令和3年5月11日に大阪地裁に提出した,修習給付金に関する所得税更正処分取消請求事件の訴状につき,請求の趣旨及び請求の原因を以下のとおり貼り付けています(別紙1及び別紙2は省略しています。)。
請求の趣旨
1 X税務署長が令和2年2月28日付で原告に対してした,平成30年分の所得税及び復興特別所得税の更正処分を取り消す
2 訴訟費用は,被告の負担とする
との判決を求める。
請求の原因
第1 事案の要旨
1 本件確定申告
原告は,◯◯◯弁護士会所属の弁護士である(甲3の1)ところ,大阪地裁配属の第71期司法修習生であることに基づき平成30年中に支給された合計155万7000円の基本給付金(甲22参照)(以下「本件給付金」という。)について,司法研修所の公式見解(甲3の2)に従い,その全額が雑所得の総収入金額に該当することを前提に,平成31年2月21日,平成30年分の所得税及び復興特別所得税の確定申告(以下「本件確定申告」という。)をした。
2 X税務署長に対する更正の請求
原告は,①主位的主張として,本件給付金は学資金に該当し,非課税所得である点で総収入金額に算入すべきではないこと,及び②予備的主張として,仮に本件給付金が学資金に該当せずに非課税所得でなかったとしても,7万4060円の通勤交通費(以下「本件交通費」という。)のほか,書籍代,名刺代,学習費及び衣服購入費等(以下「本件交通費」とあわせて,「本件費用」という。)は本件給付金に係る雑所得の総収入金額から必要経費として控除すべきところ,本件確定申告に際して雑所得の金額の計算上,本件交通費しか必要経費として控除していなかった点で雑所得の金額が過大になっていることを主張して,X税務署長に対し,平成31年3月20日に更正の請求をした(甲3の3)。
3 X税務署長が行った本件各処分
X税務署長は,原告に対し,①令和元年12月20日,本件給付金は必要経費のない雑所得であることを主たる理由とする,更正の請求に対してその更正をすべき理由がない旨の通知処分(以下「本件通知処分」という。)を行い(甲1),さらに,②令和2年2月28日,雑所得の金額の計算上,本件交通費は必要経費に算入できず,また,原告が貸与を受けた修習専念資金(以下「本件資金」という。)に係る利息相当額1万1286円(以下「本件利息相当額」という。)は,経済的利益として雑所得の総収入金額に算入すべきであることを主たる理由とする更正処分(以下「本件更正処分」といい,本件通知処分とあわせて「本件各処分」という。)を行った(甲2)。
4 国税不服審判所長の棄却裁決及び本件訴訟の提起
原告は,本件各処分の取消しを求めて国税不服審判所長に対して審査請求をしたものの,国税不服審判所長は,令和3年3月24日にこれを棄却する旨の裁決をし(甲39)(以下「本件裁決」という。),原告及び原告訴訟代理人は同年4月9日に本件裁決を知った(甲40参照)。
そのため,原告は,被告を相手に,本件更正処分の取消しを求めて訴訟を提起した。
第2 本件訴訟の争点等
1 本件訴訟の争点
(1) 本件訴訟の争点は以下の3点である。
① 本件給付金は,所得税法上の学資金に該当し,非課税所得となるか否か。
② 本件給付金が非課税所得に該当しない場合,本件費用は,雑所得の金額の計算上必要経費に算入できるか否か。
③ 本件利息相当額は,所得税法上の学資金に該当し,非課税所得となるか否か。
(2) ①は主位的主張に関する争点であり,②は予備的主張に関する争点である。
2 ①及び③の争点に関する原告の主張が認められた場合,本件更正処分の全部が取り消されること
第6で主張するとおり本件給付金を除いて課税関係が問題となる収入は存在しないし,この点については処分行政庁も争っていない(甲39・4頁ないし11頁参照)。
そのため,①及び③の争点に関する原告の主張が認められた場合,租税法規によって客観的に定まっている税額は0円となる結果,本件更正処分の全部が取り消されることとなる(最高裁平成4年2月18日判決(裁判所HP)参照)。
第3 争点1(本件給付金は,所得税法上の学資金に該当し,非課税所得となるか否か。)に関する原告の主張
1 基本給付金は学資金としての性質を有すること