交通事故

刑事裁判係属中の,起訴事件の刑事記録の入手方法(加害者である被告人側)

目次
1 検察庁での記録の閲覧・謄写
2 検察官の開示証拠の目的外利用の禁止
3 弁護人が被告人に検察庁の開示証拠を交付する場合の注意点
4 裁判所提出記録の閲覧・謄写
5 被害者特定事項に関する配慮
6 民事訴訟等で起訴事件の刑事記録を利用したい場合
7 判決書謄本交付請求及び調書判決
8 関連記事その他

1 検察庁での記録の閲覧・謄写
(1) 弁護人は,第1回の公判期日前に,検察官が取調べを請求する予定の証拠書類及び証拠物を閲覧する機会を与えられます(刑訴法299条,刑訴規則178条の6第1項1号参照)。
    そのため,加害者は,依頼している弁護人に依頼すれば,起訴事件の刑事記録を入手できます。
(2)ア 弁護人として大阪地検本庁で公判提出予定記録の閲覧をする場合,午前であれば11時40分までに,18階の窓口に,証拠書類閲覧・謄写申請書及び弁護人選任届等の写しを持参する必要があります。
    ただし,事前に予約をする必要はありません。
イ 弁護人として神戸地検本庁で公判提出予定記録の閲覧をする場合,神戸地検5階の会議室で閲覧することとなります。

2 検察官の開示証拠の目的外利用の禁止
(1) 平成17年11月1日施行の刑訴法に基づき,被告人又は被告人であった者が,検察官において被告事件の審理の準備のために閲覧又は謄写の機会を与えた証拠(=開示証拠)に係る複製等を,刑事裁判以外の目的で,人に交付し,又は提示し,若しくはインターネットに載せることは禁止されています(刑訴法281条の4)。
    被告人又は被告人であった者がこれに違反した場合,1年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処せられます(刑訴法281条の5第1項)。
(2) 東京地裁は,平成26年3月2日,法廷で警備職員にかみついた公務執行妨害事件の証拠を動画投稿サイト「ユーチューブ」に掲載した男性に対し,開示証拠の目的外使用の罪により,懲役6月,執行猶予2年の有罪判決を言い渡しました(ストーン・リバーブログ「やったな!証拠の目的外使用で逮捕・有罪!」参照)。
(3) 平成30年弁護士懲戒事件議決例集(第21集)89頁には以下の記載があります。
    審査請求人らが本件民事訴訟において,弁護士法23条の2,刑事確定訴訟記録法,民事訴訟における文書送付嘱託といった証拠収集手続を講じることなく,本件刑事訴訟の弁護人から送付を受けた記録中の文書をそのまま書証の申出として提出したことは,慎重であるべき刑事事件の記録の取扱いとしても,民事訴訟の代理人の活動としても,軽率に過ぎる。審査請求人のこのような記録の取扱いは極めて不注意であって,事件記録の保管等に関する注意義務(弁護士職務基本規程18条)及び事件処理の報告及び協議を定めた弁護士職務基本規程36条にも反すると評価せざるを得ない。

3 弁護人が被告人に検察庁の開示証拠を交付する場合の注意点
(1) 弁護士は,開示証拠の複製等を被告人に交付等するときは,被告人に対し,複製等に含まれる秘密及びプライバシーに関する情報の取扱いに配慮するように注意を与えなければなりません(開示証拠の複製等の交付等に関する規程(平成18年3月3日会規第74号)(平成18年4月1日施行)3条1項)。
   また,弁護士は,開示証拠の複製等を交付等するに当たり,被告人に対し,開示証拠の複製等を審理準備等の目的以外の目的でする交付等の禁止及びその罰則について規定する刑訴法281条の4第1項及び281条の5第1項の規定の内容を説明しなければなりません(開示証拠の複製等の交付等に関する規程3条2項)。
(2) 弁護士が被告人に刑事記録を交付する場合,事件の検討に直接関係しない犯罪被害者等の個人情報はマスキングすることがあります(東弁リブラ2014年8月号「開示記録を差し入れる際の注意点」参照)。
(3) 交通事故に関する被告人甲の刑事事件を担当した弁護士が後日,交通事故に関する甲の民事事件の代理人弁護士に対し,マスキングの処置といった秘密保持への配慮もなく刑事記録の全部を提供した場合,弁護士職務基本規程18条1項に違反することとなります(弁護士自治を考える会HPの2016年5月10日付の記事参照)。
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4 裁判所提出記録の閲覧・謄写
(1)ア 弁護人は,弁護人自身の権限(固有権)として,起訴後,裁判所において,訴訟に関する書類及び証拠物を閲覧し,かつ,謄写することができます(刑事訴訟法40条本文)ものの,証拠物の謄写については裁判長の許可を受ける必要があります(刑事訴訟法40条ただし書)。
イ 略式請求手続においても,弁護人は訴訟記録の閲覧謄写ができます(はてなブログの「略式命令請求手続、訴訟記録の閲覧謄写」参照)。
ウ 弁護人による刑事記録の閲覧・謄写は,被疑者・被告人の意思から独立して行うことができます(刑事訴訟法41条)。
(2) 検察官は公益の代表者ですから,起訴後,裁判所構外においても,訴訟に関する書類及び証拠物を閲覧し,かつ,謄写することができます(刑事訴訟法270条)。
(3) 被告人は,弁護人が付いていない場合に限り,公判調書だけを閲覧することができる(刑事訴訟法49条,刑事訴訟規則50条)のであって,それ以外の刑事記録を閲覧することはできません。
(4) 弁護人が司法協会又は弁護士協同組合を通じて刑事記録を謄写するためには裁判長の許可が必要となります(刑事訴訟規則31条)ものの,通常は裁判長の許可がおります。
(5) ビデオリンク方式により記録された記録媒体(刑事訴訟法157条の6第4項)は,証人のプライバシー,名誉,心情が害される度合いが大きいことから,閲覧のみができ,弁護人及び検察官は謄写できません(刑事訴訟法270条2項)。
(6)ア 犯罪被害者保護法3条2項のような,裁判所において謄写した訴訟記録の使用目的を制限し,その他適当と認める条件を付することができるといった定めは刑事訴訟法及び刑事訴訟規則にありません。
    そのため,弁護人が刑事記録を謄写する際,インターネットに直接接続可能なスマートフォン・タブレット等の撮影機能を使用しての撮影をしてはならないといった制限を裁判所から受ける法的根拠はないです。
イ 法務省の,刑事手続における情報通信技術の活用に関する検討会 第6回会議(令和3年9月15日)資料24「1(4)閲覧・謄写・交付」には,「電子データである証拠等の「閲覧」・「謄写」・「交付」について,オンラインによりこれを行うことができるものとする。 」と書いてあります。


5 被害者特定事項に関する配慮
(1) 証人等の安全が害されるおそれがある場合,弁護人は,被告人を含む関係者に対し,証人等の安全について配慮を求めることができます(刑訴法299条の2)。
(2) 被害者特定事項が明らかにされることにより,被害者等の安全が著しく害されるおそれがある場合において,検察官から配慮を求められたときは,弁護人は,被告人その他の者に被害者特定事項を知られないように配慮しなければなりません(刑訴法299条の3)。

6 民事訴訟等で起訴事件の刑事記録を利用したい場合
(1) 民事事件等で起訴事件の刑事記録を利用したい場合,検察官請求証拠又は弁号証として取り調べられた書証を刑事事件が係属している裁判所で刑訴法40条1項本文に基づきコピーし,住所・電話番号その他事件の結論とは関係のない個人情報を黒塗りにした上で,そのコピーを提出すればいいと思います。
(2)ア 「刑事訴訟法等の一部を改正する法律(平成16年法律第62号)について(1)」には,刑訴法40条に基づくコピーは,検察官開示記録と同様に,刑訴法281条の4第1項各号所定の目的でしか使用できないという趣旨のことが書いてあります(法曹時報57巻7号29頁及び30頁)。
    しかし,弁護人又は被告人の手元にある検察官開示記録は第三者の閲覧を予定したものでは全くないのに対し,刑事記録は,被告事件の終結後,何人でも閲覧できる(刑訴法53条1項)わけです。
    そのため,何人でも閲覧できる刑事記録のコピーを民事訴訟で利用できないという解釈はおかしいと思いますし,第三者による記録閲覧が予定されていない弁護士の懲戒請求,検察審査会への審査申立て等で利用できないという解釈はなおさらおかしいと思います。
イ  平成18年3月3日の日弁連臨時総会の議事概要には,以下の記載があります。
    石崎和彦会員(第二東京)より、例えば、松川事件の広津和郎氏の場合のように、裁判所において取り調べ済みの捜査記録を報道機関などに資料として提示するなど、社会に向かって不当性を訴えていくことは、第4条に該当するか、また、第4条にただし書として、違法性がない旨を入れて頂きたいとの質問がなされた。これに対し、星副会長から、十分に理解のできることであるが、例えば、強姦事件の被害者の調書、有名人のプライバシーを記載した調書、企業秘密に属することが記載された調書などのように、公開の法廷において調べられた記録であれば、目的を問わず、どんな使用をしても懲戒の対象にはならない旨明文で言い切ってしまうことは賛成し難いが、被告人の防御のため、法廷で取り調べ済みのもの、現実に第三者の秘密、プライバシー、名誉が侵害されたのでなければ、多くの場合違法性が阻却されるであろうことは、刑訴法第281条の4第2項で考慮すべき事項として盛られていて、無罪を勝ち取るために闘っている弁護人が懲戒の対象になることは、例外的なケースであると思われ、ただ、自主判断事項なので、弁護士自治により我々が懲戒手続の中で判断することになるとの答弁がなされた。 


7 判決書謄本交付請求及び調書判決
(1) 弁護人が裁判所に対し,判決宣告の日から14日以内に判決書謄本の交付請求をした場合(刑事訴訟法46条),判決書を必ず作成してもらえます(刑事訴訟規則219条1項ただし書)。

   しかし,弁護人が裁判所に対し,判決書謄本の交付請求をしなかった場合,裁判所書記官が判決主文並びに罪となるべき事実の要旨及び適用した罰条を判決の宣告をした公判期日の調書の末尾に記載することで,判決書に代えることがあり(刑事訴訟規則219条1項本文),これを調書判決といいます。
(2) 判決書が作成された場合,調書判決と異なり,証拠の標目が記載されます(刑事訴訟法335条1項参照)し,通常は量刑の理由も記載されます。
(3) 弁護人が判決書謄本の交付請求をする場合,1枚当たり60円の収入印紙が必要となります(刑事訴訟法施行法10条1項前段)。

8 関連記事その他
(1)ア 前田恒彦 元検事によれば,捜査当局は捜査情報をマスコミにリークすることがあるみたいです。
① なぜ捜査当局は極秘の捜査情報をマスコミにリークするのか(1)
② なぜ捜査当局は極秘の捜査情報をマスコミにリークするのか(2)
③ なぜ捜査当局は極秘の捜査情報をマスコミにリークするのか(3)
イ ちなみに,ライブドア事件に関して,平成18年1月16日午後4時過ぎ,ライブドアに捜索に入ったとNHKテレビニュースで報道されたものの,ライブドアが入居していた六本木ヒルズに東京地検特捜部の捜査官が到着したのは同日午後6時半過ぎでした(Cnet.Japanの「ライブドアショックの舞台裏とその余震」(2006年1月26日付)参照)。
(2)  国際人権規約(自由権規約)14条1項は以下のとおりです。
    すべての者は、裁判所の前に平等とする。すべての者は、その刑事上の罪の決定又は民事上の権利及び義務の争いについての決定のため、法律で設置された、権限のある、独立の、かつ、公平な裁判所による公正な公開審理を受ける権利を有する。報道機関及び公衆に対しては、民主的社会における道徳、公の秩序若しくは国の安全を理由として、当事者の私生活の利益のため必要な場合において又はその公開が司法の利益を害することとなる特別な状況において裁判所が真に必要があると認める限度で、裁判の全部又は一部を公開しないことができる。もっとも、刑事訴訟又は他の訴訟において言い渡される判決は、少年の利益のために必要がある場合又は当該手続が夫婦間の争い若しくは児童の後見に関するものである場合を除くほか、公開する。
(3) 以下の記事も参照してください。
・ 刑事裁判係属中の,起訴事件の刑事記録の入手方法(被害者側)
 加害者の刑事裁判の判決が確定した後の,起訴事件の刑事記録の入手方法
・ 刑事記録の入手方法等に関する記事の一覧

刑事裁判係属中の,起訴事件の刑事記録の入手方法(被害者側)

目次
0 はじめに
1 第1回公判期日前の,最高検察庁の通達に基づく刑事記録の閲覧・謄写
2 第1回公判期日後の,犯罪被害者保護法3条に基づく刑事記録の閲覧・謄写等
3 裁判所HPでの説明
4 関連記事その他

0 はじめに
・ 以下の記載は,被害者又はその代理人弁護士が,加害者の刑事裁判係属中に,起訴事件の刑事記録を入手する場合に関する取扱いです。

1 第1回公判期日前の,最高検察庁の通達に基づく刑事記録の閲覧・謄写
(1) 第1回公判期日前の,最高検察庁の通達に基づく刑事記録の閲覧・謄写は,加害者の刑事裁判に対して被害者参加の申出をした被害者(刑事訴訟法316条の33以下)(以下「被害者参加人」といいます。)についてだけ認められています。
(2) 被害者参加人は,原則として,検察官請求証拠の閲覧が認められているものの,謄写までは認められていません。
    しかし,被害者参加人から委託を受けた弁護士が検察官請求証拠の謄写を求めた場合,謄写を求める理由や対象となる証拠の内容等に鑑みて,謄写の必要性が認められ,かつ,謄写に伴う弊害が認められないときであれば,被告人の身上調書,戸籍謄本,前科調書等を除く検察官請求証拠の謄写まで認められています。
(3)ア 「犯罪被害者等の権利利益の尊重について」(平成26年10月21日付の次長検事通達)4項には,以下の記載があります。
    対象被害者等から、検察官が証拠調べ請求をすることとしている証拠の開示を求められたときは、事案の内容、捜査·公判に支障を及ぼすおそれや関係者の名誉·プライバシーを害するおそれの有無·程度等を考慮して相当でないと認める場合を除き、当該証拠の閲覧を認めるなど、弾力的な運用に努められたい。なお、対象被害者等に証拠を開示するに当たっては、これにより知り得た事項をみだりに使用することのないよう注意を喚起するなど、適切な情報管理に配意されたい。
イ 「「犯罪被害者等の権利利益の尊重について(依命通達)」の発出について」(平成26年10月21日付の最高検察庁総務部長及び公判部長の通達)第3・3項(2)イには,以下の記載があります。
    被害者参加人が適切かつ効果的に訴訟行為を行うためには,あらかじめ,証拠関係を十分把握する必要があるし,被害者等が被害者参加の申出をするか否かを判断するに当たっても,証拠関係を十分に把握することが必要な場合もあると考えられる。そして,検察官手持ち証拠のうち,検察官が当該被告事件について証拠調べ請求をすることとしている証拠(以下「検察官請求証拠」という。)については,検察官が当該被告事件の罪体及び情状の立証に必要であると判断した証拠であるので,上記いずれの観点からも一般に開示の必要性が高いと考えられる一方,検察官証拠請求は,検察官が後に公判廷で明らかにすることを予定している証拠であるので,一般に開示による弊害も少ないと考えられる。そこで,本依命通達3の(2)後段は,対象被害者等から,検察官請求証拠の開示を求められたときは,原則としてその閲覧を認めるなど,弾力的な運用に努めることを求めるものである。
    同後段は,対象被害者等から証拠の開示を求められた場合に,検察官請求証拠については原則としてその閲覧を認めることとする点にその趣旨があるのであって,それ以外の検察官手持ち証拠の開示を一律に禁止する趣旨ではない。したがって,例えば,刑事訴訟法第316条の15第1項又は第316条の20第1項の規定により検察官が被告人又は弁護人に開示した証拠についても,開示の必要性及び開示に伴う弊害の有無・程度を考慮して相当と認められるときは,これを開示することとしても差し支えない。
    また,同後段は,閲覧の方法により開示することを原則としている。これは,証拠の謄写まで認めることとすると,種々の弊害が生じるおそれが大きくなることを考慮してのことである。したがって,同後段は,証拠の謄写を一律に禁止するものではなく,例えば,被害者参加人から委託を受けた弁護士から証拠の謄写を求められた場合において,謄写を求める理由や対象となる証拠の内容等に鑑みて,謄写の必要性が認められ,かつ,謄写に伴う弊害が認められないときは,証拠の謄写を認めて差し支えない。


2 第1回公判期日後の,犯罪被害者保護法3条に基づく刑事記録の閲覧・謄写等
(1)   犯罪被害者保護法3条に基づく刑事記録の閲覧・謄写
ア 犯罪被害者保護法3条に基づく刑事記録の閲覧・謄写は,被害者参加人に限らず,被害者一般に認められています。
イ 加害者について刑事裁判が係属している場合,第1回の公判期日後,刑事事件の判決が確定するまでの間において,裁判所は,刑事裁判の被害者等から公判記録の閲覧又は謄写の申出があるときは,①閲覧又は謄写を求める理由が正当でないと認める場合及び②犯罪の性質,審理の状況その他の事情を考慮して閲覧又は謄写をさせることが相当でないと認める場合を除き,閲覧又は謄写をさせるものとすることとされています(犯罪被害者保護法3条1項)。
    つまり,被害者は,被害者参加の申し出をしていない場合であっても,第1回公判期日以降であれば,原則として,加害者の刑事裁判を担当している裁判所の刑事部で刑事記録の閲覧・謄写ができるということです。
ウ(ア) 裁判所は,刑事記録の謄写をさせる場合において,謄写した刑事記録の使用目的を制限し,その他適当と認める条件を付することができます(犯罪被害者保護法3条2項)。
    また,刑事記録を閲覧し又は謄写した者は,閲覧又は謄写により知り得た事項を用いるに当たり,不当に関係人の名誉若しくは生活の平穏を害し,又は捜査若しくは公判に支障を生じさせることのないよう注意しなければなりません(犯罪被害者保護法3条3項)。
    そのため,実務上は誓約書の提出を条件に刑事記録のコピーを認めてもらいます。また,日を改めて刑事記録のコピーをする場合,改めて誓約書を提出する必要があります。
(イ) 犯罪被害者保護法3条に基づく閲覧・謄写の場合であっても,被告人の身上調書,戸籍謄本,前科調書等は通常,対象外となります。
(ウ) 犯罪被害者保護法3条に基づく閲覧・謄写の場合,刑事裁判に提出された記録だけが対象となります。
    そして,弁護人が「不同意」にした部分については,該当部分が黒塗りにされた状態で裁判所の記録となっていますから,そもそも閲覧すらできません。
エ 犯罪被害者保護法に基づく刑事記録の閲覧又は謄写は,判決書を謄写する場合であっても,当該被告事件の確定前に申出人の閲覧又は謄写が完了していなければなりません(法務省HPの「平成19年改正刑事訴訟法等に関する意見交換会」の第12回会合議事録2頁参照)。
オ 被害者が刑事記録の閲覧をする場合,刑事事件記録等閲覧・謄写票に150円の収入印紙を貼付する必要があります(裁判所パンフレット「犯罪によって被害を受けた方へ」参照)。
    日を改めて刑事記録の閲覧をする場合,改めて150円の収入印紙が必要となります。
カ 略式命令事件の場合,公判期日が存在しない点で犯罪被害者保護法3条の適用はないと解されていますから,被告事件の終結前に刑事記録を閲覧又は謄写をすることはできません。
キ 平成19年6月27日法律第95号(平成19年12月26日施行)による改正前は,当該被害者等の損害賠償請求権の行使のために必要があると認める場合その他正当な理由がある場合で,かつ,犯罪の性質,審理の状況その他の事情を考慮して相当と認めるときに限り,閲覧又は謄写が認められていました。
(2)   最高検察庁の通達に基づく公訴事実記載書面及び冒頭陳述の取り寄せ
ア 被害者が,被告人となっている加害者の刑事裁判を担当している検察官に依頼した場合,起訴状記載の公訴事実等の内容を記載した書面,及び冒頭陳述の内容を記載した書面を交付してもらえます。
イ 「「犯罪被害者等の権利利益の尊重について(依命通達)」の発出について」(平成26年10月21日付の最高検察庁総務部長及び公判部長の通達)第3・3項(1)には以下の記載があります。
    被害者等が, 自己を被害者等とする事件の真相を知りたいと思うのは当然のことであり,刑事司法が「事件の当事者」である生身の被害者等の権利利益の回復に重要な意義を有するものである以上,真相解明の途上である捜査段階においては十分な説明は困難であっても,事件を公判請求した場合には,当該事件の被害者等の要望に応じて,事件の内容,捜査·公判に支障を及ぼすおそれや関係者の名誉·プライバシーを害するおそれの有無・程度等を考慮しつつ, 公判における検察官の主張·立証の内容を分かりやすく説明するのが相当である。
    このような説明に関連して,被害者等の要望があれば,起訴状記載の公訴事実等の内容を記載した書面や,冒頭陳述に際してあらかじめ書面を作成して裁判所に提出した場合においては,当該冒頭陳述の内容を記載した書面を交付するのが相当である。ただし,これらの書面を交付するに際しては,関係者のプライバシー保護に適切に配意する必要があり、例えば,公判廷で明らかにされない関係者の氏名を伏せた書面を交付すること,第三者へこれらの書面が不当に流出することがないように被害者等に注意喚起することなどの配慮が求められる。


3 裁判所HPでの説明
・   裁判所HPの「裁判手続 刑事事件Q&A」には以下の記載があります。
Q.訴訟記録の閲覧及び謄写とはどのようなものですか。
A.刑事事件においては,裁判が進行中の事件では,その訴訟記録を一般の人が閲覧したり謄写したりすることはできません。しかし,刑事事件の被害者等については原則として,訴訟記録を閲覧したり,謄写したりすることができます。また,閲覧謄写をしようとする事件の被告人等により行われた,その事件と同種の犯罪行為の被害者の方(同種余罪の被害者)は,損害賠償を請求するために必要があると認められる場合には,訴訟記録を閲覧したり,謄写したりすることができます。

4 関連記事その他
(1)  国際人権規約(自由権規約)14条1項は以下のとおりです。
    すべての者は、裁判所の前に平等とする。すべての者は、その刑事上の罪の決定又は民事上の権利及び義務の争いについての決定のため、法律で設置された、権限のある、独立の、かつ、公平な裁判所による公正な公開審理を受ける権利を有する。報道機関及び公衆に対しては、民主的社会における道徳、公の秩序若しくは国の安全を理由として、当事者の私生活の利益のため必要な場合において又はその公開が司法の利益を害することとなる特別な状況において裁判所が真に必要があると認める限度で、裁判の全部又は一部を公開しないことができる。もっとも、刑事訴訟又は他の訴訟において言い渡される判決は、少年の利益のために必要がある場合又は当該手続が夫婦間の争い若しくは児童の後見に関するものである場合を除くほか、公開する。
(2) 以下の記事も参照してください。
・ 検番等の入手方法等

・ 刑事裁判係属中の,起訴事件の刑事記録の入手方法(加害者である被告人側)
 刑事記録の入手方法等に関する記事の一覧

西村謄写館及びOPO謄写センターと検察庁との間の協定書等

1(1) 大阪高検及び大阪地検と協定書等を作成している謄写業者(西村謄写館及びOPO謄写センター)の謄写業務のうち,紙媒体による謄写業務には以下の3種類があります。
① 対面業務式
   使用許可に係る設置場所に乾式複写機を設置し,謄写申請人の依頼を受けて,同人の代わりに事件記録等の謄写を行う業務
② セルフ式業務
   使用許可に係る設置場所に設置されている特定の乾式複写について,謄写申請人自らが行う事件記録等の謄写に利用させる業務
→ 大阪高検及び大阪地検の場合,1枚当たり20円を超えて設定することはできない反面,白黒コピーに限定されています。
③ 出張謄写業務
   大阪地検岸和田支部,大阪区検察庁交通分室及び羽曳野区検察庁が管理する事件記録等の謄写について,謄写申請人の依頼を受けて,同人の代わりに当該事件記録等を管理する検察庁まで赴き,事件記録等の謄写を行う業務
(2) パソコン等を設置し,謄写申請人の依頼を受けて,同人の代わりにCD-R,DVD,BD-R,USBメモリ,フロッピーディスクその他の外部電磁的記録媒体に記録された情報を,別の外部電磁的記録媒体に謄写する業務は,対面式業務及び出張謄写業務に含まれる業務とされています。
   
2 西村謄写館が,大阪高検,大阪地検本庁,大阪地検岸和田支部,大阪区検察庁交通分室及び羽曳野区検察庁が管理している事件記録等の謄写業務に関して,大阪高検及び大阪地検との間で作成している以下の文書を掲載しています。
① 平成26年4月1日付の事件記録等謄写業務協定書
② 平成26年4月1日付の謄写対象物管理計画
③ 平成26年4月1日付の情報セキュリティ計画
→ 本文は全部黒塗りです。

3 OPO謄写センターが,大阪高検,大阪地検本庁,大阪地検岸和田支部,大阪区検察庁交通分室及び羽曳野区検察庁が管理している事件記録等の謄写業務に関して,大阪高検及び大阪地検との間で作成されている以下の文書を掲載しています。
① 平成26年4月1日付の事件記録等謄写業務協定書
② 平成26年4月1日付の謄写対象物管理計画
③ 平成26年4月1日付の情報セキュリティ計画
→ 本文は全部黒塗りです。

4 西村謄写館が,大阪地検堺支部が管理している事件記録等の謄写業務に関して,大阪高検及び大阪地検との間で作成している以下の文書を掲載しています。
① 平成26年9月1日付の事件記録等謄写業務協定書
② 平成26年9月1日付の謄写対象物管理計画
③ 平成26年9月1日付の情報セキュリティ計画
→ 本文は全部黒塗りです。

5 以下の記事も参照してください。
① 謄写業者,及び確定した刑事記録の保管場所
② 西村謄写館及びOPO謄写センター
③ 交通事故事件の刑事記録の入手方法

西村謄写館及びOPO謄写センター

目次
1 総論
2 謄写件数等報告書
3 堺支部及び岸和田支部での謄写業務
4 謄写料金等
5 電話番号
6 関連記事

1 総論
(1) 西村謄写館は大阪地検本庁及び大阪地検堺支部の記録の謄写業務を担当し,OPO謄写センターは大阪地検本庁の記録の謄写業務を担当しています。
   その関係で,大阪地検本庁で刑事記録を謄写する場合,OPO謄写センター及び西村謄写館のどちらで謄写するかという,閲覧・謄写に関する申出書を提出する必要があります。
(2) OPO謄写センターは18階にある公判提出予定記録の閲覧部屋の隣にあり,西村謄写館は18階のOPO謄写センターの隣にあります。
   また,大阪地検が入居している大阪中之島合同庁舎は,1階から13階までは低層階エレベーターを使用し,13階から24階までは高層階エレベーターを使用しています。
   そのため,確定記録の閲覧場所である8階からOPO謄写センター及び西村謄写館が入居している13階に行く場合,13階で乗り換える必要があります。
(3) OPO謄写センターは,検察庁職員だった人が運営しているといわれています(友新会HPの「第6回 事件記録の謄写問題が解決-地検堺支部」参照)。
(4) 西村謄写館は,令和7年8月18日,大阪市北区西天満1丁目10-1の秋田ビル1階から,大阪市北区西天満4丁目
3-9の和光ビル2階に移転したものの,電話番号及びファックス番号の変更はありません。

2 謄写件数等報告書
(1) 西村謄写館の謄写件数等報告書を以下のとおり掲載しています。
平成29年度平成30年度
令和元年度令和2年度
令和3年度令和4年度
令和5年度令和6年度
* 「西村謄写館の謄写件数等報告書(令和3年度)」といったファイル名です。
(2) OPO謄写センターの謄写件数等報告書を以下のとおり掲載しています。
平成29年度平成30年度
令和元年度令和2年度
令和3年度
令和4年度令和5年度令和6年度
* 「OPO謄写センターの謄写件数等報告書(令和3年度)」といったファイル名です。


3 堺支部及び岸和田支部での謄写業務
(1) 平成21年3月までは,大阪弁護士協同組合が大阪地検堺支部の記録謄写業務を行っていたものの,同年4月以降,西村謄写館が大阪地検堺支部の記録謄写業務を行うようになりました(友新会HPの
「第6回 事件記録の謄写問題が解決-地検堺支部」参照)。
(2) 岸和田支部に保管されている刑事記録の謄写を西村謄写館に依頼する場合,西村謄写館が検察庁にその都度,コピー機を持ち込んでコピーしている関係で,枚数に応じた出張料を請求されます(全国弁護士協同組合HPにある,大阪弁護士協同組合の「当組合おすすめお役立ち情報」参照)。

(3) 平成29年4月現在,西村謄写館が岸和田支部に出張するのは週に1回だけですから,岸和田支部の刑事記録を謄写する場合,特に時間がかかります(早い場合は10日から2週間,長い場合は2ヶ月ぐらいらしいです。)。
   そのため,例えば,実況見分調書だけが欲しい場合,とりあえずは,デジカメ等で接写した上でプリントアウトしたものを利用した方がいいかもしれません。

4 謄写料金等
(1) 西村謄写館の謄写料金等
ア 令和元年10月時点のコピー謄写料金(基本)一覧表を掲載しています。

イ 大阪地検本庁,堺支部,岸和田支部及び羽曳野区検を通じて,公判前であると確定記録であるとを問わず,モノクロが1枚40円,カラーが1枚70円です(消費税0%と書いてあることの意味は不明です。)。
ウ(ア) 公判前であると確定記録であるとを問わず,堺支部への出張経費等は500円以上であり,大阪府下全域への出張経費は1000円以上であり,他府県への出張経費は1500円以上です。
   ただし,案件によりケースバイケースでとのことです。
(イ) 友新会HPの「第6回 事件記録の謄写問題が解決-地検堺支部」(2009年9月2日掲載)の以下の記載との整合性はよく分かりません。
    検察庁に対し抜本的な解決をなすよう要望を続けてきましたところ、ようやく9月から、西村謄写館が堺支部にコピー機を設置できることとなりました。これで謄写の遅延の原因が解消されましたし、また、西村謄写館からは堺支部に西村さんのコピー機が設置された時点で堺支部の案件には出張料を請求しないとの回答を得ていますので、4月以来の懸案が抜本的に解決されることとなりました。

エ 確定記録の場合,150円の印紙代が別途,実費として発生します。

(2) OPO謄写センターの謄写料金等
ア 令和2年4月1日現在の謄写料金表を掲載しています。
イ 大阪地検本庁,堺支部,岸和田支部及び羽曳野区検を通じて,公判前であると確定記録であるとを問わず,税込みで,モノクロが1枚40円,カラーが1枚70円です。
ウ 大阪地検本庁の記録だけを取り扱っています。
エ 大阪市北区西天満1~6丁目とその一部周辺は,原則,平日(月~金曜日)夕方に弁護士事務所まで無料配達しています。
   また,同市中央区北浜1~4丁目及び同区今橋1~4丁目は,平日の月・水・金曜日の夕方に弁護士事務所まで無料配達しています。

5 電話番号
(1)ア 西村謄写館の電話番号は06-6455-2280(大阪地検18階)又は06-6364-2280(大阪市北区西天満の和光ビル2階)です。
イ 大阪地検堺支部及び岸和田支部の記録の謄写についても,問い合わせの電話番号は06-6364-2280です。

(2) OPO謄写センターの電話番号は06-4796-2299(大阪地検18階)です。
(3) 全弁協HP「当組合おすすめお役立ち情報」に電話番号が載っています。

6 関連記事
・ 謄写業者,及び確定した刑事記録の保管場所
・ 西村謄写館及びOPO謄写センターと検察庁との間の協定書等
・ 刑事裁判係属中の,起訴事件の刑事記録の入手方法(被害者側)
・ 刑事裁判係属中の,起訴事件の刑事記録の入手方法(加害者である被告人側)
・ 加害者の刑事裁判の判決が確定した後の,起訴事件の刑事記録の入手方法
・ 刑事記録の入手方法等に関する記事の一覧

謄写業者,及び確定した刑事記録の保管場所

目次
第1 謄写業者

1 大阪地家裁及び大阪地検の場合
2 京都地家裁及び京都地検の場合
3 神戸地検の場合
4 謄写申請書等の書式
第2 確定した刑事記録の保管場所
1 一般的な取扱い
2 大阪地検の取扱い
第3 検察庁HPの説明
第4 「謄写」の意義に関する裁判例
第5 関連記事

第1 謄写業者
1 大阪地家裁及び大阪地検の場合
(1)   刑事記録を謄写(コピー)する際に利用する謄写業者は以下のとおりです。
①  加害者の刑事裁判係属中の,起訴事件の刑事記録の場合(一般財団法人司法協会HPの「記録謄写(複写)」参照)
・ 大阪地裁本庁に係属している場合
〒530-8521
大阪市北区西天満2丁目1番10号
大阪高等・地方裁判所庁舎1階
司法協会大阪出張所(電話:06-6336-1290)
・ 大阪地裁堺支部に係属している場合
〒590-8511
大阪府堺市堺区南瓦町2番28号
大阪地家裁堺支部庁舎6階
司法協会堺出張所(電話:072-227-4781)
・ 大阪地裁岸和田支部に係属している場合
〒596-0042
大阪府岸和田市加守町4丁目27番2号
大阪地家裁岸和田支部庁舎1階
司法協会岸和田出張所(電話:072-441-4374)
② 加害者の刑事裁判の判決が確定した後の,起訴事件の刑事記録
・ 大阪地検本庁に保管されている場合
西村謄写館(電話:06-6455-2280)又はOPO謄写センター(電話:06-4796-2299)
・ 大阪地検堺支部又は岸和田支部に保管されている場合
西村謄写館(電話:06-6455-2280)
③ 不起訴事件の刑事記録
②の場合と同じです。
2 神戸地検の場合
(1) 神戸地検の刑事記録の謄写については,兵庫県弁護士協同組合の謄写部が担当しています。
神戸地検の刑事記録に関して謄写申請書を郵送する場合の宛先は,「〒650-0016 神戸市中央区橘通1-4-3」(兵庫県弁護士会と同じ住所です。)であるのに対し,謄写申請書を持参する場合,神戸地裁1階の謄写館室に持参します。
(2) 兵庫県弁護士協同組合の「事業内容」には,①乾式複写機の設置場所及び謄写の形態,並びに②兵庫県内における記録謄写の申請先一覧表が載っています。
3   謄写申請書等の書式
・ 愛知県弁護士協同組合HP「謄写申請用紙 一般向け」に以下の書式が載っています。謄写料金は1枚当たり44円(白黒)とのことです。
①裁判所用  記録謄写申請用紙
②検察庁   公判部用申請用紙 (公判提出予定記録・任意開示証拠など)
③検察庁   保存記録用申請用紙 (不起訴記録)
④検察庁   保管記録用申請用紙 (確定記録)
⑤処分調査票 (送付先FAX052-951-1695 名古屋地方検察庁記録係)

第2 確定した刑事記録の保管場所
1 一般的な取扱い
(1) 刑事事件について控訴又は上告された場合であっても,判決が確定した後は,第一審の裁判所を通じて対応する検察庁に送付されます(刑事訴訟規則304条)。
そのため,刑事記録の保管場所は,地裁が第一審の刑事事件の場合は地方検察庁であり,簡裁が第一審の刑事事件の場合(例えば,罰金の略式命令の場合)は区検察庁です(刑事確定訴訟記録法2条1項参照)。
(2)ア 道交法違反又は保管場所法違反の刑事記録については,本籍地方検察庁の検察官が保管検察官となる(刑事確定訴訟記録法付則6条・刑事確定訴訟記録法施行規則付則2項)ものの,保管検察官が保管しているのは交通切符等原票(交通切符の第2枚目,又は交通反則切符の第1枚目の裁判書)だけであり,それ以外の刑事記録は,第一審対応検察庁の検察官が保管検察官から嘱託を受けたものとして保管しています(記録事務規程の改正について(平成25年3月19日付の法務省刑事局長の依命通達)第4の2(1)及び(2)参照)。
イ 電算処理の対象とならない犯歴の把握は,本籍地方検察庁の犯歴担当事務官が担当しています(犯歴事務規程7条5項,9条2項及び10条2項参照)。
2 大阪地検の取扱い
(1) 大阪の場合,大阪地検・大阪区検は,大阪池田区検,豊中区検,吹田区検,茨木区検,東大阪区検及び枚方区検に関する問い合わせを受け付けています。
大阪地検岸和田支部・岸和田区検は,佐野区検に関する問い合わせを受け付けています。
羽曳野区検は,富田林区検に関する問い合わせを受けて付けています(大阪地検HPの「管内検察庁の所在地・交通アクセス」参照)。
(2) 「大阪地検の記録事務取扱要領」も参照してください。 

第3 検察庁HPの説明
   京都地検HPの「検務部門の業務」の「記録担当」には,以下の記載があります。
裁判が終結するなど全ての手続が終了した書類(記録)を一定期間保管・管理しています。
記録の閲覧についても取り扱っています。ただし,法律により閲覧が制限されることがあります。
〇交通事故の記録については膨大な数が取り扱われているため,閲覧の申込みには次の点に留意願います。
(1) 警察から検察庁に書類が送付されているか。
   警察から書類が送付されていない場合,検察庁で処理できませんので,まず事故の取扱警察署に確認してください。
(2) 検察庁の処分等が終わっているか。
   捜査中の記録等は閲覧できないため,検察庁の事件担当に処分状況をおたずねください。
〇被害者の方については,当庁の被害者支援員に相談して頂ければ,閲覧までのアドバイスを受けることができます。


第4 「謄写」の意義に関する裁判例
1 株式会社の計算書類等に関する裁判例ですが,宮崎地裁平成14年4月25日判決は以下の判示をしています。
 株主は,会社に対して,商法263条(現在の会社法31条)1項に掲げる書類の閲覧又は謄写を求めることができ(同条2項),ここにいう謄写とは,手書きによる筆写のみならず,写真撮影又はコピー機による複写を含むものであると解するのが相当である。
 しかしながら,商法263条2項と同法282条2項(現在の会社法442条3項)との規定のしかたの差異を考慮すると,商法263条2項は株主の会社に対する謄本ないし謄写物交付請求権まで認めたものと解するのは相当でない。したがって,被告が原告の謄本ないし謄写物交付請求を拒否したことに違法性はない。
2 平成13年11月28日法律第128号による改正前の場合,商法263条2項は「
株主及会社ノ債権者ハ営業時間内何時ニテモ前項ニ掲グル書類ノ閲覽又ハ謄写ヲ求ムルコトヲ得」と定めていたのであって,謄本又は抄本の交付請求は認めていませんでした。
 これに対して商法282条2項は「株主及会社ノ債権者ハ営業時間内何時ニテモ前項ニ掲グル書類ノ閲覧ヲ求メ又ハ会社ノ定メタル費用ヲ支払ヒテ其ノ謄本若ハ抄本ノ交付ヲ求ムルコトヲ得」と定めていました。

第5 関連記事
・ 西村謄写館及びOPO謄写センター
・ 西村謄写館及びOPO謄写センターと検察庁との間の協定書等
・ 検番等の入手方法等
・ 刑事裁判係属中の,起訴事件の刑事記録の入手方法(被害者側)

・ 刑事裁判係属中の,起訴事件の刑事記録の入手方法(加害者である被告人側)
・ 加害者の刑事裁判の判決が確定した後の,起訴事件の刑事記録の入手方法
・ 不起訴事件記録(例えば,実況見分調書及び物件事故報告書)の入手方法
・ 被害者参加対象事件(例えば,人身の交通事故)において閲覧又は謄写の対象となる不起訴事件記録
・ 交通事故事件の刑事記録の入手方法
・ 実況見分調書等の刑事記録の保管期間