竹内浩史裁判官(39期)の経歴


生年月日 S37.10.29
出身大学 東大
定年退官発令予定日 R9.10.29
R3.4.1 ~ 津地裁民事部部総括
R2.4.1 ~ R3.3.31 名古屋高裁3民判事
H29.4.1 ~ R2.3.31 大阪高裁14民判事
H26.4.1 ~ H29.3.31 大分地裁1民部総括
H22.4.1 ~ H26.3.31 横浜地裁6民判事
H19.4.1 ~ H22.3.31 さいたま地家裁川越支部判事
H17.4.1 ~ H19.3.31 東京地裁17民判事
H16.4.1 ~ H17.3.31 東京高裁23民判事
H15.4.1 ~ H16.3.31 東京地裁判事(弁護士任官・愛知弁)

*1 以下の記事も参照してください。
・ 裁判官の年収及び退職手当(推定計算)
→ 裁判官の年収及び退職手当(推定計算)の総括表,裁判官・検察官の給与月額表とかを載せています。
・ 裁判官の報酬減額の合憲性に関する国会答弁
・ 部の事務を総括する裁判官の名簿(昭和37年度以降)
・ 地方裁判所支部及び家庭裁判所支部
・ 弁護士任官者研究会の資料
・ 弁護士任官候補者に関する下級裁判所裁判官指名諮問委員会の答申状況
・ 弁護士任官希望者に関する情報収集の実情
・ 弁護士任官に対する賛成論及び反対論
・ 法曹一元

*2 津地裁令和6年3月21日判決(裁判長は39期の竹内浩史)は,車の運転記録を提出しなかったことを理由に三重県鈴鹿市が生活保護の支給を停止したのは違法であるとして,身体障害のある女性(81歳)と難病を患う次男(56歳)が鈴鹿市に停止処分の取消しと損害賠償を求めた訴訟において,停止処分を取り消し,合計20万円の支払を命じました(東京新聞HPの「生活保護停止処分取り消し 車記録巡り、津地裁 」参照)。
(竹内裁判官の提訴関係)
*3の1 弁護士任官どどいつ集のブログ主でありますところ,同ブログの「「大丈夫ですか?」と 問われたけれど これ以上の不利益 あり得ない」(2024年2月3日付)には「10年前の大分地裁部総括就任時に3号俸に昇給したままで、さらに地域手当が18%の大阪から名古屋を経て6%の津に3年間以上置かれて、2号俸に昇給すらしないのはどうなのか。裁判官は減俸されないと憲法で保障されているのに、実質的に1割以上の減俸が続いている計算になる。」と書いてあります。
*3の2 弁護士任官どどいつ集「大事な大事な 見直しチャンス 見過ごしてるのは なぜなのか?」(2024年4月15日付)には,裁判官報酬差額及び国家賠償を請求する予定である旨を記載した,最高裁判所長官戸倉三郎宛の催告通知書(令和6年4月12日付)が載っています。
*3の3 46期の岡口基一裁判官に対する罷免判決である裁判官弾劾裁判所令和6年4月3日判決は「裁判官が「憲法の番人」として権力の暴走に歯止めをかける役割も期待されていることを考慮すれば、裁判官が司法府内部や行政府、立法府などの国家権力に対し、批判的見地から物を申すことについて委縮するような状況を招くことのないよう細心の注意を払うべきである。」と判示しています(リンク先40頁)。
*3の4 令和6年7月2日,国家公務員に適用される地域手当によって実質的に報酬が減っているのは「違憲である」などとして,名古屋地裁に対し,未払の報酬の支払を求める訴訟を提起しました(弁護士ドットコムニュース「現役裁判官が「地域手当は違憲」と提訴 「こんな制度はやめたほうがいい」」のほか,call4の「地域による報酬格差は違憲!裁判官の独立と良心を守る訴訟 」掲載の令和6年7月2日付の訴状参照)。

(地域手当)
*4の1 地域手当は,平成17年人事院勧告を受けて,平成17年11月7日法律第113号によって導入され,平成26年人事院勧告を受けて,平成26年11月19日法律第105号によって改正されましたところ令和6年4月現在,一般職の職員の給与に関する法律11条の3(地域手当)は以下のとおりです。
① 地域手当は、当該地域における民間の賃金水準を基礎とし、当該地域における物価等を考慮して人事院規則で定める地域に在勤する職員に支給する。当該地域に近接する地域のうち民間の賃金水準及び物価等に関する事情が当該地域に準ずる地域に所在する官署で人事院規則で定めるものに在勤する職員についても、同様とする。
② 地域手当の月額は、俸給、俸給の特別調整額、専門スタッフ職調整手当及び扶養手当の月額の合計額に、次の各号に掲げる地域手当の級地の区分に応じて、当該各号に定める割合を乗じて得た額とする。
一 一級地 百分の二十
二 二級地 百分の十六
三 三級地 百分の十五
四 四級地 百分の十二
五 五級地 百分の十
六 六級地 百分の六
七 七級地 百分の三
③ 前項の地域手当の級地は、人事院規則で定める。
*4の2 人事院規則9-49(地域手当)16条(支給地域等の見直し)は「給与法第十一条の三第一項の人事院規則で定める地域及び同条第二項の地域手当の級地については、十年ごとに見直すのを例とする。」と定めています。
*4の3 平成29年2月22日の最高裁判所裁判官会議によって決議された裁判官の報酬に関する規則4条(地域手当)は「地域手当は、一般の官吏の例により支給する。」と定めています。
*4の4 平成27年度以降の地域手当は賃金指数が93.0以上の地域が指定されていて,2級地16%は109.5以上の地域が指定されていて,3級地15%は106.5以上109.5未満の地域が指定されています(総務省HPの「地域手当の指定基準」参照)。
    そして,平成15~24年賃金構造基本統計調査の特別集計結果(平成26年人事院勧告で使用された資料)によれば,賃金指数の例として,東京都特別区(1級地)は123.7であり,横浜市(2級地)は109.6であり,和光市(2級地)は124.8であり,大阪市(2級地)は110.8であり,名古屋市(3級地)は107.5です。
    また,三重県の賃金指数の場合,鈴鹿市(4級地)は104.4であり,四日市市(5級地)は101.5であり,津市(6級地)は98.4です。
*4の5 一般職の職員の給与に関する法律等の一部を改正する法律案説明資料(平成26年9月の内閣官房内閣人事局の文書)を掲載しています。

(裁判官の報酬減額禁止)
*5の1 参議院議員松野信夫君提出裁判官の非行と報酬等に関する再質問に対する答弁書(平成21年4月24日付)には以下の記載があります。
憲法第八十条第二項は、下級裁判所の裁判官がその在任中定期に相当額の報酬を受けることを保障しているものであり、御指摘の退職手当の法的性格いかんにかかわらず、国家公務員退職手当法(昭和二十八年法律第百八十二号)の規定により裁判官に支払われる退職手当は、同項に規定する報酬に含まれないものと解される。
*5の2 平成17年10月11日の衆議院法務委員会では以下の質疑応答がありました。
高山委員 それでは確認ですけれども、こちらの諸手当、いわゆる初任給調整手当だとか特別手当、こういう手当を減額しても憲法八十条で保障されている報酬を減額したことにはならない、こういうことですか。
南野国務大臣 報酬以外の手当である退職金等々につきましては、憲法上の問題は生じないということです。
*5の3 国家公務員の退職手当請求権の消滅時効は会計法30条後段に基づき5年です(総務省HPの「退職手当請求権等の時効」参照)。

(裁判官の昇給格差)
*6の1 14期の安倍晴彦裁判官が著した「犬になれなかった裁判官」には以下の記載があります。
(219頁の記載)
    同期の多くが、その時に(山中注:裁判官になって21年経ったときに)-あるいは遅れても半年か一年遅れるくらい-三号になる。そうして、私以外の全員(と思われる)が昇給していくのに、私は昇給しなかった。いわゆる「三号問題」である。
    結局、私が昇給したのは、それから三つの任地にわたり、同期の最初の昇給時期から五年半も遅れた後であった。ということは、同じ「裁判官」であっても、私の五年後輩の者が私より先に三号に昇給していくということになるのである。
(224頁の記載)
    どういう風の吹き回しかそのようなこと(山中注:平成5年8月1日に弁護士任官した,14期の田川和幸 元日弁連副会長について任官時から判事1号棒が適用されたことにかんがみ,現職のまま,国を相手として,バックペイと慰謝料請求の訴訟を提起しようかということ)を外部へ向けて言いだした「直後」、私は二号に昇給したのである。
(中略)
    私が一号になったのは一九九八年二月一五日、定年退職の当日で、一日限りの一号であった。それなりの恩恵か、嫌がらせの処置か知らないが、この一日だけの一号昇給という措置を受けている裁判官は、全国裁判官懇話会の世話人その他にも何人かいるようである。
*6の2 大阪高裁令和3年7月9日判決(裁判長は38期の植屋伸一)(判例秘書掲載)は以下の判示をしています(改行を追加しています。)。
    控訴人らが主張する職務評価による職務の価値が同一であれば同一又は同等の待遇とすべき原則(同一価値労働同一賃金の原則)が,平成30年10月1日の控訴人らの無期転換の時点において公の秩序として確立しているとまでは認めるのは困難である。
    また,控訴人らと正社員であるAとの職務評価や待遇等と比較しても,無期転換後の控訴人らの労働条件と正社員のそれとの相違が,両者の職務の内容及び配置の変更の範囲等の就業の実態に応じて許容できないほどに均衡が保たれていないとも認め難い。
*6の3 判事2号は財務省主計局長等と同じ給料であり,判事1号は事務次官と同じ給料です。
(判事3号の年収)
*7の1 令和5年1月1日現在,20%の地域手当を支給されている場合の判事3号の年収は1927万7804円でありますところ,津市の地域手当が6%であること(厚生労働省HPの「国家公務員の地域手当に係る級地区分」参照)を考慮して106/120を掛けた場合,1702万8726円となります(「裁判官・検察官の給与月額表(令和5年1月1日現在)」参照)。
*7の2 国家公務員の給与(令和4年版)15頁の指定職の給与によれば,令和4年4月1日現在,①法務省民事局長等に適用される指定職俸給表5号棒(判事3号と同じ)の在職者数は93人であり,②外局の長官等に適用される指定職俸給表6号棒(判事2号と同じ。)の在職者数は20人であり,③内閣府審議官等に適用される指定職俸給表7号棒の在職者数は31人であり,④事務次官に適用される指定職俸給表8号棒(判事1号と同じ。)の在職者数は19人です。
*6の3 国家公務員の給与(令和4年版)16頁の「モデル給与例(令和3年版)」によれば,①50歳の地方機関課長の年間給与は667万円であり,②35歳の本府省課長補佐の年間給与は715万5000円であり,③50歳の本府省課長の年間給与は1253万4000円であり,④本府省局長の年間給与は1765万3000円であり,⑤事務次官の年間給与は2317万5000円です。


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