司法行政文書の国立公文書館への移管


目次
1 総論
2 実務レベルでの申合せ
3 司法行政文書に関する公文書等移管計画
4 歴史資料として重要な公文書等として内閣総理大臣に移管すべき司法行政文書の類型
5 関連記事その他
   
1 総論
(1) 裁判所及び国会は,内閣総理大臣と協議して定めることにより,歴史公文書の適切な保存のために必要な措置を講ずるものとされています(公文書管理法14条1項)。
   内閣総理大臣は,裁判所及び国会との合意により,歴史公文書の移管を受けることができます(公文書管理法14条2項)ところ,あらかじめ国立公文書館の意見を聴くことができます(公文書管理法14条3項)。
(2) 内閣総理大臣及び最高裁判所長官は,平成21年8月5日,「歴史資料として重要な公文書等の適切な保存のために必要な措置について」という申合せをしました(改正前の国立公文書館法15条1項参照)。
   これにより, 裁判所の過去の主要な活動を跡づけるために必要な,司法行政に係る重要な政策等裁判所の運営上の重要な事項に係る意思決定等が記録された司法行政文書について保存期間が満了した場合,国立公文書館に移管されることとなりました(国立公文書館HPの「司法府から国立公文書館への公文書の移管について」参照)。
   
2 実務レベルでの申合せ
(1) 内閣府大臣官房長及び最高裁判所事務総局秘書課長及び総務局長は,平成25年6月14日,「歴史資料として重要な公文書等の適切な保存のために必要な措置について(平成21年8月5日内閣総理大臣・最高裁判所長官申合せ)の実施について」という申合せをしました(公文書管理法14条1項参照)。
(2) 当該申合せでは,保存期間が満了した以下の司法行政文書が国立公文書館に移管されることとなりました。
ア   司法行政に係る重要な政策等裁判所の運営上の重要な事項に係る意思決定を行うための決裁文書(当該決裁文書と一体不可分の記録であって,当該決裁文書の内容又は当該意思決定に至るまでの審議,検討若しくは協議の過程が記録されたものを含む。)
イ   司法行政に係る重要な政策等裁判所の運営上の重要な事項に係る意思決定に基づく裁判所の事務の実績が記録されたもの
ウ   次のいずれかに該当するもの
①   保存されている期間が30年以上である文書(保存期間が30年未満であっても,当該文書の保存期間及び保存期間の満了する日を延長した結果として30年以上となるものを含む。)
②   最高裁判所がその施策等を一般に周知させることを目的として作成した広報誌,パンフレット,ポスター,ビデオ等の広報資料
③   予算,決算に関する送付文書等の毎年又は隔年等に定期的に作成される文書のうち,(2)エの規定により,内閣総理大臣が最高裁判所長官と移管について協議し,包括的な合意に達したもの
④   (2)オの規定により,合意した特定の国政上の重要事項等に関連して作成された文書であって,内閣総理大臣が最高裁判所長官と移管について協議し,合意に達したもの
エ   裁判所の保有する司法行政文書であって,アからウまでのいずれにも該当しないもののうち,結果として司法制度上多大な影響を及ぼすこととなった事項について記録されたものその他内閣総理大臣が国立公文書館において保存することが適当であると認めるものであって,内閣総理大臣が最高裁判所長官と移管について協議し,合意に達したもの
(3) 内閣府大臣官房公文書管理課長及び最高裁判所事務総局秘書課長及び総務局第一課長は,平成25年6月14日,「歴史資料として重要な公文書等の内閣総理大臣への移管手続について」という申合せをしました。
   
3 司法行政文書に関する公文書等移管計画
(1) 内閣総理大臣が最高裁判所長官に通知した,司法行政文書に関する公文書等移管計画を以下のとおり掲載しています。
・ 令和 4年度分(令和 5年3月24日付)
・ 令和 3年度分(令和 4年3月31日付)
・ 令和 2年度分(令和 3年3月31日付)
・ 令和 元年度分(令和 2年3月24日付)
・ 平成30年度分(平成31年3月27日付)
・ 平成29年度分(平成30年3月30日付)
・ 平成28年度分(平成29年3月30日付)
・ 平成27年度分(平成28年3月22日付)
・ 平成26年度分(平成27年3月30日付)
・ 平成25年度分(平成26年3月31日付)
・ 平成24年度分(平成25年3月28日付)
・ 平成23年度分(平成24年3月22日付)
(2) 公文書等移管計画は,歴史資料として重要な公文書等を移管する計画を年度ごとに定めた文書であり,「国立公文書館での保存を適当と認めるファイル」が載っています。4 歴史資料として重要な公文書等として内閣総理大臣に移管すべき司法行政文書の類型
・ 「内閣総理大臣への司法行政文書の移管に関する事務の取扱いについて」(平成22年3月30日付の最高裁判所事務総長依命通達)別表によれば,歴史資料として重要な公文書等として内閣総理大臣に移管すべき司法行政文書の類型は以下のとおりです。
① 規則,規程等関係
(1) 最高裁判所規則及び最高裁判所規程の制定及び改廃に関する文書
(2) 通達及び通知のうち重要なもの
(3) 規定の解釈及び運用基準に関する文書
(4) (1)に掲げる文書に係る各府省庁との申合せに関する文書
② 裁判官会議等関係
(1) 裁判官会議に関する文書
(2) 常置委員会に関する文書
③ 予算,決算関係
(1) 予算書及び予算参考書に関する文書
(2) 予算要求に関する文書
(3) 決算書及び決算参照書に関する文書
(4) 決算の説明に関する文書
(5) 歳入主計簿及び歳出主計簿に関する文書
(6) 国有財産に関する文書
④ 基本計画等関係
・ 司法行政に係る重要な政策等裁判所の運営上の重要な事務の方針及び計画に関する文書
⑤ 国際条約等関係
(1) 条約その他の国際約束の署名及び締結に関する文書
(2) 国際会議の取決めに係る記録のうち重要なもの
⑥ 組織,定員関係
(1) 組織の設立,変更及び廃止に関する文書
(2) 定員の変更及び廃止に関する文書
⑦ 審議会等関係
(1) 規則制定諮問委員会の諮問,答申,建議,意見及び議事録のうち重要なもの
(2) その他委員会,研究会等の報告書及び議事録のうち重要なもの
⑧ 事務総局会議関係
・ 事務総局会議に関する文書のうち重要なもの
⑨ 国会関係
(1) 国会答弁に関する文書
(2) 国会提出に関する文書
⑩ 争訟関係
・ 行政不服審査に関する文書
⑪ 統計関係
(1) 統計の企画及び公表資料の作成に関する文書
(2) 統計を作成するための調査に関する文書
⑫ 人事関係
(1) 職員の任免,身分,賞罰,恩給及び給与その他の人事に関する内規を定めた文書のうち特に重要なもの
(2) 審議会等の委員の任免関係に関する文書
⑬ 栄転,表彰関係
・ 叙位,叙勲,褒章及び各種表彰に関する文書のうち重要なもの
⑭ 事故等関係
・ 震災等自然災害関係等に関する文書のうち重要なもの
⑮ 調査,研究関係
(1) 司法行政に係る重要な政策等裁判所の運営上の重要な意思決定又はその遂行に反映させるために実施した調査又は研究の経緯に関する文書
(2) 司法行政に係る重要な政策等裁判所の運営上の重要な意思決定又はその遂行に反映させるために実施した調査又は研究の結果報告書
⑯ 司法行政に係る重要な政策関係
・ 司法行政に係る重要な政策等裁判所の運営上の重要な意思決定及び当該意思決定に基づく司法行政事務の実績が記録されたもの
⑰ その他
・   最高裁判所長官と内閣総理大臣が合意して移管の対象と認める国政上重要なもの又はそれに準じるもの
   
5 関連記事その他
(1) 内閣府HPの「公文書管理制度」「法令・通知等」があります。
(2) 「行政機関におけるコンプライアンス確保のための取組について」(平成30年8月3日の研修資料)が分かりやすいです。
(3) 以下の記事も参照してください。
・ 公文書管理に関する経緯,公文書館に関連する法律及び国立公文書館
・ 裁判関連文書は国立公文書館への移管が予定されていないこと
・ 司法行政文書に関する文書管理
・ 歴史資料として重要な公文書等として内閣総理大臣に移管すべき司法行政文書
・ 民事事件の判決原本の国立公文書館への移管
・ 公文書管理に関する経緯,公文書館に関連する法律及び国立公文書館


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