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第1 e-Gov法令検索に最高裁判所規則は収録されていない
1 実際に検索して確かめた結果
民事訴訟規則の条文を確認しようとしてe-Gov法令検索を開き,見つからずに戸惑うことがある。
これは検索語の選び方の問題ではなく,e-Gov法令検索が最高裁判所規則を収録していないことによる。
2026年9月6日,e-Gov法令検索が提供する法令一覧のAPIにより,①全法令8995件,②政令・勅令2377件,③府省令・規則4514件の各一覧を取得し,法令名が「民事訴訟規則」又は「刑事訴訟規則」であるものを機械的に検索したところ,いずれの一覧にも存在しなかった。
民事訴訟法及び刑事訴訟法はe-Gov法令検索で読めるため,規則も同じように読めるはずだと考えて探し続けることになりやすいが,探し方の問題ではない。
2 収録されていない理由
日本国憲法77条1項は,「最高裁判所は、訴訟に関する手続、弁護士、裁判所の内部規律及び司法事務処理に関する事項について、規則を定める権限を有する。」と定めている。
最高裁判所規則は,この規定に基づいて最高裁判所が定めるものであり,府省が所管する法令ではない。
e-Gov法令検索が収録範囲の考え方を明示しているわけではないが,最高裁判所規則が収録対象に含まれていないことは,前記1の検索結果から確認できる。
第2 裁判所ウェブサイトの規則集で確認する
裁判所ウェブサイトには規則集のページがあり,民事事件関係,刑事事件関係等の区分ごとに,規則の全文がPDFで掲載されている。
民事訴訟規則は,民事事件関係(50音順)のページから到達できる。
2026年9月6日に取得したPDFは全63頁であり,冒頭に「民事訴訟規則(平成8年12月17日最高裁判所規則第5号)」と表示され,目次に続いて第一条から末尾の附則までが収められている。
条文の全文が1つのPDFに入っているため,語句で検索して該当条文に到達できる。
もっとも,このPDFには何年何月現在の内容であるかの明示がないから,直近の改正が反映されているかを確かめる必要がある場合は,後記第3の経路と併用する。
第3 その他の確認経路
1 官報
規則の制定文及び改正文は官報に掲載される。
裁判所ウェブサイトのPDFに直近の改正が反映されているかを確かめる場合や,改正の経緯そのものを追う場合は,官報による。
2 商用データベースの現行法令アーカイブ
判例秘書には現行法令アーカイブの機能があり,最高裁判所規則が収録されている。
最高裁判所規則を網羅的に見渡すには,「任意語」の検索窓に「最高裁判所規則」と入力し,表示件数を100件に設定するのがよい。
最高裁判所規則は,法令名ではなく法令番号自体が「◯年◯月◯日最高裁判所規則第◯号」であるから,この検索で漏れなく拾われる。
2026年9月6日に実行したところ,検索結果は258件であり,3頁を送るだけで全件を通覧することができた。
ただし,この258件には,条文中に「最高裁判所規則」の語を含む法律も混在する。
裁判所法や外国倒産処理手続の承認援助に関する法律などがこれに当たり,規則への委任規定を置いていることによる。
各件には法令番号が併記されているから,規則と法律の区別は一覧の上で付く。
法令名による絞り込みもできる。
同日に法令名が「訴訟規則」を含むものを検索したところ,刑事訴訟規則,刑事訴訟規則施行規則,国税庁監察官の行う捜査に関する刑事訴訟規則の適用に関する規則,人事訴訟規則,普通地方公共団体に対する国の関与等に関する訴訟規則及び民事訴訟規則の6件が該当した。
年月を指定して当時の条文を表示する機能があるため,事件発生時点の条文を確認する用途に向く。
もっとも,認証を要する商用サービスであるから,書面や記事にURLを掲載して読み手に検証させることはできない。
第4 実務上の注意
①条文を引用する前に,それが法律,政令若しくは府省令であるか,最高裁判所規則であるかを確認する。前者はe-Gov法令検索で足りるが,後者は足りない。
②e-Gov法令検索で見つからないことを「存在しない」と読み替えない。収録範囲の問題である。
③規則も改正されるから,事件発生時点の条文が必要な場合は,現行版だけでは足りない。
④書面や記事で引用するときは,読み手が同じ条文に到達できる経路を示す。認証を要する商用データベースのURLは,この目的には使えない。
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出典・参考資料
①裁判所「規則集 民事事件関係(50音順)」(2026年9月6日確認)
②民事訴訟規則(裁判所ウェブサイト掲載のPDF。2026年9月6日取得,全63頁)
③e-Gov法令検索(デジタル庁。2026年9月6日,法令一覧のAPIにより収録状況を確認)
④日本国憲法77条1項