メインコンテンツへスキップ
       

日弁連の弁護士業務改革シンポジウムの歴史――1985年の創設から第24回までの全24回一覧(AI作成)

第1 弁護士業務改革シンポジウムとは何か

弁護士業務改革シンポジウムは,日本弁護士連合会(日弁連)が主催する,弁護士業務の改善・改革をテーマとする全国規模のシンポジウムである。
2年に1度開催されており,弁護士業務改革委員会その他各種委員会の企画により,多数の分科会・ワークショップが行われる。
2026年9月5日開催の第24回(福岡市)まで,1985年の創設から41年間で24回を数える。

主催母体である弁護士業務改革委員会について,日弁連は「弁護士業務の在り方は国民生活にも大きな影響があります」との認識を示した上で,「多角的な視点から弁護士業務をよりよいものにするよう研究し,弁護士業務の改善・改革に取り組んでいます」と説明している。
同委員会は,2つの小委員会と8つのプロジェクトチームで構成される。
同じ説明では,弁護士業務改革シンポジウムは「日頃の研究の成果を内外に発表する場」と位置付けられている。

第2 「弁護士業務対策シンポジウム」から「弁護士業務改革シンポジウム」へ

1 名称の変遷

現在の名称は「弁護士業務改革シンポジウム」であるが,この名称が使われるようになったのは第12回(2001年・広島)からである。
第1回(1985年)から第11回(1999年)までは,「弁護士業務対策シンポジウム」の名称で開催されていた。
この点は,日弁連が公表している過去の開催一覧の表記から確認できる。

もっとも,名称変更の具体的な時期,決定手続又は理由を説明する公式資料は,本稿執筆時点では確認できていない。
会規の改正,委員会の改組その他の制度的な経緯が背景にある可能性はあるが,確認できた事実の範囲を超えて理由を推測することは控える。

2 開催頻度の変遷

開催頻度にも変化がある。
創設期(第1回~第7回,1985年~1991年)は,開催間隔が約10か月(第1回・第2回間)から約1年6か月(第6回・第7回間)までばらつき,1986年(第2回・第3回)及び1989年(第5回・第6回)には同一年内に2回開催された。
第8回(1993年)以降は,おおむね隔年での開催が定着している。

例外は第21回(2019年9月・京都)から第22回(2022年9月・名古屋)までの3年間であり,第8回以降で唯一,開催間隔が2年を超えた例である。
新型コロナウイルス感染症の影響により,この時期に多くの対面行事が延期・中止されたことは広く知られているが,本件の間隔拡大について日弁連が公式に説明した資料は確認できていない。
したがって,同感染症の影響である可能性は考えられるものの,確定した事実としては記載しない。

開催年の並びにも,この間隔拡大と同じ時期に生じた変化がある。
第12回(2001年)から第21回(2019年)までは,いずれも奇数年に開催されていた。
第22回(2022年)以降は,第24回(2026年)まで偶数年での開催が続いている。

第3 全24回の一覧

第1回から第24回までの開催年月日,開催地及び全体テーマは,次のとおりである。

回次開催年月日開催地全体テーマ
第1回1985年3月11日東京親しまれる弁護士へ(1)-経済的・心理的側面から-
第2回1986年1月13日大阪親しまれる弁護士へ(2)-弁護士会の役割をめぐって-
第3回1986年12月6日仙台親しまれる弁護士へ(3)-情報化社会における弁護士業務の広報と広告-
第4回1987年12月5日岡山親しまれる弁護士へ(4)-地域弁護士の課題-
第5回1989年1月21日福岡親しまれる弁護士へ(5)-裁判外業務の拡充-
第6回1989年12月16日名古屋裁判外業務拡充の方策
第7回1991年6月29日札幌あすの弁護士業務を考える
第8回1993年11月26日高松弁護士業務の改革を目指して-市民との接近障害を改善するために-
第9回1995年11月24日東京21世紀に向けての弁護士業務の改革
第10回1997年11月21日京都市民へのきめ細かな法的サービスを目指して
第11回1999年11月5日盛岡21世紀の多様な事務所像をさぐる
第12回2001年11月22日広島21世紀に求められる弁護士業務-弁護士業務の一層のひろがりを求めて-
第13回2003年11月14日鹿児島激動の中の弁護士業務改革-良質かつ多様な法的サービスの提供に向けて-
第14回2005年10月7日金沢司法改革と弁護士業務-弁護士の大幅増員時代を迎えて-
第15回2007年10月5日札幌事務所を!私を!ステップアップ-新しい時代の期待に応えて-
第16回2009年11月20日松山パワーアップ!!事務所を!地域を!
第17回2011年11月11日横浜もっと広く!もっと多様に!もっと市民のために!-弁護士業務の新たな可能性を求めて-
第18回2013年11月8日神戸つなげよう,広げよう,弁護士業務-弁護士の使命を全うするために-
第19回2015年10月16日岡山利用者の立場に立った業務の充実・拡大を目指して
第20回2017年9月9日東京新時代に求められる弁護士の使命と役割
第21回2019年9月7日京都伝統の都から未来を視る~新たな弁護士業務の展開~
第22回2022年9月3日名古屋愛知から拓くぞ!-弁護士業務最前線
第23回2024年9月7日仙台杜の都から発信!変革の時代を生き抜くための弁護士業務~AIにできること,弁護士にしかできないこと~
第24回2026年9月5日福岡交流都市 福岡から未来を拓く~共創とテクノロジーで描く新しい弁護士像~

第4 分科会テーマにみる時代ごとの関心の推移

本記事では,分科会テーマの推移を,便宜上次の5期に区分して整理する。
この区分は日弁連による公式な時代区分ではなく,本記事作成者による整理である。

1 市民アクセス期(第1回~第6回,1985年~1989年)

全体テーマが一貫して「親しまれる弁護士へ」であり,経済的・心理的側面,弁護士会の役割,広報・広告,地域弁護士,裁判外業務の拡充が扱われた。
分科会という単位での区分は見当たらず,全体テーマ自体が単一の論点を掘り下げる形式であった。

2 弁護士偏在・多様な事務所像期(第7回~第11回,1991年~1999年)

第8回(1993年)以降,弁護士偏在問題及び報酬規程の抜本的改正が繰り返し取り上げられた(第8回第2分科会,第9回第1分科会)。
第11回(1999年)では,隣接業種との協働やパラリーガルの養成・活用など,事務所の多様な形態が論点となった。

3 IT化・地域展開期(第12回~第17回,2001年~2011年)

この期間には,「21世紀を生きる弁護士のためのIT」(第13回第2分科会,2003年),「ここまで来た 司法IT化の波-e裁判所構想」(第14回第3分科会,2005年),ITブース(第15回,2007年),「ここまでできるインターネット」(第16回第3分科会,2009年),「さらなるITの活用」(第17回第5分科会,2011年)と,情報技術関連の企画が継続して組まれた。
あわせて,自治体・議会との関係(第13回第3分科会),中小企業支援,弁護士保険の活用(第12回第2分科会)など,地域・利用者志向の企画が並行して扱われた。

4 多様化・専門特化期(第18回~第21回,2013年~2019年)

民事信託,スポーツ法,企業内弁護士,事業承継,公金債権管理,おひとりさま支援など,特定分野に特化した分科会が急増した時期である。
第21回(2019年)は11分科会及びセミナー1本の合計12企画であり,これは第24回(8分科会+4ワークショップ=12企画)と並び,これまでで最も多い開催規模である。
この期間の第2分科会(第21回)「やっときた!もうすぐ実現,e裁判。次はAI考えよう。」(2019年)は,分科会名に「AI」の語が現れた最初の例である。

5 AI・テクノロジー期(第22回~第24回,2022年~2026年)

第23回(2024年・仙台)では,全体テーマ自体に「AIにできること,弁護士にしかできないこと」という副題が付され,AIが一分科会の題材にとどまらず,シンポジウム全体のテーマに組み込まれた。
第24回(2026年・福岡)では,全体テーマに「テクノロジー」の語が引き続き用いられ,生成AIを直接の題材とする企画が3つ(業務効率化,パブリシティ権,生成AI体験ワークショップ)に増えている。
第24回の詳細は,第24回弁護士業務改革シンポジウム(2026年9月5日・福岡)の分科会一覧で扱っている。

第5 繰り返し取り上げられてきた分野

分科会テーマを通覧すると,単発では終わらず,複数回にわたって形を変えながら取り上げられてきた分野がある。

1 弁護士費用保険(権利保護保険)

第12回(2001年,日常紛争とリーガルアクセス-権利保護保険の活用)で初めて取り上げられた後,第13回から第16回(2003年~2009年)までは扱われなかったが,第17回(2011年)以降は第24回(2026年)まで8回連続で分科会テーマとなっている。
海外調査(北欧,イタリア等)を踏まえた検討が近年の特徴である。

2 民事信託

第18回(2013年,高齢社会における民事信託の積極的活用)で取り上げられた後,第19回・第20回(2015年,2017年)では扱われなかったが,第21回(2019年)以降は第24回(2026年)まで4回連続で分科会テーマとなっている。
第24回第1分科会は,第23回の企画を踏まえて発展させたものであることが,日弁連の資料に明記されている。

3 スポーツ・エンターテインメント法務

第18回(2013年)から第24回(2026年)まで,7回連続で分科会テーマとなっている。
本記事が対象とする5つの分野のうち,唯一,一度も途切れていない分野である。
スポーツ基本法(2011年制定)への言及から始まり,青少年アスリートの権利,サステナビリティ,eスポーツ,移籍制限,スポーツ事故補償,生成AIとパブリシティ権へと,題材を変えながら継続している。

4 事務職員の活用・育成

第13回(2003年)を皮切りに,第17回,第19回,第21回,第22回,第23回,第24回(2011年~2026年)と,合計7回にわたって取り上げられている。
特に第21回(2019年)以降は4回連続であり,近年,生成AIの活用と組み合わせた企画(第24回第2分科会)に発展している。

5 地方公共団体との連携

第13回(2003年)以降,第15回から第20回(2007年~2017年)まで6回連続を含む合計10回(第13,15,16,17,18,19,20,22,23,24回)で,自治体法務,自治体財政,行政弁護,自治体内弁護士等の名称で取り上げられてきた。
題材は,自治体との一般的な関係構築から,第三者調査委員会の活用(第24回)という個別テーマへと変化している。

第6 直近の第24回と今後

直近の第24回(2026年9月5日・福岡)は,本記事執筆時点における最新回である。
全体テーマ,8分科会及び4ワークショップの詳細は,第24回弁護士業務改革シンポジウム(2026年9月5日・福岡)の分科会一覧を参照されたい。

第22回以降の開催間隔(2年)及び開催年(偶数年)がそのまま維持されるとすれば,次回は2028年の開催が見込まれる。
もっとも,これは過去の実績からの推測であり,日弁連による公式な予告ではない。

出典

日本弁護士連合会「弁護士業務改革シンポジウム」(過去の開催一覧,2026年8月29日確認)
日本弁護士連合会「弁護士業務の改革(弁護士業務改革委員会)」(2026年8月29日確認)
日本弁護士連合会「第24回弁護士業務改革シンポジウム」(2026年8月29日確認)