第1 第79期岡山修習の日程
1 主要日程
第79期司法修習は,令和8年3月19日に導入修習が始まり,分野別実務修習は同年4月14日から11月20日まで行われる。
岡山は,選択型実務修習を先に,集合修習を後に行う区分である。主要日程は次のとおりである。
| 修習区分 | 日程 | 主な場所 |
|---|---|---|
| 導入修習 | 令和8年3月19日~4月10日 | 司法研修所 |
| 分野別実務修習 | 令和8年4月14日~11月20日 | 岡山 |
| 選択型実務修習 | 令和8年11月24日~令和9年1月8日 | 岡山をホームグラウンドとする |
| 集合修習 | 令和9年1月13日~2月25日 | 司法研修所 |
導入修習及び分野別実務修習の日程は,最高裁判所の「令和7年度司法修習生採用選考申込みの手引」2頁で確認できる。選択型実務修習及び集合修習の具体的日付は,司法研修所の教官会議資料を掲載した「第79期司法修習の日程」で確認できる。
2 分野別実務修習の4クール
分野別実務修習は,民事裁判,刑事裁判,検察及び弁護の4分野を班ごとに異なる順序で回る。第79期の各クールは次のとおりである。
| クール | 日程 |
|---|---|
| 第1クール | 令和8年4月14日~6月9日 |
| 第2クール | 令和8年6月10日~8月2日 |
| 第3クール | 令和8年8月3日~9月28日 |
| 第4クール | 令和8年9月29日~11月20日 |
刑事裁判修習の期間内には,5日間の家庭裁判所修習が置かれる。
3 岡山固有の日別日程
令和8年8月15日現在,第79期岡山修習の班別・日別日程表は,公開資料から確認できないため【要確認】である。
したがって,見学先,合同修習,起案日,講評日等について,第77期以前の日程を第79期の確定予定として用いることはできない。
第2 岡山への配属人数と希望倍率
1 直近5期の配属人数
各期の司法修習生配属現員表によれば,岡山への配属人数は次のとおりである。
| 期 | 岡山配属人数 | 全国の採用人数 | 配属現員表の基準日 |
|---|---|---|---|
| 第74期 | 38人 | 1456人 | 令和3年3月31日 |
| 第75期 | 34人 | 1329人 | 令和3年11月12日 |
| 第76期 | 36人 | 1394人 | 令和4年11月27日 |
| 第77期 | 42人 | 1830人 | 令和6年3月21日 |
| 第78期 | 35人 | 1556人 | 令和7年3月19日 |
直近5期は34人から42人までであり,単純平均は37人である。ただし,これは過去の実績にすぎず,全国の採用人数,各地の受入態勢及び個別事情によって変動するため,第79期の人数を平均値から推定することはできない。
各期の原資料は,「司法修習の場所を選ぶ際の基礎データ」に掲載している。第79期の岡山配属人数は,令和8年8月15日現在,公開資料から確認できないため【要確認】である。
2 希望倍率の意味
ここでいう第1希望倍率は「第1希望者数÷配属人数」,第2希望までの倍率は「第1希望者数と第2希望者数の合計÷配属人数」である。希望者数と枠数の比であって,個人の配属確率を示すものではない。
岡山について公表された歴史値は次のとおりである。
| 期 | 第1希望 | 第2希望 | 配属人数 | 第1希望倍率 | 第2希望までの倍率 |
|---|---|---|---|---|---|
| 新第63期 | 16人 | 26人 | 43人 | 0.37倍 | 0.98倍 |
| 新第64期 | 14人 | 18人 | 43人 | 0.33倍 | 0.74倍 |
| 新第65期 | 29人 | 20人 | 42人 | 0.69倍 | 1.17倍 |
| 第66期 | 22人 | 22人 | 42人 | 0.52倍 | 1.05倍 |
| 第67期 | 22人 | 9人 | 42人 | 0.52倍 | 0.74倍 |
| 第68期 | 22人 | 18人 | 40人 | 0.55倍 | 1.00倍 |
| 第69期 | 17人 | 10人 | 39人 | 0.44倍 | 0.69倍 |
倍率は,各期の実務修習希望地調査書・調査表にある希望者数と,配属現員表の岡山欄を使って小数第3位を四捨五入したものである。第69期の原表は,「実務修習希望地調査表(第69期)」で確認できる。
3 現在の希望倍率が分からない理由
最高裁判所情報公開・個人情報保護審査委員会の平成29年度(最情)答申第1号によれば,第70期の実務修習希望地調査表は作成又は取得されていない。第69期まで作成していた集計表は,利用状況の見直し及び事務の合理化のため,作成しないこととされた。
このため,第70期以降の岡山について,過去と同じ定義の公式な希望倍率を示すことはできず,現在倍率は【要確認】である。第69期以前の倍率は,現在の配属可能性を示す数値ではない。
4 配属で考慮される事情
第193回国会の衆議院法務委員会において,最高裁判所の司法研修所事務局長は,実務修習地は本人の希望を基本としつつ,健康状態,家族状況等の緊急度の高い個別事情を考慮して決定し,当時は第6希望まで聴取していたと説明した。
同答弁では,当時,全国で第1希望又は第2希望に配属された者が約4分の3であったとも説明された。ただし,これは平成29年当時の全国実績であり,第79期又は岡山についての保証ではない。会議録は,第193回国会衆議院法務委員会第5号・発言49以下で確認できる。
第3 岡山における実務修習の内容
1 四つの分野別実務修習
最高裁判所の「司法修習の概要」によれば,実務修習は,法曹の個別的な指導・監督の下で実際の事件処理を体験し,実務技法と法曹倫理を学ぶものである。
① 民事裁判修習では,法廷を傍聴し,係属中の事件記録を検討して裁判官と討論し,争点整理,事実認定及び法的判断に関する書面を作成する。
② 刑事裁判修習では,公判を傍聴し,刑事記録を検討して,事実認定及び量刑等に関する起案・討論を行う。期間内には家庭裁判所修習も置かれる。
③ 検察修習では,証拠収集,捜査記録の検討,被疑者・参考人の取調べの学習・体験,事件処分に関する意見形成及び公判傍聴等を,検察官の指導の下で行う。
④ 弁護修習では,法律相談,依頼者との接し方,裁判手続への同行,訴状・準備書面等の作成及び指導弁護士による講評を通じて,弁護士実務を学ぶ。
2 第77期岡山の具体例
岡山地方裁判所,岡山地方検察庁及び岡山弁護士会が作成した「第77期司法修習 実務修習日程表」によれば,第77期は10人,11人,10人,11人の4班,合計42人であった。
分野別実務修習の各クールは,令和6年4月16日~6月10日,同年6月11日~8月1日,同年8月2日~9月26日,同年9月27日~11月20日の各37日間であった。
日程表には,民事記録の検討及び起案,刑事裁判の講義・映像教材・起案,検察起案・実習,三庁会合同修習,支部又は関係機関の見学等が記載されている。初日には,事務説明,総会,オリエンテーション,選択型実務修習の説明,三庁会ごとの説明及び歓迎行事が組まれていた。
これらは,岡山修習が法廷傍聴だけではなく,記録検討,起案,講評,面談及び関係機関修習を組み合わせたカリキュラムであることを示す。ただし,第77期の日別予定を第79期にそのまま当てはめることはできない。
3 選択型実務修習と集合修習
選択型実務修習では,弁護修習先の事務所をホームグラウンドとして,裁判所,検察庁,弁護士会,全国プログラム又は修習生が開拓した外部の修習先で学ぶ。
集合修習では,民事裁判,刑事裁判,検察,民事弁護及び刑事弁護の5科目について,起案,講義及び講評が行われる。
第79期岡山の選択型実務修習プログラム一覧は,令和8年8月15日現在,公開資料から確認できないため【要確認】である。
第4 修習機関の位置と住居
1 三機関は南方一丁目に近接する
岡山の三つの主要修習機関は,いずれも岡山市北区南方一丁目にある。
| 機関 | 所在地 | 公式資料 |
|---|---|---|
| 岡山地方裁判所 | 岡山市北区南方一丁目8番42号 | 岡山地方裁判所の所在地資料 |
| 岡山地方検察庁 | 岡山市北区南方一丁目8番1号 | 岡山地方検察庁 |
| 岡山弁護士会館 | 岡山市北区南方一丁目8番29号 | 岡山弁護士会 |
岡山弁護士会の案内では,会館は岡山駅東口から徒歩約15分であり,バスを利用する場合の最寄りは「番町口」である。会館に駐車場はない。
2 住居候補を選ぶ基準
徒歩又は自転車で三機関へ通うことを優先する場合,南方,番町,出石町,奉還町,岡山駅北側・東側を先に比較する方法がある。これは三機関の所在地と岡山駅への動線から導く生活上の提案であり,裁判所等が公式に推奨する地区ではない。
物件の比較では,月額賃料だけでなく,短期解約違約金,退去予告期間,敷金・礼金,保証会社,火災保険,鍵交換費,家具家電,インターネット,駐輪場及び退去予定日までの総額を確認する必要がある。
3 家賃相場の確認例
令和8年8月15日の確認時点で,CHINTAIの奉還町の集計は,ワンルーム5万1500円,1K4万5000円,1DK4万5000円,1LDK7万5000円であった。
同日時点のアットホームの岡山市北区の集計は,ワンルーム4万3000円,1K4万2100円,1DK4万8000円,1LDK5万5900円であった。
両者は対象地域,掲載物件及び集計方法が異なり,管理費,駐車場代及び初期費用を含む個別見積りでもない。相場値は目安にとどめ,契約時の募集条件を再確認する必要がある。
第5 住居給付金と家計上の注意
1 第79期の給付額
最高裁判所の「修習給付金案内(第79期)」によれば,基本給付金は一給付期間につき13万5000円である。
住居給付金は,自ら居住するため住宅を借り受け,家賃を支払い,所定の住居届を提出した場合に,一給付期間につき3万5000円が支給される。賃貸借契約の始期が到来しただけでは足りず,現にその住宅に居住している必要がある。
2 住居届と二重住居費
住居届の新規届出は,原則として,要件を備えた日から7日以内に行う必要がある。賃貸借契約書は,約款及び特約を含む全頁の写しを提出する。
岡山の住宅を借り続けていても,導入修習又は集合修習のため司法研修所の寮,自宅,実家等に居住する期間は,住居給付金の支給対象にならない。第79期案内12頁及び13頁は,実務修習地の賃貸住宅を引き続き借り受ける例でも,当該期間を不支給としている。
したがって,岡山の家賃から毎月一律に3万5000円を差し引くだけでは,修習期間全体の住居費を計算できない。岡山の賃貸借契約を維持する期間,和光市での居住費,移転費用及び住居給付金が日割りとなる期間を併せて見積もる必要がある。
3 税金,健康保険及び年金
第79期案内18頁は,基本給付金及び住居給付金を所得税法上の雑所得として確定申告の対象とし,源泉徴収は行われず,住民税の課税対象にもなると説明する。移転給付金は確定申告の対象外とされている。
大阪地裁令和4年12月22日判決(令和3年(行ウ)第48号所得税更正処分取消請求事件)は,基本給付金が非課税の学資金に当たらず,雑所得に当たると判断した。大阪高裁令和5年7月26日判決(令和5年(行コ)第15号)は控訴を棄却している。各判決は,大阪地裁判決原文及び大阪高裁判決原文で確認できる。
司法修習生は裁判所共済組合の健康保険及び年金保険に加入できない。採用前の加入状況に応じ,国民健康保険,被扶養者資格又は国民年金の変更手続を確認する必要がある。
第6 岡山での生活情報
1 徒歩,自転車及びももちゃり
三機関が南方一丁目に集まるため,住居の場所によっては徒歩又は自転車で移動できる。自動車を前提とする場合でも,岡山弁護士会館には駐車場がないことに注意を要する。
岡山市のシェアサイクル「ももちゃり」は,令和8年3月に電動アシスト自転車へ更新され,同年8月10日時点で94ポート,600台である。料金は1回165円・30分,月額2200円であり,1日利用は一般1650円,学生専用880円である。
同サービスは令和8年8月10日に再開されたものの,同月12日更新の市公式ページでは1日パス等の一部機能に制限が残るとされているため,利用直前に稼働状況と料金を再確認する必要がある。
2 気候
気象庁の岡山の月別平年値によれば,平成3年から令和2年までの平年値は,年平均気温15.8度,年降水量1143.1ミリ,年日照時間2033.7時間である。
1月は平均気温4.6度,日最高気温の平均9.6度,日最低気温の平均0.1度であり,8月は平均気温28.1度,日最高気温の平均33.3度,日最低気温の平均24.6度である。春から冬まで岡山に滞在する第79期では,夏の暑さと冬朝の冷え込みの双方を前提に,徒歩・自転車の移動方法を考える必要がある。
3 防災
物件を決める前に,岡山市ハザードマップで,候補住所ごとの洪水,内水及び土砂災害等を確認すべきである。具体的な安全性は物件の住所によって異なるため,地区名だけで判断することはできず【要確認】である。
第7 公開資料からは確定できない事項
令和8年8月15日現在,次の事項は公開資料から確定できない。
① 第79期岡山配属人数
② 第79期岡山修習の班別名簿及び日別日程表
③ 第70期以降の岡山の希望順位別人数又は現在の希望倍率
④ 第79期岡山の選択型実務修習プログラム一覧
①及び②を確認する場合,「第79期司法修習生配属現員表」及び「第79期岡山修習の実務修習日程表」を対象文書として,岡山地方裁判所又は最高裁判所に司法行政文書開示申出をする方法が考えられる。③については,公式集計表自体が第69期を最後に作成されなくなったため,同じ形式の資料を取得できない可能性が高い。
第8 出典
1 法令及び裁判所資料
② 最高裁判所「令和7年度司法修習生採用選考申込みの手引」2頁
③ 司法研修所「教官会議議題等及び議事録(令和7年4月25日開催分)」所収の日程表
⑤ 最高裁判所「修習給付金案内(第79期)」2頁,6頁~18頁
⑥ 岡山地方裁判所・岡山地方検察庁・岡山弁護士会「第77期司法修習 実務修習日程表」令和6年3月21日,表紙及び1頁~15頁
⑧ 最高裁判所開示文書「実務修習希望地調査書(新第63期~第65期)」「実務修習希望地調査書(第66期~第68期)」「実務修習希望地調査表(第69期)」
⑨ 最高裁判所情報公開・個人情報保護審査委員会「平成29年度(最情)答申第1号」
2 国会会議録及び裁判例
① 第193回国会衆議院法務委員会第5号,平成29年3月22日,発言49以下
② 大阪地裁令和4年12月22日判決(令和3年(行ウ)第48号所得税更正処分取消請求事件)
③ 大阪高裁令和5年7月26日判決(令和5年(行コ)第15号)
3 所在地,生活及び相場資料
⑥ CHINTAI「岡山市北区奉還町の家賃相場」及びアットホーム「岡山市北区の家賃相場」各令和8年8月15日確認