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(AI作成)最高裁人事局総務課長交渉の回答分析

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※以下はAIが生成した要約です。内容の正確性は保証されません。本文をあわせてご確認ください。

本稿は、AIを用いて、当ブログに掲載している「最高裁人事局総務課長交渉の回答」と題する一群の文書を取り上げ、その制度上の位置付けと読み方を整理したものである。これらは、全司法労働組合と最高裁判所事務総局人事局との間で毎年行われる中央段階の交渉について、最高裁判所側が示した回答等を記録した司法行政文書であり、いずれも開示の申出(情報公開請求)により入手したものである。記事末尾には、令和元年から令和6年までの53件(諸要求期の回答18件・秋年期の回答18件・回答留保事項に対する説明17件)のPDFへのリンクを掲げる。

制度面では、交渉の当事者を職員団体としての全司法と当局としての人事局総務課長とし、その法的根拠を裁判所職員臨時措置法による国家公務員法の準用(108条の2以下)に求める。その上で、交渉は団体協約を締結する権利を含まず争議行為も認められないこと、組織編成や定員等の管理運営事項は対象外であること、裁判官は準用の対象外であることといった法的限界を整理する。

文書の体裁としては、総務課長名義で各高裁事務局長宛てに発出される事務連絡と、本体である別紙のマトリクス様式とを区別して読むことを説き、春の「諸要求期」と秋の「秋年期」の別、及び総務課長名義の「回答」と職員管理官名義の「回答留保事項に対する説明」(留保された事項の数値を後日補足するもの)の別を示す。回答から読み取れる主な論点として、人員・定員、各職種の増員、超過勤務・勤務時間管理、給与・定年延長・再任用等を挙げ、「現有人員の有効活用」を基調とする回答の傾向を指摘する。

最後に、これらが最高裁判所自身の認識を示す一次資料である一方、あくまで当局側の見解であって全司法の主張やその当否を示すものではないこと、本稿は資料の所在と読み方を案内するもので内容の当否は評価しないことを留意点として述べる。あわせて、令和元年・2年は説明文書が一覧に見当たらないこと、機密性2の表示や氏名不記載など体裁が年により変化していること、画像PDFで文字検索ができないものが多いことにも注意を促している。

◯本稿では,AIを利用して,当ブログに掲載している「最高裁人事局総務課長交渉の回答」と題する一群の文書を取り上げ,その制度上の位置付けと読み方を整理する。これらの文書は,全司法労働組合と最高裁判所事務総局人事局との間で毎年行われる交渉について,最高裁判所側が示した回答等を記録したものであり,いずれも開示の申出(いわゆる情報公開請求)により入手した司法行政文書である。
◯記事末尾(第6)に,入手済みの53件のPDFへのリンクを一覧として掲げる。

第1 本稿で扱う資料

1 本稿の対象

本稿が対象とするのは,「令和○年諸要求期第○回人事局総務課長交渉(令和○年○月○日実施)の回答」等の表題を持つ一群の文書である。これらは,最高裁判所事務総局人事局の総務課長が,全司法労働組合(以下「全司法」という。)との交渉において示した回答を,各裁判所に送付するために作成した事務連絡である。

すなわち,これらの文書は,個々の裁判所と職員との間の個別のやり取りではなく,全司法の中央組織と最高裁判所事務総局との間で行われる中央段階の交渉について,最高裁判所側が示した回答を記録したものである。総務課長交渉は,こうした中央段階の交渉であり,個々の庁における職員団体と当局との間の交渉とは段階を異にする。交渉で取り上げられるのは,特定の庁の問題にとどまらず,裁判所全体の人的態勢,定員,給与,勤務時間,庁舎等の勤務条件に及ぶ。

あわせて,「回答留保事項に対する説明」と題する文書も対象とする。これは,交渉の場で回答が留保された事項について,後日,最高裁判所事務総局人事局の職員管理官が具体的な数値等を補足する事務連絡である。交渉の場では「検討中である」「後日伝える」等として即答が避けられた事項について,事後に数値や事実関係が示される仕組みであり,「回答」と一体として読むことで,交渉の経過とその帰結を把握することができる。

2 資料の入手方法と性格

これらの文書は,最高裁判所の保有する司法行政文書の開示の申出(一般に「情報公開請求」と呼ばれるもの)によって入手したものである。

もっとも,正確には,裁判所は,行政機関の保有する情報の公開に関する法律(平成11年法律第42号)の適用対象である「行政機関」には当たらない。同法は,行政権を担う行政機関を対象とするものであり,司法権を担う裁判所はその対象に含まれていない。そのため,裁判所の保有する文書のうち裁判事務に関するもの以外の文書,すなわち司法行政文書の開示は,同法ではなく,最高裁判所が定める要綱に基づく開示の申出の制度によって行われている。したがって,本稿で「情報公開」というのは,この開示の申出による入手を指す。

この開示の申出の制度は,何人も利用することができる。申出に対しては,最高裁判所が開示又は不開示の決定を行い,開示された文書は,写しの交付等の方法によって入手することができる。したがって,本稿が掲げる各文書は,いずれも交渉の当事者ではない第三者(一般国民)が,開示の申出を通じて入手し得る,既に公開された文書である。本稿は,こうして公開された文書を整理して紹介するものであり,非公開の内部情報を取り扱うものではない。

3 資料の数量と範囲

本稿が掲げる文書は,令和元年から令和6年までの合計53件である。内訳は,総務課長名義の「回答」が36件,職員管理官名義の「回答留保事項に対する説明」(訂正を含む。)が17件である。

「回答」36件の内訳は,春の「諸要求期」が18件,秋の「秋年期」が18件である。各期とも,原則として第1回から第3回までの3回分の回答が作成されており,1年につき諸要求期3回・秋年期3回の合計6回分の回答が基本となっている。

もっとも,「回答留保事項に対する説明」は,令和3年以降の交渉に関するものが中心であり,令和元年及び令和2年の交渉については,本稿の一覧に見当たらない。これが当時の運用によるものか,開示の申出の範囲によるものかは,本稿では確定していない。したがって,ここに掲げる53件は,この期間の交渉に関する文書を網羅したものではなく,現時点で入手し得た範囲のものである。なお,本稿の文書一覧(第6)では,これらを諸要求期の回答,秋年期の回答及び回答留保事項に対する説明の3つに分けて掲げる。

第2 総務課長交渉とは何か(制度の枠組み)

1 交渉の当事者

(1) 職員団体としての全司法労働組合

全司法は,裁判所の職員(裁判官及び裁判官の秘書官以外の職員)が組織する職員団体である。職員団体とは,職員がその勤務条件の維持改善を図ることを目的として組織する団体又はその連合体をいう(国家公務員法108条の2第1項)。

もっとも,職員のうち,重要な行政上の決定を行う職員や,職員の任免に関して直接の権限を持つ監督的地位にある職員等(いわゆる管理職員等)は,それ以外の職員と同一の職員団体を組織することができない(国家公務員法108条の2第3項)。職員団体は,こうした管理職員等以外の職員によって組織される団体である。なお,管理職員等の範囲は,国家公務員法108条の2第4項の規定が定めるところによるが,後記2(1)の読替えにより,裁判所職員については最高裁判所規則で定められることとなる。

また,職員団体は,登録の申請をすることができる(国家公務員法108条の3)。後記2(1)の準用に伴い,この登録は最高裁判所に対して行われることとなる。登録された職員団体は,後記(3)及び3で述べる交渉に関する規定の適用を受ける。全司法は,こうした登録された職員団体として,最高裁判所と交渉を行っている。

(2) 当局としての最高裁判所事務総局人事局

交渉の相手方となる「当局」は,交渉事項について適法に管理し,又は決定することのできる当局である(国家公務員法108条の5第4項)。すなわち,どの機関が交渉の相手方となるかは,交渉の対象となる事項を実際に管理し,又は決定する権限を有するかどうかによって定まる。

裁判所職員の給与,定員,勤務条件等は,裁判所全体にかかわる事項であり,これらを所管するのは最高裁判所事務総局である。そのため,裁判所全体の勤務条件に関する中央段階の交渉では,最高裁判所事務総局人事局がこれに当たり,実務上は同局の総務課長が交渉の窓口となっている。本稿で扱う「回答」が,いずれも人事局総務課長の名義で発出されているのは,このためである。

2 法的根拠(国家公務員法の準用)

(1) 裁判所職員臨時措置法による準用

裁判所職員の身分取扱いについては,裁判所職員臨時措置法(昭和26年法律第299号)が定めている。同法本則は,裁判官及び裁判官の秘書官以外の裁判所職員の採用,任免,給与,服務等に関する事項について,他の法律に特別の定めのあるものを除くほか,当分の間,国家公務員法(昭和22年法律第120号)の規定を準用すると定める。

その際,これらの規定は,裁判所の組織に合わせて読み替えられる。すなわち,国家公務員法の規定中の「人事院」「内閣総理大臣」「内閣」等は「最高裁判所」と,「人事院規則」「政令」「命令」等は「最高裁判所規則」と読み替えられる(裁判所職員臨時措置法本則)。したがって,国家公務員法において人事院が行うものとされている事務は,裁判所職員については最高裁判所が行うこととなる。

裁判所職員臨時措置法本則は,準用しない規定(準用除外)を列挙しているところ,職員団体に関する規定のうち,第108条及び第108条の5の2は準用の対象から除かれているが,職員団体の定義,登録,交渉等を定める第108条の2から第108条の7までは,準用除外として掲げられていない。したがって,これらの規定は,裁判所職員に準用される。総務課長交渉は,この準用された規定に基づいて行われる交渉である。

なお,裁判所職員の給与や勤務時間等については,国家公務員法のほか,一般職の職員の給与に関する法律(昭和25年法律第95号)や一般職の職員の勤務時間,休暇等に関する法律(平成6年法律第33号)等も,裁判所職員臨時措置法によって準用されている。総務課長交渉で取り上げられる給与や勤務時間に関する事項は,これらの法令を背景とするものである。

(2) 職員団体の定義(国公法108条の2第1項)

国家公務員法108条の2第1項は,「職員団体」を,職員がその勤務条件の維持改善を図ることを目的として組織する団体又はその連合体と定義する。職員団体は,勤務条件の維持改善という目的のために組織される点に特徴がある。

前記(1)の準用により,この規定は裁判所職員にも適用され,裁判所の職員によって組織される全司法は,この職員団体に当たる。なお,全司法のように全国的な規模を持つ団体は,各地の構成団体の連合体としての性格を併せ持つが,国家公務員法108条の2第1項が「団体又はその連合体」と定めていることから,こうした連合体も職員団体に含まれる。

(3) 交渉に応ずべき当局の地位(国公法108条の5第1項)

国家公務員法108条の5第1項は,当局は,登録された職員団体から,職員の給与,勤務時間その他の勤務条件に関し,及びこれに附帯して社交的又は厚生的活動を含む適法な活動に係る事項に関し,適法な交渉の申入れがあった場合においては,その申入れに応ずべき地位に立つと定める。

したがって,当局である最高裁判所は,登録された職員団体である全司法から,勤務条件に関する適法な交渉の申入れがあれば,これに応ずべき地位に立つ。総務課長交渉は,この規定に基づいて行われる交渉である。交渉の対象となるのは,職員の給与,勤務時間その他の勤務条件であり,本稿で扱う回答が,定員,給与,超過勤務,庁舎等を取り上げているのは,これらが勤務条件に関する事項だからである。

なお,交渉は,職員団体と当局があらかじめ取り決めた員数の範囲内で行うものとされ,議題,時間,場所その他必要な事項をあらかじめ取り決めて行うものとされている(国家公務員法108条の5第5項)。また,適法な交渉は勤務時間中においても行うことができるとされる一方(同条第8項),交渉が所定の要件に適合しないこととなったとき等は,これを打ち切ることができるとされている(同条第7項)。総務課長交渉が,あらかじめ実施日を定めて第1回から第3回までと回を重ねて行われているのは,こうした取決めに基づくものと理解される。

3 交渉の法的な限界

(1) 団体協約を締結する権利を含まないこと

職員団体と当局との交渉は,団体協約を締結する権利を含まないものとされている(国家公務員法108条の5第2項)。すなわち,交渉が行われても,民間の労使関係における労働協約のように,労使が法的拘束力のある協約を結ぶわけではない。

あわせて,職員は,同盟罷業,怠業その他の争議行為をしてはならないとされている(国家公務員法98条2項)。さらに,争議行為をした職員は,その行為の開始とともに,法令に基づいて保有する任命又は雇用上の権利をもって国に対抗することができないとされている(同条3項)。このように,裁判所職員を含む国家公務員の労使関係は,団体協約の締結や争議行為を予定しない枠組みとなっている。総務課長交渉の成果が,協約や合意ではなく「回答」という形で示されるのは,この法的枠組みによるものである。

(2) 管理運営事項は交渉の対象外であること

国の事務の管理及び運営に関する事項(いわゆる管理運営事項)は,交渉の対象とすることができない(国家公務員法108条の5第3項)。組織をどのように編成するか,定員をどれだけとするかといった,事務の管理及び運営に属する事項そのものは,交渉の対象から外れる。

もっとも,管理運営事項に関する決定の結果として生ずる勤務条件は,交渉の対象となり得ると解されている。本稿で扱う回答が,定員そのものの決定ではなく,現有人員の活用や態勢の整備といった観点から述べられていること,また,「現有人員の有効活用」「検討していきたい」といった表現が多いことは,こうした交渉の対象の限界とも関係しているものとみられる。

(3) 裁判官は準用の対象外であること

裁判所職員臨時措置法による国家公務員法の準用の対象は,裁判官及び裁判官の秘書官以外の裁判所職員である。したがって,総務課長交渉が扱うのは,書記官,家庭裁判所調査官,事務官等の勤務条件であり,裁判官そのものの身分は対象とならない。裁判官の任免や報酬は,憲法及び裁判所法等が別に定めるところであり,職員団体の交渉によって扱われるものではない。

なお,職員団体に関する国家公務員法の規定としては,前記の交渉に関する規定のほか,職員団体の業務に専ら従事すること(在籍専従)を原則として禁じ,例外を許可に係らせる規定(国家公務員法108条の6)や,職員団体の構成員であること等を理由とする不利益な取扱いを禁ずる規定(同法108条の7)も準用される。これらは,職員団体の活動を支える制度的な枠組みであり,総務課長交渉も,こうした枠組みの中で行われている。

第3 文書の体裁と読み方

1 「回答」文書の発出構造

「回答」文書は,最高裁判所事務総局人事局総務課長から,各高等裁判所事務局長宛ての「事務連絡」という形式をとる。表紙には,おおむね「令和○年諸要求期第○回人事局総務課長交渉(○月○日実施)において,別紙のとおり回答しましたので,参考までに送付します。」といった趣旨の文言が記載されている。

すなわち,回答の本体は「別紙」に収められており,表紙は,その別紙を各高等裁判所に送付するための事務連絡である。別紙は,要求事項とこれに対する回答とを対照させた一覧表であり,文書の中心をなす部分である。各高等裁判所事務局長宛てに送付されているのは,交渉の結果を,各高等裁判所を通じて管内の裁判所に周知するためのものと理解される。したがって,文書を読むときは,表紙の事務連絡と,本体である別紙とを区別して読む必要がある。

2 マトリクス様式(大項目・中項目・小項目・回答)

回答の本体である別紙は,横長の一覧表(マトリクス)の形式をとる。令和元年から令和4年までの文書では,「番号・大項目・中項目・小項目・回答」といった列の構成が見られ,令和5年以降の文書では,列の構成が簡略化している。いずれの様式においても,要求項目が大項目から小項目へと段階的に整理され,これに対応する回答が右側の欄に記載される構造になっている。

さらに,回答欄の中は,【賃金一般】【初任給】【予算定員】といった角括弧付きの小見出しによって分節されている。このため,特定の論点を探すときは,左側の大項目から,回答欄の角括弧見出しへとたどっていくと読みやすい。横長の表であるため,閲覧の際は,画面の向きや表示の倍率を調整すると読み取りやすい。

このように様式が年によって異なるのは,文書の作成に用いられた仕組みの違いによるものとみられる。様式の違いは,記載される情報の範囲そのものを大きく変えるものではないが,複数年の回答を比較して読む際には,列の構成が異なり得ることに留意するとよい。

3 「諸要求期」と「秋年期」の別

交渉には,春に行われる「諸要求期」と,秋に行われる「秋年期」の2期がある。諸要求期はおおむね5月から6月にかけて,秋年期はおおむね10月から12月にかけて行われており,いずれも,それぞれ第1回から第3回までと回を重ねて実施されている。

各回の回答は,その交渉の実施日の前後に発出されている。したがって,同じ期に属する第1回から第3回までの回答をあわせて読むことで,その期の交渉の全体像を把握することができる。諸要求期と秋年期という年2回の周期で交渉が行われていることは,これらの文書を時系列で並べる際の手掛かりとなる。「諸要求期」及び「秋年期」という呼称は,それぞれの交渉が行われる時期に対応するものである。

4 「回答」と「回答留保事項に対する説明」の別

「回答」と「回答留保事項に対する説明」は,名義,宛先,時点及び様式のいずれにおいても異なる。

ア 「回答」は,最高裁判所事務総局人事局の総務課長の名義で,各高等裁判所事務局長宛てに発出される。交渉の各回について,その実施の前後に作成される。

イ 「回答留保事項に対する説明」は,最高裁判所事務総局人事局の職員管理官の名義で,各高等裁判所事務局次長宛てに発出される。交渉の場で「検討中」等として回答が留保された事項について,後日,具体的な数値や事実を補足するものである。様式も,一覧表ではなく,留保事項を掲げるリスト(別紙第1)と,各事項についての回答(別紙第2以下)という箇条書きの形をとる。発出の時点は,交渉から数か月後にわたることがあり,交渉の実施時期と説明の発出時期とにずれがある点に注意を要する。また,これらの説明には,先行する説明の記載を訂正するものも含まれる。

5 機密性表示・黒塗り・用紙等の形式的特徴

令和5年以降の回答には,文書の管理上の区分として【機密性2】の表示が付されている。これは,行政文書の取扱いにおける区分の一つであるが,本稿で扱う文書は,いずれも開示の申出により開示されたものである。

黒塗り(不開示部分の墨消し)は,本稿で確認した範囲ではほとんど見られない。もっとも,令和6年の回答の表紙では,総務課長の氏名欄が記載されていない。これは,氏名部分が不開示として扱われたものとみられ,文書の体裁が年によって変化していることがうかがわれる。

また,各文書は,いずれもほぼA4の大きさのスキャン文書であるが,正確なA4の寸法ではなく,読み取りに伴う数ミリ程度の誤差がある。本文は画像として保存されており,文字検索ができないものが多い。引用や検索の際は,こうした性質に留意する必要がある。

第4 回答から読み取れる主な論点

以下は,本稿で実際に確認した回答に現れた主な論点である。網羅的なものではなく,読み方の手掛かりとして例を挙げるにとどめる。各回答の当否についての評価は加えない(第5の2参照)。

1 人員・定員

予算定員,配置定員,実人員及び欠員の状況は,毎回の交渉で取り上げられる中心的な論点である。予算定員は予算上認められた定員,配置定員は各庁に配置された定員,実人員は現に在職する人員を指し,これらの差として欠員の状況が問題となる。回答欄では,【予算定員】【定員の増減】等の見出しの下に,これらの状況についての最高裁判所の認識が示されている。定員に関する事項は,職員の負担や事件処理の態勢にかかわるため,毎回の交渉の中心的な位置を占めている。

2 増員(裁判官・書記官・事務官・家裁調査官)

各職種の増員は,繰り返し要求されている論点である。例えば,令和5年秋年期第3回の回答では,裁判官及び書記官の増員要求に対し,これまでの増員分を含む現有人員を有効に活用することにより適正かつ迅速な事件処理ができるとの認識を示しつつ,事件数の動向等を踏まえて必要な人員の確保を検討する旨が記載されている。

家庭裁判所調査官の増員についても,成年後見関係事件の動向等に触れつつ,現有人員の有効活用を基本としながら,必要な態勢の整備に努めてきた旨が記載されている。これらの回答に共通するのは,現有人員の有効活用を基本としつつ,事件の動向等を踏まえて必要な人員を確保するという考え方であり,前記第2の3で述べた交渉の対象の限界とも関係しているものとみられる。

3 超過勤務・勤務時間管理

超過勤務の縮減と勤務時間の管理も,継続的な論点である。例えば,令和4年秋年期第1回の回答では,職員端末の使用時間等の実態の把握,サインイン及びサインアウトの時刻の記録,事務の簡素化及び効率化等の取組により,超過勤務の縮減に取り組む旨が記載されている。勤務時間の管理が,システム上の記録等を通じて行われていることがうかがわれる。これらは,職員の健康の保持や働き方にかかわる論点である。

4 給与・諸手当・定年延長・再任用

俸給の水準,初任給及び諸手当のほか,定年の段階的な引上げ,再任用,役職定年,任用換等も論点となっている。回答欄では,【賃金一般】【初任給】等の見出しの下に,これらに対する最高裁判所の認識が示されている。定年の段階的な引上げに伴う再任用や役職定年の取扱いは,近年の論点の一つである。これらの事項は,職員の処遇に直接かかわるものであり,制度の改正の状況等にも関係するため,繰り返し取り上げられている。

5 回答の留保とその後の「説明」

調査を要する事項については,交渉の場では回答が留保され,後日の「説明」において数値が示されるという構造がとられている。

例えば,令和6年諸要求期第1回の回答では,予算定員等の調査事項について「検討又は準備中であり,結果は後日伝える」旨として回答が留保され,後日の令和6年7月25日付け「回答留保事項に対する説明」において,令和5年度の予算定員(書記官は最高裁判所48人・下級裁判所9,830人など)が示されている。交渉の場での留保と,後日の説明とが対応していることが分かる。

また,令和3年7月16日付けの「説明」では,令和3年4月の再任用職員数が1,129人(うち更新者778人)と記載されている。このように,「説明」には,交渉で留保された事項についての具体的な数値が示されることがある。

さらに,令和4年8月22日付けの「回答留保事項に対する説明の訂正」のように,先行する説明の記載を後から訂正する文書もある。このように,「回答」と「説明」とは,相互に対応する一連の文書として作成されており,両者を対照することによって,交渉で示された論点が,最終的にどのような数値や事実として確定されたかをたどることができる。

第5 資料を読む際の留意点

1 一次資料としての意義

これらの文書は,裁判所の人的態勢,定員,勤務条件等について,最高裁判所自身が示した認識を記録した一次資料である。報道や解説を介さずに,交渉でやり取りされた論点と,これに対する回答の表現とに直接当たることができる点に意義がある。裁判所の運営に関する事項が,どのような論点として取り上げられ,どのように回答されているかを,原文に即して確認することができる。

また,複数年にわたる回答を通覧することで,同じ論点がどのように継続して取り上げられ,回答の表現がどのように推移しているかをたどることもできる。本稿の文書一覧(第6)は,こうした通覧の便宜のために設けたものである。

2 「回答」は当局の見解であること

「回答」は,当局である最高裁判所側の見解であり,要求側である全司法の主張やその当否を示すものではない。本稿は,資料の所在と読み方を案内するものであって,交渉内容の当否について評価を加えるものではない。読者が一次資料に直接当たって判断することができるようにすることを目的とする。要求側の主張やその背景を知るには,職員団体側の資料等を併せて参照する必要がある。

3 数値・氏名の取扱いの変化

文書の体裁は,年によって変化している。令和5年以降の回答には【機密性2】の表示が付され,令和6年の回答の表紙では総務課長の氏名が記載されていない。また,令和元年から令和2年については,本稿の一覧に「回答留保事項に対する説明」が見当たらないが,これが当時の運用によるものか,開示の申出の範囲によるものかは,本稿では確定していない。資料を引用する際は,こうした体裁の変化や,前記第3の5で述べた用紙及び文字検索に関する性質にも留意されたい。いずれにせよ,これらの文書は,公開された一次資料として,誰でも原文に当たって確認することができるものである。

第6 文書一覧(情報公開請求で入手したPDF)

以下に,入手済みの53件のPDFへのリンクを掲げる。実施日の古い順に並べた。各ファイルは情報公開請求により入手した司法行政文書である。

1 諸要求期の回答

2 秋年期の回答

3 回答留保事項に対する説明

職員管理官名義の「回答留保事項に対する説明」(訂正を含む。)である。発出日の古い順に並べた。

※ 本稿に掲げた53件は,令和元年から令和6年までに入手した文書である。今後,新たな交渉回次の回答等が得られた場合は,随時追加する予定である。各文書はいずれもほぼA4の大きさのスキャン文書であり,本文が画像のため文字検索ができないものが多い。