は、地方出入国在留管理局で事前に申請する手続である。
特別永住者については、許可期間を最長6年とする特例がある。
海外留学、海外勤務、家族の介護その他により2年を超える滞在が予想される場合は、みなし再入国許可ではなく通常の再入国許可を検討すべきである。
実際の許可期間は申請内容に応じて定められるため、「通常許可を取れば必ず6年間有効」という意味ではない。
第4 期限を超えた場合の注意点
再入国許可又はみなし再入国許可の期限までに再入国しない場合、従前の特別永住者としての地位を前提とする再入国はできなくなる。
その後に新たな上陸許可を受けても、以前の特別永住者の地位が当然に回復する制度ではない。
したがって、出国日、許可の種類、満了日及び帰国予定日を、本人だけでなく家族とも共有しておく必要がある。
疾病、災害、航空便の欠航その他の事情があっても、期限経過後に当然の救済があると考えるべきではなく、期限前に在外公館及び地方出入国在留管理局へ相談すべきである。
第5 出国前の確認事項
①旅券が帰国予定日まで有効であるか。
②特別永住者証明書の有効期間が十分に残っているか。
③海外滞在が2年を超える可能性がないか。
④出国審査でみなし再入国の意思表示をするか、事前に通常の再入国許可を受けるか。
⑤家族が許可の満了日及び緊急時の連絡先を把握しているか。
なお、令和8年6月14日以後に交付される新様式の特別永住者証明書については、原則として18歳未満は申請後5回目の誕生日まで、18歳以上は申請後10回目の誕生日までとされている。
証明書の有効期間と再入国許可の期間は別の制度であるため、両方を確認する必要がある。
特別永住者制度全体については、在日韓国・朝鮮人及び台湾関係者の国籍・地域表示と在留上の地位を参照されたい。