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函館修習の情報―第80期日程・配属人数・修習先・住居と生活(AI作成)

本記事は,最高裁判所が実務修習地として指定する「函館」について,第80期の日程,班と組,過去の配属人数,第77期の実務修習,主な修習先,住居,気象条件その他の生活上の留意点を,令和8年10月5日現在の公開資料に基づいて整理するものである。
函館修習は,函館地方裁判所(函館家庭裁判所を含む。),函館地方検察庁及び函館弁護士会で行う実務修習であり,三機関はいずれも函館市上新川町にある。

第80期について最高裁判所が公表しているのは,令和8年度司法修習生採用選考要項であり,採用発令日は令和9年3月19日である。
函館がA班かB班か,司法研修所のどの組に属するか及び函館の配属人数は,第80期の資料ではまだ確認できない。
函館は第70期から第79期まで一貫してB班1組(札幌・旭川・釧路と合同。第71期~第76期及び第79期は青森も合同)であったが,これは過去の期の運用であり,第80期の確定事項ではない。

函館の配属現員は,新第63期から新第65期までは11人又は12人,第66期・第67期は8人であり,第71期から第79期までは9つの期続けて6人である。
第77期の日程表では現地の班は1班と2班の二つであり,第3クールは「裁判修習なし(両班ともに弁護修習)」とされ,家庭裁判所の講義と窓口研さんは各班の刑事裁判修習の期間中に置かれ,検察庁が企画した更生保護施設・少年刑務所の見学等が裁判修習中の班の日程に組み込まれていた。
第69期以前の希望倍率は,現在の人気度や配属可能性を示すものではない。
第77期の実務修習日程も過去の実施例であり,第80期に同じ日程,教材,担当体制又は実施方式が続くことを示すものではない。

気象条件の面では,函館は東京と比べて年平均気温が6.4度低く,平年値で年間の降雪の深さの合計が306センチメートル,最深積雪が45センチメートル,積雪の深さ1センチメートル以上の日が年98.9日ある(後記第8の1)。
第80期の分野別実務修習が終わる令和9年11月以降の選択型実務修習又は集合修習の時期は,函館の降雪期と重なる(後記第8の1)。

早見表は次のとおりである。
各項目の根拠と確度は,本文の該当箇所で説明する。

項目内容根拠・位置付け
対象期・基準日第80期/令和8年10月5日現在本記事の確認日
採用発令日令和9年3月19日(金)令和8年度司法修習生採用選考要項(最高裁判所。Confirmed)
分野別実務修習令和9年4月13日~11月18日(4クール)第80期修習日程表(鑑文なし。Source statement)
A班・B班第80期は未公表(第79期はB班)第80期の申込手続の手引きは令和8年10月中旬頃掲載予定(Unknown)
司法研修所の組第80期は未公表(第70期~第79期はB班1組,第67期~第69期はB班2組)各期の教官担当表等(Confirmed。第80期はUnknown)
直近の配属人数第79期6人,第78期6人,第77期6人各期の司法修習生配属現員表
主な修習先函館地方裁判所・函館家庭裁判所,函館地方検察庁,函館弁護士会(いずれも函館市上新川町)各機関の公式案内
第77期の実務修習日程函館版PDF全11頁(函館地方裁判所・函館家庭裁判所の裁判実務修習日程表)。現地班は1班・2班第77期函館修習の実務修習日程(Confirmed)
住居各自で確保(第79期の手引き)。冬季の雪・凍結と暖房を前提に選ぶ必要がある第79期手引き2頁・気象庁の平年値(Inference)
気象条件(必須)東京と比べ,年平均気温が6.4度低く,1月の日最高気温の月平均は0.9度。降雪の深さの合計は年306センチメートル(東京8センチメートル),最深積雪は45センチメートル(東京6センチメートル)。年間降水量は東京より約410ミリメートル少ない気象庁の平年値(観測地点「函館」「東京」,統計期間1991年~2020年,令和8年10月5日確認)
自動車要否を一律に判断できる公開資料なし。三機関は同じ上新川町にあり,いずれも市電の電停から徒歩5分以内とされている各機関の交通案内(Unknown)

第1 函館修習と本記事の資料範囲

1 函館修習とは

函館は,全国の実務修習地の一つである。
最高裁判所の司法修習の概要によれば,分野別実務修習は,民事裁判,刑事裁判,検察及び弁護の4分野について,それぞれ2か月ずつ実施される。
函館修習では,主に函館地方裁判所(函館家庭裁判所を含む。),函館地方検察庁及び函館弁護士会がこれを担当する。

函館地方裁判所は,本庁のほか江差支部を置き,函館家庭裁判所には江差支部のほか松前,八雲及び寿都の3出張所がある(後記第6の4)。
支部・出張所の所在地は実務修習地ではなく,司法修習生の配属は「函館」として集計されている。
函館は札幌高等裁判所の管内にあり,司法研修所の組では,第70期以降,同じ札幌高裁管内の札幌,旭川及び釧路と同じ組に入っている(後記第2の2)。

分野ごとの内容一般は民事裁判修習,刑事裁判修習,検察修習及び弁護修習に,司法修習の全体像は司法修習とはに記載している。
本記事は,函館に固有の事項を中心に扱う。

2 実務修習の法的な仕組み

司法修習生は,司法試験に合格した者の中から最高裁判所が命ずるものであり(裁判所法66条1項),少なくとも1年間修習をした後試験に合格したときに修習を終える(同法67条1項)。
裁判官の研究及び修養並びに司法修習生の修習に関する事務を取り扱わせるため,最高裁判所に司法研修所が置かれている(同法14条)。

本ブログ掲載の司法修習生に関する規則(令和7年最高裁判所規則第3号による改正後のもの)によれば,同規則1条は,司法研修所長が修習の全期間を通じて司法修習生を統轄すると定めている。
同規則5条は,実務修習の期間を少なくとも「十箇月」とし,そのうち少なくとも「四箇月」は裁判所で,「二箇月」は検察庁で,「二箇月」は弁護士会で修習しなければならないとした上で,実務修習の時期及び場所は司法研修所長が定めるとしている。
実務修習は,司法研修所長が地方裁判所,地方検察庁又は弁護士会に委託して行わせるものとされ(同規則7条),実務修習の間の司法修習生に対する監督は,最高裁判所が地方裁判所長,検事正又は弁護士会長等に委託する(同規則8条)。

そのため,函館修習の指導は,司法研修所からの委託を受けた函館地方裁判所,函館地方検察庁及び函館弁護士会が行う。
委託を受けた庁会は常に司法研修所と緊密な連絡を保つものとされ(同規則9条),実務修習を終えた際には,地方裁判所長,検事正及び弁護士会長が修習事項の大要,成績,行状等を司法研修所長に報告する(同規則10条)。
また,司法修習生は,修習に当たって知った秘密を漏らしてはならない(同規則3条)。

3 基準日と対象資料

本記事は,令和8年10月5日現在で確認できる資料に基づく。
第80期の制度及び日程は第80期の資料を優先し,第79期以前の日程表,名簿,配属表及び通知は,過去の実施例として区別する。

第80期について確認できた公式資料は,最高裁判所の令和8年度司法修習生採用選考要項(令和8年9月4日)である。
同要項(PDF2頁)は,採用発令日を令和9年3月19日(金)とし,申込手続の詳細を定める「令和8年度司法修習生採用選考申込手続の手引き」を10月中旬頃に最高裁判所ウェブサイトへ掲載する予定としている。
令和8年10月5日現在,同手引きは最高裁判所の司法修習生採用選考のページにまだ掲載されていない。
第79期では,申込手続の手引きの2頁に,集合修習と選択型実務修習の順序を実務修習地ごとに分けた表が載っていた。
したがって,第80期の函館がどちらの区分に入るかは,第80期の手引きの公表を待って確認する必要がある。

4 資料の確度

本記事は,記載の根拠の強さを次の4区分で考えている。

区分意味本記事での例
Confirmed法令,最高裁判所等の一次資料又は現在の公式ページで直接確認した事項第80期の採用発令日,第79期の函館がB班1組であること,各期の配属現員,第77期の日程表と修習開始等の事務連絡の内容
Source statement鑑文を欠く資料,体験記,民間サイトの集計等の記載第80期修習日程表の日付,第63期・第78期の修習生の体験記,民間サイトの家賃の集計
Inference複数の資料からの合理的な推測検察庁企画の見学の参加者の範囲,三機関の位置関係から見た通勤の負担,冬季の住居選びの注意点
Unknown調査した公開資料では確認できない事項第80期の函館の班・組・配属人数,第77期の検察修習・弁護修習の日程,選択型実務修習のプログラム,第77期の各班の人数

「確認できない」は,「存在しない」という意味ではない。
公開資料に記載がないことを,制度,行事又は運用が存在しないことと読み替えない。

5 公開資料から分かる範囲

第80期について,函館の班,組及び配属人数を示す公開資料は確認できなかった。
過去の期については,第67期から第79期までの教官担当表等,新第63期から第79期までの配属現員表,第69期までの実務修習希望地調査表,第77期函館修習の実務修習日程,第71期・第76期・第77期の司法修習生配属表並びに第77期及び第78期の修習開始等に関する事務連絡が公開されている。

第77期函館修習の実務修習日程はPDF全11頁で,函館地方裁判所長の送付文1頁と,函館地方裁判所・函館家庭裁判所の「第77期司法修習生裁判実務修習日程表」の第1クールから第4クールまでの表紙及び日程表を収録している。
本記事で全国版のPDF(全583頁)と照合したところ,函館版の11頁は全国版の213頁~216頁,341頁~343頁,445頁及び575頁~577頁と同じものであり,各範囲の前後の頁は他の修習地の資料であった。
日程表は裁判修習の日程表であり,検察修習及び弁護修習の日程表は収録されていない。
これは日程表に収録されていないというだけであり,検察修習及び弁護修習の行事がなかったことを意味しない。

第2 第80期函館修習の班・組と日程

1 A班・B班

A班・B班は,分野別実務修習の後に,司法研修所での集合修習と配属庁会での選択型実務修習のどちらを先に行うかによる区分である。
第80期について,函館がどちらに入るかは公表資料で確認できない(Unknown)。

参考として,令和7年度司法修習生採用選考申込手続の手引き2頁は,第79期について,「東京、立川、横浜、さいたま、千葉、大阪、京都、神戸、奈良、大津、和歌山」を先に集合修習を行う区分とし,「①以外の実務修習地」を先に選択型実務修習を行う区分としていた。
函館は後者に当たる。
司法研修所の第79期教官担当表(令和8年4月17日付)も,函館を含む第1組を「B班」の欄に置いている。
その運用が第80期にも続くかは,第80期の手引きで確認する必要がある。

2 司法研修所の組と合同クラス

第80期の函館がどの組に属するかは,公表資料で確認できない(Unknown)。
参考として,各期の教官担当表(教官組別表)によれば,函館が属した組は次のとおりである。

修習期(全組数)函館が属した組同じ組の実務修習地
第79期(全22組)B班1組札幌・函館・旭川・釧路・青森
第78期(全24組)B班1組札幌・函館・旭川・釧路
第77期(全25組)B班1組札幌・函館・旭川・釧路
第72期~第76期(全22組)B班1組札幌・函館・旭川・釧路・青森
第71期(全23組)B班1組札幌・函館・旭川・釧路・青森
第70期(全25組)B班1組札幌・函館・旭川・釧路
第69期(全27組)B班2組仙台・秋田・青森・函館
第67期・第68期(全28組)B班2組青森・函館・仙台

第79期,第78期及び第77期の行は,本記事で各期の教官担当表(第79期・令和8年4月17日付,第78期・令和7年8月5日付,第77期・令和6年8月2日現在)の画像を確認したものであり,その他の行は各期の原資料を一覧にした実務修習地とクラスの対応関係の記載で確認した。
全組数は同記事の記載による。

このように,函館は,第70期から第79期までは一貫して札幌・旭川・釧路と同じB班1組に入り,青森が加わる期(第71期~第76期及び第79期)と加わらない期(第70期,第77期及び第78期)があった。
これに対し,第67期から第69期までは,札幌・旭川・釧路とは別の組(B班2組)で,仙台・青森等と同じ組であった。
いずれの期でも函館が単独で一つの組を構成したことはなく,他の修習地と合同の組である。
組の構成が期によって変わる理由を示す公開資料は確認できないため,過去の期の組の構成から第80期の組の構成を確定することはできない。

参考として,第78期司法修習生配属現員表(令和7年3月19日現在)によれば,第78期にB班1組を構成した4庁の配属現員は,札幌46人,函館6人,旭川6人及び釧路6人の合計64人であった。
第79期司法修習生配属現員表(令和8年3月19日現在)によれば,第79期にB班1組を構成した5庁の配属現員は,札幌46人,函館6人,旭川6人,釧路6人及び青森7人の合計71人であった。

組の希望を申し出る手続について,最高裁判所事務総長の令和8年5月20日付の司法行政文書不開示通知書(最高裁秘書第1657号)は,「第78期司法修習生組別志望等調査表」を作成又は取得していないとしている。
そのため,司法修習生が自分の組を希望する手続は設けられておらず,組は実務修習地に応じて決まると考えられる(Inference)。
各期の原資料である教官担当表は司法研修所の教官担当表に掲載している。

3 三つの「班・組」の区別

函館修習の資料には,名称の似た三つの区分が出てくる。

呼称意味函館について確認できた内容
A班・B班集合修習と選択型実務修習の実施順序に関する全国的な区分第79期はB班。第80期は未公表
第○組司法研修所におけるクラス第79期はB班1組(札幌・旭川・釧路・青森と合同)。第80期は未公表
現地の班配属庁会内のローテーションの単位第77期・第78期とも1班・2班

B班1組であることは,函館,札幌,旭川,釧路及び青森の修習生が司法研修所で同じクラスになることを意味するにとどまり,5庁の修習生が函館で一緒に修習するという意味ではない。
このほか,後記第3の2の希望倍率の高低は,A班・B班の区分とは関係がない。
過去の希望倍率の読み方は実務修習地の希望倍率―過去の統計と第2希望選びの限界で扱っている。

4 函館修習に関係する日程

第80期の全体日程は,第80期司法修習の日程で整理している。
同記事が基にした「第80期 修習日程」(教官会議資料2)は,作成日,発出者及び宛先を記載した鑑文が付いていない資料である(Source statement)。
最高裁判所の選考要項で確認できるのは採用発令日だけであり,その日付は同日程表の導入修習の開始日と一致する。

同日程表に基づき,函館修習に関係する期間を整理すると,次のとおりである。

課程第80期の期間函館修習との関係
導入修習令和9年3月19日~4月9日司法研修所(埼玉県和光市)で実施
分野別実務修習令和9年4月13日~11月18日函館の配属庁会で,4クールに分けて実施
選択型実務修習・集合修習(B班の場合)選択型:令和9年11月19日~令和10年1月7日,集合:1月12日~2月24日函館がB班となった場合,選択型実務修習を函館で行った後,司法研修所で集合修習
集合修習・選択型実務修習(A班の場合)集合:令和9年11月22日~令和10年1月7日,選択型:1月11日~2月24日函館がA班となった場合の順序

同日程表によれば,分野別実務修習の各クールは,第1クールが令和9年4月13日~6月8日,第2クールが6月9日~8月1日,第3クールが8月2日~9月26日,第4クールが9月27日~11月18日であり,実日数はいずれも37日である。
B班の場合,選択型実務修習の終了後に令和10年1月8日から11日までの4日間の移動日があり,集合修習の終了後の2月25日が自由研究日とされている。
同日程表の欄外には,A班の選択型実務修習及びB班の集合修習のカリキュラム終了後に5科目の筆記考試が行われる予定である旨の注記があるが,考試の具体的な日程は記載されていない。
各クールの区切り以外の事項,すなわち配属部,指導担当者,登庁時刻及び個別のプログラムは,配属庁会からの連絡で確認することになる。

なお,第77期及び第78期の函館では,分野別実務修習の初日の集合が全国の第1クールの開始日と同じ日とされていた(後記第4の2)。
第80期の初日の集合日時は,配属後に示される案内で確認する必要がある(Unknown)。

第3 配属人数,希望地申告及び実務修習地の指定

1 配属人数

司法修習生配属現員表(48期以降)に掲載した各期の配属現員表によれば,新第63期以降の函館の配属現員は次のとおりである。
各期の採用時点の表の値であり,期名から原資料のPDFの該当頁へリンクしている。
いずれも本記事で原資料の画像を確認した。

修習期函館の配属現員全国計表の基準日(PDFの頁)
第79期6人1551人令和8年3月19日現在(1頁)
第78期6人1556人令和7年3月19日現在(1頁)
第77期6人1830人令和6年3月21日現在(1頁)
第76期6人1394人令和4年11月27日現在(1頁)
第75期6人1329人令和3年11月12日現在(2頁)
第74期6人1456人令和3年3月31日現在(2頁)
第73期6人1473人令和元年11月27日現在(2頁)
第72期6人1482人平成30年11月27日現在(2頁)
第71期6人1516人平成29年11月27日現在(2頁)
第70期7人1533人平成28年11月27日現在(2頁)
第69期7人1788人平成27年11月27日現在(1頁)
第68期6人1762人平成26年11月27日現在(1頁)
第67期8人1972人平成25年11月27日現在(16頁)
第66期8人2035人平成24年11月27日現在(14頁)
新第65期12人2001人平成23年11月27日現在(13頁)
新第64期11人2022人平成22年11月30日現在(11頁)
新第63期12人2021人平成21年11月27日現在(9頁)

函館の配属現員は,新第63期から新第65期までは11人又は12人,第66期・第67期は8人,第68期から第70期までは6人又は7人であり,第71期から第79期までは9つの期続けて6人である。
配属現員表は表題に記載された基準日における配属人数を示すものであり,修習を修了した者の数ではない。
配属現員表には二つの期を併記したものがあり,例えば平成26年11月27日現在の表にも第67期の函館8人が載っているが,上表では採用時点(平成25年11月27日現在)の表の値を用いた。
「採用者数」「修習開始者数」「配属現員」は別の数値であり,混同しない。
配属現員は各表の基準日に在籍していた人数であり,函館の定員又は募集枠を示すものではない。

第79期司法修習生配属現員表(令和8年3月19日現在)によれば,第79期の函館の配属現員は6人である(全国計1551人)。
第80期の函館の配属人数は,令和8年10月5日現在,確認できない(Unknown)。
なお,最高裁判所の裁判所データブック202630頁によれば,第79期の司法修習生の採用者数は全国で1551人(うち女性479人)であり,第79期の配属現員表の計(1551人)と一致する。
全国の人数の推移は修習開始時点における司法修習生の人数の推移に掲載している。

2 新第63期から第69期までの希望倍率

第69期までは,司法研修所が実務修習希望地調査表を作成しており,その原表が開示されている。
原表の函館の行から,第1希望者数を配属現員で除した数値と,第1希望者数及び第2希望者数の合計を配属現員で除した数値を計算すると,次のとおりである。
分母の配属現員は,前記1の各期の採用時点の配属現員表の函館の人数である。
小数第3位を四捨五入した。
平均は,各期の数値(端数処理前)の単純平均である。
期名から,原表のPDFの函館の行がある頁へリンクしている。

修習期(原表)第1希望者数第2希望者数配属現員第1希望者数÷配属現員第2希望までの人数÷配属現員
第69期2人4人7人0.29倍0.86倍
第68期2人4人6人0.33倍1.00倍
第67期2人3人8人0.25倍0.63倍
第66期4人7人8人0.50倍1.38倍
新第65期4人6人12人0.33倍0.83倍
新第64期2人3人11人0.18倍0.45倍
新第63期3人8人12人0.25倍0.92倍
平均---0.30倍0.87倍

同じ数値は,本ブログ掲載の司法修習の場所ごとの第1希望の倍率の推移表(新63期から69期まで)及び第2希望までの倍率の推移表(新63期から69期まで)にも載せている。
両表の注記によれば,当時,希望する修習地は第1希望から第6希望まで記載でき,1群の修習地は2個までしか記載できず,第5希望及び第6希望は必ず3群の修習地から選ぶ必要があった。
両表は函館を「3群」としている。

第69期の原表では,函館を第1希望とした者は2人,第2希望とした者は4人,第3希望とした者は7人,第4希望とした者は4人であったのに対し,第5希望とした者が37人,第6希望とした者が30人であった。
第5希望及び第6希望は3群の修習地から選ぶ規則であったため,3群の函館がこれらの欄に多く書かれたものと考えられる(Inference)。
第5希望・第6希望の人数は,函館を積極的に選んだ人数を示すものとは限らない。

これらは第69期までの希望の分布を示す歴史資料であり,第80期の函館の人気度や配属可能性を示す数値ではない。
この数値は抽選倍率でも,函館を第1希望とした者の配属成功率でもなく,古い倍率を根拠に函館を「入りやすい」「安全」と評価することも適切でない。

3 第70期以降の資料状況

最高裁判所情報公開・個人情報保護審査委員会の平成29年4月28日答申(平成29年度(最情)答申第1号)2頁によれば,実務修習希望地調査表は,第69期までは実務修習地を決定する際の参考資料として利用する場合もあるため作成されていたが,事務の合理化の観点から,第70期の司法修習生採用選考申込者に関する調査表は作成しないこととされた。
第79期及び第78期についても,最高裁判所事務総長の司法行政文書不開示通知書(令和8年3月18日付・最高裁秘書第782号及び令和8年1月19日付・最高裁秘書第3778号)は,各期の司法修習予定者の実務修習希望地調査表を作成又は取得していないとしている。
これらから確認できるのは,その名称・内容の文書が作成又は取得されていないという点であり,別の形式の集計が一切存在しないことまで示すものではない。

そのため,第70期以降について,第69期までと同じ定義の希望倍率は算出できない。
直近期の配属人数を確認できても,第80期の函館の希望者数,希望倍率又は配属確率は分からず(Unknown),函館が「人気である」「配属されやすい」と評価することはできない。

4 希望地の申告と実務修習地の指定

第80期の希望地の申告方法は,令和8年10月中旬頃に掲載予定の申込手続の手引き及び申込後に示される入力要領で確認する必要がある。
第79期の令和7年度司法修習生採用選考申込手続の手引き6頁は,採用選考申込フォームの入力事項の一つとして「実務修習希望地に関する事項」を挙げているが,公開されている手引きには,希望地の群の区分や記載できる数の規則は書かれていない。

実務修習地の指定については,公開されている司法研修所の通知の中で,第72期の司法研修所からのお知らせ(平成30年8月1日)が次の点を明記している。
①実務修習地は,司法研修所長が決定する(2頁)。
②希望地の記載は希望どおりに決定されることを保証するものではなく,特定の実務修習地に希望者が集中した場合などには希望どおりに決定されないことがある(2頁)。
③通知した実務修習地の変更は,認められない(2頁)。
④当時の様式では,函館は「3群」に分類されていた(6頁)。第1希望から第4希望までは1群から3群までの中から記載し(1群から選択するのは2箇所まで),第5希望及び第6希望は3群から記載するものとされていた(8頁)。

①から③は第72期の通知の記載であるが,第80期の扱いを確認する際の出発点になる。
①は,実務修習の時期及び場所は司法研修所長が定めるとする司法修習生に関する規則5条の規定(前記第1の2)に対応する。
④の群の区分と記載数の制限は第72期の紙の様式の規則であり,第80期の入力フォームでも同じであるとは限らない。

最高裁判所の情報公開・個人情報保護審査委員会の令和元年8月23日答申(令和元年度(最情)答申第40号)2頁によれば,第72期の実務修習地は,実務修習希望地調査書に記載された希望修習地及びその順位,各人の健康状態,家族状況等の諸般の事情を考慮して検討・調整を行った上で,名簿を作成して決定されたと説明されている。
前記3の平成29年答申3頁も,実務修習地の決定に当たっては,司法修習生の希望を基本として,各人の諸般の事情を考慮しているとしている。

通知後の変更が認められないことについては,例外的に配属換えがされた例もある。
同委員会の平成30年3月23日答申(平成29年度(情)答申第21号)は,旭川地方裁判所に配属された第70期の司法修習生の一部が配属換えになったことに関する文書を対象とするものである。
これは函館に関する例ではなく,配属換えの理由は同答申からは分からない。

家庭事情等の申告方法,「一任」の扱い及び過年度資料の適用限界は,80期司法修習の希望地申告で詳しく扱っている。
全国の実務修習地の一覧と選び方は司法修習の場所―全国51の実務修習地一覧と選び方を参照されたい。

第4 第77期函館修習の具体的内容

1 確認したPDFの範囲

第77期函館修習の実務修習日程は,函館地方裁判所長から司法研修所長への送付文と,函館地方裁判所・函館家庭裁判所が作成したクールごとの裁判実務修習日程表をまとめたPDFである。
本記事では全11頁を画像で確認した。
PDFには日程表の文字データがないため,日付と行事の対応はすべて画像で読んだ。

確認項目記録内容
資料名送付文の件名は「令和5年度(第77期)司法修習生の裁判実務修習日程予定表(第1クール分)について(報告)」。各クールの表紙の題名は「第77期司法修習生裁判実務修習日程表(第◯クール)」,日程表の題名は「第77期裁判実務修習日程表(第◯クール)」
作成・送付主体送付文は函館地方裁判所長から司法研修所長宛て。各クールの表紙の作成名義は「函館地方裁判所」「函館家庭裁判所」
作成・送付日送付文は令和6年4月8日付で,司法研修所の受付印は同月9日。第2クール以降の表紙にも受付印があるが,日付は一部しか判読できない
頁数11頁(送付文=1頁,第1クール=表紙2頁・日程表3頁~4頁,第2クール=表紙5頁・日程表6頁~7頁,第3クール=表紙8頁,第4クール=表紙9頁・日程表10頁~11頁)
収録範囲第1クールから第4クールまでの裁判修習の日程。第3クールは表紙に「裁判修習なし(両班ともに弁護修習)」とあり,日程表はない
現地班1班・2班。各クールの表紙に,そのクールに裁判修習をする班と分野が書かれている
掲載分野民事裁判修習・刑事裁判修習(家裁の講義等を含む。)の行事,検察庁企画・裁判所企画の講義と見学。検察修習・弁護修習の日程はない
表の列月日(曜日),行事欄(各行事は「①標題、②時間、③場所、④講師」の順に記載)。第4クールは1班【民裁】・2班【刑裁】の2列
判読方法全頁を画像で目視(110dpi)。全国版の該当頁と画像で照合した
判読できない範囲第2クール~第4クールの表紙の受付印の日付。日程表の本文に判読できない欄はなかった。表紙の司法修習生の氏名は黒塗り

以下では,講師の氏名は転載せず,職名だけを記載する。

2 現地の班編成と巡回順序

司法研修所事務局長の令和5年度(第77期)司法修習生の修習開始等について(令和6年2月7日付)のPDF13頁は,第77期の函館の実務修習順序を次のとおりとしていた。

第77期の現地班第1クール(令和6年4月16日~)第2クール(6月11日~)第3クール(8月2日~)第4クール(9月27日~)
1班検察刑事裁判弁護民事裁判
2班民事裁判検察弁護刑事裁判

日程表の各クールの表紙(第1クール:2班民事裁判修習,第2クール:1班刑事裁判修習,第3クール:裁判修習なし(両班ともに弁護修習),第4クール:1班民事裁判修習・2班刑事裁判修習)は,この事務連絡の順序と一致している。
事務連絡の表では,第3クールの弁護士会の欄が1班と2班にまたがる一つの欄になっている。
家裁修習は「裁判実務修習中に行う。」とされていた。

第78期については,司法研修所事務局長の令和6年度(第78期)司法修習生の修習開始等について(令和7年2月4日付)のPDF13頁に,函館の実務修習順序が記載されている。

第78期の現地班第1クール(令和7年4月14日~)第2クール(6月9日~)第3クール(7月31日~)第4クール(9月25日~)
1班検察民事裁判弁護刑事裁判
2班刑事裁判検察弁護民事裁判

第78期も2班編成で,第3クールに両班が弁護修習をする点は第77期と同じであるが,家裁修習は「刑事裁判実務修習中に行う。」とされていた。
第77期と比べると,1班が検察修習から始める点は同じであるが,2班の最初の分野と,各班が民事裁判修習・刑事裁判修習をするクールは異なる。
このように期によって順序が変わることがあるため,第80期の班編成と順序は配属後の案内で確認する必要がある。

分野別実務修習の初日の集合場所は,第77期の事務連絡(PDF18頁)では令和6年4月16日(火)午前10時30分に,第78期の事務連絡(PDF18頁)では令和7年4月14日(月)午前9時00分に,いずれも「函館地方裁判所事務局総務課(5階)」とされていた。
開始日に持参する教材等は,第77期は「印鑑」,第78期は「なし」とされていた。
いずれも全国の第1クールの開始日と同じ日である。

班の人数は,第77期の日程表にも第77期・第78期の事務連絡にも記載されておらず,第77期の司法修習生配属表でも司法修習生の氏名欄は黒塗りである(Unknown)。
配属現員(第77期は6人)を班の数で割った人数は,資料に基づく人数ではないため,本記事では記載しない。

3 民事裁判修習

第77期の民事裁判修習は,2班が第1クール(令和6年4月16日~6月10日),1班が第4クール(9月27日~11月20日)であった。
日程表には次の行事が置かれている。
①問研起案【民事】(午前10時~午後3時,候補者待合室。2班4月19日,1班10月2日)
②問研起案講評・面談(2班は5月9日に講評(午前・自宅)・5月13日に面談(午前・1階競売室),1班は10月16日に「問研起案講評、面談」(終日・自宅)。講師はいずれも担当教官)
③実務修習(簡裁民事調停)(講師:函館簡裁司掌。2班4月25日は講義と調停見学,1班10月10日は午後1時~5時)
④講義「民事書記官事務について」(講師:民事訟廷管理官。2班6月3日,1班10月9日)
⑤実務修習 民事書記官事務(訴訟事件)(講師:民事立会主任。2班5月20日,1班11月18日)
⑥倒産法講義(講師:書記官。2班5月21日,1班11月19日)

1班の第4クールには,このほか,講義「民事調停について」(10月9日,講師:司掌)と,民事実務研究(11月1日午後3時~5時,講師:民事の右陪席・左陪席の裁判官)が置かれている。
個別の配属部での事件記録の検討,期日の傍聴,保全・執行等の修習が行われたかどうかは,日程表からは分からない。

4 刑事裁判修習

第77期の刑事裁判修習は,1班が第2クール(令和6年6月11日~8月1日),2班が第4クール(9月27日~11月20日)であった。
日程表には次の行事が置かれている。
①問研起案【刑事】(午前10時~午後3時,候補者待合室。1班6月13日,2班10月1日)
②問研起案の講評(午前・自宅。1班6月26日,2班10月18日)及び面談(午前・競売室。1班6月27日,2班10月21日)。講師はいずれも担当教官
③講義「刑事書記官事務について」(午後1時30分~4時。講師は,1班6月14日が刑事訟廷管理官・刑事主任書記官,2班10月8日が地裁次席書記官ほか)
④実務修習(令状処理・略式命令)(午後1時30分~3時30分,講師:函館簡裁司掌。1班6月19日,2班10月9日)

模擬裁判,裁判員裁判の傍聴等の有無は,日程表からは分からない。

5 家裁修習

家庭裁判所の講義と窓口研さんは,各班の刑事裁判修習の期間中に置かれている。
①講義「少年事件 書記官・調査官事務」(午前10時~12時,講師:家裁主任書記官・調査官。1班6月25日,2班10月17日)
②講義「家事事件 書記官・調査官事務」(午後1時10分~3時10分,講師:家裁訟廷管理官・調査官。1班6月25日,2班10月17日)
③実務修習(家裁窓口研さん)(講師:家裁訟廷管理官ほか。1班7月11日午後半日(場所:1階受付・手続案内総合センター),2班10月24日午後1時~5時(場所:受付センター))

少年審判・家事調停の傍聴の有無は,日程表からは分からない(Unknown)。

6 検察庁企画・裁判所企画の講義と見学

日程表には,「(検察庁企画)」と付した講義・見学が,裁判修習中の班の日程として置かれている。
①更生保護施設巴寮の見学,保護司との座談会(2班・第1クールの5月14日午後1時30分~3時30分,場所:検察庁,講師:施設職員)
②精神科医の講義「精神鑑定について」(2班・第1クールの5月27日午後1時30分~4時30分,場所:検察庁)
③函館少年刑務所施設見学(1班・第2クールの7月3日午前9時30分~午後4時30分,場所:検察庁,講師:施設職員)

第1クールは1班が,第2クールは2班が検察修習中であったから,これらの講義・見学は,検察修習中の班に裁判修習中の班が加わる形で行われたものと考えられる(Inference)。
また,第4クールの10月22日には,「(裁判所企画)大沼学園見学」(午前9時30分~午後3時30分)が1班・2班の両方の欄に置かれている(2班の欄は「同左」)。

日程表上の自由研究日は,第1クールの5月2日,第2クールの7月12日及び第4クールの10月15日である。

7 検察修習及び弁護修習

第77期の日程表は裁判修習の日程表であり,函館地方検察庁での検察修習と函館弁護士会での弁護修習の日程表は,函館版にも全国版にも収録されていない。
前記2のとおり,各班が検察修習・弁護修習をしたクールは事務連絡で確認でき,前記6の検察庁企画の講義・見学は検察修習中の班も参加したものと考えられるが,検察修習・弁護修習の個々の行事の内容は確認できない(Unknown)。
これは日程表に収録されていないことによるものであり,検察修習及び弁護修習の行事がなかったことを示すものではない。

函館地方検察庁の組織と検察修習の担当課は後記第6の2,函館弁護士会は後記第6の3に記載した。

8 指導担当体制

第77期の函館の司法修習生配属表(全4頁)は,函館地方裁判所長から司法研修所長に宛てた配属表である(令和6年3月14日付及び同年7月5日付)。
民事修習指導官及び刑事修習指導官を挙げた上で,部の欄は「民事」又は「刑事」とされ,個別指導裁判官は民事3人,刑事3人(いずれも修習指導官を含む。)が記載されている。
第3クールは「配属なし」とされ,第4クールの民事の欄には,令和6年7月1日付の交替が記載されている。
司法修習生の氏名は黒塗りである。
本記事では裁判官の氏名は転載しない。

第76期についても第76期の司法修習生配属表(全4頁)が公開されており,部の欄は「民事」又は「刑事」で,個別指導裁判官は各3人,第4クールは「配属なし」である。
第71期の司法修習生配属表(PDF1頁~4頁が函館)も同様で,第4クールは「配属なし」であり,第1クールには民事・刑事の各欄に黒塗りの司法修習生氏名が3行ずつある。
同じPDFの5頁~7頁は,旭川地方裁判所長名義の第71期の配属表である。
これらは各期の裁判所の体制であり,名簿上の人数は,全修習生に常時関与する人数を意味するものではない。

9 第80期へ適用できない事項

以上は第77期の実施実績である。
第80期の函館の班編成,巡回順序,担当者,配属部,日付,教材,実施方式,見学先及びプログラムが同じであることを示すものではない。
第80期の具体的な日程は,配属庁会から交付される日程表で確認する必要がある。

第5 集合修習と選択型実務修習

1 実施順序と函館修習への影響

第80期の函館がB班となる場合,令和9年11月18日に分野別実務修習を終えた後,翌19日から令和10年1月7日まで函館で選択型実務修習を行い,同月12日から2月24日まで司法研修所で集合修習を行うことになる。
この場合,函館での修習は令和9年4月から令和10年1月上旬まで続き,選択型実務修習の期間は函館の平年値で降雪が多い12月・1月に当たる(後記第8の1)。
A班となる場合は,集合修習の後,令和10年1月11日から2月24日まで函館で選択型実務修習を行うことになり,この期間は平年値で最深積雪が最も大きい2月を含む。
函館の住居を集合修習の期間も維持するか否かは,後記第7の4のとおり住居給付金の扱いに関係する。
函館がどちらの区分に入るかは,前記第2の1のとおり第80期の手引きで確認する必要がある。

集合修習の内容は集合修習とはで整理している。

2 選択型実務修習

選択型実務修習では,分野別実務修習で弁護修習をした法律事務所がホームグラウンドとなり,配属庁会が提供する個別修習プログラム,全国プログラム及び自己開拓プログラムを組み合わせる。
函館の裁判所,函館地方検察庁及び函館弁護士会が第80期に提供するプログラムの名称,定員,日程及び選考方法は,公開資料では確認できない(Unknown)。

第78期の函館修習の体験記(後記第8の3)には,通常の修習では渉外的事件も英語を使う機会もなかったため,全国プログラムで渉外事務所での修習を選んだという記載がある(Source statement)。
これは一人の体験であり,函館修習の標準的な内容を示すものではないが,分野別実務修習で接しにくい分野を全国プログラムで補う使い方の一例である。
第80期の募集内容は,配属後に配属庁会及び司法研修所から示される案内で確認する必要がある。

制度一般は選択型実務修習とは及び選択型実務修習の運用ガイドラインを参照されたい。
選択型実務修習に関する資料は選択型実務修習に関する資料にも掲載している。

第6 主な修習先,管内及び通勤

1 三機関の所在地

函館修習の中心となる機関は,いずれも函館市上新川町にある。

機関所在地交通等公式案内
函館地方裁判所・函館家庭裁判所・函館簡易裁判所函館市上新川町1番8号市電・函館バスの千歳町又は昭和橋で下車し徒歩5分管内の裁判所の所在地
函館地方検察庁函館市上新川町1番13号市電の昭和橋又は千歳町の電停から徒歩5分,駐車場あり所在地・交通アクセス
函館弁護士会函館市上新川町1番3号千歳町電停下車徒歩3分,昭和通りバス停下車徒歩1分,駐車場ありアクセス

函館地方裁判所,函館家庭裁判所及び函館簡易裁判所は同じ所在地にあり,函館地方検察庁及び函館弁護士会も同じ上新川町1番の各号にある。
所在地の番地と各機関の交通案内から,三機関の間の移動の負担は小さいと考えられる(Inference)。
第77期の日程表でも,裁判修習中の班の日程に置かれた検察庁企画の講義・見学の場所の欄は「検察庁」とされている。

2 函館地方検察庁

法務省の検察庁事務章程(昭和60年法務省訓令第1号。令和8年4月8日法務省訓令第1号による改正後のもの)の別表第1は,部を置く地方検察庁を東京,大阪,名古屋,横浜,さいたま,千葉,京都,神戸,福岡,札幌,広島,仙台及び高松の13庁としており,函館地方検察庁はこれに含まれない(PDF6頁)。
部の置かれていない「その他の地方検察庁」には,別表第3により総務課,会計課,企画調査課及び監査室が置かれ(PDF11頁),別表第6は,企画調査課の所管事務として「司法修習生の修習指導に関すること(教養課又は司法修習課の置かれていない庁に限る。)。」を掲げている(PDF13頁)。
函館地方検察庁の所在地・交通アクセスのページにも,情報公開の窓口として「函館地方検察庁企画調査課」が記載されている。
函館地方検察庁では企画調査課が検察修習の事務を担当する建付けであると考えられる(Inference)。

検察庁の職員の配置定員について(令和8年4月8日付法務省人定第16号。同月1日から適用)の別表第3(PDF4頁)によれば,函館地方検察庁の配置定員は,検事5人,副検事3人,行政職(一)・公安職(二)60人及び行政職(二)1人の合計69人である。
札幌高等検察庁の管内4庁(札幌257人,釧路100人,旭川85人,函館69人)の中で最も少ない。
この定員は管内の支部及び区検察庁を含む数であり,同通達第5項により支部及び区検察庁ごとの定員は検事正が別に定めるとされているため,本庁だけの人数は分からない。
また,定員であって各時点の現員ではない。
各地の検察庁の内部規程は各地の検察庁の執務規程に,配置定員の各年度の通達は法務省の定員に関する訓令及び通達に掲載している。

3 函館弁護士会

函館弁護士会のアクセスのページによれば,同会は函館市上新川町1番3号にあり,千歳町電停から徒歩3分,昭和通りバス停から徒歩1分で,駐車場がある。
同会のウェブサイトでは,令和8年10月5日現在,トップページを確認した限り,司法修習生向けの案内の記載は確認できなかった。

日本弁護士連合会の弁護士会別弁護士数とその内訳(2025年3月31日現在)によれば,函館弁護士会の正会員数は53人(うち女性11人,20.8%)であり,法律事務所数は33である。
北海道弁護士会連合会に属する4会(札幌862人,釧路84人,旭川78人,函館53人)の中で最も少ない。
弁護修習は個々の法律事務所で行われるため,配属先の事務所の所在地によって通勤の条件は異なる。
弁護修習の配属先が函館市内の事務所に限られるかどうかは,公開資料からは確認できない(Unknown)。

4 管内と支部

函館地方裁判所の管内の裁判所の所在地によれば,本庁のほか次の支部及び出張所がある(いずれも簡易裁判所を併置)。
①函館地方裁判所江差支部・函館家庭裁判所江差支部(檜山郡江差町字本町237)
②函館家庭裁判所松前出張所(松前郡松前町字建石48)
③函館家庭裁判所八雲出張所(二海郡八雲町末広町184。JR八雲駅から徒歩10分)
④函館家庭裁判所寿都出張所(寿都郡寿都町字新栄町209)

函館地方検察庁の所在地・交通アクセスのページは,函館地方検察庁江差支部と,函館・松前・江差・八雲・寿都の各区検察庁を挙げている。

第77期の日程表には,支部・出張所での修習は記載されていない。
第80期に支部等への出張が組まれるかどうか,組まれる場合の移動手段は,公開資料からは確認できない(Unknown)。
管内に支部があることから,支部へ移動する頻度を推測することもできない。

5 三機関の間の移動と市電・自動車

前記1のとおり,三機関はいずれも函館市上新川町にあり,函館市電の千歳町又は昭和橋の電停から徒歩5分以内とされている。
函館市の乗車料金(函館市電)のページによれば,令和7年12月1日改定後の大人の普通乗車料金は,乗車距離に応じて2キロメートルまで250円,4キロメートルまで270円,7キロメートルまで290円,7キロメートル超え300円であり,全国相互利用が可能な交通系ICカードを利用できる。

三機関の間の日常の移動は徒歩で足りると考えられるが(Inference),弁護修習の配属先の事務所が函館市外にある場合や,関係機関の見学がある場合の移動手段は,公開資料からは分からない。
自動車が必要か否かを一律に判断できる公開資料は確認できなかったため,自動車の保有を前提に契約又は購入をする前に,配属先の案内を確認するのが相当である。
第63期の函館修習の回顧(後記第8の3)には,当時は修習生の誰も車を持っておらず,集まるときは自転車であったとの記載があるが,平成21年当時の一例である(Source statement)。
自動車を使う場合は,後記第8の2の除雪と路面凍結も考える必要がある。

第7 住居,家賃及び修習給付金

1 住居の確保

令和7年度司法修習生採用選考申込手続の手引き2頁は,第79期について,「指定された実務修習地における住居の確保は、各自で行うことになっています。」としている。
第80期について同じ記載があるかは,第80期の手引きで確認する必要がある。
函館に司法修習生用の寮が用意されることを示す公開資料は確認できなかった。
函館修習の場合,第77期・第78期の例では全国の開始日と同じ日に初日の集合があったため,第80期でも初日の案内を早めに確認し,それに間に合うように住居を確保することになる。

2 住居を探す地域

三機関はいずれも函館市上新川町にあるため,そこへの距離や市電の千歳町・昭和橋の電停からの経路を基準に考えるのが,通勤の負担を考える際の一つの目安になる(Inference)。
ただし,弁護修習の配属先の事務所の所在地は人によって異なり,冬季は積雪と路面凍結で徒歩・自転車の負担が大きくなるため(後記第8の1),距離だけで住居の候補を決めることはできない。

3 家賃

総務省統計局の令和5年住宅・土地統計調査(調査時点は令和5年10月1日)の第112-2表によれば,民営借家(専用住宅)の1か月当たり家賃の平均は,函館市が4万7704円(家賃0円を含む。家賃0円を含まない平均は4万8219円)である。
同じ区分の北海道の平均は5万0647円,全国の平均は6万4819円である(いずれも家賃0円を含む。)。
共益費・管理費は別の欄で集計されており,函館市の民営借家の平均は1008円(0円を含む。)である。
これは入居中の借家全体の平均であり,間取りや築年数を区別したものではなく,修習生が新たに借りる物件の募集賃料とも異なる。

参考として,民間の賃貸情報サイトであるYahoo!不動産の函館市の家賃相場を令和8年10月5日に閲覧したところ,掲載物件全体の平均賃料は4.6万円(8396件),一人暮らし向けの平均賃料は4.2万円(5197件),間取り別ではワンルーム3.2万円,1K4.5万円,1DK3.5万円,1LDK4.8万円であった(Source statement)。
同サイトは掲載中の物件から平均賃料を算出したものとしており,管理費を含むか否かの表示はなく,掲載物件の入替えにより数値は変わる。

物件を選ぶ際には,表示家賃だけでなく,次の点を確認する必要がある。
①管理費・共益費と,冬季の暖房費を含む光熱費
②暖房設備の種類,断熱性能,水抜栓の有無と位置(後記第8の2)
③三機関それぞれへの経路と,積雪・路面凍結時の所要時間
④駐車場代と除雪の負担(自動車を使う場合)
⑤家具家電,短期解約違約金,更新費用及び退去費用
⑥住居給付金の要件(契約名義,家賃負担及び届出期限)を満たすかどうか

4 修習給付金と集合修習の期間の住居

裁判所法67条の2第2項は,修習給付金の種類を基本給付金,住居給付金及び移転給付金とする。
最高裁判所の司法修習生の修習給付金についてによれば,基本給付金は給付期間ごとに13万5000円,住居給付金は給付期間ごとに3万5000円である。
住居給付金は定額であり,これを超える家賃は各自の負担となる。

司法研修所事務局総務課・経理課の修習給付金案内(第79期)によれば,住居届(新規)の届出期限は要件を具備した日から7日以内(初日不算入)であり(7頁),7日を経過した後に届け出たときは,届出を受理した日の属する給付期間の次の給付期間から支給が開始される(8頁)。
同案内21頁は,ウィークリーマンション等であっても,生活の本拠としたと認め得る程度に長期間居住した場合は支給される場合があるとし,親名義の賃貸借契約は原則として要件を満たさないが,例外的に支給される場合があるとしている。

函館がB班となる場合,集合修習は修習の最後に司法研修所で行われる。
同案内7頁は,集合修習の期間について,その間に対象住宅の賃貸借契約を継続し,かつ集合修習の終了後に対象住宅に戻って居住する場合に限り,司法研修所の寮に入寮する者は例外的に届出が不要となり,自宅,実家,配偶者の所有する住宅等に居住する者は「変更」の届出をするとした上で,これらの期間は住居給付金の支給対象にならないとしている。
B班の場合,集合修習の後に函館へ戻って修習することはないため,集合修習の期間中も函館の住居を維持すると,住居給付金を受けられないまま家賃を負担することになると考えられる(Inference)。
函館がA班となった場合は,集合修習の後に函館へ戻って選択型実務修習を行うため,同じ7頁の取扱いがそのまま問題になる。
函館の住居をいつ解約するかは,選択型実務修習の終了日,移動日,解約予告期間及び集合修習中の住居の確保方法によって異なり,第80期の案内で確認する必要がある。

第80期の修習給付金関係の案内は,選考要項(PDF3頁)によれば令和9年1月中旬に掲載される予定である。
制度の詳細は司法修習生の住居給付金及び司法修習生の移転給付金で,届出の手続は司法修習に関する事務便覧(令和7年3月)とはで扱っている。
修習給付金の支給を受けてもなお必要な資金は,裁判所法67条の3の修習専念資金(無利息の貸与)の対象となり,選考要項(PDF3頁)によれば第80期の修習専念資金の案内は令和8年11月上旬に掲載される予定である。

5 導入修習期間中の入寮

導入修習は司法研修所(埼玉県和光市)で行われ,希望者は入寮を申し込む。
第72期の司法研修所からのお知らせ13頁~14頁は,入寮希望者が多い場合の取扱いとして,実務修習地が東京,立川及びさいたまとなる者を各実務修習地に住居を有するものとみなすとしていたが,函館はこの3庁に含まれていない。
これは第72期の扱いであり,第80期の入寮の取扱いは,申込み後に示される案内で確認する必要がある(Unknown)。

第8 気象条件,冬の生活及び体験記・就職情報

1 東京との気象条件の比較

(1) 比較表

気象庁の平年値(統計期間1991年~2020年)により,観測地点「函館」と観測地点「東京」を同じ要素・単位で比べると,次のとおりである。
観測地点と出典は後記(3)に記載した。

気象要素函館東京函館と東京の差・生活上の意味
年平均気温(℃)9.415.8函館が6.4度低い
1月の平均気温(℃)-2.45.4函館が7.8度低い
1月の日最高・日最低気温の月平均(℃)0.9/-6.09.8/1.2昼の最高気温は函館が8.9度,朝の最低気温は7.2度低い
8月の平均気温(℃)22.126.9函館が4.8度低い
8月の日最高・日最低気温の月平均(℃)25.9/18.931.3/23.5昼は函館が5.4度,夜は4.6度低い
日最高気温30℃以上の日数(年)4.1日52.1日函館は東京の1割未満
日最高気温35℃以上の日数(年)0.0日4.8日函館の平年値は0.0日
日最低気温0℃未満の日数(年)121.0日15.2日函館が約106日多い
日最高気温0℃未満の日数(年)28.0日0.0日函館には一日中氷点下の日がある
年間降水量(mm)1188.01598.2函館が約410ミリメートル少ない
12月・1月の降水量(mm)94.6・77.457.9・59.7冬は函館の方が多い(多くは雪)
8月・9月の降水量(mm)156.5・150.5154.7・224.98月はほぼ同じ,9月は東京の方が多い
年間日照時間(時間)1744.91926.7函館が約182時間短い
1月の日照時間(時間)103.1192.6函館は東京の約5割
1月の平均相対湿度(%)7351冬の東京は乾燥し,函館は湿度が高い
年間の降雪の深さの合計・最深積雪(cm)306/458/6函館は東京と桁が違う
積雪の深さ1cm以上の日数(年)98.9日2.8日函館は12月~3月の多くの日に積雪がある

(2) 夏・冬の違いと生活への影響

冬は,1月の平均気温が-2.4度で東京より7.8度低く,日最高気温の月平均も0.9度にとどまる。
日最低気温が0℃未満となる日は年121.0日(東京15.2日),日最高気温が0℃未満となる日は年28.0日(東京0.0日)ある。
日最低気温の月平均は,12月-3.6度,1月-6.0度,2月-5.7度,3月-2.2度である。
降雪の深さの合計は,11月18センチメートル,12月79センチメートル,1月91センチメートル,2月74センチメートル,3月41センチメートル,4月2センチメートルであり,最深積雪は11月9センチメートル,12月22センチメートル,1月34センチメートル,2月41センチメートル,3月28センチメートル,4月1センチメートルである。
積雪の深さが1センチメートル以上の日は,12月21.4日,1月29.4日,2月26.9日ある。
1月は,降雪の深さの日合計の最大が18センチメートル,降雪の深さの日合計が1センチメートル以上の日が19.6日である。
1月の日照時間は103.1時間で,東京(192.6時間)の約5割である。

夏は,8月の平均気温が22.1度で東京より4.8度低く,日最高気温30℃以上の日は年4.1日(東京52.1日)であり,日最高気温35℃以上の日数の平年値は0.0日(東京4.8日)である。
8月の日最高気温の月平均は25.9度であり,冷房の必要は東京より小さいと考えられるが,日最高気温30℃以上の日がないわけではない(Inference)。
8月の平均相対湿度は81%(東京74%)である。
年間降水量は東京より約410ミリメートル少ないが,11月から1月までは東京より多く,冬の降水の多くは雪として降ると考えられる(Inference)。

第80期の日程表に当てはめると,分野別実務修習の第1クール(令和9年4月13日~)の4月にも,平年値で2センチメートルの降雪がある。
第4クールの終わり(11月)には平年値で18センチメートルの降雪があり,その後の選択型実務修習(B班の場合は11月19日~令和10年1月7日,A班の場合は1月11日~2月24日)は降雪期の中心に当たる。

これらの統計からは,函館修習では次の点への備えが中心になると考えられる(Inference)。
①冬用の靴,防寒着,手袋等,雪道と路面凍結を前提とした服装
②暖房設備と断熱,水道管の凍結防止(水抜き)を前提とした住居選び
③積雪・凍結時の徒歩・市電の所要時間を見込んだ通勤経路
④自動車を使う場合の冬用タイヤ,除雪及び駐車場の雪処理
⑤日照の短い冬季の体調管理
平年値は個々の日の気温や降雪を示すものではなく,年により大雪や低温となることがある点にも留意を要する。

(3) 観測地点・統計期間と未確認値の扱い

函館の値は,気象庁の観測地点「函館」(函館市美原の函館地方気象台。北緯41度49.0分,東経140度45.2分,海面上の高さ35m)の,函館の平年値(主な要素),同(降水量),同(気温),同(日照時間)及び同(雪)による。
東京の値は,観測地点「東京」(千代田区北の丸公園。北緯35度41.5分,東経139度45.0分,海面上の高さ25m)の,東京の平年値(主な要素),同(降水量),同(気温),同(日照時間)及び同(雪)による。
観測地点の所在地・緯度経度・海面上の高さは,気象庁の地域気象観測所一覧による。
いずれも統計期間は1991年~2020年(資料年数30年)であり,令和8年10月5日に確認した。
本記事では,主な要素の表と要素別の表の同じ列の値が一致することを確かめた上で用いた。

函館の観測地点は函館市美原にあり,三機関のある上新川町とは同じ市内であるが,地点が異なるため,上新川町の気象が観測値と同じであるとは限らない。
雪の表では,降雪の深さ(新たに降った雪の量)と最深積雪(積もった雪の深さ)は別の要素であり,日数の欄も,降雪の深さの日合計が1cm以上の日数と,最深積雪が1cm以上の日数とに分かれている。
本記事の比較表の積雪の深さ1cm以上の日数は,後者の値である(函館の前者の値は年65.5日)。
函館の最深積雪が0cm以上の日数の欄(年108.1日)には参考値であることを示す「@」が付いているため,本記事では比較に用いていない。
函館の雪の表で5月から10月までの欄に値の代わりに横線が表示されている月,東京の雪の表で同様に横線が表示されている月は,いずれも0として扱っていない。

参考として,第70期から第79期まで同じB班1組であった札幌高裁管内の3修習地の同じ統計期間の平年値(観測地点「札幌」「旭川」「釧路」)は,次のとおりである。
札幌は年平均気温9.2度,1月の平均気温-3.2度,年間の降雪の深さの合計479センチメートル,最深積雪97センチメートル,旭川は7.2度,-7.0度,557センチメートル,89センチメートル,釧路は6.7度,-4.8度,127センチメートル,34センチメートルである。
函館(9.4度,-2.4度,306センチメートル,45センチメートル)は,この4地点の中で年平均気温が最も高く,降雪の深さの合計は旭川・札幌より少なく釧路より多い。

2 水道の凍結と除雪

函館市の水道の凍結にご注意をのページは,「気温がマイナス4℃以下になると,水道管が凍ったり,破損する事故が多くなります。」とし,就寝前,長時間の外出時及び転居の際に「水抜き」をすることを勧めている。
前記1の平年値では,函館の日最低気温の月平均は1月-6.0度,2月-5.7度であり,この時期に住居を空けるとき(集合修習への移動,年末年始の帰省等)は,水抜きの方法を確認しておく必要があると考えられる(Inference)。
水抜栓の種類や位置は建物によって異なるため,入居時に貸主又は管理会社に確認するのが相当である。

函館市の除雪業務についてのページによれば,同市は各年度に除雪計画を策定し,除雪は降雪状況や路面状況により交通に支障があると判断されるときに実施し,排雪は雪山の状況や車両の通行状況等により車道・歩道の確保が著しく困難となったとき等に実施するとしている。
そのため,降雪の直後は除雪が済むまで徒歩・自動車の所要時間が平常時より長くなることがあると考えられる(Inference)。
令和9年度(第80期の期間)の冬期間の運用は,その時期の同市の案内で確認する必要がある。

3 過去の修習生の体験記

函館修習の体験記として,次の2件がある。
いずれも個人の体験であり,統計ではない(Source statement)。

第63期の函館修習を回顧した,安齋瑠美「わたしの修習時代 東海の小島の磯でたはむれた日々」(東京弁護士会『LIBRA』Vol.24 No.7-8(2024年7・8月合併号)40頁)には,当時函館に配属された修習生は12名で,地元出身者はいなかったこと,当時の函館弁護士会の会員は30名弱であったこと,修習生の誰も車を持っておらず,集まるときは自転車であったこと等が書かれている。
修習生12名という記載は,前記第3の1の新第63期の配属現員(12人)と一致する。
これは平成21年当時の回顧であり,現在の配属人数,指導体制又は行事を示すものではない。

第78期の修習生の体験記である「78期 Tさん 修習体験レポート~修習地選択と修習生活編(函館)~」(民間の法曹人材紹介会社のサイトに掲載)には,希望した6修習地のうち函館は第5希望であったこと,検察修習では意外と外に出る機会がなかったこと,選択型実務修習で全国プログラムの渉外事務所での修習を選んだこと等が書かれている。
第5希望で函館に決まったという記載は一人の例であり,配属確率を示すものではない。

4 就職に関する行事

函館弁護士会のウェブサイトでは,令和8年10月5日現在,トップページを確認した限り,司法修習生向けの就職説明会の案内は確認できなかった(Unknown)。

全国向けの行事としては,東京弁護士会の東京三弁護士会司法修習予定者等就職合同説明会のページによれば,令和8年は「第79期司法修習生および第80期司法修習生予定者等全国就職合同説明会」として,東京三弁護士会が日本弁護士連合会及び関東弁護士会連合会と共催し,同年11月26日から同月30日まで,オンラインで開催される。
また,日本弁護士連合会は,第80期司法修習予定者対象の就職活動セミナーを,令和8年11月21日に弁護士会館とZoomの併用で開催するとしている。

第9 公開資料で確認できない事項

本記事が調査した公開資料の範囲では,次の事項は確認できない。
①第80期の函館のA班・B班の区分及び司法研修所の組(第80期の手引き等の公表待ち)
②第80期の函館の配属人数
③第80期の希望者数,希望倍率及び配属確率
④第80期の函館の現地班の数,巡回順序,各クールの配属部,指導担当者,初日の集合日時及び登庁時刻
⑤第77期の検察修習及び弁護修習の行事の内容
⑥第77期の各班の人数
⑦第77期の少年審判・家事調停の傍聴等の有無
⑧第80期の選択型実務修習の函館のプログラムの一覧
⑨第77期と第80期との間の運用の変更内容(見学先,検察庁企画の行事の有無を含む。)
⑩弁護修習の個別の配属先及びその所在地
⑪江差支部その他の支部・出張所での修習の有無及び頻度
⑫第80期の導入修習及び集合修習の期間中の入寮の取扱い
⑬第80期の修習給付金の給付期間及び届出の具体的な方法
⑭函館弁護士会の第80期向けの就職説明会の有無
⑮司法研修所の組で函館の相手(第69期以前の仙台高裁管内の修習地,第70期以降の札幌高裁管内の修習地)が入れ替わった理由

これらは,第80期の手引き,配属庁会からの連絡及び函館弁護士会の案内で確認することになる。
「確認できない」は,「存在しない」という意味ではない。

第10 出典,参考資料及び関連記事

1 法令及び規則

①裁判所法(昭和22年法律第59号)14条・66条・67条・67条の2・67条の3(e-Gov法令検索,令和8年10月5日確認)

②司法修習生に関する規則(昭和23年最高裁判所規則第15号)1条・3条・5条・7条~10条(本ブログ掲載の条文)

③司法修習生の修習給付金の給付に関する規則(平成29年最高裁判所規則第3号)(最高裁判所)

④法務省検察庁事務章程(昭和60年法務省訓令第1号。令和8年4月8日法務省訓令第1号による改正後のもの)別表第1・別表第3・別表第6(PDF6頁・11頁・13頁)

2 最高裁判所及び司法研修所の資料

①最高裁判所司法修習の概要

②最高裁判所司法修習生採用選考(令和8年10月5日確認)

③最高裁判所令和8年度司法修習生採用選考要項(令和8年9月4日)PDF2頁~3頁

④最高裁判所令和7年度司法修習生採用選考申込手続の手引き2頁・6頁

⑤最高裁判所司法修習生の修習給付金について

⑥司法研修所事務局総務課・経理課修習給付金案内(第79期)7頁・8頁・21頁

⑦司法研修所事務局長司法研修所からのお知らせ(平成30年8月1日,第72期)2頁・6頁・8頁・13頁~14頁

⑧司法研修所事務局長令和5年度(第77期)司法修習生の修習開始等について(令和6年2月7日)PDF13頁・18頁

⑨司法研修所事務局長令和6年度(第78期)司法修習生の修習開始等について(令和7年2月4日)PDF13頁・18頁

⑩第80期 修習日程(教官会議資料2。鑑文なし)

⑪最高裁判所裁判所データブック202630頁(PDF35頁)

3 開示文書,答申及び不開示通知

①司法研修所の教官担当表:第79期(令和8年4月17日付)・第78期(令和7年8月5日付)・第77期(令和6年8月2日現在)

②最高裁判所第79期司法修習生配属現員表(令和8年3月19日現在)・第78期司法修習生配属現員表(令和7年3月19日現在)ほか,前記第3の1の表の各期の配属現員表

③司法研修所実務修習希望地順位調査表等(人気調査)(56期~69期)17頁・19頁~23頁及び実務修習希望地調査表(69期)

④函館地方裁判所第77期函館修習の実務修習日程(第77期司法修習生裁判実務修習日程表,PDF1頁~11頁)・第77期実務修習の日程(全国版)PDF213頁~216頁・341頁~343頁・445頁・575頁~577頁

⑤函館地方裁判所第77期函館修習の司法修習生配属表(令和6年3月14日ほか,PDF1頁~4頁)・第76期函館修習の司法修習生配属表(PDF1頁~4頁)・第71期司法修習生配属表(PDF1頁~4頁。5頁~7頁は旭川地方裁判所の配属表)

⑥法務省大臣官房人事課長検察庁の職員の配置定員について(令和8年4月8日付法務省人定第16号)別表第3(PDF4頁)

⑦情報公開・個人情報保護審査委員会平成29年4月28日答申(平成29年度(最情)答申第1号)2頁~3頁

⑧情報公開・個人情報保護審査委員会令和元年8月23日答申(令和元年度(最情)答申第40号)2頁

⑨情報公開・個人情報保護審査委員会平成30年3月23日答申(平成29年度(情)答申第21号)

⑩最高裁判所事務総長の司法行政文書不開示通知書:令和8年1月19日(最高裁秘書第3778号)・令和8年3月18日(最高裁秘書第782号)・令和8年5月20日(最高裁秘書第1657号)

4 函館の裁判所,検察庁及び弁護士会の案内

①函館地方裁判所管内の裁判所の所在地・交通アクセス(令和8年10月5日確認)

②函館地方検察庁所在地・交通アクセス(令和8年10月5日確認)

③函館弁護士会のアクセス(令和8年10月5日確認)

④東京弁護士会東京三弁護士会司法修習予定者等就職合同説明会

⑤日本弁護士連合会【第80期司法修習予定者対象】就職活動セミナー

5 統計・データ及び函館市の資料

①日本弁護士連合会弁護士会別弁護士数とその内訳(2025年3月31日現在)

②気象庁函館 平年値(年・月ごとの値)主な要素・東京 平年値(年・月ごとの値)主な要素(統計期間1991年~2020年。降水量・気温・日照時間・雪の詳細は前記第8の1(3)の各ページ)

③気象庁札幌 平年値(年・月ごとの値)主な要素・旭川 同・釧路 同(統計期間1991年~2020年)・地域気象観測所一覧

④函館市水道の凍結にご注意を・除雪業務について・乗車料金(函館市電)(いずれも令和8年10月5日確認)

⑤総務省統計局令和5年住宅・土地統計調査第112-2表(e-Stat)

⑥Yahoo!不動産「函館市の家賃相場」(令和8年10月5日閲覧の民間サイトの集計)

6 体験記等(統計ではないもの)

①安齋瑠美「わたしの修習時代 東海の小島の磯でたはむれた日々」東京弁護士会『LIBRA』2024年7・8月合併号40頁(第63期函館修習の回顧)

②「78期 Tさん 修習体験レポート~修習地選択と修習生活編(函館)~」(民間の法曹人材紹介会社のサイトに掲載された個人の体験記)

7 本ブログ掲載の集計資料と関連記事

函館を他の候補地と比較する場合は,北海道の司法修習の場所を比較する記事を参照されたい。
札幌・函館・旭川・釧路について,裁判所・検察庁・弁護士会の所在地,通勤,東京と同じ期間の気象庁平年値,住居費及び和光市への移動を整理している。
正式な修習先と当該期の案内を確認するための生活面の比較であり,配属可能性を予測するものではない。

①司法修習生配属現員表(48期以降)・司法修習の場所ごとの第1希望の倍率の推移表(新63期から69期まで)・司法修習の場所ごとの第2希望までの倍率の推移表(新63期から69期まで)・司法修習の場所ごとの倍率等の一覧表(第69期)

②第80期司法修習の日程・第79期司法修習の日程・第78期司法修習の日程

③80期司法修習の希望地申告・司法修習の場所―全国51の実務修習地一覧と選び方・実務修習地の希望倍率―過去の統計と第2希望選びの限界

④実務修習地とクラスの対応関係・司法研修所の教官担当表・修習開始時点における司法修習生の人数の推移

⑤司法修習とは・集合修習とは・選択型実務修習とは・選択型実務修習の運用ガイドライン・選択型実務修習に関する資料

⑥民事裁判修習・刑事裁判修習・検察修習・弁護修習

⑦司法修習生の住居給付金・司法修習生の移転給付金・司法修習に関する事務便覧(令和7年3月)とは

⑧各地の検察庁の執務規程・法務省の定員に関する訓令及び通達

⑨同じB班1組(第70期~第79期)の修習地:札幌修習の情報・旭川修習の情報・釧路修習の情報・青森修習の情報

⑩第67期~第69期に同じB班2組であった修習地:仙台修習の情報・秋田修習の情報