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司法研修所とは―最高裁判所の附属機関としての役割,組織,司法修習及び裁判官研修(AI作成)

第1 司法研修所とは

1 最高裁判所の附属機関であること

司法研修所は,最高裁判所の附属機関の一つであり,裁判官の研究及び修養と司法修習生の修習を担当する研修機関である。
裁判所法14条は,これらの事務を取り扱わせるため,最高裁判所に司法研修所を置くと定めており,最高裁判所も,司法研修所,裁判所職員総合研修所及び最高裁判所図書館を附属機関として説明している

司法研修所の役割は,司法修習生を教育することだけではない。
裁判官の継続的な研究・修養と,将来の法曹を養成する司法修習という二つの機能を持つことが,この機関の基本的な特徴である。

2 司法研修所が扱う二つの機能

最高裁判所の「司法研修所について」は,裁判官が職務を行いながら続ける自己研さんを支えるため,各種の研究・研修を実施していると説明している。
他方,司法修習については,司法試験合格者の中から最高裁判所が採用した司法修習生に対し,法曹に必要な実務教育を行う。
したがって,司法研修所を理解するには,裁判官研修と司法修習を区別しながら,両者を一つの組織が担っていることを押さえる必要がある。

第2 司法研修所の組織

1 司法研修所長及び司法研修所教官

裁判所法55条は,最高裁判所に司法研修所教官を置き,教官が上司の指揮を受けて,裁判官の研究及び修養並びに司法修習生の修習の指導をつかさどると定めている。

同法56条によれば,司法研修所長は司法研修所教官の中から最高裁判所が補し,最高裁判所長官の監督を受けて司法研修所の事務を掌理するとともに,職員を指揮監督する。
司法研修所長の法的位置付けと歴代の在任者については,歴代の司法研修所長に整理している。

2 第一部と第二部

司法研修所規程2条は,司法研修所の研修方法として,①合同研修,②個別研究,③その他の研修を掲げている。
同規程3条は,このうち合同研修の組織を,裁判官の研修を担当する第一部と,司法修習生の修習を担当する第二部に分けている。

同規程4条によれば,個別研究及び第一部の研修について,期間,場所,参加者その他の重要事項は最高裁判所が定める。
それ以外の研修事項は司法研修所長が定めるが,第二部の研修の企画その他の重要事項については,第二部の研修を担当する教官によって構成される教官会議の議を経ることとされている。

第一部・第二部は,以上のような研修上の区分であり,司法研修所の建物を二つに分ける呼称ではない。

3 現在の組織図

最高裁判所が掲載する司法研修所の組織図は,司法研修所長の下に,①裁判官の研修,②司法修習生の修習,③事務局を配置している。
裁判官の研修部門には教官室がある。
司法修習生の修習部門には,民事裁判,刑事裁判,検察,民事弁護及び刑事弁護の五つの教官室があり,事務局には総務課,経理課,企画第一課及び企画第二課がある。
年度ごとの教官については,司法研修所の教官名簿に掲載している。

4 令和4年4月8日当時の職員配置

司法研修所職員配置表(令和4年4月8日現在)は,令和4年4月28日付の司法行政文書開示通知書(最高裁秘書第1323号)によって開示された文書である。
この配置表は所属及び官職別の人員構成を示し,最高裁判所の職員配置図(令和4年4月現在・全部署)のPDF16頁は,同年4月8日時点の建物別・階別の座席配置を示している。

(1) 第一部と第二部の配置

令和4年4月当時,裁判官研修を担当する第一部教官室は別館にあり,配置図では別館2階に表示されている。
一方,司法修習生の修習を担当する第二部の五教官室は本館に配置されていた。

本館4階に民事裁判教官室及び刑事裁判教官室,本館3階に検察教官室及び民事弁護教官室,本館2階に刑事弁護教官室があった。
これは令和4年の物理的な配置であり,司法研修所規程3条が定める第一部・第二部という研修組織の区分そのものではない。

(2) 事務局四課と各係の配置

当時の事務局には,事務局長及び事務局次長の下に,総務課,経理課,企画第一課及び企画第二課が置かれていた。
職員配置表は,総務課に庶務,人事,図書及び寮務,経理課に経理,用度及び管理,企画第一課に研修庶務及び企画,企画第二課に企画,調査,資料,教材第一及び教材第二の各係があったことを示している。

配置図によれば,総務課の庶務係,人事係及び図書係は本館5階,寮務係はいずみ寮1階,経理課の経理係,用度係及び管理係は本館1階にあった。
企画第一課の企画係及び研修庶務係は別館2階にあり,企画第二課は,企画係及び調査係を西館1階,資料係,教材第一係及び教材第二係を本館1階に配置していた。

(3) 現在の配置とは異なること

令和4年4月の配置図は,平成25年8月に裁判官研修部門が別館へ移転した後の状態を示す。
しかし,最高裁判所の現行の沿革説明によれば,同部門は令和8年2月に本館へ移転しているため,当時の座席・建物配置を現在も同じであるとは扱えない。

両資料には個人名も掲載されているが,本記事は組織と業務配置を説明するため,個人名や個別の座席位置を転記していない。
各年度の配置図及び配置表のバックナンバーは,最高裁判所の職員配置図(平成25年度以降)及び司法研修所の職員配置図,各施設の配置及び平成24年8月当時の門限で確認できる。

第3 裁判官の研究及び研修

1 裁判官の自己研さんを支える研修

最高裁判所の「裁判官研修」は,司法研修所の裁判官研修を,裁判官が職務を通じて行う自己研さんを組織的に支援する機会と位置付けている。
判事及び判事補に対する合同研修には,裁判事務を扱う裁判系,新たな年次・役職・役割に対応する導入系,社会・経済や自然科学等の隣接領域を扱う基盤系がある。
裁判系の研究会は,民事,刑事,家事及び少年の各分野について,基礎,基本,実務及び専門の四つの類型に分けて実施されている。

2 簡易裁判所判事の研修及び派遣型研修

簡易裁判所判事については,新任時等の導入系研修と,一定の経験を有する者を対象とする裁判系研修が実施されている。
判事及び判事補については,民間企業等の業務を体験し,社会・経済の実情への理解を深めるための派遣型研修も設けられている。
年度別の研修計画及び過去の公開資料については,裁判官研修実施計画に掲載している。

第4 司法修習生の修習

1 司法修習生の採用及び修習

裁判所法66条は,司法修習生を司法試験合格者の中から最高裁判所が命ずると定めている。
同法67条は,司法修習生が少なくとも1年間修習をした後,試験に合格したときに修習を終えると定めている。

最高裁判所の「司法修習」は,司法修習を,法律実務に関する汎用的な知識・技法と,高い職業意識・倫理観を備えた法曹を養成するための課程と説明している。
裁判官,検察官及び弁護士のいずれの道に進む者に対しても同じカリキュラムを行う統一修習制度が採用されている。

2 司法修習の全期間を和光市で過ごすわけではないこと

司法修習生は,修習の全期間を和光市の司法研修所だけで過ごすわけではない。
最高裁判所の「司法修習の概要」によれば,司法研修所で行う導入修習の後,全国各地の地方裁判所,地方検察庁及び弁護士会で分野別実務修習を行い,その後,選択型実務修習及び司法研修所での集合修習を行う。

集合修習では,民事裁判,刑事裁判,検察,民事弁護及び刑事弁護の五科目について,修習用の事件記録を使った起案,講評及び討論等が行われる。
採用要件,修習の流れ,給付金及び司法修習生考試については,司法修習とは―採用要件,1年間の流れ,修習内容,給付金及び二回試験に詳しく整理している。

第5 裁判所職員総合研修所との違い

司法研修所と裁判所職員総合研修所は,いずれも最高裁判所の附属機関であり,いずれも埼玉県和光市に所在するが,主な対象者が異なる。
司法研修所は,裁判官の研究・修養と司法修習生の修習を担当する。
これに対し,裁判所職員総合研修所は,裁判官以外の裁判所職員を対象とする研修・研究のほか,裁判所書記官及び家庭裁判所調査官の養成を担当する。
名称と所在地が似ているため,裁判所書記官等の養成機関を「司法研修所」と呼ばないよう区別する必要がある。

第6 司法研修所の沿革及び所在地

1 司法研究所から現在の司法研修所まで

最高裁判所の沿革資料によれば,昭和14年7月,司法省に司法研究所が設置された。
戦後の一時期を経て,昭和22年5月,裁判所法14条に基づく最高裁判所の研修機関として司法研修所が設置された。

司法研修所は,昭和23年6月に紀尾井町,昭和46年4月に湯島,平成6年4月に和光市へ移転した。
平成25年8月には裁判官研修部門が司法研修所別館へ移転したが,令和8年2月に本館へ移転している。
各庁舎の変遷及び当時の資料については,司法研修所の沿革―高輪,紀尾井町,湯島及び和光への庁舎の変遷に掲載している。

2 現在の所在地及び交通

司法研修所の所在地は,〒351-0194 埼玉県和光市南二丁目3番8号である。

最高裁判所の案内によれば,鉄道では池袋駅から和光市駅まで約20分,和光市駅からバスで司法研修所入口等の停留所まで約15分,停留所から徒歩約2分である。
庁舎の所在や交通案内は変わり得るため,訪問時には最高裁判所の司法研修所案内で確認する必要がある。

第7 関連記事

司法研修所の各論については,次の記事に掲載している。

① 司法修習とは―採用要件,1年間の流れ,修習内容,給付金及び二回試験
② 裁判官研修実施計画
③ 司法研修所の教官名簿
④ 歴代の司法研修所長
⑤ 司法研修所の沿革―高輪,紀尾井町,湯島及び和光への庁舎の変遷
⑥ 司法研修所の職員配置図,各施設の配置及び平成24年8月当時の門限
⑦ 最高裁判所の職員配置図(平成25年度以降)

出典・参考資料

1 法令・最高裁判所規程

① 裁判所法(昭和22年法律第59号)14条,55条,56条,66条及び67条(e-Gov法令検索)
② 最高裁判所「司法研修所規程」(昭和22年12月1日最高裁判所規程第6号)1頁~2頁

2 最高裁判所の公表資料

① 最高裁判所「最高裁判所の組織」(2026年8月28日閲覧)
② 最高裁判所「司法研修所について」(2026年8月28日閲覧)
③ 最高裁判所「裁判官研修」(2026年8月28日閲覧)
④ 最高裁判所「司法修習」及び「司法修習の概要」(2026年8月28日閲覧)
⑤ 最高裁判所「裁判所職員総合研修所について」(2026年8月28日閲覧)

3 司法行政文書・過去の配置資料

① 最高裁判所事務総長「司法行政文書開示通知書」(最高裁秘書第1323号,令和4年4月28日)及び開示文書「司法研修所職員配置表(令和4年4月8日現在)」PDF1頁~3頁
② 最高裁判所「最高裁判所の職員配置図(令和4年4月現在・全部署)」PDF16頁(全17頁中,資料に印字頁なし)