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特別永住者とは――対象者・子孫の要件,出生後60日以内の申請及び永住者との違い

第1 特別永住者の意味

特別永住者とは、日本の植民地統治の終了と平和条約の発効に伴って日本国籍を離脱した人及びその子孫のうち、「日本国との平和条約に基づき日本の国籍を離脱した者等の出入国管理に関する特例法」により日本で永住することができる人をいう。

本記事の基準日は令和8年8月29日である。

特別永住者は、出入国管理及び難民認定法上の在留資格「永住者」と名称が似ているものの、制度の根拠、対象者及び手続が異なる。

第2 対象者

1 平和条約国籍離脱者

特例法は、昭和20年9月2日以前から引き続き日本に在留し、日本国との平和条約の最初の発効により日本国籍を離脱した人を「平和条約国籍離脱者」と定義している。

対象は、単に韓国、朝鮮又は台湾にルーツがあるというだけで決まるものではなく、本人又は先代の在留歴、戸籍・外国人登録の記録及び親子関係を確認する必要がある。

2 平和条約国籍離脱者の子孫

特例法上の子孫には、平和条約国籍離脱者の直系卑属として日本で出生し、その後も引き続き日本に在留する人など、同法2条所定の要件を満たす人が含まれる。

出生地や血縁だけで当然に特別永住者となるわけではなく、父母の地位、出生時期、出生後の在留状況及び申請の有無を個別に確認する必要がある。

第3 特別永住者となる主な経路

1 法律上当然に特別永住者となった人

平成3年11月1日の特例法施行時に、従前の協定永住者、法126-2-6該当者その他の法定区分に該当した人は、特例法3条により特別永住者とされた。

この経過措置は歴史的な在留資格を一つの制度に整理したものであり、現在の新規申請一般にそのまま当てはまるものではない。

2 出生その他の事由による申請

平和条約国籍離脱者の子孫が、出生その他の事由によって上陸手続を経ずに日本に在留することとなった場合、特例法4条による特別永住許可の対象となり得る。

出生その他の事由が生じた日から60日以内に申請したときは、同条2項により、出入国在留管理庁長官は特別永住を許可するものとされている。

申請は、居住地の市区町村の長を経由して行う。

60日という期間は、出生届の提出期間とは別に管理すべきであり、父母の国籍・地域表示だけで判断せず、市区町村又は地方出入国在留管理局に早めに確認する必要がある。

3 一定の在留資格からの申請

平和条約国籍離脱者又はその子孫で、入管法別表第二の在留資格のうち「永住者」以外の資格で在留する人は、特例法5条の要件を満たす場合、特別永住許可を申請できる。

具体的な該当性は、本人及び先代の在留歴を示す資料によって判断されるため、一般的な永住許可の要件だけを見て結論を出すことはできない。

第4 「永住者」との主な違い

①特別永住者は歴史的経緯に基づく特例法上の地位であるのに対し、永住者は入管法に基づき個別の永住許可を受けた人である。

②特別永住者には特別永住者証明書が交付され、永住者には在留カードが交付される。

③特別永住者証明書には常時携帯義務がないが、入国審査官、入国警備官、警察官等から提示を求められた場合の提示義務はある。

④再入国許可の最長期間は、特別永住者について通常許可が6年、みなし再入国が2年であり、一般の在留者より長い特例が設けられている。

一般の永住許可の要件については、永住許可の要件・審査基準・必要書類を参照されたい。

第5 確認すべき資料

特別永住者該当性を検討する際は、少なくとも、①本人及び父母・祖父母の特別永住者証明書又は旧外国人登録関係資料、②出生及び親子関係を示す戸籍・除籍・外国の身分登録資料、③日本での継続在留を示す資料、④過去の在留資格及び許可処分の記録を確認する必要がある。

国籍・地域表示の「韓国」「朝鮮」「台湾」は、それだけで特例法上の身分又は実体国籍を確定する資料ではない。

制度の歴史的背景については、在日韓国・朝鮮人及び台湾関係者の国籍・地域表示と在留上の地位を参照されたい。

第6 出典

日本国との平和条約に基づき日本の国籍を離脱した者等の出入国管理に関する特例法(e-Gov法令検索)

同法施行規則(e-Gov法令検索)

出入国管理及び難民認定法(e-Gov法令検索)

出入国在留管理庁「特別永住者証明書」

出入国在留管理庁「新しい特別永住者証明書について」