弁護士業界

弁護士資格認定制度に基づく認定者数の推移

目次
1 弁護士資格認定制度に基づく認定者数の推移
2 関連記事その他

1 弁護士資格認定制度に基づく認定者数の推移
・ 法務省HPに掲載されている「法務年鑑」等によれば,法務省大臣官房司法法制部審査監督課が所管している,弁護士資格認定制度に基づく認定者の推移は以下のとおりです。

令和6年度(申請者22人(うち,2人が申請取下げ),認定20人,却下0人)
国会議員経験者 :0人
裁判所事務官等 :4人
企業法務経験者 :9人
公務員経験者  :5人
特任検事経験者 :1人
裁判所事務官及び企業法務経験者:0人
大学教授等経験者:1人

令和5年度(申請者15人(うち,3人が申請取下げ),認定12人,却下0人)
国会議員経験者 :0人
裁判所事務官等 :5人
企業法務経験者 :4人
公務員経験者  :3人
特任検事経験者 :0人
裁判所事務官及び企業法務経験者:0人
大学教授等経験者:0人

令和4年度(申請者11人(うち,1人が申請取下げ),認定10人,却下0人)
国会議員経験者 :0人
裁判所事務官等 :0人
企業法務経験者 :6人
公務員経験者  :2人
特任検事経験者 :1人
裁判所事務官及び企業法務経験者:1人
大学教授等経験者:0人

令和3年度(申請者19人(うち,2人が申請取下げ),認定17人,却下0人)
国会議員経験者 :0人
裁判所事務官等 :3人
企業法務経験者 :3人
公務員経験者  :3人
特任検事経験者 :6人
裁判所事務官及び企業法務経験者:0人
大学教授等経験者:2人

令和2年度(申請者7人(うち,2人が申請取下げ),認定5人,却下0人)
国会議員経験者 :0人
裁判所事務官等 :0人
企業法務経験者 :2人
公務員経験者  :2人
特任検事経験者 :1人
裁判所事務官及び企業法務経験者:0人
大学教授等経験者:0人

令和元年度(申請者15人(うち,3人が申請取下げ),認定12人,却下0人)
国会議員経験者 :0人
裁判所事務官等 :2人
企業法務経験者 :5人
公務員経験者  :4人
特任検事経験者 :0人
裁判所事務官及び企業法務経験者:1人
大学教授等経験者:0人

平成30年度(申請者8人(うち,0人が申請取下げ),認定7人,却下1人)
国会議員経験者 :0人
裁判所事務官等 :2人
企業法務経験者 :1人
公務員経験者  :2人
特任検事経験者 :1人
大学教授等経験者:1人
* 平成30年4月24日に財務省を依願退官した福田淳一 前財務事務次官は,弁護士資格認定制度に基づき,平成30年12月までに弁護士資格を取得しました(平成30年12月21日の官報第7415号10頁のほか,ヤフーニュースの「「福田淳一」前財務次官を救った「弁護士資格認定制度」」参照)。

平成29年度(申請者9人(うち,1人が申請取下げ),認定8人,却下0人)
国会議員経験者 :0人
裁判所事務官等 :0人
企業法務経験者 :5人
公務員経験者  :3人
特任検事経験者 :0人
大学教授等経験者:0人

平成28年度(申請者9人(うち,0人が申請取下げ),認定9人,却下0人)(平成28年度法務年鑑92頁及び93頁(リンク先のPDF105頁及び106頁))
国会議員経験者 :0人
裁判所事務官等 :1人
企業法務経験者 :1人
公務員経験者  :4人
特任検事経験者 :3人
大学教授等経験者:0人

平成27年度(申請者10人(うち,0人が申請取下げ),認定10人,却下0人)(平成27年度法務年鑑90頁(リンク先のPDF103頁))
国会議員経験者 :0人
裁判所事務官等 :0人
企業法務経験者 :2人
公務員経験者  :5人
特任検事経験者 :3人
大学教授等経験者:0人

平成26年度(申請者7人(うち,0人が申請取下げ),認定7人,却下0人)(平成26年度法務年鑑208頁(リンク先のPDF225頁))
国会議員経験者 :0人
裁判所事務官等 :0人
企業法務経験者 :5人
公務員経験者  :2人
特任検事経験者 :0人
大学教授等経験者:0人

平成25年度(申請者20人(うち,4人が申請取下げ),認定16人,却下0人)(平成25年度法務年鑑175頁(リンク先のPDF187頁))
国会議員経験者 :0人
裁判所事務官等 :0人
企業法務経験者 :2人
公務員経験者  :6人
特任検事経験者 :4人
大学教授等経験者:4人

平成24年度(申請者15人(うち,2人が申請取下げ),認定13人,却下0人)(平成24年度法務年鑑186頁(リンク先のPDF199頁))
国会議員経験者 :0人
裁判所事務官等 :0人
企業法務経験者 :1人
公務員経験者  :9人
特任検事経験者 :2人
大学教授等経験者:1人

平成23年度(申請者9人(うち,0人が申請取下げ),認定9人,却下0人)(平成23年度法務年鑑217頁(リンク先のPDF230頁))
国会議員経験者 :0人
裁判所事務官等 :0人
企業法務経験者 :0人
公務員経験者  :5人
特任検事経験者 :3人
大学教授等経験者:1人

平成22年度(申請者19人(うち,3人が申請取下げ),認定16人)(平成22年度法務年鑑197頁(リンク先のPDF206頁))
国会議員経験者 :0人
裁判所事務官等 :0人
企業法務経験者 :2人
公務員経験者  :8人
特任検事経験者 :5人
大学教授等経験者:1人

平成21年度
(申請者22人(うち,4人が申請取下げ),認定17人,却下1人)(平成21年度法務年鑑171頁(リンク先のPDF183頁))
国会議員経験者 :6人
裁判所事務官等 :0人
企業法務経験者 :0人
公務員経験者  :9人
特任検事経験者 :0人
大学教授等経験者:2人

平成20年度(申請者24人(うち,2人が申請取下げ),認定21人,却下1人)(平成20年度法務年鑑180頁(リンク先のPDF192頁))
国会議員経験者 :0人
裁判所事務官等 :0人
企業法務経験者 :1人
公務員経験者  :7人
特任検事経験者 :1人
大学教授等経験者:12人

平成19年度(申請者27人(うち,5人が申請取下げ),認定20人,却下2人)(平成19年度法務年鑑194頁(リンク先のPDF209頁))
国会議員経験者 :0人
裁判所事務官等 :0人
企業法務経験者 :2人
公務員経験者  :7人
特任検事経験者 :3人
大学教授等経験者:8人

平成18年度(申請者29人(うち,6人が申請取下げ),認定22人,却下1人)(平成18年度法務年鑑189頁(リンク先のPDF201頁))
国会議員経験者 :1人
裁判所事務官等 :1人
企業法務経験者 :0人
公務員経験者  :9人
特任検事経験者 :5人
大学教授等経験者:6人

平成17年度(申請者24人(うち,3人が申請取下げ),認定18人,却下3人)(平成17年度法務年鑑194頁(リンク先のPDF209頁))
国会議員経験者 :1人
裁判所事務官等 :0人
企業法務経験者 :0人
公務員経験者  :9人
特任検事経験者 :6人
大学教授等経験者:2人

平成16年度(申請者53人(うち,4人が申請取下げ),認定47人,却下2人)(平成16年度法務年鑑173頁(リンク先のPDF186頁))
国会議員経験者 :5人
裁判所事務官等 :0人
企業法務経験者 :2人
公務員経験者  :3人
特任検事経験者 :37人
大学教授等経験者:0人

2 関連記事その他
(1) 弁護士資格認定実績件数調べを以下のとおり掲載しています。
令和 6年12月26日現在
令和 5年12月21日現在
令和 4年12月26日現在
令和 3年12月27日現在
令和 元年12月23日現在
平成30年12月31日現在
平成29年12月31日現在
平成28年12月31日現在
(2) 以下の記事も参照してください。
・ 弁護士登録の請求
・ 平成16年4月1日創設の,弁護士資格認定制度
→ 弁護士法5条に基づく研修に関する日弁連の報告文書等(毎年12月頃の文書)を掲載しています。
・ 弁護士となる資格付与のための指定研修
・ 弁護士法第5条の規定による弁護士業務についての研修に関する規則(平成16年3月18日 日弁連規則第95号)

平成16年4月1日創設の,弁護士資格認定制度

目次
1 総論
2 弁護士法5条に基づく研修に関する日弁連の報告文書
3 弁護士資格認定制度に関する外部HPの記載
4 弁護士資格認定制度の創設を含む,司法制度改革における弁護士法の改正
5 関連記事その他

1 総論
(1) 平成16年4月1日,以下の法律に基づき,弁護士資格認定制度が創設されました。
① 司法制度改革のための裁判所法等の一部を改正する法律(平成15年7月25日法律第128号)
② 裁判所法の一部を改正する法律(平成16年3月31日法律第8号)
③ 弁護士法の一部を改正する法律(平成16年3月31日法律第9号)
(2) 法務省HPの「弁護士資格認定制度」に詳しい説明が書いてありますし,「認定申請の手引」等が掲載されています。
(3) 法務省HPの「企業・官公庁の実務に精通した弁護士を育てる!弁護士資格認定制度」と題するパンフレットによれば,法務大臣の指定する研修というのは,日弁連が主催する研修であって,期間は約2か月,研修費用は約20万円みたいです。

2 弁護士法5条に基づく研修に関する日弁連の報告文書
(令和時代)
令和元年度令和2年度令和3年度令和4年度
令和5年度令和6年度
(平成時代)
平成30年度
* 「弁護士法第5条の規定による弁護士業務についての研修について(令和5年12月8日付の日弁連会長の報告)」といったファイル名です。

3 弁護士資格認定制度に関する外部HPの記載
(1) 平成16年4月1日の弁護士法改正
・ 弁護士資格認定制度につき,平成16年度法務年鑑172頁(リンク先のPDF185頁)に以下の記載があります。
   平成16年4月1日に改正弁護士法が施行され,司法修習を終えていなくても弁護士資格を与える特例の対象が広げられ,①司法修習生となる資格を得た後に,簡易裁判所判事,国会議員,内閣法制局参事官,大学の法律学の教授等,弁護士法第5条第1号に列挙された職のいずれかに在った期間が通算して5年以上になる者,②司法修習生となる資格を得た後に,自らの法律に関する専門的知識に基づいて弁護士法第5条第2号に列挙された事務のいずれかを処理する職務に従事した期間が通算して7年以上になる者,③検察庁法第18条第3項に規定する考試を経て任命された検事(いわゆる特任検事)の職に在った期間が通算して5年以上となる者等については,法務大臣の指定する研修を修了して同大臣の認定を受ければ,弁護士となる資格を付与されることとなった。
   同資格認定制度導入に伴い,①試験・経験要件の審査事務,②研修修了要件の審査事務,③認定の通知・官報公告に関する事務,④研修の指定に関する事務,⑤予備審査に関する事務等の処理を(注:法務省大臣官房司法法制部が)行っている。
(2) 弁護士資格認定制度の理念及び特徴
ア 法務省HPの
「企業・官公庁の実務に精通した弁護士を育てる!弁護士資格認定制度」には「弁護士資格認定制度の理念」として以下の記載があります。
   現代社会では、国境を越えて自由な社会経済活動が活発に行われており、新たな法的問題が日々生まれています。
   弁護士は、法廷活動にとどまらず、企業や官公庁に進出し、組織内部でその健全な運営に貢献することが求められています。
   弁護士資格認定制度は、企業・官公庁での実務経験に裏打ちされた、高い専門性を持つ弁護士を生み出すことを期待して設けられたものです。
イ 法務省HPの「企業・官公庁の実務に精通した弁護士を育てる!弁護士資格認定制度」には「弁護士資格認定制度の特徴」として以下の記載があります。
○ 官公庁は、行政法等の法令に精通した司法試験合格者を、公務員として採用して勤務経験を積ませることにより、法令の適用から行政処分に至るまで、あらゆる官公庁実務に法律のエキスパートとして対応できる公務員ロイヤーを獲得できます。
○ 企業は、ビジネス法等の法令に精通した司法試験合格者を、即戦力従業員として採用して勤務経験を積ませることにより、その企業の独自性を体得した法律のエキスパートとして、あらゆる企業活動に対応できる「我が社育ち」のインハウスロイヤーを獲得できます。
○ 司法試験合格者は、司法修習をスキップして、公務員・会社員として働きながらOJTを積み上げ、7年間の法律関係事務従事経験と短期間の研修で弁護士資格を取得できます。
ウ 「企業・官公庁の実務に精通した弁護士を育てる!弁護士資格認定制度」は,法務省大臣官房司法法制部審査監督課弁護士資格認定係が作成した文書です。

4 弁護士資格認定制度の創設を含む,司法制度改革における弁護士法の改正
(1) 弁護士資格認定制度の創設を含む,司法制度改革における弁護士法の改正につき,平成27年度法務年鑑79頁(リンク先のPDF92頁)に以下の記載があります。
   士制度については,今般の司法制度改革において,平成15年及び同16年の2度にわたり弁護士法が改正され,①弁護士資格の特例の拡充・整理,②弁護士の公務就任の自由化,③弁護士の営利業務の従事に関する許可制の届出制への変更,④弁護士の報酬基準の撤廃,⑤弁護士の懲戒手続の透明化・迅速化・実効化,⑥弁護士法第72条(非弁護士による弁護士業務の禁止規定の規制範囲に関する予測可能性の確保等の措置が講じられた。
   このうち,①は,従前から存在していた弁護士資格の特例について,次のような拡充及び整理を行ったものであるが,ここで資格の要件とされた法務大臣の認定に関する事務(弁護士資格認定事務)は,司法法制部(注:法務省大臣官房司法法制部)において担当している。
a 弁護士資格の特例の拡充
・ 司法試験合格後5年以上国会議員の職に在った者
・ 司法試験合格後7年以上企業法務担当者や公務員として所定の法律関係事務に従事していた者
・ 5年以上いわゆる特任検事(副検事を3年以上経験し,政令で定めた試験に合格して検事になった者)の職に在った者
以上の者に対して,所定の研修を修了し,かつ,法務大臣の認定を受けることを要件として弁護士資格を付与する。
b 弁護士資格の特例の整理
・ 5年以上大学の法律学の教授・助教授の職に在った者に対して弁護士資格を付与していた制度について,司法試験合格,研修の修了及び法務大臣の認定を要件として追加する。
・ 司法試験合格後5年以上簡易裁判所判事,内閣法制局参事官等の職に在った者に対して弁護士資格を付与していた制度について,研修の修了及び法務大臣の認定を要件として追加する。
(2) 法務省HPの「弁護士資格認定制度」には以下の記載があります。
   弁護士法一部改正法附則3条2項により,平成20年3月31日までの間に,学校教育法又は旧大学令による大学で法律学を研究する大学院の置かれているものの学部,専攻科若しくは大学院の法律学の教授又は准教授の職に在った期間が通算して5年以上になる者は,司法修習生となる資格を得たか否かにかかわらず,研修の受講と法務大臣の認定を要件として,弁護士となる資格が与えられます。ただし,平成16年3月31日以前に既に在職期間が5年に達している者は,改正前の法律により弁護士となる資格が付与されますので,研修の受講と法務大臣の認定は要件とされず,直ちに弁護士となる資格が付与されます。

5 関連記事その他
(1) 創英国際特許法律事務所HP「弁護士資格認定制度について」に,令和元年12月に弁護士資格認定を受けた人の体験談が載っています。
(2) 以下の記事も参照してください。
・ 弁護士登録の請求
 平成16年4月1日創設の,弁護士資格認定制度
 弁護士となる資格付与のための指定研修
→ 弁護士となる資格付与のための指定研修(毎年3月頃の日弁連の文書)も掲載しています。
 弁護士資格認定制度に基づく認定者数の推移
→ 
弁護士資格認定実績件数調べも掲載しています。

弁護士法人

目次
1 総論
2 弁護士法人に関する法規等
3 弁護士法人の社員の権利義務
4 弁護士法人の社員の退社事由
5 弁護士法人の社員の脱退に伴う課税関係
6 弁護士法人の社員及び使用人である弁護士の競業避止義務等
7 弁護士法人の社員の住所等
8 弁護士法人の会計帳簿,貸借対照表,財産目録等
9 弁護士法人における社員の常駐の意義
10 弁護士法人アディーレ法律事務所の修習期の分布等
11 関連記事その他
   
1 総論
(1)   
東弁リブラ2010年1月号「弁護士法人の実像」が載っています。
(2) 弁護士法人については合名会社に関する規定が多数,準用されています(弁護士法30条の30)から,「合名会社,合同会社,合資会社。持分会社がわかる!」HPが参考になります。
(3) 弁護士法人の定款は,定款に別段の定めがない場合,総社員の同意がないと改正できません(弁護士法30条の11第1項)。


2 弁護士法人に関する法規等
(1)   弁護士法等
① 弁護士法30条の2ないし30条の30
② 組合等登記令
③ 日弁連会則32条の2等

(2) 会規
③   弁護士法人規程(平成13年10月31日会規第37号)
(3) 規則
④   弁護士法人規程に関する常駐等の確認事項(平成13年12月20日日弁連理事会議決)
⑤   弁護士法人規程に関する表示等の確認事項(平成13年12月20日日弁連理事会決議)
⑥   弁護士法人規程に基づく確認事項(平成13年11月20日日弁連理事会議決)
⑦   弁護士法人の業務停止期間中における業務規制等について弁護士会及び日本弁護士連合会の採るべき措置に関する基準(平成13年12月20日日弁連理事会議決)
⑧   弁護士法人の社員となるべき資格証明書等規則(平成13年11月20日規則第77号)
⑨   弁護士法人の届出に関する規則(平成13年11月20日規則第78号)


   
3 
弁護士法人の社員の権利義務
(1) 弁護士法人の社員は,定款で別段の定めがない限り,すべて業務を執行する権利を有し,義務を負います(弁護士法30条の12)。
(2) 弁護士法人の業務を執行する社員は,各自弁護士法人を代表します(弁護士法30条の13第1項)。
(3)   定款又は総社員の同意によって,業務を執行する社員の中から弁護士法人を代表すべき社員(つまり,代表社員)を定めることができます(弁護士法30条の13第2項)。
(4)   弁護士法人を代表する社員(弁護士法人の業務を執行する社員又は代表社員)は,弁護士法人の業務に関する一切の裁判上又は裁判外の行為をする権限を有します(弁護士法30条の13第3項)。
(5)   弁護士法人の社員は,弁護士法人の債務について無限連帯責任を負いますし(弁護士法30条の15第1項),退社の登記をしてから2年が経過するまでの間,弁護士法人の債務に対する無限連帯責任が消滅することはありません(弁護士法30条の15第7項・会社法612条)。
(6)ア 弁護士法人は,弁護士法人を代表する社員がその職務を行うについて第三者に加えた損害を賠償する責任を負います(弁護士法30条の30第1項前段・会社法600条)。
    この場合,弁護士法人の損害賠償責任と弁護士法人を代表する社員の損害賠償責任は,不真正連帯債務になると思います(会社法350条に関する東京地裁平成29年1月19日判決(判例秘書)参照)。
イ 不真正連帯債務の場合,責任割合に従って定められるべき自己の負担部分を超えて被害者に損害を賠償したときに求償権が発生します(最高裁平成10年9月10日判決)。
(7) 弁護士法人が特定の事件について業務を担当する社員を指定した場合,当該社員を指定社員といいます(弁護士法30条の14第1項)ところ,指定事件については指定社員だけが業務を執行する権利を有し,義務を負います(弁護士法30条の14第2項)し,弁護士法人を代表します(弁護士法30条の14第3項)。


4 弁護士法人の社員の退社事由
(1)   弁護士法人の社員は以下の場合に弁護士法人を退社できます。
① 事業年度の終了6ヶ月前までに退社の予告をした上で事業年度終了時に退社する(弁護士法30条の30第1項前段・会社法606条1項)。
   ただし,定款で別段の定めをすることはできます(弁護士法30条の30第1項前段・会社法606条2項)。
② やむを得ない事由がある場合に退社する(弁護士法30条の30第1項前段・会社法606条3項)。
③ 定款の定めがある場合(例えば,定年の到来)に退社する(弁護士法30条の22第1号)。
④ 総社員の同意がある場合に退社する(弁護士法30条の22第2号)。
⑤ 死亡(弁護士法30条の22第3号)
⑥ 禁錮以上の刑に処せられた場合(弁護士法30条の22第4号・7条1号)
→ 執行猶予が付いた場合を含みます(税理士の場合につき税理士法基本通達4-1及び4-4参照)。
⑦ 除名された場合(弁護士法30条の22第4号・7条3号)
⑧ 成年被後見人又は被保佐人となった場合(弁護士法30条の22第4号・7条4号)
⑨ 破産した場合(弁護士法30条の22第4号・7条5号)
⑩ 業務停止又は退会命令の懲戒を受けた場合(弁護士法30条の4第2項1号参照)
→ 弁護士法人の社員となる資格証明書等規則(平成13年11月20日規則第77号)3条1項並びに別記様式第3号及び別記様式第4号では,「法定脱退事由たる懲戒処分」と書いてあります。
(2) 弁護士法人アディーレ法律事務所の石丸幸人弁護士は,業務停止3月の懲戒処分を告知された平成29年10月11日,同法人を法定退社しましたところ,同日時点で同弁護士が保有していた同弁護士法人の持分は約95%でした(自由と正義2018年1月号95頁)。


5 弁護士法人の社員の脱退に伴う課税関係
(1) 総論
   弁護士法人を脱退した社員は,持分の払戻しを受けることができ(弁護士法30条の30第1項前段・会社法611条1項本文),退社した社員と弁護士法人との間の計算は,退社の時における弁護士法人の財産の状況に従ってしなければなりません(弁護士法30条の30第1項前段・会社法611条2項)。
(2) 持分の払戻請求権を行使した場合
ア 弁護士法人を退社した社員が持分の払戻請求権を行使した場合,その価額は,評価すべき弁護士法人の課税時期における各資産を財産評価基本通達の定めにより評価した価額の合計額から課税時期における各負債の合計額を控除した金額に,持分を乗じて計算した金額となると思います(国税庁の質疑応答事例「持分会社の退社時の出資の評価」参照)。
イ 脱退に伴う出資持分の払戻しの場合,利益剰余金に対するものはみなし配当として配当所得になり,資本剰余金に対するものだけが株式譲渡益として譲渡所得になると思います。
ウ みなし配当となる分については,弁護士法人は20.42%の源泉徴収(総合課税)をする必要があると思います。
エ 所得税基本通達36-4(3)ト(昔のハ)からすれば,みなし配当につき支払の確定した日は社員弁護士が弁護士法人を脱退した日となり,支払の確定した日から1年を経過した日がみなし支払日となります(所得税法212条4項・181条2項)から,みなし支払日の属する月の翌日10日が源泉徴収による所得税(自動確定の国税です。)の納期限となります。
   また,所得税基本通達を見る限り,業務停止に伴う法定退社の効力を争っていることは「支払の確定した日」を否定する理由にならないと思います。
オ 国税不服審判所の平成18年11月27日裁決別紙1「関係法令等の要旨」が参考になります。
   また,この事案では,平成13年3月,平成15年7月及び平成15年12月のみなし配当について,平成17年12月26日付で,配当所得に係る源泉所得税の各納税告知処分及び不納付加算税の各賦課決定処分が出ました。
カ 平成30年1月1日以降,弁護士法人が国税を滞納した場合において,その財産につき滞納処分を執行してもなおその徴収すべき額に不足すると認められる場合,弁護士法人の社員は第二次納税義務を連帯責任として負います(国税徴収法33条)。
キ 最高裁平成23年11月22日判決によれば,第二次納税義務(財団債権)を履行した社員は,他の社員に対し,内部負担の割合に応じて,財団債権としての権利行使ができると思います(定款に別段の定めがない限り,内部負担の割合は,各社員の出資の価額の割合と同じです(弁護士法30条の30第1項前段・会社法622条1項)。)。
   ただし,社員の退社に伴って発生する源泉徴収による所得税は,当該社員の退社の登記をした後に発生するため,当該社員は第二次納税義務を負わないと思います(弁護士法30条の15第7項本文・会社法612条1項参照)。
(3) 持分の払戻請求権を放棄した場合
ア   弁護士法人を退社した社員が持分の払戻請求権を放棄した場合,残存出資者へのみなし贈与が成立する結果,残存出資者が贈与税を負担すると思います(医療法人の事例につき,厚生労働省HPの「第2章 持分によるリスクについて」参照)。
イ   相続税基本通達9-12(共有持分の放棄)には「共有に属する財産の共有者の1人が、その持分を放棄(相続の放棄を除く。)したとき、又は死亡した場合においてその者の相続人がないときは、その者に係る持分は、他の共有者がその持分に応じ贈与又は遺贈により取得したものとして取り扱うものとする。」と書いてあります。


6 弁護士法人の社員及び使用人である弁護士の競業避止義務等
(1) 弁護士法人の社員の場合
ア   弁護士法人の社員は,他の社員の承諾がない限り,個人事件を取り扱うことはできません(弁護士法30条の19第2項)。
   「他の社員の承諾」とは,他の社員全員の承諾を意味しますものの,本条項は弁護士法人の利益保護等を目的とする規定であることにかんがみ,定款で別段の定めをすることにより,この要件を緩和できると解されています(「条解弁護士法」第4版277頁参照)。
イ ちなみに,監査法人の社員の場合,他の社員の承諾がある場合であっても,財務書類の監査又は証明(公認会計士法2条1項)を個人として行うことはできません(公認会計士法34条の14第2項本文)
(2) 使用人である弁護士の場合
   弁護士法人の使用人である弁護士の場合,複数の法人の使用人となることは複数の法律事務所に所属すること(弁護士法20条3項)を意味しますから,その意味で禁止されます。
   しかし,弁護士法上は,他の社員の承諾がない限り個人事件を取り扱うことはできないというわけではありません。
   ただし,弁護士法人と使用人である弁護士との契約により,使用人である弁護士に競業避止義務を負わせることは可能です。


7 弁護士法人の社員の住所等
(1)   弁護士法人の社員の住所は,弁護士法人の登記簿に載っています(弁護士法30条の7第1項のほか,代表社員につき組合等登記令2条2項4号,その他の社員につき別表第一)。
(2) 弁護士法人の社員の住所は,弁護士法人の定款の絶対的記載事項です(弁護士法30条の8第3項5号)。
(3) ちなみに,民事訴訟の場合,以下の事務連絡に基づき,原告の現実の住所を訴状の当事者欄に記載しなくても良いことがあります。
① 訴状等における当事者の住所の記載の取扱いについて(平成17年11月8日付の最高裁判所民事局第二課長等の事務連絡)
② 人事訴訟事件及び民事訴訟事件において秘匿の希望がされた住所等の取扱いについて(平成25年12月4日付の最高裁判所家庭局第二課長等の事務連絡)


8 弁護士法人の会計帳簿,貸借対照表,財産目録等
(1)   弁護士法人の会計帳簿等は,弁護士法人及び外国法事務弁護士法人の業務及び会計帳簿等に関する規則(平成13年8月17日法務省令第62号)に基づいて作成されています。
(2) 有限責任監査法人の場合,業務及び財産状況説明書がHPで公表されています(公認会計士法34条の16の3)ものの,弁護士法人の場合,貸借対照表等は公表されていません。
① あずさ有限責任監査法人HP「ステークホルダーの皆様へ」
② 新日本有限責任監査法人HP「業務及び財産の状況に関する説明書類」
③ 有限責任監査法人トーマツHP「ステークホルダーの皆様へ」
④ あらた有限責任監査法人HP「業務及び財産の状況に関する説明書類」


9 弁護士法人における社員の常駐の意義
   弁護士法人規程に関する常駐等の確認事項(平成13年12月20日理事会決議)は,弁護士法30条の17の「常駐」の解釈指針として以下のとおり定めています。

1 社員は、当該事務所を、弁護士名簿上の事務所として登録していなければならない。
2 社員は、当該事務所を、弁護士及び弁護士法人の業務活動の本拠としていなければならない。そのためには、少なくとも以下の基準を満たしていることが必要である。
一 社員は、弁護士法人の各事務所における所在時間を比較して、当該事務所を中心として執務しているものと認められなければならない。
二 当該事務所において、その業務が、当該社員によって遂行されていると認められる体制がとられていなければならない。
三 社員は、当該事務所の業務の遂行状況及び使用人である弁護士及び職員などの勤務状況を基本的に把握していなければならない。
四 社員は、当該事務所を維持するに要する費用の管理状況を基本的に把握していなければならない。

五 社員との連絡が、当該事務所において、容易に取れなければならない。


10 弁護士法人アディーレ法律事務所の修習期の分布等
(1) 平成29年10月11日現在,アディーレの弁護士数は185人であり,そのうちの92人が社員でありますところ,修習期の分布は以下のとおりです。
55期:社員 1人
56期:社員 1人
59期:使用人1人
60期:社員 1人,使用人 2人
61期:社員 1人,使用人 4人
62期:社員 3人,使用人 3人
63期:社員11人,使用人 4人
64期:社員 9人,使用人 7人
65期:社員11人,使用人 9人
66期:社員11人,使用人 3人
67期:社員16人,使用人14人
68期:社員14人,使用人21人
69期:社員13人,使用人25人
(2) 平成29年10月11日時点における,アディーレの池袋本店及び85の支店における修習期の分布及び社員の配置状況については,「平成29年10月当時の,弁護士法人アディーレ法律事務所の状況」を参照してください。
   弁護士法人の支店には弁護士法人の社員が常駐する必要があります(弁護士法30条の17本文)から,支店の数以上に社員がいることとなります。


11 関連記事その他
(1) 弁護士が個人として領収書を発行する場合,収入印紙を貼付する必要はありませんが,弁護士法人が領収書を発行する場合,収入印紙を貼付する必要があります(みずほ中央法律事務所HP「【領収証に貼付する収入印紙|印紙額・非課税|弁護士・司法書士など】」参照)。
(2) MONEYISMに「正しい経営判断のために!表面税率と法定実効税率の違いを知っておこう」が載っています。
(3) 利益剰余金と資本剰余金の双方を原資として行われた剰余金の配当は,その全体が法人税法24条1項3号に規定する資本の払戻しに該当します(最高裁令和3年3月11日判決)。
(4)  無限責任社員が合資会社を退社した場合において,退社の時における当該会社の財産の状況に従って当該社員と当該会社との間の計算がされた結果,当該社員が負担すべき損失の額が当該社員の出資の価額を超えるときには,定款に別段の定めがあるなどの特段の事情のない限り,当該社員は,当該会社に対してその超過額を支払わなければなりません(最高裁令和元年12月24日判決)。
(5)  法人における民法192条の善意・無過失は,その法人の代表者について決せられるものの,代理人が取引行為をしたときは,その代理人について決せられます(最高裁昭和47年11月21日判決)。
(6) 司法制度改革審議会第28回(平成12年8月29日開催)配布資料一覧に含まれる「弁護士の在り方」説明資料には以下の記載がありました。
 一部では,弁護士事務所の事務部門のみを会社とする試みなども行われているが(いわゆる「事務局法人」),事務局法人は,法律事務の受任主体となり得ないことなどから,安定した多様な法律サービスを提供するインフラとはなり得ず,余り活発に利用されていない。
(7) 「法人の代表者又は業務執行者の被保険者資格について」(昭和24年7月28日付の厚生省保険局長通知)は以下のとおりです。
 法人の理事、監事、取締役、代表社員及び無限責任社員等法人の代表者又は業務執行者であつて、他面その法人の業務の一部を担任している者は、その限度において使用関係にある者として、健康保険及び厚生年金保険の被保険者として取扱つて来たのであるが、今後これら法人の代表者又は業務執行者であつても、法人から、労務の対償として報酬を受けている者は、法人に使用される者として被保険者の資格を取得させるよう致されたい。
 なお、法人に非ざる社団又は組合の総裁、会長及び組合及び組合長等その団体の理事者の地位にある者、又は地方公共団体の業務執行者についても同様な取扱と致されたい。
(8) 以下の記事も参照して下さい。
・ 弁護士法人の懲戒
・ 弁護士法人アディーレ法律事務所に対する懲戒処分等

弁護士会の会派

目次
第1 はじめに
第2 東京弁護士会の会派
1 総論
2 法友会
3 法曹親和会
4 期成会
第3  第一東京弁護士会(大正11年5月20日創立総会)の会派
1 総論
2 全期会
第4 第二東京弁護士会(大正15年3月30日創立総会)の会派
1 総論
2 紫水会
3 全友会
4 五月会
5 日比谷倶楽部
6 清友会
第5 大阪弁護士会の会派
1 総論
2 7会派から選出される7人の副会長
3 それぞれの会派ごとの人数
4 春秋会及び五月会
第6 愛知県弁護士会の会派
第7 関連記事

第1 はじめに

1 東京三弁護士会,大阪弁護士会及び愛知県弁護士会に存在する会派(派閥)につき,東洋経済ONLINEの「弁護士界の”細かすぎる派閥”はこう生まれた」が非常に参考になります。
2 「東京三会合併の理念」(筆者は峠野愈弁護士。自由と正義41巻4号(平成2年4月発行)148頁ないし150頁)に,大正時代に東京の弁護士会が三つに分裂した経緯が要領よく書いてあります。
3 大正末期から昭和40年頃までの東京三弁護士会の派閥争いについては,法曹三国志(昭和58年1月8日発行)に非常に詳しく書いてあります。


第2 東京弁護士会の会派

1 総論
(1) 東京弁護士会には,法友会法曹親和会期成会及び水曜会という4つの会派があります(二一会HP「現在の二一会について」参照)。
(2) 東弁リブラ2011年2月号「東弁における会派-その現状と未来-」によれば,平成22年11月1日現在の会員数は,法友会が2398人,法曹親和会が1497人,期成会が587人,水曜会が人数非公表です。
(3)ア 平成27年度東京弁護士会役員につき,伊藤茂昭会長が法友会であり,6人の副会長のうち,2人が法友会,3人が法曹親和会(東京法曹会,二一会及び大同会から1人ずつ),1人が期成会でした(澤藤統一郎の憲法日記ブログ「東京弁護士会役員選挙結果紹介 - 理念なき弁護士群の跳梁」参照)。
イ 平成29年度東京弁護士会役員につき,渕上玲子会長が法曹親和会であり,6人の副会長のうち,3人が法友会,2人が法曹親和会,1人が期成会でした(ちきゅう座ブログ「今年は平穏無事だー2017年東京弁護士会役員選挙事情」参照)。
(4) 弁護士吉峯康博ブログ「宇都宮チーム・グループの日弁連会長選挙準備期間(全国各地の『意見交換会』など)約6カ月間の経過を書きました!!」(平成22年2月3日初稿)には,「東弁の約100年の歴史の中で、『無派閥』から東弁副会長になったのは、宇都宮健児弁護士ただ1人です。」と書いてあります。
(5) 令和3年9月17日に第1回会議(設立会議)が開催された東京弁護士会歴史研究会(略称は「REKIKEN」です。)は,東京弁護士会の歴史を研究し,学ぶことを目的としています(東弁リブラ2021年11月号「東弁今昔物語~150周年を目指して~ 第1回 REKIKEN~150周年へ向けてキックオフ」及び「理事者室から 綸言?汗のごとし」参照)。
2 法友会
(1) 法友会は,11の会派が集まることで,昭和21年12月14日に結成されました。
(2) 法友会は以下の各部によって構成されています(法友会HPの「法友会の歴史・沿革」参照)。
第1部 易水会,第2部 二六会,第3部 縦横会
第4部 緑新会,第5部 公正会,第6部 至誠会
第8部 春秋会,第10部 法曹緑会,第11部 達成会
第12部 法曹同志会
(3) 昭和38年8月1日に結成された法友全期会は,司法修習終了15年以内の会員によって構成されています。
(4) 法友会HPの「各部のご紹介」に,それぞれの部会の幹事長挨拶が載っています。
(5) 「東弁における会派-その現状と未来-」末尾5頁には以下の記載があります(改行を追加しました。)。
菊地:法友会の場合には7部を除くと実質10の部がありますが,一番多い12部でも547人で,一番小さいところで64人。これだけの人数差があるんですね。それが10カ部あって,それを統括するのが法友会。各部がいろんな個性を発揮して,いろんな活動をやっているんですね。
大きな部,小さな部がありますから,活動にばらつきが出てくる。法友会の行事に依拠している部と,独立独歩を歩んでそれなりの組織を持っている部とでは,だいぶ違う。いろんな部を抱えて,幅広い考え方が出てきますから,法友会について,考え方,思想・信条を一つに束ねた形での特色を語るのはなかなか難しい。
逆に法友会のイメージというのは,ばらつきがあるがゆえの中庸ということになる。ある意味では幅広の会派でしょうし,ある意味ではなんだかつかみどころのない会派かなというイメージを持っています。また,法友全期会の活動領域も大きく,間口は大変広い。

(6) 菊地裕太郎日弁連会長(平成30年度同31年度)は法友会出身です。
(7) 令和元年7月現在,法友会の会派内会派のHPは見当たりません。


3 法曹親和会
(1) 法曹親和会は,東京法曹会二一会法曹大同会及び法曹同志会が中心となって,昭和23年2月29日に結成されました。
(2) 昭和42年,法曹同志会は法曹親和会から脱退して法友会に加入しました。
(3) 親和全期会は,司法修習終了15年以内の会員によって構成されています。
(4) 「東弁における会派-その現状と未来-」末尾4頁には以下の記載があります(改行を追加しました。)。
髙中:法曹親和会は,創立して60数年となりますが,下部組織が3つ,東京法曹会,二一会,法曹大同会ですが,それらの歴史は100年近くあるんですね。
それが戦後集まって,法曹親和会が出来たといういきさつがあります。法曹親和会の特色は,良くも悪くもこの3つの会派に分かれているということに収斂されるのかなと思います。

4 期成会
(1) 期成会は,昭和34年11月に結成されました。
(2) 「東弁における会派-その現状と未来-」末尾5頁には以下の記載があります。
桒原:期成会は,労働事件,公害環境事件,薬害事件,冤罪事件等々,いろいろな運動体と一緒にすすめる事件をやっている会員が比較的多いということで,護憲とか,人権擁護の活動を大切にしたいという会員が多いということは言えると思います。
(3) 期成会創立趣意書(昭和34年11月)には以下の記載があります。
   法友・親和の二会派は、戦後理事者選挙のための選挙母体として、親睦団体である既成小会派が連合して成立したものでありますが、修習生出身弁護士の大半は、入会早々会の実情に通ぜず、弁護士会の在るべき姿に想到しえない時期に、漫然とこれらの既成会派に所属し、主義も理想もない選挙戦の濁流に投ぜられているのであります。われわれは、一期から十一期に至る修習生出身弁護士諸兄が、既成会派の中から東弁改革の発言と行動を起こされることを期待し、他方東弁全期会を結成して東弁民主化への努力を重ねてきたのでありますが、かような方法では最早限界に到達したものと判断せざるを得ない情況であります。然し修習生出身会員は既に四百名に達し、毎年四十名を越える気鋭の士が入会しつつあり、この際志を同じくする者が、明確な目的を有する団体を結成し、これら有為の新進を迎え入れる中核とならなければ、東弁浄化の機会は永久に失われるものと言っても過言でないと思います。従って既に会派に所属する諸兄も、以上の趣旨を十分御理解のうえ、入会当時の理想と抱負を再びここに新たにして、強力な団体結成のため、多数参加せられるよう希望する次第であります。


第3   第一東京弁護士会(大正11年5月20日創立総会)の会派

1 総論
(1) 第一東京弁護士会には,全期会,新緑会,青風会及び第一倶楽部という4つの会派があります。
(2) 令和元年7月現在,会派のHPがあるのは全期会だけみたいです。
(3) 東京弁護士会の全期会は,法友会又は法曹親和会の若手会であるのに対し,第一東京弁護士会の全期会は,ベテラン弁護士を含む会派そのものです。
2 全期会
(1) 全期会は,昭和26年4月,司法研修所出身の若手会員によって創設された会派であり,第一東京弁護士会の最大会派です(全期会HPの「第一東京弁護士会全期会とは」参照)。
(2) 19期の梶谷剛日弁連会長(平成16年度同17年度),及び28期の村越進日弁連会長(平成26年度同27年度)は全期会出身です(全期会HPの「全期出身会長・最高裁・日弁連・関弁連役員一覧」参照)。
(3) 期前の島谷六郎最高裁判所判事,2期の佐藤庄市郎最高裁判所判事,7期の尾崎行信最高裁判所判事,11期の梶谷玄最高裁判所判事,16期の中川了滋最高裁判所判事及び24期の大橋正春最高裁判所判事は全期会出身です(全期会HPの「全期出身会長・最高裁・日弁連・関弁連役員一覧」参照)。


第4 第二東京弁護士会(大正15年3月30日創立総会)の会派

1 総論
    第二東京弁護士会には,紫水会全友会五月会日比谷倶楽部,向陽会,新風会,清友会及び日本法曹倶楽部という8つの会派があります。
2 紫水会
(1) 紫水会は昭和56年に設立されました。
(2) 大野正男最高裁判所判事,濱田邦夫最高裁判所判事及び那須弘平最高裁判所判事は紫水会出身です(紫水会HPの「紫水会について」参照)。
3 全友会
(1) 全友会は昭和45年に設立されました。
(2) 東洋経済オンラインの「弁護士界の”細かすぎる派閥”はこう生まれた」には「全友会は五月会、日本法曹倶楽部とはまったく別に、左翼系の革新派弁護士が1970年に創設。現在最大会派と言われる紫水会は、1980年に全友会から分離独立している。」と書いてあります。
4 五月会
   笠井直人平成30年度第二東京弁護士会会長は,五月会出身です(五月会HPの「五月会とは」参照)。
5 日比谷倶楽部
   令和元年6月14日に創立総会を開催した「頼りがいのある司法を築く日弁連の会」代表世話人の山岸良太弁護士が所属しています。
6 清友会
    昭和30年頃から生成されたみたいです(清友会HPの「第1回 清友会の歴史と私 (弁護士 鹿野琢見)」参照)。


第5 大阪弁護士会の会派

1 総論
(1)   大阪弁護士会には以下の7つの会派があります。
① 友新会(1899年結成)
② 一水会(1915年結成)
③ 法曹同志会(1920年結成)
④ 法友倶楽部(1930年結成)
⑤ 法曹公正会(1938年結成)
⑥ 春秋会(1958年結成)
⑦ 五月会(1971年結成)
(2) 友新会HPの「けっこう使える!行事表」には,日弁連,近弁連及び大阪弁護士会のスケジュールが載っています。
2 7会派から選出される7人の副会長
(1) 大阪弁護士会の7人の副会長は通常,7つの会派から1人ずつ選出されています。
   ただし,法曹同志会出身の副会長がいない年度については,他の会派から2人の副会長が選出されるなどしています。
(2) 大阪弁護士会の副会長の人数は,明治13年の設立当初は2人であり,大正15年度に3人となり,昭和39年度に4人となり,昭和57年度に5人となり(以上につき,大阪弁護士会百年史の資220ないし資236),平成16年度に7人となりました。
3 それぞれの会派ごとの人数
(1) 「弁護士 土谷喜輝のブログ」「会派」(平成27年3月30日付)によれば,それぞれの会派ごとの人数は以下のとおりです。
① 友新会   670名
② 春秋会   647名
③ 一水会   620名
④ 法曹公正会 481名
⑤ 法友倶楽部 455名
⑥ 五月会   449名
⑦ 法曹同志会 295名
(⑧ 無所属  631名)
合計       4248名
(2) 月刊大阪弁護士会2019年8月号7頁ないし16頁に大阪弁護士会の会派のことが説明されていますところ,それによれば,令和元年7月時点の人数は,友新会が692人,一水会が665人,春秋会が664人,法曹公正会が502人,法友倶楽部が486人,五月会が466人,法曹同志会が309人です。
4 春秋会及び五月会
(1) 春秋会は,昭和33年7月5日に大阪弁護士会に登録した10年に満たない3期から10期までの弁護士約60名により結成されました。春秋会の名称は,司馬遷の史記の「春秋に富む(年若く、将来が長い)」から名付けられたとのことです(春秋会HPの「春秋会とは」参照)。
(2) 五月会は,春秋会の一部会員が分離独立して結成された会派です(法曹公正会HPの「各会派の移り変わり」参照)。
(3) 私の所属会派は五月会です。


第6   愛知県弁護士会の会派

   愛知県弁護士会には,清流会,烏合会,公正倶楽部,無名会及び法曹維新会という5つの会派があります(愛知県名古屋市の弁護士ブログ「会派」参照)。


第7 関連記事

・ 弁護士会館
・ 日弁連の会長及び副会長
・ 日弁連の歴代会長及び事務総長
・ 日弁連役員に関する記事の一覧

司法修習生等に対する採用のための勧誘行為自粛の要請に関する最高裁及び法務省の対応

目次
1   69期の要請文書
2 69期の要請文書の発出について,文書によるやり取りはなかったこと
3 70期ないし72期の要請文書
4 72期の要請文書に関して,文書のやり取りは存在しないこと
5 関連記事その他

1   69期の要請文書
(1) 72期以前につき,日弁連は,単位弁護士会会長を通じて日弁連会員(弁護士)に対し,毎年,採用のための勧誘行為自粛を要請していました。
(2) 69期の場合,日弁連は,日弁連会員に対し,以下の要請をしています(第69期司法修習生等に対する採用のための勧誘行為自粛に関する協力について(平成27年9月3日付の日弁連会長要請)(ナンバリングを1ないし5から①ないし⑤に変えています。))。
① 会員は,第69期の司法修習生及び司法修習予定者(以下合わせて「司法修習生等」という。)に対し,平成28年2月28日まで,採用のための勧誘行為は行ってはならない。
  なお,採用情報の提供(修習開始の前後を問わず弁護士会が主催して行う採用説明会を含む。)及び事務所見学の案内は含まれない。
② 会員は,司法修習生等に対し,過度の飲食提供,その他不相当な方法による採用のための勧誘行為を行ってはならない。
③ 会員は,第69期の司法修習生等から採用申込みを受けても,平成28年2月28日までは,これを応諾してはならない。
④ 会員は,第69期司法修習生等に対する採用決定(内定を含む。)により,司法修習生等を拘束してはならない。
  会員は,第69期司法修習生等の会員に対する採用の申込み又は会員からの採用の申込みに対する第69期司法修習生等の承諾につき,司法修習生等が撤回することを妨げてはならない。
⑤ 会員は,職業選択に関する司法修習生等の自由な意思を尊重しなければならない。
(2) 73期以降の司法修習生については,司法修習開始前の採用活動が正式に解禁されました(「司法修習生等に対する採用に関する日弁連の文書(73期以降の取扱い)」参照)。

2 69期の要請文書の発出について,文書によるやり取りはなかったこと
(1) 69期の場合,司法研修所事務局長は,日弁連事務次長との間で,口頭で,前年までと同様の内容による要請文書を発出することを改めて確認していますが,文書によるやり取りはしていません(平成28年度(最情)答申第9号(平成28年4月27日答申))。
(2) 日弁連の文書には,平成22年度から法務省との間でも協議を重ねてきたと書いてありますが,司法修習生に対する採用のための勧誘行為自粛について,法務省が最高裁及び日弁連と協議を行ってきた事実は確認されていません(平成28年度(行情)答申第321号(平成28年9月14日答申))。

3 70期ないし72期の要請文書
(1)ア 第70期司法修習生等に対する採用のための勧誘行為自粛に関する協力について(平成28年10月27日付の日弁連会長要請)(以下「70期要請文書」といいます。)を掲載しています。
イ 69期までと異なり,協議した相手が司法研修所だけになっていました。
(2)  平成29年10月19日付の最高裁判所事務総長の理由説明書には,「70期要請文書の発出に当たっては,司法研修所事務局長と日弁連事務次長との間で協議が行われ,同文書の案文を作成,取得しているが,この案文は,同文書の内容が確定した時点で,保有する必要がなくなったため廃棄した。」と書いてあります。
(3) 以下の文書を掲載しています。
・ 
第71期司法修習生等に対する採用のための勧誘行為自粛に関する協力について(平成29年9月7日付の日弁連会長要請)
・ 第72期司法修習生等に対する採用のための勧誘行為自粛に関する協力について(平成30年10月4日付の日弁連会長要請)

4 72期の要請文書に関して,文書のやり取りは存在しないこと
(1) 平成31年1月15日付の理由説明書には「(3) 最高裁判所の考え方及びその理由」として以下の記載があります。    ア 本件対象文書には公にすると法人等の権利,競争上の地位その他正当な利益を害するおそれがある情報(担当者直通の電話番号)が記載されている。
    よって,行政機関情報公開法第5条第2号イに定める不開示情報に相当することから,当該情報が記載されている部分を不開示とした。
   なお,苦情申出人は, 日本弁護士連合会ホームページに同会法制部法制第一課の電話番号が公表されている旨主張するが,同電話番号は,本件で不開示とした電話番号とは異なる。
イ  また,苦情申出人は,本件対象文書の原案が存在する旨主張するところ,本件対象文書の発出に当たり司法研修所事務局長と日本弁護士連合会事務次長との間で協議は行われたが,本件対象文書の内容は昨年版から修習の期及び日付が変更されたのみで実質的な内容には変更がなかったことから,文書のやりとりは行われていない。したがって,本件対象文書以外に本件開示申出文書に該当する文書を作成又は取得していない。
(2) 本件開示申出文書は,「第72期司法修習生等に対する採用のための勧誘行為自粛に関して,最高裁が日弁連と協議した際に作成し,又は取得した文書」です。

5 関連記事その他
(1) 少なくとも69期の場合,第1クールが終了した平成28年2月28日(日)までに,弁護士会主催の就職説明会はほぼ終了していました(「司法修習の日程」参照)。
(2) ジュリナビHPのカレンダー及びアットリーガルHPの法律事務所説明会カレンダーを見る限り,平成28年3月以降,69期を対象とした法律事務所説明会はあまり開催されなかったように思われます。
(3) 34期の林道晴司法研修所事務局長が寄稿した「新司法修習のポイント」には以下の記載があります(自由と正義2008年10月号54頁。なお,改行を追加しました。)。
    近時、一部の法律事務所の中には、司法修習が開始される前に(新司法試験の合格発表前の例すらあるようである。)、司法修習生への採用申込みをする者に弁護士としての採用の内定を出している例もあるようである。その結果、司法修習生の中には、内定先の法律事務所での執務に関係のない科目(特に、刑事系の科目)の修習に熱意を見せない者が出てきているなどとの指摘が配属庁会の指導官からされている。
    こうしたことこそが、各人の自己実現の機会を制約するだけでなく、統一修習システムの根幹を揺るがすことにもつながりかねない極めて憂慮すべき事態ではなかろうか。
    弁護士事務所への就職難という状況があるにしても、少なくとも司法修習の導入部に当たる期間は、司法修習生が落ち着いた環境で修習に専念する必要性が大きいことは異論のないところであり、そのためにはこうした期間内に、修習環境の整備が図られる必要があると考えている。
(4) 令和3年4月30日時点における「青少年の雇用機会の確保及び職場への定着に関して事業主、特定地方公共団体、職業紹介事業者等その他の関係者が適切に対処するための指針」(平成27年厚生労働省告示第406号)(略称は「事業主等指針」です。)には以下の記載があります。
ロ 事業主は、採用内定者について労働契約が成立したと認められる場合には、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない採用内定の取消しは無効とされることについて十分に留意し、採用内定の取消しを防止するため、最大限の経営努力を行う等あらゆる手段を講ずること。
また、やむを得ない事情により採用内定の取消し又は入職時期の繰下げを行う場合には、当該取消しの対象となった学校等の新規卒業予定者の就職先の確保について最大限の努力を行うとともに、当該取消し又は繰下げの対象となった者からの補償等の要求には誠意を持って対応すること。

(5) 以下の記事も参照してください。
・ 司法修習生の就職関係情報等が載ってあるHP及びブログ
・ 司法修習生等に対する採用に関する日弁連の文書(73期以降の取扱い)

大阪弁護士会の就職説明会の日時,場所等

○大阪弁護士会の就職説明会の日時は以下のとおりであす(大阪弁護士会HPの「修習生・弁護士向け就職支援情報」)。

・ 73期の場合
   令和 元年10月12日(土)午前10時~午後4時5分(午後0時15分~午後1時15分は昼休み)
・ 72期の場合
   平成30年10月13日(土)午前10時~午後4時5分(午後0時15分~午後1時15分は昼休み)
・ 71期の場合
   平成29年10月14日(土)午前10時~午後4時(午後0時30分~午後1時30分は昼休み)
・ 70期の場合
   平成28年10月29日(土)午前10時~午後4時(午後0時30分~午後1時30分は昼休み)
・ 69期の場合
   平成27年10月31日(土)午前10時~午後4時(午後0時30分~午後1時30分は昼休み)
・ 68期の場合
   平成26年11月22日(土)午前10時~午後4時(午後0時30分~午後1時30分は昼休み)
・ 67期の場合
   平成25年12月14日(土)午前10時~午後4時(午後0時30分~午後1時30分は昼休み)
・ 66期の場合
   平成24年12月15日(土)午前10時~午後4時(午後0時30分~午後1時30分は昼休み)
・ 65期の場合
   平成23年12月10日(土)午前10時~午後4時(午後0時30分~午後1時30分は昼休み)

*1 68期から導入修習が開始したため,日程が前倒しとなりました。
*2 大阪弁護士会の就職説明会は常に大阪弁護士会館(大阪市北区西天満1-12-5)で開催されています。
*3 71期までの場合,30分ごとにブースを移動しましたから,最大で10個の法律事務所又は企業の説明を聞くことができました。
*4 72期の場合,30分の説明時間及び5分の移動時間でワンセットとなりましたから,最大で9個の法律事務所又は企業の説明を聞くことができます。

司法修習生就職合同説明会の参加基準(東京三会申し合わせ)(抜粋)

目次
第1 司法修習生就職合同説明会の参加基準(東京三会申し合わせ)(抜粋)
第2 関連記事その他

第1 司法修習生就職合同説明会の参加基準(東京三会申し合わせ)(抜粋)
・ 第71期司法修習生等東京三弁護士会就職合同説明会」に掲載されていた「司法修習生就職合同説明会の参加基準(東京三会申し合わせ)(抜粋)」は,以下のとおりです。
所属弁護士の誰かが戒告の懲戒処分を受けた場合,弁護士法人又は法律事務所全体が1年間,就職説明会に参加できなくなるみたいです(3条(3)本文)し,過去1年間に市民窓口等の相談件数が10回以上ある場合も就職説明会に参加できなくなるみたいです(3条(10))から,大事務所ほど参加条件を満たせない可能性が高くなる気がします。

(法律事務所の参加条件)
第3条 就職説明会へ参加申込を行った法律事務所又はその所属弁護士のいずれかの会員が、就職説明会開催期日又は特に各号に規定された日において、次のいずれかに該当する場合には、当該法律事務所の参加は認められない。

(1) 業務停止期間中である場合、綱紀委員会で懲戒相当とされて懲戒委員会に付議されている場合、又は所属するいずれかの弁護士会の請求により、綱紀委員会に付議されている場合。
(2) 業務停止以上の懲戒処分を受け、処分の効力が生じてから3年以内である場合。ただし、業務停止処分にあっては、停止期間満了から3年以内である場合。
(3) 戒告の懲戒処分を受け、処分の効力が生じてから1年以内である場合。ただし、非弁提携事案による戒告の場合は、処分の効力が生じてから3年以内である場合。
(4) 過去20年間に戒告以上の処分を3回以上受けた場合。
(5) 非弁提携行為を行ったと認定され東京三会何れかの非弁提携行為の防止に関する会議体から警告、是正措置等を受け、それらを受けた日から1年を経過していない場合。
(6) 東京三会のいずれかの会の個別の就職説明会参加基準に抵触する場合。
(7) 弁護士法、東京三会又は日弁連の会則、会規に違反していると認められる場合。
(8) 就職説明会の手続の円滑な実施に協力しない場合、又は過去の就職説明会の実施に協力しない行為があった場合。
(9) 前年度又は前々年度の就職説明会に参加の申込みをしたにもかかわらず、正当な理由なく開催日の2週間前以後に参加を取り止めた場合。
(10) 申し込み時又は就職説明会開催日から過去1年間に、東京三会各会が設置する苦情等相談受付け窓口(市民窓口等)の相談件数が10回以上ある場合。
(11) 申し込み時に会費を3か月分以上滞納し、就職説明会の参加申込期限内に会費滞納の状況が解消されない場合。
(12) 非弁提携行為の防止に関する会議体による調査を受けている場合。
(13) 日弁連の求人求職情報提供システムへ掲載しない旨の決定を受けて3年が経過していない場合。
(14) 東京三会何れかの規程に違反し、若しくは事務の運営を妨げ又は業務執行において著しく不適当な行為を行ったことを理由として、国選弁護人、国選付添人、国選医療観察付添人、国選被害者参加弁護士及び当番弁護士(以下「国選弁護人等」という。)の候補者の推薦停止又は国選弁護人等の推薦を受ける者を登録する名簿から抹消されて3年が経過していない場合。
(15) その他弁護士の信用及び品位を害する恐れがあると認められる場合。

(企業等の参加要件)
第4条 就職説明会へ参加申込を行った当該企業等について、東京三会のいずれからも異議が出されないときは、参加を認める。この場合、当該企業等に東京三会の会員が所属することを要しない。ただし、次のいずれかに該当する場合は、参加は認められない。
(1) 当該企業等の業務が次のいずれかに該当する場合。
1) 営業形態が善良な風俗を害し又は公共の福祉に反するおそれがある場合。
2) 販売方法、宣伝広告方法等が消費者を害するおそれがある場合。
3) 非弁護士活動の助長、弁護士の肩書の不正使用その他弁護士法違反又は弁護士法の精神に反するおそれがある場合。
4) 当該企業の役員又は従業員に、反社会的勢力の構成員ないし準構成員がいる場合。
5) 当該企業が反社会的勢力と何らかの取引関係にある場合。
6) 当該企業が金銭提供、便益の供与等方法を問わず、反社会的勢力の行動を助長する活動を行っている場合。
(2) 東京三会あるいは各弁護士会からの要請にもかかわらず、当該企業等が弁護士の使命に反せず、かつ弁護士の信用及び品位を害するおそれがないと認めるに足りる資料又は情報を提供しない場合。
(3) 当該企業等に、東京三会の会員が所属するときは、当該会員が前条第1項各号のいずれかに該当する場合。この場合、前条第2項の規定を準用する。
(4) 弁護士法72条(非弁護士の法律事務の取扱い等の禁止)に違反するおそれがあると解される場合。
(5) 前号のほか弁護士法、弁護士職務基本規程その他の法令違反のおそれがあると解される場合。
(6) 採用予定内容が、業務委託契約あるいは1年未満の有期契約の場合。
(7) 参加の可否を判断するために十分な情報が得られない場合。

    上記の内容を確認し、よろしければ「上記に同意する」ボタンをクリックしてください。

第2 関連記事その他
1(1) 暴力団員であるのに暴力団員でないことを表明,確約して銀行の担当者に口座開設等を申し込み,通帳等の交付を受けた行為は,当該銀行において,政府指針を踏まえて暴力団員からの貯金の新規預入申込みを拒絶する旨の約款を定め,申込者に対し暴力団員でないことを確認していたなどの事実関係の下では,刑法246条1項の詐欺罪に当たります(最高裁平成26年4月7日判決)。
(2) 金融機関が,主債務者が反社会的勢力であるか否かについて相当な調査をすべきであるという信用保証協会との間の信用保証に関する基本契約上の付随義務に違反して,その結果,反社会的勢力を主債務者とする融資について保証契約が締結された場合には,上記基本契約に定められた保証債務の免責条項にいう金融機関が「保証契約に違反したとき」に当たります(最高裁平成28年1月12日判決)。
2 以下の記事も参照して下さい。
・ 司法修習生等に対する採用のための勧誘行為自粛の要請に関する最高裁及び法務省の対応
・ 司法修習生等に対する採用に関する日弁連の文書(73期以降の取扱い)

東京三会修習生就職合同説明会の参加者数等の推移

目次
1 67期ないし71期の状況
2 59期ないし61期及び66期当時の状況
3 関連記事その他

1 67期ないし71期の状況
(1) 東京三会修習生就職合同説明会の参加者数等の推移は以下のとおりです。
① 67期の場合(平成25年10月14日開催)

・   のべ48法律事務所・35企業・9弁護士会,約941名の司法修習予定者等が参加しました(とうべんいんふぉ2014年6月号6頁)。
・ 平成25年の司法試験合格者数は2049人でしたから,参加率は45.9%です。
② 68期の場合(平成26年10月13日開催)
・   のべ54法律事務所・38企業・7弁護士会,約850名の司法修習予定者等が参加しました(とうべんいんふぉ2015年7月号)。
・ 平成26年の司法試験合格者数は1810人でしたから,参加率は46.9%です。
③ 69期の場合(平成27年10月12日開催)
・   のべ61法律事務所・34企業・6弁護士会,約724名の司法修習予定者等が参加しました(とうべんいんふぉ2016年7月号)。
・ 平成27年の司法試験合格者数は1850人でしたから,参加率は39.1%です。
④ 70期の場合(平成28年10月10日開催)
・   のべ70法律事務所・30企業・6弁護士会,約600名の司法修習予定者等が参加しました(とうべんいんふぉ2017年7月号)。
・ 平成28年の司法試験合格者数は1583人でしたから,参加率は37.9%です。
⑤ 71期の場合(平成29年10月9日開催)
・ のべ93法律事務所・36企業・6弁護士会,538名の司法修習予定者等が参加しました(とうべんいんふぉ2018年7月号)。
・ 平成29年の司法試験合格者数は1533人でしたから,参加率は35.1%です。
(2) 司法修習予定者等とあるのは,司法修習予定者(当年の司法試験合格者)及び司法修習生(前年の司法試験合格者)のことです。
(3)ア 2019年4月以降,「とうべんいんふぉ」は過去の分も含めて東弁の会員サイトに移行したため,一般の人は閲覧できなくなりました。
イ 「とうべんいんふぉ」(リンク切れ)では,司法修習生と書いてありますものの,参加者の90%以上は司法修習予定者と思います。

2 59期ないし61期及び66期当時の状況
・ 東京地裁平成29年2月10日判決(判例秘書に掲載)には以下の記載があります。
    東京三会は,日本弁護士連合会及び関東弁護士会連合会との共催の下,合同で司法修習生等に対して法律事務所及び企業の就職のための情報提供をする目的で就職説明会を開催している(以下「合同説明会」という。)。近年における合同説明会の実施状況は以下のとおりである。(甲3,9,弁論の全趣旨)
(ア) 平成18年3月11日開催(第59期司法修習生対象)
    参加法律事務所45事務所,参加司法修習生等131名
(イ) 同年9月30日及び10月1日開催(第60期司法修習生対象)
    参加法律事務所のべ103事務所,参加司法修習生のべ857名
(ウ) 平成19年2月24日及び25日開催(第60期司法修習生対象)
    参加法律事務所のべ77事務所,参加司法修習生のべ783名
(エ) 同年9月29日及び同月30日開催(第60期及び第61期司法修習生対象)
    参加法律事務所のべ70事務所,参加司法修習生のべ396名
(オ) 平成24年10月27日開催(第66期司法修習生対象)
    参加法律事務所38事務所,参加司法修習生929名

3 関連記事その他
1 58期から69期までの司法修習生採用者数及び司法試験合格者数が法務省HPの「司法修習生採用者数・考試(二回試験)不合格者数」に載っています。
2 以下の記事も参照してください。
・ 司法修習生の就職関係情報等が載ってあるHP及びブログ
・ 東京三会修習生就職合同説明会の日時,場所等

東京三会修習生就職合同説明会の日時,場所等

1 東京三会修習生就職合同説明会の日時,場所等は以下のとおりです。

・ 73期の場合
日時:令和 元年10月14日(月・祝)午前11時~午後4時30分
場所:TRC東京流通センター第一展示場A~Dホール
住所:東京都大田区平和島6-1-1(最寄り駅:東京モノレール 流通センター駅)

・ 72期の場合
日時:平成30年10月8日(月・祝)午前11時~午後4時30分
場所:TRC東京流通センター第一展示場A~Dホール
住所:東京都大田区平和島6-1-1(最寄り駅:東京モノレール 流通センター駅)

・ 71期の場合
日時:平成29年10月9日(月・祝)午前11時~午後4時30分
場所:TRC東京流通センター第一展示場A~Dホール
住所:東京都大田区平和島6-1-1(最寄り駅:東京モノレール 流通センター駅)

・ 70期の場合
日時:平成28年10月10日(月・祝)午前11時~午後4時30分
場所:TRC東京流通センター第一展示場A~Dホール
住所:東京都大田区平和島6-1-1(最寄り駅:東京モノレール 流通センター駅)

・ 69期の場合
日時:平成27年10月12日(月・祝)午前11時~午後4時30分
場所:TRC東京流通センター第一展示場A~Dホール
住所:東京都大田区平和島6-1-1(最寄り駅:東京モノレール 流通センター駅)

・ 68期の場合
日時:平成26年10月13日(月・祝)午前11時~午後4時30分
場所:TRC東京流通センター第一展示場A~Dホール
住所:東京都大田区平和島6-1-1(最寄り駅:東京モノレール 流通センター駅)

・ 67期の場合
日時:平成25年10月14日(月・祝)午前11時~午後4時30分
場所:東京都立産業貿易センター台東館4・5階展示室
住所:東京都台東区花川戸2-6-5

・ 66期の場合
日時:平成24年10月27日(土)午前11時~午後4時30分
場所:東京都立産業貿易センター浜松町館4・5階展示室
住所:東京都港区海岸1-7-8(最寄り駅:JR浜松町駅(北口)から徒歩5分)

・ 65期の場合
日時:平成23年10月15日(土)午前11時~午後4時30分
場所:東京流通センター第二展示場Fホール
住所:東京都大田区平和島6-1-1(最寄り駅:東京モノレール 流通センター前駅)

・ 64期の場合
日時:平成22年10月31日(日)午前9時30分~午後6時30分
場所:AKIBA_SQUARE
住所:東京都千代田区外神田4-14-1 秋葉原UDX2階
* 午前9時30分~午後1時30分,及び午後2時30分~午後6時30分の2部制で修習生の参加が振り分けられました(平成22年9月付の東京三会会長名の文書参照)。

2 「東京三会修習生就職合同説明会の参加者数等の推移」も参照してください。

第71期司法修習生向けの,弁護士会の就職説明会等の日程

○以下の日程につき,個別のリンクがないものはすべて,日弁連HPの「法律事務所への入所をお考えの方へのご案内」が情報源です。
司法修習中の期間よりも司法修習開始前の期間の方が,就職関係のイベントが充実している気がします。

平成29年
12月16日(土)
① 午後1時~午後4時30分
   日弁連の,就職活動セミナー(弁護士会館17階会議室)
② 午後1時~(終了後懇親会)
青法協弁学合同部会の,法律家4団体合同の事務所説明会(主婦会館プラザエフ)
平成30年
1月20日(土)
① 午後1時~午後5時

北海道弁護士会連合会の,採用説明会(札幌弁護士会館5階)
②   午後4時~午後6時30分
京都弁護士会の,採用情報説明会(京都弁護士会館 地階大ホール)
1月27日(土)
① 午後1時~午後4時
三重弁護士会の,採用説明会(三重弁護士会館)
② 午後1時~午後5時
鹿児島県弁護士会の,採用説明会(鹿児島県弁護士会館)
③ 午後1時30分~午後4時
長野県弁護士会の,採用説明会(長野県弁護士会館)
④ 午後2時30分~午後5時
東北弁護士会連合会の,採用説明会(仙台弁護士会館)
⑤ 午後3時~午後5時
青法協弁学合同部会の,法律家4団体共催法律事務所説明会(TKP大阪本町カンファレンスセンター カンファレンスルーム3A)
2月3日(土)午後1時~午後3時
岡山弁護士会の,採用説明会(岡山弁護士会館)
2月10日(土)午後1時15分~午後4時30分
①   神奈川県弁護士会の,合同就職説明会(神奈川県弁護士会館)
② 広島弁護士会の,就職説明会及び交流会(広島弁護士会館)
2月11日(日)午後2時30分~午後5時30分(終了後に懇親会)
群馬弁護士会の,採用説明会(メトロポリタン高崎)
3月2日(金)午後6時30分~
   愛知県弁護士会の,第71期司法修習生・若手弁護士と組織内弁護士との就職情報交換会
4月6日(金)午後6時30分~
愛知県弁護士会の,就職説明会(愛知県弁護士会館5階「ホール」等)
7月27日(金)午後6時30分~
愛知県弁護士会の,第2回就職説明会(愛知県弁護士会館5階「ホール」等)
10月5日(金)午後6時30分~午後8時30分
神奈川県弁護士会の,就職活動応援パーティー(神奈川県弁護士会館)

第70期司法修習生向けの,弁護士会の就職説明会等の日程

平成28年
12月3日(土)午後1時~午後4時
   日弁連の,就職活動セミナー(弁護士会館2階講堂「クレオ」A)
→ 69期までは,同趣旨のセミナーはありませんでした。
12月10日(土)午後1時~午後6時
青法協弁学合同部会の,法律家4団体合同の事務所説明会(主婦会館プラザエフ)
12月17日(土)午後1時~午後4時30分
   日弁連の,公益活動を担う弁護士になろう!~法テラススタッフ弁護士・日弁連ひまわり基金弁護士・偏在対応弁護士 説明会~(弁護士会館2階講堂「クレオ」等)
平成29年
(1月4日(水) 第1クール開始)
1月14日(土)午後2時~午後5時(交流会は午後8時まで)
   広島弁護士会の就職説明会及び交流会(広島弁護士会館)
1月21日(土)午後1時30分~午後5時(その後に懇親会)
   北海道弁護士会連合会の,就職・開業説明会(札幌弁護士会館)
1月28日(土)
① 午後1時~午後3時
    三重弁護士会の,採用(入会)説明会(三重弁護士会館)
② 午後1時30分~午後4時
   長野県弁護士会の,採用説明会(長野県弁護士会館)
③ 午後2時30分~午後5時
   東北弁護士会連合会の,合同就職・開業支援説明会(仙台弁護士会館)
④ 午後3時~午後5時
青法協弁学合同部会の,法律家4団体共催法律事務所説明会(TKP大阪本町カンファレンスセンター カンファレンスルーム3A)
2月4日(土)
① 午後1時~午後3時
   岡山弁護士会の,採用説明会(岡山弁護士会館2階大会議室)
② 午後1時15分~午後4時30分
   神奈川県弁護士会の合同就職説明会(神奈川県弁護士会館)
2月9日(木)午後7時~
   奈良弁護士会の,採用説明会(奈良弁護士会館)
2月11日(土)
① 午後2時00分~午後4時00分
   栃木県弁護士会の,採用説明会(栃木県弁護士会館)
② 午後2時30分~午後5時30分
   群馬弁護士会の,就職説明会(群馬弁護士会館3階会議室)
③ 午後4時~午後6時30分
   京都弁護士会の,採用説明会(京都弁護士会館)
2月18日(土)
青法協弁学合同部会の,法律事務所説明会(名古屋第一法律事務所3階)
(2月28日(火) 第2クール開始)
4月1日(土)午後1時00分~午後3時00分
日弁連の,即時独立開業に関する相談会(弁護士会館17階会議室)
4月7日(金)午後6時30分~午後8時
   愛知県弁護士会の,就職説明会(愛知県弁護士会館5階「ホール」等)
5月13日(土)午後1時30分~
京都弁護士会の,司法修習生採用情報説明会(京都弁護士会館地階大ホール)
→ 企業内弁護士の採用に限定した説明会でした。
(4月24日(月)第3クール開始)
6月3日(土)午後1時30分~午後4時
日弁連の,企業内弁護士セミナー(弁護士会館2階講堂「クレオ」A)
6月9日(金)午後6時~午後8時
   札幌弁護士会の,就職活動応援パーティー(ロイトン札幌20階パールホール)
(6月17日(土) 第4クール開始)
6月17日(土)午後1時~午後5時
  鹿児島県弁護士会の,採用説明会(鹿児島県弁護士会館)
6月19日(月)午後6時~
   広島弁護士会の,就職活動応援パーティー等(広島弁護士会館)
7月28日(金)午後6時30分~
   愛知県弁護士会の,就職活動応援パーティー等(愛知県弁護士会館)
(8月14日(月) A班集合修習開始)
9月15日(金)午後6時30分~
   愛知県弁護士会の,就職活動応援パーティー等(愛知県弁護士会館)
(9月29日(金) A班選択型実務修習開始)
10月6日(金)午後6時30分~午後8時30分
   神奈川県弁護士会の,就職応援会(神奈川県弁護士会館5階会議室)
11月27日(月)午後6時~

愛知県弁護士会の,就職相談会(愛知県弁護士会館)

第69期司法修習生向けの,弁護士会の就職説明会の日程

平成27年
12月12日(土)午後1時~
   青法協弁学合同部会の,事務所説明会(主婦会館プラザエフ)
平成28年
1月23日(土)
① 午後1時~午後3時
   三重弁護士会の,三重弁護士会就職(入会)説明会(三重弁護士会3階ホール)
② 午後1時~
   札幌弁護士会の,説明会(札幌弁護士会館3階)及び懇親会(ロイトン札幌)
③ 午後1時30分~午後4時30分
   長野県弁護士会の,就職情報説明会(長野県弁護士会館大会議室(4階))
1月30日(土)午後3時~午後5時
青法協弁学合同部会の,法律家4団体共催・法律事務所就職説明会(TKP大阪本町カンファレンスセンター カンファレンス3A)
2月6日(土)
① 午後0時45分~午後4時30分
   横浜弁護士会の,合同就職説明会(横浜弁護士会館)
② 午後1時~午後3時
   岡山弁護士会の,採用説明会(岡山弁護士会館2階会議室)
2月13日(土)
① 午後2時~午後8時
   広島弁護士会の,就職説明会及び交流会(広島弁護士会館)
② 午後2時30分~午後5時
   東北弁護士会連合会の,採用説明会(仙台弁護士会館)
2月20日(土)午後3時~午後7時
青法協弁学合同部会の,法律事務所説明会(名古屋第一法律事務所3階)
4月1日(金)午後6時~
   愛知県弁護士会の,司法修習生等に対する就職説明会(愛知県弁護士会館5階ホール)
5月12日(木)午後6時30分~午後7時30分
日弁連の,国会議員政策担当秘書説明会(弁護士会館17階1702会議室)
5月21日(土)午後1時30分~午後3時30分
日弁連の,企業内弁護士セミナー(弁護士会館2階講堂「クレオ」BC)
8月19日(金)午後6時30分~
   愛知県弁護士会の就活応援パーティー(愛知県弁護士会館5階ホール)
9月3日(土)午後1時00分~午後3時00分
日弁連の,就職・即時独立開業に関する相談会(弁護士会館14階・17階会議室)
10月14日(金)午後6時30分~午後8時30分
   神奈川県弁護士会の,就職活動応援パーティー等(神奈川県弁護士会館)

大阪弁護士会就職支援委員会主催の懇談会,並びに自治体職員,企業内弁護士及び政策担当秘書に関する各種資料

目次
1 大阪弁護士会就職支援委員会主催の懇談会
2 自治体職員関係の参考HP
3 企業内弁護士関係の参考HP
4 政策担当秘書関係の参考データ等
5 組織内弁護士に関する弁護士職務基本規程の条文
6 関連記事その他

1 大阪弁護士会就職支援委員会主催の懇談会
(1)ア 大阪弁護士会就職支援委員会は,平成30年度までの間,以下の懇談会及びその後の懇親会を開催しており,大阪弁護士会事務局に事前に参加申し込みをすれば,大阪修習でなくても参加することができました(開催時期が近づくと,大阪弁護士会HPの「修習生・弁護士向け就職支援情報」に案内チラシが掲載されます。)。
① 平成26年度
平成27年1月17日(土)  政策担当秘書との懇談会
平成27年1月22日(木)  自治体職員との懇談会
平成27年2月19日(木)  企業内弁護士との懇談会
② 平成27年度
平成28年2月10日(木)  自治体職員との懇談会
平成28年2月23日(火)  企業内弁護士との懇談会
平成28年3月 5日(土)  政策担当秘書との懇談会
③ 平成28年度 
平成29年2月 4日(土)  自治体職員との懇談会
平成29年2月24日(金)  企業内弁護士との懇談会
平成29年3月25日(土)  政策担当秘書との懇談会
④ 平成29年度
平成30年2月17日(土)  自治体職員との懇談会
平成30年3月 9日(金)  企業内弁護士との懇談会
平成30年3月24日(土)  政策担当秘書との懇談会
⑤ 平成30年度
平成31年2月16日(土)  政策担当秘書との懇談会
平成31年3月15日(金)  企業内弁護士との懇談会
平成31年3月23日(土)  自治体職員との懇談会
イ 参加者数の減少に伴い,平成31年度以降,懇談会は開催されなくなりました。
(2) 平成28年2月10日の自治体職員との懇談会については,参加された講師の先生が「自治体職員との懇談会」と題する記事を書いています。
(3) 営利業務及び公務に従事する弁護士に対する弁護士会及び日本弁護士連合会の指導・監督に関する基準(平成16年2月1日日弁連理事会議決)3条4号は以下の行為を禁止しています。
① 弁護士が,営利業務に従事する場合において,営利業務に際し,当該営利業務外の弁護士としての職務を依頼するよう勧誘する行為
② 弁護士が,公務に従事する場合において,公務に際し,当該公務外の弁護士としての職務を依頼するよう勧誘する行為


2 自治体職員関係の参考HP
(1) 総務省HP
ア 「臨時・非常勤職員及び任期付職員の任用等について」(平成26年7月4日付の総務省自治行政局公務部長通知)には,臨時・非常勤職員や任期付職員の任用等について,制度の趣旨,勤務の内容に応じた任用・勤務条件が確保できるように留意すべき事項が記載されています。
イ 「地方公共団体における任期付職員制度の活用状況」には,平成22年度から平成26年度までの,任期付職員の採用状況の推移等が記載されています。
ウ 「短時間勤務の職員に関する制度」には,非常勤職員,臨時的任用職員及び任期付短時間勤務職員の違いが記載されています。
エ 総務省HPに以下のとおり,地方公共団体の議会の議員及び長の任期満了に関する調が載っています。
・ 平成29年1月1日付
・ 平成30年1月1日付
・ 平成31年1月1日付
→ これとは別に,平成31年統一地方選挙執行予定団体に関する調が載っています。
オ 毎年11月1日現在の,地方公共団体の議会の議員及び長の任期満了に関する調は,総務省HPの「選挙関連資料」に載っています。
(2) 法務省HP
ア 平成29年4月1日現在の,地方公共団体における法曹有資格者の常勤職員等が,第7回法曹養成制度連絡協議会(平成29年5月19日開催)資料2「日弁連配付資料(国・自治体・福祉等)」に載っています。
イ 平成30年12月1日現在の,地方公共団体における法曹有資格者の常勤職員等が,第11回法曹養成制度連絡協議会(平成30年12月20日開催)資料2「日弁連配付資料(国・自治体・福祉等)」に載っています。
(3) 大阪府HP
ア 「第2章 地方公務員の任用根拠」には,正職員,臨時・非常勤職員,再任用職員及び任期付職員の任用根拠が記載されています。
イ 「第3章 任用根拠別府内職員数の現状」には,府内正職員数の推移,府内臨時・非常勤職員数の推移,及び府内再任用職員数の推移が記載されています。
(4) 法自研HP
・ 平成28年9月7日,法曹有資格者自治体法務研究会(法自研)HPが開設されたみたいです。
(5) その他のHP
ア 内閣官房内閣人事局HP「人事統計報告」常勤職員在職状況統計表が載っています。
イ 二弁フロンティア2017年7月号「自治体勤務弁護士との座談会」が載っていて,二弁フロンティア2021年12月号「自治体勤務弁護士の座談会~自治体における弁護士の仕事~」が載っています。
ウ 弁護士ドットコムニュースに「なぜ,兵庫県明石市は弁護士の採用に力を注ぐのか」が載っています。
エ 日弁連HPの「市民の意見を反映(市民会議)」にある「第37回日本弁護士連合会市民会議議事録」(平成25年3月6日開催分)では,平成24年4月に採用が開始した明石市の自治体弁護士5人のことが説明されています。
    また,リンク先の11頁によれば,平成24年9月分の弁護士会費から,明石市の自治体弁護士が自分で負担するようになったみたいです(この点については,平成24年9月11日の明石市議会定例会の議事録に詳しい質疑応答が載っています。)。
オ 大阪弁護士会行政連携センターHP「書庫(公開資料)」に,行政連携に関する月刊大阪弁護士会の記事が載っています。
カ 国立国会図書館HP「調査と情報」に,「地方公務員制度-国家公務員との比較の観点から-」(平成25年3月19日発行の777号)が載っています。


3 企業内弁護士関係の参考HP
(1) 日本組織内弁護士協会(JILA)HPに色々とデータが載っています。
(2) 日弁連HPの「基礎的な統計情報」における「弁護士の活動領域の拡大」において,弁護士会別企業内弁護士数等が載っています。
    また,日弁連HPの「企業内弁護士の採用にあたって」には,弁護士の採用が,一般の採用とどのような違いを持っているかについて説明されています。
(3) 第一東京弁護士会が平成26年8月25日に作成した「企業内弁護士雇用の手引き」には,企業と司法修習生・弁護士のマッチングを支援するための様々な情報が載ってあります。
(4) 大阪で企業内弁護士になる場合,大阪弁護士会弁護士業務改革委員会第3部会が平成27年10月22日に作成した「企業内弁護士になる方(新人・中途)向けQ&A」が参考になります。


(5) 平成29年4月現在の企業内弁護士の実情が,第7回法曹養成制度連絡協議会(平成29年5月19日開催)資料3「日弁連配付資料(企業)」に載っています。
(6) ビジネスローヤーHPの「第2回「インハウス・ロイヤー」という選択肢 – 日本にとってCLOは必要なのか? 」に,日清食品HD法務部の「十誡」(じゅっかい)が載っています。
(7) soraのblogの「訴訟の準備に関する法務担当の雑感」には,(1)関係者を集めて意識あわせをすること(①正確性にこだわること,②弁護士には遠慮なく何でも話すこと,及び③決まったことを勝手に変えないこと),(2)部門ごとにとりまとめ役を置くことが大事であると書いてあります。
(8) 東弁リブラ2022年7・8月合併号「インハウスローヤーの実態と外部弁護士との関係」が載っています。



4 政策担当秘書関係の参考データ等
(1) 平成5年度の制度開始から平成27年度までのデータとして,政策担当秘書に関する以下のデータを掲載しています。
① 国会議員政策担当秘書 資格試験合格者・選考採用審査認定者数の推移表
② 衆議院の国会議員政策担当秘書の口述審査合格状況等の推移表
③ 参議院の国会議員政策担当秘書の口述審査合格状況等の推移表
(2) 東弁リブラ2017年7月号「議員秘書の仕事~弁護士の第4の活動領域~」が参考になります。
(3) 議員立法の実務については,国立国会図書館HP「レファレンス」「議員立法序説」(レファレンス平成27年9月号)及び「議員立法はどのように行われてきたか」(レファレンス平成28年1月号)が非常に参考になります。

5 組織内弁護士に関する弁護士職務基本規程の条文
(自由と独立)
第五十条 官公署又は公私の団体(弁護士法人を除く。以下これらを合わせて「組織」という)において職員若しくは使用人となり、又は取締役、理事その他の役員となっている弁護士(以下「組織内弁護士」という)は、弁護士の使命及び弁護士の本質である自由と 独立を自覚し、良心に従って職務を行うように努める。

 (違法行為に対する措置)
第五十一条 組織内弁護士は、その担当する職務に関し、その組織に属する者が業務上法令に違反する行為を行い、又は行おうとしている ことを知ったときは、その者、自らが所属する部署の長又はその組織の長、取締役会若しくは理事会その他の上級機関に対する説明又は勧告その他のその組織内における適切な措置をとらなければならない。

6 関連記事その他
(1) 東京都市町村職員退職手当組合HP「退職手当制度について」には「国家公務員又は他の地方公務員から引き続き職員となった場合には、その期間は通算されます。また、退職後、他の地方公共団体等へ引き続き就職した場合は、退職手当は支給されず、その期間は通算されます。」と書いてあります。
(2) 国又は地方公共団体が専ら行政権の主体として国民に対して行政上の義務の履行を求める訴訟は,不適法です(最高裁平成14年7月9日判決)。
(3) 以下の記事も参照して下さい。
・ 政策担当秘書関係の文書

弁護士の懲戒請求権が何人にも認められていることの意義

目次
第1 橋下徹弁護士が第1審被告となった最高裁平成23年7月15日判決の補足意見
1 裁判官竹内行夫の補足意見
2 裁判官須藤正彦の補足意見
第2 日弁連副会長の説明
第3 懲戒請求に伴うリスク等
1 懲戒請求に伴うリスク
2 懲戒請求の位置づけに関する最高裁判決の補足意見
第4 懲戒制度を濫用する意図があるとされた事例
1 懲戒請求者本人の場合
2 懲戒請求者代理人の場合
第5 弁護士の告発が懲戒事由となる限界事例等
1 弁護士の告発が懲戒事由となる限界事例
2 弁護士の告発予告が懲戒事由となった事例
3 「刑事事件に発展する可能性がある」等と記載したことが懲戒事由となった事例
4 告訴が被告訴人に対する不法行為を構成する場合
5 相手方に対する警告文で留意すべき事項
第6 関連記事その他

第1 橋下徹弁護士が第1審被告となった最高裁平成23年7月15日判決の補足意見
1 裁判官竹内行夫の補足意見
・ 「懲戒請求権が何人にも認められていることの意義」として以下のとおり述べています(ナンバリング及び改行を行いました。)。なお,本件発言④は,④「懲戒請求ってのは誰でも彼でも簡単に弁護士会に行って懲戒請求を立てれますんで,何万何十万っていう形であの21人の弁護士の懲戒請求を立ててもらいたいんですよ」というものでした。
(1) 第1審被告は,本件発言④において,懲戒請求は「誰でも彼でも簡単に」行うことができる旨述べた。
   弁護士法58条1項は,「何人も」懲戒の事由があると思料するときはその事由を添えて懲戒請求ができるとして,広く一般の人に対して懲戒請求権を認めている。
   これは,弁護士に対する懲戒については,その権限を自治団体である弁護士会及び日本弁護士連合会に付与し国家機関の関与を排除していることとの関連で,そのような自治的な制度の下において,懲戒権の適正な発動と公正な運用を確保するために,懲戒権発動の端緒となる申立てとして公益上重要な機能を有する懲戒請求を,資格等を問わず広く一般の人に認めているものであると解される。
   これは自治的な公共的制度である弁護士懲戒制度の根幹に関わることであり,安易に制限されるようなことがあってはならないことはいうまでもない。
   日本弁護士連合会のインターネット上のホームページにおいても,「懲戒の請求は,事件の依頼者や相手方などの関係者に限らず誰でもでき,その弁護士等の所属弁護士会に請求します(同法58条)」と紹介されているところである。
   懲戒請求の方式について,弁護士法は,「その事由の説明を添えて」と定めているだけであり,その他に格別の方式を要求していることはない。
    仮に,懲戒請求を実質的に制限するような手続や方式を要求するようなことがあれば,それは何人でも懲戒請求ができるとしたことの趣旨に反することとなろう。
(2) また,「懲戒の事由があると思料するとき」とはいかなる場合かという点については,懲戒請求が何人にも認められていることの趣旨及び懲戒請求は懲戒審査手続の端緒にすぎないこと,並びに,綱紀委員会による調査が前置されていること(後記)及び綱紀委員会と懲戒委員会では職権により関係資料が収集されることに鑑みると,懲戒請求者においては,懲戒事由があることを事実上及び法律上裏付ける相当な根拠なく懲戒請求をすることは許されないとしても,一般の懲戒請求者に対して上記の相当な根拠につき高度の調査,検討を求めるようなことは,懲戒請求を萎縮させるものであり,懲戒請求が広く一般の人に認められていることを基盤とする弁護士懲戒制度の目的に合致しないものと考える。
    制度の趣旨からみて,このように懲戒請求の「間口」を制約することには特に慎重でなければならず,特段の制約が認められるべきではない。
    この点については,例えば本件のような刑事弁護に関する問題であるからとの理由で例外が設けられるものではない。
(3) 第1審被告は,本件発言④で懲戒請求は「誰でも彼でも簡単に」行うことができると述べて本件呼び掛け行為を行ったが,その措辞の問題は格別,その趣旨は,懲戒請求権を広く何人にも認めている弁護士法58条1項の上記のような解釈をおおむね踏まえたものと解することができると思われる。
(4) ところで,広く何人に対しても懲戒請求をすることが認められたことから,現実には根拠のない懲戒請求や嫌がらせの懲戒請求がなされることが予想される。
   そして,そうしたものの中には,民法709条による不法行為責任を問われるものも存在するであろう。
   そこで,弁護士法においては,懲戒請求権の濫用により惹起される不利益や弊害を防ぐことを目的として,懲戒委員会の審査に先立っての綱紀委員会による調査を前置する制度が設けられているのである。
   現に,本件懲戒請求についても,広島弁護士会の綱紀委員会は,一括調査の結果,懲戒委員会に審査を求めないことを相当とする議決を行ったところである。
   綱紀委員会の調査であっても,対象弁護士にとっては,社会的名誉や業務上の信用低下がもたらされる可能性があり,また,陳述や資料の提出等の負担を負うこともあるだろうが,これらは弁護士懲戒制度が自治的制度として機能するためには甘受することがやむを得ないとの側面があろう。


2 裁判官須藤正彦の補足意見
(1)   弁護士法上,「何人も」懲戒請求の申出が認められる(弁護士法58条1項)。その趣旨は,弁護士にあっては,主権者たる国民によりいわゆる「弁護士自治」が負託され,弁護士の懲戒権限が,弁護士会に固有の自律的権能として与えられているところ,その権限の行使が適正になされるためには,それについて国民の監視を受けて広く何人にも懲戒請求が認められることが必要であるからということにある。
    言うまでもなく,弁護士自治ないしは自律的懲戒制度の存立基盤をなすのは,主権者たる国民の信認であるから(「信なくば立たず」である。),この面からも懲戒請求が認められる者の範囲は広くかつ柔軟に解されるべきであって,厳格な調査,検討を求めて,一般国民による懲戒請求の門戸を狭めるようなことがあってはならないし,また,弁護士会によっても,懲戒事由がある場合について,懲戒請求が広く推奨されたりするところである。
    しかしながら,同時に,「何人も」とされていることは,懲戒請求者に,恣意的な懲戒請求を許容したり,広く免責を与えることを意味するわけではない。

    懲戒請求者は,懲戒事由があることを事実上及び法律上裏付ける相当な根拠について調査,検討をすべき義務を負うものであり(なお,弁護士法58条1項は,「その事由の説明を添えて」懲戒請求の申出をすることができる旨規定する。),その調査検討義務は上記のとおり厳格に要求されるものではないとしても,安易に懲戒請求がなされてよいということではないのである。
    けだし,懲戒請求は,それがなされると,弁護士会は必ず綱紀委員会の調査に付すから(弁護士法58条2項),対象弁護士は,陳述や資料の提出等を求められ(同法70条の7),また,「懲戒の手続に付された」ことによって,弁護士会の登録換えや登録取消しができなくなる(同法58条2項,62条1項)から,別の地にての開業や公務員への転職もできなくなるという制約も受け,また,事実上,懲戒請求がなされたということが第三者に知られるだけで,対象弁護士自身の社会的名誉や業務上の信用の低下を生じさせるおそれを生じさせ得,軽視し得ない結果が生ずるからである(なお,最高裁平成19年4月24日第三小法廷判決・民集61巻3号1102頁参照)。
(2) 肝腎なことは,懲戒請求が広く認められるのは,弁護士に「品位を失うべき非行」等の懲戒事由がある場合に,弁護士会により懲戒権限が,いわば「疎にして漏らす」ことなく行使されるようにするためであるということである(綱紀審査会制度(弁護士法71条)もほぼ同様の考え方に基づく。)。
    懲戒請求は,弁護士活動に対する批判のための手段として設けられた制度ではないし,弁護士活動に対する苦情申立制度でもない(弁護士会の苦情相談窓口などで責任をもって対処されるべきものである。)。
    特に,前者についていえば,もとより不当な弁護士活動が批判の対象となると同時に懲戒事由に該当することはあり得,その場合は懲戒請求は当然妨げられることはないが,しかし,そのことは,懲戒請求が弁護士活動を批判するための制度であるということを意味するものではないのである。
    更に,ある弁護士につき品位を失うべき非行などの懲戒事由が認められるのに弁護士会が懲戒権限を正しく行使しないというような場合,弁護士会の懲戒制度の運用は不当であり,これについても世論などによって厳しく批判されてしかるべきであろう(所属弁護士会の懲戒しないとの結論に不服な懲戒請求者は,日弁連綱紀委員会に異議を申し出て,その審査を受けることができ(弁護士法64条),更にそこでその結論が維持されたことで不服な場合は,非法曹のみによって構成される綱紀審査会に審査請求をすることができる(同法64条の3)。)。
    だがそのことと懲戒請求を行うこととは別であって,懲戒事由の存否は冷静かつ客観的に判定されるべき性質のものである以上,弁護士会の懲戒制度の運用や結論に不満があるからといって,衆を恃んで懲戒請求を行って数の圧力を手段として弁護士会の姿勢を改めさせようとするのであれば,それはやはり制度の利用として正しくないというべきである。

第2 日弁連副会長の説明
・ 井元義久 日弁連副会長は,法曹制度検討会(第4回)(平成14年5月14日実施分)において以下のとおり説明しています。
 2番目の、何人も弁護士会宛に特定の弁護士を懲戒することを請求することができるということでありますが、更に各弁護士会が懲戒処分をしなかったり、あるいは懲戒処分をしたけれども、その懲戒処分が軽いということで請求者が納得しないといった場合には、日弁連に異議を申し出ることができます。この制度的なものは、先ほどお話ししましたフローチャートに書いてあるとおりでございまして、日弁連の懲戒委員会が、現在、異議の申立をすべて受けているということになっております。
  我が国の弁護士の綱紀・懲戒制度を見た場合には、何人も請求できるということに特徴がございますが、先進諸国の弁護士の懲戒制度を見ましても、また、我が国の裁判官、検察官、その他の公務員の懲戒・罷免制度を見ましても、一般に懲戒請求や罷免の訴追請求が、懲戒者や罷免権者の職権の発動を促すと位置づけられておるということでございますが、ドイツ、フランスでは、一般人からの懲戒請求は認められておりません。その意味では、我が国の懲戒制度というのは開かれたものであるということが言えるのではないかと思います。
  それでは、どうして我が国が、弁護士に対する懲戒請求を何人も行うことができるとしたのかということでございますが、これは現行弁護士法が弁護士の懲戒権を弁護士会の自治権の一部として位置づけておりまして、その結果、弁護士会に弁護士懲戒権行使を委ねておりますから、その適切な行使を可能ならしめるために広く一般の人に懲戒を請求することを認めたものであるという具合に弁護士会としては考えておりまして、これは「条解弁護士法(第二版補正版)」の423ページにこの趣旨が記載されております。


第3 懲戒請求に伴うリスク等
1 懲戒請求に伴うリスク
(1) 虚偽告訴罪
ア 弁護士に対して理由のない懲戒請求をした場合,損害賠償請求をされることがありますし,その内容が虚偽の申告であった場合,虚偽告訴罪(刑法172条)が成立することがあります。
イ 虚偽の申告とは,申告の内容をなすところの刑事・懲戒の処分の原因となる事実が客観的真実に反することをいいます(最高裁昭和33年7月31日決定)。
(2) 懲戒請求をしたこと自体に基づく懲戒
ア 平成24年10月16日発効の日弁連の取消裁決には以下の記載があります(自由と正義2012年12月号111頁)。
     弁護士が懲戒請求書を作成した場合に、その記載内容がいかなる場合であっても、弁護士としての品位を失うべき非行にあたらないとは解されないのであって、弁護士職務基本規程第70条において、他の弁護士等との関係において、相互に名誉と信義を重んじることとされていることに鑑みれば、対象弁護士を侮辱する表現やその人格に対する誹誇中傷等については、弁護士としての品位を失うべき非行にあたる場合があるものと解すべきである。
イ 平成31年3月25日発効の第一東京弁護士会の懲戒事例では,弁護士である懲戒請求者本人が業務停止2月となり,代理人弁護士が戒告となりました(自由と正義2019年7月号123頁ないし125頁)ところ,2020年弁護士懲戒事件議決例集(第23集)19頁によれば,懲戒委員会議決書には以下の記載がありました。
    弁護士が自ら又は代理人として関与する場合には,懲戒事由があることを事実上及び法律上裏付ける相当な根拠について調査,検討することは通常人に比べ容易であり,また不当な懲戒請求により被請求者が被る不利益や弁護士自治への悪影響についても容易に認識することができるのであるから,違法な懲戒請求をした場合の非難可能性はむしろ通常人に比してより重大というべきである。この理は弁護士が自ら請求人として請求する場合でも何ら変わりなく(「解説弁護士職務基本規程第3版」201頁。同解説はむしろ注意義務は加増されるとする),自らが当事者である私的紛争の一環でなされたことは情状として考慮される要素となるか否かの問題に過ぎない。
(3) 懲戒請求をしたことに基づく損害賠償責任の発生
・ 弁護士法58条1項に基づく懲戒請求が事実上又は法律上の根拠を欠く場合において,請求者が,そのことを知りながら又は通常人であれば普通の注意を払うことによりそのことを知り得たのに,あえて懲戒を請求するなど,懲戒請求が弁護士懲戒制度の趣旨目的に照らし相当性を欠くと認められるときには,違法な懲戒請求として不法行為を構成します(最高裁平成19年4月24日判決)。
2 懲戒請求の位置づけに関する最高裁判決の補足意見
・ 最高裁平成19年4月24日判決における裁判官田原睦夫の補足意見に以下の記載があります。
    殊に弁護士が自ら懲戒請求者となり,あるいは請求者の代理人等として関与する場合にあっては,根拠のない懲戒請求は,被請求者たる弁護士に多大な負担を課することになることにつき十分な思いを馳せるとともに,弁護士会に認められた懲戒制度は,弁護士自治の根幹を形成するものであって,懲戒請求の濫用は,現在の司法制度の重要な基盤をなす弁護士自治という,個々の弁護士自らの拠って立つ基盤そのものを傷つけることとなりかねないものであることにつき自覚すべきであって,慎重な対応が求められるものというべきである。


第4 懲戒制度を濫用する意図があるとされた事例
1 懲戒請求者本人の場合
(1) 平成31年3月25日発効の第一東京弁護士会の業務停止2月の場合,「A弁護士らを代理人として被懲戒者の妻Bに対し離婚訴訟を提起していたところ、上記訴訟に先立って行われた離婚調停の期日においてBないしBの代理人であった懲戒請求者C弁護士が調停委員に対してなしたとする、被懲戒者がBを一方的に攻撃し自分は悪くないという自己弁護を記載したメールを長女に対し送付したなどの発言が虚偽の発言であり、被懲戒者に対する名誉毀損に当たるなどとして、上記発言の基本的な部分が事実に基づくものであることを知りながら、A弁護士らを代理人として、懲戒制度を濫用する意図をもって、上記訴訟係属中の2014年4月14日、懲戒請求者C弁護士を対象として懲戒請求を行った。」行為について,弁護士職務基本規程70条及び71条に違反し,弁護士としての品位を失うべき非行に当たるとされました(自由と正義2019年7月号123頁及び124頁)。
(2) 2020年弁護士懲戒事件議決例集(第23集)21頁によれば,第一東京弁護士会の懲戒委員会議決書には,「対象弁護士Yは,離婚の解決を急いでいたが思うように話が進んでいなかったことより,懲戒請求者に対して懲戒請求する旨を伝えて懲戒請求者に圧力をかけるように指示するメール(乙ロ26及び27)を対象弁護士Aに送信していたことから,対象弁護士Yについては,懲戒請求制度を濫用する意図が明瞭であると断ぜざるを得ない。」と書いてあるみたいです。
2 懲戒請求者代理人の場合(1の事例の代理人弁護士です。)
(1) 平成31年3月25日発効の第一東京弁護士会の戒告の場合,「A弁護士からその妻Bに対する離婚調停事件、離婚訴訟事件等を受任していたところ、A弁護士の代理人として、上記調停事件の期日においてBないしBの代理人であった懲戒請求者C弁護士が調停委員に対してなしたとする、A弁護士がBを一方的に攻撃し自分は悪くないという自己弁護を記載したメールを長女に対し送付したなどの発言が虚偽の発言であり、A弁護士に対する名誉毀損に当たるなどとして、A弁護士が上記発言の基本的な部分が事実に基づくものであることを知っていたにもかかわらず、A弁護士の弁解を軽信してしかるべき調査を尽くさず、上記訴訟係属中の2014年4月14日、懲戒請求者C弁護士を対象として懲戒請求を行った。」行為について,弁護士職務基本規程70条に違反し,弁護士としての品位を失うべき非行に当たるとされました(自由と正義2019年7月号124頁及び125頁)。
(2) 2020年弁護士懲戒事件議決例集(第23集)21頁及び22頁によれば,「対象弁護士Aについては,当委員会における陳述態度を見ても反省の情が顕著であり,懲戒請求者が希望するとおりの◯◯万円(山中注:原文でも伏せ字ですが,同議決例集18頁にはなぜか金額が書いてあります。)という高額な示談金を支払い,懲戒請求者との間で示談を成立させ,懲戒請求者から「本件非行事実を許し,懲戒請求を取り下げる」旨の供述を得,「できるだけ寛大な処分を望む」との上申書も提出されている。こうした事情を考慮し,今回に限り,対象弁護士Aについては戒告処分とするのを相当と考える」と書いてあります。



第5 弁護士の告発が懲戒事由となる限界事例等
1 弁護士の告発が懲戒事由となる限界事例

(1) 平成19年10月14日発効の日弁連の裁決には以下の記載があります(自由と正義2007年12月号198頁)。
① Cを告発した行為について
    弁護士が告発をする場合は、弁護士は調査及び検討について一般人より高度の能力を有し、また弁護士法第1条及び第2条の趣旨は弁護士に対し被告発者の人権にも一般人以上に配慮することを求めているといえるから、弁護士には、告発の根拠の調査及び検討につき、一般人より高度な注意義務が課せられている。本事案では、審査請求人がCを弁護士法違反で告発したことについては、告発行為の時点において、CがA社グループの債務整理を行っていたこと、成立させた弁済契約の内容は不公正なものであったことなどが認められ、審査請求人はこれらの事実を債権者、ホテル経営の責任者達からの通報で知ったことが認められる。また、CはD社によるホテルの運営受託業務において、一見して、不当・違法な行為を行う計画を立てていたことが明白に認められる。そして、審査請求人は、告発する約2週間前に山形警察署に相談し、告発を受理し捜査するという言明を得た上で告発行為を行うという慎重な行動をしている事実が認められる。捜査において、弁護士法第72条の報酬性の要件についての証拠固めが十分にできなかったため不起訴処分となったということはあるが、本件では、犯罪の嫌疑については相当程度高度の疑いが存在しており、審査請求人は弁護士に求められる告発の根拠の調査及び検討につき、注意義務を尽くしたというべきである。
    審査請求人の本件告発行為について、原弁護士会が弁護士として品位を失うべき非行に該当するとしたことは、相当でない。
(2) 原処分としての平成19年4月4日発効の山梨県弁護士会の戒告では,「① Cを告発した行為」について以下のとおり記載されていました(自由と正義2007年7月号150頁)。
    被懲戒者は、Bの相談相手で、懲戒請求者らが経営するホテルの運営管理を受託していた会社の専務取締役である懲戒請求者Cを、同年8月6日付で、十分な調査を行わず、具体的証拠がないまま非弁行為を理由として刑事告発した。
2 弁護士の告発予告が懲戒事由となった事例
・ 令和3年2月9日発効の大阪弁護士会の懲戒では,以下の行為について戒告とされました(自由と正義2021年6月号94頁)。
    被懲戒者は、Aと懲戒請求者Bの間の婚姻費用分担請求事件につきAの代理人であったが、2015年12月24日に上記事件の審判が確定し、Aが懲戒請求者Bに対して婚姻費用支払義務を負っていたにもかかわらず、2016年4月4日に懲戒請求者Bの代理人に対して審判に沿った支払いをする旨連絡したものの、それ以上の具体的な支払方法を示さなかったため、懲戒請求者Bの代理人が被懲戒者に対して同年5月13日までに婚姻費用の支払がない場合は法的手段をとる旨通知したところ、その前日である同月12日、懲戒請求者Bの代理人に対し、婚姻費用の支払とは全く関係のない詐欺罪での告発を持ち出し、強制執行をするのであれば刑事告発をすると書面に記載した送付した。
3 「刑事事件に発展する可能性がある」等と記載したことが懲戒事由となった事例
・ 令和3年2月9日発効の大阪弁護士会の懲戒では,以下の行為について戒告とされました(自由と正義2021年8月号54頁)。
    被懲戒者は、A株式会社の要求に応じて懲戒請求者に対し、A社の元総務部長Bに対する懲戒請求者の言動につき、犯罪が成立し、立件される可能性がないにもかかわらず、懲戒請求者に対する聴き取り調査を行わず、弁明の機会を与えないまま、「刑事事件に発展する可能性がある」等と記載して、殊更に犯罪成立及び立件の可能性、懲戒事由該当の可能性を示して退職届の提出を迫り、これに応じないときは懲戒解雇、法的手段に及ぶことを告げるなど、懲戒請求者の意思の自由を確保することへの配慮を全くせず、退職勧奨を目的とする通知として著しく適切さを欠くばかりか、即時の自宅待機を命ずるなど懲戒請求者に不当な結果を強要し、さらに、違法な相殺を理由とする退職金不支給を一方的に通知するなど、A社の正当な利益の実現を求めるものとは認められない内容の通知書を送付した。
4 告訴が被告訴人に対する不法行為を構成する場合

・ 広島高裁平成31年3月14日判決(判例時報2474号(2021年5月11日号)106頁ないし122頁)は,以下の判示をしています(改行を追加しています。)。
    告訴は、被告訴人を犯罪者であると名指しするものであり、対象者である弁護士等に品位を失うべき非行があったこと等を理由とする懲戒の請求に比べ、被告訴人に対する非難の程度が異なり、その名誉等が毀損される程度はより大きい。そうすると、過失による不法行為における告訴人の注意義務は、懲戒請求者のそれ平成19年判決参照)に比べ高度なものというべきであり、告訴人が、被告訴人に犯罪の嫌疑をかけることを相当とする客観的根拠を確認すべき注意義務を怠った場合には、違法な告訴として不法行為を構成するものと解すべきである。
5 相手方に対する警告文で留意すべき事項
・ クロスレファレンス民事実務講義(第3版)6頁には,「弁護士としての「手紙」の出し方」の一内容として以下の記載があります。
    相手方(代理人に対するものも含む)に対する警告文で,「ついては,◯◯までに△△してください。△△がなされない場合,民事責任または刑事責任が生じる可能性もありますので,重々ご留意ください」というような表現を時折見かけます。しかし,あなたが,この文面を用いようとする場合,相手方代理人から「いかなる民事責任または刑事責任が生じることになるのか,明示して説明されたい」という返答が返ってくることを想定しましょう。特に,刑事責任の予告については,脅迫と紙一重ですから,真に刑事責任が生じると伝えて差し支えないのか,現実に告訴手続を取る覚悟が,依頼者にもあるのか,十分に自問・検討しましょう。また,民事の紛争で,刑事責任の予告を行うことのプラスの効果と,いたずらに相手方を刺激し感情的対立を激化させるマイナスを勘案すると,それを行うことが依頼者の利益になる,というケースは殆どないのではないか,と感じます。
    そこで,代理人に対する場合は,例えば「△△がなされない場合,紛争をいたずらに深刻化させることになりますので,ご留意いただきますようお願いいたします」,相手方に代理人が付いていない場合は,「△△がなされない場合,法的な責任が生じる可能性もありますので,ご留意くださいますようお願いします」,このような表現も考えられるところです。


第6 関連記事その他
1 弁護士の懲戒制度は,弁護士会又は日弁連の自主的な判断に基づいて,弁護士の綱紀,信用,品位等の保持をはかることを目的とするものでありますものの,弁護士法58条所定の懲戒請求権及び同法64条所定の異議申出権は,懲戒制度の目的の適正な達成という公益的見地から特に認められたものであり,懲戒請求者個人の利益保護のためのものではありません(最高裁昭和49年11月8日判決)。
2 以下の記事も参照してください。
・ 弁護士会の懲戒手続
・ 弁護士の懲戒事由
・ 弁護士法56条1項の「品位を失うべき非行」の具体例
・ 弁護士の懲戒処分と取消訴訟
・ 弁護士の職務の行動指針又は努力目標を定めた弁護士職務基本規程の条文
・ 弁護士に対する懲戒請求事案集計報告(平成5年以降の分)

弁護士の懲戒処分の公告,通知,公表及び事前公表

目次
第1 懲戒処分の公告(日弁連会則68条)

1 日弁連による公告
2 大阪弁護士会による公告
第2 懲戒処分の通知(日弁連会則68条の3及び68条の4)
1 対象弁護士等に対する通知
2 日弁連等に対する通知
3 最高裁判所等に対する通知
4 懲戒請求者に対する通知
第3 懲戒処分の公表
1 弁護士会の場合
2 日弁連の場合(日弁連会則68条の2第1項参照)
第4 懲戒処分の事前公表
1 弁護士会の場合
2 日弁連の場合(日弁連会則68条の2第2項参照)
第5 弁護士の懲戒処分の官報公告に関する説明
第6 関連記事

第1 懲戒処分の公告(日弁連会則68条)
1 日弁連による公告
(1) 日弁連は,弁護士会又は日弁連が対象弁護士等を懲戒した場合,遅滞なく,懲戒の処分の内容を官報をもって公告しなければなりません(弁護士法64条の6第3項)。
(2) 日弁連は,弁護士会又は日弁連が対象弁護士等を懲戒した場合,懲戒の処分の内容等を機関雑誌である「自由と正義」に掲載して公告します(懲戒処分の公告及び公表等に関する規程3条参照)。
2 大阪弁護士会による公告
(1)   大阪弁護士会所属の弁護士又は弁護士法人に対する懲戒処分があった場合,懲戒処分の主文及び詳細な理由が大阪弁護士会の機関紙である「月刊大阪弁護士会」(毎月末日発行)(大阪弁護士会HPの「広報誌」参照)に掲載されます。
(2) 大阪弁護士会館13階の会員ロビー掲示板にも,懲戒処分の主文及び詳細な理由が掲載されます。


第2 懲戒処分の通知(日弁連会則68条の3及び68条の4)
1 対象弁護士等に対する通知
   弁護士会又は日弁連が対象弁護士等を懲戒した場合,又は懲戒しない旨を決定した場合,対象弁護士等に対し,懲戒の処分の内容及びその理由を書面により通知しなければなりません(懲戒した場合につき弁護士法64条の6第1項,懲戒しない旨を決定した場合につき弁護士法64条の7第1項2号及び同条第2項2号)。
2 日弁連等に対する通知
   弁護士会は,対象弁護士等を懲戒した場合,懲戒の手続に付された弁護士法人のほかの所属弁護士会及び日弁連に対し,懲戒の処分の内容及びその理由を書面により通知しなければなりません(弁護士法64条の6第2項)。
3 最高裁判所等に対する通知

   弁護士会又は日弁連が業務停止以上の懲戒処分をした場合,遅滞なく,最高裁判所,検事総長その他の官公署に対し,その旨及びその内容を通知しなければなりません(単位弁護士会による懲戒につき日弁連会則68条の3第1項及び懲戒処分の公告及び公表等に関する規程4条,日弁連による懲戒につき日弁連会則68条の3第2項及び懲戒処分の公告及び公表等に関する規程5条)。
4 懲戒請求者に対する通知
   弁護士会が対象弁護士等を懲戒し,又は懲戒した旨の決定をした場合,速やかに,懲戒請求者に対し,その旨及びその理由を書面により通知しなければなりません(日弁連会則68条の4第1項)。
   その際,日弁連に対して異議の申出ができる旨を教示しなければなりません(日弁連会則68条の4第2項)。

第3 懲戒処分の公表
1 弁護士会の場合
   弁護士会は,懲戒処分の効力発生後,懲戒処分の内容を速やかに公表することがあります(懲戒処分の公告及び公表等に関する規程6条)ものの,戒告の場合は原則として公表しません。
2 日弁連の場合(日弁連会則68条の2第1項参照)
   日弁連は,業務停止,退会命令又は除名の場合,懲戒処分の効力発生後,原則として速やかに公表します(懲戒処分の公告及び公表等に関する規程7条本文及び懲戒処分の公表等に関する規則)。
   日弁連は,戒告の場合,弁護士,弁護士法人,弁護士会又は日弁連に対する国民の信頼を確保するために必要と認めるときに限り,公表することができます(懲戒処分の公告及び公表等に関する規程7条ただし書及び懲戒処分の公表等に関する規則)。


第4 懲戒処分の事前公表
1 弁護士会の場合
(1)   弁護士会は,綱紀委員会に事案の調査を求めたとき,又は懲戒委員会に事案の審査を求めたときは,懲戒に関する処分前であっても,会則又は会規に定めるところにより,対象弁護士の氏名等を公表することができます(懲戒処分の公告及び公表等に関する規程8条参照)。
(2) 平成29年10月11日効力発生の,弁護士法人アディーレ法律事務所に対する業務停止2か月の懲戒処分の場合,懲戒処分の事前公表はされませんでした(弁護士自治を考える会HPの「『アディーレ処分から見える 弁護士組織の“悪質”なる定義』」参照)。
2 日弁連の場合(日弁連会則68条の2第2項参照)
   日弁連は,綱紀委員会に事案の調査を求めたとき,又は懲戒委員会に事案の審査を求めたときは,懲戒に関する処分前であっても,日弁連又は弁護士及び弁護士法人に対する国民の信頼を確保するために緊急かつ特に必要と認めるときは,対象弁護士の氏名等を公表することができます(懲戒処分の公告及び公表等に関する規程9条参照)。


第5 弁護士の懲戒処分の官報公告に関する説明
・ 村山晃日弁連副会長は,平成20年12月5日の日弁連臨時総会において以下の説明をしています。
   懲戒制度を適正に運営をするということは、弁護士会への市民の信頼を確保し、弁護士自治を堅持するうえで不可欠である。懲戒制度の適正な運営は、まず懲戒処分が適正になされていることが最も大切なことである。しかし併せて、処分がなされた後、処分結果をどう扱っていくのかということも、もう一つの課題だと言える。
   そこで、まず導入をされたのが、「自由と正義」に公告をするという制度である。平成15年には弁護士法の改正があり、平成16年からは官報に、戒告も含めてすべての処分が公告をされることになっている。
   これと違って公表制度が、平成3年の臨時総会で導入された。「自由と正義」では、一般市民が知ることはできず不十分だということで、創設された。公表は、いわゆる業務停止以上の処分については、原則全部公表をする。戒告については、それぞれ単位会や日弁連の判断で、社会的にこれは公表するべきだと判断をされたものについてのみ公表をする。この5年間で今日時点まで165件の戒告事例があり、公表をされたのは6件となっている。そういう意味では、戒告については公表されていないケースがほとんどだとご理解をいただきたい。
    ただ、平成16年に官報公告が始まった結果、戒告もすべてこの公告の対象になるので、大変広い範囲の人たちが、結果的には弁護士の処分を知りうる状況になっている。


第6 関連記事その他
1(1) 奈良地裁平成20年11月19日判決(判例秘書に掲載)は以下の判示をしています。
    弁護士会が、綱紀委員会や懲戒委員会の懲戒に関する意見表明の前に、当該弁護士に詐欺・横領等の可能性が濃厚であることを公表することについても、それが当該弁護士に対する著しい不利益処分であり、ときにその名誉・信用を甚だしく毀損し回復不可能な損害を与える場合があることに照らせば、これを認める法令・会則等の規定があるか、又は当該弁護士の非行が重大であって、公表せずにいることによる依頼者等への被害の発生及び拡大が明白であり、公表の緊急の必要性があると認められる場合でなければ、公表することは許されないというべきところ、当時、被告弁護士会につきかかる公表をすることができる旨を定めた法令ないし会則等の規定が存在したことは認められない。
(2)ア 国又は公共団体の公務員による規制権限の不行使は,その権限を定めた法令の趣旨,目的や,その権限の性質等に照らし,具体的事情の下において,その不行使が許容される限度を逸脱して著しく合理性を欠くと認められるときは,その不行使により被害を受けた者との関係において,国家賠償法1条1項の適用上違法となります(最高裁平成26年10月9日判決。なお,先例として,最高裁平成16年4月27日判決最高裁平成16年10月15日判決参照)。
イ 主務大臣の安衛法に基づく規制権限は,労働者の労働環境を整備し,その生命,身体に対する危害を防止し,その健康を確保することをその主要な目的として,できる限り速やかに,技術の進歩や最新の医学的知見等に適合したものに改正すべく,適時にかつ適切に行使されるべきものです(最高裁令和3年5月17日判決。なお,先例として,最高裁平成16年4月27日判決最高裁平成26年10月9日判決)。
2 以下の記事も参照してください。
・ 弁護士の懲戒事由
 弁護士法56条1項の「品位を失うべき非行」の具体例
 弁護士の懲戒請求権が何人にも認められていることの意義
・ 弁護士の職務の行動指針又は努力目標を定めた弁護士職務基本規程の条文
・ 「弁護士に対する懲戒請求事案集計報告(平成5年以降の分)
→ 令和元年の場合,審査請求の件数は30件であり,原処分取消は3件であり,原処分変更は1件です。
・ 弁護士会の懲戒手続