本記事は,最高裁判所が実務修習地として指定する「札幌」について,第80期の日程,班と組,過去の配属人数,第77期の実務修習,主な修習先,住居,気象条件その他の生活上の留意点を,令和8年10月5日現在の公開資料に基づいて整理するものである。
札幌修習は,札幌地方裁判所(札幌家庭裁判所を含む。),札幌地方検察庁及び札幌弁護士会で行う実務修習であり,三機関はいずれも札幌市中央区の地下鉄東西線西11丁目駅の周辺にある。
第80期について最高裁判所が公表しているのは,令和8年度司法修習生採用選考要項であり,採用発令日は令和9年3月19日である。
札幌がA班かB班か,司法研修所のどの組に属するか及び札幌の配属人数は,第80期の資料ではまだ確認できない。
札幌は第67期から第79期までのいずれの期もB班1組であったが(第79期は函館・旭川・釧路・青森と合同),これは過去の期の運用であり,第80期の確定事項ではない。
札幌の配属現員は,新第63期から第69期までは50人から67人まで,第70期以降は38人から56人までの範囲にあり,北海道の4修習地(札幌・函館・旭川・釧路)の中で最も多い。
第77期の日程表では現地の班は1班から4班までの四つであり,各クールに民事裁判修習の班と刑事裁判修習の班が一つずつ置かれ,家裁修習は刑事裁判修習の期間中に5日間組まれていた。
第69期以前の希望倍率は,現在の人気度や配属可能性を示すものではない。
第77期の実務修習日程も過去の実施例であり,第80期に同じ日程,教材,担当体制又は実施方式が続くことを示すものではない。
気象条件の面では,札幌は東京と比べて年平均気温が6.6度低く,1月の日最高気温の月平均も-0.4度と氷点下である(後記第8の1)。
年間の降雪の深さの合計は479センチメートル,積雪の深さが1センチメートル以上の日は年127.9日あり,第80期の分野別実務修習の終盤から選択型実務修習又は集合修習の時期は,札幌の積雪期と重なる。
早見表は次のとおりである。
各項目の根拠と確度は,本文の該当箇所で説明する。
| 項目 | 内容 | 根拠・位置付け |
|---|---|---|
| 対象期・基準日 | 第80期/令和8年10月5日現在 | 本記事の確認日 |
| 採用発令日 | 令和9年3月19日(金) | 令和8年度司法修習生採用選考要項(最高裁判所。Confirmed) |
| 分野別実務修習 | 令和9年4月13日~11月18日(4クール) | 第80期修習日程表(鑑文なし。Source statement) |
| A班・B班 | 第80期は未公表(第79期はB班) | 第80期の申込手続の手引きは令和8年10月中旬頃掲載予定(Unknown) |
| 司法研修所の組 | 第80期は未公表(第67期~第79期はいずれもB班1組。第79期は函館・旭川・釧路・青森と合同) | 各期の教官担当表等(Confirmed。第80期はUnknown) |
| 直近の配属人数 | 第79期46人,第78期46人,第77期56人 | 各期の司法修習生配属現員表 |
| 主な修習先 | 札幌地方裁判所・札幌家庭裁判所(中央区大通西11丁目),札幌地方検察庁(同大通西12丁目),札幌弁護士会(同北1条西10丁目) | 各機関の公式案内 |
| 第77期の実務修習日程 | 札幌版PDF全4頁(第1・第2・第4クールの日程表と送付文)。第3クールの日程表は全国版PDF444頁にある。現地班は1班~4班 | 第77期札幌修習の実務修習日程・全国版(Confirmed) |
| 住居 | 各自で確保(第79期の手引き)。B班となれば令和10年1月上旬まで札幌で修習 | 第79期手引き2頁・第80期修習日程表(Inference) |
| 気象条件(必須) | 東京と比べ,年平均気温が6.6度低い。1月の日最高・日最低気温の月平均は-0.4度/-6.4度(東京9.8度/1.2度)。降雪の深さの合計は年479センチメートル(東京8センチメートル),最深積雪97センチメートル。夏は日最高気温30℃以上の日が年8.6日(東京52.1日) | 気象庁の平年値(観測地点「札幌」「東京」,統計期間1991年~2020年,令和8年10月5日確認) |
| 自動車 | 要否を一律に判断できる公開資料なし。三機関は地下鉄東西線西11丁目駅から徒歩圏にある | 各機関の交通案内(Unknown) |
第1 札幌修習と本記事の資料範囲
1 札幌修習とは
札幌は,全国の実務修習地の一つである。
最高裁判所の司法修習の概要によれば,分野別実務修習は,民事裁判,刑事裁判,検察及び弁護の4分野について,それぞれ2か月ずつ実施される。
札幌修習では,主に札幌地方裁判所(札幌家庭裁判所を含む。),札幌地方検察庁及び札幌弁護士会がこれを担当する。
札幌地方裁判所は,本庁のほか岩見沢,滝川,室蘭,苫小牧,浦河,小樽及び岩内の7支部を置いている(後記第6の5)。
支部の所在地は実務修習地ではなく,司法修習生の配属は「札幌」として集計されている。
北海道には札幌のほか函館,旭川及び釧路の実務修習地があり,それぞれ別の実務修習地として配属される。
また,札幌地方裁判所と同じ所在地(札幌市中央区大通西11丁目)には札幌高等裁判所が置かれている。
司法研修所の組では,第67期以降のいずれの期も,札幌は北海道の他の修習地と同じB班1組に入っている(後記第2の2)。
分野ごとの内容一般は民事裁判修習,刑事裁判修習,検察修習及び弁護修習に,司法修習の全体像は司法修習とはに記載している。
本記事は,札幌に固有の事項を中心に扱う。
2 実務修習の法的な仕組み
司法修習生は,司法試験に合格した者の中から最高裁判所が命ずるものであり(裁判所法66条1項),少なくとも1年間修習をした後試験に合格したときに修習を終える(同法67条1項)。
裁判官の研究及び修養並びに司法修習生の修習に関する事務を取り扱わせるため,最高裁判所に司法研修所が置かれている(同法14条)。
本ブログ掲載の司法修習生に関する規則(令和7年最高裁判所規則第3号による改正後のもの)によれば,同規則1条は,司法研修所長が修習の全期間を通じて司法修習生を統轄すると定めている。
同規則5条は,実務修習の期間を少なくとも「十箇月」とし,そのうち少なくとも「四箇月」は裁判所で,「二箇月」は検察庁で,「二箇月」は弁護士会で修習しなければならないとした上で,実務修習の時期及び場所は司法研修所長が定めるとしている。
実務修習は,司法研修所長が地方裁判所,地方検察庁又は弁護士会に委託して行わせるものとされ(同規則7条),実務修習の間の司法修習生に対する監督は,最高裁判所が地方裁判所長,検事正又は弁護士会長等に委託する(同規則8条)。
そのため,札幌修習の指導は,司法研修所からの委託を受けた札幌地方裁判所,札幌地方検察庁及び札幌弁護士会が行う。
委託を受けた庁会は常に司法研修所と緊密な連絡を保つものとされ(同規則9条),実務修習を終えた際には,地方裁判所長,検事正及び弁護士会長が修習事項の大要,成績,行状等を司法研修所長に報告する(同規則10条)。
また,司法修習生は,修習に当たって知った秘密を漏らしてはならない(同規則3条)。
3 基準日と対象資料
本記事は,令和8年10月5日現在で確認できる資料に基づく。
第80期の制度及び日程は第80期の資料を優先し,第79期以前の日程表,名簿,配属表及び通知は,過去の実施例として区別する。
第80期について確認できた公式資料は,最高裁判所の令和8年度司法修習生採用選考要項(令和8年9月4日)である。
同要項(PDF2頁)は,採用発令日を令和9年3月19日(金)とし,申込手続の詳細を定める「令和8年度司法修習生採用選考申込手続の手引き」を10月中旬頃に最高裁判所ウェブサイトへ掲載する予定としている。
令和8年10月5日現在,同手引きは最高裁判所の司法修習生採用選考のページにまだ掲載されていない。
第79期では,申込手続の手引きの2頁に,集合修習と選択型実務修習の順序を実務修習地ごとに分けた表が載っていた。
したがって,第80期の札幌がどちらの区分に入るかは,第80期の手引きの公表を待って確認する必要がある。
4 資料の確度
本記事は,記載の根拠の強さを次の4区分で考えている。
| 区分 | 意味 | 本記事での例 |
|---|---|---|
| Confirmed | 法令,最高裁判所等の一次資料又は現在の公式ページで直接確認した事項 | 第80期の採用発令日,第79期の札幌がB班1組であること,各期の配属現員,第77期の日程表と修習開始等の事務連絡の内容 |
| Source statement | 鑑文を欠く資料,民間サイトの集計等の記載 | 第80期修習日程表の日付,民間サイトの家賃の集計 |
| Inference | 複数の資料からの合理的な推測 | 日程表の「民事4部」の講義の位置付け,三機関の位置関係から見た通勤の負担 |
| Unknown | 調査した公開資料では確認できない事項 | 第80期の札幌の班・組・配属人数,第77期の検察修習・弁護修習の日程,選択型実務修習のプログラム,支部での修習の有無 |
「確認できない」は,「存在しない」という意味ではない。
公開資料に記載がないことを,制度,行事又は運用が存在しないことと読み替えない。
5 公開資料から分かる範囲
第80期について,札幌の班,組及び配属人数を示す公開資料は確認できなかった。
過去の期については,第67期から第79期までの教官担当表等,新第63期から第79期までの配属現員表,第69期までの実務修習希望地調査表,第77期札幌修習の実務修習日程,第71期・第76期・第77期の司法修習生配属表並びに第77期及び第78期の修習開始等に関する事務連絡が公開されている。
第77期札幌修習の実務修習日程はPDF全4頁で,札幌地方裁判所が作成した裁判修習の日程表3頁(第1クール,第2クール及び第4クール)と第2クール分の送付文1頁を収録している。
本記事で全国版のPDF(全583頁)と照合したところ,札幌版の4頁は全国版の212頁,339頁,340頁及び574頁と同じものであり,札幌版にない第3クールの日程表は全国版の444頁にあった(右上に手書きで「札幌」とあり,班と日付も後記第4の2の巡回順序と一致する。)。
札幌版に他の修習地の頁の混入は見当たらない。
検察修習及び弁護修習の日程表は,いずれのPDFにも収録されていない。
これは日程表に収録されていないというだけであり,検察修習及び弁護修習の行事がなかったことを意味しない。
第2 第80期札幌修習の班・組と日程
1 A班・B班
A班・B班は,分野別実務修習の後に,司法研修所での集合修習と配属庁会での選択型実務修習のどちらを先に行うかによる区分である。
第80期について,札幌がどちらに入るかは公表資料で確認できない(Unknown)。
参考として,令和7年度司法修習生採用選考申込手続の手引き2頁は,第79期について,「東京、立川、横浜、さいたま、千葉、大阪、京都、神戸、奈良、大津、和歌山」を先に集合修習を行う区分とし,「①以外の実務修習地」を先に選択型実務修習を行う区分としていた。
札幌は後者に当たる。
司法研修所の第79期教官担当表(令和8年4月17日付)も,札幌を含む第1組を「B班」の欄に置いている。
その運用が第80期にも続くかは,第80期の手引きで確認する必要がある。
2 司法研修所の組と合同クラス
第80期の札幌がどの組に属するかは,公表資料で確認できない(Unknown)。
参考として,各期の教官担当表(教官組別表)によれば,札幌が属した組は次のとおりである。
| 修習期(全組数) | 札幌が属した組 | 同じ組の実務修習地 |
|---|---|---|
| 第79期(全22組) | B班1組 | 札幌・函館・旭川・釧路・青森 |
| 第78期(全24組) | B班1組 | 札幌・函館・旭川・釧路 |
| 第77期(全25組) | B班1組 | 札幌・函館・旭川・釧路 |
| 第72期~第76期(全22組) | B班1組 | 札幌・函館・旭川・釧路・青森 |
| 第71期(全23組) | B班1組 | 札幌・函館・旭川・釧路・青森 |
| 第70期(全25組) | B班1組 | 札幌・函館・旭川・釧路 |
| 第69期(全27組) | B班1組 | 札幌・旭川・釧路 |
| 第67期・第68期(全28組) | B班1組 | 札幌・旭川・釧路 |
第79期,第78期及び第77期の行は,本記事で各期の教官担当表(第79期・令和8年4月17日付,第78期・令和7年8月5日付,第77期・令和6年8月2日現在)を確認したものであり,その他の行は各期の原資料を一覧にした実務修習地とクラスの対応関係の記載で確認した。
全組数は同記事の記載による。
このように,札幌は,第67期以降のいずれの期でもB班1組に入っている。
同じ組の修習地は,旭川及び釧路が全期間で共通し,函館は第70期以降,青森は第71期から第76期まで及び第79期に加わっている。
第69期以前の函館はB班2組(仙台・青森等と合同)であった。
いずれの期でも札幌が単独で一つの組を構成したことはなく,他の修習地と合同の組である。
青森が加わる期と加わらない期がある理由を示す公開資料は確認できず,過去の期の組の構成から第80期の組の構成を確定することはできない。
組の希望を申し出る手続について,最高裁判所事務総長の令和8年5月20日付の司法行政文書不開示通知書(最高裁秘書第1657号)は,「第78期司法修習生組別志望等調査表」を作成又は取得していないとしている。
そのため,司法修習生が自分の組を希望する手続は設けられておらず,組は実務修習地に応じて決まると考えられる(Inference)。
各期の原資料である教官担当表は司法研修所の教官担当表に掲載している。
3 三つの「班・組」の区別
札幌修習の資料には,名称の似た区分が三つ出てくる。
| 呼称 | 意味 | 札幌について確認できた内容 |
|---|---|---|
| A班・B班 | 集合修習と選択型実務修習の実施順序に関する全国的な区分 | 第79期はB班。第80期は未公表 |
| 第○組 | 司法研修所におけるクラス | 第79期はB班1組(函館・旭川・釧路・青森と合同)。第80期は未公表 |
| 現地の班 | 配属庁会内のローテーションの単位 | 第77期・第78期とも1班~4班 |
B班1組であることは,札幌,函館,旭川,釧路及び青森の修習生が司法研修所で同じクラスになることを意味するにとどまり,5庁の修習生が札幌で一緒に修習するという意味ではない。
このほか,後記第3の2の希望倍率の高低も,A班・B班の区分とは関係がない。
過去の希望倍率の読み方は実務修習地の希望倍率―過去の統計と第2希望選びの限界で扱っている。
4 札幌修習に関係する日程
第80期の全体日程は,第80期司法修習の日程で整理している。
同記事が基にした「第80期 修習日程」(教官会議資料2)は,作成日,発出者及び宛先を記載した鑑文が付いていない資料である(Source statement)。
最高裁判所の選考要項で確認できるのは採用発令日だけであり,その日付は同日程表の導入修習の開始日と一致する。
同日程表に基づき,札幌修習に関係する期間を整理すると,次のとおりである。
| 課程 | 第80期の期間 | 札幌修習との関係 |
|---|---|---|
| 導入修習 | 令和9年3月19日~4月9日 | 司法研修所(埼玉県和光市)で実施 |
| 分野別実務修習 | 令和9年4月13日~11月18日 | 札幌の配属庁会で,4クールに分けて実施 |
| 選択型実務修習・集合修習(B班の場合) | 選択型:令和9年11月19日~令和10年1月7日,集合:1月12日~2月24日 | 札幌がB班となった場合,選択型実務修習を札幌で行った後,司法研修所で集合修習 |
| 集合修習・選択型実務修習(A班の場合) | 集合:令和9年11月22日~令和10年1月7日,選択型:1月11日~2月24日 | 札幌がA班となった場合の順序 |
同日程表によれば,分野別実務修習の各クールは,第1クールが令和9年4月13日~6月8日,第2クールが6月9日~8月1日,第3クールが8月2日~9月26日,第4クールが9月27日~11月18日であり,実日数はいずれも37日である。
B班の場合,選択型実務修習の終了後に令和10年1月8日から11日までの4日間の移動日があり,集合修習の終了後の2月25日が自由研究日とされている。
同日程表の欄外には,A班の選択型実務修習及びB班の集合修習のカリキュラム終了後に5科目の筆記考試が行われる予定である旨の注記があるが,考試の具体的な日程は記載されていない。
各クールの区切り以外の事項,すなわち配属部,指導担当者,登庁時刻及び個別のプログラムは,配属庁会からの連絡で確認することになる。
第3 配属人数,希望地申告及び実務修習地の指定
1 配属人数
司法修習生配属現員表(48期以降)に掲載した各期の配属現員表によれば,新第63期以降の札幌の配属現員は次のとおりである。
各期の採用時点の表の値であり,期名から原資料のPDFの該当頁へリンクしている。
いずれも本記事で原資料の画像を確認した。
| 修習期 | 札幌の配属現員 | 全国計 | 表の基準日(PDFの頁) |
|---|---|---|---|
| 第79期 | 46人 | 1551人 | 令和8年3月19日現在(1頁) |
| 第78期 | 46人 | 1556人 | 令和7年3月19日現在(1頁) |
| 第77期 | 56人 | 1830人 | 令和6年3月21日現在(1頁) |
| 第76期 | 39人 | 1394人 | 令和4年11月27日現在(1頁) |
| 第75期 | 38人 | 1329人 | 令和3年11月12日現在(2頁) |
| 第74期 | 43人 | 1456人 | 令和3年3月31日現在(2頁) |
| 第73期 | 43人 | 1473人 | 令和元年11月27日現在(2頁) |
| 第72期 | 43人 | 1482人 | 平成30年11月27日現在(2頁) |
| 第71期 | 42人 | 1516人 | 平成29年11月27日現在(2頁) |
| 第70期 | 43人 | 1533人 | 平成28年11月27日現在(2頁) |
| 第69期 | 50人 | 1788人 | 平成27年11月27日現在(1頁) |
| 第68期 | 51人 | 1762人 | 平成26年11月27日現在(1頁) |
| 第67期 | 52人 | 1972人 | 平成25年11月27日現在(16頁) |
| 第66期 | 60人 | 2035人 | 平成24年11月27日現在(14頁) |
| 新第65期 | 59人 | 2001人 | 平成23年11月27日現在(13頁) |
| 新第64期 | 67人 | 2022人 | 平成22年11月30日現在(11頁) |
| 新第63期 | 67人 | 2021人 | 平成21年11月27日現在(9頁) |
札幌の配属現員は,新第63期から第69期までは50人から67人まで,第70期以降は38人から56人までの範囲にある。
第78期の46人は全国計(1556人)の約3.0%,第79期の46人は全国計(1551人)の約3.0%であり,いずれの期も,同じ表で札幌より多いのは,東京,大阪,横浜,名古屋,福岡,千葉,さいたま,京都,神戸及び広島の10庁である。
同じ表の北海道の4修習地は,札幌46人,函館6人,旭川6人及び釧路6人の計64人であり,札幌がその約7割を占める。
第78期のB班1組は,この4庁で構成されていた。
第79期のB班1組は,この4庁に青森を加えた5庁で構成され,第79期司法修習生配属現員表(令和8年3月19日現在)によれば,札幌46人,函館6人,旭川6人,釧路6人及び青森7人の合計71人であった。
配属現員表は表題に記載された基準日における配属人数を示すものであり,修習を修了した者の数ではない。
配属現員表には二つの期を併記したものがあり,例えば平成26年11月27日現在の表にも第67期の札幌53人が載っているが,同表の第67期の計は2015人(「配属無し」43人を含む。)であるため,上表では採用時点(平成25年11月27日現在)の表の値(札幌52人,計1972人)を用いた。
「採用者数」「修習開始者数」「配属現員」は別の数値であり,混同しない。
配属現員は各表の基準日に在籍していた人数であり,札幌の定員又は募集枠を示すものではない。
第79期司法修習生配属現員表(令和8年3月19日現在)によれば,第79期の札幌の配属現員は46人である(全国計1551人)。
第80期の札幌の配属人数は,令和8年10月5日現在,確認できない(Unknown)。
最高裁判所の裁判所データブック202630頁によれば,第79期の司法修習生の採用者数は全国で1551人(うち女性479人)であり,第79期の配属現員表の計(1551人)と一致する。
全国の人数の推移は修習開始時点における司法修習生の人数の推移に掲載している。
2 新第63期から第69期までの希望倍率
第69期までは,司法研修所が実務修習希望地調査表を作成しており,その原表が開示されている。
原表の札幌の行から,第1希望者数を配属現員で除した数値と,第1希望者数及び第2希望者数の合計を配属現員で除した数値を計算すると,次のとおりである。
分母の配属現員は,前記1の各期の採用時点の配属現員表の札幌の人数である。
小数第3位を四捨五入した。
平均は,各期の数値(端数処理前)の単純平均である。
期名から,原表のPDFの札幌の行がある頁へリンクしている。
| 修習期(原表) | 第1希望者数 | 第2希望者数 | 配属現員 | 第1希望者数÷配属現員 | 第2希望までの人数÷配属現員 |
|---|---|---|---|---|---|
| 第69期 | 69人 | 28人 | 50人 | 1.38倍 | 1.94倍 |
| 第68期 | 50人 | 22人 | 51人 | 0.98倍 | 1.41倍 |
| 第67期 | 75人 | 38人 | 52人 | 1.44倍 | 2.17倍 |
| 第66期 | 67人 | 44人 | 60人 | 1.12倍 | 1.85倍 |
| 新第65期 | 57人 | 31人 | 59人 | 0.97倍 | 1.49倍 |
| 新第64期 | 61人 | 26人 | 67人 | 0.91倍 | 1.30倍 |
| 新第63期 | 59人 | 24人 | 67人 | 0.88倍 | 1.24倍 |
| 平均 | - | - | - | 1.10倍 | 1.63倍 |
同じ数値は,本ブログ掲載の司法修習の場所ごとの第1希望の倍率の推移表(新63期から69期まで)及び第2希望までの倍率の推移表(新63期から69期まで)にも載せている。
両表の注記によれば,当時,希望する修習地は第1希望から第6希望まで記載でき,1群の修習地は2個までしか記載できず,第5希望及び第6希望は必ず3群の修習地から選ぶ必要があった。
両表は札幌を「1群」とし,地域手当の欄を「3%」としている。
同じ北海道の函館,旭川及び釧路は「3群」であり,同じ両表の新第63期から第69期までの平均は,第1希望者数÷配属現員が函館0.30倍,旭川0.10倍,釧路0.14倍,第2希望までの人数÷配属現員が函館0.87倍,旭川1.26倍,釧路0.18倍である。
第69期の原表では,札幌を第3希望とした者が12人,第4希望とした者が4人であり,第5希望及び第6希望の欄は空欄である。
第5希望及び第6希望は3群の修習地から選ぶ規則であったため,1群の札幌がこれらの欄に書かれないのは,当時の様式の規則によるものと考えられる(Inference)。
なお,同じ原表の最右列の「合計」欄は,札幌の行が86人であり,第1希望から第4希望までの人数の和(113人)と一致しないため,本記事では用いていない。
第66期,第67期及び第69期の第1希望者数は,いずれもその期の配属現員を上回っていた。
これらは第69期までの希望の分布を示す歴史資料であり,第80期の札幌の人気度や配属可能性を示す数値ではない。
この数値は抽選倍率でも,札幌を第1希望とした者の配属成功率でもなく,古い倍率を根拠に札幌を「入りにくい」「入りやすい」と評価することも適切でない。
3 第70期以降の資料状況
最高裁判所情報公開・個人情報保護審査委員会の平成29年4月28日答申(平成29年度(最情)答申第1号)2頁によれば,実務修習希望地調査表は,第69期までは実務修習地を決定する際の参考資料として利用する場合もあるため作成されていたが,事務の合理化の観点から,第70期の司法修習生採用選考申込者に関する調査表は作成しないこととされた。
第79期及び第78期についても,最高裁判所事務総長の司法行政文書不開示通知書(令和8年3月18日付・最高裁秘書第782号及び令和8年1月19日付・最高裁秘書第3778号)は,各期の司法修習予定者の実務修習希望地調査表を作成又は取得していないとしている。
これらから確認できるのは,その名称・内容の文書が作成又は取得されていないという点であり,別の形式の集計が一切存在しないことまで示すものではない。
そのため,第70期以降について,第69期までと同じ定義の希望倍率は算出できない。
直近期の配属人数を確認できても,第80期の札幌の希望者数,希望倍率又は配属確率は分からず(Unknown),札幌が「人気である」「配属されやすい」と評価することはできない。
4 希望地の申告と実務修習地の指定
第80期の希望地の申告方法は,令和8年10月中旬頃に掲載予定の申込手続の手引き及び申込後に示される入力要領で確認する必要がある。
第79期の令和7年度司法修習生採用選考申込手続の手引き6頁は,採用選考申込フォームの入力事項の一つとして「実務修習希望地に関する事項」を挙げているが,公開されている手引きには,希望地の群の区分や記載できる数の規則は書かれていない。
実務修習地の指定については,公開されている司法研修所の通知の中で,第72期の司法研修所からのお知らせ(平成30年8月1日)が次の点を明記している。
①実務修習地は,司法研修所長が決定する(2頁)。
②希望地の記載は希望どおりに決定されることを保証するものではなく,特定の実務修習地に希望者が集中した場合などには希望どおりに決定されないことがある(2頁)。
③通知した実務修習地の変更は,認められない(2頁)。
④当時の様式では,札幌は「1群」に分類されていた(6頁)。第1希望から第4希望までは1群から3群までの中から記載し(1群から選択するのは2箇所まで),第5希望及び第6希望は3群から記載するものとされていた(8頁)。
①から③は第72期の通知の記載であるが,第80期の扱いを確認する際の出発点になる。
①は,実務修習の時期及び場所は司法研修所長が定めるとする司法修習生に関する規則5条の規定(前記第1の2)に対応する。
④の群の区分と記載数の制限は第72期の紙の様式の規則であり,第80期の入力フォームでも同じであるとは限らない。
最高裁判所の情報公開・個人情報保護審査委員会の令和元年8月23日答申(令和元年度(最情)答申第40号)2頁によれば,第72期の実務修習地は,実務修習希望地調査書に記載された希望修習地及びその順位,各人の健康状態,家族状況等の諸般の事情を考慮して検討・調整を行った上で,名簿を作成して決定されたと説明されている。
前記3の平成29年答申3頁も,実務修習地の決定に当たっては,司法修習生の希望を基本として,各人の諸般の事情を考慮しているとしている。
通知後の変更が認められないことについては,例外的に配属換えがされた例もある。
同委員会の平成30年3月23日答申(平成29年度(情)答申第21号)は,旭川地方裁判所に配属された第70期の司法修習生の一部が配属換えになったことに関する文書を対象とするものである。
これは同じ北海道の旭川の例であって札幌の例ではなく,配属換えの理由は同答申からは分からない。
家庭事情等の申告方法,「一任」の扱い及び過年度資料の適用限界は,80期司法修習の希望地申告で詳しく扱っている。
全国の実務修習地の一覧と選び方は司法修習の場所―全国51の実務修習地一覧と選び方を参照されたい。
第4 第77期札幌修習の具体的内容
1 確認したPDFの範囲
第77期札幌修習の実務修習日程は,札幌地方裁判所が作成した裁判修習の日程表を収めたPDFである。
本記事では全4頁と,第3クールの日程表を収めた第77期実務修習の日程(全国版)の444頁を,画像で確認した。
テキスト抽出では行事と日付の対応が大きく崩れるため,日付と行事の対応はすべて画像で読んだ。
| 確認項目 | 記録内容 |
|---|---|
| 資料名 | 日程表に表題はなく,各頁の右上に手書きで「札幌」とある。第3クール・第4クールの頁は左上に「(別紙第2)」とある |
| 作成・送付主体 | 札幌地方裁判所長から司法研修所長宛ての送付文(令和6年6月3日付,第2クール分の配属表及び裁判実務修習日程)が2頁目にある。他のクールの送付文は後記8の配属表のPDFにある(令和6年4月10日付,同年7月23日付,同年9月20日付) |
| 受付印 | 司法研修所の受付印は,いずれの頁も頁の端にかかるか薄く,日付の大部分は判読できない(第3クールの頁は「6.7.」までと読める) |
| 頁数 | 札幌版4頁(第1クール1頁,第2クールの送付文1頁と日程表1頁,第4クール1頁)+全国版444頁(第3クール) |
| 収録範囲 | 民事裁判修習及び刑事裁判修習(家裁修習を含む。)の日程と,裁判所での共通行事 |
| 現地班 | 1班~4班。各頁の表の見出しに,民事裁判修習の班と刑事裁判修習の班が一つずつ書かれている |
| 掲載分野 | 民事裁判修習・刑事裁判修習(家裁修習を含む。)。検察修習・弁護修習の日程表はない |
| 表の列 | 日付,民事裁判修習(○班),刑事裁判修習(○班) |
| 判読方法 | 全頁を画像で目視(110dpi)。テキスト抽出は補助的に使用 |
| 判読できない範囲 | 受付印の日付の大部分。日程表の本文に判読できない欄はなかった |
2 現地の班編成と巡回順序
司法研修所事務局長の令和5年度(第77期)司法修習生の修習開始等について(令和6年2月7日付)のPDF13頁は,第77期の札幌の実務修習順序を次のとおりとしていた。
| 第77期の現地班 | 第1クール(令和6年4月16日~) | 第2クール(6月11日~) | 第3クール(8月2日~) | 第4クール(9月27日~) |
|---|---|---|---|---|
| 1班 | 民事裁判 | 弁護 | 刑事裁判 | 検察 |
| 2班 | 弁護 | 民事裁判 | 検察 | 刑事裁判 |
| 3班 | 刑事裁判 | 検察 | 民事裁判 | 弁護 |
| 4班 | 検察 | 刑事裁判 | 弁護 | 民事裁判 |
第77期の日程表に書かれた民事裁判修習・刑事裁判修習の班とクール(第1クール:民事1班・刑事3班,第2クール:民事2班・刑事4班,第3クール:民事3班・刑事1班,第4クール:民事4班・刑事2班)は,この事務連絡の順序と一致している。
各クールでは,四つの班がそれぞれ民事裁判,刑事裁判,検察及び弁護の別の分野を修習する形になっている。
同じ事務連絡は,家裁修習の期間を,1班が令和6年9月17日~20日及び24日,2班が同年11月11日~15日,3班が同年5月27日~31日,4班が同年7月12日及び16日~19日としており,いずれも各班の刑事裁判修習のクールに当たる。
第78期については,司法研修所事務局長の令和6年度(第78期)司法修習生の修習開始等について(令和7年2月4日付)のPDF13頁に,札幌の実務修習順序が記載されている。
第78期も1班から4班までの4班編成で,各班の4分野の順序は第77期と同じであった。
家裁修習の期間は,1班が令和7年9月16日~22日,2班が同年11月10日~14日,3班が同年6月2日~6日,4班が同年7月14日~18日とされている。
第77期と第78期で同じ順序であったが,期によって順序が変わる修習地もあるため,第80期の班編成と順序は配属後の案内で確認する必要がある。
分野別実務修習の初日の集合場所は,班ごとに異なっていた。
第77期の事務連絡(PDF18頁)では,令和6年4月16日午前9時15分に,1班・3班は「札幌地方裁判所事務局人事課(札幌高・地裁庁舎本館4階)」,2班は「各配属先弁護士事務所」,4班は「札幌地方検察庁司法修習生実務修習室(札幌第3合同庁舎13階北側)」とされていた。
第78期の事務連絡(PDF18頁)も,令和7年4月14日午前9時15分に同じ3か所としている。
いずれも持参物等の欄に「司法修習生バッジ」とあり(第77期は【全員】と付記され,4班は印鑑も挙げている。その後の記載は黒塗り),初日の行き先が第1クールの修習分野に応じて分かれる形であった。
第77期の日程表では,同日に指導官オリエンテーション(午前10時~11時)と開始式(午後2時~2時30分,本館5階大会議室)が置かれている。
班の人数は,第77期の日程表にも第77期・第78期の事務連絡にも記載されていない(Unknown)。
配属現員(第77期は56人)を班の数で割った人数は,資料に基づく人数ではないため,本記事では記載しない。
3 民事裁判修習
第77期の日程表で民事裁判修習を確認できるのは,第1クールの1班,第2クールの2班,第3クールの3班及び第4クールの4班である。
いずれの班も,民事の欄におおむね次の行事が置かれている。
①民裁問研起案(午前10時~午後3時,本館5階中会議室)と,後日の「【自宅でのオンライン受講】民裁問研起案講評」(午前。第1クール,第3クール及び第4クールは「講評以外は,自宅学修とする。」と付記)
②民裁教官との面談(裁判所にてオンライン)
③DVD視聴「争点整理」・解説(民事指導官)
④講義「民事執行」・講義「民事保全」(いずれも民事4部の裁判官)
⑤講義「民事訟廷事務について」(管理官)
⑥民事問題研究(第1クールは民事1部,第2クールは民事5部,第3クールは民事2部,第4クールは民事3部の裁判官)
⑦民事裁判官との座談会(各クールの最終日)
後記8の配属表によれば,民事裁判修習の配属部は民事第1部,第2部,第3部及び第5部であり,民事第4部は配属部に入っていない。
札幌地方裁判所の令和8年度の裁判事務の分配等に関する規程(令和7年札幌地方裁判所規程第12号)は,本庁に民事第1部から民事第5部まで及び刑事第1部から刑事第3部までを置くとし(5条,PDF2頁),民事第4部に民事執行事件,保全命令事件(労働仮処分事件を除く。),破産事件及び再生事件等を全部分配している(別表第1,PDF20頁)。
日程表の民事執行・民事保全の講義は,配属部ではない執行・保全の担当部の裁判官が各班に行う形であったと考えられる(Inference)。
個々の配属部での事件記録の検討や期日の傍聴の内容は,日程表からは分からない。
4 刑事裁判修習
第77期の日程表で刑事裁判修習を確認できるのは,第1クールの3班,第2クールの4班,第3クールの1班及び第4クールの2班である。
刑事の欄には,次の行事が置かれている。
①DVD視聴「プラクティス刑事裁判」・解説(刑事指導官)(第4クールは,その前に刑裁オリエンテーション)
②刑裁問研起案(午前10時~午後3時,本館5階中会議室)と,後日の「【自宅でのオンライン受講】刑裁問研起案講評」(午前。第1クール,第3クール及び第4クールは,講評終了後は登庁して修習とする旨の付記がある。)
③刑裁教官との面談(裁判所にてオンライン)
④共通模擬裁判・講評(刑事指導官,同補佐。本館8階804号法廷)
⑤刑事問題研究(刑事指導官,同補佐)
⑥家裁修習(5日間)
⑦刑事裁判官との座談会(各クールの最終日)
後記8の配属表によれば,刑事裁判修習の配属部は刑事第1部から第3部までである。
日程表には,裁判員裁判その他の個別の事件の期日は記載されていない。
個々の配属部で傍聴した事件や起案の内容は,日程表からは分からない(Unknown)。
5 家裁修習
家裁修習は,各クールの刑事裁判修習の欄に「家裁修習」として5日間置かれている。
①第1クール(3班):令和6年5月27日~31日
②第2クール(4班):同年7月12日,16日~19日
③第3クール(1班):同年9月17日~20日,24日
④第4クール(2班):同年11月11日~15日
これらの日付は,前記2の事務連絡の家裁修習の期間と一致している。
家裁修習の内訳(家事・少年の別,見学先等)は,日程表には記載されていない(Unknown)。
6 所長講話・座談会その他の共通行事
第1クールの初日(4月16日)には,修習全般についての指導官オリエンテーション(指導官,管理係)と開始式が置かれている。
所長講話は,第1クールの4月26日と第2クールの6月24日(いずれも午前11時~正午,本館5階大会議室)に置かれ,第3クール及び第4クールの日程表には記載がない。
各クールの最終日には,午前に民事裁判官との座談会(民事指導官,同補佐,民事部裁判官),午後に刑事裁判官との座談会(刑事指導官,同補佐)が置かれている。
日程表上の自由研究日は,第1クールの5月2日,第2クールの7月8日,第3クールの8月9日・13日及び第4クールの11月1日である。
起案の講評の一部が「自宅でのオンライン受講」とされ,教官との面談も「裁判所にてオンライン」とされている点は,第77期の札幌の日程表の特徴である。
選択型実務修習の説明会や社会修習の記載は,日程表には見当たらない。
7 検察修習及び弁護修習
第77期の日程表は裁判所の民事裁判修習及び刑事裁判修習のものであり,札幌地方検察庁での検察修習と札幌弁護士会での弁護修習の日程表は,札幌版にも全国版にも収録されていない。
前記2のとおり,各班が検察修習・弁護修習をしたクールは事務連絡で確認でき,初日の集合場所から,札幌地方検察庁に「司法修習生実務修習室」があったことは分かるが,個々の行事の内容は確認できない(Unknown)。
これは日程表に収録されていないことによるものであり,検察修習及び弁護修習の行事がなかったことを示すものではない。
札幌地方検察庁の組織と検察修習の担当課は後記第6の3,札幌弁護士会は後記第6の4に記載した。
8 指導担当体制
第77期の司法修習生配属表(札幌地方裁判所長が各クールについて司法研修所長に送ったもの)は,第77期札幌修習の指導担当裁判官の名簿(全8頁)に,各クールの送付文と配属表の組で収録されている。
第2クールについては,令和6年6月7日付で,配属表の一部変更を理由とする送付文と配属表が収録されている。
各クールの配属表は,総括修習指導官1人,民事修習指導官1人と同補佐2人,刑事修習指導官1人と同補佐2人を挙げた上で,民事第1部,第2部,第3部及び第5部並びに刑事第1部から第3部までの七つの部ごとに,個別指導裁判官を記載している(第1クールの配属表では,各部の個別指導裁判官は3人から6人)。
司法修習生の氏名欄は黒塗りである。
本記事では裁判官の氏名は転載しない。
第76期については第76期札幌修習の指導担当裁判官の名簿(全8頁),第71期については第71期司法修習生の指導担当裁判官(札幌地裁・第3クールまで)(全3頁)が公開されており,いずれも配属部は第77期と同じ七つの部である。
これらは各期の裁判所の体制であり,名簿上の人数は,全修習生に常時関与する人数を意味するものではない。
9 第80期へ適用できない事項
以上は第77期の実施実績である。
第80期の札幌の班編成,巡回順序,担当者,配属部,日付,教材,実施方式及びプログラムが同じであることを示すものではない。
第80期の具体的な日程は,配属庁会から交付される日程表で確認する必要がある。
第5 集合修習と選択型実務修習
1 実施順序と札幌修習への影響
第80期の札幌がB班となる場合,令和9年11月18日に分野別実務修習を終えた後,翌19日から令和10年1月7日まで札幌で選択型実務修習を行い,同月12日から2月24日まで司法研修所で集合修習を行うことになる。
この場合,札幌での修習は令和9年4月から令和10年1月上旬まで続き,選択型実務修習の期間は札幌の根雪の時期に当たる(後記第8の2)。
その後,修習の最後の約1か月半を埼玉県和光市の司法研修所で過ごすことになる。
札幌の住居を集合修習の期間も維持するか否かは,後記第7の4のとおり住居給付金の扱いに関係する。
札幌がどちらの区分に入るかは,前記第2の1のとおり第80期の手引きで確認する必要がある。
集合修習の内容は集合修習とはで整理している。
2 選択型実務修習
選択型実務修習では,分野別実務修習で弁護修習をした法律事務所がホームグラウンドとなり,配属庁会が提供する個別修習プログラム,全国プログラム及び自己開拓プログラムを組み合わせる。
札幌の裁判所,札幌地方検察庁及び札幌弁護士会が第80期に提供するプログラムの名称,定員,日程及び選考方法は,公開資料では確認できない(Unknown)。
第77期の日程表にも,選択型実務修習の説明会やプログラムの記載は見当たらない。
第80期の募集内容は,配属後に配属庁会及び司法研修所から示される案内で確認する必要がある。
札幌弁護士会の委員会一覧は,司法修習委員会を「司法修習生の弁護実務の修習に関する委員会」としているが,同会の選択型実務修習のプログラムの内容は同ページからは分からない。
制度一般は選択型実務修習とは及び選択型実務修習の運用ガイドラインを参照されたい。
第6 主な修習先,管内及び通勤
1 三機関の所在地
札幌修習の中心となる機関は,いずれも札幌市中央区の大通西10丁目から12丁目にかけての区域にあり,地下鉄東西線西11丁目駅から徒歩圏にある。
| 機関 | 所在地 | 交通等 | 公式案内 |
|---|---|---|---|
| 札幌地方裁判所・札幌家庭裁判所 | 札幌市中央区大通西11丁目 | 地下鉄東西線西11丁目駅(1番出口)から北方向へ徒歩3分 | 札幌地方裁判所の所在地 |
| 札幌簡易裁判所 | 札幌市中央区大通西12丁目(調停係及び刑事書記官室は大通西11丁目の地裁別館) | 西11丁目駅から北西方向へ徒歩3分 | 管内の裁判所の所在地 |
| 札幌高等裁判所 | 札幌市中央区大通西11丁目 | 地方裁判所と同じ所在地 | 札幌高等裁判所の所在地 |
| 札幌地方検察庁(札幌区検察庁) | 札幌市中央区大通西12丁目 札幌第3合同庁舎12階 | 西11丁目駅(1番出口)から徒歩約3分,JR札幌駅から徒歩約21分 | 札幌地方検察庁・管内支部へのアクセス |
| 札幌弁護士会 | 札幌市中央区北1条西10丁目 札幌弁護士会館7階 | 西11丁目駅4番出口から北へ200m | 札幌弁護士会のアクセスマップ |
札幌地方裁判所,札幌家庭裁判所及び札幌高等裁判所は同じ所在地にあり,第77期の日程表には裁判所内の会場として「本館5階大会議室」「本館5階中会議室」「別館3階中会議室」「別館4階共用会議室」「本館4階応接室」「本館8階804号法廷」等が出てくる。
札幌地方検察庁の案内によれば,同庁へは市電の「中央区役所前」停から徒歩約5分,バスの「北1西12丁目」バス停から徒歩約2分でも行ける。
三機関は西11丁目駅を中心とする数百メートルの範囲にあり,三機関の間の移動は徒歩で足りると考えられる(Inference)。
2 札幌地方裁判所本庁の部
前記第4の3の令和8年度の規程によれば,札幌地方裁判所本庁には民事第1部から民事第5部まで及び刑事第1部から刑事第3部までが置かれている(PDF2頁)。
第71期,第76期及び第77期の配属表では,修習生の配属部はこのうち民事第4部を除く七つの部であった(前記第4の8)。
第80期の修習生がどの部に配属されるかは,配属後の案内で確認することになる。
3 札幌地方検察庁
法務省の検察庁事務章程(昭和60年法務省訓令第1号。令和8年4月8日法務省訓令第1号による改正後のもの)の別表第1は,部を置く地方検察庁を東京,大阪,名古屋,横浜,さいたま,千葉,京都,神戸,福岡,札幌,広島,仙台及び高松の13庁としており,札幌地方検察庁には総務部,刑事部,交通部,特別刑事部及び公判部が置かれる(PDF6頁)。
別表第2は,総務部の所管事務の第1号として「企画調査、教養指導、広報活動、司法修習生の修習指導及び統計に関すること。」を掲げている(PDF7頁)。
別表第3によれば,札幌地方検察庁の総務部には企画調査課,情報システム管理課及び監査室が置かれ(PDF11頁),別表第6は,企画調査課の所管事務として「司法修習生の修習指導に関すること(教養課又は司法修習課の置かれていない庁に限る。)。」を掲げている(PDF13頁)。
同じ別表第6によれば,教養課が司法修習生の修習指導を所管するのは大阪地方検察庁に限られ,司法修習課は東京地方検察庁にだけ置かれている(PDF14頁)。
したがって,札幌地方検察庁では総務部企画調査課が検察修習の事務を担当する建付けであると考えられる(Inference)。
検察庁の職員の配置定員について(令和8年4月8日付法務省人定第16号。同月1日から適用)の別表第3(PDF4頁)によれば,札幌地方検察庁の配置定員は,検事34人,副検事25人,行政職(一)・公安職(二)196人及び行政職(二)2人の合計257人である。
札幌高等検察庁の管内4庁の小計は511人であり,札幌がその約半数を占め,釧路100人,旭川85人,函館69人と続く。
この定員は管内の支部及び区検察庁を含む数であり,同通達第5項により支部及び区検察庁ごとの定員は検事正が別に定めるとされているため,本庁だけの人数は分からない。
また,定員であって各時点の現員ではない。
各地の検察庁の内部規程は各地の検察庁の執務規程に,配置定員の各年度の通達は法務省の定員に関する訓令及び通達に掲載している。
4 札幌弁護士会
日本弁護士連合会の弁護士会別弁護士数とその内訳(2025年3月31日現在)によれば,札幌弁護士会の正会員数は862人(うち女性138人,16.0%)であり,法律事務所数は448である。
北海道弁護士会連合会に属する4会(札幌・函館・旭川・釧路)の小計は1077人・602事務所であり,札幌がその約8割を占め,釧路84人,旭川78人,函館53人と続く。
札幌弁護士会の委員会一覧は,司法修習委員会のほか,「弁護士人口増加に伴い就職が困難になっている司法修習生に必要な情報提供」等を行う次世代会員支援委員会を挙げている。
弁護修習は個々の法律事務所で行われるため,配属先の事務所の取扱分野によって経験できる事件に差が生じうることは,弁護修習先を考える上で留意を要する。
弁護修習の配属先がどのように決まるか,及び配属先が札幌市内の事務所に限られるかどうかは,公開資料からは確認できない(Unknown)。
5 管内と支部
札幌地方裁判所の管内の裁判所の所在地によれば,本庁のほか次の支部(簡易裁判所を併置)並びに夕張,伊達及び静内の各簡易裁判所がある。
①岩見沢支部(岩見沢市4条東4丁目)
②滝川支部(滝川市大町1-6-13)
③室蘭支部(室蘭市日の出町1-18-29)
④苫小牧支部(苫小牧市旭町2-7-12)
⑤浦河支部(浦河郡浦河町常盤町19番地)
⑥小樽支部(小樽市花園5-1-1)
⑦岩内支部(岩内郡岩内町字高台192-1)
札幌地方検察庁の札幌地方検察庁・管内支部へのアクセスのページは,岩見沢,滝川,室蘭,浦河,苫小牧,小樽及び岩内の各支部を掲げ,浦河支部は日高郡新ひだか町静内こうせい町に,岩内支部は小樽支部内にあるとしている。
同ページによれば,札幌地方検察庁本庁・札幌区検察庁の管轄区域は,札幌市,江別市,千歳市,恵庭市,北広島市,石狩市及び石狩郡(当別町,新篠津村)である。
もっとも,第77期の日程表には支部での修習の記載はなく,第80期の札幌修習で支部への出張又は宿泊を伴う行程が組まれるかどうかは,公開資料からは確認できない(Unknown)。
管内に支部があることから,支部へ移動する頻度を推測することもできない。
6 三機関の間の移動と通勤
前記1のとおり,三機関は地下鉄東西線の西11丁目駅の周辺にある。
札幌市交通局の乗車料金のページによれば,地下鉄の大人の普通運賃は,乗車する駅間のキロ程に応じて1区210円,2区250円,3区290円,4区330円,5区360円及び6区380円であり,市電(路面電車)は1乗車230円である。
地下鉄とバス又は市電を乗り継ぐ場合の乗継運賃も同ページに定められている。
三機関の間の日常の移動は徒歩で足りると考えられるが(Inference),弁護修習の配属先の事務所が西11丁目駅から離れている場合や,支部での修習が組まれた場合の移動手段は,公開資料からは分からない。
自動車が必要か否かを一律に判断できる公開資料は確認できなかったため,自動車の保有を前提に契約又は購入をする前に,配属先の案内を確認するのが相当である。
冬季は積雪と路面の凍結が長く続くため(後記第8の1・2),自転車や自動車での通勤を考える場合は,その点を前提に置く必要がある。
第7 住居,家賃及び修習給付金
1 住居の確保
令和7年度司法修習生採用選考申込手続の手引き2頁は,第79期について,「指定された実務修習地における住居の確保は、各自で行うことになっています。」としている。
第80期について同じ記載があるかは,第80期の手引きで確認する必要がある。
札幌に司法修習生用の寮が用意されることを示す公開資料は確認できなかった。
札幌修習の場合,令和9年4月13日の分野別実務修習の開始に間に合うように住居を確保することになる。
2 住居を探す地域
三機関はいずれも地下鉄東西線の西11丁目駅の周辺にあるため,東西線の沿線や,他の路線から大通駅で乗り継げる地域を基準に考えるのが,通勤の負担を考える際の一つの目安になる(Inference)。
ただし,弁護修習の配属先の事務所の所在地は人によって異なり,支部での修習の有無も確認できないため,三機関の位置だけで住居の候補を決めることはできない。
冬季は,駅やバス停から建物までの歩道の除雪の状況や,地下通路を使えるかどうかによって,同じ距離でも移動の負担が変わる(Inference)。
3 家賃
総務省統計局の令和5年住宅・土地統計調査(調査時点は令和5年10月1日)の第112-2表によれば,民営借家(専用住宅)の1か月当たり家賃の平均は,札幌市が5万4362円(家賃0円を含む。家賃0円を含まない平均は5万4678円),同市中央区が6万2206円(同6万2609円)である。
同じ区分の北海道の平均は5万647円,全国の平均は6万4819円である(いずれも家賃0円を含む。)。
共益費・管理費は別の欄で集計されており,札幌市の民営借家の平均は3302円,中央区は4846円である(いずれも0円を含む。)。
これは入居中の借家全体の平均であり,間取りや築年数を区別したものではなく,修習生が新たに借りる物件の募集賃料とも異なる。
参考として,民間の賃貸情報サイトであるYahoo!不動産の札幌市中央区の家賃相場を令和8年10月5日に閲覧したところ,掲載物件全体の平均賃料は8.1万円(1万856件),一人暮らし向けの平均賃料は6.2万円,間取り別ではワンルーム5万円,1K5.1万円,1DK4.7万円,1LDK7万円であった(Source statement)。
同サイトは掲載中の物件から平均賃料を算出したものとしており,管理費を含むか否かの表示はなく,掲載物件の入替えにより数値は変わる。
物件を選ぶ際には,表示家賃だけでなく,次の点を確認する必要がある。
①管理費,暖房費その他の光熱費(暖房の方式と冬季の費用。後記第8の1)
②三機関それぞれへの経路(地下鉄の駅・バス停からの距離)と所要時間
③建物の出入口や駐車場の除雪を誰が行うか,冬季の徒歩経路と,自転車置場・駐車場の要否
④家具家電,短期解約違約金,更新費用及び退去費用
⑤住居給付金の要件(契約名義,家賃負担及び届出期限)を満たすかどうか
4 修習給付金と集合修習の期間の住居
裁判所法67条の2第2項は,修習給付金の種類を基本給付金,住居給付金及び移転給付金とする。
最高裁判所の司法修習生の修習給付金についてによれば,基本給付金は給付期間ごとに13万5000円,住居給付金は給付期間ごとに3万5000円である。
住居給付金は定額であり,これを超える家賃は各自の負担となる。
司法研修所事務局総務課・経理課の修習給付金案内(第79期)によれば,住居届(新規)の届出期限は要件を具備した日から7日以内(初日不算入)であり(7頁),7日を経過した後に届け出たときは,届出を受理した日の属する給付期間の次の給付期間から支給が開始される(8頁)。
同案内21頁は,ウィークリーマンション等であっても,生活の本拠としたと認め得る程度に長期間居住した場合は支給される場合があるとし,親名義の賃貸借契約は原則として要件を満たさないが,例外的に支給される場合があるとしている。
札幌がB班となる場合,集合修習は修習の最後に司法研修所で行われる。
同案内7頁は,集合修習の期間について,その間に対象住宅の賃貸借契約を継続し,かつ集合修習の終了後に対象住宅に戻って居住する場合に限り,司法研修所の寮に入寮する者は例外的に届出が不要となり,自宅,実家,配偶者の所有する住宅等に居住する者は「変更」の届出をするとした上で,これらの期間は住居給付金の支給対象にならないとしている。
B班の場合,集合修習の後に札幌へ戻って修習することはないため,集合修習の期間中も札幌の住居を維持すると,住居給付金を受けられないまま家賃を負担することになると考えられる(Inference)。
札幌がA班となった場合は,集合修習の後に札幌へ戻って選択型実務修習を行うため,同じ7頁の取扱いがそのまま問題になる。
札幌の住居をいつ解約するかは,選択型実務修習の終了日,移動日,解約予告期間及び集合修習中の住居の確保方法によって異なり,第80期の案内で確認する必要がある。
第80期の修習給付金関係の案内は,選考要項(PDF3頁)によれば令和9年1月中旬に掲載される予定である。
制度の詳細は司法修習生の住居給付金及び司法修習生の移転給付金で扱っている。
修習給付金の支給を受けてもなお必要な資金は,裁判所法67条の3の修習専念資金(無利息の貸与)の対象となり,選考要項(PDF3頁)によれば第80期の修習専念資金の案内は令和8年11月上旬に掲載される予定である。
住居と転居の年間計画は司法修習の住まい選び,税・保険料や初回入金を含む予算は生活費と資金計画で説明している。
5 導入修習期間中の入寮
導入修習は司法研修所(埼玉県和光市)で行われ,希望者は入寮を申し込む。
第72期の司法研修所からのお知らせ13頁~14頁は,入寮希望者が多い場合の取扱いとして,実務修習地が東京,立川及びさいたまとなる者を各実務修習地に住居を有するものとみなすとしていたが,札幌はこの3庁に含まれていない。
これは第72期の扱いであり,第80期の入寮の取扱いは,申込み後に示される案内で確認する必要がある(Unknown)。
第8 気象条件,冬の生活と就職情報
1 東京との気象条件の比較
(1) 比較表
気象庁の平年値(統計期間1991年~2020年)により,観測地点「札幌」と観測地点「東京」を同じ要素・単位で比べると,次のとおりである。
観測地点と出典は後記(3)に記載した。
| 気象要素 | 札幌 | 東京 | 札幌と東京の差・生活上の意味 |
|---|---|---|---|
| 年平均気温(℃) | 9.2 | 15.8 | 札幌が6.6度低い |
| 1月の平均気温(℃) | -3.2 | 5.4 | 札幌が8.6度低い |
| 1月の日最高・日最低気温の月平均(℃) | -0.4/-6.4 | 9.8/1.2 | 昼の最高気温は札幌が10.2度,朝の最低気温は7.6度低い |
| 8月の平均気温(℃) | 22.3 | 26.9 | 札幌が4.6度低い |
| 8月の日最高・日最低気温の月平均(℃) | 26.4/19.1 | 31.3/23.5 | 昼は4.9度,夜は4.4度,札幌が低い |
| 日最高気温30℃以上の日数(年) | 8.6日 | 52.1日 | 札幌は東京の約6分の1 |
| 日最高気温35℃以上の日数(年) | 0.1日 | 4.8日 | 札幌はほぼない |
| 日最低気温0℃未満の日数(年) | 121.8日 | 15.2日 | 札幌は年の約3分の1(1月は30.6日) |
| 日最高気温0℃未満の日数(年) | 43.6日 | 0.0日 | 札幌は1日中氷点下の日が1月だけで16.7日 |
| 年間降水量(mm) | 1146.1 | 1598.2 | 札幌が約452ミリメートル少ない(約7割) |
| 11月・12月・1月の降水量(mm) | 113.8・114.5・108.4 | 96.3・57.9・59.7 | 冬は札幌が多い(多くは雪) |
| 年間日照時間(時間) | 1718.0 | 1926.7 | 札幌が約209時間短い |
| 1月の日照時間(時間) | 90.4 | 192.6 | 札幌は東京の半分以下 |
| 年間の降雪の深さの合計・最深積雪(cm) | 479/97 | 8/6 | 札幌は降雪が東京の約60倍 |
| 積雪の深さ1cm以上の日数(年) | 127.9日 | 2.8日 | 札幌は12月~3月のほぼ毎日,雪が積もっている |
(2) 夏・冬の違いと生活への影響
冬は,1月の平均気温が-3.2度で東京(5.4度)より8.6度低く,日最高気温の月平均も-0.4度と氷点下である。
日最低気温が0℃未満となる日は年121.8日で,1月はほぼ毎日(30.6日)であり,日最高気温も0℃未満となる日が年43.6日(1月16.7日,2月13.3日,12月9.5日)ある。
降雪の深さの合計は年479センチメートル(1月137センチメートル,2月116センチメートル,12月113センチメートル,3月74センチメートル,11月30センチメートル)で,最深積雪は97センチメートルである。
降雪の深さの合計は1年間に新たに降った雪の量を積算した値であり,常に479センチメートル積もっているという意味ではない。
積雪の深さが1センチメートル以上の日は年127.9日あり,12月が26.7日,1月が31.0日,2月が28.3日,3月が29.4日である。
1月の日照時間は90.4時間で東京(192.6時間)の半分以下であり,1月の相対湿度は69%(東京51%)である。
夏は,8月の平均気温が22.3度で東京(26.9度)より4.6度低く,日最高気温30℃以上の日数は年8.6日と東京(52.1日)の約6分の1,35℃以上の日数は年0.1日である。
8月の日最低気温の月平均は19.1度で,東京(23.5度)より4.4度低い。
年間降水量は東京より約452ミリメートル少ないが,月別では9月(142.2ミリメートル)と8月(126.8ミリメートル)が多く,11月から1月までも毎月100ミリメートルを超えている。
これらの統計からは,札幌修習では次の点への備えが中心になると考えられる(Inference)。
①冬の氷点下と積雪・路面の凍結に備えた靴・コートと,凍結時の徒歩の通勤経路(自転車での通勤は冬季には現実的でないと考えられる。)
②暖房設備の性能と冬季の光熱費(日最低気温が0℃未満の日が年の約3分の1ある。)
③第80期の分野別実務修習の第4クール(令和9年9月27日~11月18日)の途中から,札幌が積雪期に入ること(後記2)
④夏の冷房の負担は東京より小さいと考えられること
平年値は個々の日の気温や大雪を示すものではなく,年により大雪や猛暑となることがある点にも留意を要する。
(3) 観測地点・統計期間と未確認値の扱い
札幌の値は,気象庁の観測地点「札幌」(北緯43度03.6分,東経141度19.7分,標高17.4m)の,札幌の平年値(主な要素),同(降水量),同(気温),同(日照時間)及び同(雪)による。
東京の値は,観測地点「東京」(北緯35度41.5分,東経139度45.0分,標高25.2m)の,東京の平年値(主な要素),同(降水量),同(気温),同(日照時間)及び同(雪)による。
いずれも統計期間は1991年~2020年(資料年数30年)であり,令和8年10月5日に確認した。
本記事では,主な要素の表と要素別の表の同じ列の値が一致することを確かめた上で用いた。
雪の表では,降雪の深さ(新たに降った雪の量)と最深積雪(積もった雪の深さ)は別の要素であり,日数の欄も,降雪の深さの日合計が1cm以上の日数と,最深積雪が1cm以上の日数とに分かれている。
本記事の比較表の積雪の深さ1cm以上の日数は,後者の値である。
札幌・東京とも,雪の欄で値の代わりに横線が表示されている月(夏を中心とする月)は,本記事では0として扱っていない。
観測地点「札幌」の値は観測地点での平年値であり,修習生が住む地域や通勤経路の気温・積雪とは異なることがある。
2 積雪期と修習日程,除雪
札幌管区気象台の初雪などの平年値によれば,札幌の雪の初日の平年値は10月28日,終日は4月21日である。
積雪(日最深積雪1cm以上)の初日は11月12日,終日は4月7日であり,長期積雪の初日は12月6日,終日は4月2日である。
第80期の日程に当てはめると,積雪の初日の平年値(11月12日)は分野別実務修習の第4クール(令和9年9月27日~11月18日)の終盤に,長期積雪の初日の平年値(12月6日)は,B班の場合の選択型実務修習の期間(令和9年11月19日~令和10年1月7日)に当たる(Inference)。
A班となった場合も,令和10年1月11日から2月24日までの選択型実務修習は,札幌の積雪が最も深い時期に当たる。
冬用の靴,防寒着及び積雪時の通勤経路は,第4クールの途中までに準備しておく必要がある。
札幌市の新雪除雪の出動情報のページは,市民に協力を求める事項として,出入口前の雪の処理を各家庭にお願いしていること,ごみ出しは収集日の朝にすることを挙げ,市民が守ることとして,敷地内の雪を道路に出さないこと及び路上駐車をしないことを挙げている。
賃貸住宅では,建物前や駐車場の除雪を貸主・管理会社が行うのか入居者が行うのかを,契約前に確認しておくのが相当である。
これらは個別の年の降雪予測ではなく,平年値と市の公表資料から導く生活上の備えである。
3 就職に関する行事
札幌弁護士会の就職情報のページは,同会において弁護士の採用を公開で募集している事務所は日本弁護士連合会の「ひまわり求人求職ナビ」に記載されている事務所であるとし,修習生に対する就職案内としては,年に1度,北海道弁護士会連合会が主催する就職説明会で開催しているとしている。
北海道弁護士会連合会の第80期司法修習予定者等に対する就職・開業説明会のページによれば,同会は,第80期司法修習予定者(第79期司法修習生等を含む。)を対象として,2027年2月20日(土)14時~17時(予定)に,ホテル札幌ガーデンパレス(札幌市中央区北1条西6丁目)で来場形式の就職・開業説明会を開催する予定であり,参加には事前申込みが必要で,申込方法は追って案内するとしている。
同会の司法修習生等に対する就職採用情報のページには,北海道内の法律事務所から提供された採用情報(2025年11月18日時点のもの)が掲載されている。
第80期の札幌修習生となった場合,B班であれば説明会の時期は司法研修所での集合修習の期間中に当たる(Inference)。
全国向けの行事としては,東京弁護士会の東京三弁護士会司法修習予定者等就職合同説明会のページによれば,令和8年は「第79期司法修習生および第80期司法修習生予定者等全国就職合同説明会」として,東京三弁護士会が日本弁護士連合会及び関東弁護士会連合会と共催し,同年11月26日から同月30日まで,オンラインで開催される。
また,日本弁護士連合会は,第80期司法修習予定者対象の就職活動セミナーを,令和8年11月21日に弁護士会館とZoomの併用で開催するとしている。
第9 公開資料で確認できない事項
本記事が調査した公開資料の範囲では,次の事項は確認できない。
①第80期の札幌のA班・B班の区分及び司法研修所の組(第80期の手引き等の公表待ち)
②第80期の札幌の配属人数
③第80期の希望者数,希望倍率及び配属確率
④第80期の札幌の現地班の数,巡回順序,各クールの配属部,指導担当者及び登庁時刻
⑤第77期の検察修習及び弁護修習の行事の内容
⑥第77期の各班の人数
⑦第77期の家裁修習の内訳
⑧第80期の選択型実務修習の札幌のプログラムの一覧
⑨第77期と第80期との間の運用の変更内容
⑩弁護修習の個別の配属先,その決め方及び所在地
⑪支部(岩見沢・滝川・室蘭・苫小牧・浦河・小樽・岩内)での修習の有無及び頻度
⑫第80期の導入修習及び集合修習の期間中の入寮の取扱い
⑬第80期の修習給付金の給付期間及び届出の具体的な方法
⑭北海道弁護士会連合会の第80期向け就職・開業説明会の申込方法
⑮司法研修所の組で札幌と同じ組に青森が入る期と入らない期がある理由
これらは,第80期の手引き,配属庁会からの連絡及び札幌弁護士会・北海道弁護士会連合会の案内で確認することになる。
「確認できない」は,「存在しない」という意味ではない。
第10 出典,参考資料及び関連記事
1 法令及び規則
①裁判所法(昭和22年法律第59号)14条・66条・67条・67条の2・67条の3(e-Gov法令検索,令和8年10月5日確認)
②司法修習生に関する規則(昭和23年最高裁判所規則第15号)1条・3条・5条・7条~10条(本ブログ掲載の条文)
③法務省検察庁事務章程(昭和60年法務省訓令第1号。令和8年4月8日法務省訓令第1号による改正後のもの)別表第1・別表第2・別表第3・別表第6(PDF6頁・7頁・11頁・13頁・14頁)
2 最高裁判所及び司法研修所の資料
①最高裁判所司法修習の概要
②最高裁判所司法修習生採用選考(令和8年10月5日確認)
③最高裁判所令和8年度司法修習生採用選考要項(令和8年9月4日)PDF2頁~3頁
④最高裁判所令和7年度司法修習生採用選考申込手続の手引き2頁・6頁
⑤最高裁判所司法修習生の修習給付金について
⑥司法研修所事務局総務課・経理課修習給付金案内(第79期)7頁・8頁・21頁
⑦司法研修所事務局長司法研修所からのお知らせ(平成30年8月1日,第72期)2頁・6頁・8頁・13頁~14頁
⑧司法研修所事務局長令和5年度(第77期)司法修習生の修習開始等について(令和6年2月7日)PDF13頁・18頁
⑨司法研修所事務局長令和6年度(第78期)司法修習生の修習開始等について(令和7年2月4日)PDF13頁・18頁
⑩第80期 修習日程(教官会議資料2。鑑文なし)
⑪最高裁判所裁判所データブック202630頁(PDF35頁)
3 開示文書,答申及び不開示通知
①司法研修所の教官担当表:第79期(令和8年4月17日付)・第78期(令和7年8月5日付)・第77期(令和6年8月2日現在)
②最高裁判所第79期司法修習生配属現員表(令和8年3月19日現在)・第78期司法修習生配属現員表(令和7年3月19日現在)ほか,前記第3の1の表の各期の配属現員表
③司法研修所実務修習希望地順位調査表等(人気調査)(56期~69期)17頁・19頁~23頁及び実務修習希望地調査表(69期)
④第77期札幌修習の実務修習日程(PDF1頁~4頁)・第77期実務修習の日程(全国版)PDF212頁・339頁・340頁・444頁・574頁
⑤第77期札幌修習の指導担当裁判官の名簿(各クールの送付文と司法修習生配属表,PDF1頁~8頁)
⑥第76期札幌修習の指導担当裁判官の名簿(PDF1頁~8頁)・第71期司法修習生の指導担当裁判官(札幌地裁・第3クールまで)(PDF1頁~3頁)
⑦札幌地方裁判所及び管内簡易裁判所の令和8年度における裁判事務の分配等に関する規程(令和7年札幌地方裁判所規程第12号)5条・別表第1(PDF2頁・20頁)
⑧法務省大臣官房人事課長検察庁の職員の配置定員について(令和8年4月8日付法務省人定第16号)別表第3(PDF4頁)
⑨情報公開・個人情報保護審査委員会平成29年4月28日答申(平成29年度(最情)答申第1号)2頁~3頁
⑩情報公開・個人情報保護審査委員会令和元年8月23日答申(令和元年度(最情)答申第40号)2頁
⑪情報公開・個人情報保護審査委員会平成30年3月23日答申(平成29年度(情)答申第21号)
⑫最高裁判所事務総長の司法行政文書不開示通知書:令和8年1月19日(最高裁秘書第3778号)・令和8年3月18日(最高裁秘書第782号)・令和8年5月20日(最高裁秘書第1657号)
4 札幌の裁判所,検察庁及び弁護士会の案内
①札幌地方裁判所札幌地方裁判所の所在地・管内の裁判所の所在地・札幌高等裁判所札幌高等裁判所の所在地(令和8年10月5日確認)
②札幌地方検察庁札幌地方検察庁・管内支部へのアクセス(令和8年10月5日確認)
③札幌弁護士会アクセスマップ・委員会一覧・就職情報(令和8年10月5日確認)
④北海道弁護士会連合会第80期司法修習予定者等に対する就職・開業説明会・司法修習生等に対する就職採用情報(令和8年10月5日確認)
⑤東京弁護士会東京三弁護士会司法修習予定者等就職合同説明会
⑥日本弁護士連合会【第80期司法修習予定者対象】就職活動セミナー
5 統計・データ・地域の資料
①日本弁護士連合会弁護士会別弁護士数とその内訳(2025年3月31日現在)
②気象庁札幌 平年値(年・月ごとの値)主な要素・東京 平年値(年・月ごとの値)主な要素(統計期間1991年~2020年。降水量・気温・日照時間・雪の詳細は前記第8の1(3)の各ページ)
③札幌管区気象台初雪などの平年値(令和8年10月5日確認)
④総務省統計局令和5年住宅・土地統計調査第112-2表(e-Stat)
⑤Yahoo!不動産「札幌市中央区の家賃相場」(令和8年10月5日閲覧の民間サイトの集計)
⑥札幌市交通局乗車料金(令和8年10月5日確認)
⑦札幌市新雪除雪の出動情報(札幌市全域)(令和8年10月5日確認)
6 本ブログ掲載の集計資料
②司法修習の場所ごとの第1希望の倍率の推移表(新63期から69期まで)
③司法修習の場所ごとの第2希望までの倍率の推移表(新63期から69期まで)
7 関連記事
札幌を他の候補地と比較する場合は,北海道の司法修習の場所を比較する記事を参照されたい。
札幌・函館・旭川・釧路について,裁判所・検察庁・弁護士会の所在地,通勤,東京と同じ期間の気象庁平年値,住居費及び和光市への移動を整理している。
正式な修習先と当該期の案内を確認するための生活面の比較であり,配属可能性を予測するものではない。
②80期司法修習の希望地申告・司法修習の場所―全国51の実務修習地一覧と選び方・実務修習地の希望倍率―過去の統計と第2希望選びの限界
⑤司法修習とは・集合修習とは・選択型実務修習とは・選択型実務修習の運用ガイドライン
⑦司法修習生の住居給付金・司法修習生の移転給付金・司法修習の住まい選び・生活費と資金計画
⑨同じB班1組の北海道の修習地(旭川・釧路は第67期~第79期,函館は第70期~第79期):函館修習の情報・旭川修習の情報・釧路修習の情報
⑩同じB班1組(第71期~第76期・第79期)の修習地:青森修習の情報