第1 死亡したのが誰かで相続の結論が変わる
1 本記事が扱う範囲
名義株では,株主名簿に記載された名義人と,株式を実質的に取得・保有する真の株主とが一致しない。そのため,「株主が死亡した」というだけでは,株式が誰の相続財産に入るかを判断できない。死亡したのが真の株主であれば株式そのものが相続されるが,実質的な株主権を持たない名義人だけが死亡したのであれば,名簿に氏名が残っていても,その株式が当然に名義人の相続財産になるわけではない。
本記事は,令和8年8月21日現在の法令及び公表裁判例に基づき,①真の株主が死亡した場合,②名義人だけが死亡した場合,③双方が順次死亡した場合を分け,相続財産,共同相続中の議決権,株主名簿の訂正,会社法174条の売渡請求,相続税及び証拠を整理する。生成AIを用いて調査したが,条文,裁判年月日,事件番号及び判示内容はe-Gov法令検索,裁判所又は国税庁の公表原本と照合した。
誰が真の株主かを認定する一般的な基準,証拠及び名義書換えは,名義株の株主は誰か―認定基準,証拠,名義書換え及び相続・M&Aの留意点(AI作成)で扱っている。本記事は,その帰属認定を死亡時点ごとに行った後の相続処理に焦点を当てる。
2 三つの場面の基本的な違い
死亡者ごとの基本的な分岐は,次のとおりである。
| 死亡した者 | 株式が入る相続財産 | 株主名簿上の主な問題 | 会社法174条 |
|---|---|---|---|
| 真の株主 | 真の株主の相続財産 | 登録済みなら一般承継の証明,別人名義なら名義人側との共同申請等 | 相続人が実際に譲渡制限株式を承継し,定款に定めがあれば適用し得る |
| 実質的株主権を持たない名義人 | 株式は名義人の相続財産に入らない | 名義人の相続人が会社法133条2項の共同申請の相手方となる | 相続人が株式を取得していないので,当然には適用できない |
| 双方が順次死亡 | 株式は真の株主側の相続系列をたどる | 名義訂正への関与者は名義人側の相続系列をたどる | どちらの死亡で株式が一般承継されたかを先に確定する |
この区別は,民法896条が相続人に承継させるのを「被相続人の財産に属した一切の権利義務」とし,会社法174条が対象とする者を,相続その他の一般承継により譲渡制限株式を「取得した者」としていることから導かれる。株主名簿上の表示と,死亡者が実際に有していた株主権を混同してはならない。
第2 各死亡時点の真の株主を先に確定する
1 株主名簿だけで相続財産を決めない
会社法121条以下の株主名簿は,会社が株主を画一的に管理するための重要な制度である。しかし,名義株の実体的な帰属が争われる場面では,名簿の記載だけが決定基準になるわけではない。最高裁昭和42年11月17日判決(昭和42年(オ)第231号,民集21巻9号2448頁)は,他人の承諾を得てその名義を用いて株式を引き受けた事案について,実際に引受けの申込みをした者が株主になると判断した。
真の株主を確認するときは,①設立又は増資時の払込み,②名義貸与の合意と理由,③配当・新株等の帰属,④議決権行使,⑤株券・印章・申込資料の管理,⑥会社と関係者の認識,⑦法人税申告書別表二,相続税申告書その他の申告資料を総合する。東京地方裁判所が公表する株主権確認訴訟の記載例も,取得資金,名義貸与者との合意,名義借りの理由及び議決権行使等を具体的に記載するよう求めている。
2 死亡日ごとに帰属が変わっていないかを確認する
設立時には創業者が真の株主であったとしても,死亡前に名義人へ株式を贈与又は譲渡していれば,死亡時の帰属は変わる。反対に,株主名簿上は名義人のままでも,その後に真の株主の所有を確認する合意がされ,配当・議決権・処分も一貫して真の株主が行っていれば,当初の名義状態が維持されていたと評価する方向に働く。
したがって,設立時の払込人だけで結論を固定せず,設立,増資,株式譲渡,贈与,遺産分割及び各死亡日を一つの時系列に置く必要がある。遺産分割協議書に株式が記載された事実も証拠にはなるが,その協議の当事者が実際に株主権を相続していなければ,協議書だけで株主権を作り出すことはできない。
3 会社法上の帰属と相続税上の帰属を同じ資料で検証する
東京地方裁判所平成20年10月17日判決(税務訴訟資料258号順号11053)は,名義財産について,取得原資,管理・運用,収益の帰属,名義人と被相続人の関係及び名義を用いた経緯等を総合して帰属を判断した。東京地方裁判所令和2年1月30日判決(税務訴訟資料270号順号13376)も,親族名義の株式について,被相続人の事業収益を原資とした取得,株券・印章の一体管理及び配当の入金先等を検討し,被相続人の相続財産と認定した。
会社法と相続税法は制度目的が異なるが,死亡時に誰が株式を実質的に所有していたかを確認する基礎資料は重なる。会社の株主名簿だけを訂正して相続税申告を放置し,又は相続税申告だけを修正して株主名簿・議決権処理を放置するのではなく,同じ時系列と証拠に基づいて整合させる必要がある。重加算税との区別は,名義株は違法か―会社法・相続税・重加算税・上場規則違反を区別する(AI作成)で説明している。
第3 真の株主が死亡した場合
1 名義が別人でも株式は真の株主の相続財産となる
民法896条により,相続人は相続開始時から被相続人の財産に属した一切の権利義務を承継する。したがって,死亡者が真の株主であれば,株主名簿が親族,従業員その他の者の名義でも,株式は真の株主の相続財産に入る。
名古屋高等裁判所平成3年4月24日判決(平成2年(ネ)第206号)は,従業員等の名義となっていた株式を被相続人の所有と認定し,その死亡後の遺産分割によって相続人2名が取得した事案を扱った。株主名簿の名義と相続財産が一致しない場合でも,会社の税務申告資料,株式取得の経緯,遺産分割その他の事情から相続による承継を認定し得ることを示す直接的な裁判例である。
2 遺産分割までは共同相続人の準共有となる
共同相続された株式は,相続開始と同時に法定相続分に応じた株数へ当然に分割されるものではなく,遺産分割まで共同相続人の準共有となる。最高裁平成26年2月25日判決(平成23年(受)第2250号,民集68巻2号173頁)は,共同相続された株式が遺産分割の対象となることを確認した。
会社法106条は,共有株式について,権利を行使する者1人を定め,会社へ通知することを原則とする。最高裁平成9年1月28日判決(平成5年(オ)第1939号,裁判集民事181号83頁)は,権利行使者の指定を持分価格の過半数で決め得るとした。もっとも,権利行使者を決めることと,具体的な議決内容を決めることは別である。
最高裁平成27年2月19日判決(平成25年(受)第650号)は,会社が会社法106条ただし書により権利行使を認めても,共有者内部の意思決定まで適法になるわけではないとした。議決権行使は通常,民法252条の管理行為として持分価格の過半数で決めることになり,持分が各2分の1の相続人の一方が他方に反して行った議決権行使は適法な管理行為ではないと判断された。
3 株主名簿が真の株主名義か別人名義かで手続が分かれる
死亡した真の株主が株主名簿にも記載されていた場合,その相続人その他の一般承継人は,一般承継を証する書面を提供し,会社法施行規則22条1項4号により単独で株主名簿記載事項の記載・記録を請求することを検討できる。戸籍全部事項証明書,法定相続情報一覧図,遺言,遺産分割協議書その他,誰が株式を承継したかを示す資料が必要となる。
これに対し,株主名簿が別の名義人のままであれば,真の株主の相続人は,株主名簿上の名義人の一般承継人ではない。そのため,相続を証する書面だけで同規則22条1項4号を使うことはできず,会社法133条2項に基づき,名簿上の名義人又はその相続人その他の一般承継人との共同申請等を検討することになる。相続人であることと,名義人側の協力を経ずに株主名簿を訂正できることは同じではない。
法務省の「主要な株主Aが死亡した場合の株主リストの記載」は,登記申請に添付する株主リストについて,株主名簿の名義書換えの有無,会社が名義書換未了の承継人に権利行使をさせたか等により記載を分けている。この資料は真の株主と名義人の争いを解決するものではないが,会社が死亡後の株主名簿・権利行使・登記資料を一つの名義だけで機械的に処理できないことを示す。
4 会社法174条は株式を承継した相続人に適用される
譲渡制限株式も,相続による一般承継自体に通常の譲渡承認を要しない。ただし,定款に会社法174条の定めがある会社は,相続その他の一般承継により譲渡制限株式を取得した者へ,その株式を会社に売り渡すよう請求できる。
会社法176条3項により,会社が相続その他の一般承継を知った日から1年以内に,対象株式数等を株主総会で決定しなければならない。売渡請求を受けた相続人が売買価格の決定を裁判所へ申し立てる期間は,請求日から20日以内である(会社法177条2項)。この制度を利用するには,死亡者が真の株主で,相続人がその譲渡制限株式を実際に承継したことを先に確認する必要がある。
第4 名義人だけが死亡した場合
1 株式は名義人の相続財産に入らない
名義人が実質的な株主権を持たなかったという前提では,名義人が死亡しても,その相続人が株主権を承継することはない。民法896条が相続させるのは死亡者が実際に有していた権利義務であり,株主名簿の記載それ自体が,名義人の死亡時に新たな株主権を生じさせるものではない。
もっとも,「名義人」と呼ばれていても,死亡前に真の株主から贈与又は譲渡を受け,配当,議決権及び処分を自己のために行っていたのであれば,死亡時には実質的株主となっている可能性がある。その場合は名義人の相続財産となるため,名称ではなく各死亡時点の実体を確認しなければならない。
2 名義人の相続人は名義書換えの共同申請者となる
会社法133条2項は,株式取得者が株主名簿記載事項の記載・記録を請求する場合,株主名簿上の株主だけでなく,その「相続人その他の一般承継人」と共同して請求することを原則とする。したがって,名義人の相続人が株式を実質的に取得しなくても,株主名簿を真の株主名義へ直す手続では,共同申請の相手方となる。
まず,名義人の出生から死亡までの戸籍,死亡後の戸籍,相続放棄の有無及び二次相続を確認する。相続人全員が名義株であることを認める場合は,対象株式,取得原因,名義を借りた経緯,配当・議決権の扱い及び名義訂正への同意を具体的に記載した資料を整え,会社法133条2項に沿った申請を検討する。名義人の相続人が真の株主だと誤解されないよう,実体のない売買又は贈与の形式を作らないことも必要である。
3 相続人の協力が得られない場合は判決による例外を検討する
名義人の相続人が自己の株主権を主張する,所在が分からない,又は共同申請を拒む場合,会社が一方の説明だけで株主名簿を訂正することには危険がある。真の株主又はその相続人は,株主権確認訴訟,名義書換手続請求その他の請求を検討する。会社法施行規則22条1項1号・2号は,確定判決又は確定判決と同一の効力を有するもの等を,共同申請を要しない場合として定める。
誰を被告とするかは,発行会社が株主資格を争っているのか,名義人の相続人が自ら株主であると主張しているのか,判決後にどの名義書換手続を実現する必要があるのかによって異なる。遺産に属すること自体が相続人間で争われる場合の確認の利益・当事者は,遺産確認の訴えとは――当事者・確認の利益・対象財産・主張立証(AI作成)で説明している。
4 会社法174条を名義人の相続人へ当然には使えない
会社法174条が対象とするのは,相続その他の一般承継により譲渡制限株式を「取得した者」である。名義人に株主権がなく,その相続人も株式を承継していないなら,名義人の相続人は同条の対象に当たらないと解するのが条文に整合する。
実務書には,名義人の死亡後,その相続人へ会社法174条による売渡請求を行う処理を紹介するものがある。しかし,名義人が真の株主でない事案でこの処理を採ると,会社が名義人の相続人による株式取得を前提として売買代金を支払うことになり,真の株主との関係をかえって複雑にする。名義人が実質株主であった場合と,株主名簿上の表示だけを有していた場合を分け,後者は原則として名義訂正又は帰属確定によって処理すべきである。なお,この174条の適用範囲を正面から判示した公刊裁判例は確認できなかった。
第5 真の株主と名義人が順次死亡した場合
1 真の株主が先に死亡した場合
真の株主が先に死亡すれば,株式はその死亡時に真の株主側の相続人へ承継される。名義人が後に死亡しても,株式が名義人側の相続財産へ移るわけではない。ただし,株主名簿の共同申請の相手方が名義人本人からその相続人その他の一般承継人へ変わる。
この場合,真の株主側では,誰が株式を相続したかを遺言又は遺産分割で確認し,名義人側では,誰が会社法133条2項の手続に関与するかを戸籍等で確認する。二つの相続系列は役割が違うため,一つの家系図又は一つの遺産分割協議書にまとめて考えない方がよい。
2 名義人が先に死亡した場合
名義人が先に死亡した時点では,名義人に実質的株主権がなければ株式は名義人側へ承継されない。しかし,名義を訂正しないまま真の株主も死亡すると,真の株主側では株式の共同相続が発生し,名義人側では共同申請の相手方が複数の相続人・二次相続人へ広がる。
東京地方裁判所平成17年11月11日決定(平成17年(ヨ)第20103号)は,被相続人の株式でありながら従業員等の名義となっていた株式について,名義人の確認書及び相続資料を検討した。他方,約40年の経過,株式の特定及び第三者取得の可能性を理由に,主張された全株式の所有を容易には認めなかった。死亡後の時間経過は,当事者が増えるだけでなく,株式の同一性と証拠の評価にも影響する。
3 二つの遺産分割と相続税申告を混同しない
真の株主側の遺産分割は株式を誰が取得するかを決める。他方,株式を実質的に所有していなかった名義人側の遺産分割は,株主権の取得原因にはならない。名義人側の遺産分割協議書に当該株式を記載していても,死亡時に名義人の財産でなかったなら,真の株主側との間で帰属を再検討する必要がある。
相続税申告も死亡者ごとに行われるため,真の株主側の申告に株式を含め,名義人側の申告には含めないのが実体に対応する基本形となる。ただし,過去の申告が逆になっている場合は,民事上の確認書だけで是正が完了するわけではない。各申告について,修正申告,更正の請求その他の税務手続の可否・期限を個別に確認する。株式の帰属を確定した後の非上場株式の評価は,遺産相続における非上場株式の評価方法(AI作成)で扱っている。
第6 証拠収集と名義訂正の進め方
1 二つの相続関係図と一つの株式時系列を作る
最初に,①真の株主候補の死亡日ごとの相続関係,②名義人の死亡日ごとの相続関係を別々に図示する。各人について,死亡日,法定相続人,遺言,遺産分割,相続放棄及び二次相続を記載する。次に,設立・増資,名義設定,配当,議決権行使,譲渡・贈与,各死亡及び遺産分割を一つの株式時系列に置く。
相続関係図は「誰が株式を承継したか」と「誰が名義訂正へ関与するか」を分けるためのものであり,株式時系列は各死亡日における真の株主を確定するためのものである。この三つを重ねると,真の株主側の相続人と,名義人側の共同申請者を取り違えにくい。
2 低負担の客観資料から集める
会社側では,①原始定款,設立・増資資料,株式申込証及び払込資料,②現在及び過去の株主名簿,株券台帳,譲渡承認資料,③法人税申告書別表二,勘定元帳,配当資料及び株主総会資料を先に保全する。真の株主又は相続人側では,④払込口座,配当入金口座,相続税・所得税申告書,⑤株券,確認書,手紙,電子メール及び売買・贈与資料,⑥遺言,遺産分割協議書及び戸籍を集める。
名義人又はその相続人だけが保有する確認書・口座資料,金融機関の古い取引履歴及び第三者の税務資料は,真の株主側が当然に取得できるものではない。まず自分と会社が保有する資料で取得原因と死亡時の帰属を仮評価し,不足資料が結論を変える場合に限って,相手方への照会,弁護士会照会,調査嘱託,文書送付嘱託又は文書提出命令を検討する。
3 会社は帰属争いの判断資料を保存する
会社が名義株を認識した場合,経営者の一存で株主名簿,招集通知又は配当先を変更すると,真の株主側と名義人側の双方から争われるおそれがある。会社は,誰がどの取得原因を主張したか,対象株式をどう特定したか,どの相続人を確認したか,提出資料と反対資料は何か,関係者へ意見を述べる機会を与えたかを記録する必要がある。
当事者全員の認識と客観資料が一致する場合は,共同申請等による訂正を進め得る。これに対し,①名義人の相続人が株主権を主張する,②複数の遺産分割協議書が矛盾する,③株券又は第三者への譲渡が疑われる,④訂正により会社支配が変わる,⑤長期間が経過して対象株式を特定できない場合は,会社だけで帰属を確定せず,株主権確認訴訟等へ移るべきである。
4 高負担の手続へ進まない基準
対象株式の数・種類を特定できず,払込み,名義貸与の合意,配当,議決権その他の取得原因を示す手掛かりもなく,追加資料の取得可能性もない場合,訴訟へ進んでも株主権を立証できない可能性が高い。また,株式の経済的価値又は会社支配への影響が小さく,名義人側も権利主張をしておらず,税務上の処理も完了している場合は,高負担の訴訟より,現存資料の保存と将来の共同申請に備えた関係者確認を優先する余地がある。
反対に,株主総会,事業承継,M&A,相続税申告又は会社法174条の期限が迫り,誰を株主として扱うかで結論が変わる場合は,早期に仮処分又は本案訴訟を検討する。追加調査又は訴訟の目的を,「どの事実が判明すれば株主・遺産・議決権の結論が変わるか」という形で具体化できることが,高負担手段へ進む条件となる。
第7 死亡後に確認する期間制限
1 相続・税務・会社法の期限は別々に進む
民法915条による相続の承認・放棄の熟慮期間は,自己のために相続開始があったことを知った時から3か月である。相続税法27条による相続税申告は,原則として,相続開始を知った日の翌日から10か月以内である。名義株の帰属調査又は相続人間の協議が続いていることだけで,これらの期間が当然に停止するわけではない。
譲渡制限株式について会社法174条の売渡請求を検討する場合,会社が相続その他の一般承継を知った日から1年以内に株主総会の決定が必要となり,価格決定の申立期間は売渡請求日から20日である。名義株を理由に株主総会決議取消しを求める場合,会社法831条1項の出訴期間は決議日から3か月である。株主帰属の最終確定を待ってから期限を確認するのではなく,調査と期限対応を並行させる必要がある。
2 名義株全体に一つの消滅時効があるわけではない
株主たる地位の確認,株主名簿の記載請求,名義貸与契約に基づく協力請求,配当・売却代金の返還,不法行為による損害賠償及び税務上の更正・徴収には,それぞれ異なる要件と期間がある。そのため,「名義株は10年で時効になる」,又は「所有権の問題だから期限は一切ない」と一括して説明することはできない。
期間を検討するときは,誰が誰に対して,どの法律関係に基づき,何を求めるのかを先に特定する。少なくとも,前記の3か月,10か月,1年,20日及び決議取消しの3か月は,名義株の帰属論とは別に日付を記録して管理すべきである。
第8 出典・参考資料
1 法令
① 民法(明治29年法律第89号)252条,264条,896条,898条,899条,909条及び915条(e-Gov法令検索)。
② 会社法(平成17年法律第86号)106条,121条,130条,133条,174条~177条及び831条(e-Gov法令検索)。
③ 会社法施行規則(平成18年法務省令第12号)22条(e-Gov法令検索)。
④ 相続税法(昭和25年法律第73号)27条(e-Gov法令検索)。
2 裁判例
① 最高裁判所第二小法廷昭和42年11月17日判決(昭和42年(オ)第231号,民集21巻9号2448頁,裁判所ウェブサイト)。
② 名古屋高等裁判所平成3年4月24日判決(平成2年(ネ)第206号,裁判所ウェブサイト)。
③ 最高裁判所第三小法廷平成9年1月28日判決(平成5年(オ)第1939号,裁判集民事181号83頁,裁判所ウェブサイト)。
④ 東京地方裁判所平成17年11月11日決定(平成17年(ヨ)第20103号,裁判所ウェブサイト)。
⑤ 最高裁判所第三小法廷平成26年2月25日判決(平成23年(受)第2250号,民集68巻2号173頁,裁判所ウェブサイト)。
⑥ 最高裁判所第一小法廷平成27年2月19日判決(平成25年(受)第650号,裁判所ウェブサイト)。
⑦ 東京地方裁判所平成20年10月17日判決(相続税更正処分取消等請求事件,税務訴訟資料258号順号11053,国税庁)。
⑧ 東京地方裁判所令和2年1月30日判決(相続税更正処分等取消請求事件,税務訴訟資料270号順号13376,国税庁)。
3 公的資料
① 東京地方裁判所「株主権確認訴訟の記載例」(令和6年5月15日改訂)。
② 法務省「主要な株主Aが死亡した場合の株主リストの記載」。
4 文献
① 加藤真朗編著『株主管理・少数株主対策ハンドブック―会社内部紛争の予防,事業承継・M&Aへの備え方』(日本加除出版,2022年)60頁~73頁。
② 安部和彦『相続税調査であわてない「名義」財産の税務〔第2版〕』(中央経済社,2017年)155頁~164頁。
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