| 1 | 症状固定とは,医学的にこれ以上の治療効果が期待できなくなった状態を指す。 | 真実 | 厚生労働省や裁判所のウェブサイト,医学辞典など複数の情報源において,症状固定は治療を継続しても症状の改善が見込めなくなった状態と定義されている。 |
| 2 | 症状固定は,損害賠償額算定(特に後遺障害に関する部分)の起算点となる。 | 真実 | 交通事故の損害賠償実務において,症状固定日をもって治療期間を確定し,それ以降の損害を後遺障害慰謝料や逸失利益として算定するのが一般的である。これは多くの法律専門サイトや判例で確認できる。 |
| 3 | 慢性的な疼痛は,継続的なリハビリテーションや薬物療法によって症状の悪化防止やQOLの維持・向上が可能である。 | 真実 | 日本ペインクリニック学会などの専門機関が発行するガイドラインにおいて,慢性疼痛管理の目的が痛みの完全な除去ではなく,機能の維持・改善やQOL向上であることが示されている。 |
| 4 | 高次脳機能障害は,継続的なリハビリテーションによってQOLの維持・向上が可能である。 | 真実 | 国立障害者リハビリテーションセンターなどの専門機関は,高次脳機能障害者に対して,症状の改善だけでなく,代償手段の獲得や社会生活への適応を目的としたリハビリテーションが長期的に行われることを示している。 |
| 5 | 法的な症状固定の判断がなされると,それ以降の治療費は原則として損害賠償の対象として認められなくなる。 | 真実 | 裁判実務上,症状固定後の治療は「症状の維持・悪化防止」目的とされ,事故との因果関係が認められる「治療」とは見なされないため,原則として賠償対象外となる。ただし例外的に認められる場合がある。 |
| 6 | 症状固定後の治療費も,症状の内容・程度に照らし必要かつ相当なものは損害として認められることがある。 | 真実 | 判例において,将来にわたり症状の悪化を防ぐために不可欠な手術や処置など,その必要性・相当性が立証された場合に限り,症状固定後の治療費が損害として認められたケースが存在する。 |
| 7 | 交通事故の損害賠償において,入院中の特別室使用料が争点となることがある。 | 真実 | 多くの判例や法律専門サイトで,特別室(個室など)の使用料が損害として認められるか否かは,「症状が重篤であった」「他の病室に空きがなかった」などの必要性が厳格に判断されると解説されている。 |
| 8 | 交通事故の損害賠償において,整骨院・接骨院での施術費が争点となることがある。 | 真実 | 柔道整復師による施術の必要性・有効性・相当性が問題となり,特に医師の指示の有無や,症状改善への寄与度が裁判で争われることが多い。 |
| 9 | 交通事故の損害賠償において,鍼灸治療費が争点となることがある。 | 真実 | 鍼灸治療についても,医師の指示や治療効果の証明が求められることが多く,その費用が損害として認められるかについては個別の事案ごとに判断される。 |
| 10 | 交通事故の損害賠償において,温泉治療費が争点となることがある。 | 真実 | 温泉治療(湯治)については,医師が治療として特に指示した場合など,極めて例外的な状況でなければ損害として認められることは困難であると,多くの法律解説で述べられている。 |
| 11 | 治療の必要性・相当性の判断において,医師の指示の有無が参考にされる。 | 真実 | 裁判実務上,医師による指示は,その治療行為が医学的に必要であると判断する上での重要な要素とされる。特に,西洋医学以外の代替療法についてはその傾向が強い。 |
| 12 | 西洋医学的な治療と並行して,補完代替医療が行われることがある。 | 真実 | 厚生労働省の調査などでも,がん治療をはじめとする様々な分野で,患者がQOL向上などを目的に補完代替医療を併用している実態が報告されている。 |
| 13 | 一部の補完代替医療は,有効性を客観的なデータで示すことが困難な場合がある。 | 真実 | 科学的根拠(エビデンス)の構築には大規模な臨床試験が必要であり,一部の補完代替医療ではそうしたデータが不足していることが,国内外の研究機関から指摘されている。 |
| 14 | 特別室使用料が損害として認められる基準として「症状が重篤であった場合」がある。 | 真実 | 判例上,絶対安静が必要な重篤な症状や,免疫力の低下により感染症対策が必要な場合などは,個室使用の必要性が認められやすい。 |
| 15 | 特別室使用料が損害として認められる基準として「(大部屋に)空室がなかった場合」がある。 | 真実 | 病院側の都合でやむを得ず個室に入院した場合,その差額ベッド代は損害として認められるのが一般的である。 |
| 16 | 術後のせん妄は,高齢者でリスクが高い。 | 真実 | 日本麻酔科学会などのガイドラインで,高齢,認知機能低下,手術の侵襲などが術後せん妄の危険因子として挙げられている。 |
| 17 | 重篤な後遺障害が残った場合,将来の介護費が損害賠償の対象となる。 | 真実 | 交通事故により常時または随時介護が必要な状態になった場合,その将来にわたる介護費用は,被害者の損害として認められる。これは最高裁判所の判例でも確立されている。 |
| 18 | 将来の介護費は,「常時介護」と「随時介護」に区分されて算定されることがある。 | 真実 | 被害者の後遺障害の程度に応じて,常に介護が必要か(常時介護),あるいは必要に応じて介護が必要か(随時介護)で,認定される介護費用の額が異なる。 |
| 19 | 高次脳機能障害による「看視的付添」が将来介護費として認められることがある。 | 真実 | 身体的な介護だけでなく,記憶障害や遂行機能障害などから生じる危険を回避するための看視や声かけも介護の必要性として認められ,介護費算定の対象となる。 |
| 20 | 後遺障害の等級認定において,自賠責保険や労災保険の等級が参考にされる。 | 真実 | 裁判所は自賠責保険や労働者災害補償保険の等級認定を重要な参考資料とするが,最終的にはそれに拘束されず,個別の事案に応じて独自に判断する。 |
| 21 | 同じ後遺障害であっても,職業によって労働能力への影響は異なる場合がある。 | 真実 | 例えば,ピアニストにとっての指の機能障害と,事務職員にとってのそれとでは,職業に与える影響が大きく異なるため,裁判所は労働能力喪失率を個別具体的に判断する。 |
| 22 | 損害賠償の認定において,被害者の年齢,職業,生活状況などが総合的に判断される。 | 真実 | 逸失利益や慰謝料の算定において,これらの要素は損害額を個別化・具体化するために考慮される重要な事情である。 |
| 23 | 看護師は,患者の療養生活を24時間体制で支える役割を担う。 | 真実 | 病院における看護師の勤務体制は,日勤・準夜勤・深夜勤などの交代制により,24時間患者の状態を観察しケアを提供することが基本である。 |
| 24 | 現代の医療現場における「完全看護」とは,法律上の人員配置基準を満たしている状態を指すことが多い。 | 真実 | 診療報酬制度上の「入院基本料」は,看護師の人員配置を手厚くすることで評価が高くなる仕組みになっており,「完全看護」という言葉は,こうした基準を満たしていることを指して使われる。 |
| 25 | 突然の事故で心身ともに大きなダメージを受けた患者にとって,家族の存在は精神的な支えとなる。 | 真実 | 医療心理学や看護学の分野で,急性期の患者に対する家族のサポート(ファミリーサポート)が,患者の不安軽減や回復意欲の向上に重要であることが広く認識されている。 |
| 26 | せん妄は,意識の混濁を伴う状態である。 | 真実 | 医学的に,せん妄は注意障害や意識レベルの変動を中核症状とする精神機能障害と定義されている。 |
| 27 | 家族の付き添いは,患者の転倒・転落などの二次的な事故を防ぐ上で役割を担うことがある。 | 真実 | 医療安全白書などにおいて,患者の最も身近にいる家族との連携が,患者の異変の早期発見や事故防止に繋がると報告されている。 |
| 28 | 家族による付き添いは,患者の精神的安定と安全確保に寄与する場合がある。 | 真実 | 多くの看護研究や臨床実践において,患者の個別性を理解する家族が付き添うことで,安心感を与え,療養環境の安全性を高める効果があるとされている。 |
| 29 | 入院中には,寝具や衣類,通信費,新聞代などの雑費が発生する。 | 真実 | これらは入院生活を送る上で必要となる日用品費や娯楽費であり,多くの病院で患者が自己負担で購入・レンタルするものである。 |
| 30 | 交通事故の損害賠償において,入院雑費は一定額(例:1日1,500円)で認められるのが実務上の運用である。 | 真実 | 煩雑な立証を避けるため,裁判実務では入院1日あたり1,500円を基準として入院雑費を認定するのが一般的である。これは「赤い本」(民事交通事故訴訟 損害賠償額算定基準)にも記載されている。 |
| 31 | 在宅での常時介護は,24時間体制で緊張を強いられる重労働である。 | 真実 | 厚生労働省の調査や介護者支援団体の報告書などから,在宅介護者が肉体的・精神的・社会的に大きな負担を抱えている実態が明らかになっている。 |
| 32 | 在宅介護の内容には,食事介助が含まれる。 | 真実 | 要介護者の身体状況に応じた食事の準備,摂食の補助,誤嚥の防止などが介護の重要な要素である。 |
| 33 | 在宅介護の内容には,排泄介助が含まれる。 | 真実 | トイレへの誘導,おむつの交換,陰部の清拭など,尊厳に関わる重要な介助である。 |
| 34 | 在宅介護の内容には,体位交換が含まれる。 | 真実 | 長時間同じ姿勢でいることによる褥瘡(床ずれ)の発生を防ぐため,定期的に体の向きを変えることは極めて重要である。 |
| 35 | 在宅介護の内容には,入浴介助が含まれる。 | 真実 | 全身の清潔を保つための介助であり,転倒などの危険も伴うため高い技術と注意を要する。 |
| 36 | 在宅介護の内容には,服薬管理が含まれる。 | 真実 | 決められた時間に決められた薬を間違いなく服用させることは,治療を継続し健康状態を維持する上で不可欠である。 |
| 37 | 看護師は,患者の日々の状態,必要なケアの内容と量,精神的な状況を具体的に把握している。 | 真実 | 看護師は,日々のケアや観察を通じて得た情報を看護記録に詳細に記載しており,患者の状態を最も継続的・具体的に把握している医療専門職の一つである。 |
| 38 | 神経障害性疼痛は,交通事故による外傷後の神経損傷によって引き起こされることがある。 | 真実 | 事故の衝撃による末梢神経や中枢神経の損傷が原因で,難治性の神経障害性疼痛が後遺症として残ることがある。 |
| 39 | 神経障害性疼痛は,通常の鎮痛薬(非ステロイド性抗炎症薬など)が効きにくいことがある。 | 真実 | 神経障害性疼痛の発生メカニズムは通常の炎症性の痛みとは異なるため,専門の治療薬が必要となる場合が多い。これは日本ペインクリニック学会のガイドラインにも明記されている。 |
| 40 | プレガバリンは,神経障害性疼痛の治療に用いられる薬剤である。 | 真実 | 医薬品医療機器総合機構(PMDA)の添付文書情報において,プレガバリンの効能・効果として「神経障害性疼痛」が明記されている。 |
| 41 | デュロキセチンは,神経障害性疼痛の治療に用いられる薬剤である。 | 真実 | PMDAの添付文書情報において,デュロキセチンの効能・効果として「糖尿病性神経障害,線維筋痛症,慢性腰痛症,変形性関節症に伴う疼痛」が挙げられており,神経障害性疼痛の治療に広く用いられる。 |
| 42 | 神経障害性疼痛の治療は長期化するケースがある。 | 真実 | 痛みの原因となる神経損傷自体が不可逆的であることが多く,完治が困難なため,症状をコントロールするための治療が長期にわたることが少なくない。 |
| 43 | 薬物療法の中には,症状を管理し生活の質を維持するための「支持療法」と位置づけられるものがある。 | 真実 | がん医療などにおいて,抗がん剤の副作用を軽減する治療や,痛みをコントロールする緩和ケアなどが「支持療法」と呼ばれ,QOL維持に不可欠とされている。これは慢性疼痛管理にも通じる概念である。 |
| 44 | 医薬品には,新薬である「先発医薬品」と,その特許が切れた後に発売される「後発医薬品(ジェネリック医薬品)」がある。 | 真実 | これは厚生労働省が定める医薬品の分類であり,有効成分は同じだが,添加物や製造技術が異なる場合がある。 |
| 45 | 先発医薬品と後発医薬品では,薬価(価格)が大きく異なる。 | 真実 | 後発医薬品は,開発コストが抑えられるため,先発医薬品よりも安価に設定されている。 |
| 46 | 患者の体質や合併症によっては,副作用のリスクを避けるために特定の薬剤を選択する必要がある。 | 真実 | 例えば,腎機能が低下している患者には腎臓への負担が少ない薬剤を,特定の薬剤にアレルギー歴がある患者にはその成分を含まない薬剤を選択するなど,個別の状態に応じた処方が行われる。 |
| 47 | 薬剤師は,患者の状態を評価し,有効性,安全性,経済性を総合的に勘案して,薬剤の選択を支援する。 | 真実 | 薬剤師法に定められた薬剤師の職能であり,医師への処方提案や患者への服薬指導を通じて,薬物療法の最適化に貢献している。 |
| 48 | 医師が処方する医薬品と,柔道整復師などによる施術を併用する患者がいる。 | 真実 | 臨床現場では,整形外科で痛み止めの薬や湿布薬の処方を受けながら,並行して整骨院で物理療法や手技療法を受ける患者は多く存在する。 |
| 49 | 理学療法士は,運動療法や物理療法を通じて,基本的な動作能力の回復を支援する専門職である。 | 真実 | 「理学療法士及び作業療法士法」において,理学療法士は「身体に障害のある者に対し,主としてその基本的動作能力の回復を図るため,治療体操その他の運動を行なわせ,及び電気刺激,マッサージ,温熱その他の物理的手段を加えることを業とする者」と定義されている。 |
| 50 | リハビリテーションは,改善を目指す「治療的リハビリ」と,能力を維持するための「維持期リハビリ」に大別される。 | 真実 | 医療保険や介護保険制度において,急性期・回復期のリハビリと,生活期(維持期)のリハビリは目的や期間,提供体制が区別されている。 |
| 51 | 重度の麻痺や関節拘縮が残った患者には,機能維持のためのリハビリが必要な場合がある。 | 真実 | 定期的なリハビリを中止すると,関節可動域の制限や筋力低下が進行し,ADL(日常生活動作)が低下するため,維持期リハビリが重要となる。 |
| 52 | 廃用症候群とは,安静状態が長期に続くことによって生じる心身の機能低下を指す。 | 真実 | 筋萎縮,関節拘縮,心肺機能低下,起立性低血圧,認知機能低下など,全身に様々な症状が現れることが知られている。 |
| 53 | 後遺障害による逸失利益の算定で「労働能力喪失率表」が用いられる。 | 真実 | 自賠責保険で用いられている後遺障害等級に応じた労働能力喪失率の表が,裁判実務でも一つの基準として広く参考にされている。 |
| 54 | むち打ち症の後遺障害等級として,第14級が認定されることがある。 | 真実 | 自動車損害賠償保障法施行令別表第二において,第14級9号「局部に神経症状を残すもの」がこれに該当する。 |
| 55 | 労働能力喪失率表では,後遺障害第14級の労働能力喪失率は5%とされている。 | 真実 | 自賠責保険の後遺障害等級表において,第14級の労働能力喪失率は5%と規定されている。 |
| 56 | むち打ち症の症状として,首や肩の痛みが現れることがある。 | 真実 | 頚椎捻挫の最も一般的な症状であり,頚部周辺の筋肉や靭帯の損傷によって引き起こされる。 |
| 57 | むち打ち症の症状として,めまいが現れることがある。 | 真実 | 頚部の損傷が自律神経のバランスを乱したり,平衡感覚に影響を与えたりすることで,めまい(バレ・リュー症候群など)が生じることがある。 |
| 58 | むち打ち症の症状として,腕のしびれが現れることがある。 | 真実 | 頚部の神経根が圧迫されたり刺激されたりすることで,支配領域である腕や手にしびれや痛み(神経根症状)が生じることがある。 |
| 59 | 理学療法士は,客観的な指標を用いて身体機能を詳細に評価する。 | 真実 | 関節可動域(ROM)測定,徒手筋力テスト(MMT),歩行分析,各種バランス検査など,標準化された評価手法を用いて身体機能を定量的に評価する。 |
| 60 | 車椅子での生活を余儀なくされた患者に対し,家屋改造費が損害として認められることがある。 | 真実 | 交通事故による後遺障害のために必要となったスロープの設置,段差解消,手すりの設置などの家屋改造費用は,必要かつ相当な範囲で損害として認められる。 |
| 61 | 交通事故の損害として,装具・器具購入費が認められることがある。 | 真実 | 義肢,装具,車椅子,介護用ベッド,特殊な杖など,障害を補うために必要な用具の購入費用は損害として認められる。 |
| 62 | 理学療法士は,患者の身体機能に基づき,適切な住宅改修や福祉用具を提案する。 | 真実 | 患者の残存能力を最大限に活かし,安全で自立した生活を送るために,専門的な視点から環境設定の助言を行うことは理学療法士の重要な役割の一つである。 |
| 63 | 作業療法士は,「作業(occupation)」に焦点を当てて支援するリハビリテーション専門職である。 | 真実 | 「理学療法士及び作業療法士法」において,作業療法士は「主としてその応用的動作能力又は社会的適応能力の回復を図るため,手芸,工作その他の作業を行なわせることを業とする者」と定義されている。 |
| 64 | 作業療法士が支援する「作業」には,仕事,家事,趣味などが含まれる。 | 真実 | 作業療法の分野では,人が生活の中で行う全ての活動を「作業」と捉え,その人らしい生活の再建を目指す。 |
| 65 | 家事従事者の休業損害や逸失利益は,賃金センサスを用いて金銭的に評価される。 | 真実 | 裁判実務では,厚生労働省が発表する賃金構造基本統計調査(賃金センサス)の女性労働者・全年齢平均賃金額などを基礎として,家事労働の価値を金銭的に評価するのが一般的である。 |
| 66 | 家事労働は,炊事,洗濯,掃除,育児,介護といった複数の要素から成る複合的な活動である。 | 真実 | これらは家庭生活を維持するために不可欠な労働であり,それぞれに知識,技術,計画性,体力を要する。 |
| 67 | 作業療法士は,自助具の導入や作業手順の工夫,環境調整を通じて,障害を持つ人の作業遂行を支援する。 | 真実 | 例えば,片手で調理ができるまな板や包丁を提案したり,着替えがしやすいように衣類を工夫したりするなど,具体的な手段を用いてADL(日常生活動作)やIADL(手段的日常生活動作)の自立を支援する。 |
| 68 | 高次脳機能障害は,外見からは分かりにくい困難さを伴うことがある。 | 真実 | 高次脳機能障害は「見えない障害」とも呼ばれ,身体的な麻痺がなくても,記憶障害,注意障害,社会的行動障害などにより,日常生活や社会生活に大きな支障が生じる。 |
| 69 | 高次脳機能障害の症状に,記憶障害がある。 | 真実 | 新しいことを覚えられない「記銘力低下」や,過去の出来事を思い出せない「逆行性健忘」などが代表的な症状である。 |
| 70 | 高次脳機能障害の症状に,注意障害がある。 | 真実 | 注意が散漫になる,集中力が続かない,複数のことに同時に注意を向けられないなどの症状が現れる。 |
| 71 | 高次脳機能障害の症状に,感情のコントロールが困難になることがある(感情失禁)。 | 真実 | 些細なことで怒り出したり,泣き出したりするなど,感情の起伏が激しくなり,状況にそぐわない感情表出が見られることがある。 |
| 72 | 高次脳機能障害を持つ人への支援として,スケジュール帳やアラームを活用することがある。 | 真実 | 記憶障害を補うための代表的な代償手段であり,予定を忘れないようにしたり,行動のきっかけとしたりするために用いられる。 |
| 73 | 作業療法士は,患者の価値観,生活スタイル,趣味活動などを考慮して,福祉用具や環境を提案する。 | 真実 | その人らしい生活の実現を目的とする作業療法では,単に身体機能に合わせるだけでなく,本人の自己実現や生きがいにつながるような支援を重視する。 |
| 74 | 言語聴覚士は,ことば(話す,聞く,読む,書く)の障害に対して評価・訓練を行う専門職である。 | 真実 | 「言語聴覚士法」に定められた専門職であり,音声機能,言語機能又は聴覚に障害のある者に対して,その機能の維持向上を図るため,言語訓練その他の訓練並びにこれに必要な検査及び助言,指導その他の援助を行う。 |
| 75 | 言語聴覚士は,きこえ(聴覚)の障害に関わる。 | 真実 | 聴力検査の実施,補聴器の適合調整,人工内耳のリハビリテーションなど,聴覚障害領域も言語聴覚士の専門分野である。 |
| 76 | 言語聴覚士は,声や発音の障害に関わる。 | 真実 | 声帯ポリープなどによる音声障害や,口蓋裂などによる構音障害(発音の誤り)に対する評価・訓練を行う。 |
| 77 | 言語聴覚士は,食べること(摂食嚥下)の障害に関わる。 | 真実 | 食べ物や飲み物をうまく飲み込めない摂食嚥下障害に対して,評価,訓練,食事指導などを行う。 |
| 78 | 交通事故による頭部外傷では,言語,聴覚,発声,摂食嚥下などの機能がダメージを受けることがある。 | 真実 | 脳損傷の部位や程度によって,失語症,構音障害,聴覚認知障害,摂食嚥下障害など,様々な後遺症が生じる可能性がある。 |
| 79 | 後遺障害等級表では,「咀嚼(そしゃく)及び言語の機能を廃したもの」が重度の等級として評価されている。 | 真実 | 自動車損害賠償保障法施行令別表において,第1級,第3級などで咀嚼・言語機能に関する重篤な後遺障害が規定されている。 |
| 80 | 失語症は,頭部外傷によって脳の言語中枢が損傷されると生じることがある。 | 真実 | 主に脳の左半球にある言語中枢(ブローカ野,ウェルニッケ野など)の損傷によって引き起こされる言語機能の障害である。 |
| 81 | 失語症は,ろれつが回らない構音障害とは異なる。 | 真実 | 構音障害は発声発語器官(唇,舌など)の運動麻痺による発音の問題であるのに対し,失語症は「話す・聞く・読む・書く」という言語システムそのものの障害である。 |
| 82 | 失語症の症状には,言いたい言葉が思い出せない(喚語困難)ことがある。 | 真実 | 物の名前が出てこない,言い間違いが多いなど,言葉を想起することの困難さは失語症の中心的な症状の一つである。 |
| 83 | 失語症の症状には,相手の言うことが理解できない(聴覚的理解の障害)ことがある。 | 真実 | 話し言葉の意味を正しく捉えることが難しくなる症状で,重度の場合,簡単な指示にも従えなくなることがある。 |
| 84 | 失語症の症状には,文字が読めない(失読),書けない(失書)ことがある。 | 真実 | 言語機能の一部である文字言語の処理にも障害が及び,読み書き能力が低下する。 |
| 85 | 摂食嚥下障害とは,食べ物や飲み物をうまく飲み込めなくなる障害である。 | 真実 | 食べ物を認識し,口に取り込み,咀嚼し,咽頭から食道へと送り込む一連の過程のいずれかに問題が生じた状態を指す。 |
| 86 | 摂食嚥下障害は,頭部外傷や頸部の損傷によって引き起こされることがある。 | 真実 | 嚥下運動をコントロールする脳神経や,嚥下に関わる器官(咽頭,喉頭など)の損傷によって生じる。 |
| 87 | 摂食嚥下障害は,食べ物が気管に入ってしまう「誤嚥」を招くことがある。 | 真実 | 嚥下反射のタイミングのずれや,喉頭の閉鎖不全などにより,食塊や水分が声門を越えて気管に入ってしまう現象を誤嚥という。 |
| 88 | 誤嚥は,肺炎(誤嚥性肺炎)の原因となる。 | 真実 | 誤嚥した食物や唾液に含まれる細菌が肺で増殖し,炎症を起こすことで発症する。高齢者や寝たきりの患者では生命に関わる重篤な合併症である。 |
| 89 | 安全に食事ができない場合,経管栄養や胃ろうといった手段が用いられる。 | 真実 | 鼻から胃へチューブを挿入する経鼻経管栄養や,腹部に穴を開けて直接胃に栄養を送る胃ろうは,誤嚥のリスクが高い場合の代替的な栄養摂取方法である。 |
| 90 | 言語聴覚士は,安全に食べられる食物の形態を評価する。 | 真実 | 嚥下造影検査(VF)や嚥下内視鏡検査(VE)などを用いて,どの程度の硬さやとろみであれば安全に飲み込めるかを評価し,食事形態(刻み食,ミキサー食など)を提案する。 |
| 91 | 言語聴覚士は,飲み込みの機能を改善するための訓練(嚥下リハビリテーション)を行う。 | 真実 | 嚥下に関わる筋群の強化訓練(間接訓練)や,実際に食物を用いて行う摂食訓練(直接訓練)などを実施する。 |
| 92 | 柔道整復師は,整骨院・接骨院で筋骨格系の傷害の治療に携わる。 | 真実 | 柔道整復師法に基づき,打撲,捻挫,挫傷,骨折,脱臼などの傷害に対して,非観血的療法(手術をしない方法)によって治療を行う専門職である。 |
| 93 | 交通事故によるむち打ち症(頚椎捻挫)は,柔道整復師の治療対象となる。 | 真実 | 頚椎捻挫は柔道整復師が施術を行う代表的な傷害の一つであり,多くの交通事故被害者が整骨院・接骨院に通院している。 |
| 94 | 柔道整復師による施術費が,交通事故の損害賠償(治療関係費)として認められる場合がある。 | 真実 | 判例上,施術の必要性,相当性,有効性が認められれば,医師の治療費と同様に損害として認定される。 |
| 95 | 交通事故直後に整形外科を受診し,その後,整骨院・接骨院に通院する患者がいる。 | 真実 | 最初に医師の診断を受け,その後の通院の利便性などから,自宅や職場の近くの整骨院・接骨院での治療を選択する,という受診行動は一般的に見られる。 |
| 96 | 柔道整復師は,医師と連携を取りながら施術を行うことが推奨されている。 | 真実 | 厚生労働省や関係団体は,柔道整復師が医師の診断に基づかずに施術を継続することを戒め,適切な医療連携を図るよう指導している。 |
| 97 | 柔道整復師の施術には,手技療法が含まれる。 | 真実 | 患部を揉んだり,関節を動かしたりするなど,手を用いて身体に刺激を加える療法は,柔道整復術の中心的な技術である。 |
| 98 | 柔道整復師の施術には,物理療法(電気治療,温熱療法など)が含まれる。 | 真実 | 低周波治療器,干渉波治療器,マイクロ波治療器,ホットパックなどを用いて,疼痛緩和や血行促進を図る。 |
| 99 | 柔道整復師の施術には,運動療法が含まれる。 | 真実 | 関節可動域の改善や筋力強化を目的とした運動を指導することも,柔道整復師の業務範囲に含まれる。 |
| 100 | むち打ち症では,レントゲンやMRIで異常が見つからない場合でも,自覚症状が続くことがある。 | 真実 | 画像検査では捉えきれない筋肉や靭帯の微細な損傷,あるいは神経の機能的な問題によって症状が引き起こされていると考えられており,臨床現場で頻繁に経験される。 |
| 101 | むち打ち症の症状として,首の痛み,頭痛,めまい,吐き気,手足のしびれなどが現れる。 | 真実 | これらの多様な症状は,頚椎捻挫に関連する典型的な症状として知られている。 |
| 102 | 柔道整復師は,徒手検査によって筋肉の緊張度や関節の動きを評価する。 | 真実 | 触診や関節可動域テストなど,手を使って身体の状態を評価することは,柔道整復師の基本的な診察技術である。 |
| 103 | 診療放射線技師は,医師の指示のもと,X線,CT,MRIといった画像診断装置を操作する専門職である。 | 真実 | 「診療放射線技師法」において,医師又は歯科医師の指示の下に,放射線を人体に対して照射することを業とする者と定義されている。 |
| 104 | 画像診断は,病気や怪我の診断において重要な客観的証拠となる。 | 真実 | 画像によって病変の位置,大きさ,性質などを客観的に可視化することは,現代医療における診断の根幹をなす。 |
| 105 | 交通事故診療において,事故直後にX線(レントゲン)検査が行われることが多い。 | 真実 | まず骨折や脱臼といった重大な骨の損傷の有無を確認するために,X線検査は第一選択の画像検査として広く用いられる。 |
| 106 | X線検査は,骨を描出することに優れている。 | 真実 | X線は組織の密度によって透過性が異なり,密度の高い骨は白く明瞭に描出されるため,骨折の診断に非常に有用である。 |
| 107 | X線検査では,筋肉,靭帯,椎間板,神経といった軟部組織の損傷を捉えることは困難である。 | 真実 | 軟部組織はX線の透過性が高く,骨のように明瞭に描出されないため,X線検査でこれらの組織の損傷を直接診断することはできない。 |
| 108 | むち打ち症の痛みの多くは,軟部組織の微細な損傷によって引き起こされていると考えられている。 | 真実 | 追突などの衝撃で頚部が過度に伸縮することにより,頚部の筋肉,靭帯,椎間板などが微細に損傷することが,むち打ち症の主な原因と考えられている病態モデルである。 |
| 109 | MRI検査は,軟部組織の描出に優れている。 | 真実 | MRIは磁気と電波を利用して体内の水素原子の分布を画像化する技術であり,筋肉,靭帯,椎間板,脳,脊髄などの軟部組織のコントラスト分解能が非常に高い。 |
| 110 | MRI検査によって,椎間板の損傷(ヘルニア)や靭帯損傷,脊髄への影響を評価することが可能である。 | 真実 | これらの病変はX線では描出困難だが,MRIを用いることで詳細な形態学的評価が可能となる。 |
| 111 | 患者が訴える症状と画像所見が必ずしも一致しないことがある。 | 真実 | 画像上明らかな異常がなくても強い症状を訴える患者がいる一方で,画像上異常があっても無症状の人もいる。これは「画像と臨床の乖離」として知られている。 |
| 112 | 当初は明らかでなかった骨折が,数週間後のX線で明らかになることがある(不顕性骨折)。 | 真実 | 受傷直後にはX線で骨折線が不明瞭でも,時間の経過とともに骨吸収などが起こり,骨折線が明瞭になることがある。これを不顕性骨折または潜在骨折と呼ぶ。 |
| 113 | 病態は時間の経過とともに変化することがある。 | 真実 | 例えば,椎間板ヘルニアが自然に縮小・消失することはよく知られている。また,損傷部位の炎症や浮腫も時間経過で変化する。 |
| 114 | 経時的な画像記録は,治療効果の判定や症状固定の時期を判断する上で重要な情報となる。 | 真実 | 一定期間をおいて撮影された複数の画像を比較することで,病態の改善,不変,悪化などを客観的に評価することができる。 |
| 115 | X線やCT検査には放射線被ばくが伴う。 | 真実 | X線およびCTは電離放射線を用いるため,医療被ばくが生じる。そのため,検査の実施は利益が不利益を上回る場合に限定されるべきとされる。 |
| 116 | 医療における放射線検査は,「正当化」と「最適化」の原則に基づいて行われる。 | 真実 | 国際放射線防護委員会(ICRP)が勧告する放射線防護の基本原則であり,日本の法律でもこの考え方が取り入れられている。検査の利益(正当化)を確認し,被ばくを合理的に可能な限り低く抑える(最適化)ことが求められる。 |
| 117 | 臨床検査技師は,血液,尿,組織などの検体を分析する医療専門職である。 | 真実 | 「臨床検査技師等に関する法律」に定められた国家資格であり,医師の指示の下に,微生物学的検査,血清学的検査,血液学的検査,病理学的検査,寄生虫学的検査及び生化学的検査を行う。 |
| 118 | 臨床検査技師は,心電図や脳波などの生理機能検査を行う。 | 真実 | 心電図,脳波,超音波(エコー),呼吸機能検査など,患者の身体から直接情報を得る生理機能検査も臨床検査技師の重要な業務である。 |
| 119 | 腹部打撲により,肝臓や腎臓などの内臓に損傷が及ぶことがある。 | 真実 | 交通事故などによる強力な外力が腹部に加わると,実質臓器である肝臓,脾臓,腎臓などが損傷(実質損傷,被膜下血腫,断裂など)することがある。 |
| 120 | 血液検査によって肝機能のダメージを評価できる。 | 真実 | 血液中のAST(GOT),ALT(GPT)といった酵素は肝細胞内に多く含まれるため,肝細胞が破壊されると血中に漏れ出し,高値を示す。 |
| 121 | 血液検査によって腎機能の低下をモニターできる。 | 真実 | クレアチニン(Cre)や尿素窒素(BUN)は,腎臓から排泄される老廃物であり,腎機能が低下すると血中濃度が上昇する。 |
| 122 | 長期の臥床(寝たきり)状態は,深部静脈血栓症(エコノミークラス症候群)のリスクを高める。 | 真実 | 長時間足を動かさないでいると,下肢の静脈の血流が滞り,血の塊(血栓)ができやすくなる。手術後や長期臥床は主要なリスク因子である。 |
| 123 | 血液中のDダイマーを測定することで,血栓の有無をスクリーニングできる。 | 真実 | Dダイマーは血栓が体内で溶解される際に生じる物質であり,血中に血栓が存在すると高値を示すため,深部静脈血栓症や肺塞栓症の補助診断に用いられる。 |
| 124 | 肺塞栓症は,深部静脈血栓症の重篤な合併症である。 | 真実 | 下肢の静脈にできた血栓が血流に乗って肺に達し,肺動脈を閉塞させることで発症する。胸痛,呼吸困難などを引き起こし,生命を脅かすこともある。 |
| 125 | 素因減額とは,被害者が事故以前から有していた疾患が損害の発生や拡大に寄与した場合に,賠償額を減額する考え方である。 | 真実 | 民法上の過失相殺の類推適用または損害の公平な分担という理念に基づき,裁判実務上確立されている法理である。 |
| 126 | 臨床検査データは,素因の有無や程度を判断する上で客観的な証拠となり得る。 | 真実 | 事故前の健康診断の結果や,事故後の検査データ(ただし事故の影響を受けない指標)は,被害者の既往症の状態を客観的に示す証拠として用いられる。 |
| 127 | 糖尿病を患っている患者は,骨折の治癒が遅れたり,傷口が感染しやすかったりする場合がある。 | 真実 | 高血糖の状態は,骨芽細胞の機能を低下させ骨癒合を遅らせるほか,免疫機能を低下させ,血流障害も相まって創傷治癒を遅延させ,感染のリスクを高めることが知られている。 |
| 128 | 血液検査によるHbA1c(ヘモグロビンA1c)は,過去1〜2ヶ月の血糖コントロール状態を反映する指標である。 | 真実 | 赤血球中のヘモグロビンがブドウ糖と結合したものの割合を示す指標であり,測定時点の血糖値よりも長期的な血糖コントロール状態を評価するのに有用である。 |
| 129 | 医療ソーシャルワーカー(MSW)は,保健医療機関で患者や家族が抱える経済的・心理的・社会的な問題の解決を支援する専門職である。 | 真実 | 社会福祉士や精神保健福祉士などの資格を持つ専門職が,受診・入院から退院・社会復帰に至るまで,療養に伴う様々な問題について相談援助を行う。 |
| 130 | 損害賠償額の算定において,自賠責保険,労災保険,健康保険などの社会保険給付は,損害額から控除される(損益相殺)。 | 真実 | 被害者が事故によって受けた損害と同じ性質の利益を得た場合,その利益分を損害額から差し引くことで,二重の利得を防ぐという考え方である。 |
| 131 | 通勤中の事故であれば労災保険が適用されることがある。 | 真実 | 労働者災害補償保険法において,合理的な経路及び方法による通勤中の災害は「通勤災害」として保険給付の対象となる。 |
| 132 | 業務外の事故であれば健康保険を使うことができる(第三者行為による傷病)。 | 真実 | 交通事故など第三者の行為によって受けた傷病の治療にも健康保険は利用できるが,その場合,保険者(健保組合など)は後日,加害者(またはその保険会社)に治療費を請求する(求償)。 |
| 133 | 後遺障害が残れば障害年金を受給できる場合がある。 | 真実 | 事故による傷病が原因で一定の障害状態になった場合,国民年金または厚生年金から障害基礎年金や障害厚生年金が支給されることがある。 |
| 134 | 事故により死亡した場合は遺族年金が支給される場合がある。 | 真実 | 国民年金または厚生年金の被保険者などが死亡した場合,その者によって生計を維持されていた遺族に対して遺族基礎年金や遺族厚生年金が支給される。 |
| 135 | 損害賠償の項目として「家屋改造費」が認められることがある。 | 真実 | 前述の通り,後遺障害のために必要となった住宅改修費用は,必要かつ相当な範囲で損害として認められる。 |
| 136 | 損害賠償の項目として「転居費用」が認められることがある。 | 真実 | 賃貸住宅で家屋改造が許可されない場合や,エレベーターのない集合住宅の上階に住んでいて車椅子での生活が困難な場合など,転居の必要性が認められれば,その費用(敷金・礼金差額,引越費用など)が損害として認められる。 |
| 137 | 損害賠償の項目として「成年後見開始の審判手続費用」が認められることがある。 | 真実 | 交通事故による高次脳機能障害などで判断能力が不十分になった被害者の財産管理等のために成年後見制度を利用する必要が生じた場合,その申立費用は事故と因果関係のある損害として認められる。 |
| 138 | 重い後遺障害により車椅子生活となった場合,自宅の段差解消や手すりの設置が必要となる。 | 真実 | 車椅子での安全かつ円滑な移動を確保するためには,玄関アプローチのスロープ化,室内外の段差解消,廊下やトイレ・浴室への手すり設置などが不可欠となる。 |
| 139 | 高次脳機能障害などにより判断能力が不十分となった場合,成年後見制度の利用が必要となることがある。 | 真実 | 損害賠償金の管理,福祉サービスの契約,日常生活の身上監護など,本人の財産と権利を守るために,家庭裁判所が選任した成年後見人等が支援を行う。 |
| 140 | 交通事故の被害者は,身体的な苦痛だけでなく,心理的ストレスにも苛まれる。 | 真実 | 突然の受傷による生命の危機,将来への不安,加害者への怒り,経済的な問題,PTSD(心的外傷後ストレス障害)など,被害者は複合的な精神的苦痛を抱えることが多い。 |
| 141 | 義肢装具士は,医師の処方のもと,義肢や装具を製作・適合させる専門職である。 | 真実 | 「義肢装具士法」に定められた国家資格であり,医師の指示の下に,義肢及び装具の装着部位の採型並びに義肢及び装具の製作及び身体への適合を行うことを業とする者。 |
| 142 | 「義肢」は,失われた四肢の機能を代替するものである。 | 真実 | 事故や病気で手足を切断した際に,外観や機能を取り戻すために装着する人工の手足(義手,義足)。 |
| 143 | 「装具」は,身体の機能をサポート・補助するものである。 | 真実 | 麻痺した手足の機能を補ったり,関節を保護・固定したり,変形を矯正・予防したりするために用いる器具(コルセット,サポーター,短下肢装具など)。 |
| 144 | 義足には,使用者の活動レベルに応じて様々な種類がある。 | 真実 | 室内歩行が主体の高齢者向けから,スポーツを楽しむための競技用まで,使用する部品(足部,膝継手など)の機能や素材によって多種多様な義足が存在する。 |
| 145 | カーボン素材やコンピュータ制御の部品を用いた高機能な義肢が存在する。 | 真実 | カーボンファイバー製の足部はエネルギーを蓄え高い推進力を生み出し,マイクロコンピュータ制御の膝継手は歩行速度に合わせて最適な膝の動きを自動で制御する。 |
| 146 | 装具は,材料や部品を変えることで機能が大きく変わる。 | 真実 | 例えば,短下肢装具において,足関節の継手の種類を変えることで,関節の動きを固定したり,一定範囲の動きを許したり,あるいは補助したりと,目的の機能を実現できる。 |
| 147 | 将来にわたって必要な義肢・装具の交換費用も,損害賠償の対象となる。 | 真実 | 義肢・装具には耐用年数があり,将来の交換費用も損害として認められる。その算定には,将来の費用を現在価値に割り引くための中間利息控除が行われる。 |
| 148 | 将来の費用を一時金として算定する際に,ライプニッツ係数が用いられることがある。 | 真実 | ライプニッツ係数とは,将来受け取るはずの金銭を前倒しで受け取る際に,将来の運用利益(中間利息)を差し引くための係数であり,逸失利益や将来介護費の算定で用いられる。民法改正により現在は法定利率に応じた係数が使用される。 |
| 149 | 義肢や装具は,定期的なメンテナンスや部品交換が必要である。 | 真実 | 日常的な使用による摩耗や劣化に対応するため,アライメント(組み立て調整)の確認や,消耗部品の交換が定期的に必要となる。 |
| 150 | 成長期の子どもは,身体の成長に合わせて義肢・装具を作り替える必要がある。 | 真実 | 身長や体重の増加,骨の成長に合わせて適合性を維持するため,成人よりも短い間隔での作り替えが必要となる。 |
| 151 | 成人でも,体重の増減や断端(切断した部分)の形状変化に合わせて,義肢のソケットを交換する必要がある。 | 真実 | 断端は時間とともに萎縮したり形状が変化したりするため,身体と義肢をつなぐ最も重要な部分であるソケットの適合性を維持することが不可欠である。 |
| 152 | 義肢装具が身体に適合しなくなると,痛みや皮膚トラブルの原因となる。 | 真実 | 不適合な義肢装具は,異常な圧迫や摩擦を引き起こし,皮膚の発赤,水疱,潰瘍などの原因となり,歩行困難につながる。 |
| 153 | 義肢装具の技術は進歩しており,筋電義手やコンピュータ制御膝継手などが開発されている。 | 真実 | 筋電義手は,筋肉が収縮する際に発生する微弱な電位をセンサーで読み取り,モーターで手指を開閉させる技術。コンピュータ制御膝継手は,内蔵センサーが歩行状況を分析し,膝の屈曲・伸展を制御する技術であり,実用化されている。 |
| 154 | 新しい技術を用いた義肢装具は,高価になる傾向がある。 | 真実 | 高度なセンサー,マイクロプロセッサ,アクチュエーターなどの電子部品や,軽量で高強度な新素材を使用するため,開発・製造コストが高くなり,製品価格も高額になる。 |
| 155 | 医師は後遺障害診断書を作成する。 | 真実 | 症状固定時に残存した後遺障害の内容や程度について,医師が専門的な見地から記載する診断書であり,後遺障害等級認定の最も重要な資料となる。 |
| 156 | 入院付添費は,近親者が付き添った場合に損害として認められることがある。 | 真実 | 医師の指示がある場合や,患者の症状(重篤,幼児,高齢など)から付き添いの必要性が認められる場合に,近親者の付添費用が損害として認定される。 |
| 157 | 看護記録は,訴訟において患者の状態を証明する資料となり得る。 | 真実 | 看護師が継続的に記録したバイタルサイン,ケアの内容,患者の言動などは,患者の具体的な状態や介護の必要性を立証するための客観的な証拠として重要である。 |
| 158 | 薬剤師は,薬物療法との相互作用や重複がないかを確認する。 | 真実 | 患者が使用している処方薬,市販薬,サプリメント,さらには他の治療法(代替療法など)との相互作用をチェックし,薬物療法の安全性・有効性を確保することは薬剤師の重要な責務である。 |
| 159 | 医療ソーシャルワーカーは,ケアマネジャーや建築士などと連携する。 | 真実 | 在宅復帰支援において,介護保険サービスの導入(ケアマネジャー)や住宅改修(建築士)など,多職種と連携して包括的な支援計画を立てるチームアプローチが不可欠である。 |
| 160 | 症状固定は,損害賠償の範囲を確定し,訴訟の長期化を防ぐ効果がある。 | 真実 | 症状固定によって治療期間と後遺障害が確定するため,それらを基礎とした損害額の算定が可能となり,紛争解決に向けた交渉や訴訟の進行が促進される。 |
| 161 | 慢性的な疼痛はQOL(生活の質)を低下させる。 | 真実 | 痛みによる身体活動の制限,不眠,気分の落ち込み,社会的孤立などを引き起こし,WHO(世界保健機関)も慢性疼痛がQOLに深刻な影響を与えることを指摘している。 |
| 162 | 高次脳機能障害は日常生活や社会生活に大きな支障をきたす。 | 真実 | 記憶障害による約束の失念,注意障害による仕事上のミス,遂行機能障害による段取りの困難さなど,様々な場面で支障が生じ,復職や家庭生活の維持が困難になることがある。 |
| 163 | 逸失利益は,後遺障害によって失われた将来の収入を指す。 | 真実 | 交通事故がなければ得られたであろう将来の収入の減少分を損害として評価するもので,基礎収入,労働能力喪失率,労働能力喪失期間を基に算定される。 |
| 164 | 看護師は医療・看護処置を行う。 | 真実 | 医師の指示に基づき,注射,点滴,採血,創傷処置などの診療の補助業務や,療養上の世話を行うことが保健師助産師看護師法で定められている。 |
| 165 | 看護師は患者の精神的ケアを行う。 | 真実 | 疾患や障害に伴う患者の不安や恐怖を受け止め,共感的に関わることで,精神的な安定を支援することも看護師の重要な役割である。 |
| 166 | 将来介護費の算定基準として,近親者介護の場合に1日8,000円という目安が示されることがある。 | 真実 | これは「赤い本」(民事交通事故訴訟 損害賠償額算定基準)に記載されている基準額の一つであり,裁判実務で広く参考にされている。 |
| 167 | 鎮痛薬,筋弛緩薬,湿布薬,精神安定薬,睡眠薬は交通事故医療で使用されることがある。 | 真実 | 疼痛,筋肉の緊張,打撲・捻挫による炎症,精神的ストレス,不眠といった交通事故外傷に伴う様々な症状に対応するため,これらの薬剤が処方される。 |
| 168 | 副作用の少ない新しい鎮痛薬を使用することが,患者の早期の仕事復帰につながる場合がある。 | 真実 | 例えば,眠気やふらつきといった中枢神経系の副作用が少ない薬剤を選択することで,日中の活動性や集中力を維持しやすくなり,就労への影響を軽減できる可能性がある。 |
| 169 | 柔道整復師の施術が,疼痛緩和や筋肉の緊張緩和,関節可動域の改善に効果を発揮することがある。 | 真実 | 手技療法や物理療法は,血行を促進し,筋緊張を和らげ,痛みの閾値を上げるなどの作用機序により,これらの症状を改善する効果が期待される。 |
| 170 | むち打ち症の慰謝料は,他覚所見の有無によって金額に差が設けられることがある。 | 真実 | 裁判実務上,画像所見などの客観的な異常所見(他覚所見)がない場合は,ある場合に比べて慰謝料額が低く算定される傾向がある。 |
| 171 | 診療放射線技師は,常に同じ条件で撮影を行い,比較読影しやすい高品質な画像を提供するよう努めている。 | 真実 | 撮影体位,X線量,画像処理などの条件を標準化し,再現性の高い画像を撮影することは,正確な診断と比較読影のために不可欠であり,診療放射線技師の専門性の中核をなす。 |
| 172 | 医療ソーシャルワーカーは,カウンセリングを通じて被害者の心理社会的支援を行う。 | 真実 | 受容的・共感的な態度で面接を行い,被害者や家族が抱える感情や問題を整理し,自己決定を支援することは,医療ソーシャルワークの基本的な技術である。 |
| 173 | 慰謝料の算定において,精神的苦痛の大きさが考慮される。 | 真実 | 慰謝料は,交通事故によって被害者が受けた精神的・肉体的苦痛を金銭に換算して賠償するものであり,その苦痛の程度が金額を左右する本質的な要素である。 |
| 174 | 損害賠償の算定基準は,多くの事案を公平・迅速に解決するための役割を果たしている。 | 真実 | 裁判所や弁護士会が発行する算定基準は,個別の事情を考慮しつつも,類似の事案で不公平が生じないよう類型化・定額化を図ることで,紛争の予測可能性を高め,円滑な解決を促進している。 |
| 175 | 医療専門職は,交通事故被害者の回復と社会復帰に向けて最善を尽くす責務がある。 | 真実 | 各医療専門職の職能団体が定める倫理綱領などにおいて,患者(被害者)の利益を最優先し,最善の医療を提供し,その人らしい生活の再建を支援することが謳われている。 |
| 176 | 「症状固定」は法的な概念でもあり,医学的な治癒とは必ずしも一致しない。 | 真実 | 医学的には「治癒」していなくても,症状が安定し一進一退の状態になれば,損害賠償の算定上は「症状固定」として扱われる。この概念のずれが,本文書で指摘されているような問題の一因となる。 |
| 177 | むち打ち症で他覚所見のない場合の入通院慰謝料は,骨折などがある場合に比べ低額な基準が用いられる。 | 真実 | 「赤い本」(民事交通事故訴訟 損害賠償額算定基準)では,骨折等を伴う重傷用の基準(別表Ⅰ)と,むち打ち症等で他覚所見がない場合に用いる軽傷用の基準(別表Ⅱ)が区別されている。 |
| 178 | 裁判所は,労働能力喪失率について,後遺障害等級表に拘束されず,個別具体的に判断する権限を持つ。 | 真実 | 後遺障害等級表はあくまで参考であり,裁判所は被害者の職種,年齢,地位,能力などを総合的に勘案し,等級表の率を修正して労働能力喪失率を認定することができる。 |
| 179 | せん妄のリスク因子には,高齢,認知機能障害,手術の侵襲などが含まれる。 | 真実 | これらは日本集中治療医学会などが公表しているせん妄の予防・治療に関するガイドラインでも主要なリスク因子として挙げられている。 |
| 180 | 入院雑費の1日1,500円という基準は,実費の証明を不要とし,立証の負担を軽減する目的がある。 | 真実 | 日用品の領収書を全て保管し,損害として主張・立証するのは煩雑であるため,紛争の迅速な解決のために定額化されている。 |
| 181 | 「支持療法」は,がん医療の分野で確立された概念である。 | 真実 | がんそのものに対する治療ではなく,治療に伴う副作用や合併症,がんによる症状を予防・軽減するための治療法を指し,QOL維持に不可欠とされる。 |
| 182 | 賃金センサス(賃金構造基本統計調査)は,厚生労働省が毎年実施している統計調査である。 | 真実 | 主要産業に雇用される労働者の賃金の実態を,雇用形態,就業形態,職種,性,年齢,学歴,勤続年数,経験年数別等に明らかにする,国内最大規模の賃金に関する統計調査である。 |
| 183 | 自助具には,片手で調理ができるまな板や包丁,リーチャー(マジックハンド)など様々な種類がある。 | 真実 | これらは障害によって困難になった日常生活動作を補い,自立を促進するために開発された福祉用具であり,作業療法士が選択や使用方法の指導を行う。 |
| 184 | 言語聴覚士法は,言語聴覚士の資格や業務を定めた法律である。 | 真実 | 1997年に制定された法律であり,言語聴覚士が国家資格として位置づけられ,その業務内容や守秘義務などが規定されている。 |
| 185 | 柔道整復師法は,柔道整復師の資格や業務を定めた法律である。 | 真実 | 柔道整復師の免許,業務,施術所の開設などについて定めた法律であり,業務独占資格として規定されている。 |
| 186 | 診療放射線技師法は,診療放射線技師の資格や業務を定めた法律である。 | 真実 | 診療放射線技師の免許,業務,試験などについて定めた法律であり,医師等の指示の下での放射線照射を独占業務としている。 |
| 187 | 臨床検査技師等に関する法律は,臨床検査技師の資格や業務を定めた法律である。 | 真実 | 臨床検査技師および衛生検査技師の資格,業務,試験などについて定めており,検体検査や生理学的検査を業務内容としている。 |
| 188 | 義肢装具士法は,義肢装具士の資格や業務を定めた法律である。 | 真実 | 1987年に制定された法律であり,義肢装具士を国家資格として定め,その業務内容,免許,試験について規定している。 |
| 189 | 損益相殺は,交通事故の損害賠償において広く適用される法理である。 | 真実 | 被害者が加害者から賠償金を受け取る一方で,同じ原因から公的給付などを受けた場合,その利益分を賠償額から控除することは,判例上確立されたルールである。 |
| 190 | 成年後見制度は,民法に規定された制度である。 | 真実 | 民法の第8条以下に,後見,保佐,補助の3類型が定められており,判断能力が不十分な者の保護と支援を目的としている。 |
| 191 | 身体機能の評価方法として,関節可動域(Range of Motion, ROM)測定がある。 | 真実 | ゴニオメーター(角度計)を用いて,各関節が動く範囲を測定するもので,リハビリテーションにおける基本的な評価方法の一つである。 |
| 192 | 身体機能の評価方法として,徒手筋力テスト(Manual Muscle Testing, MMT)がある。 | 真実 | 検者の徒手抵抗に対して,被検者がどれだけの筋力を発揮できるかを0から5の6段階で評価する方法であり,筋力評価の標準的な手法である。 |
| 193 | 片麻痺とは,身体の片側(右半身または左半身)に生じる運動麻痺である。 | 真実 | 脳卒中や頭部外傷など,大脳の片側半球の損傷によって,損傷と反対側の手足に麻痺が生じる状態を指す。 |
| 194 | 関節拘縮とは,関節の動きが制限された状態を指す。 | 真実 | 関節を長期間動かさないことなどにより,関節周囲の軟部組織(皮膚,筋肉,靭帯,関節包など)が硬くなり,関節の可動域が狭くなった状態。 |
| 195 | 損害賠償額算定基準(通称:赤い本)は,日弁連交通事故相談センター東京支部が発行している。 | 真実 | 毎年改訂されており,裁判官,弁護士,保険会社など,交通事故実務に関わる多くの専門家が参考にする最も権威ある基準書の一つである。 |
| 196 | 労働者災害補償保険(労災保険)は,業務上または通勤中の労働者の傷病等に対して保険給付を行う制度である。 | 真実 | 労働者災害補償保険法に基づき,政府が管掌する社会保険制度であり,被災労働者やその遺族の保護を目的とする。 |
| 197 | 薬理作用とは,医薬品が体内で生化学的・生理的な変化を引き起こす作用のことである。 | 真実 | 医薬品が受容体への結合や酵素活性の阻害などを通じて,細胞や組織の機能に影響を与え,治療効果や副作用を発現させるメカニズムを指す。 |
| 198 | PTSD(心的外傷後ストレス障害)は,生命を脅かすような出来事を体験した後に生じる精神疾患である。 | 真実 | 交通事故の被害者にも発症することがあり,トラウマとなった出来事の再体験(フラッシュバック),回避,過覚醒などの症状が特徴である。 |
| 199 | ソケットは,切断した部分(断端)を収納し,義肢と身体を連結する部分である。 | 真実 | 義肢の中でも最も重要な部品の一つであり,体重を支持し,義肢をコントロールするための力を伝える役割を持つため,断端への精密な適合が求められる。 |
| 200 | 医療連携とは,異なる医療機関や専門職が,患者の情報を共有し,協力して治療やケアにあたることである。 | 真実 | 患者中心の質の高い医療を提供するために不可欠な概念であり,地域包括ケアシステムの構築においても中核的な要素とされている。 |
| 201 | 賃金センサスの正式名称は「賃金構造基本統計調査」である。 | 真実 | 厚生労働省が所管する基幹統計調査であり,その結果は損害賠償実務のほか,様々な政策立案の基礎資料として利用されている。 |
| 202 | 交通事故の損害には,治療費などの積極損害,休業損害などの消極損害,慰謝料が含まれる。 | 真実 | 財産的損害(積極損害,消極損害)と精神的損害(慰謝料)に大別され,これらを合計したものが損害賠償額の基本となる。 |
| 203 | 休業損害は,交通事故による傷害のために休業したことによる収入の減少を補填するものである。 | 真実 | 給与所得者,事業所得者,家事従事者などが対象となり,事故前の収入を基礎として,休業した日数に応じて算定される。 |
| 204 | 介助とは,日常生活を送る上で困難な動作を支援・手伝うことである。 | 真実 | 食事,排泄,入浴,更衣,移動など,人が自立した生活を送る上で必要な様々な動作に対する援助を指す。 |
| 205 | 廃用症候群の予防には,早期離床と積極的なリハビリテーションが重要である。 | 真実 | 過度な安静は廃用症候群を助長するため,可能な限り早期にベッドから離れ,体を動かすことが予防の基本であると,多くの医療ガイドラインで推奨されている。 |
| 206 | 福祉用具には,車椅子,補装具,介護用ベッド,歩行器などが含まれる。 | 真実 | これらは障害のある人や高齢者の自立を助け,介護者の負担を軽減するために用いられる機器の総称である。 |
| 207 | 誤嚥性肺炎は,高齢者の肺炎の中で高い割合を占める。 | 真実 | 加齢に伴う嚥下機能の低下や,脳血管疾患後遺症などにより,不顕性誤嚥(むせのない誤嚥)が増えるため,高齢者における肺炎の主要な原因となっている。 |
| 208 | 医療における他覚所見とは,医師の診察や検査によって客観的に確認できる異常所見を指す。 | 真実 | レントゲンやMRIなどの画像所見,神経学的検査(深部腱反射の異常など),血液検査の異常値などがこれにあたり,患者の自覚症状(主訴)と対比される。 |
| 209 | 中間利息控除とは,将来発生する損害を一時金で受け取る際に,将来の運用利益分を差し引くことである。 | 真実 | 将来の金銭を前倒しで受け取ることによる「利息相当分の利得」を調整するための法理であり,民法で定められた法定利率に基づいて計算される。 |
| 210 | 医師は,柔道整復師の施術に対して同意権や指示権を持つ。 | 真実 | 柔道整復師法において,骨折や脱臼の施術については,応急手当の場合を除き,医師の同意を得なければならないと定められている。 |
| 211 | 医療は,診断と治療の二つのプロセスから成り立つ。 | 真実 | 患者の症状や検査結果から病状を特定する「診断」と,その診断に基づいて症状の改善や治癒を目指す「治療」は,医療行為の根幹をなす両輪である。 |
| 212 | 臨床心理士や公認心理師も,カウンセリングを通じて被害者の心理的支援を行う専門職である。 | 真実 | 医療ソーシャルワーカーとは異なる専門性を持つ心理職も,トラウマケアや精神的回復の支援において重要な役割を担っている。 |
| 213 | 医療記録(診療録,看護記録など)は,法的な証拠能力を持つ。 | 真実 | 医療訴訟や損害賠償請求訴訟において,治療の経過や患者の状態を証明する最も重要な客観的証拠の一つとして扱われる。 |
| 214 | ライフサイエンスの進歩により,再生医療など新しい治療法が開発されつつある。 | 真実 | 脊髄損傷に対するiPS細胞を用いた治療など,これまで治療困難とされた傷害に対しても,新たな治療選択肢が研究・開発されている。 |
| 215 | 患者のQOL(Quality of Life)は,医療の重要な評価指標の一つである。 | 真実 | 現代医療では,単に延命や治癒を目指すだけでなく,患者がその人らしい生活を維持・向上できるかを重視する考え方が主流となっている。 |
| 216 | 損害賠償請求権には,消滅時効が存在する。 | 真実 | 民法および自動車損害賠償保障法により,損害および加害者を知った時から一定期間(人身損害は5年,物損は3年)が経過すると,権利が時効によって消滅する。 |