目次
第1 総論
1 韓国の家族関係登録制度開始までの沿革
2 韓国の除籍謄本
3 韓国の家族関係証明書
第2 在日韓国人の戸籍に関するメモ書き
1 在日韓国人の戸籍整理
2 在日韓国人の就籍
3 在日韓国人の戸籍の問題点
4 在日韓国人には韓国の住民登録番号がないこと
第3 弁護士による在日韓国人の相続人調査には限界があること
1 平成24年7月9日付で廃止された外国人登録法に基づく外国人登録原票
2 弁護士が行える在日韓国人の相続人調査の方法
3 弁護士が行える在日韓国人の相続人調査の限界
4 家族関係証明書の取得制限及びそれに伴う不都合
5 第3順位の相続人が発生した場合において,債権者から見た場合の相続人調査が完了となるケース(日本の民法が適用される場合)
6 第1順位の相続人が限定承認をすれば戸籍の問題は顕在化しないこと
第4 相続財産管理人を通じた調査及びその選任申立ての方法
1 相続財産管理人を活用できること
2 民法952条の相続財産管理人の選任申立て
3 相続財産管理人の選任申立ての予納金
4 その他
第5 国籍欄が「朝鮮」の人の位置づけ
1 国籍欄に「朝鮮」と記載されていても、実際には韓国籍を有している可能性があること
2 在日コリアンの在外国民登録
3 日韓基本条約3条及び海外旅行時の取扱い
4 戦前生まれの場合,「朝鮮」籍でも韓国の戸籍に名前が載っていること
5 債権者から見た場合の取扱い
第6 ハングル関係のメモ書き
1 ハングル表記のルール
2 ハングル文字の入力方法
3 漢字語,固有語及び外来語
4 同音異義語がたくさんあること
第7 在日韓国・朝鮮人の相続の準拠法
第8 日本法と韓国法の相続放棄に関するメモ書き
1 総論
2 相続放棄の熟慮期間(日本法の場合)
3 韓国法における相続放棄
第9 関連記事その他
第1 総論
1 韓国の家族関係登録制度開始までの沿革
(1)ア 第2版「在日」の家族法Q&A(平成18年1月31日付) 53頁及び54頁には,「(2) 解放後の戸籍(身分登録)」として以下の記載があります。
1945年日本の敗戦により、朝鮮など、外地に対する実効的支配は不可能となった。これにより事実上共通法体制が終わり、内外地間の戸籍交流が停止された。
一方、韓国では、「朝鮮姓名復旧令」(1946.10.23軍政法令122)により創氏制度(創氏改名)が無効とされ、戸籍上、朝鮮の姓名が復旧した。しかし、在日にとってはこの創氏改名の「氏」がそのまま「通称名」となった。また、朝鮮戸籍令による戸籍制度が、「大韓民国戸籍法」(1960.1.1法律535)が施行されるまで維持された。
その後韓国では、日本との国交回復(1965)後、在日などの在外国民の戸籍整理等をする目的で、特例規定として、「在外国民の就籍・戸籍訂正及び戸籍整理に関する臨時特例法」(1973. 6.21法律2622)が施行された。2000年12月31日までの時限立法となっていたが、「在外国民の就籍・戸籍訂正及び戸籍整理に関する特例法」(2000.12.29法律6309) としてその後も施行されている。なお、韓国では2005年の民法改正により戸主制の廃止に伴う戸籍制度の見直しにより、2008年1月1日から新しい身分登録制度が施行される予定である。
イ 「在日」の相続法 その理論と実務(平成31年4月29日付) 490頁には「在外国民の就籍と戸籍整理の促進」として以下の記載があります。
1) 「在外国民就籍に関する臨時特例法」(1967.1.16.法1865号)は,1965年12月締結された日韓法的地位協定に基づく「協定永住」の申請は「韓国」国籍の者だけに許容されていたので,その国籍を証する戸籍が具備されていない状況を打開するために立法化されたものである。
2) 本法は公布日に施行され,1970年12月31日までの時限立法であったが,その後は,1970.12.31.法2251号で1973年12月31日まで延長されている。
3) 本法でいう「在外国民」とは「大韓民国国民として在外国民登録法の規定によって登録した者」(2条①)である。
(2) 「韓国における戸主制度廃止と家族法改正――女性運動の観点をふまえて」(立命館法政論集第13号(2015年)) には,戸主制廃止を伴う民法改正法(2005.3.31法7427号)に関して以下の記載があります。
① 憲法不合致決定がなされた後も,戸籍制度に代わる新法が施行されるまでは既存の戸主制の効力が維持されていたが,2008年1月1日に改正民法と新たな身分登録法の施行ともにようやくその歴史に終止符が打たれることとなった(リンク先の末尾132頁)。
② 2005年2月3日に,戸主制に関する規定について憲法不合致決定がなされてから1ヵ月後の2005年3月2日に,戸主制廃止を含めた民法改正案が国会の本会議を通過した(リンク先の末尾138頁及び139頁)。
2 韓国の除籍謄本
(1) 小杉国際行政法務事務所HP の「★韓国の除籍謄本 及び 新たな韓国家族関係登録簿の制度に基づく基本証明書・家族関係証明書・婚姻関係証明書等「登録事項別証明書」(※従来の韓国戸籍謄本に相当)に関する取り寄せ及び翻訳のサポート・代行費用について★」 には以下の記載があります。
★韓国の除籍(2008年1月1日以前に抹消された戸籍)は、その編製された時期、電算化された時期等により、大きく以下の3種類の形態に分類することができます。
具体的には、以下のとおりです。
①「電算移記された」 横書の除籍謄本
②「画像電算化された」 横書の除籍謄本
③「画像電算化された」 縦書の除籍謄本
※編製時期の時系列としては、①が最も「新しく」、③が最も「古い」戸籍です。
※また、「電算移記された」 除籍と「画像電算化された」 除籍の相違点は以下のとおりです。
「電算移記された」 除籍とは・・・
日本でも同様ですが、「戸籍」は、そもそもは「紙台帳」形式の「戸籍簿」という帳簿に「手書き」(もしくはタイプライター)で書き込む(打ち込む)方法で編製・管理されて来ましたが、その編製・管理の方式をそっくり「電算システム」(すなわち『コンピュータシステム』)に移行し、キーボードからテキスト入力して「電子データ」(電子帳簿)として編製・管理する方式への移行が実施されました。
その「電子データ」(電子帳簿)の方式に基づき編製された後、西暦2008年1月1日付で戸籍制度が廃止されて新たな「家族関係登録簿」の制度に移行したことに伴って「除籍」(抹消)された のが、まさに「電算移記された」 除籍です。
(2)ア 2008年1月1日時点の戸籍の内容は,大使館領事部を含めて日本に10箇所ある大韓民国総領事館が発行する電算化除籍謄本(日本でいうところの改製原戸籍みたいなものと思います。)に記載されていることになります(韓国語戸籍翻訳.comの「韓国語翻訳 電算化除籍謄本/在日韓国人の相続手続・帰化申請用」 参照)。
イ 駐日本国大韓民国大使館HP の「管轄地域案内」 に,大使館領事部及び総領事館の管轄地域が載っています。
ウ 在日コリアン支援ネット に「韓国の「除籍謄本」(※除かれた「戸籍謄本」)及び基本証明書・家族関係証明書・婚姻関係証明書等の取り寄せ(請求・交付申請)方法について」 が載っています。
エ 韓国の電算化除籍謄本の記載内容は,日本の大正4年式戸籍 と似ていると思います。
3 韓国の家族関係証明書
(1) 平成20年1月1日に開始した家族関係登録制度では,①家族関係証明書,②基本証明書,③婚姻関係証明書,④養子縁組関係証明書及び⑤親養子(特別養子)関係証明書という5つの証明書があります(駐日本国大韓民国大使館HP の「家族関係など書類発給」 参照)。
(2) 駐大阪大韓民国総領事館HPの「家族関係証明書とは」 には以下の記載があります。
家族関係証明書は、本人を基準とし父母(親養子の場合、養父母が父母と記載される)、養父母(普通養子の場合には実父母と養父母が全部記載される)、配偶者、子供(實子、養子)等を現わす証明書である。家族関係証明書は親子関係を証明する必要がある場合に利用される。兄弟姉妹関係は家族関係証明書に表示されないので、兄弟姉妹関係を証明する必要がある場合には、父母の家族関係証明書の発給をしなければならない。
家族関係証明書は、原則的に証明書交付当時の有効な事項のみを集めて発給するので、過去の事項は表示されない。しかし死亡、国籍喪失、失踪宣告に該當する場合には、該当家族にはそのまま記載を残し、姓名欄の横に死亡等の事由が記載され、證明書として発給される。
第2 在日韓国人の戸籍に関するメモ書き
1 在日韓国人の戸籍整理
・ 在日本大韓民国民団HPの「みんだん生活相談センター」 には「戸籍整理」として以下の記載があります。
Q: 韓国の正式な旅券を取得したいため、領事館へ行き、手続きをする過程で、父の戸籍謄本に私は記載されていないことがわかりました。どうすれば戸籍に載せることができるのでしょうか。
A: 戸籍は、個人の身分関係を公簿(戸籍簿)に登録、公証する公文書です。私たち在日韓国人は韓国籍ですので、韓国の戸籍整理ができて、初めて身分事項の証明になります。したがって、出生、婚姻、死亡等の申告を日本の行政(役場)に申告するように韓国役場に対しても申告する必要があります。
韓国では、在日(在外国民)の戸籍上の特殊性を考慮し、便宜を図るために「在外国民就籍・戸籍訂正および戸籍整理に関する特例法」を施行しています。在外国民登録法3条により国民登録をしている人が対象になります。
この特例法による戸籍整理申請には、「戸籍整理申請書2部」「戸籍謄本2部」「在外国民登録簿謄本2部」「外国人登録原票記載事項証明書2部」などが必要です。添付書類の詳しい内容は、管轄の領事館に確認してください。
戸籍整理には、韓国の家庭法院(裁判所)の許可を必要としているため、約3~6カ月程かかります。
2 在日韓国人の就籍
(1) 在日本大韓民国民団HPの「みんだん生活相談センター」 には「就籍」として以下の記載があります。
Q: 祖父母が解放前から日本に居住し、父母ともに長い間「朝鮮」籍でいたこともあり、韓国の戸籍には無頓着でした。その結果、3世である私は、韓国の戸籍を持っておりません。近く子どもが生まれます。将来のことを考え、あらたに韓国の戸籍を創設したいのですが、どうしたらいいのでしょうか。
A: 韓国の法律では、在日(在外国民)の戸籍上の特殊性を考慮し、便宜を図るために「在外国民就籍・戸籍訂正および戸籍整理に関する特例法」を施行しています。この特例法の就籍許可申告により戸籍取得ができます。 戸籍取得には、両親(祖父母)の代から戸籍を取得する方法と、本人だけ戸籍を取得する方法があります。後々のことを考えて、両親の代から戸籍取得されることをお勧めします。
就籍許可申請に必要な書類は、「就籍許可申請書(所定様式)2部」「身分表(所定様式)4部」「在外国民登録簿謄本2部」「外国人登録原票記載事項証明書2部」「両親の婚姻届受理証明書2部」「あなたの出生届受理証明書2部」で、あなたの住所地を管轄する領事館の長に提出します。
領事館の長は、これを、外交通商部長官を経由してあなたが就籍しようとする本籍地を管轄する家庭法院に送付します。家庭法院が就籍申告書を受け付けた時には、就籍地を管轄する市・区・邑・面の長に戸籍の有無などを調査させます。家庭法院が就籍を許可すれば、市・区・邑・面の長は戸籍を編製することになります。
就籍完了までには、約3~6カ月程かかります。
(2) 第2版「在日」の家族法Q&A(平成18年1月31日付) 96頁には以下の記載があります。
特例法(山中注:在外国民就籍・戸籍訂正および戸籍整理に関する特例法のこと。)3条では、大韓民国国民として本籍がないか、または、本籍が明らかではない人は在外公館の長に就籍許可を申請できるとしています。本籍がない人とは、出生申告義務者が申告をしないでそのまま放置するか、戸籍の焼失等で現在戸籍がない人をいい、また、本籍が明らかではない人とは、父母の行方不明により戸籍の所在が不明な人をいうとされています。
3 在日韓国人の戸籍の問題点
(1) 全国相続協会相続支援センターHPの 「家族関係証明書の解説-在日韓国人の戸籍問題-」 (非常に参考になる資料です。) には例えば,以下の記載があります。
ア 韓国戸籍を見るときの注意点
➀戸籍の間違いが非常に多い(戸籍に載っていない。字が間違っている)縦書き⇒電算⇒家族関係へと移記するたびに間違いが重てきた。漢字を読めない世代が作業していた。
②家族関係証明書だけで相続関連人を決定してはいけない。2007.12.31以前に死亡、国籍喪失(帰化)、不在宣告、失踪宣告の理由で戸籍から除外された者は家族関係登録簿に記載されていない。
(実際は帰化してもそのまま戸籍に載っている場合が多い)
イ 在日の戸籍を疑え→実態とは違っている。
◆在日韓国人の家族関係証明書(戸籍)には『 出生、死亡、婚姻、子供の記録がない 』 『 戸籍が間違っている 』 『 外国人登録原票と一致しない 』というように実態と一致していないことがたくさんあります!
◆そんな不備な戸籍を信じて相続や帰化手続をするのは危険。
◆困ったことに依頼者自身が気が付いていないことが多い。
(2) 「在日」の相続法 その理論と実務(平成31年4月29日付) 490頁には「在外国民就籍に関する臨時特例法」(1967.1.16法1865号)が「在外国民就籍・戸籍訂正及び戸籍整理に関する臨時特例法」(1973.6.21法2622号)に変更された理由として「「約70万に達する世界各地に居住する在外国民」の本籍地に戸籍登載がなされておらず,「登載された者でも姓名や生年月日等が実際と一致しない者が現在約50%以上に達すると推定され」るので戸籍を実際に合わせるようにするため」と書いてあります。
(3) 韓国戸籍翻訳センターHP の「在日韓国人の相続手続」 には以下の記載があります。
韓国戸籍が見つからなかった時は当事務所(山中注;在日総合サポート行政書士事務所 のこと。)へ依頼!
韓国戸籍は驚くほど不備や誤りが多いです。本当は除籍謄本が存在するのに役所が移記するときに名前をインプット間違いしたために電算検索で発見できなかったケースは何件も経験しています。
子供の戸籍があるのに親の戸籍が見つからない。嫁いだの戸籍の前戸籍(実家)の戸籍が見つからない。戸主名を間違って移記されたら、いくら検索しても探せるわけがないのです。
ありえない話があるのが韓国戸籍です。戸籍が見つからない場合や疑問がある場合は当方にご連絡いただきたいと思います。きっとお役に立てると思います。
4 在日韓国人には韓国の住民登録番号がないこと
(1) 在日韓国人の場合,韓国の除籍謄本及び家族関係証明書の「住民登録番号」欄が空欄となっています。
(2) 韓国の住民登録番号は1968年に制度化されましたところ,「韓国の住民登録番号(PIN)制度について 」 には以下の記載があります。
住民登録番号は原則として出生申告時に付番する。その目的は、住民の自己識別(身元確認)を通じた生活便宜の向上および行政の効率化、の2つにある。住民登録番号は1人1番号となっており、生涯を通じて番号は変わらない。現在、番号は13桁となっており、最初の6桁が生年月日、次の1桁が性別、次の4桁が地域番号、次の1桁が(同一の生年月日、同一の性別、同一の地域番号を有する者の)出生申告順位、最後の1桁が検証番号となっている(別添資料1参照)。住民登録番号は韓国籍の者のみに付番される。
(3) 在日本大韓民国民団HPの「生活相談Q&A 事例」 には「国民登録番号の取得」として以下の記載があります。
Q 戸籍は持っていますが国民登録番号が記載されていません。民団登録番号はあります。手続き方法を教えてください。韓国へはよく行きますのでどこですればよいのか、あるいは日本でもできるのでしょうか。
A 戸籍に記載されている国民登録番号は、住民登録番号といい、本国の人にのみ記載されています。在日同胞の場合は空欄として表示されます。在日としては、住民登録番号を取得する方法はありません。ただし、日本の永住権を放棄し、本国に永住帰国をすれば取得できます。
第3 弁護士による在日韓国人の相続人調査には限界があること
1 平成24年7月9日付で廃止された外国人登録法に基づく外国人登録原票
(1) 東京都小平市HPの「外国人登録原票を必要とされる方へ」 には,「外国人登録原票に記載されている個人情報」として以下の記載があります。
外国人登録原票に記載されている個人情報は、平成24年7月9日の外国人登録法廃止以前に、 市区町村に登録の申請をいただいた下記の(1)から(24)の個人情報が記載されています。
ただし、登録の申請がされていない情報は記載されておりませんし、外国人登録原票の様式や登録事項は、これまで累次の改正がなされていることから、必ずこれら全ての個人情報が記載されているとは限りませんので、その点、あらかじめご承知おき願います。
(1)氏名、(2)性別、(3)生年月日、(4)国籍、(5)職業、(6)旅券番号、(7)旅券発行年月日、(8)登録の年月日、(9)登録番号、(10)上陸許可年月日、(11)在留の資格、(12)在留期間、(13)出生地、(14)国籍の属する国における住所又は居所、(15)居住地、(16)世帯主の氏名、(17)世帯主との続柄、(18)勤務所又は事務所の名称及び所在地、(19)世帯主である場合の世帯を構成する者(世帯主との続柄、氏名、生年月日、国籍)、(20)本邦にある父・母・配偶者((19)に記載されている者を除く。氏名、生年月日、国籍)、 ( 21)署名、(22)写真、(23)変更登録の内容、(24)訂正事項
* 法務省HP に掲載されているものです。
(2) 出入国在留管理庁HPの「外国人登録原票に係る開示請求について」 には以下の記載があります。
平成24年7月9日、新たな在留管理制度が導入されたことに伴い外国人登録制度は廃止されました。これに伴い、外国人登録原票は、特定の個人を識別することができる個人情報として、出入国在留管理庁において適正に管理しています。なお、自分の外国人登録原票を確認したい、写しを交付してほしいとする場合、開示請求を行う必要があり、その手続は、次の「開示請求の手続について」の内容をご確認ください。
(3) 韓国戸籍翻訳センターHP の「在日韓国人の相続手続」 には以下の記載があります。
日本の外国人登録の記録には家族関係の記載があることが多いので死亡した子の存在がわかります。戸籍に記載されていない相続人を探す場合「外国人登録原票の写し」は必ず韓国戸籍を補充する物として役に立ちます。
2 弁護士が行える 在日韓国人の相続人調査の方法
(1)ア 債権者が債務者Xの電算化除籍謄本からX本人及びその親族の現在の住所を調べる場合,電算化除籍謄本で氏名,国籍,性別及び生年月日を確認した上で,東京出入国在留管理局長に対する弁護士会照会により居住地の記載がある外国人登録原票の写しを取り寄せた上で,住民票の職務上請求をすることになると思います。
イ 在日韓国人である債務者の相続人の代理人から相続放棄の連絡を受けているのであれば,相続財産管理人の選任申立てを予定している「利害関係者」として,相続放棄の事件記録(特に,相続関係図,電算化除籍謄本及び家族関係証明書)を閲覧謄写した上で(家事事件手続法47条1項),名前が出てきた推定相続人となる親族について,被相続人の最後の住所地を管轄する家庭裁判所に対して相続放棄の申述の有無を照会すればいいと思います。
ウ 大阪家裁HPの「家事事件の各種申請で使う書式について」 に,「相続放棄・限定承認の申述の有無の照会書」等が載っています。
(2) 以下の資料を掲載しています。
・ 外国人登録法の廃止に伴い回収された外国人登録原票に係る開示請求手続について(平成23年12月13日付の法務省入国管理局登録管理官の事務連絡)
→ 人定事項(国籍,氏名,生年月日及び性別)を記載しておけば調査してもらえるみたいです。
・ 弁護士法23条の2の規定に基づく外国人登録原票の照会への対応について(平成24年7月30日付の法務省入国管理局出入国管理情報官付補佐官の事務連絡)
・ 外国人登録法の廃止に伴い回収された外国人登録原票に係る開示請求手続について(平成24年3月21日付の日弁連事務総長の依頼)
・ 弁護士法第23条の2第2項の規定に基づく照会に係る照会案内の変更について(令和元年9月17日付の出入国在留管理庁総務課長の通知)
* 外国人登録法の廃止に伴い回収された外国人登録原票に係る開示請求手続について(平成24年3月21日付の日弁連事務総長の依頼) に含まれている,弁護士会照会の申請書別紙です。
3 弁護士が行える在日韓国人の相続人調査の限界
(1) 日本人の被相続人の兄弟姉妹をすべて調べるためには,①被相続人の父母(被相続人の直系尊属)について死亡時の戸籍から,出生時に最初に入った戸籍まで遡るの全部の戸籍謄本,及び②兄弟姉妹の現在の戸籍謄本まで必要になる(相続財産管理人選任申立ての手引(民法918条2項用) 5頁「戸籍謄本等の調査方法」参照)のであって,在日韓国人の場合,除籍謄本及び家族関係証明書が必要となります。
それにもかかわらず,民法918条2項の相続財産管理人を除き,日本国内の案件で弁護士を含む第三者が除籍謄本及び家族関係証明書を取得することはできません(弁護士会照会でも取得できません。)。
(2) 渉外不動産登記の法律と実務 230頁には以下の記載があります(月刊日本行政(日本行政書士会連合会)に掲載された「2009年11月19日、駐大阪大韓民国総領事館・領事の講演資料」からの抜粋みたいです。)。 上記質疑応答(山中注:「2009年7月23日付け大法院・家族関係登録課第2555号 質疑応答」のこと。)を以下に,要約して紹介する。 「日本国内居住の日本人が.在日韓国人に対し,債権回収のため日本国内の 裁判所に詐害行為取消訴訟を提起した場合に,訴訟上,必要になった登録事 項証明書等を, 日本の裁判所の文書送付嘱託書等によって,取寄せることは 可能か」との問いに対して,次のように回答している。 「登録事項別証明書は,原則.本人,配偶者,直系血族,兄弟姉妹(以下” 本人等”という)に限って交付請求が可能であり,本人等以外の場合は原則 的に本人等の委任を必要とすること。また,訴訟手続で必要な場合は,あく まで韓国の裁判所の補正命令書.事実照会書,嘱託書等の提出がある場合には, 本人等の委任がなくとも交付請求可能であること。外国人の場合には直接, 韓国の発給官署に出頭して書類を用意しなくてはならず,外国からの郵便に よる交付請求は不可である。更に,その根拠として,法令の場所的適用範囲 に関して,国際法秩序上,承認された属地主義の法律による国家の法令は, その領域内すべての人間に限定され,他の国家の領域まで適用や執行の効力 が及ばないこと。各国の裁判権は,領土高権(領土主権)によって.その国 家の主権が及ばない外国には及ばない。各国の裁判所は.外国との司法共助 協定などがない限り, 自国の領土外ではいかなる形態の職務行為も執行できず, 命令等もその国家内のみに効力を持つだけで外国に当然その効力は及ばない。 それ故,登録事項別証明書発給の正当な請求事由として“訴訟手続で必要な 場合” とは,大韓民国の領土内で進行する訴訟手続にて必要な場合のみを意 味すると解釈されるため,事案については「家族関係の登録などに関する法 律」などが規定した登録事項別証明書発給の正当な請求事由に該当性がない ので, 同法律等が定めた手続と方法により,証明書の請求受領ができない。
(3) 渉外不動産登記の法律と実務 232頁及び233頁には,競売申立てのため相続人を確定する必要があることを理由とする,平成22年4月14日付の弁護士会照会(駐日韓国大使館領事部宛のもの)による除籍謄本の取り寄せにつき,駐日韓国大使館・参事官は同年5月30日付の回答により取り寄せを拒否してきたという趣旨のことが書いてあります。
4 家族関係証明書の取得制限及びそれに伴う不都合
(1) 家族関係証明書の取得制限
・ 平 成28年6月30日に韓国の憲法裁判所において兄弟姉妹が家族関係証明書等を取得することは違憲であると判断されたため,同年7月1日以降,兄弟姉妹が家族関係証明書等を取得することが非常に難しくなりました。
そして,令和3年4月1日以降,在日韓国人が相続を理由とする場合であっても,兄弟姉妹の家族関係証明書の発行請求が認められなくなっています (康行政書士事務所HPの「兄弟の韓国家族関係登録証明書を取るのが難しくなりました。」 )。
(2) 家族関係証明書の取得制限に伴う不都合
ア Office.KIMの「◆韓国 家族関係証明書の取寄せ方法②」 には以下の記載があります。
特別永住者の相続手続きにおいて、相続人として複数の兄弟姉妹がいるような場合に、今まではそのうち1名を代表として兄弟姉妹の証明書等を取得して手続きをすすめることができましたが、今後は本人自らの申請又は委任状が必要になったことにより、兄弟姉妹全員の所在確認と意思確認を要することになります。家族状況等によっては長年音信不通や交際がまったくない又は相続において利害関係が生じている場合等もありますので、ますます特別永住者の相続手続きを行う上で困難を伴うことが予想されます。
イ 例えば,死亡した債務者Xの第1順位及び第2順位の相続人が相続放棄,死亡等により不存在となった結果,第3順位の相続人(つまり,兄弟姉妹)となるA,B及びCが債務者Xを相続することとなった場合,A,B及びCとしては,委任状なしに他の兄弟姉妹の家族関係証明書を取得できません。
そのため,ABCの誰かが音信不通状態となっている場合,家族関係証明書により債務者Xの相続人の範囲を確定することができない結果,ABの法定相続分を確定させることができないこととなります。
これを債権者の立場で見た場合,仮にAについて法定単純承認が成立していたときは,Aを通じて債務者Xの両親(つまり,Aの父方又は母方の祖父母)の家族関係証明書を取得できるとしても,Aが委任状なしにB及びCの家族関係証明書を取得することができない以上,法定相続分を確定させて代位による相続登記をするためには,B及びCを通じてB及びCの家族関係証明書を必ず取得できる必要があると思います。
5 第3順位の相続人が発生した場合において,債権者から見た場合の相続人調査が完了となるケース(日本の民法が適用される場合)
(1)ア 債務者Xが死亡し,第3順位の相続人ABCが発生した場合において,債権者から見た場合の相続人調査が完了となるケースは以下のとおりと思います(相続の準拠法に関する被相続人の遺言(大韓民国国際私法 49条2項1号)に基づき,日本の民法が適用される場合です。)。
① 債務者Xの両親(ABCの父方又は母方の両親)の出生時から死亡時までの除籍謄本及び家族関係証明書を提出してもらえること
→ ABCの誰かの協力があれば足りるものの,例えば,残債務放棄を条件としない限り任意に協力してもらうのは難しいかもしれません。
② ABCの家族関係証明書を提出してもらえること。
→ ABC全員の協力が必要です。
イ 債務者Xの両親の外国人登録原票の写しは弁護士会照会で取得できます。
(2)ア ABCのいずれかについて法定単純承認が成立している場合,法定単純承認が成立している人を相手に訴訟提起した上で,対象者の登録基準地(本籍地みたいなものです。)の市(区)・邑又は面の長を嘱託先とする調査嘱託により家族関係登録を調査できるかもしれません。
イ 韓国戸籍翻訳センターHP の「在日韓国人の相続手続」 には「兄弟姉妹が被相続人と相続人の関係になる場合は非常に厄介」と説明した上で,「他に家族関係証明書の入手する方法は、日本の裁判所から韓国の裁判所へ嘱託調査依頼すること、韓国で訴訟又は調停の申請をすることぐらいです。」と書いてあります。
(3)ア 相続の準拠法に関する被相続人の遺言がないために韓国民法が適用される場合,第3順位の相続人が全員,相続放棄をしたときは,第4順位の相続人(おじおば及び甥姪,並びにいとこ)まで調査する必要があります(韓国戸籍翻訳センターHPの「日韓相続法の重大な相違」 参照)。
この場合,①4人の祖父母の出生時から死亡時までの除籍謄本及び家族関係証明書を取得して「おじおば」全員を調査し,②きょうだいの出生時から死亡時までの除籍謄本及び家族関係証明書を取得して「甥姪」全員を調査し,③おじおばの出生時から死亡時までの除籍謄本及び家族関係証明書を取得して「いとこ」全員を調査する必要があるのかもしれません。
イ 韓国民法では,相続放棄の3ヶ月の熟慮期間の起算点について「相続発生の事実と自己が相続人であることを知った日」と厳格に解されています(在日コリアンの相続支援サイトHP の「被相続人が韓国籍の場合における相続放棄の注意点」 参照)から,第1順位ないし第3順位の相続人のいずれかについて法定単純承認が成立する可能性は日本民法が適用される場合よりも高いと思います。
* 民事事件に関する国際司法共助手続マニュアル(令和2年6月に開示された,最高裁判所民事局作成の文書) からの抜粋です。
第4 相続財産管理人を通じた調査及びその選任申立ての方法
1 相続財産管理人を活用できること
(1)ア 家庭裁判所の財産管理実務 12頁及び13頁には,「(1) 具体的事例~不動産の強制執行、担保権実行、滞納処分による差押え」として以下の記載があります。
外国籍の者の相続において、相続財産管理制度を活川できる場面として典型的なのは、不動産の強制執行、担保権実行、滞納処分による差押えにおいて外国籍の所有者に相続が生じていたことが判明した場合です。
すなわち、不動産の所有者に相続が生じていた場合には、強制執行等の申立時に申立人が債権者代位による相続登記をする必要がありますが、そのためには法務局に戸籍等の相続関係を証明する資料を提出する必要があります。
ところが、外国籍の者の相続人調査は、相続関係資料の入手が困難な場合が多いことから、一般的に容易ではないといえます。
例えば、韓国籍の所有者の相続登記のためには、韓国戸籍(除籍謄本)や家族関係証明書等の提出が必要であるところ、日本の相続債権者や担保権者の立場ではこれらの書類が取得できません。この点、これらの書類を取得できる相続人に協力を求めることも考えられますが、協力を得られない場合も少なくありません。
そうすると、相続関係を証明する書類が揃わないため、相続登記ができず、強制執行等も進められないことになります。
このような場合、民法952条に基づく相続財産管理人や同918条2項に基づく相続財産管理人の選任申立をすることが解決策となり得ます。
民法952条の管理人が選任された場合は、同管理人において、選任審判書謄本を登記原因証明情報として相続財産法人名義に変更登記をすることができるからです(昭和39.2.28民事422号民事局長通達)。
また、相続人の一部の存在が明らかな場合(判明している相続人以外に相続人がいるか不明な場合も含む) 、民法952条の管理人の選任はできませんが、その場合には、同918条2項の管理人の選任申立をし、同管理人において相続人調査を進めてもらうことが考えられます (民法918条2項の相続財産管理人については、Q44,45参照)。
イ 家庭裁判所の財産管理実務 159頁には,「外国籍の者の調査」として以下の記載があります。
被相続人が外国籍の場合や相続人が外国籍の場合、相続人を調査するために、当該外国の戸籍調査に精通している弁護士を「民法918条2項の相続財産管理人」として選任し、相続人調査をしてもらうという方法があります。
大阪家庭裁判所では、韓国の戸籍調査の場合、申立人において調査をしたが相続人の存在が明らかでない場合でも、韓国の戸籍調査に詳しい弁護士を「民法918条2項の相続財産管理人」として選任し、同管理人に相続人調査を行ってもらっています。一方、申立人において調べた限りで相続人の存否が 分からず、当該外国の戸籍調査に精通している弁護士がいないような国の場合には、相続人不分明の場合として民法952条の清算のための相続財産管理人を選任する方向で検討することになります。詳細はQ4をご参照ください。
(2) 令和4年8月1日に私が大阪家裁財産管理係に電話で問い合わせをしたところ,民法918条2項に基づく相続財産管理人であれば,相続人の調査を目的として,韓国の総領事館から家族関係証明書を発行してもらえるそうです。
2 民法952条の相続財産管理人の選任申立て
(1) 家庭裁判所の財産管理実務 12頁及び13頁には「(2) 民法952条の相続財産管理人の選任申立~大阪家庭裁判所の実務」として以下の記載があります。
(1)の場合(山中注:「(1) 具体的事例~不動産の強制執行、担保権実行、滞納処分による差押え」の場合)、民法952条の相続財産管理人の選任申立に当たっては、申立人側で可能な限り相続関係資料(外国人住民票写し、閉鎖済外国人登録原票写し、相続放棄をした相続人等の関係者から入手した韓国戸籍、家族関係証明書等)を収集し、これらを選任申立時の添付資料として裁判所に提出することになります。
そして、これらの耆類に加えて、申立後に裁判所が調査嘱託により収集する資料や関連記録(相続放棄申述事件記録等)を踏まえて、裁判所が民法952条の要件である相続人不分明であるか否かを判断することになります。
ここで、相続人不分明であると認定できた場合には、その時点で裁判所は民法952条に基づく相続財産管理人を選任することになります。
他方、相続人不分明であると認定するのが難しく、かつ、申立人による必要な資料の追完も困難である場合には、裁判所において、民法952条の相続財産管理人選任申立事件を同918条2項の相続財産管理人選任事件に切り替え(いわゆる立件替え),同918条2項の相続財産管理人を選任し、同管理人において、韓国の相続関係資料を取得するなどの相続人調査を行う運用とされています。
そして、この民法918条2項の相続財産管理人による相続人調査により、柑続人不分明の要件を満たすものと認められる場合には、申立人において改めて民法952条の相続財産管理人選任申立を行い、裁判所において民法952条の管理人を選任した上で、相続財産法人名義への変更登記を行うことになります。
また、この相続人調査により、相続人の存在等が判明した場合には、調査結果に基づき、申立人において、判明した相続人への相続登記を進めることになります。
(2) 東弁リブラ2022年6月号 の「成年後見実務の運用と諸問題」 には「注意していただきたいのが,民法952条の相続人不存在の場合の相続財産管理人との違いで,民法952条の相続財産管理人は,相続財産の清算に向けられた手続きの積み重ねが予定されているが,民法918条2項の場合にはそういったことは予定されていない。」と書いてあります。
3 相続財産管理人の選任申立ての予納金
(1) 家庭裁判所の財産管理実務 32頁には以下の記載があります。
Q11 予納金
相続財産管理人の選任申立ての予納金について、詳しく教えて下さい。
A 予納金とは、相続財産を管理するために必要な費用を、相続財産から支弁することが困難な場合に、申立人が、このような費用を賄うために、あらかじめ拠出しておく金銭のことを指します。予納金の額は、100万円位となることが一般的ですが、近時は各家庭裁判所が具体的事案に応じて増減を判断することになっています。
(2) 相続の準拠法が日本民法であるか韓国民法であるかによって予納金が異なるかどうかは不明ですが,韓国民法が適用される場合,第4順位の相続人(おじおば及び甥姪,並びにいとこ)まで存在する点で日本民法よりも相続人調査が遥かに大変ですから,予納金が同じというのはおかしい気がします。
4 その他
(1) 令和5年4月1日以降に申立てをする場合,令和3年の民法改正に基づき,民法918条2項の相続財産管理人は民法897条の2の相続財産管理人となり, 民法952条の相続財産管理人は相続財産清算人となります。
(2) 以下の資料を掲載しています。
・ 相続財産管理人選任申立ての手引(申立てを検討している人向けの説明文書)
・ 相続財産管理人選任申立ての手引(民法918条2項用)
・ 相続財産管理人選任申立ての手引(成年後見人・保佐人・補助人用)
・ 自治体向け財産管理人選任事件申立てQ&A(令和元年11月改訂の,大阪家庭裁判所家事第4部財産管理係書記官室の文書)
第5 国籍欄が「朝鮮」の人の位置づけ
1 国籍欄に「朝鮮」と記載されていても、実際には韓国籍を有している可能性があること
(1) 衆議院議員秋葉賢也君提出特別永住者の扱いに関する質問に対する答弁書(平成22年3月2日付) には以下の記載があります。
外国人登録では、国籍欄において、「韓国」の記載を国籍の表示として用いているが、「朝鮮」の記載は、「韓国」が国籍として認められなかった時代からの歴史的経緯等により、朝鮮半島出身者を示すものとして用いており、外国人登録の手続の際に韓国籍を証する書類の提出等がなく、市町村の窓口において国籍が確認できなかった者であって朝鮮半島出身者であることが明らかなものについては、国籍欄に「朝鮮」と記載することとしている。すなわち、「朝鮮」の記載は何らの国籍を表示するものとして用いているものではなく、国籍欄に「朝鮮」と記載されていても、実際には韓国籍を有している可能性がある。
(2)ア 平成27年12月の在留外国人統計 から国籍欄の「韓国」と「朝鮮」を区別した人数が発表されていますところ,同月時点の「韓国」籍の総数は45万7772人(うち,永住者は6万6326人,特別永住者は31万1463人)であり,「朝鮮」籍の総数は3万3939人(うち,永住者は477人,特別永住者は3万3281人)でした。
イ 令和4年6月の在留外国人統計 によれば,同月時点の「韓国」籍の総数は41万5911人(うち,永住者は7万3747人,特別永住者は26万3827人)であり,「朝鮮」籍の総数は2万5871人(うち,永住者は381人,特別永住者は2万5356人)でした。
2 在日コリアンの在外国民登録
(1)ア 1948年8月15日に成立した韓国政府は,国籍法(1948年12月20日法律第16号)2条1項1号で「出生したとき、父が大韓民国の国民であった者」は大韓民国の国民とすると規定しました(第2版「在日」の家族法Q&A(平成18年1月31日付) 49頁参照)。
イ 統一日報HPの「在日の従北との闘争史~民団結成から韓国戦争勃発まで~⑪」 には以下の記載があります。
韓国政府は1949年8月1日に「在外国民登録令」を公布した。在日同胞は外国人登録に国籍が「朝鮮」になっていたため、民団としては「大韓民国」への変更は当然な課題だった。
「民団」は「在外国民登録令」公布の1年前から全国の地方本部で「在外国民登録」事業の準備をすすめた。それで、「民団」は、1949年11月に「国民登録委員会」を設置して、実施準備に態勢を整えた。
1950年2月11日に大統領令で「在外国民登録実施令」が施行されて、「民団」も本格的に事業を始めた。
「民団」は、「国民登録を怠る者は国民としての資格を喪失する。無国籍人になることを望む以外の者は登録しよう」と宣伝活動を展開した。
(2) 在日コリアン支援ネットの「在日韓国人・朝鮮籍の皆様の「国籍に関連する手続き」(朝鮮籍→韓国籍へのいわゆる「国籍変更」を含む)について」 には以下の記載があります。
ご自身が「大韓民国国民」であると認識されていらっしゃる在日コリアンの方 については、韓国の在外国民登録法 (재외국민등록법) に基づく在外国民登録の対象者 ということになります。
この場合、日本の住民登録 上の国籍欄 が現在「朝鮮 」 と記載されている在日コリアンの方であっても、所定の手続きにより在外国民登録は可能 です。
(3) 韓国の在外国民登録をしていたとしても,日本の役所で「韓国」籍への変更手続きをしていない場合,「韓国」籍を保有しているのに住民票の国籍欄は「朝鮮」籍となっていることになります。
3 日韓基本条約3条及び海外旅行時の取扱い
(1) 日韓基本条約3条
ア 日韓基本条約 3条は「大韓民国政府は、国際連合総会決議第百九十五号(III) に明らかに示されているとおりの朝鮮にある唯一の合法的な政府であることが確認される。」と定めています。
イ 参議院議員熊谷裕人君提出日韓基本条約第三条の解釈に関する質問に対する答弁書(令和元年11月8日付) には以下の記載があります。
お尋ねについては、平成二十八年九月十四日の衆議院外務委員会において、大菅岳史外務省大臣官房審議官(当時)が「日韓基本関係条約におきましては、北朝鮮については何ら触れておりません。言いかえますと、一切を北朝鮮につきましては白紙のまま残しているということ」と述べているとおりである。
(2) 海外旅行時の取扱い
・ Korea World Timesの「朝鮮籍と韓国籍の違い 日本では北朝鮮の国籍は存在しない?」 には以下の記載があります。
たとえば、前述のように国籍を証明する方法として各国が発行する旅券(パスポート)がある。「朝鮮民主主義人民共和国旅券」の場合は「在日本朝鮮人総聯合会」(朝鮮総連)が窓口となって発行している。
本来この旅券さえあればどこの国に行っても国籍を証明できるはずが、日本政府は未承認国である朝鮮民主主義人民共和国旅券を「有効な旅券」として扱っていないためそれも不可となる。
実際に北朝鮮の海外公民であったとしても、日本国内においては無国籍者という扱いになり、彼らは自身の国籍を証明する手段がないのだ。
(中略)
朝鮮籍保有者が海外に渡航する場合は、前述の朝鮮総連発行の朝鮮民主主義人民共和国旅券か、法務省が発行する「再入国許可書」を旅券(パスポート)代わりにすることが必要となる。
これに加えて、外国籍者はその国籍にかかわらず、日本に再入国するための手続きとして事前に法務大臣から再入国許可を受けることが必要である。
4 戦前生まれの場合,「朝鮮」籍でも韓国の戸籍に名前が載っていること
・ 康行政書士事務所HPの「朝鮮籍の人には、韓国の戸籍・家族関係登録事項証明書は出ない?」 には以下の記載があります。
なぜ、朝鮮籍なのに韓国の戸籍に名前が載っていたり家族関係登録事項別証明書が出るのでしょうか?
これは、日本植民地時代の日本の戸籍が、そのまま韓国の戸籍として使われていたからです。戦前から日本に住んでいる朝鮮籍の人は、日本で生まれたとき日本の役所に出生届けを出しますので、それが戸籍に反映されました。その日本の戸籍が韓国独立後も戸籍謄本としてそのまま使われていたのです。
ですので、戸籍に載っている情報も、その当時のままということになります。実際に2008年以降に出来た婚姻関係証明書や家族関係証明書にも、実際は結婚していて子もいるのに、その事実が反映されていませんでした。
日本の外国人登録上の国籍としては「朝鮮」となっていますが、このように韓国の家族事項の証明書は出ますので、韓国は、この人を自国民として認めていることになります。
5 債権者から見た場合の取扱い
・ 債権者から見た場合,戦後生まれの在日コリアンについて韓国の除籍謄本又は家族関係証明書が存在するのであれば,韓国の在外国民登録及び戸籍整理又は就籍の手続をしているわけですから,朝鮮籍の人についても在日韓国人と全く同じ取扱いになると思います。
第6 ハングル関係のメモ書き
1 ハングル表記のルール
(1) トリリンガルのトミのサイトには例えば,以下の記事が載っています。
① 「【早見表付き】日本語のハングル表記のルール【あいうえお】をハングルで」
② 韓国語の単語学習は漢字語でほぼ終わり!ルールも解説!【読み方一覧表付】
→ 「漢字→ハングル対応表PDF」 及び「ハングル→漢字対応表PDF」 が載っています。
(2) 子音字母の基本字母14個の一つである「ㅈ」はカタカナの「ス」のように表記されていることがあります。
2 ハングル文字の入力方法
・ 3rdpageSearch Jp の「ハングル音節文字」 でハングル文字を作成すれば,グーグル翻訳等で翻訳することができます。
3 漢字語,固有語及び外来語
・ 福山市韓国語教室K-ROOM の「今年の漢字「金」、韓国語では「금」or「김」??」 には以下の記載があります。
韓国語では普段、文字の表記はほとんどがハングルだけで表記されますが、その中には「漢字語」「固有語」「外来語」で構成されています。
「漢字語」というのは単語自体が漢字で成り立っているもので、「固有語」というのは漢字の読みの単語ではなく、ハングルだけで成り立っていて、「外来語」は外国語をそのままハングルで表記しているものになります。
4 同音異義語がたくさんあること
(1) CREATORSの「日本語よりも予測不能!韓国語の同音異義語」 には以下の記載があります。
実は韓国語にもこのような同音異義語がたくさんあります。
しかも、韓国語では一般的に漢字は使われていません。ハングルだけなので、日本語のように漢字を見れば一目で意味がわかるということはなく、前後の文脈からどちらの意味なのか判断するよりほかありません…
(2) ヤフー知恵袋の「韓国・朝鮮語」の記事 には「率直言うと、韓国人の名前の漢字表記は、本人に確認しないと殆ど分かりません。」と書いてあります。
第7 在日コリアンの相続の準拠法
1 本国法の決定基準
(1) 書籍の記載
ア 戦後生まれの在日コリアンについて韓国の除籍謄本又は家族関係証明書が存在するのであれば,実務的には韓国法が本国法になると思いますが,第2版「在日」の家族法Q&A(平成18年1月31日付) 33頁には以下の記載があります(改行を追加しています。)。
在日の本国法は、当事者の住所、居所、過去の住所や、親族が本国にいるとして南北いずれにいるか、本貫(始祖の発祥地名)や本籍地は南北のいずれにあるか等の客観的要素と当事者の意思(南北いずれの政府へ帰属意思を有するか、南北に住所を選択するとすればいずれの地域を選択するか)の主観的要素を考慮して、「当事者に最も密接なる関係ある」法律を本国法として決定するという考え方が有力です。
具体的には、外国人登録法上の国籍欄の記載が「朝鮮」で、当事者が在日本朝鮮人総連合会に属して活動し、親族が北朝鮮にいて本人も北朝鮮へ帰国したことがあるというような場合は、「北朝鮮法を本国法とする在日」と決定されることが多いでしょう。
他方、外国人登録法上の国籍が「韓国」で上記と異なり所属意思が明確でない場合は、在日の出身地(本籍地)が韓国の実効支配する領域に属する場合がほとんどということもあり、「韓国法を本国法とする在日」と決定される場合が多いと思われます。
イ 全訂Q&A渉外戸籍と国際私法(2008年2月1日付) 51頁には以下の記載があります(改行を追加しています。)。
国際私法上,当事者の「本国法」の決定は,私法関係における問題であり,その法律を公布した国家ないし政府に対する外交上の承認の有無等とは次元を異にします。
ところで,台湾においては中華人民共和国の法規とは異なる法規が現に通用し,また,朝鮮の北部地域には,大韓民国の法規とは異なる朝鮮民主主義人民共和国の法規が現に施行されていることは,公知の事実です。
このようないわゆる分裂国家の場合に,国際私法の解釈として,未承認政府の法律の適用問題として処理するのが適当か,異法地域の本国法決定の問題として通則法38条3項を適用して処理するのが適当か問題のあるところであります。
しかし,前者の問題と捉えた場合は,国際私法上,それぞれを独立国として見ることから,各政府の法律が本国法となり,また,後者の問題と捉えた場合は,国際私法上,中国又は朝鮮をそれぞれ全体として1つの国として見ますが,間接指定方式によることができないので,当事者に最も密接に関係する地の法律を適用することとなります。
そうすると,いずれのアプローチによっても,本土系中国人の本国法は中華人民共和国の法規,台湾系中国人の本国法は中華民国民法等であり,また,大韓民国の地域に属する者の本国法は大韓民国民法等,朝鮮民主主義人民共和国の朝鮮人(北朝鮮系朝鮮人)の本国法は同国の法規であることとなります。
(2) 法務省民事局の通達
ア 朝鮮人の身分に関する取扱いについて(昭和34年12月28日付の法務省民事局長通達)(親族・相続・戸籍に関する通牒録4466頁の7及び4466頁の8)は以下のとおりです。
朝鮮人の身分に関する取扱については、平和条約の発効後も、南鮮人であると北鮮人であるとを区別することなく、引き続き従前どおり慣習によるものとして処理されていたが、慣習の内容が必ずしも判然としないため、その取扱に困難を生ずる場合も少なくなかった。しかるところ、昭和35年1月1日から新に韓国民法が施行されることとなったので、その身分法に関する部分は、同法の施行後は、従前の取扱における慣習に代わるべきものとして、すべての朝鮮人につき、同法中の親族編(別紙参照)に則って実務の処理をするのが相当であると考える。
ついては、右の趣旨を御了知の上、貴管下各支局及び市町村に周知するよう取り計らわれたい。
イ 昭和35年6月6日付の法務省民事局第五課長回答(親族・相続・戸籍に関する通牒録4641頁)は以下のとおりです。
朝鮮人の婚姻、養子縁組その他の身分行為について、法例の規定によりその本国法に準拠すべき場合における本国法とは、わが国が事実上承認していると認むべき大韓民国の法律を指すものというべく、したがって、当該朝鮮人が南鮮人であると北鮮人であるとを区別することなく、すべて「韓国民法」を適用するのが相当と考える。
なお、現行の「韓国民法」は大韓民国政府により檀紀4291年(昭和33年)2月22日法律第471号をもって公布され、同4293年(昭和35年)1月1日から施行されたものであるから念のため。
(3) 最高裁の事例判例
・ 最高裁昭和59年7月6日判決 は「外国人登録法の規定に基づく登録において国籍として記載された中国には、中華人民共和国の法域のみならず同国の法規とは異なる法規が現に通用している台湾の法域も含まれることは公知の事実であるから、右登録において国籍として中国と記載されていることをもつて直ちに当該外国人が中華人民共和国の法域に属すると推認することはできない」と判示しています。
2 本国法が韓国法となる場合
(1) 在日韓国人の場合,相続については大韓民国の法律が適用される(法の適用に関する通則法 36条)。
ただし,相続の準拠法として常居所地がある日本の法を遺言で指定していた場合,日本の民法が適用されます(大韓民国国際私法 49条2項1号)。
(2) 韓国の相続法は以下の点で日本の相続法と異なります(品川太田相続相談センターHPの「相続相談マメ知識」 参照)。
① 4親等以内の傍系血族が第4順位として相続人となること。
② 配偶者が兄弟姉妹に優先すること。
③ 配偶者の相続分が異なること。
④ 相続人の配偶者が代襲相続人となること。
⑤ 兄弟姉妹にも遺留分があること。
(3) 韓国戸籍翻訳センターHP の「在日韓国人の相続手続」 には以下の記載があります。
韓国に財産がある場合絶対に公正証書遺言にすべきです。そしてもう一つ重要なことは「韓国の財産にまで日本法を適用する」とした場合、韓国の銀行等は難色を示します。国際司法上は有効なのですが、韓国の銀行等は日本の相続法がどのような内容であるのかわからないからです。日本の財産だけに日本法を適用するとした方が絶対に良いです。
3 本国法が北朝鮮法となる場合
(1) 在日コリアンの本国法が北朝鮮法となる場合,少なくとも動産及び不動産の相続については日本の民法が適用されると思いますが,預貯金の相続についてはよく分かりません。
(2)ア 第2版「在日」の家族法Q&A(平成18年1月31日付) 235頁には以下の記載があります。
国際私法規定としての「朝鮮民主主義人民共和国対外民
事関係法」(以下、「北朝鮮対外民事関係法」という)が、1995年9月6日最高人民会議常設会議決定第62号として採択され、同日に施行されている。北朝鮮における初めての国際私法典といえるであろう。ここに、相続の準拠法については、一応の決着をみることとなった。日本の法例や韓国の渉外私法および同法改正後の韓国国際私法は、不動産・動産を区別しない相続統一主義を採用しているが、北朝鮮対外民事関係法は中国法と同じように相続分割主義を採用した。
北朝鮮対外民事関係法45条1項は「不動産相続には相続財産の所在する国の法を適用し、動産相続には被相続人の本国法を適用する。但し、外国に住所を有する共和国公民の動産相続には被相続人が最後に住所を有していた国の法を適用する」としている。
「在日朝鮮人」の相続の準拠法を決定するについて、北朝鮮対外民事関係法を考慮するならば、日本に所在する不動産・動産いずれの相続についても日本法への反致が成立する。少なくとも、同法施行日以後に開始した相続については、被相続人が「在日朝鮮人」である限り日本民法がその相続の準拠法になる、といえるであろう。
イ 立命館大学HPに「朝鮮民主主義人民共和国の対外民事関係法に関する若干の考察 」 (平成8年の論文みたいです。)が載っています。
第8 日本法と韓国法の相続放棄に関するメモ書き
1 総論
・ 先順位の相続人の相続放棄により相続人となった第三順位の相続人の場合,例えば,債権者からの請求書が届いた時点で初めて自分が相続人になっていることを知ったときは,その時点が「自己のために相続の開始があったことを知った時」(民法915条1項)になります。
そのため,その時点から3か月以内であれば相続放棄ができることとなりますから,債権者としては,相続放棄の熟慮期間である3ヶ月が経過した後に訴訟提起すべきことになります。
2 相続放棄の熟慮期間(日本法の場合)
・ 相続人において相続開始の原因となる事実及びこれにより自己が法律上相続人となつた事実を知つた時から三か月以内に限定承認又は相続放棄をしなかつたのが,相続財産が全く存在しないと信じたためであり,かつ,このように信ずるについて相当な理由がある場合には,民法915条1項所定の期間は、相続人が相続財産の全部若しくは一部の存在を認識した時又は通常これを認識しうべかりし時から起算されます(最高裁昭和59年4月27日判決 )。
(2) 東町法律事務所HPの「相続放棄申述受理についての誤解」には以下の記載があります。
かかる熟慮期間については、その例外を認める最高裁判例昭和59年4月27日・判例時報が存在しているため(この最高裁判例についても、激しい争いがありますが、長くなりますので、割愛いたします。)、家庭裁判所においては、死亡後3か月を経過した相続放棄であっても、一応の審理をし、3か月以内に相続放棄の申述をしなかったことについて相当の理由がないと明らかに判断できる場合にだけ申述を却下し、それ以外の場合は、申述を受理する実務が定着しているとされています(久保豊「相続放棄の熟慮期間の起算日について」家月45巻7号1頁他)。
(3) 大阪高裁平成21年1月23日判決(判例秘書に掲載)は,債権者の提訴により被相続人に多額の債務があることが判明したとしてなされた相続放棄の申述について,熟慮期間を繰り下げるべき特段の事情がないとされた事例です。
3 韓国法における相続放棄
(1)ア 韓国民法における相続放棄の熟慮期間は3ヶ月であるものの,3ヶ月の起算点について「相続発生の事実と自己が相続人であることを知った日」と厳格に解されていますから,たとえ3ヶ月経過後に債務超過である事を知ったとしても相続放棄をすることはできません(在日コリアンの相続支援サイトHP の「被相続人が韓国籍の場合における相続放棄の注意点」 参照)。
イ 韓国民法では,債務超過である事実を重大な過失なく知らなかった場合は、3ヶ月経過後であっても、債務超過の事実を知ったときから3か月以内であれば、限定承認をすることはできます(特別限定承認制度といいます)。
(2)ア 韓国民法では,相続放棄の結果として相続人不存在となるのは,第4順位の相続人(4親等以内の傍系血族)がすべて相続放棄した後です(韓国戸籍翻訳センターHPの「日韓相続法の重大な相違」 参照)。
そのため,おじおば及び甥姪(3親等の傍系血族)並びにいとこ(4親等の傍系血族)の全員が相続放棄をした時点で相続人不存在となります。
イ NKグループ日本経営HP の「韓国籍の方の相続について解説!韓国と日本どちらの国の法が適用されるのか?」 には以下の記載があります。
被相続人が債務超過の場合で、親族全員が相続せず放棄をするという場合、日本でも順番に放棄の手続きをしていく必要がありますが、韓国の場合、放棄の手続きをしなければならない人が多くなります。
例えば、お父さんが亡くなられた場合、日本では、①お母さんと子供、②お父さんの両親(祖父母など)、③お父さんの兄弟姉妹と放棄の手続きをしていくことになります。
韓国の場合は、①お母さんと子供、②孫(ひ孫)、③お父さんの両親(祖父母)、④お父さんの兄弟姉妹、⑤お父さんの伯父・伯母・叔父・叔母、⑥従兄弟・・・・と順番に放棄の手続きをしていく必要があります。
第9 関連記事その他
1 仮に被相続人となった在日韓国人が債務超過の状態であった場合,第1順位の相続人が限定承認をすれば,戸籍の問題は顕在化しません。
2 韓国戸籍翻訳センターHP の「在日韓国人の相続手続」 には以下の記載があります。
相続関係人の全員が日本籍であっても、過去に韓国人であったり、現在韓国籍であった者の相続手続には、必ず出生からの韓国除籍謄本等が必要となります。 帰化者の場合、韓国籍時代の婚姻や認知した子供の存在があるかもしれないからです。
3 出入国在留管理庁HPに「死亡した外国人に係る外国人登録原票の写しの交付請求について」 が載っています。
4(1) 以下の資料を掲載しています。
・ 民事事件に関する国際司法共助手続マニュアル(令和2年6月に開示された,最高裁判所民事局作成の文書)
・ 民事訴訟手続に関する条約等による文書の送達,証拠調べ等及び執行認許の請求の嘱託並びに訴訟上の救助請求書の送付について(平成3年4月10日付)
(2) 以下の記事も参照してください。
・ 海外送達
・ 在日韓国・朝鮮人及び台湾住民の国籍及び在留資格
・ 日韓請求権協定
・ 相続財産管理人,不在者財産管理人及び代位による相続登記