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(AI作成)51期以下のエリート裁判官(S2級)30人のキャリア分析

◯本ブログ記事は専らAIで作成したものです。
「(AI作成)51期以下のトップエリート裁判官(S1級)12人のキャリア分析」も参照してください。

目次

第1 本記事の目的と分析の枠組み

1 本記事の目的

本記事は,最高裁判所事務総局における局付及び課長の経験という観点から,現職裁判官のうち51期以下で級組S2に位置づけられる30人の経歴を横断的に分析するものである。
個別の経歴の詳細は各裁判官の経歴記事に譲り,本記事は級組という分類軸から見た共通点と差異の整理に主眼を置く。

あらかじめ断っておくと,本記事は経歴上の傾向を整理するものであって,個々の裁判官の能力・適性を評価するものではなく,将来の人事を断定するものでもない。

2 分析対象の画定

(1) 「51期以下」の意味

「期」とは,司法修習を修了した期を指し,数が大きいほど任官が新しい。
本記事は,51期から61期までの裁判官を対象とする。
62期以降に級組S2に該当する現職裁判官がいないのは,より新しい期の裁判官が,まだ事務総局の課長級ポストに到達していないためである。

(2) 「級組S2」の意味

級組は,事務総局の局付・課長の経験の有無によって裁判官を分類する指標である。
最も上位のS1は,官房系(人事局・経理局・総務局・秘書課等,司法行政の管理部門)の局付と課長の双方を経験した者を指す。
これに対しS2は,官房系か事件系(民事局・刑事局・行政局・家庭局)かを問わず,局付と課長の双方を経験した者を指す。
局付又は課長の一方のみを経験した者はS3となる。

したがってS2は,局付と課長の双方を経験しながら,その双方を官房系では揃えなかった層であり,S1に次ぐ位置にあるといえる。

(3) 対象30人の一覧

本記事が対象とする30人は,次のとおりである(期の若い順。生年月日及び出身大学を併記し,出身大学が公開資料から確認できないものは記載しなかった。氏名には当ブログの経歴記事へのリンクを付した。)。

  • 成田晋司裁判官(51期,昭和45年10月2日生)
  • 福家康史裁判官(51期,昭和47年3月27日生)
  • 餘多分宏聡裁判官(51期,昭和46年8月8日生)
  • 吉田智宏裁判官(52期,昭和50年11月12日生)
  • 富澤賢一郎裁判官(52期,昭和49年8月3日生)
  • 山本拓裁判官(52期,昭和46年4月26日生)
  • 戸苅左近裁判官(52期,昭和48年7月20日生)
  • 日置朋弘裁判官(52期,昭和48年11月26日生)
  • 榎本光宏裁判官(52期,昭和48年6月11日生)
  • 中島崇裁判官(53期,昭和47年3月29日生)
  • 岩井一真裁判官(53期,昭和45年6月30日生)
  • 荒谷謙介裁判官(53期,昭和51年6月1日生)
  • 宇田川公輔裁判官(54期,昭和51年3月18日生,出身大学未確認)
  • 松川充康裁判官(54期,昭和52年7月1日生)
  • 棈松晴子裁判官(54期,昭和52年12月19日生,慶應義塾大学)
  • 高田公輝裁判官(55期,昭和53年5月12日生)
  • 南宏幸裁判官(56期,昭和54年12月19日生)
  • 向井宣人裁判官(56期,昭和50年2月15日生)
  • 木村匡彦裁判官(56期,昭和51年10月1日生)
  • 渡邉達之輔裁判官(56期,昭和52年1月19日生,東京大学)
  • 北嶋典子裁判官(57期,昭和55年12月16日生)
  • 市原志都裁判官(57期,昭和52年9月1日生)
  • 近藤和久裁判官(57期,昭和50年5月28日生)
  • 小津亮太裁判官(58期,昭和56年12月18日生,慶應義塾大学)
  • 西岡慶記裁判官(58期,昭和56年6月12日生)
  • 佐藤彩香裁判官(59期,昭和56年7月20日生,早稲田大学)
  • 恒光直樹裁判官(60期,昭和54年11月24日生,京都大学大学院)
  • 松原経正裁判官(60期,昭和56年6月4日生)
  • 遠藤圭一郎裁判官(60期,昭和52年9月25日生)
  • 岩佐圭祐裁判官(61期,昭和57年3月22日生)

3 法的枠組み

(1) 級組と報酬の区別

級組は,政治学者の西川伸一が裁判官の経歴的資源を分類するために用いた指標であり,法令上の制度ではない。
裁判官の報酬は,憲法79条6項及び80条2項が減額されない旨を定め,その具体的な額は裁判官の報酬等に関する法律が判事の号(1号から8号まで)等として定めている。
級組(S・A・B)と報酬上の号とは別の概念であり,本記事にいう「S2」は報酬の高低を意味するものではない。

(2) 裁判所法上の任命と身分保障

下級裁判所の裁判官は,最高裁判所の指名した者の名簿によって内閣が任命し,その任期は10年で,再任されることができる(憲法80条1項)。
裁判官は,裁判により心身の故障のために職務を執ることができないと決定された場合及び公の弾劾による場合を除いては罷免されず(憲法78条),その意思に反して免官・転官・転所・職務の停止又は報酬の減額をされない(裁判所法48条)。
判事は,年齢65年に達した時に退官する(裁判所法50条)。
本記事の対象は全員が現職であり,最も早い者でも定年退官は西暦2035年以降である。

(3) 最高裁判所事務総局の人事ルート

最高裁判所には事務総局が置かれ,最高裁判所の庶務をつかさどる(裁判所法13条)。
事務総局は,秘書課のほか,総務局・人事局・経理局・民事局・刑事局・行政局・家庭局等から構成され,その組織及び分掌は最高裁判所規則等が定める。
一般に,裁判官は各局の「局付」として配属されて経験を積み,その後に各局の「課長」や「参事官」を務めるという経路がある。
本記事にいう級組S2は,この局付と課長の双方を経験したことを指標とするものである。

第2 30人のキャリア分析

1 成田晋司裁判官(51期)

(1) 職歴の概要

  • H11.4.11 東京地裁判事補
  • H14.7.15 和歌山地家裁判事補
  • H16.4.1 和歌山家地裁判事補
  • H17.4.1 最高裁民事局付
  • H19.7.1 東京地裁判事補
  • H20.4.1 長崎地家裁厳原支部判事補
  • H21.4.11 長崎地家裁厳原支部判事
  • H22.4.1 東京地裁判事
  • H23.4.1 最高裁民事調査官
  • H27.4.1 横浜地裁4民判事(医事部)
  • H29.3.1 最高裁民事局第一課長
  • R2.4.1 東京高裁24民判事
  • R2.9.15 東京地裁13民判事
  • R5.4.1 大阪地裁13民部総括
  • R8.4.1 東京地裁49民部総括 (現職)

(2) キャリアの特徴

成田裁判官は,最高裁民事局付から民事局第一課長へと進み,その間に最高裁民事調査官も務めた,民事局を軸とする経歴である。
局付・課長のいずれも事件系の局であり,官房系の局付・課長を経ていない点でS2に位置づけられる。
現在は東京地裁の民事部総括として裁判実務の現場にある。

2 福家康史裁判官(51期)

(1) 職歴の概要

  • H11.4.11 東京地裁判事補
  • H15.8.5 外務省総合外交政策局国際社会協力部人権人道課事務官
  • H16.8.1 外務省大臣官房国際社会協力部人権人道課国際組織犯罪室事務官
  • H17.8.1 在ストラスブール日本国総領事館領事
  • H19.8.16 東京地裁判事補
  • H19.10.1 青森地家裁判事補
  • H22.4.1 最高裁人事局付
  • H24.4.1 東京地裁判事
  • H25.4.1 大阪地裁2刑判事
  • H28.4.1 最高裁総務局参事官
  • H30.12.25 最高裁刑事局第一課長
  • R3.12.10 東京高裁2刑判事
  • R4.9.5 千葉地裁刑事部判事
  • R6.4.1 東京地裁7刑部総括 (現職)

(2) キャリアの特徴

福家裁判官は,外務省への出向(人権人道課及び在ストラスブール総領事館領事)を経た国際的な経歴を持つ。
局付は最高裁人事局付という官房系であるが,課長は刑事局第一課長という事件系であり,官房系の局付と課長の双方を要するS1には至らずS2となる。
現在は東京地裁の刑事部総括である。

3 餘多分宏聡裁判官(51期)

(1) 職歴の概要

  • H11.4.11 東京地裁判事補
  • H13.4.1 最高裁民事局付
  • H16.4.1 旭川地家裁判事補
  • H19.4.1 さいたま地家裁判事補
  • H21.4.11 さいたま地家裁判事
  • H23.4.1 鹿児島地家裁加治木支部判事
  • H26.4.1 最高裁民事局第二課長
  • H28.4.1 最高裁民事局第一課長
  • H29.2.20 東京高裁1民判事
  • R1.7.16 東京地裁41民判事
  • R2.4.1 東京地裁31民判事
  • R3.4.1 司研第一部教官
  • R6.4.1 東京地裁16民部総括 (現職)

(2) キャリアの特徴

餘多分裁判官は,最高裁民事局付の後,民事局第二課長から第一課長へと民事局の課長を続けて務めた民事系の経歴である。
司法研修所の教官も経ている。
局付・課長のいずれも事件系であり,S2に位置づけられる。

4 吉田智宏裁判官(52期)

(1) 職歴の概要

  • H12.4.10 東京地裁判事補
  • H16.8.1 最高裁刑事局付
  • H19.8.1 高知地家裁判事補
  • H22.4.1 仙台地裁判事補
  • H22.4.10 仙台高裁刑事部判事
  • H26.4.1 司研刑裁教官
  • H28.4.1 最高裁刑事局第二課長
  • H30.4.1 最高裁情報政策課情報セキュリティ室長
  • R3.4.1 東京地裁11刑判事
  • R5.4.1 名古屋地裁3刑部総括
  • R8.4.1 東京高裁1刑判事 (現職)

(2) キャリアの特徴

吉田裁判官は,局付・課長のいずれも刑事局で務めた刑事系の経歴である。
司法研修所刑事裁判教官のほか,情報政策課情報セキュリティ室長という司法行政の専門ポストも経ている。
官房系の局付・課長を経ていない点でS2となる。

5 富澤賢一郎裁判官(52期)

(1) 職歴の概要

  • H12.4.10 東京地裁判事補
  • H15.8.1 法務省民事局付
  • H19.4.1 旭川地家裁判事補
  • H22.4.1 最高裁民事局付
  • H24.4.1 東京地裁判事
  • H25.4.1 名古屋地裁9民判事
  • H27.10.16 最高裁総務局第二課長
  • H30.7.1 最高裁民事局参事官
  • R3.4.1 東京高裁7民判事
  • R4.8.2 最高裁総務局人事課長
  • R6.8.5 東京高裁23民判事
  • R7.9.8 東京高裁事務局長 (現職)

(2) キャリアの特徴

富澤裁判官は,法務省民事局及び最高裁民事局の局付という事件系の出発点から,総務局第二課長,総務局人事課長という官房系の課長へと進んだ経歴である。
局付が事件系,課長が官房系という組合せであり,官房系の局付が加わればS1となる位置にある。
現在は東京高裁事務局長という司法行政の管理ポストにある。

6 山本拓裁判官(52期)

(1) 職歴の概要

  • H12.4.10 大阪地裁判事補
  • H16.7.12 東京地裁判事補
  • H16.7.15 内閣官房副長官補付
  • H16.12.1 内閣官房司法制度改革推進室室員
  • H18.7.1 東京地裁判事補
  • H19.4.1 広島家地裁判事補
  • H22.4.1 最高裁家庭局付
  • H24.4.1 大阪地裁判事
  • H27.4.1 名古屋地裁8民判事
  • H28.4.1 最高裁民事局第二課長
  • H30.8.1 東京高裁19民判事
  • R2.4.1 最高裁行政調査官
  • R3.4.1 最高裁行政調査官室上席補佐
  • R6.4.1 大阪地裁16民部総括
  • R8.4.7 大阪地裁2民部総括(租税・行政部) (現職)

(2) キャリアの特徴

山本裁判官は,内閣官房(司法制度改革推進室)への出向を経て,家庭局付の後に民事局第二課長を務め,最高裁行政調査官(上席補佐)も経ている。
局付・課長のいずれも事件系であり,S2に位置づけられる。
現在は大阪地裁の租税・行政部の総括である。

7 戸苅左近裁判官(52期)

(1) 職歴の概要

  • H12.4.10 名古屋地裁判事補
  • H14.4.1 横浜家地裁小田原支部判事補
  • H15.7.1 横浜地家裁小田原支部判事補
  • H17.4.1 東京地検検事
  • H19.4.1 東京地裁判事補
  • H21.4.1 最高裁刑事局付
  • H23.4.1 名古屋地家裁岡崎支部判事
  • H26.4.1 東京地裁4刑判事
  • H28.4.1 司研刑裁教官
  • H30.4.1 最高裁刑事局第二課長
  • R2.2.21 最高裁家庭局第一課長
  • R5.9.20 東京高裁11刑判事
  • R6.3.26 千葉地家裁判事
  • R7.9.8 東京地裁4刑部総括 (現職)

(2) キャリアの特徴

戸苅裁判官は,東京地検検事への出向歴を持つ刑事系の経歴である。
刑事局付の後,刑事局第二課長から家庭局第一課長へと事件系の課長を歴任し,司法研修所刑事裁判教官も経ている。
官房系の局付・課長を経ていない点でS2となる。

8 日置朋弘裁判官(52期)

(1) 職歴の概要

  • H12.4.10 仙台地裁判事補
  • H14.3.22 横浜地家裁川崎支部判事補
  • H14.4.1 日本郵船(研修)
  • H15.4.1 横浜地家裁川崎支部判事補
  • H18.8.16 最高裁総務局付
  • H20.7.16 東京地裁判事補
  • H21.4.1 釧路地家裁北見支部判事補
  • H22.4.10 釧路地家裁北見支部判事
  • H23.4.1 東京地裁8民判事
  • H26.4.1 最高裁行政局第二課長
  • H28.1.8 最高裁行政調査官
  • H30.4.1 最高裁行政調査官室上席補佐
  • R2.4.1 名古屋高裁2民判事
  • R3.4.1 名古屋地裁9民部総括
  • R5.4.1 東京高裁7民判事 (現職)

(2) キャリアの特徴

日置裁判官は,民間企業(日本郵船)での研修を経た後,最高裁総務局付という官房系の局付を務め,行政局第二課長を経て行政調査官(上席補佐)に就いた。
局付に官房系を含むが課長は事件系であり,S2となる。
現在は東京高裁の民事部判事である。

9 榎本光宏裁判官(52期)

(1) 職歴の概要

  • H12.4.10 東京地裁判事補
  • H14.4.1 最高裁民事局付
  • H17.4.1 広島地家裁判事補
  • H21.4.1 最高裁民事調査官
  • H25.4.1 札幌地裁5民判事
  • H28.4.1 最高裁経理局主計課長
  • H30.4.1 東京高裁22民判事
  • H31.4.1 最高裁経理局総務課長
  • R4.4.1 東京高裁16民判事
  • R5.4.1 最高裁総務局参事官兼情報政策課参事官
  • R6.4.1 最高裁デジタル審議官付参事官兼総務局参事官
  • R7.1.15 最高裁デジタル審議官 (現職)

(2) キャリアの特徴

榎本裁判官は,民事局付・民事調査官という事件系の出発点から,経理局主計課長,経理局総務課長という官房系の課長を歴任した経歴である。
局付が事件系,課長が官房系の組合せでS2となる。
現在は最高裁デジタル審議官として司法行政のデジタル分野を担っている。

10 中島崇裁判官(53期)

(1) 職歴の概要

  • H12.10.18 大阪地裁判事補
  • H16.7.1 法務省人権擁護局付
  • H18.7.1 大分地家裁判事補
  • H21.4.1 最高裁行政局付
  • H23.4.1 東京地裁33民判事
  • H24.4.1 大阪地裁5民判事
  • H27.4.1 最高裁行政調査官
  • H31.4.1 最高裁行政局第一課長
  • R3.4.1 東京高裁17民判事
  • R3.12.13 司研民裁教官
  • R4.3.18 東京高裁民事部判事
  • R4.4.1 東京地裁6民判事
  • R7.4.1 大阪地裁5民部総括(労働部) (現職)

(2) キャリアの特徴

中島裁判官は,法務省人権擁護局及び最高裁行政局の局付を経て,行政調査官,行政局第一課長を務めた行政系の経歴である。
司法研修所民事裁判教官も経ている。
官房系の局付・課長を経ていない点でS2となる。
現在は大阪地裁の労働部総括である。

11 岩井一真裁判官(53期)

(1) 職歴の概要

  • H12.10.18 大阪地裁判事補
  • H16.9.1 甲府地家裁判事補
  • H19.4.1 東京地裁判事補
  • H19.7.1 最高裁民事局付
  • H21.4.1 東京地裁判事補
  • H22.4.1 広島地家裁判事補
  • H22.10.18 広島地家裁判事
  • H25.4.1 大阪地裁11民判事
  • H28.4.1 大阪地裁1民判事(保全部)
  • H28.8.1 最高裁総務局参事官
  • H30.4.1 司研民裁教官
  • R2.4.1 最高裁民事局第一課長
  • R4.8.2 大阪高裁8民判事
  • R6.4.3 大阪高裁事務局長 (現職)

(2) キャリアの特徴

岩井裁判官は,民事局付の後,総務局参事官,司法研修所民事裁判教官を経て民事局第一課長を務めた民事系の経歴である。
官房系の局付・課長を経ていない点でS2となる。
現在は大阪高裁事務局長という管理ポストにある。

12 荒谷謙介裁判官(53期)

(1) 職歴の概要

  • H12.10.18 東京地裁判事補
  • H17.8.8 福岡家地裁判事補
  • H18.4.1 福岡地家裁判事補
  • H20.4.1 東京地裁判事補
  • H22.4.1 最高裁行政局付
  • H24.4.1 仙台地家裁判事
  • H27.4.1 東京地裁3民判事(行政部)
  • H29.4.1 最高裁行政調査官
  • R3.4.1 最高裁行政局第一課長
  • R5.4.1 東京地裁7民判事
  • R7.4.1 大阪地裁11民部総括
  • R8.4.1 大阪地裁7民部総括(租税・行政部) (現職)

(2) キャリアの特徴

荒谷裁判官は,行政局付,行政調査官,行政局第一課長と行政局を一貫して歩んだ経歴である。
局付・課長のいずれも事件系であり,S2に位置づけられる。
現在は大阪地裁の租税・行政部の総括である。

13 宇田川公輔裁判官(54期)

(1) 職歴の概要

  • H13.10.17 横浜地裁判事補
  • H16.4.1 横浜家地裁判事補
  • H18.4.1 最高裁家庭局付
  • H18.7.1 外務省北米局北米第二課事務官
  • H20.7.1 東京地裁判事補
  • H20.7.2 最高裁家庭局付
  • H21.4.1 松山地家裁判事補
  • H23.10.17 松山地家裁判事
  • H24.4.1 東京家裁判事
  • H24.8.1 最高裁総務局付
  • H26.8.1 東京高裁19民判事
  • H27.4.1 札幌地裁3民判事
  • H30.4.1 最高裁家庭局第二課長
  • R2.8.5 最高裁総務局参事官
  • R4.7.11 東京高裁22民判事
  • R5.9.20 最高裁家庭局第一課長
  • R7.12.22 東京高裁20民判事 (現職)

(2) キャリアの特徴

宇田川裁判官は,外務省(北米第二課)への出向を経て,家庭局及び総務局の局付の後,家庭局第二課長から第一課長へと家庭局の課長を歴任した経歴である。
局付に総務局という官房系を含むが,課長は事件系(家庭局)であるためS2となる。
現在は東京高裁の民事部判事である。

14 松川充康裁判官(54期)

(1) 職歴の概要

  • H13.10.17 大阪地裁判事補
  • H19.4.1 大分家地裁判事補
  • H20.4.1 大分地家裁判事補
  • H21.4.1 大分家地裁判事補
  • H22.4.1 法総研国際協力部教官
  • H24.4.1 大阪地裁21民判事
  • H26.4.1 最高裁行政局付
  • H28.4.1 京都地裁7民判事
  • H30.4.1 最高裁経理局主計課長
  • R3.1.21 大阪高裁5民判事
  • R4.4.1 最高裁経理局総務課長
  • R7.1.16 大阪高裁判事
  • R7.4.1 大阪地裁21民部総括(知財部) (現職)

(2) キャリアの特徴

松川裁判官は,法務総合研究所国際協力部教官を経て,行政局付の後,経理局主計課長,経理局総務課長という官房系の課長を務めた経歴である。
局付が事件系,課長が官房系の組合せでS2となる。
現在は大阪地裁の知的財産部の総括である。

15 棈松晴子裁判官(54期)

(1) 職歴の概要

  • H13.10.17 東京地裁判事補
  • H18.9.16 新潟地家裁長岡支部判事補
  • H21.4.1 最高裁行政局付
  • H23.4.1 東京地裁判事補
  • H24.4.1 仙台高裁1民判事
  • H27.4.1 最高裁行政調査官
  • H28.12.14 最高裁行政局第二課長
  • R2.4.1 東京地裁6民判事
  • R4.8.2 最高裁民事局第一課長
  • R6.8.5 最高裁人事局総務課長
  • R8.4.1 最高裁秘書課長 (現職)

(2) キャリアの特徴

棈松裁判官は,行政局付・行政調査官を経て,行政局第二課長,民事局第一課長,人事局総務課長と課長を歴任し,現在は最高裁秘書課長にある。
課長級では事件系と官房系の双方を経ており,局付が事件系(行政局)であった点でS2にとどまるが,司法行政の管理部門に近い経歴である。

16 高田公輝裁判官(55期)

(1) 職歴の概要

  • H14.10.16 東京地裁判事補
  • H18.7.5 熊本地家裁判事補
  • H21.4.1 最高裁行政局付
  • H23.4.1 東京地裁判事補
  • H24.4.1 山形家地裁判事補
  • H24.10.16 山形家地裁判事
  • H27.4.1 東京高裁15民判事
  • H29.4.1 最高裁秘書課参事官
  • H31.4.1 東京地裁3民判事(行政部)
  • R2.4.1 最高裁人事局参事官
  • R3.8.2 最高裁人事局任用課長
  • R6.8.9 東京高裁17民判事
  • R8.4.1 横浜地裁5民判事(医療集中部) (現職)

(2) キャリアの特徴

高田裁判官は,行政局付の後,秘書課参事官,人事局参事官を経て,人事局任用課長という官房系の課長を務めた経歴である。
局付が事件系,課長が官房系の組合せでS2となる。
現在は横浜地裁の医療集中部の判事である。

17 南宏幸裁判官(56期)

(1) 職歴の概要

  • H15.10.16 さいたま地裁判事補
  • H20.9.12 東京地裁判事補
  • H20.12.17 最高裁人事局付
  • H21.7.1 在ストラスブール日本国総領事館領事
  • H23.8.16 札幌地家裁判事補
  • H26.4.1 東京地裁判事補
  • H26.8.1 最高裁総務局付
  • H28.8.1 東京地裁3民判事(行政部)
  • H29.4.1 水戸地家裁判事
  • R2.4.1 最高裁行政局第二課長
  • R4.7.11 最高裁総務局参事官
  • R6.8.5 最高裁民事局第一課長
  • R6.11.20 東京高裁11民判事
  • R8.4.1 東京地裁6民判事 (現職)

(2) キャリアの特徴

南裁判官は,在ストラスブール総領事館領事として在外勤務を経験し,人事局・総務局の局付の後,行政局第二課長から民事局第一課長へと事件系の課長を歴任した。
局付に官房系を含むが課長は事件系であり,S2となる。
現在は東京地裁の民事部判事である。

18 向井宣人裁判官(56期)

(1) 職歴の概要

  • H15.10.16 神戸地裁判事補
  • H17.4.1 神戸地家裁判事補
  • H18.4.1 法務省人権擁護局付
  • H20.4.1 千葉地家裁判事補
  • H22.4.1 高知地家裁判事補
  • H25.4.1 最高裁民事局付
  • H27.4.1 東京地裁27民判事(交通部)
  • H28.4.1 札幌地裁2民判事
  • R2.4.1 東京家裁家事第2部判事
  • R2.10.1 司研民裁教官
  • R4.8.8 最高裁家庭局第二課長
  • R6.12.2 東京高裁4民判事
  • R8.4.1 司研教官 (現職)

(2) キャリアの特徴

向井裁判官は,法務省人権擁護局及び最高裁民事局の局付を経て,司法研修所民事裁判教官,家庭局第二課長を務めた経歴である。
官房系の局付・課長を経ていない点でS2となる。
現在は司法研修所教官である。

19 木村匡彦裁判官(56期)

(1) 職歴の概要

  • H15.10.16 水戸地裁判事補
  • H20.4.1 最高裁家庭局付
  • H20.7.1 経産省通商政策局通商機構部参事官付国際法規係長
  • H21.10.1 経産省通商政策局通商機構部参事官付通商協定専門官
  • H22.7.1 東京地裁判事補
  • H24.4.1 盛岡地家裁遠野支部判事補
  • H27.4.1 法務省大臣官房訟務企画課付
  • H27.4.10 法務省訟務局付
  • H30.4.1 東京地裁8民判事(商事部)
  • H31.4.1 東京地裁7民判事
  • R2.4.1 東京地裁8民判事(商事部)
  • R2.8.5 最高裁家庭局第二課長
  • R4.8.8 東京地裁6民判事
  • R5.7.1 最高裁総務局参事官
  • R7.9.30 東京高裁8民判事 (現職)

(2) キャリアの特徴

木村裁判官は,経済産業省(通商機構部)及び法務省訟務局への出向を経た経歴で,家庭局付の後に家庭局第二課長を務めた。
東京地裁商事部での勤務も長い。
官房系の局付・課長を経ていない点でS2となる。
現在は東京高裁の民事部判事である。

20 渡邉達之輔裁判官(56期)

(1) 職歴の概要

  • H15.10.16 大阪地裁判事補
  • H21.4.1 福島地家裁会津若松支部判事補
  • H24.4.1 最高裁人事局付
  • H27.4.1 東京地裁24民判事
  • H28.4.1 盛岡地家裁判事
  • H30.8.1 最高裁民事局第二課長
  • R3.8.2 東京高裁5民判事
  • R3.12.13 司研民裁教官
  • R4.3.18 東京高裁民事部判事
  • R4.4.1 東京地裁民事部判事
  • R5.4.1 最高裁行政局第一課長
  • R7.9.10 東京高裁民事部判事(推測) (現職)

(2) キャリアの特徴

渡邉裁判官は,人事局付という官房系の局付の後,民事局第二課長から行政局第一課長へと事件系の課長を歴任し,司法研修所民事裁判教官も経ている。
局付が官房系,課長が事件系の組合せでS2となる。
現在は東京高裁の民事部判事である。

21 北嶋典子裁判官(57期)

(1) 職歴の概要

  • H16.10.16 東京地裁判事補
  • H21.6.26 福井家地裁判事補
  • H24.4.1 最高裁家庭局付
  • H26.4.1 東京地裁判事補
  • H26.10.16 東京地裁判事
  • H27.4.1 仙台地家裁判事
  • H30.4.1 司研民裁教官
  • R1.7.1 東京地裁判事
  • R6.8.5 最高裁民事調査官
  • R7.12.22 最高裁家庭局第一課長 (現職)

(2) キャリアの特徴

北嶋裁判官は,家庭局付,司法研修所民事裁判教官,最高裁民事調査官を経て,現在は最高裁家庭局第一課長として課長に在任している。
官房系の局付・課長を経ていない点でS2となる。

22 市原志都裁判官(57期)

(1) 職歴の概要

  • H16.10.2 二弁に登録
  • H17.10.16 神戸地裁判事補
  • H19.4.1 神戸地家裁判事補
  • H20.4.1 宇都宮家地裁判事補
  • H22.4.1 宇都宮地家裁判事補
  • H23.7.4 札幌地家裁室蘭支部判事補
  • H26.4.1 最高裁刑事局付
  • H28.4.1 東京高裁10刑判事
  • H29.4.1 神戸地裁4刑判事
  • R2.2.21 最高裁刑事局第二課長
  • R4.7.25 東京高裁12刑判事
  • R5.4.1 東京高裁第3特別部判事
  • R7.3.13 名古屋高裁判事
  • R7.4.1 名古屋高裁事務局長 (現職)

(2) キャリアの特徴

市原裁判官は,弁護士登録(第二東京弁護士会)を経て任官した経歴を持つ。
刑事局付の後,刑事局第二課長を務め,現在は名古屋高裁事務局長にある。
官房系の局付・課長を経ていない点でS2となる。

23 近藤和久裁判官(57期)

(1) 職歴の概要

  • H16.10.16 東京地裁判事補
  • H21.2.1 最高裁刑事局付
  • H21.4.1 外務省総合外交政策局人権人道課国際組織犯罪室事務官
  • H22.7.1 外務省総合外交政策局人権人道課国際組織犯罪室課長補佐
  • H23.4.1 仙台地家裁判事補
  • H26.4.1 東京地裁判事補
  • H26.5.12 最高裁広報課付
  • H28.4.1 東京高裁4刑判事
  • H29.4.1 名古屋高裁1刑判事
  • H30.4.1 名古屋地裁2刑判事
  • R2.4.1 司研刑裁教官
  • R4.7.25 最高裁刑事局第二課長
  • R6.8.5 最高裁総務局参事官 (現職)

(2) キャリアの特徴

近藤裁判官は,外務省(人権人道課国際組織犯罪室)への出向を経た刑事系の経歴である。
刑事局付に加え最高裁広報課付という官房系の局付も経ており,司法研修所刑事裁判教官の後に刑事局第二課長を務めた。
局付に官房系を含むが課長は事件系であり,S2となる。
現在は最高裁総務局参事官にある。

24 小津亮太裁判官(58期)

(1) 職歴の概要

  • H17.10.16 東京地裁判事補
  • H20.7.1 札幌地家裁室蘭支部判事補
  • H24.7.6 京都地家裁判事補
  • H27.4.1 最高裁民事局付
  • H29.4.1 東京地裁21民判事(執行部)
  • H30.4.1 仙台地裁3民判事
  • R3.4.1 東京高裁21民判事
  • R3.8.2 最高裁民事局第二課長
  • R5.12.22 東京高裁判事
  • R6.4.1 東京地裁1民判事
  • R7.4.1 名古屋高裁1民判事 (現職)

(2) キャリアの特徴

小津裁判官は,民事局付の後に民事局第二課長を務めた民事系の経歴である。
局付・課長のいずれも民事局であり,官房系の局付・課長を経ていない点でS2となる。
現在は名古屋高裁の民事部判事である。

25 西岡慶記裁判官(58期)

(1) 職歴の概要

  • H17.10.16 東京地裁判事補
  • H22.4.1 最高裁刑事局付
  • H22.7.1 経産省通商政策局通商機構部国際経済紛争対策室参事官補佐
  • H24.7.1 東京地裁判事補
  • H24.10.10 青森地家裁判事補
  • H27.4.1 東京家裁判事補
  • H27.8.3 最高裁家庭局付
  • H30.8.1 東京地裁8民判事(商事部)
  • H31.4.1 仙台地家裁判事
  • R2.4.1 最高裁総務局参事官
  • R4.4.1 最高裁総務局参事官兼情報政策課参事官
  • R6.1.22 最高裁経理局主計課長 (現職)

(2) キャリアの特徴

西岡裁判官は,経済産業省(国際経済紛争対策室)への出向を経て,刑事局・家庭局の局付の後,総務局参事官を経て,現在は最高裁経理局主計課長として課長に在任している。
局付が事件系,課長が官房系の組合せでS2となる。

26 佐藤彩香裁判官(59期)

(1) 職歴の概要

  • H18.10.16 仙台地裁判事補
  • H23.4.1 東京地裁判事補
  • H23.7.1 法務省民事局付
  • H26.4.1 内閣官房情報通信技術総合戦略室室員
  • H27.8.1 東京地家裁判事補
  • H28.10.16 東京地裁36民判事(労働部)
  • H29.4.1 最高裁行政局付
  • H31.4.1 京都地裁3民判事(行政部)
  • R4.4.1 東京地裁34民判事(医事部)
  • R5.4.1 最高裁秘書課参事官
  • R7.9.10 最高裁行政局第一課長 (現職)

(2) キャリアの特徴

佐藤裁判官は,内閣官房(情報通信技術総合戦略室)への出向を経て,法務省民事局・最高裁行政局の局付の後,秘書課参事官を経て,現在は最高裁行政局第一課長として課長に在任している。
官房系の局付・課長を経ていない点でS2となる。

27 恒光直樹裁判官(60期)

(1) 職歴の概要

  • H20.1.16 東京地裁判事補
  • H22.4.1 東京地家裁判事補
  • H25.4.1 釧路家地裁帯広支部判事補
  • H27.4.1 最高裁刑事局付
  • H29.4.1 東京地裁判事補
  • H30.1.16 東京地裁10刑判事
  • H30.4.1 鹿児島地家裁判事
  • R3.4.1 大阪地裁10刑判事(令状部)
  • R6.4.1 東京地裁刑事部判事(推測)
  • R6.8.5 最高裁刑事局第二課長 (現職)

(2) キャリアの特徴

恒光裁判官は,刑事局付の後,現在は最高裁刑事局第二課長として課長に在任している。
局付・課長のいずれも刑事局であり,比較的単線的な刑事系の経歴である。
官房系の局付・課長を経ていない点でS2となる。

28 松原経正裁判官(60期)

(1) 職歴の概要

  • H20.1.16 松山地裁判事補
  • H22.4.1 松山地家裁判事補
  • H24.7.2 東京家裁判事補
  • H25.12.5 最高裁総務局付
  • H26.4.1 最高裁秘書課付
  • H26.6.1 在アメリカ合衆国日本国大使館二等書記官
  • H28.7.16 東京地家裁判事補
  • H30.4.1 那覇地家裁平良支部判事補
  • R2.3.2 那覇地家裁平良支部判事
  • R2.4.1 最高裁家庭局付
  • R4.4.1 東京地裁5民判事
  • R5.12.22 最高裁民事局第二課長 (現職)

(2) キャリアの特徴

松原裁判官は,在アメリカ合衆国大使館二等書記官として在外勤務を経験し,総務局・秘書課・家庭局の局付を重ねた後,現在は最高裁民事局第二課長として課長に在任している。
局付に官房系(総務局・秘書課)を含むが課長は事件系(民事局)であり,S2となる。

29 遠藤圭一郎裁判官(60期)

(1) 職歴の概要

  • H20.1.16 千葉地裁判事補
  • H22.4.1 千葉地家裁判事補
  • H25.4.1 法務省大臣官房司法法制部付
  • H28.4.1 那覇地家裁沖縄支部判事補
  • H30.1.16 那覇地家裁沖縄支部判事
  • H30.4.1 最高裁広報課付
  • R2.4.1 東京地裁14刑判事(令状部)
  • R4.4.1 名古屋地裁5刑判事
  • R6.12.2 最高裁家庭局第二課長 (現職)

(2) キャリアの特徴

遠藤裁判官は,法務省(司法法制部)への出向及び最高裁広報課付を経て,現在は最高裁家庭局第二課長として課長に在任している。
局付に広報課という官房系を含むが課長は事件系(家庭局)であり,S2となる。

30 岩佐圭祐裁判官(61期)

(1) 職歴の概要

  • H21.1.16 奈良地裁判事補
  • H24.1.16 奈良地家裁判事補
  • H24.4.1 福井家地裁判事補
  • H26.2.17 最高裁刑事局付
  • H26.4.1 経産省経済産業政策局産業資金課課長補佐
  • H28.4.1 大阪地家裁判事補
  • H31.1.16 大阪地裁6民判事(破産再生部)
  • H31.4.1 最高裁人事局付
  • R2.4.1 最高裁総務局付
  • R3.4.1 大阪地裁5民判事(労働部)
  • R6.4.1 大阪地裁1民判事(保全部)
  • R6.8.5 最高裁行政局第二課長 (現職)

(2) キャリアの特徴

岩佐裁判官は,本記事の対象の中で最も新しい61期である。
経済産業省(産業資金課)への出向を経て,刑事局・人事局・総務局の局付を重ねた後,現在は最高裁行政局第二課長として課長に在任している。
局付に官房系(人事局・総務局)を含むが課長は事件系(行政局)であり,S2となる。

第3 30人に共通するキャリアパターンの分析

1 最高裁判所事務総局の局付・課長という共通項

本記事の30人に共通するのは,全員が最高裁判所事務総局の局付と課長の双方を経験している点である。
局付は各局の若手スタッフ,課長は局内の枢要な管理職であり,いずれも司法行政の中枢を担うポストである。
30人は,この二つの段階をともに経た司法官僚としての経歴的資源を有する。

2 級組S2の3類型 ― 官房との距離

同じS2でも,局付と課長が官房系と事件系のいずれであったかにより,3つの類型に分かれる。

(1) 局付・課長とも事件系の類型

局付・課長のいずれも民事局・刑事局・行政局・家庭局という事件系の局で務めた類型であり,30人中15人がこれに当たる。
成田晋司,餘多分宏聡,吉田智宏,山本拓,戸苅左近,中島崇,岩井一真,荒谷謙介,向井宣人,木村匡彦,北嶋典子,市原志都,小津亮太,佐藤彩香及び恒光直樹の各裁判官である。
この類型は,特定の事件分野の専門性を軸に事務総局の経験を積んだ経歴といえる。

(2) 局付に官房系を含む類型

局付の段階で人事局・総務局・秘書課・広報課といった官房系のポストを経験したが,課長は事件系であった類型であり,9人が当たる。
福家康史,日置朋弘,宇田川公輔,南宏幸,渡邉達之輔,近藤和久,松原経正,遠藤圭一郎及び岩佐圭祐の各裁判官である。

(3) 課長が官房系の類型 ― S1に最も近い

課長級で総務局・人事局・経理局・秘書課といった官房系のポストに就いた類型であり,6人が当たる。
富澤賢一郎,榎本光宏,松川充康,棈松晴子,高田公輝及び西岡慶記の各裁判官である。
この類型は,官房系の局付の経験が加わればS1に分類される位置にあり,3類型の中で司法行政の管理部門に最も近い。

3 担当分野による分化

局付・課長の所属局を見ると,民事局・刑事局・行政局・家庭局という事件系の各局に概ね分かれ,これに経理局・人事局・総務局といった官房系の管理部門が加わる。
民事系では成田・餘多分・岩井・小津,刑事系では吉田・戸苅・市原・近藤・恒光,行政系では中島・荒谷・佐藤,家庭系では宇田川・北嶋・遠藤といった分野ごとの集積が見られる。
経理局の課長を務めた榎本・松川・西岡は,司法予算という専門性の高い分野を担っている。

4 他省庁出向及び在外勤務

30人の中には,他省庁への出向や在外勤務を経た者が少なくない。
外務省又は在外公館では福家(在ストラスブール総領事館領事),南(同),近藤(人権人道課),宇田川(北米第二課)及び松原(在アメリカ合衆国大使館),経済産業省では木村・西岡・岩佐,内閣官房では山本・佐藤,法務省では富澤・中島・木村・遠藤・佐藤がそれぞれ勤務している。
こうした経験は,国際関係や経済法制など,裁判実務の外側にある分野の知見を司法行政に取り込む経路として位置づけられる。

5 現に最高裁の課長として在任する若手

57期以下の7人は,本記事執筆時点で現に最高裁判所事務総局の課長に在任している。
北嶋典子(家庭局第一課長),西岡慶記(経理局主計課長),佐藤彩香(行政局第一課長),恒光直樹(刑事局第二課長),松原経正(民事局第二課長),遠藤圭一郎(家庭局第二課長)及び岩佐圭祐(行政局第二課長)の各裁判官である。
これらの裁判官は,今後さらに官房系の課長や参事官を経験すれば,級組がS1へ移行する余地がある。

6 級組S2が意味するもの

(1) 経歴的資源としての位置づけ

級組は,将来の幹部裁判官の候補がどの層から供給されるかを示す,いわば川上の指標である。
局付・課長の経験は,事務総局という司法行政の中枢で実務を担った経歴的資源であり,その後の高裁部総括・地家裁所長・高裁長官といった上位ポストへの一つの足がかりとなる。
もっとも,級組はあくまで素地を示すものであって,上位ポストへの到達を保証するものではない。

(2) 将来の昇進可能性

本記事の30人のうち,51期から54期までの中堅は,既に地裁・高裁の部総括や高裁事務局長に就いており,今後は地家裁所長クラスへの就任が一つの経路として考えられる。
57期以下の若手は,現に課長を務めており,課長級の経験を重ねることでより上位の司法行政ポストに進むことが見込まれる。
ただし,これらはいずれも過去の人事慣行に基づく見込みを述べるものであって,断定ではなく,また個々の裁判官の能力又は適性を評価するものでもない。

第4 結語

本記事は,51期以下で級組S2に位置づけられる現職裁判官30人について,最高裁判所事務総局の局付・課長の経験という観点から横断的に整理した。
30人は,局付と課長の双方を経験した司法官僚であり,その双方を官房系で揃えなかった点でS1に次ぐ位置にある。
局付・課長がともに事件系の者,局付に官房系を含む者,課長が官房系の者という3類型に分かれ,担当分野や出向経験にも幅がある。

個別の経歴の詳細は,各裁判官の経歴記事に譲る。
本記事の整理は経歴上の傾向を示すものにすぎず,個々の裁判官の能力・適性の評価や,将来の人事の断定を意図するものではない。