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予備試験合格者のその後の進路―判事補・検事任官の実績と,弁護士登録に予備試験区分がない理由(AI作成)

第1 この記事の対象と全体像

1 令和8年8月29日現在の情報を扱う

本記事は,令和8年8月29日現在で公表されている法務省,最高裁判所及び日本弁護士連合会(以下「日弁連」という。)の資料に基づき,司法試験予備試験(以下「予備試験」という。)合格者が,司法修習を経てその後どのような進路に進んでいるかを整理するものである。
予備試験の受験資格,試験科目及び年間スケジュールについては予備試験とは―受験資格、試験科目、年間スケジュール及び法科大学院ルートとの合格率比較,予備試験の合格ライン・採点基準については予備試験の合格点・採点基準―短答式・論文式の配点,口述試験の基準点及び総合点によらない三段階の合否判定で扱っているので,そちらを参照されたい。

2 予備試験合格者の「その後」を追跡した統計の有無

判事補への任官については,情報公開請求によって開示された資料に基づき,予備試験合格者の人数を期別に確認できる(後記第2)。
検事への任官についても,法務省が期ごとに公表する任官者一覧に,予備試験合格者の人数が示されている(後記第3)。
これに対し,弁護士については,日弁連の統計に予備試験合格という区分自体が存在せず,弁護士登録段階で予備試験合格者を独立に追跡した公表統計は確認できなかった(後記第4)。

本記事では,判事補・検事という進路には予備試験合格者数を示す統計が存在する一方,弁護士という進路にはそもそも統計上の区分がないという非対称性を出発点として整理する。

第2 判事補への道

1 情報公開請求データで見る予備試験合格者数(71期から77期まで)

判事補採用内定者数を出身法科大学院等別に整理した資料によれば,各期の判事補採用内定者のうち,予備試験合格資格による者(法科大学院を修了していない者)の人数は次のとおりである。

法科大学院修了者予備試験合格者合計
71期60人22人82人
72期61人14人75人
73期55人11人66人
74期42人31人73人
75期52人23人75人
76期59人22人81人
77期82人8人90人

このデータの出典及び出身大学別の詳細な内訳については,判事補採用内定者出身法科大学院等別人員で扱っているので,そちらを参照されたい。

2 78期のデータは未反映

前記の記事及び本記事の基準日(令和8年8月29日)の時点では,78期の判事補採用内定者データは反映されていない。

第3 検事への道

1 法務省が期別に公表する検事任官者数

法務省は,検事に任官した者について,期ごとに報道発表を行い,添付のPDF資料に,法科大学院別の内訳と共に予備試験合格者の人数を示している。
本記事では,このうち74期,76期,77期及び78期の資料を確認した。
60期以降の検事任官者に関する法務省プレスリリースを期別に一覧化したものについては,現行60期以降の,検事任官者に関する法務省のプレスリリースで扱っている。

2 確認できた期別データ

任官者数予備試験合格者数確認できた内訳
74期72人11人中央大4,大阪大2,慶應義塾大2,神戸大1,東京大1,日本大1
76期(令和5年12月18日公表)76人未確定資料の表組みから予備試験合格者数を確定できなかった
77期(令和7年4月7日公表)82人未確認内訳資料を確認できなかった
78期(令和8年3月30日公表)68人6人東京大2,慶應義塾大1,東海大1,名古屋大1,早稲田大1(合計67人)

78期については,法科大学院修了者61人と予備試験合格者6人を合計すると67人となり,公表された任官者数68人との間に1名の差異がある。
本記事では,この差異の原因を,公表資料から確認できる範囲を超えて推測することはしない。

78期の公表資料には,68期から77期までの検事任官者数の合計が714人,平均71.4人であるとの記載がある。

3 内訳が確認できなかった期があることの留保

本記事では,75期の検事任官者データを調査していない。
76期及び77期については,任官者数の総数は確認できたが,予備試験合格者数の内訳は確認できなかった。
確認できなかった数値を推測で埋めることはしない。

第4 弁護士への道―予備試験区分を追跡する統計は存在しない

1 弁護士登録統計の分類軸に予備試験の区分がない

日弁連が公表する弁護士白書2025年版「年度別弁護士登録者数とその内訳」は,弁護士登録前の職業(修習生,裁判官,検察官,公証人,大学教授等,その他)及び資格取得事由(弁護士法4条,旧法の規定,その他)という2つの軸で集計されている。
本記事では,この分類軸に法科大学院修了と予備試験合格の区別が含まれていないことから,弁護士法4条(司法修習を終えた者)による登録者について,予備試験合格資格によるものか法科大学院修了資格によるものかを区別した公表統計は存在しないものと整理する。

2 法律事務所の採用実態についても公的な統計はない

大手法律事務所における予備試験合格者の採用状況について,資格予備校や受験情報サイトが独自に集計した記述は複数存在する。
本記事では,公的機関による統計に基づく記述に限定するという方針を採るため,これらの独自集計は取り上げない。

第5 司法修習終了者全体の進路(予備試験ルートを区別しない集計)

予備試験ルート別の内訳はないものの,司法修習終了者全体の進路別人数は,最高裁判所の資料として公表されている。

終了者数裁判官検察官弁護士その他
70期1,563人65人67人1,075人356人
71期1,517人82人69人1,032人334人
72期1,487人75人65人1,032人315人
73期1,468人66人66人1,047人289人
74期1,458人73人72人1,136人177人
75期1,325人76人71人966人212人
76期1,391人81人76人993人241人
77期1,826人90人82人1,455人199人

このデータは,法科大学院修了,法科大学院在学中受験及び予備試験合格という3つの受験資格を区別していない。
本記事では,判事補・検事への任官実績には予備試験合格者数の内訳がある一方,弁護士を含めた進路全体の総数はルートを区別しない形でしか公表されていないという構造を示す資料として位置付ける。

第6 令和7年予備試験合格者428人の属性データとその限界

法務省が公表した令和7年司法試験の結果によれば,予備試験合格資格による合格者は428人であった(出願477人,受験472人,合格率90.68%)。
同じ資料には,予備試験合格者の職種別内訳(公務員,会社員,法科大学院生,大学生,無職等)及び最終学歴別内訳も掲載されている。

もっとも,本記事では,これらの内訳が司法試験出願時点(合格前)の自己申告に基づく属性であり,合格後又は司法修習後にどの進路に進んだかを追跡したものではないことに留意する。
したがって,この428人が最終的に判事補,検事又は弁護士のいずれに進んだかを示す統計は,本記事の調査範囲では確認できなかった。

出典・参考資料

令和7年司法試験法科大学院等別合格者数等(法務省)
74期検事任官者について(内訳)(法務省)
76期検事任官者について(法務省,令和5年12月18日)
77期検事任官者について(法務省,令和7年4月7日)
78期検事任官者について(法務省,令和8年3月30日)/同内訳PDF
裁判所データブック2025(最高裁判所)
弁護士白書2025年版「年度別弁護士登録者数とその内訳」(日本弁護士連合会)
弁護士白書2025年版「司法修習終了者の進路別人数」(日本弁護士連合会)